JP3166492B2 - 電気化学素子およびその製造方法 - Google Patents
電気化学素子およびその製造方法Info
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- JP3166492B2 JP3166492B2 JP16202494A JP16202494A JP3166492B2 JP 3166492 B2 JP3166492 B2 JP 3166492B2 JP 16202494 A JP16202494 A JP 16202494A JP 16202494 A JP16202494 A JP 16202494A JP 3166492 B2 JP3166492 B2 JP 3166492B2
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- Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒素酸化物ガスを含む
雰囲気において、電気化学的に窒素酸化物を窒素と酸素
に分解する素子及びその製造方法に関するものである。
雰囲気において、電気化学的に窒素酸化物を窒素と酸素
に分解する素子及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電気化学的方法による窒素酸化物
分解の方法は、例えば特開昭61−78421号公報に
よれば、分解装置として図5に示すように固体電解質1
1を介した正電極12、負電極13の両空間を区画し
(電極材料には白金を使用)、負極側に被処理ガスを、
正極側に被処理ガス以外の大気あるいは減圧ガスに接触
させる構成がとられている。
分解の方法は、例えば特開昭61−78421号公報に
よれば、分解装置として図5に示すように固体電解質1
1を介した正電極12、負電極13の両空間を区画し
(電極材料には白金を使用)、負極側に被処理ガスを、
正極側に被処理ガス以外の大気あるいは減圧ガスに接触
させる構成がとられている。
【0003】そして上記分解装置は、負極上で窒素酸化
物を窒素と酸素に解離させ、酸素を解離イオンの形で電
気的に固体電解質を透過して正極側に移動し大気あるい
は減圧ガス中に放出させる。一方、窒素は負極側に残り
被処理ガス中に放出される。このようにして窒素酸化物
が分解される。
物を窒素と酸素に解離させ、酸素を解離イオンの形で電
気的に固体電解質を透過して正極側に移動し大気あるい
は減圧ガス中に放出させる。一方、窒素は負極側に残り
被処理ガス中に放出される。このようにして窒素酸化物
が分解される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、例えば、前記特開昭61−78421号公
報によれば、窒素酸化物の分解能力はそれほど高くな
い。動作温度700℃、NO濃度850ppm、ガス流
量600cc/min、電流密度20mA/cm2で、
NO分解量が電極単位面積当り、0.18μmol/c
m2/minであった。
の構成では、例えば、前記特開昭61−78421号公
報によれば、窒素酸化物の分解能力はそれほど高くな
い。動作温度700℃、NO濃度850ppm、ガス流
量600cc/min、電流密度20mA/cm2で、
NO分解量が電極単位面積当り、0.18μmol/c
m2/minであった。
【0005】分解率を高めるために、正負両極空間を区
画するなどの制約もあった。本発明は上記課題を解決す
るもので、貴金属膜負電極を用いた従来技術に比べ、低
温、低電流密度で効率よく窒素酸化物を分解する素子あ
るいは装置を提供することを目的としたものである。
画するなどの制約もあった。本発明は上記課題を解決す
るもので、貴金属膜負電極を用いた従来技術に比べ、低
温、低電流密度で効率よく窒素酸化物を分解する素子あ
るいは装置を提供することを目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、下記構成とした。
するために、下記構成とした。
【0007】すなわち、電気化学素子は酸化鉄と酸化マ
