JP3166805B2 - 光ファイバコネクタ - Google Patents

光ファイバコネクタ

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JP3166805B2
JP3166805B2 JP11833393A JP11833393A JP3166805B2 JP 3166805 B2 JP3166805 B2 JP 3166805B2 JP 11833393 A JP11833393 A JP 11833393A JP 11833393 A JP11833393 A JP 11833393A JP 3166805 B2 JP3166805 B2 JP 3166805B2
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高志 吉澤
昭 永山
邦治 加藤
和則 金山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光ファイバコネクタに関
し、特にフェルールがストップリングからフロートする
浮動機構のものに適用して有用なものである。
【0002】
【従来の技術】一体化された光ファイバコネクタ機構と
しては、米国のAT&Tで発明されたSTコネクタが当
該業者には良く知られている。この光ファイバコネクタ
機構はフェルールとスプリングがバイヨネット形式のカ
ップリングナットに前組みされた形式である。STコネ
クタは3点の部品(フェルール、スプリング、カップリ
ングナット)を一体化してあるので、組立時間は短縮で
きる。しかし、STコネクタは光コード外力に抵抗して
光ファイバ素線を保護する抗張力体がフェルールに直接
締結される構造になっているので、光コードに外力が作
用した場合、接続のために密着されているフェルール間
にわずかな隙間が発生し、光信号が瞬断するという欠点
があった。またSTコネクタは、フェルールおよび光フ
ァイバ素線の製造の際に発生する偏心誤差の影響を直接
受けるという欠点もあった。すなわち、偏心方向が互い
に異なるSTコネクタを接続した場合、突き合わせた光
ファイバ素線部のコア間に偏差が発生し、接続損失が大
きくなる(偏心方向が180度異なる最悪ケースで、接
続損失が最大になる)。
【0003】STコネクタで発生する瞬断と偏心誤差に
よる接続損失増加の問題を解決したF04形単心光ファ
イバコネクタ(JIS C 5973、以下SCコネクタ
と呼ぶ)はフェルールがストップリングからフロートす
る浮動機構であり、偏心を調整する偏心調整機構をも内
蔵している。この結果、SCコネクタは高速・高信頼光
通信用光コネクタとして世界的規模で使用されるように
なってきた。
【0004】ここで、従来技術に係るSCコネクタのス
トップリング2とプラグフレーム8とを説明する。
【0005】図3(a)はストップリング2を一部切欠
いて示す正面図、図3(b)はその左側面図である。両
図に示すように、ストップリング2は、その外周面の相
対向する2箇所に径方向に突出する凸部2aを有してい
る。
【0006】図4(a)はプラグフレーム8の縦断面
図、図4(b)はそのA−A線断面図、図4(c)はそ
の平面図、図4(d)は図4(c)の左側面図、図4
(e)は図4(c)の右側面図である。これら図4
(a)〜図4(e)に示すように、プラグフレーム8の
内周面の相対向する2箇所には、前記ストップリング2
の凸部2aが嵌入される孔8aが設けてある。この孔8
a間の内径D0 は、ストップリング2の凸部2aの間の
外径d0 (図3参照)よりも小さくなるように形成して
ある。また、プラグフレーム8は、前記孔8aから周方
向に90°回動した位置に、軸方向に亘り開口端から切
欠かれた切欠き部8bを有しており、この結果プラグフ
レーム8が弾性変形して開口部を開き得るように構成し
てある。
【0007】かくして、プラグフレーム8の開口部を開
いた状態でストップリング2をプラグフレーム8に挿入
し、その凸部2aが孔8aに嵌入された状態で外力を除
去することによりプラグフレーム8が自己の弾性力によ
り元に戻り、図5(a),(b)に示すように、ストッ
プリング2はプラグフレーム8に凸部2aを介して固定
される。
【0008】かかるストップリング2及びプラグフレー
ム8を有するSCコネクタの組立時には、図6に示すよ
うに、ゴムフード5、リング6、かしめリング7ととも
にストップリング2、コイルバネ3を予め挿入した光コ
ード1の先端に、外被除去、芯線被覆除去、プライマリ
コート除去等の前処理を施してから、別途供給するフェ
ルール4を装着する。
【0009】その後、凸球面に研磨したフェルールの調
心工程に入る。すなわち、フェルール4の外径を基準に
偏心方向をプラグフレーム8に対しほぼ一定の方向とす
るため、フェルール4のフランジ切欠き部4aとプラグ
フレーム8の内部突起8c(図4(e)参照)が一致す
