JP3166951U - 荷運搬用手押し又は手引きカート - Google Patents

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正則 大渡
正則 大渡
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有限会社大渡工業所
清水 文江
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Abstract

【課題】自転車と連結されない状態においては、容易に自立安定性を高めることでき、一方、自転車と連結された状態においては、自転車の牽引動作にスムーズに対応できる荷運搬用手押し又は手引きカートを提供する。【解決手段】荷運搬用手押し又は手引きカート1は、下端に車輪支持部を有する本体フレーム2と、本体フレーム2の下端に設けられた車軸となる車輪支持部を介して本体フレーム2の左右に設けられる主車輪4と、車輪支持部から斜め上方へ延びる本体フレーム2の上部は水平方向に連結され、この水平部分によって構成される把持部5と、本体フレーム2の車輪支持部付近に設けられて、荷物を載置するための荷支持部6と、荷支持部6の端部に位置して主車輪4を補助し、かつ主車輪4を含んで4輪となって本体フレーム2を自立させる補助車輪7と、を備える。【選択図】図1

Description

本考案はスーパーなどで購入した物品を載せて手押し又は手引き形態で持ち帰ることができるカートに関する。
従来、把持部を設けたフレームの端に荷台と2つの車輪を備え、荷台に買い物した物品を入れて移動するカートが知られているが、長距離の移動には向かないものであった。一方、自転車で牽引可能な2つの車輪を備えた荷物の運搬手段として、特許文献1のような牽引リヤカーが知られている。リヤカーは、荷台から前方に伸びるU字形のフレームの中に人が入って引っ張ったり、U字形のフレームの端を持ち上げて手押しによって運搬する使用法が一般的であるが、U字形のフレームの端を自転車に取り付けて、自転車によって牽引する使用法も知られている。
特開2010−228665号公報
しかしながら、上記の特許文献1の牽引可能なリヤカーは、牽引するためのジョイント構造や金具に特徴があるが、この発明で開示する牽引するためのジョイント構造によると自転車への連結・牽引時に、その牽引カート側の連結部分を支点にして旋回を行うため、必然的に旋回半径が小さくなってしまい、様々なカーブが存在する道で牽引する場合には、牽引カートは自転者の牽引動作に対応できず、転倒事故等につながるおそれがある。
一般にリヤカーは、2つの車輪を備えた荷台に荷物を載せるときの安定性を維持するために、2つの車輪の他にU字形のフレーム側に2つの固定脚を備え、運搬時にはU字形のフレームを持ち上げて固定脚を浮かせて移動する構成を備えている。上記の特許文献1に示す牽引可能なリヤカーは、実施例としてリヤカーの一般的な固定脚の代わりに補助車輪を備えており、主車輪と補助車輪によって自立でき、この形態のまま手押し・手引きによる移動が可能となっている。
そして、特許文献1のリヤカーを自転車で牽引するときにも、主車輪と補助車輪によって自立した状態でも牽引することが可能になっており、走行時に自転車が受ける振動、リヤカーが受ける振動を吸収できるジョイントや金具に工夫が要り、構造が複雑になってしまうものであった。
上記事情を鑑みて、本考案は、自転車と連結されない状態においては、容易に自立安定性を高めることでき、一方、自転車と連結された状態においては、自転車の牽引動作にスムーズに対応できる荷運搬用手押し又は手引きカートを提供することを課題とする。
課題を解決するための手段及び考案の効果
本考案は、荷物を運搬させる手押し又は手引きカートであって、
下端に車輪支持部を有する本体フレームと、
前記本体フレームの下端に設けられた前記車輪支持部を介して前記本体フレームの左右に設けられる主車輪と、
前記車輪支持部から斜め上方へ延びる前記本体フレームの上部は水平方向に連結され、この水平部分によって構成される把持部と、
前記本体フレームの前記車輪支持部付近に設けられて、前記荷物を載置するための荷支持部と、
前記荷支持部の端部に位置して前記主車輪を補助し、かつ前記主車輪を含んで4輪となって前記本体フレームを自立させる補助車輪と、
を備えるとともに、
前記把持部には、連結ロッドの端部が着脱できる着脱部を設け、
前記連結ロッドの他端部には、自転車に設置した取付部に連結する連結部を設け、
