JP3166445B2 - エラスティックコンボルバ - Google Patents
エラスティックコンボルバInfo
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- JP3166445B2 JP3166445B2 JP26377093A JP26377093A JP3166445B2 JP 3166445 B2 JP3166445 B2 JP 3166445B2 JP 26377093 A JP26377093 A JP 26377093A JP 26377093 A JP26377093 A JP 26377093A JP 3166445 B2 JP3166445 B2 JP 3166445B2
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- piezoelectric thin
- piezoelectric substrate
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、弾性表面波の非線形性
を利用したエラスティックコンボルバに関し、特に、L
iNbO3 圧電単結晶よりなる圧電基板上に圧電薄膜を
積層した構造を利用したエラスティックコンボルバに関
する。
を利用したエラスティックコンボルバに関し、特に、L
iNbO3 圧電単結晶よりなる圧電基板上に圧電薄膜を
積層した構造を利用したエラスティックコンボルバに関
する。
【0002】
【従来の技術】エラスティックコンボルバは、圧電体の
非線形挙動を利用した信号処理デバイスの一種であり、
2つの入力信号の畳み込み積分を行う演算素子である。
このエラスティックコンボルバとして、マルチストリッ
プカプラー(以下、MSCと略す。)が組み込まれた構
造が、従来より公知である。この公知のエラスティック
コンボルバの一例を図7に示す。
非線形挙動を利用した信号処理デバイスの一種であり、
2つの入力信号の畳み込み積分を行う演算素子である。
このエラスティックコンボルバとして、マルチストリッ
プカプラー(以下、MSCと略す。)が組み込まれた構
造が、従来より公知である。この公知のエラスティック
コンボルバの一例を図7に示す。
【0003】エラスティックコンボルバ1は、圧電体と
して、LiNbO3 圧電単結晶からなる四角形の圧電基
板2を用いて構成されている。圧電基板2の両端面2
a,2b近傍には、それぞれ、入力用インターデジタル
トランスデューサ(以下、入力用IDTと略す。)3が
形成されている。各入力用IDT3は、互いに間挿し合
う複数本の電極指を有する一対のくし歯電極により構成
されている。
して、LiNbO3 圧電単結晶からなる四角形の圧電基
板2を用いて構成されている。圧電基板2の両端面2
a,2b近傍には、それぞれ、入力用インターデジタル
トランスデューサ(以下、入力用IDTと略す。)3が
形成されている。各入力用IDT3は、互いに間挿し合
う複数本の電極指を有する一対のくし歯電極により構成
されている。
【0004】また、入力用IDT3,3間の領域中央部
分においては、表面波伝搬方向に平行に延びる導波路4
が形成されている。導波路4と、各入力用IDT3との
間には、それぞれ、MSC5が形成されている。
分においては、表面波伝搬方向に平行に延びる導波路4
が形成されている。導波路4と、各入力用IDT3との
間には、それぞれ、MSC5が形成されている。
【0005】エラスティックコンボルバ1では、入力用
IDT3,3に入力信号が加えられると、該入力信号に
より励振された弾性表面波が矢印A,B方向に沿って伝
搬されるが、この弾性表面波はMSC5において、それ
ぞれ、圧縮され、しかる後、導波路4において重ね合わ
され、出力信号が取り出される。
IDT3,3に入力信号が加えられると、該入力信号に
より励振された弾性表面波が矢印A,B方向に沿って伝
搬されるが、この弾性表面波はMSC5において、それ
ぞれ、圧縮され、しかる後、導波路4において重ね合わ