ンガンと酸化銅からなる複合酸化物と貴金属から成る負
電極と、酸素イオン伝導性の電解質と、前記電解質を介
して前記負電極に対向して配置された正電極とを有する
構成とした。
ンガンと酸化銅からなる複合酸化物と貴金属から成る負
電極と、酸素イオン伝導性の電解質と、前記電解質を介
して前記負電極に対向して配置された正電極とを有する
構成とした。
【0008】また、正電極を、貴金属からなる構成とし
た。
た。
【0009】また、電解質を、安定化ZrO2である構
成とした。さらに、酸素イオン伝導性の電解質の一方の
表面に、負電極として酸化鉄と酸化マンガンと酸化銅か
らなる複合酸化物と貴金属を含む導電ペーストを印刷乾
燥後、さらに前記電解質の他方の表面に、正電極として
貴金属を含む導電ペーストを印刷乾燥し、その後酸化性
雰囲気中で焼成する製造方法とした。
成とした。さらに、酸素イオン伝導性の電解質の一方の
表面に、負電極として酸化鉄と酸化マンガンと酸化銅か
らなる複合酸化物と貴金属を含む導電ペーストを印刷乾
燥後、さらに前記電解質の他方の表面に、正電極として
貴金属を含む導電ペーストを印刷乾燥し、その後酸化性
雰囲気中で焼成する製造方法とした。
【0010】さらに、酸化鉄と酸化マンガンと酸化銅か
らなる複合酸化物を含有する負電極と、酸素イオン伝導
性の電解質と、前記電解質を介して前記負電極に対向し
て配置された正電極とで構成された電気化学素子と、電
流を電圧として検出するための抵抗と、前記窒素分解素
子に電圧を印加するための直流可変電源とを直列接続し
た回路手段と、前記抵抗の両端電圧の検出手段と、前記
検出手段出力と設定値の比較手段と、前記窒素酸化物を
動作温度に加熱する加熱手段とからなり、前記直流可変
電源が前記比較手段出力により電圧を可変する窒素酸化
物分解装置とした。
らなる複合酸化物を含有する負電極と、酸素イオン伝導
性の電解質と、前記電解質を介して前記負電極に対向し
て配置された正電極とで構成された電気化学素子と、電
流を電圧として検出するための抵抗と、前記窒素分解素
子に電圧を印加するための直流可変電源とを直列接続し
た回路手段と、前記抵抗の両端電圧の検出手段と、前記
検出手段出力と設定値の比較手段と、前記窒素酸化物を
動作温度に加熱する加熱手段とからなり、前記直流可変
電源が前記比較手段出力により電圧を可変する窒素酸化
物分解装置とした。
【0011】また、電気化学素子に接触する窒素酸化物
を含む雰囲気が、前記素子に接触するよりも前に、前記
雰囲気の水あるいは粒子状粉塵あるいは窒素酸化物分解
の阻害物質を除去する前記処理手段を設けた構成の窒素
酸化物分解装置とした。
を含む雰囲気が、前記素子に接触するよりも前に、前記
雰囲気の水あるいは粒子状粉塵あるいは窒素酸化物分解
の阻害物質を除去する前記処理手段を設けた構成の窒素
酸化物分解装置とした。
【0012】
【作用】本発明は上記構成によって、負電極に含まれる
複合酸化物と貴金属により、貴金属単体から成る負電極
に比べ、窒素酸化物に対する負電極の反応性が高まり、
低温(500℃以下)、低電流密度(数mA/cm2程
度)でも、従来よりも高効率で窒素酸化物を窒素と酸素
に分解することができる。
複合酸化物と貴金属により、貴金属単体から成る負電極
に比べ、窒素酸化物に対する負電極の反応性が高まり、
低温(500℃以下)、低電流密度(数mA/cm2程
度)でも、従来よりも高効率で窒素酸化物を窒素と酸素
に分解することができる。
【0013】窒素酸化物の分解反応は、窒素酸化物吸着
性化合物が負電極上に窒素酸化物を固定することから開
始する。電気化学素子の負電極側で、複合酸化物と貴金
属(例えば白金)と酸素イオン伝導性電解質との接触界
面近傍で、窒素酸化物の窒素−酸素結合が弱められ、酸
素は酸素イオンとして前記電解質を透過して、負電極側
から正電極側へ移動し酸素分子としてガス中に排出され
る。一方、負電極側では窒素分子が生成されガス中に脱
離していく。
性化合物が負電極上に窒素酸化物を固定することから開
始する。電気化学素子の負電極側で、複合酸化物と貴金
属(例えば白金)と酸素イオン伝導性電解質との接触界