前記連結ロッドを介して前記自転車によって牽引が可能になっていることを特徴とする。
このようにすれば、荷物を載置する荷支持部を備え、かつ、主車輪と補助車輪とからなる4輪の荷運搬用カートとして使用できる一方、連結ロッドを介して自転車による牽引が可能になる。また、カートの本体フレームに着脱部が設けられているから自転車との連結を容易に解除することができる。
また、本考案では、前記着脱部は前記把持部の水平方向の中間位置に形成され、前記着脱部の両側位置が使用者の両手で把持されることを特徴とする。
このようにすれば、使用者は力を込めやすい部分で把持することができるから、自転車と連結しない状態において、連結ロッドが邪魔にならずカートの手押し又は手引きが容易に行え、カートの取扱性の向上を図ることができる。
また、本考案では、前記連結ロッドは前記本体フレームの前記把持部に設けた前記着脱部に固定され、
前記取付部は前記自転車のサドルのステー部に中間部材を介して配置され、
前記取付部と前記連結部の連結は、前記連結ロッドが前記自転車に対して旋回可能となっている。
このようにすれば、連結ロッドによって本体フレームの把持部は固定されて、かつ、自転車側のサドル付近に連結部が位置しており、この連結部を支点にして大きな旋回半径で旋回が可能となるから、自転車の牽引動作に対してスムーズにカートが対応することができ、転倒事故を防止できる。
また、本考案では、前記補助車輪は、前記荷支持部の端部において補助車輪連結部材により跳上げ可能に取り付けられ、前記自転車によって牽引する時の前記補助車輪は、前記補助車輪連結部材の跳上げ位置に保持されている。
このようにすれば、補助車輪は跳上げ式であるから複雑な構造とすることなく、かつ使用者が取り付け用の工具を用いることなく補助車輪の使用・不使用を容易に切替えることができ、自転車の連結の構造が簡単であってもカートの牽引を確実に行うことができる。
また、本考案では、前記車輪支持部から斜め上方へ延びる前記本体フレームの直線フレーム部には、直線棒状の前記連結ロッドをその直線フレーム部に沿わせて一時的に保持する連結ロッドホルダが設けられる。
このようにすれば、自転車との連結を解除した状態において、連結ロッドを本体フレームに保持させることができるから、自転車を使わないカートの移動時に連結ロッドを紛失することがなく、かつ連結ロッドの保管場所を新たに確保する必要がない。また自転車で移動するために連結を行いたい場合は、連結ロッドが本体フレームに保持されているからすぐに使用して連結させることができる。
本考案の実施例1を示す荷運搬用手押し又は手引きカートの左側面図。 図1の荷運搬用手押し又は手引きカートの正面図。 図1、2の荷運搬用手押し又は手引きカートの平面図。 荷支持部のみを示す斜視図。 荷支持部上面にカゴを乗せた状態を示す左側面図。 自転車と連結させた状態を示す左側面図。 図6の連結ロッドを示す部分拡大図。 着脱部の正面図。 連結ロッドの部分拡大側面図。 連結ロッドの縮径部と着脱部の切欠部との嵌合状態を示す(a)正面図及び(b)側面図。 自転車側の取付部と、連結ロッドの連結部の取り付け状態を示す平面図。 連結部を示す拡大断面図。 連結ロッドとブラケットの取り付け状態を示す平面図。 連結部及び連結ロッドの回転を示す部分拡大図。 補助車輪の跳上げ状態を示す部分拡大図。 連結ロッドホルダで連結ロッドを保持した状態を示す左側面図。 連結ロッドと脱着部の他の取り付け状態を示す部分拡大断面図。 本考案の実施例2を示す荷運搬用手押し又は手引きカートの左側面図。 図18の荷運搬用手押し又は手引きカートの正面図。 図18、19の荷運搬用手押し又は手引きカートの平面図。
(実施例1)
以下、本考案の実施例の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は、本考案の実施例1を示す荷運搬用手押し又は手引きカート1の左側面図。図2は、図1の荷運搬用手押し又は手引きカート1の正面図。図3は、図1、2の荷運搬用手押し又は手引きカート1の平面図。図4は、荷支持部のみを示す斜視図をそれぞれ示している。