され、出力信号が取り出される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】コンボルバの性能は、
一般的に効率F及びBT積(Bは帯域幅、Tは積分ある
いはプロセス時間を示す。)で示され、効率F及びBT
積の向上が望まれている。
一般的に効率F及びBT積(Bは帯域幅、Tは積分ある
いはプロセス時間を示す。)で示され、効率F及びBT
積の向上が望まれている。
【0007】エラスティックコンボルバは、弾性表面波
を利用するものであるため、効率Fを高めるには、電気
機械結合係数が大きく、非線形の大きな圧電基板2を用
いればよいと考えられる。
を利用するものであるため、効率Fを高めるには、電気
機械結合係数が大きく、非線形の大きな圧電基板2を用
いればよいと考えられる。
【0008】他方、LiNbO3 圧電単結晶よりなる圧
電基板上にIDTを形成して弾性表面波を励振する際に
LiNbO3 よりなる圧電基板表面にZnO圧電薄膜を
さらに積層することにより、より大きな電気機械結合係
数の得られることが報告されている(A.Armstr
ong.et al.,Proc.1972 IEEE
Ultrason.Symp.第370頁〜第372
頁(1972)及び中村他:日本音響学会講演論文集、
平成3年10月号、第953〜第954頁)。
電基板上にIDTを形成して弾性表面波を励振する際に
LiNbO3 よりなる圧電基板表面にZnO圧電薄膜を
さらに積層することにより、より大きな電気機械結合係
数の得られることが報告されている(A.Armstr
ong.et al.,Proc.1972 IEEE
Ultrason.Symp.第370頁〜第372
頁(1972)及び中村他:日本音響学会講演論文集、
平成3年10月号、第953〜第954頁)。
【0009】そこで、図7に示したエラスティックコン
ボルバ1において、圧電基板2の上面の全面を覆うよう
にZnO圧電薄膜を形成したところ、従来のエラスティ
ックコンボルバ1に比べると効率が高められることが確
かめられた。
ボルバ1において、圧電基板2の上面の全面を覆うよう
にZnO圧電薄膜を形成したところ、従来のエラスティ
ックコンボルバ1に比べると効率が高められることが確
かめられた。
【0010】しかしながら、ZnO圧電薄膜を上記のよ
うに積層したとしても、エラスティックコンボルバの効
率は未だ充分には高くならず、従って、より一層高効率
のエラスティックコンボルバの登場が望まれる。
うに積層したとしても、エラスティックコンボルバの効
率は未だ充分には高くならず、従って、より一層高効率
のエラスティックコンボルバの登場が望まれる。
【0011】本発明の目的は、より一層高効率のエラス
ティックコンボルバを提供することにある。
ティックコンボルバを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、LiNbO3
単結晶よりなる圧電基板を用いたエラスティックコンボ
ルバにおいて、より一層効率を高めるべく考えられたも
のであり、下記の構成を備えることを特徴とする。
単結晶よりなる圧電基板を用いたエラスティックコンボ
ルバにおいて、より一層効率を高めるべく考えられたも
のであり、下記の構成を備えることを特徴とする。
【0013】すなわち、本発明は、YカットZ方向伝搬
LiNbO3 単結晶よりなる圧電基板と、前記圧電基板
の+Y面上において所定距離を隔てて配置された一対の
入力用IDTと、前記一対の入力用IDT間に配置され
た導波路と、前記導波路と、各入力用IDTとの間にそ
れぞれ形成されたMSCと、前記圧電基板上に形成され
たZnO、Ta2 O5 またはCdSよりなる圧電薄膜と
を備え、前記圧電薄膜の膜厚をH、伝搬する表面波の波
長をλとしたときに、H/λが0.08〜0.3の範囲
とされている、エラスティックコンボルバである。
LiNbO3 単結晶よりなる圧電基板と、前記圧電基板
の+Y面上において所定距離を隔てて配置された一対の
入力用IDTと、前記一対の入力用IDT間に配置され
た導波路と、前記導波路と、各入力用IDTとの間にそ
れぞれ形成されたMSCと、前記圧電基板上に形成され