面近傍で、窒素酸化物の窒素−酸素結合が弱められ、酸
素は酸素イオンとして前記電解質を透過して、負電極側
から正電極側へ移動し酸素分子としてガス中に排出され
る。一方、負電極側では窒素分子が生成されガス中に脱
離していく。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1を参照して説明
する。
する。
【0015】図1は、電気化学素子(以下、素子Aとい
う)の概略構成図である。1は複合酸化物(Fe2O3・
Mn2O3・CuO)と白金からなる負電極、2はY2O3
により安定化したZrO2からなる酸素イオン伝導性の
電解質、3は白金からなる正電極である。
う)の概略構成図である。1は複合酸化物(Fe2O3・
Mn2O3・CuO)と白金からなる負電極、2はY2O3
により安定化したZrO2からなる酸素イオン伝導性の
電解質、3は白金からなる正電極である。
【0016】上記素子Aは、以下のようにして作成し
た。電解質2の一方の表面に負電極用導電ペーストを印
刷乾燥した後、電解質2の他の表面に正電極用導電性ペ
ーストを印刷乾燥し、大気中約820℃で焼成して、電
解質2上に正電極3と負電極1を形成した。さらに、各
電極1、3の端部にリード線となる白金線を接着した。
使用した負電極用導電ペーストには、白金と複合酸化物
(Fe2O3・Mn2O3・CuO)が同じ重量割合で含ま
れるが、必ずしもこの重要割合に限られるものではな
い。また、上記焼成温度も820℃に限るものではな
く、焼結が起る温度であればよい。
た。電解質2の一方の表面に負電極用導電ペーストを印
刷乾燥した後、電解質2の他の表面に正電極用導電性ペ
ーストを印刷乾燥し、大気中約820℃で焼成して、電
解質2上に正電極3と負電極1を形成した。さらに、各
電極1、3の端部にリード線となる白金線を接着した。
使用した負電極用導電ペーストには、白金と複合酸化物
(Fe2O3・Mn2O3・CuO)が同じ重量割合で含ま
れるが、必ずしもこの重要割合に限られるものではな
い。また、上記焼成温度も820℃に限るものではな
く、焼結が起る温度であればよい。
【0017】電解質2は、Y2O38mol%−ZrO2
で、長さ25mm、幅12.5mm、厚さ0.5mmと
し、電極1、3の厚さは約20〜40μm、面積約2.
25cm2とした。これらの条件は、一実施例のもので
あって、これに制約されるものではない。
で、長さ25mm、幅12.5mm、厚さ0.5mmと
し、電極1、3の厚さは約20〜40μm、面積約2.
25cm2とした。これらの条件は、一実施例のもので
あって、これに制約されるものではない。
【0018】また、比較のために正負両電極共に白金か
らなる素子(以下、素子Bという)も作成した。白金素
子に使用した電解質は1cmx1cm、厚さ0.5mm
であるが、他は素子Aと同一条件である。
らなる素子(以下、素子Bという)も作成した。白金素
子に使用した電解質は1cmx1cm、厚さ0.5mm
であるが、他は素子Aと同一条件である。
【0019】複合酸化物(Fe2O3・Mn2O3・Cu
O)と、正極用の白金導電ペーストは市販品を使用し
た。負電極用の導電ペーストは白金導電ペーストと複合
酸化物(Fe2O3・Mn2O3・CuO)を混合して作成
した。
O)と、正極用の白金導電ペーストは市販品を使用し
た。負電極用の導電ペーストは白金導電ペーストと複合
酸化物(Fe2O3・Mn2O3・CuO)を混合して作成
した。
【0020】次に、素子Aと素子BのNOx分解挙動を
ガス流通系で測定した。ガス流量は、200cc/mi
nで一定とした。ガス組成は、NOxとしてのNOとバ
ランスガスとしてのHeとで混合調整し、組成分析に
は、化学発光式のNOx計とガスクロマトグラフを使用
した。副生成物として考えられるN2Oのピークは、ガ
スクロマトグラフでは検出限界レベル以上で認められな
かった。上記のガスは、濃度調整されたガスボンベか
ら、それぞれ供給した。
ガス流通系で測定した。ガス流量は、200cc/mi
nで一定とした。ガス組成は、NOxとしてのNOとバ