図1〜4に示すように、本考案の荷運搬用手押し又は手引きカート1(以下、単にカート1という)は、荷物を運搬させる手押し又は手引きのカートであって、下端に車輪支持部3を有する本体フレーム2と、本体フレーム2の下端に設けられた車軸となる車輪支持部3を介して本体フレーム2の左右に設けられる主車輪4と、車輪支持部3から斜め上方へ延びる本体フレーム2の上部は水平方向に連結され、この水平部分によって構成される把持部5と、を備える。当該本体フレーム2の両側の車輪支持部3付近には、一体に形成された支持フレーム9が設けられて、この支持フレーム9の上には荷物を載置するための荷支持部6が設置されるとともに、この支持フレーム9の端に位置して主車輪4を補助し、かつ主車輪4を含んで4輪となって本体フレーム2を自立させる補助車輪7が配置してある。
より具体的には、カート1は、例えば幅600mm、高さ810mm、奥行き650mm程度とされる。また、本体フレーム2は金属製のパイプで構成され、例えばスチール、ステンレス、アルミ等であって、その表面に塗装が施されている。主車輪4は、荷物の運搬時における衝撃を緩和する例えばゴムタイヤが好適に用いられ、補助車輪7は、例えばソリッドタイヤからなる自在車輪(キャスター)が適用される。荷支持部6はステンレス製の線材で構成され、つや消し処理が施されている。
荷支持部6は、一般的にスーパーマーケット等で使われている容量が約28リットルの店内バスケットと異なり、個人用に販売されている例えば高さ240mm、幅360mm、奥行き510mm程度で、容量約33リットルのマイバスケット又はエコバスケットと呼ばれているカゴB(図1〜3参照)を、収納可能な枠体であって、この荷支持部6にそのカゴBを収納させて運搬させることができる。
この枠体の荷支持部6は、車輪支持部3の付近の支持フレーム9に固定部9aで固定されて左右の端から上方へ延びる前後方向に一対となる縦枠10と、縦枠10の上端に繋がる前後方向へ延びる前後枠11と、前後枠11の前後の端が下方へ屈曲して左右の端を連結して前後枠11と合わせて一筆書き状に繋がる屈曲部12を形成している。また、屈曲部12と前後枠11とが連続するそれぞれの4隅には、荷支持部6に載置したカゴBの角に当接する位置に、例えばロープ掛けする時におけるロープの先端のフックのずれ防止として係止部17が形成されている。これらにより、荷支持部6にカゴBを収納した時には、縦枠10及び前後枠11が、左右方向へのカゴBのずれを防止し、屈曲部12が前後方向へのカゴBのずれを防止する。
また、荷支持部6の上方で前後枠11の上には、収納時にカゴBの上面を覆って蓋となる開放枠15が配置してある。この開放枠15は、前後枠11の上に配置した左右枠15aと、左右枠15aの端を連続させる横枠15bと、横枠15bに端が連結された複数の桟枠15cと、によって構成され、一方の前後枠11と左右枠15aとの間にヒンジ13が設けられ、開放枠15はヒンジ13によって回動可能になっており、回動時には荷支持部6の上方が開放される。よって、カゴBを収納させる場合には、開放枠15を開放させて、カゴBを荷支持部6の底部に載置させ、開放枠15を閉じてカゴBの上面を覆い、この開放枠15によって運搬時にカゴBのずれや荷物の飛び出しを防止することができる(図1も参照)。また、開放枠15の閉じた状態を維持するためのロック部16を、ヒンジ13の無い前後枠11と左右枠15aとの間に設けている。
なお、図5に示すように、荷支持部6の開放枠15の上面に、別のカゴBを載置して運搬することも可能である。図4も合わせて参照しながら、このとき、開放枠15の上に載せた別のカゴBの移動を止めるために、両側の横枠15bの上には端が曲げられて一部が左右枠15aの上まで届くように重ね合わせて取り付けた移動止め15dが設けてある。別のカゴBは開放枠15の桟枠15cの上に底面が載っており、カゴBの底部は移動止め15dに当接することで移動が止められている。このため、荷物の大きさや重さに応じて適宜複数のカゴBを使用することができるため自由度の高い運搬が可能となる。また当然ながら、必ずしもカゴBを荷支持部6に収納もしくは、開放枠15の上に載置させて使用する必要はなく、カゴBを用いることなく、直接的に荷物を荷支持部6に収納もしくは、開放枠15の上に載置させてもよい。この場合は、例えばロープやワイヤー等で荷物を、枠体の荷支持部6や係止部17にくくりつけることでより一層安定して運搬することができる。
また、把持部5には、後で詳細に説明する連結ロッド20の端部が着脱できる着脱部21を設けられており、この着脱部21は、把持部5の水平方向の中間位置に形成され(図2も参照)、着脱部21の両側位置が使用者の両手で把持される。