たZnO、Ta2 O5 またはCdSよりなる圧電薄膜と
を備え、前記圧電薄膜の膜厚をH、伝搬する表面波の波
長をλとしたときに、H/λが0.08〜0.3の範囲
とされている、エラスティックコンボルバである。
【0014】なお、好ましくは、請求項2に記載のよう
に、上記圧電薄膜は、圧電基板上の導波路上を除く残り
の領域のうち、少なくとも前記一対の入力用IDTが形
成されている領域上に形成される。
に、上記圧電薄膜は、圧電基板上の導波路上を除く残り
の領域のうち、少なくとも前記一対の入力用IDTが形
成されている領域上に形成される。
【0015】
【作用】本願発明者は、LiNbO3 単結晶よりなる圧
電基板を用いて構成されたエラスティックコンボルバの
効率を高めるべく鋭意検討した結果、YカットZ方向伝
搬のLINbO3 単結晶を用い、かつその+Y面上に上
記IDT等を形成し、さらにその上に圧電薄膜を形成す
れば、エラスティックコンボルバの効率を効果的に高め
得ることを見出した。このように、+Y面を利用し、か
つ圧電薄膜の膜厚を上記特定の範囲とすることにより、
効率を高め得ることは、本願発明者により実験的に確か
められたものであるが、従来、YカットZ方向伝搬のL
iNbO3単結晶の+Y面及び−Y面の相違や上記圧電
基板上に積層される圧電薄膜の膜厚がエラスティックコ
ンボルバの効率に影響することは、報告されていない。
電基板を用いて構成されたエラスティックコンボルバの
効率を高めるべく鋭意検討した結果、YカットZ方向伝
搬のLINbO3 単結晶を用い、かつその+Y面上に上
記IDT等を形成し、さらにその上に圧電薄膜を形成す
れば、エラスティックコンボルバの効率を効果的に高め
得ることを見出した。このように、+Y面を利用し、か
つ圧電薄膜の膜厚を上記特定の範囲とすることにより、
効率を高め得ることは、本願発明者により実験的に確か
められたものであるが、従来、YカットZ方向伝搬のL
iNbO3単結晶の+Y面及び−Y面の相違や上記圧電
基板上に積層される圧電薄膜の膜厚がエラスティックコ
ンボルバの効率に影響することは、報告されていない。
【0016】なお、本発明において、膜厚を、上記特定
の範囲内としたのは、この範囲外では電気機械結合係数
を高め得ることができず、従ってエラスティックコンボ
ルバの効率を充分に高めることができないからである。
の範囲内としたのは、この範囲外では電気機械結合係数
を高め得ることができず、従ってエラスティックコンボ
ルバの効率を充分に高めることができないからである。
【0017】また、請求項2に記載の発明では、上記圧
電薄膜が、導波路上を除く残りの領域のうち、少なくと
も前記一対の入力用IDTが形成されている領域上に形
成されるが、これは、まだ公知ではない特願平5−41
443号に開示されているように、上記範囲にのみ圧電
薄膜を形成することにより、帯域幅を狭めることなく効
率を高める得ることによる。
電薄膜が、導波路上を除く残りの領域のうち、少なくと
も前記一対の入力用IDTが形成されている領域上に形
成されるが、これは、まだ公知ではない特願平5−41
443号に開示されているように、上記範囲にのみ圧電
薄膜を形成することにより、帯域幅を狭めることなく効
率を高める得ることによる。
【0018】
【実施例の説明】以下、図面を参照しつつ非限定的な実
施例を説明することにより、本発明を明らかにする。
施例を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0019】図1は、本発明の第1の実施例に係るエラ
スティックコンボルバを示す平面図である。エラスティ
ックコンボルバ11は、平面形状が四角形の圧電基板1
2を用いて構成されている。圧電基板12は、Yカット
Z方向伝搬LiNbO3 単結晶基板により構成されてい
るが、図示されている面すなわち上面が+Y面とされて
いる。
スティックコンボルバを示す平面図である。エラスティ
ックコンボルバ11は、平面形状が四角形の圧電基板1
2を用いて構成されている。圧電基板12は、Yカット
Z方向伝搬LiNbO3 単結晶基板により構成されてい