ランスガスとしてのHeとで混合調整し、組成分析に
は、化学発光式のNOx計とガスクロマトグラフを使用
した。副生成物として考えられるN2Oのピークは、ガ
スクロマトグラフでは検出限界レベル以上で認められな
かった。上記のガスは、濃度調整されたガスボンベか
ら、それぞれ供給した。
【0021】ガスクロマトグラフの濃度分解能は、測定
データの再現性、機器の安定性等を考慮すると、±10
ppm程度である。
データの再現性、機器の安定性等を考慮すると、±10
ppm程度である。
【0022】図2に、素子AによるNO分解時の、ガス
組成と素子電流値の代表的関係を概略のパターンで示
す。
組成と素子電流値の代表的関係を概略のパターンで示
す。
【0023】図2から、素子Aに電流が流れると、NO
濃度が低下するのにあわせて、窒素及び酸素濃度が増加
するのがわかる。
濃度が低下するのにあわせて、窒素及び酸素濃度が増加
するのがわかる。
【0024】素子A及び素子BによるNO分解の具体的
な数値を、(表1)に示す。
な数値を、(表1)に示す。
【0025】
【表1】
【0026】(表1)で、ΔNOは(出口濃度)−(供
給濃度)から求めたNO濃度差、ΔN2も同じく(出口
濃度)−(供給濃度)から求めた窒素濃度差である。符
号のマイナスは濃度の減少を示す。(〜は概略の意味)
(表1)から、素子AはNOを分解するのが、明らかで
あり、素子Bと比較して、約2倍、である。
給濃度)から求めたNO濃度差、ΔN2も同じく(出口
濃度)−(供給濃度)から求めた窒素濃度差である。符
号のマイナスは濃度の減少を示す。(〜は概略の意味)
(表1)から、素子AはNOを分解するのが、明らかで
あり、素子Bと比較して、約2倍、である。
【0027】さらに、NO減少量と生成された窒素量の
比が、およそ2:1であり、式−1の分解反応を考えた
ときの量論比に等しい。
比が、およそ2:1であり、式−1の分解反応を考えた
ときの量論比に等しい。
【0028】 2NO → N2 +O2 (1) 副生物として考えられるN2Oが、ガスクロでは検出さ
れなかったことと、NOx減少量と生成窒素量の比が、
2:1であることから、素子A及Bびでは(1)式以外
の副反応が殆どおきていないと考えられる。このこと
は、NOx分解において大きなメリットである。
れなかったことと、NOx減少量と生成窒素量の比が、
2:1であることから、素子A及Bびでは(1)式以外
の副反応が殆どおきていないと考えられる。このこと
は、NOx分解において大きなメリットである。
【0029】図3に、素子A、BによるNO分解量−電
流曲線を示した。テスト条件は(表1)と同じである。
明らかに、素子Aが優れている。
流曲線を示した。テスト条件は(表1)と同じである。
明らかに、素子Aが優れている。
【0030】素子Aでは、正負の電極組成が異なってい
るが、正電極を負電極材料と同一組成にしてもよい。負
電極にも白金が含まれており、正電極として十分に機能
するからである。
るが、正電極を負電極材料と同一組成にしてもよい。負
電極にも白金が含まれており、正電極として十分に機能
するからである。
【0031】既に説明してきた各素子の製造方法は、図
1の説明で述べたように、印刷法である。各素子におけ
る電極の形成は、NO分解に影響する重要な過程であ
る。その方法としては、印刷法以外に、スパッタ法、蒸
着法、CVD、PVD等が考えられるが、コストや簡便
性等を考慮すると、印刷法が望ましい。また、焼成雰囲
気は、使用環境や得られる電極の構造的安定性を考慮す
れば、酸化性雰囲気であることが好ましい。
1の説明で述べたように、印刷法である。各素子におけ
る電極の形成は、NO分解に影響する重要な過程であ
る。その方法としては、印刷法以外に、スパッタ法、蒸
着法、CVD、PVD等が考えられるが、コストや簡便
性等を考慮すると、印刷法が望ましい。また、焼成雰囲
気は、使用環境や得られる電極の構造的安定性を考慮す
れば、酸化性雰囲気であることが好ましい。
【0032】次に、窒素酸化物分解装置の一実施例の概
略構成について、図4を用いて説明する。図4におい
て、4が電気化学素子(以下、素子という)、5が素子
