JP3166788U - 昇降機の診断装置 - Google Patents

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【課題】昇降機の運転機構や制御リレーなどに関する各種故障または故障の予兆を簡便かつ正確に診断することができる昇降機の診断装置を提供する。【解決手段】昇降機診断装置1は、エレベータ制御盤2の電力配線21に取り付けられ電流を計測する電流計測器11、エレベータ制御盤2の制御リレー22近傍に着脱自在に取り付けられ、制御リレー22の開閉に伴う振動波形を計測する振動センサ12、電流計測器11及び振動センサ12の計測信号をそれぞれ計測電流波形及び計測振動波形として検出する波形検出器13、記憶手段15に記憶されている正常電流波形及び正常振動波形を読み出して、計測電流波形及び計測振動波形と比較する比較器14、電流波形及び振動波形の比較結果に基づいて、故障または故障の予兆が認められるか否かを判断する判断手段16及び判断結果を出力する出力手段17と、を備えている。【選択図】 図1

Description

本考案は、エレベータや機械式駐車装置などの昇降機の故障または故障の予兆を診断するための昇降機の診断装置に関する。
従来より、エレベータなどの昇降機の故障診断は、乗りかごの昇降駆動モータ、ガイドローラなどの運行機構や運転を制御する制御盤内に設けられている制御リレーなど数多くの機構、部品等に対して行われている。
例えば、乗りかごの故障診断については、乗りかごに騒音計と加速度センサとを配置して、それらの出力を周波数分析することによりエレベータの異常を診断する診断装置(特許文献1)などが提案されている。
また、制御リレーの故障診断については、リレーコイル及び接点の抵抗を計測することによりこれらの劣化診断を行う診断装置(特許文献2)などが提案されている。
特開平11−92049号公報 特開2000−335845号公報
これらの従来技術は、いずれも診断する対象の機構や部品等を個別に診断するものであり、測定機器やセンサを診断対象毎に配置し、診断装置を用意する必要があるため、数多くの機構、部品等に対する故障診断を同時に簡便に行うことができないという問題があった。また、取得したデータを組み合わせて故障の診断を行うことが困難であるため、故障または故障の予兆を正確に判断することが困難であるという問題があった。
そこで、本考案は、昇降機の運転機構や制御リレーなどに関する各種故障または故障の予兆を簡便かつ正確に診断することができる昇降機の診断装置を提供することを目的とする。
この考案は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の考案では、昇降機の診断装置であって、昇降機の運行を制御する制御盤の電源配線に取り付けて電流を計測する電流計測器と、制御盤に着脱自在に取り付けられ、制御盤に含まれる制御リレーから発生する振動を検出する振動センサと、前記電流計測器により計測された電流から電流波形を検出し、前記振動センサにより計測された振動から振動波形を検出する振動検出器と、少なくとも前回に計測された正常運転時の電流波形及び振動波形を記憶する記憶手段と、計測された電流波形及び振動波形と、前記正常運転時の電流波形及び振動波形とを比較し、故障または故障の予兆に対応する特徴量及び前記正常運転時の電流波形及び振動波形には存在しない異常波形を抽出する比較手段と、前記比較手段において抽出された特徴量及び異常波形に基づき、昇降機に故障または故障の予兆が発生しているか否かを判断する判断手段と、前記判断手段における判断結果を出力する出力手段と、を備えた、という技術的手段を用いる。
請求項1に記載の考案によれば、電流計測器により制御盤の電源配線の電流を計測し、振動センサにより制御盤に含まれる制御リレーから発生する振動を検出し、電流計測器により計測された電流から電流波形を検出し、振動センサにより計測された振動から振動波形を検出し、比較手段により、記憶手段に記憶された少なくとも前回に計測された正常運転時の電流波形及び振動波形と今回計測された電流波形及び振動波形とを比較し、故障または故障の予兆に対応する特徴量及び前記正常運転時の電流波形及び振動波形には存在しない異常波形を抽出し、判断手段により比較手段において抽出された特徴量及び異常波形に基づき、昇降機に故障または故障の予兆が発生しているか否かを判断し、出力手段により判断手段における判断結果を出力することができる。