るが、図示されている面すなわち上面が+Y面とされて
いる。
【0020】圧電基板12の端面12a,12bの近傍
には、入力用IDT13,13が形成されている。入力
用IDT13,13は、それぞれ、互いに間挿し合う複
数本の電極指を有する一対のくし歯電極により構成され
ている。また、入力用IDT13,13間の中央には、
表面波伝搬方向に平行に延びる導波路14が形成されて
いる。導波路14と、各入力用IDT13との間にMS
C15,15が形成されている。
には、入力用IDT13,13が形成されている。入力
用IDT13,13は、それぞれ、互いに間挿し合う複
数本の電極指を有する一対のくし歯電極により構成され
ている。また、入力用IDT13,13間の中央には、
表面波伝搬方向に平行に延びる導波路14が形成されて
いる。導波路14と、各入力用IDT13との間にMS
C15,15が形成されている。
【0021】さらに、圧電基板12の上面において、入
力用IDT13,13及びMSC15,15が形成され
ている部分を覆うようにZnO圧電薄膜16,16が被
覆されている。ZnO圧電薄膜16,16の膜厚Hは、
励振される表面波の波長をλとしたときに、H/λが
0.08〜0.3の範囲となるように選ばれている。従
って、後述の実験例から明らかなように、単にZnO圧
電薄膜を積層形成した場合に比べて、上記特定の範囲の
膜厚のZnO圧電薄膜16を形成することにより、さら
に圧電基板の+Y面上にIDT13や圧電薄膜16等を
形成していることにより、エラスティックコンボルバ1
1の効率が効果的に高められる。
力用IDT13,13及びMSC15,15が形成され
ている部分を覆うようにZnO圧電薄膜16,16が被
覆されている。ZnO圧電薄膜16,16の膜厚Hは、
励振される表面波の波長をλとしたときに、H/λが
0.08〜0.3の範囲となるように選ばれている。従
って、後述の実験例から明らかなように、単にZnO圧
電薄膜を積層形成した場合に比べて、上記特定の範囲の
膜厚のZnO圧電薄膜16を形成することにより、さら
に圧電基板の+Y面上にIDT13や圧電薄膜16等を
形成していることにより、エラスティックコンボルバ1
1の効率が効果的に高められる。
【0022】さらに、本実施例のエラスティックコンボ
ルバ11では、ZnO圧電薄膜16,16が導波路14
上には被覆形成されていないため、導波路14上におけ
る伝搬損失が小さくされている。従って、従来のエラス
ティックコンボルバ1に比べて効率が高められるだけで
なく、帯域幅が狭められることもない。
ルバ11では、ZnO圧電薄膜16,16が導波路14
上には被覆形成されていないため、導波路14上におけ
る伝搬損失が小さくされている。従って、従来のエラス
ティックコンボルバ1に比べて効率が高められるだけで
なく、帯域幅が狭められることもない。
【0023】次に、上記実施例においてYカットZ方向
伝搬LiNbO3 単結晶よりなる圧電基板の+Y面上に
上記各構造を形成し、さらにZnO圧電薄膜16の膜厚
を上記特定の範囲としたことにより効率が高められる理
由を、具体的な実験例に基づき説明する。
伝搬LiNbO3 単結晶よりなる圧電基板の+Y面上に
上記各構造を形成し、さらにZnO圧電薄膜16の膜厚
を上記特定の範囲としたことにより効率が高められる理
由を、具体的な実験例に基づき説明する。
【0024】図2に示すように、YカットZ方向伝搬L
iNbO3 圧電単結晶よりなる圧電基板17上に、Zn
O圧電薄膜18を形成した構造を用意した。なお、この
構造を用意するにあたっては、圧電基板17としてその
+Y面上に圧電薄膜18を形成したものと、−Y面上に
圧電薄膜18を形成したものとを用意し、さらに圧電薄
膜18の膜厚を種々異ならせたものを用意した。また、
圧電基板17と圧電薄膜18との境界面に所定距離を隔
てて一対のIDTを形成しておいた。
iNbO3 圧電単結晶よりなる圧電基板17上に、Zn
O圧電薄膜18を形成した構造を用意した。なお、この
構造を用意するにあたっては、圧電基板17としてその
+Y面上に圧電薄膜18を形成したものと、−Y面上に
圧電薄膜18を形成したものとを用意し、さらに圧電薄