るようにフェルール4を回転位置決め(第1の回転位置
決め)する。次いで、コイルバネ3およびストップリン
グ2を戻して組み付けを行なう。この際、図7(a)に
示すように、ストップリング2に2箇所設けられている
突起部2aがプラグフレーム8の孔8aに嵌合するよう
にストップリング2を再度、回転位置決め(第2の回転
位置決め)して、図7(b)に示すように挿入する。
【0010】図7(b)に示す状態で、光コード1の抗
張力体のかしめ、外皮固定、ゴムフード5の装着、ツマ
ミ装着等の諸作業を行なう。かかる接続状態において、
フェルール4は、ストップリング2に一端が当接してい
るコイルバネ3のバネ力により、図6中の左方向に押圧
されており、しかもストップリング2に対しては、コイ
ルバネ3を介してフロートした状態で支持されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述の如き従来技術に
係るSCコネクタの組立においては、部品点数の多さ
と、人手組立を前提とした複雑な作業が要求される部品
構造が自動化を妨げていた。部品点数の削減は、部品の
複合化で解決できるが、複雑な作業が要求される調心工
程の自動化のためには、コネクタ構造の改良が必要にな
る。従来、調心工程においては、前述のようにプラグフ
レーム8に対して、フェルール4の回転位置決め(第1
の回転位置決め)とストップリング2の回転位置決め
(第2の回転位置決め)の2回の位置決め動作が必要
で、組立の自動化を複雑にしていた。
【0012】本発明は、SCコネクタの調心工程におけ
る回転位置決めを簡素化するためになされたもので、第
1の回転位置決めは調心機能を持たせるために不可避で
あるが、ストップリングの第2の回転位置決めは構造に
起因することに着目し、ストップリングの回転調整を不
要にできる光ファイバコネクタを提供することを目的と
している。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する第1
の発明の構成は、軸方向に亘り挿入された光ファイバ素
線の先端部が固着されたフェルールをコイルバネを介し
てフロート状態で支持する円筒状のストップリングと、
軸方向に移動させて開口端から挿入する前記ストップリ
ングを結合するプラグフレームとを有する光ファイバコ
ネクタにおいて、ストップリングはその外周面の全周に
亘りフランジ状の突起部を有する一方、プラグフレーム
は、径方向に弾性変形して開口端を開き得るように構成
するとともに、挿入したストップリングの軸方向の移動
を規制するよう、ストップリングの挿入に伴いその突起
部が嵌まり込む孔と、この孔に開口端側で隣接して径方
向に突出する一対の凸部とを設け、このように突起部が
孔に嵌まり込んだ状態で突起部がストップリングの外周
面を支持するように構成したことを特徴とする。
【0014】また、第2の発明は、軸方向に亘り挿入さ
れた光ファイバ素線の先端部が固着されたフェルールを
コイルバネを介してフロート状態で支持する円筒状のス
トップリングと、軸方向に移動させて開口端から挿入す
る前記ストップリングを結合するプラグフレームとを有
する光ファイバコネクタにおいて、ストップリングはそ
の外周面の全周に亘りフランジ状の突起部を有するとと
もに、この突起部は周方向に亘り配設した複数の切欠き
部を有する一方、プラグフレームは、径方向に弾性変形
して開口端を開き得るように構成するとともに、挿入し
たストップリングの軸方向の移動を規制するよう、スト
ップリングの挿入に伴いその突起部が嵌まり込む孔と、
この孔に開口端側で隣接して径方向に突出するとともに
ストップリングの突起部の切欠き部の幅よりも広い一対
の凸部を設け 突起部が孔に嵌まり込んだ状態で突起部
がストップリングの外周面を支持するように構成し、
らにプラグフレームの上記孔と凸部との間にストップリ
ングの突起部の切欠き部を嵌入してその周方向への回動
を規制するよう軸方向に突出する係止部を設けて構成し
たことを特徴とする。
【0015】
【作用】上記構成の第1及び第2の発明によれば、スト
ップリングは、その位置状態に関係なくプラグフレーム
に挿入し得るとともに、挿入結合後はその突起部がプラ
グフレームの凸部に当接することにより抜けが防止され
る。
【0016】さらに、第2の発明によれば、プラグフレ
ームの係止部にプラグフレームの突起部の切欠き部が嵌
入することにより周方向への回動も防止し得る。
【0017】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づき詳細に説
明する。
【0018】図1(a)は本発明の第1の実施例に係る
ストップリングを一部切欠いて示す正面図、図1(b)
はその左側面図、図1(c)は本発明の第1の実施例に
係るプラグフレームを示す縦断面図、図1(d)はその
B−B線断面図である。