これにより、制御盤内に電流計測器及び振動センサを配置するだけという簡便な方法で取得した電流波形に関する特徴量、振動波形に関する特徴量またはそれらの組み合わせ、異常波形の有無という多くの判断指標を用いることにより、多くの種類の故障または故障の予兆の発生を正確に判断し、故障原因を推定することができる。また、閾値の設定の仕方により、エレベータが故障により駆動不能に至る前の部品の劣化等を検出して、故障の予兆として捉えることもできる。
請求項2に記載の考案では、請求項1に記載の昇降機の診断装置において、前記特徴量として、計測された電流波形の各ピーク値と対応する正常運転時の電流波形のピーク値との差分及び計測された電流波形の時間間隔と対応する正常運転時の電流波形の時間間隔との差分のうちの少なくとも一つの差分と、計測された振動波形の各ピーク値と対応する正常運転時の電流振動のピーク値との差分、計測された振動波形の時間間隔と対応する正常運転時の振動波形の時間間隔との差分及び計測された振動波形のベースの振幅値と対応する正常運転時の振動波形のベースの振幅値との差分のうちの少なくとも一つの差分と、を採用し、特徴量として採用した差分の少なくとも一つがあらかじめ設定した閾値を超えると、判断手段が故障または故障の予兆が発生していると判断する、という技術的手段を用いる。
請求項2に記載の考案のように、電流波形に関する特徴量として、計測された電流波形の各ピーク値と対応する正常運転時の電流波形のピーク値との差分及び計測された電流波形の時間間隔と対応する正常運転時の電流波形の時間間隔との差分のうちの少なくとも一つの差分を採用し、振動波形に関する特徴量として、計測された振動波形の各ピーク値と対応する正常運転時の電流振動のピーク値との差分、計測された振動波形の時間間隔と対応する正常運転時の振動波形の時間間隔との差分及び計測された振動波形のベースの振幅値と対応する正常運転時の振動波形のベースの振幅値との差分のうちの少なくとも一つの差分を採用することにより、これらを組み合わせて、判断手段において故障または故障の予兆のより精度の高い判断を行うことができる。
請求項3に記載の考案では、請求項1または請求項2に記載の昇降機の診断装置において、制御盤で発生する音を検出する集音手段を更に備え、前記判断手段は閾値として設定したレベル以上の音が検出された場合に故障または故障の予兆が発生していると判断する、という技術的手段を用いる。
請求項3に記載の考案によれば、制御盤で発生する音を検出する集音手段を更に備え、判断手段が閾値として設定したレベル以上の異音が検出された場合に故障または故障の予兆が発生していると判断することにより、制御盤で発生する音の大きさに基づいて定量的に故障または故障の予兆が発生しているか否かを判断することができる。
本考案の昇降機の診断装置の構造を示すブロック図である。 昇降機の診断装置によるエレベータの診断方法を示すフローチャートである。 計測電流波形及び計測振動波形と比較する正常電流波形及び正常振動波形の一例を示す説明図である。 比較手段で抽出する特徴量を示す説明図である。図4(A)は電流波形に関する特徴量の説明図であり、図4(B)は振動波形に関する特徴量の説明図である。 集音手段を備えた昇降機の診断装置の構造を示すブロック図である。
本考案の昇降機の診断装置について、エレベータの診断を例に、図を参照して説明する。
図1に示すように、昇降機診断装置1は、電流計測器11、振動センサ12、波形検出器13、記憶手段15、比較器14、判断手段16及び出力手段17と、を備えている。エレベータ制御盤2において、21はエレベータの乗りかごの駆動電流などを供給する電力配線、22は制御リレーを示す。制御リレー22は、コイルの付勢により接点が開閉することにより電気回路を開閉する電磁スイッチからなる。
電流計測器11は、エレベータ制御盤2の電力配線21に取り付けられ、電流を計測して波形検出器13に出力する。電流計測器11としては、結線の必要がなく使用が簡便なクランプメータを好適に用いることができる。