膜18の膜厚を種々異ならせたものを用意した。また、
圧電基板17と圧電薄膜18との境界面に所定距離を隔
てて一対のIDTを形成しておいた。
【0025】上記のようにして用意した各構造における
表面波の音速を測定した。結果を、図3に示す。また、
上記音速から求めた電気機械結合係数と、H/λとの関
係を図4に示す。
表面波の音速を測定した。結果を、図3に示す。また、
上記音速から求めた電気機械結合係数と、H/λとの関
係を図4に示す。
【0026】なお、図3及び図4において、実線+Y
は、それぞれ、+Y面上にZnO圧電薄膜18を形成し
た場合を、破線−Yは−Y面上に圧電薄膜18を形成し
た場合の特性を示す。
は、それぞれ、+Y面上にZnO圧電薄膜18を形成し
た場合を、破線−Yは−Y面上に圧電薄膜18を形成し
た場合の特性を示す。
【0027】図3及び図4から明らかなように、Yカッ
トZ方向伝搬LiNbO3 単結晶よりなる圧電基板17
上にZnO圧電薄膜18を形成する場合、+Y面上にZ
nO圧電薄膜18を形成した場合の方が電気機械結合係
数が高められることがわかる。特に、H/λが0.08
〜0.3の範囲では、−Y面上に圧電薄膜18を形成し
た場合には得られない大きな電気機械結合係数kを実現
し得ることがわかる。従って、H/λが0.08〜0.
3の範囲に入るようにZnO圧電薄膜18の膜厚を選択
し、LiNbO3 単結晶よりなる圧電基板17の+Y面
上に積層することにより、極めて高い効率のエラスティ
ックコンボルバを構成し得ることがわかる。
トZ方向伝搬LiNbO3 単結晶よりなる圧電基板17
上にZnO圧電薄膜18を形成する場合、+Y面上にZ
nO圧電薄膜18を形成した場合の方が電気機械結合係
数が高められることがわかる。特に、H/λが0.08
〜0.3の範囲では、−Y面上に圧電薄膜18を形成し
た場合には得られない大きな電気機械結合係数kを実現
し得ることがわかる。従って、H/λが0.08〜0.
3の範囲に入るようにZnO圧電薄膜18の膜厚を選択
し、LiNbO3 単結晶よりなる圧電基板17の+Y面
上に積層することにより、極めて高い効率のエラスティ
ックコンボルバを構成し得ることがわかる。
【0028】なお、図3及び図4は、圧電薄膜として、
ZnO薄膜18を形成した場合を説明したが、Ta2 O
5 薄膜やCdS薄膜を圧電薄膜として用いた場合にも、
+Y面上に圧電薄膜を形成することによりエラスティッ
クコンボルバの効率を効果的に高め得ることが本願発明
者により確かめられている。
ZnO薄膜18を形成した場合を説明したが、Ta2 O
5 薄膜やCdS薄膜を圧電薄膜として用いた場合にも、
+Y面上に圧電薄膜を形成することによりエラスティッ
クコンボルバの効率を効果的に高め得ることが本願発明
者により確かめられている。
【0029】また、図1に示した実施例では、ZnO圧
電薄膜16,16は、IDT13,13及びMSC1
5,15上を覆うように形成されていたが、圧電薄膜
は、YカットZ方向伝搬LiNbO3 単結晶よりなる圧
電基板の+Y面において全面に形成されていてもよい。
もっとも、全面に形成した場合には、導波路上の表面波
の伝搬ロスが大きくなるため、好ましくは、第1の実施
例や、図5及び図6に示す第2,第3の実施例のよう
に、導波路14上を除く残りの領域を覆うようにZnO
圧電薄膜を形成することが好ましい。
電薄膜16,16は、IDT13,13及びMSC1
5,15上を覆うように形成されていたが、圧電薄膜
は、YカットZ方向伝搬LiNbO3 単結晶よりなる圧
電基板の+Y面において全面に形成されていてもよい。
もっとも、全面に形成した場合には、導波路上の表面波
の伝搬ロスが大きくなるため、好ましくは、第1の実施
例や、図5及び図6に示す第2,第3の実施例のよう
に、導波路14上を除く残りの領域を覆うようにZnO
圧電薄膜を形成することが好ましい。
【0030】図5は、第2の実施例のエラスティックコ
ンボルバ21を示し、ここでは、圧電薄膜26,26
は、IDT13,13上を覆うように形成されている。
また、図6に示す第3の実施例のエラスティックコンボ