以上のような構成を備える本考案のカート1は、荷支持部6に荷物を収納して、使用者が把持部を把持し、手押しするもしくは手引きすることで、荷物の運搬を行うことができる。具体例をあげるとすれば、例えば、スーパーマーケットで買い物をする場合は、開放枠15の上にカゴBを載置し、そのカゴB内側に、カゴBよりも小さいスーパーマーケットの店内カゴを重ねる。それらを重ねた状態で商品を入れ、精算時において、カゴB内側の商品の入った店内カゴを外し、精算の終わった商品は、カゴBに移し変えられる。その後、使用者がカート1の把持部を把持し、手押しもしくは手引きすることで運搬すれば、仮に商品が重いものであっても、カート1によって容易に家まで運搬することができる。
以上のとおり、使用者が徒歩で買い物に行く場合は、カート1のみで対応することができるが、徒歩圏外であって例えば自転車を利用せざるを得ないような距離の場合には、本考案のカート1は、以下に説明するように自転車に連結可能な構成を備えており、それによりカート1を自転車に対して旋回可能なように牽引させることができる。
図6に示すように、本体フレーム2の把持部5には、連結ロッド20の端部が着脱できる着脱部21を設け、連結ロッド20の他端部には、自転車に設置した取付部22に連結する連結部23を設け、連結ロッド20を介して自転車によって牽引が可能になっている。
図7に示すように、連結ロッド20は、本体フレーム2の把持部5に設けた着脱部21に固定され、取付部22は自転車のサドル25のステー部26に、中間部材27を介して配置され、取付部22と連結部23の連結は、連結ロッド20が自転車に対して旋回可能となっている。
より具体的には、図8に示すように、着脱部21は正面視において、凹型状の切欠部43が形成されており、図9に示すように、パイプで構成した連結ロッド20は、その端から内部に向けて先端にメスねじ20aが固定された筒体20bが嵌め込まれて固定され、その筒体20bは連結ロッド20の外径より小径のくびれ部分をなす縮径部44を構成している。また、その縮径部44上には、筒体20bと直交方向に凸型状の丸棒部45が固着されている。このように形成された縮径部44は、図10(a)に示すように、着脱部21の切欠部43に嵌め込まれ、図10(b)に示すように、先端にボルト28aを取り付けた取付ノブ28を筒体20bに差し込んで、連結ロッド20内に位置するメスねじ20aにねじ込むことで、丸棒部45が連結ロッド20のまわり止めとなり、着脱部21の切欠部43に縮径部44の先端が嵌合して左右へのずれを防止しながら、縮径部44と切欠き部43を締付でき、着脱部21に連結ロッド20が取り付けられる。このとき取付ノブ28の先端に取り付けたボルト28aを長くすることで、取付ノブ28を緩めて切欠き部43から連結ロッド20の縮径部44を取り外したときにおいても、連結ロッド20の端に取付ノブ28が取り付けられたままとなり、取付ノブ28の紛失の恐れがなくなる。
図7に戻って、中間部材27は、ブラケット31やボルト32等からなる固定部材33によって自転車のステー部26に取り付けられており、サドル25付近に連結ロッド20の連結部23を位置させている。
図11に示すように、自転車側に固定された中間部材27の先端の取付部22は、平面視でL型の部材とされて、支軸35aを中心に開閉する挟み込み部材35が固定部材36により取り付けられている。この挟み込み部材35と取付部22は、固定部材36の締め込みにより、適宜調節可能な差し込み部37を形成している。そして、差し込み部37に対して、連結ロッド20の円柱状で下方に突出した連結部23が、上方から下方に向かって差し込まれ、係合部材36の調節によって連結ロッド20の連結部23が固定される。
また、図12に示すように、連結部23はシャフト23aの外側にパイプ23bが取り付けてあり、パイプ23bはシャフト23aに対して回転自在となっている。このため、図11のように、固定部材36によって差し込み部37がパイプ23bを締め付け固定しても、連結部23のシャフト23aは回転することができるようになっている。
また、連結部23の上部には中空のブッシュ61が形成され、図13に示すように、このブッシュ61の中空部分にはU字形のブラケット62の端に設けたブラケット軸63が貫通して取り付けてある。また、ブラケット62のU字形の部分に形成した穴には、連結ロッド20の端に取り付けたボルト64が貫通し、ブラケット62内にボルト64の頭を位置させることによって、連結ロッド20がブラケット62に対して回転できるようになっている。