振動センサ12は、例えば圧電素子を用いて振動を検出するセンサからなり、エレベータ制御盤2の制御リレー22近傍に着脱自在に取り付けられ、制御リレー22の開閉に伴う振動波形を計測して波形検出器13に出力する。
ここで、振動センサ12は、後述する計測振動波形と正常振動波形との比較を容易にするために、制御リレー22を基準として一定の位置に取り付けることが好ましい。
波形検出器13は、電流計測器11及び振動センサ12から送出された計測信号をそれぞれ電流波形及び振動波形として検出し、電流波形信号及び振動波形信号を記憶手段15及び比較器14に送出する。
記憶手段15は、少なくとも前回に計測された正常運転状態の電流波形(正常電流波形)及び振動波形(正常振動波形)を記憶しているとともに、今回計測された電流波形(計測電流波形)及び振動波形(計測振動波形)を格納し記憶する。これにより、計測電流波形及び計測振動波形を後に詳細に解析し、故障または故障の予兆を精査することもできる。記憶手段15には、昇降機の検査内容に応じて複数の正常電流波形及び正常振動波形を記憶させ、検査内容に応じた正常電流波形及び正常振動波形を選択することができる。
比較器14は、記憶手段15に記憶されている正常電流波形及び正常振動波形を読み出して、計測電流波形及び計測振動波形と比較する。
判断手段16は、比較器14における電流波形及び振動波形の比較結果に基づいて、エレベータに故障が発生している、または、故障の予兆が認められるか否かを判断する。
出力手段17は、判断手段16による判断結果を出力する。出力の形態として、エレベータに故障が発生している、または、故障の予兆が認められる場合に、警告音を発したり、警告ランプを点灯させたりすることができる。また、ディスプレイなどを用いて、計測電流波形及び計測振動波形を正常電流波形及び正常振動波形と並べて表示する、後述する評価項目(例えば、電流値)を表示する、エレベータに故障が発生している、または、故障の予兆が認められる場合には、想定される故障内容を表示する、など、各種出力形態を適宜選択することができる。
更に、通信手段18を備え、インターネット回線、携帯端末などを介して、外部に計測データ、判断結果などを送信可能な構成とすることもできる。
次に、昇降機診断装置1を用いたエレベータの故障または故障の予兆の診断方法について説明する。
図2に示すように、まず、ステップS1でエレベータを作動させ、ステップS2ではエレベータの作動に同期させて電流計測器11による電流計測及び振動センサ12による振動計測を開始する。計測された電流データ及び振動データは波形検出器13に送出され、計測電流波形及び計測振動波形として検出され、比較器14に送出される。
ここで、検出された電流波形データ及び振動波形データは記憶手段15にも送出され、今回の計測データとして記憶手段15に格納される。
続くステップS3では、比較器14が記憶手段15から、あらかじめ指定しておいた今回の検査におけるエレベータの作動パターンに対応した正常電流波形及び正常振動波形を読み出して、計測電流波形及び計測振動波形とそれぞれ比較する。ここで、ステップS3は、ステップS2と並行して電流データ及び振動データを取得しながら行うこともできる。
正常電流波形及び正常振動波形の例として、図3にエレベータを1階から2階に上昇させて検査を行う場合の正常電流波形及び正常振動波形を示す。
エレベータの操作ボタンを押して診断を開始し、エレベータが運転動作に入ると、ドアを開閉する制御リレー22のアクチュエータ部が付勢されて接点が閉成し、電力配線21からエレベータの扉開閉モータへ電流が供給されて起動する。これにより、制御リレー22から振動が生じるため振動波形Bが検出され、電力配線21から扉開閉モータへの電流供給により電流波形Bが検出される。その後のエレベータの運行に伴う正常電流波形及び正常振動波形における波形変化は、下記事象にそれぞれ対応する。同一事象については、正常電流波形及び正常振動波形で同一符号を伏してある。
A:操作ボタンを押す。
B:扉が開く。
C:扉が閉じる。
D1:乗りかごが上昇を開始する。
D2:速度切替(加速)。
E1:減速。
E2:速度切替(減速)。
F: ドアが開く。