ルバ31では、導波路14上を除く残りの領域において
+Y面上に圧電薄膜36が形成されている。
ンボルバ21を示し、ここでは、圧電薄膜26,26
は、IDT13,13上を覆うように形成されている。
また、図6に示す第3の実施例のエラスティックコンボ
ルバ31では、導波路14上を除く残りの領域において
+Y面上に圧電薄膜36が形成されている。
【0031】第2,第3の実施例のエラスティックコン
ボルバ21,31においても、圧電薄膜26,36は、
第1の実施例と同様にYカットZ方向伝搬LiNbO3
単結晶よりなる圧電基板の+Y面上に形成されており、
かつその膜厚が上記特定の範囲となるように選択されて
いる。従って、第1の実施例と同様に高効率のエラステ
ィックコンボルバを提供することができる。
ボルバ21,31においても、圧電薄膜26,36は、
第1の実施例と同様にYカットZ方向伝搬LiNbO3
単結晶よりなる圧電基板の+Y面上に形成されており、
かつその膜厚が上記特定の範囲となるように選択されて
いる。従って、第1の実施例と同様に高効率のエラステ
ィックコンボルバを提供することができる。
【0032】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、Yカッ
トZ方向伝搬LiNbO3 単結晶よりなる圧電基板の+
Y面上において、上記特定の膜厚を有するZnO、Ta
2 O5またはCdSからなる圧電薄膜が被覆形成されて
いるため、エラスティックコンボルバの効率を効果的に
高めることが可能となる。また、従来のエラスティック
コンボルバと同じ効率のものを得ようとした場合には、
MSCのストリップの本数を減らすことができるため、
R>より小型のエラスティックコンボルバを提供すること
が可能となる。
トZ方向伝搬LiNbO3 単結晶よりなる圧電基板の+
Y面上において、上記特定の膜厚を有するZnO、Ta
2 O5またはCdSからなる圧電薄膜が被覆形成されて
いるため、エラスティックコンボルバの効率を効果的に
高めることが可能となる。また、従来のエラスティック
コンボルバと同じ効率のものを得ようとした場合には、
MSCのストリップの本数を減らすことができるため、
R>より小型のエラスティックコンボルバを提供すること
が可能となる。
【0033】請求項2に記載の発明では、圧電薄膜が導
波路上を除く残りの領域のうち、少なくとも前記一対の
入力用IDTが形成されている領域上に上記圧電薄膜が
形成されているため、帯域幅を狭めることなく高効率の
エラスティックコンボルバを提供することができる。
波路上を除く残りの領域のうち、少なくとも前記一対の
入力用IDTが形成されている領域上に上記圧電薄膜が
形成されているため、帯域幅を狭めることなく高効率の
エラスティックコンボルバを提供することができる。
【図1】第1の実施例のエラスティックコンボルバを示
す平面図。
す平面図。
【図2】LiNbO3 単結晶よりなる圧電基板上にZn
O圧電薄膜を形成した構造を説明するための模式的断面
図。
O圧電薄膜を形成した構造を説明するための模式的断面
図。
【図3】図2に示した構造におけるZnO圧電薄膜の膜
厚の波長に対する比H/λと、弾性表面波の音速との関
係を示す図。
厚の波長に対する比H/λと、弾性表面波の音速との関
係を示す図。
【図4】図2に示した構造におけるZnO圧電薄膜の膜
厚の波長に対する比H/λと、電気機械結合係数kとの
関係を示す図。
厚の波長に対する比H/λと、電気機械結合係数kとの
関係を示す図。
【図5】第2の実施例のエラスティックコンボルバを示
す平面図。
す平面図。
【図6】第3の実施例のエラスティックコンボルバを示
す平面図。
す平面図。
【図7】従来のエラスティックコンボルバを示す平面
図。
図。
11,21,31…エラスティックコンボルバ 12…YカットZ方向伝搬LiNbO3 単結晶よりなる
圧電基板 13…IDT 14…導波路 15,15…MSC 16,26,36…圧電薄膜