このため、図14に示すように、ブラケット軸63はブラケット62と一体化しており、上記の通り差し込み部材35に連結部23のシャフト23aが差し込まれた状態において、ブッシュ61内のブラケット軸63を軸として、連結ロッド20は上下方向への回転を可能としている。さらに、連結ロッド20の端に取り付けたボルト64が貫通しているブラケット62のU字形の部分の穴を中心に、ブラケット62に対して連結ロッド20自体が回転可能になっている。
一方、図7や図12に示すように、自転車側のステ−26の中間部材27に取付部22介して固定された差し込み部材35は、連結部23のパイプ23bが締め付け固定しているが、連結部23はシャフト23aとは回転自在になっているから、連結ロッド20はブラケット62と連結部23を介して、水平方向の回転も可能になっている。
以上のような構成により、連結ロッド20は、連結部23を支点とする回動が自在となり、自転車に対してカート1が旋回可能とされている。このような構成とすれば、カート1側の例えば把持部5付近等で旋回するよりも旋回半径が大きくなり、カート1は自転車の牽引動作に対応しやすくなる。
図15(a)に示すように、既に説明した補助車輪7は、荷支持部6の左右の端部において、それぞれ操作するためのノブ、回動軸となるボルト、固定するためのロック部からなる補助車輪連結部材40によって、跳ね上げ可能に取り付けられており、自転車によって牽引する時の補助車輪7は、補助車輪連結部材40の跳上げ位置に保持されている。より具体的には、補助連結部材40は、荷支持部6に固定されたロック部材41と、補助車輪7の取り付け軸7aの回動中心となるボルト41aと、牽引位置と跳上げ位置とに取り付け軸7aを固定する固定ノブ42とを備えている。ロック部材41は、図15(b)及び図15(c)に示すように、牽引位置と跳上げ位置において固定ノブ42から延びる固定シャフト42aの先端が挿通する長穴41bと、長穴41bの周りに夫々4個の突起41cが形成している。固定シャフト42aには、図15(b)に示すように、補助車輪7の取り付け軸7aと固定ノブ42との間にスプリング42cを備え、固定シャフト42aの先端には、係止ピン42dが取り付けてある。
カート1が補助車輪7を使って移動するときには、固定シャフト42aがスプリング42cを圧縮して押し込まれ、固定シャフト42aの先端の係止ピン42dが突起41cの間に係止して牽引位置に固定されている。この牽引位置からカート1を跳上げ位置に変更するときには、固定ノブ42によってスプリング42cを圧縮して係止ピン42dの位置が突起41cの高さを越えると、固定ノブ42は回転可能になり、固定ノブ42が90度回転すると係止ピン42dの位置と長穴41bの位置が重なるので、スプリング42cの力で固定シャフト42aの先端は長穴41bを抜け出し、取り付け軸7aと補助車輪7が回転可能になる。この状態で、補助車輪7を跳上げ位置に回動することができ、跳上げ位置では再び固定ノブ42によってスプリング42cを圧縮して、固定シャフト42aの先端を他方の長穴41bに挿通し、さらに係止ピン42dの位置が突起41cの高さを越えると、固定ノブ42は回転可能になり、固定ノブ42が90度回転すると固定シャフト42aの先端の係止ピン42dが突起41cの間に係止して跳上げ位置に固定することができる。これにより、主車輪4の2輪だけで、本体フレーム2を支持することになるから、補助車輪7を含めた4輪の場合と比較して、牽引時の振動・がたつきを荷物に与えることが少なくなり、スムーズに牽引することができる。
図16に示すように、車輪支持部3から斜め上方へ延びる本体フレーム2の直線フレーム部49には、直線棒状の連結ロッド20を、その直線フレーム部49に沿わせて一時的に保持する連結ロッドホルダ50が設けられる。この連結ロッドホルダ50は、その直線フレーム部49の例えば上部、中間部に2箇所設けられている。この連結ロッドホルダ50により、牽引しないでカート1単独で使用する場合、連結ロッドホルダ50に連結ロッド20を保持させておけば、紛失することはない。また、自転車に連結ロッド20を常に取り付けておく必要がなく、自転車の使用時に邪魔にならない。そして、自転車による牽引を行いたい場合にのみ、連結ロッド20取り付ければ、連結ロッド20を紛失するおそれもなく、迅速に牽引の準備が行える。
以上で説明したカート1は、図17に示すように、連結ロッド20の把持部5の着脱部21の部分を支点にして旋回を行うこともできる。この場合は、連結ロッド20の自転車側の連結部は固定とされる。また、着脱部21は筒状に形成される。
