JP3166160U - 被加工体の固定治具および加工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】カッターやルーターを用いて、プリント基板などの被加工体に穴開けなどの加工を行う際に、加工ステージに被加工体を密着保持し、作業効率を向上させる治具を設えた加工装置を提供する。【解決手段】加工装置50は、固定治具10と、加工用ユニット30を載置する加工ステージ35と、固定治具10により加工ステージ35に固定された被加工体を加工する切削治具52とを具備する。切削治具52は、ルーターやカッターを装着する装着ノズル52aを具備している。装着ノズル52aは、加工ステージ35の上面に沿う水平方向であれば、任意の方向に移動可能に設計されている。そして、所定の位置に停止させた装着ノズル52aを、下方に移動させるとともに、ノズル先端に装着されたルーターやカッターを回転させることにより、穴開けが行われる。【選択図】図5
Description
本考案は、例えばカッターやルーターを用いて、プリント基板などの被加工体に穴空けなどの加工を行う際に、加工ステージに被加工体を密着保持する固定治具に関し、更に、当該固定治具を備える加工装置に関する。
プリント基板の穴空けなどの被加工体の加工は、通常、図6に示すように、複数の被加工体61を積み重ねて、所定の加工ステージ上で行われる。複数の被加工体61の上下面の少なくとも一方には、被加工体や加工ステージを保護するためのベース板63が重ねられる。被加工体61とベース板63からなる積層体は、その四隅を粘着テープ65により固定したり、積層体を貫通する基準ピン67を勘挿したりして、加工用ユニット60とした状態で加工ステージ上に供給される(特許文献1参照)。
加工ステージ上に供給された加工用ユニット60は、例えば、積層体からはみ出たピン67の先端を、加工ステージ上に設けられた穴に挿入することにより、所定位置に位置決めされる。このとき、加工ステージ上で加工中の加工用ユニット60が動かないように、従来は、加工用ユニット60の周縁部から加工ステージの表面にわたって粘着テープを貼り付けることにより、加工用ユニット60を加工ステージに固定していた。
従来は、被加工体の加工を行うたびに、加工用ユニットを加工ステージに一時的に固定するために、加工用ユニットの周縁部から加工ステージの表面にわたって粘着テープを貼り付けたり、剥がしたりしなければならず、加工作業が煩雑であった。また、吸引装置を用いて加工用ユニットを加工ステージに密着させることも行われていたが、吸引装置を用いる場合には、加工装置が大型かつ複雑になり、加工コストが高くなることがあった。
本考案は、粘着テープの使用を不要とすることにより、省資源化を図るとともに、被加工体の加工の作業効率を向上させることを目的とする。また、吸引装置などの大掛かりな装置を必要とせず、簡易な装置で加工用ユニットを加工ステージに固定することを目的とする。
本考案の固定治具は、加工ステージに載置された被加工体を含む加工用ユニットの周縁部に嵌合する枠体を具備し、前記加工用ユニットを自重により前記加工ステージ側に押圧して固定するものである。
本考案の被加工体の加工装置は、上記の固定治具と、被加工体を含む加工用ユニットを載置する加工ステージと、前記固定治具により前記加工ステージに固定された前記被加工体を加工する切削治具とを具備する。
本考案によれば、省資源化が図られるとともに、被加工体の加工の作業効率が向上する。また、被加工体の加工コストを低減することができる。
プリント基板などの被加工体の加工は、1つまたは複数の被加工体を含む加工用ユニットを、加工ステージに一時的に固定した後に行われる。加工用ユニットが複数の被加工体を含む場合は、図6に示すように、粘着テープや基準ピンを用いて複数の被加工体を仮留めしてもよいが、粘着テープや基準ピンを用いずに、本考案の固定治具のみにより、複数の被加工体を加工ステージに固定することもできる。
加工用ユニットが載置される加工ステージ上の位置については、様々な方法で位置決めして良いが、図6に示すような基準ピンを用いる場合には、加工用ユニットの所定箇所に勘挿された基準ピンと、当該基準ピンの先端と嵌合するように加工ステージに設けられた穴部により、位置決めを行うことができる。
このように加工用ユニットの位置決めをしても、加工用ユニットを加工ステージに密着保持しない場合には、加工中の振動により、加工用ユニットが移動したり、被加工体が位置ずれを起こしたりする。また、被加工体が、加工による応力を受けて、反りを生じることがある。このような加工用ユニットの移動および被加工体の反りや位置ずれを防止するべく、強固かつ一時的な固定を簡便に行うために、本考案の固定治具は、加工用ユニットの周縁部に嵌合する枠体を具備し、加工用ユニットを自重により加工ステージ側に押圧して固定する。固定治具は、枠体のみで構成してもよく、枠体に様々な付属部品を付加して固定治具を構成してもよい。