圧電基板 13…IDT 14…導波路 15,15…MSC 16,26,36…圧電薄膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−35211(JP,A) 特開 昭54−66792(JP,A) PROCEEDINGS OF TH E IEEE,VOL.64,NO.5, MAY 1976,P748−751 昭和51年度電子通信学会全国大会講演 論文集[分冊1]、昭和51年3月,p. 1−56 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 9/72 H03H 9/145 H03H 9/25
Claims (2)
- 【請求項1】 YカットZ方向伝搬LiNbO3 単結晶
よりなる圧電基板と、 前記圧電基板の+Y面上において所定距離を隔てて配置
された一対の入力用インターデジタルトランスデューサ
と、 前記一対の入力用インターデジタルトランスデューサ間
に配置された導波路と、 前記導波路と、各入力用インターデジタルトランスデュ
ーサとの間にそれぞれ形成されたマルチストリップカプ
ラーと、 前記圧電基板上に形成されたZnO、Ta2 O5 及びC
dSの内の1種からなる圧電薄膜とを備え、 前記圧電薄膜の膜厚をH、伝搬する表面波の波長をλと
したときに、H/λが0.08〜0.3の範囲とされて
いる、エラスティックコンボルバ。 - 【請求項2】前記圧電薄膜が、圧電基板上の前記導波路
上を除く領域のうち、少なくとも前記一対の入力用イン
ターデジタルトランスデューサが形成されている領域を
覆うように形成されている、請求項1に記載のエラステ
ィックコンボルバ。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26377093A JP3166445B2 (ja) | 1993-10-21 | 1993-10-21 | エラスティックコンボルバ |
DE4406501A DE4406501C2 (de) | 1993-03-02 | 1994-02-28 | Oberflächenwellen-Konvolver |
US08/204,591 US5444322A (en) | 1993-03-02 | 1994-03-01 | Elastic convolver |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26377093A JP3166445B2 (ja) | 1993-10-21 | 1993-10-21 | エラスティックコンボルバ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07122971A JPH07122971A (ja) | 1995-05-12 |
JP3166445B2 true JP3166445B2 (ja) | 2001-05-14 |
Family
ID=17394048
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26377093A Expired - Fee Related JP3166445B2 (ja) | 1993-03-02 | 1993-10-21 | エラスティックコンボルバ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3166445B2 (ja) |
-
1993
- 1993-10-21 JP JP26377093A patent/JP3166445B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
PROCEEDINGS OF THE IEEE,VOL.64,NO.5,MAY 1976,P748−751 |
昭和51年度電子通信学会全国大会講演論文集[分冊1]、昭和51年3月,p.1−56 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07122971A (ja) | 1995-05-12 |
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