比較器14では、計測電流波形及び計測振動波形と正常電流波形及び正常振動波形とを比較し、故障または故障の予兆に対応する特徴量及び正常電流波形及び正常振動波形には存在しない異常波形を抽出し判断手段16に出力する。
本実施形態において、比較器14で抽出する特徴量を図4に模式的に示す。
電流波形に関する特徴量として、図4(A)に示すように、計測電流波形の各ピーク値と対応する正常電流波形のピーク値との差分ΔI=I−I、及び計測電流波形の時間間隔と対応する正常電流波形の時間間隔との差分Δt=t−tなどを採用する。
また、振動波形に関する特徴量として、図4(B)に示すように、計測振動波形の各ピーク値と対応する正常電流振動のピーク値との差分ΔS=S−S、計測振動波形の時間間隔と対応する正常振動波形の時間間隔との差分ΔT=T−T、及び計測振動波形のベースの振幅値と対応する正常振動波形のベースの振幅値との差分ΔW=W−Wなどを採用する。
上述の各差分はすべての電流波形、振動波形について算出してもよいし、特定の電流波形、振動波形ピークについてのみ算出してもよい。
また、電流波形に関する特徴量のうちの少なくとも一つの差分と、振動波形に関する特徴量のうちの少なくとも一つの差分とを組み合わせて故障または故障の予兆の判断に用いることもできる。
続くステップS4では、判断手段16において、比較器14における電流波形及び振動波形の比較結果に基づいて、上述した特徴量のいずれか1つでも閾値を超えた場合、または、異常波形が認められた場合に、故障または故障の予兆が発生していると判断する。
上述した特徴量は、故障または故障の予兆が発生した場合に、顕著な変化を示すため、故障または故障の予兆について精度の高い判断が可能となる。故障にまで至らなくても、制御リレー22、扉開閉モータ、昇降駆動モータなど劣化している場合には、差分として検出することができるので、故障の予兆を判断することもできる。例えば、差分ΔIが閾値αを超えると故障と判断し、故障の予兆と判断するための閾値βを別途設定し、β≦ΔI≦αなら故障の予兆と判断する、というように、故障と故障の予兆とを区別して判断することもできる。
ステップS4でエレベータに故障または故障の予兆が発生していると判断した場合(YES)には、ステップS5に進み、出力手段17によりエレベータに故障または故障の予兆が発生しているという判断結果の出力を行い、診断処理を終了する。
ステップS4でエレベータに故障及び故障の予兆が認められないと判断した場合(NO)には、ステップS6に進み、出力手段17によりエレベータに故障及び故障の予兆が発生していないという判断結果の出力を行い、診断処理を終了する。
以下に、故障または故障の予兆の例、それらの判断方法について説明する。
エレベータの扉レールに異物が挟まる、扉のバランスウエイトが落下する、など扉の開閉に抵抗が生じた場合には、扉開閉モータにおいて扉の開閉に必要な電流値が増大するため、図3の事象B、C、Fのピーク値Iが増大し、差分ΔIが増大する。
また、扉を閉成する際に抵抗がある、または、扉を閉じる方向へ付勢する力が減少するため、扉が開放してから閉成するまでの時間、つまり、事象B−C間の時間tまたはTが長くなり、差分ΔtまたはΔTが増大する。
事象B、C、Fの差分ΔIが閾値を超えた場合、または、事象B−C間の時間の差分ΔtまたはΔTが閾値を超えた場合に、エレベータの扉の開閉機構に故障または故障の予兆が生じたと判断することができる。
ここで、事象B−C間の時間の計測は、電流波形から求めたtまたは振動波形から求めたTのいずれを用いて行ってもよいが、振動波形から求めたTを用いた方が波形の立ち上がりが明確なため精度よく算出することができるので好ましい。
エレベータを昇降させる昇降駆動モータに異常が生じた場合には、駆動に必要な電流値が増大するため、図3の事象D1、D2、E1、E2のピーク値Iが増大し、差分ΔIが増大する。
また、昇降駆動モータの異常に伴い昇降速度が減じた場合には、エレベータ上昇から停止、扉が開くまでの事象D1−F間の時間tまたはTが長くなり、差分ΔtまたはΔTが増大する。
事象D1、D2、E1、E2の差分ΔIが閾値を超えた場合、または、事象D1−F間の時間の差分ΔtまたはΔTが閾値を超えた場合に、昇降駆動モータに故障または故障の予兆が生じたと判断することができる。