電流を電圧として検出するための抵抗、6が素子に電圧
を印加するための直流可変電源、7が前記素子4と抵抗
5と直流可変電源6を電気的に直列に接続する回路手
段、8が前記抵抗5の両端電圧の検出手段、9が前記検
出手段8の出力値と設定値との比較手段、10が前記素
子を動作温度に加熱する加熱手段である。
略構成について、図4を用いて説明する。図4におい
て、4が電気化学素子(以下、素子という)、5が素子
電流を電圧として検出するための抵抗、6が素子に電圧
を印加するための直流可変電源、7が前記素子4と抵抗
5と直流可変電源6を電気的に直列に接続する回路手
段、8が前記抵抗5の両端電圧の検出手段、9が前記検
出手段8の出力値と設定値との比較手段、10が前記素
子を動作温度に加熱する加熱手段である。
【0033】上記窒素酸化物分解装置において、素子4
を、NOを含むガス中に暴露し、加熱手段10にて約4
50℃に保持する。直流可変電源6により、素子4に電
圧を印加すると、NO分解が起こり、発生した酸素イオ
ンによりイオン電流が流れる。
を、NOを含むガス中に暴露し、加熱手段10にて約4
50℃に保持する。直流可変電源6により、素子4に電
圧を印加すると、NO分解が起こり、発生した酸素イオ
ンによりイオン電流が流れる。
【0034】このイオン電流を、素子電流として抵抗5
の両端電圧から検出手段8によって検出する。もし、素
子4の電極が劣化したとか、他の何等かの影響で、素子
電流が異常に変動した場合、比較手段9が予め設定され
た設定値と検出手段8の検出値とを比較しているので、
この比較により素子電流の異常を検知できる。直流可変
電源6は、比較手段9による異常検知に基づいて素子の
両端電圧を、異常を低減させる方向にコントロールす
る。
の両端電圧から検出手段8によって検出する。もし、素
子4の電極が劣化したとか、他の何等かの影響で、素子
電流が異常に変動した場合、比較手段9が予め設定され
た設定値と検出手段8の検出値とを比較しているので、
この比較により素子電流の異常を検知できる。直流可変
電源6は、比較手段9による異常検知に基づいて素子の
両端電圧を、異常を低減させる方向にコントロールす
る。
【0035】このようにして、図4の窒素酸化物分解装
置は、ガス中に含まれるNOの安定した分解動作を示
し、窒素と酸素をガス中に排出する。
置は、ガス中に含まれるNOの安定した分解動作を示
し、窒素と酸素をガス中に排出する。
【0036】前記回路手段7は、通常、導線であるが、
素子が450℃であり、及びNOを含むガスが高温の時
もあるので、そのような高温部では白金線のような貴金
属線が好ましい。
素子が450℃であり、及びNOを含むガスが高温の時
もあるので、そのような高温部では白金線のような貴金
属線が好ましい。
【0037】また、NOxを含むガスが、粉塵等を含む
場合、NOx分解の阻害物質として分解素子に副反応を
誘発したり、あるいは電極表面を被毒や汚染することが
考えられる。従って、ガスが素子に至る前に、このよう
なNOx分解阻害物質を、予め除去することが好まし
い。この問題を解決するために、フィルターや除湿器等
の前処理部を設けてもよい。
場合、NOx分解の阻害物質として分解素子に副反応を
誘発したり、あるいは電極表面を被毒や汚染することが
考えられる。従って、ガスが素子に至る前に、このよう
なNOx分解阻害物質を、予め除去することが好まし
い。この問題を解決するために、フィルターや除湿器等
の前処理部を設けてもよい。
【0038】以上の実施例の構成によれば、従来よりも
すぐれたNOx分解率を示す電気化学素子及びその安価
な製造方法が得られる。また、前記電気化学素子を使っ
て、安定したNOx分解動作を示す窒素酸化物分解装置
が得られる。
すぐれたNOx分解率を示す電気化学素子及びその安価
な製造方法が得られる。また、前記電気化学素子を使っ
て、安定したNOx分解動作を示す窒素酸化物分解装置
が得られる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、従
来よりも低温かつ低電流密度で、すぐれたNOx分解率