【0019】図1(a),(b)に示すように、ストッ
プリング12は、従来と同様に、フェルールをコイルバ
ネを介してフロート状態で支持する円筒状の部材であ
り、その外周面の全周に亘りフランジ状の突起部12a
を有している。
【0020】図1(c),(d)に示すように、プラグ
フレーム18は、従来と同様に軸方向に伸びる切欠き部
18bを有することにより径方向に弾性変形して開口部
を開き得るように構成するとともに、挿入したストップ
リング12の突起部12aが当接して開口端側への抜け
を防止するよう径方向に突出する一対の凸部18cが設
けてある。この凸部18cは、従来技術の孔8aと同様
に構成した孔18aに開口端側で隣接するように設けて
ある。このとき、凸部18cの内周面を含む円の径をD
1 、この凸部18cの除く内周面を含む円の径をD2
ストップリング12の突起部12aの外径をd1 とする
とき、D2 ≧d1 >D1 となるように構成してある。す
なわち、ストップリング12とプラグフレーム18との
結合状態では突起部12aの外形形状は図1(d)に二
点鎖線で示すような状態となる。このように突起部12
aが孔8aに嵌まり込んだ状態で、図5に示す従来技術
の場合と同様に、突起部12aがストップリング12の
外周面を支持するように構成してある。
【0021】本実施例においては、ストップリング12
の突起部12aをその外周面の全周に亘り設けており、
しかもプラグフレーム18における径D1 ,D2 と突起
部12aの外形d1 との関係はD2 ≧d1 >D1 となっ
ている。したがって、プラグフレーム18を弾性変形す
ることにより開口部を開き、ストップリング12を、そ
の突起部12aが凸部18cよりも奥に挿入された状態
で自己の弾性力によりプラグフレーム18を元に戻すこ
とにより凸部18cに突起部12aが当接し、両者の接
続関係が保持される。
【0022】第1の実施例におけるストップリング12
のプラグフレーム18に対する挿入作業は、ストップリ
ング12周方向に関する位置状態に関係なく行なうこと
ができる。
【0023】図2(a)は本発明の第2の実施例に係る
ストップリングを一部切欠いて示す正面図、図2(b)
はその左側面図、図2(c)は本発明の第2の実施例に
係るプラグフレームを示す縦断面図(但し上半分のみを
示す)、図2(d)はそのC−C線断面図、図2(d)
はその平面図である。
【0024】図2(a),(b)に示すように、ストッ
プリング22の突起部22aには、周方向に亘り複数
(本実施例では4個)の切欠き部22cを有している。
また、図2(c),(d),(e)に示すように、プラ
グフレーム28の孔28a及び凸部28cには、この凸
部28cに当接する突起部22aの切欠き部22cを嵌
入してその周方向への回動を規制するよう軸方向に突出
する係止部28dを設けてある。このとき、凸部28c
の幅は、切欠き部22cの幅よりも大きく形成してあ
る。本実施例における他の構成は、第1の実施例と同様
である。
【0025】第2の実施例によれば、第1の実施例の作
用効果とともに、係止部28dを切欠き部22cが嵌入
することによりストップリング22の周方向への回動も
規制し得るという作用効果も奏する。
【0026】第2の実施例におけるストップリング22
のプラグフレーム28に対する挿入作業は、ストップリ
ング22の周方向に関する位置状態に関係なく行なうこ
とができる。このとき、切欠き部22cが係止部28d
を嵌入することなく、凸部28cと突起部22aとが当
接した状態であっても良い。ストップリング22とプラ
グフレーム28の接続状態においてストップリング22
に外力が作用し周方向に回動しても切欠き部22cが係
止部28dを嵌入した位置でストップリング22の回動
は規制される。このとき、ストップリング22はフェル
ールをフロート状態で支持しているのでフェルールが動
くことはない。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
光コネクタ組立時のストップリングとプラグフレームと
の第2の回転位置合わせを不要にできるため、組立作業
が単純となる。この結果、光コネクタの自動組立ライン
の構成が簡素になり、光コネクタの品質安定化、高信頼
化、定価化が達成できるという効果がある。また、人手
組立、特に組立環境が劣悪な現地組立の光コネクタにお
いても上記効果のほか、組立作業が簡素化できるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す図で、(a)はス
トップリングを一部切欠いて示す正面図、(b)はその
左側面図、(c)はプラグフレームを示す縦断面図、
(d)はそのB−B線断面図である。
【図2】本発明の第2の実施例を示す図で、(a)はス
トップリングを一部切欠いて示す正面図、(b)はその
左側面図、(c)はプラグフレームを示す縦断面図(但