また、ガイドローラが破損したり、チェーンキンクが生じたりした場合には、エレベータの昇降がスムースに行われず異常振動が生じるため、事象D1、D2、E1、E2の電流値が安定せず、正常電流波形には存在しない異常波形が出現する。この異常波形を検出した場合に、エレベータの昇降機構に故障または故障の予兆が生じたと判断することができる。
制御リレー22の故障として、アクチュエータ部への異物混入や接点の摩耗、接点不良によるチャタリングなどが挙げられる。制御リレー22に通電されているときには、振動波形のベースに細かい振幅が現れるが、アクチュエータ部へ異物混入した場合、この振幅が増大する現象が現れる。従って、特徴値として計測振動波形のベースの振幅値と対応する正常振動波形のベースの振幅値との差分ΔW=W−Wを採用し、閾値を超えた場合には、アクチュエータ部へ異物混入したと判断することができる。
チャタリングとは、接点が切り替わる際に高速で細かい機械的振動によって電気信号が断続を繰り返す現象である。接点でのON−OFFが非常に短い時間に繰り返されるため、計測振動波形に正常振動波形には存在しない異常波形が生じる、また、スパークによる大電流の通電が起こった場合には、計測電流波形にも正常電流信号には存在しない異常波形が現れる。このような異常波形を検出した場合に、制御リレー22にチャタリングが生じていると判断することができる。
エレベータの乗りかごが正規の範囲を超えて移動すること防止するリミットスイッチの当たりや戻りが悪くなると、制御リレー22と電流ピークのタイミングがずれるため、このずれのパターンをあらかじめ調べておくことにより、リミットスイッチの不具合を検出することもできる。
上述のように、エレベータ制御盤2内に電流計測器11及び振動センサ12を配置するだけという簡便な方法で取得した電流波形に関する特徴量、振動波形に関する特徴量またはそれらの組み合わせ、異常波形の有無という多くの判断指標を用いることにより、多くの種類の故障または故障の予兆の発生を正確に判断し、故障原因を推定することができる。また、閾値の設定の仕方により、エレベータが故障により駆動不能に至る前の部品の劣化等を検出して、故障の予兆として捉えることもできる。
故障内容と特徴量及び異常波形との関係を故障パターンデータとして判断手段16に格納しておき、ステップS4においてこれを参照することにより、故障内容を推定する構成とすることもできる。この場合、出力手段17において、推定される故障内容を出力することもできる。
例えば、エレベータの扉の開閉機構の故障パターンデータとして、事象B、C、Fの差分ΔIが閾値を超えた、かつ、事象B−C間の時間の差分ΔTが閾値を超えたというパターンを記憶させておき、ステップS4において故障パターンデータを参照して、本パターンに該当すると判断した場合に、エレベータの扉の開閉機構に故障が生じたと推定し、その内容を出力することが出来る。
電流計測器11、振動センサ12を複数個用意し、複数の電流波形、振動波形を計測して故障または故障の予兆の判断に用いることができる。
また、今回の検査で故障及び故障の予兆が認められなかった場合には、今回計測された計測電流波形、計測振動波形を、正常電流波形、正常振動波形として記憶手段15に格納することもできる。
(変更例)
上述の実施形態では、特徴値として差分値を用いたが、計測波形と正常運転時の波形との比を採用することもできる。例えば、電流波形に関する特徴量としてI/Iを採用し、閾値として設定した倍率、例えば、1.2倍を超えた場合に、故障または故障の予兆が生じたと判断することもできる。
特徴量として、波形の形状に関わるパラメータを用いることができる。例えば、接点が摩耗して接点とアクチュエータ部との距離が増大した場合には、振動波形の幅が大きくなるため、波形の幅と振動ピーク値との比Ts1/Sが、正常振動波形におけるTk1/Sよりも増大する。この比が、あらかじめ設定した閾値を超えた場合に、接点の摩耗に関わる故障または故障の予兆が生じたと判断することもできる。同様に、電流波形についても波形の幅と電流ピーク値との比ts1/Iと、正常電流波形におけるtk1/Iとの比を特徴量として用いることができる。
本実施形態では、エレベータの診断を例に説明したが、本発明の昇降機の診断装置は機械式駐車装置などの診断にも用いることができる。