を示す電気化学素子と、その安価な製造方法が得られ
る。また、本発明の電気化学素子を使えば、安定したN
Ox分解動作を有する窒素酸化物分解装置が得られる。
よって、NOxによる自然環境の破壊、人体への悪影響
を、低減する効果がある。
来よりも低温かつ低電流密度で、すぐれたNOx分解率
を示す電気化学素子と、その安価な製造方法が得られ
る。また、本発明の電気化学素子を使えば、安定したN
Ox分解動作を有する窒素酸化物分解装置が得られる。
よって、NOxによる自然環境の破壊、人体への悪影響
を、低減する効果がある。
【図1】本発明の一実施例における電気化学素子の概略
構成図
構成図
【図2】同NOx分解時のガス組成と素子電流の概略変
化を示す図
化を示す図
【図3】同NO分解量−電流特性を示す図
【図4】同窒素酸化物分解装置の概略構成図
【図5】従来のNOx分解装置の構成図
1 負電極 2 電解質 3 正電極 4 電気化学素子(素子) 5 抵抗 6 直流可変電源 7 回路手段 8 検出手段 9 比較手段 10 加熱手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C25B 1/00 F01N 3/08 1/02 C25B 1/00 Z 11/06 B01D 53/34 129C F01N 3/08 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25B 1/00 - 15/08 B01D 53/32 ZAB B01D 53/56 B01D 53/74 F01N 3/08
Claims (6)
- 【請求項1】酸化鉄と酸化マンガンと酸化銅からなる複
合酸化物と貴金属から成る負電極と、酸素イオン伝導性
の電解質と、前記電解質を介して前記負電極に対向して
配置された正電極とで構成された電気化学素子。 - 【請求項2】正電極が、貴金属からなる請求項1記載の
電気化学素子。 - 【請求項3】電解質が安定化ZrO2である請求項1記
載の電気化学素子。 - 【請求項4】酸素イオン伝導性の電解質の一方の表面
に、負電極として酸化鉄と酸化マンガンと酸化銅からな
る複合酸化物と貴金属を含む導電ペーストを印刷乾燥
後、前記電解質の他方の表面に、正電極として貴金属を
含む導電ペーストを印刷乾燥し、その後酸化性雰囲気中
で焼成する電気化学素子の製造方法。 - 【請求項5】酸化鉄と酸化マンガンと酸化銅からなる複
合酸化物を含有する負電極と、酸素イオン伝導性の電解
質と、前記電解質を介して前記負電極に対向して配置さ
れた正電極とで構成した電気化学素子と、電流を電圧と
して検出するための抵抗と、前記窒素分解素子に電圧を
印加するための直流可変電源とを直列接続した回路手段
と、前記抵抗の両端電圧の検出手段と、前記検出手段出
力と設定値の比較手段と、前記窒素酸化物を動作温度に
加熱する加熱手段とからなり、前記直流可変電源が前記
比較手段出力により電圧を可変する構成の窒素酸化物分
解装置。 - 【請求項6】電気化学素子に接触する窒素酸化物を含む
雰囲気が、前記素子に接触するよりも前に、前記雰囲気
の水あるいは粒子状粉塵あるいは窒素酸化物分解の阻害
物質を除去する前処理手段を設けた構成の請求項5記載
の窒素酸化物分解装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16202494A JP3166492B2 (ja) | 1994-07-14 | 1994-07-14 | 電気化学素子およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16202494A JP3166492B2 (ja) | 1994-07-14 | 1994-07-14 | 電気化学素子およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0827586A JPH0827586A (ja) | 1996-01-30 |
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