し上半分のみを示す)、(d)はそのC−C線断面図、
(e)はその平面図である。
【図3】従来技術を示す図で、(a)はストップリング
を一部切欠いて示す正面図、(b)はその左側面図であ
る。
【図4】従来技術を示す図で、(a)はプラグフレーム
の縦断面図、(b)はそのA−A線断面図、(c)はそ
の平面図、(d)は(c)の左側面図、(e)は(c)
の右側面図である。
【図5】従来技術における接続時の態様を示す図で、
(a)は縦断面図、(b)は図4(b)に凸部の位置を
二点鎖線で示したA−A線断面図である。
【図6】従来技術における接続時の各部の組立態様を示
す斜視図である。
【図7】従来技術における接続時の態様を特にストップ
リング及びプラグフレームの部分に関して示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
12,22 ストップリング 12a,22a 突起部 18,28 プラグフレーム 18c,28c 凸部 22c 切欠き部 28d 係止部 D1 ,D2 径 d1 外径
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金山 和則 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−15509(JP,A) 実開 平5−4111(JP,U) 実開 平3−20307(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/38

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に亘り挿入された光ファイバ素線
    の先端部が固着されたフェルールをコイルバネを介して
    フロート状態で支持する円筒状のストップリングと、軸
    方向に移動させて開口端から挿入する前記ストップリン
    グを結合するプラグフレームとを有する光ファイバコネ
    クタにおいて、 ストップリングはその外周面の全周に亘りフランジ状の
    突起部を有する一方、 プラグフレームは、径方向に弾性変形して開口端を開き
    得るように構成するとともに、挿入したストップリング
    の軸方向の移動を規制するよう、ストップリングの挿入
    に伴いその突起部が嵌まり込む孔と、この孔に開口端側
    で隣接して径方向に突出する一対の凸部とを設け、この
    ように突起部が孔に嵌まり込んだ状態で突起部がストッ
    プリングの外周面を支持するように構成したことを特徴
    とする光ファイバコネクタ。
  2. 【請求項2】 軸方向に亘り挿入された光ファイバ素線
    の先端部が固着されたフェルールをコイルバネを介して
    フロート状態で支持する円筒状のストップリングと、軸
    方向に移動させて開口端から挿入する前記ストップリン
    グを結合するプラグフレームとを有する光ファイバコネ
    クタにおいて、 ストップリングはその外周面の全周に亘りフランジ状の
    突起部を有するとともに、この突起部は周方向に亘り配
    設した複数の切欠き部を有する一方、 プラグフレームは、径方向に弾性変形して開口端を開き
    得るように構成するとともに、挿入したストップリング
    の軸方向の移動を規制するよう、ストップリングの挿入
    に伴いその突起部が嵌まり込む孔と、この孔に開口端側
    で隣接して径方向に突出するとともにストップリングの
    突起部の切欠き部の幅よりも広い一対の凸部を設け 突起部が孔に嵌まり込んだ状態で突起部がストップリン
    グの外周面を支持するように構成し、 さらにプラグフレームの上記孔と凸部との間にストップ
    リングの 突起部の切欠き部を嵌入してその周方向への回
    動を規制するよう軸方向に突出する係止部を設けて構成
    したことを特徴とする光ファイバコネクタ。
JP11833393A 1993-05-14 1993-05-20 光ファイバコネクタ Expired - Lifetime JP3166805B2 (ja)

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EP94107485A EP0624810B1 (en) 1993-05-14 1994-05-13 Optical fiber connector unit and optical fiber connector
DE69427841T DE69427841T2 (de) 1993-05-14 1994-05-13 Baugruppe für Glasfaserverbindung und Glasfaserstecker

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