[実施形態の効果]
本考案の昇降機診断装置1によれば、エレベータ制御盤2内に電流計測器11及び振動センサ12を配置するだけという簡便な方法で、電流波形及び振動波形を計測し、比較器14おいて抽出した電流波形に関する特徴量、振動波形に関する特徴量またはそれらの組み合わせ、異常波形の有無という多くの判断指標を用いることにより、多くの種類の故障または故障の予兆の発生を正確に判断し、故障原因を推定することができる。また、閾値の設定の仕方により、エレベータが故障により駆動不能に至る前の部品の劣化等を検出して、故障の予兆として捉えることもできる。
(その他の実施形態)
図5に示すように、エレベータ制御盤2で発生する音を検出するマイクロフォンなどからなる集音手段19を更に備えることもできる。集音手段19はエレベータ制御盤2に着脱自在に取り付けられ、エレベータ制御盤2近傍で発生する音を計測して波形検出器13に出力する。
判断手段16は、閾値として設定したレベル以上の異音が検出された場合、例えば、制御リレー22の接点不良により通常よりもON−OFFの切り替えの音が大きくなるような場合に、故障または故障の予兆が発生していると判断する。これによれば、エレベータ制御盤2で発生する音の大きさに基づいて定量的に故障または故障の予兆が発生しているか否かを判断することができる。また、集音データは、生の録音データまたは音声波形として電流波形、振動波形とともに記憶手段15に記憶させることもでき、後に集音データの再生や周波数分析に供することができる。
1…昇降機診断装置
2…エレベータ制御盤
11…電流計測器
12…振動センサ
13…波形検出器
14…比較器
15…記憶手段
16…判断手段
17…出力手段
18…通信手段
19…集音手段
21…電力配線
22…制御リレー

Claims (3)

  1. 昇降機の診断装置であって、
    昇降機の運行を制御する制御盤の電源配線に取り付けて電流を計測する電流計測器と、
    制御盤に着脱自在に取り付けられ、制御盤に含まれる制御リレーから発生する振動を検出する振動センサと、
    前記電流計測器により計測された電流から電流波形を検出し、前記振動センサにより計測された振動から振動波形を検出する振動検出器と、
    少なくとも前回に計測された正常運転時の電流波形及び振動波形を記憶する記憶手段と、
    計測された電流波形及び振動波形と、前記正常運転時の電流波形及び振動波形とを比較し、故障または故障の予兆に対応する特徴量及び前記正常運転時の電流波形及び振動波形には存在しない異常波形を抽出する比較手段と、
    前記比較手段において抽出された特徴量及び異常波形に基づき、昇降機に故障または故障の予兆が発生しているか否かを判断する判断手段と、
    前記判断手段における判断結果を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする昇降機の診断装置。
  2. 前記特徴量として、
    計測された電流波形の各ピーク値と対応する正常運転時の電流波形のピーク値との差分及び計測された電流波形の時間間隔と対応する正常運転時の電流波形の時間間隔との差分のうちの少なくとも一つの差分と、
    計測された振動波形の各ピーク値と対応する正常運転時の電流振動のピーク値との差分、計測された振動波形の時間間隔と対応する正常運転時の振動波形の時間間隔との差分及び計測された振動波形のベースの振幅値と対応する正常運転時の振動波形のベースの振幅値との差分のうちの少なくとも一つの差分と、を採用し、
    特徴量として採用した差分の少なくとも一つがあらかじめ設定した閾値を超えると、判断手段が故障または故障の予兆が発生していると判断することを特徴とする請求項1に記載の昇降機の診断装置。
  3. 制御盤で発生する音を検出する集音手段を更に備え、
    前記判断手段が閾値として設定したレベル以上の音が検出された場合に故障または故障の予兆が発生していると判断することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の昇降機の診断装置。
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