より具体的には、図17(a)に示すように、連結ロッド20の本体フレーム2側の端部に連結部23を下側へ突出するように設けるか、もしくは、図17(b)に示すように、連結部23を上側へ突出するように設け、把持部5の着脱部にそれぞれ、上方ないし、下方から連結ロッド20を着脱部21に取り付ける。このようにすれば、旋回時に自転車のサドル25付近にある重心から、連結ロッド20の長さ離れた部分で、自転車を傾けようとする力が加わるが、カート自体については、旋回時のふれ幅を小さくすることができる。
以上の実施例1のカート1の他の例を実施例2として説明する。なお、実施例1と共通の部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
(実施例2)
図18〜20に示すように、実施例2のカート1は、線材で形成された枠体の荷支持部6の代わりに、例えばポリプロピレン樹脂等からなる箱体の収納ボックス55を予め備えている。この収納ボックス55は、車輪支持部3の付近の支持フレーム9上に固定されており、上部に蓋部56を有する。その蓋部56の前方端及び後方端には、蓋部56を閉じた状態で維持する金属製の線材からなるロック部57が備えられている。
このような収納ボックス55をカート1が備えていれば、中に荷物を収納しても、蓋部56により完全に密閉されるから、例えば荷物が食料品等であれば、清潔を保ちつつ運搬することができるし、また雨天時等には中の荷物が濡れるおそれがない。
以上、本考案の実施の形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本考案はこれらに限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
1 荷運搬用手押し又は手引きカート(カート)
2 本体フレーム
3 車輪支持部
4 主車輪
5 把持部
6 荷支持部
7 補助車輪
20 連結ロッド
21 着脱部
22 取付部
23 連結部
25 サドル
26 ステー部
27 中間部材
50 連結ロッドホルダ

Claims (5)

  1. 荷物を運搬させる手押し又は手引きカートであって、
    下端に車輪支持部を有する本体フレームと、
    前記本体フレームの下端に設けられた前記車輪支持部を介して前記本体フレームの左右に設けられる主車輪と、
    前記車輪支持部から斜め上方へ延びる前記本体フレームの上部は水平方向に連結され、この水平部分によって構成される把持部と、
    前記本体フレームの前記車輪支持部付近に設けられて、前記荷物を載置するための荷支持部と、
    前記荷支持部の端部に位置して前記主車輪を補助し、かつ前記主車輪を含んで4輪となって前記本体フレームを自立させる補助車輪と、
    を備えるとともに、
    前記把持部には、連結ロッドの端部が着脱できる着脱部を設け、
    前記連結ロッドの他端部には、自転車に設置した取付部に連結する連結部を設け、
    前記連結ロッドを介して前記自転車によって牽引が可能になっていることを特徴とする荷運搬用手押し又は手引きカート。
  2. 前記着脱部は前記把持部の水平方向の中間位置に形成され、前記着脱部の両側位置が使用者の両手で把持されることを特徴とする請求項1に記載の荷運搬用手押し又は手引きカート。
  3. 前記連結ロッドは前記本体フレームの前記把持部に設けた前記着脱部に固定され、
    前記取付部は前記自転車のサドルのステー部に中間部材を介して配置され、
    前記取付部と前記連結部の連結は、前記連結ロッドが前記自転車に対して旋回可能となっている請求項1又は2に記載の荷運搬用手押し又は手引きカート。
  4. 前記補助車輪は、前記荷支持部の端部において補助車輪連結部材により跳上げ可能に取り付けられ、前記自転車によって牽引する時の前記補助車輪は、前記補助車輪連結部材の跳上げ位置に保持されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の荷運搬用手押し又は手引きカート。
  5. 前記車輪支持部から斜め上方へ延びる前記本体フレームの直線フレーム部には、直線棒状の前記連結ロッドをその直線フレーム部に沿わせて一時的に保持する連結ロッドホルダが設けられる請求項1ないし4のいずれか1項に記載の荷運搬用手押し又は手引きカート。
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