本考案の一局面において、固定治具が具備する枠体は、上方および下方に開口を有し、加工用ユニットの周縁部に沿う上面に当接する第一当接面を有する。第一当接面が加工用ユニットの上面を下方に押圧することにより、固定治具の自重による加工用ユニットの加工ステージへの固定が可能となる。
固定治具が具備する枠体は、更に、加工ステージに当接する第二当接面を有することが望ましい。第二当接面が加工ステージに当接することにより、加工中にも固定治具が安定化するとともに、第二当接面と加工ステージとの摩擦により、加工用ユニットの、より強固な加工ステージへの固定が可能となる。
上記のような固定治具は、加工用ユニットを自重により加工ステージ側に押圧し、固定するのに十分な重量を有する。固定治具の重量は、加工用ユニットの周縁部から加工ステージの表面にわたって粘着テープを貼り付けて加工用ユニットを固定する場合と同程度の固定力を有するように調整される。固定治具の重量は、枠体の材質や厚みにより調整することができる。固定治具に十分な重量を付与する観点から、枠体は比重6以上の材質で構成することが好ましい。このような材質として、ステンレス鋼などを例示することができる。
固定治具全体の重量は、加工用ユニットを加工ステージに強固に固定する観点から、加工用ユニットの重量の1倍以上であることが好ましい。ただし、固定治具の重量が大きすぎると、作業効率が低下するため、加工用ユニットの重量の2倍以下であることが好ましい。また、枠体の上方の開口が大きいほど、固定治具で押圧されない被加工体の露出部が大きくなるため、固定治具の重量を重くすることが好ましい。
以下、図面を参照しながら説明する。
図1に本考案の固定治具の一例の外観を示し、図2にそのII−II線断面図を示す。固定治具10は、ステンレス鋼などの材質からなる矩形の枠体10´のみで形成されている。枠体10´の内側壁面には、所定の加工用ユニットの周縁部に嵌合するように、段部が形成されている。枠体10´の下方は、被加工体の挿入口であり、上方は、被加工体の一部を露出させるための開口15を有する。
図1に本考案の固定治具の一例の外観を示し、図2にそのII−II線断面図を示す。固定治具10は、ステンレス鋼などの材質からなる矩形の枠体10´のみで形成されている。枠体10´の内側壁面には、所定の加工用ユニットの周縁部に嵌合するように、段部が形成されている。枠体10´の下方は、被加工体の挿入口であり、上方は、被加工体の一部を露出させるための開口15を有する。
枠体10´は、加工ステージの上面に当接する第二当接面12aを有する外枠部12と、加工用ユニットの周縁部の大部分と当接する内枠部14と、外枠部12を内枠部14と繋ぐ中枠部13とを有している。内枠部14は、上方から加工ステージに向かって加工用ユニットの周縁部を押圧する押さえ部14bを有し、押さえ部14bの内面は、加工用ユニットの上面に当接する第一当接面14aとなっている。
押さえ部14bにおける第一当接面14aの幅W1は、加工用ユニットの加工面を遮蔽しない範囲であれば、できる限り大きくすることが強固な固定を実現しやすい点で望ましい。
図3に示すように、加工用ユニット30が1つまたは複数の被加工体31に加えて、加工ステージ35の上面に当接するベース板33を有する場合、通常、ベース板に載置される被加工体31の上部からの投影面積は、ベース板より小さくなる。このような場合、中枠部13の水平部の幅は、ベース板の寸法に合わせて、ベース板と嵌合するように決定される。ベース板は、特に限定されず、木材、樹脂などの材料を用いることができる。なお、ベース板33が被加工体31と同じ寸法である場合、またはベース板を用いない場合には、中枠部13を設ける必要はなく、外枠部12と内枠部14とを直接繋いだ形状の枠体とすればよい。
本考案の固定治具は、特にプリント基板の穴空け加工を行う場合に、加工用ユニットを加工ステージに固定するのに適しているが、被加工体31は、特に限定されない。板状材料の加工であれば、本考案の固定治具を用いることができる。
図4は、固定治具10を加工ステージ35の所定位置に載置された加工用ユニットの上方から降下させ、枠体10´を加工用ユニットの周縁部に嵌合させた状態を示している。また、図5は、固定治具10で加工ステージ35に固定された加工用ユニット30の断面(図4のV−V線断面)を示している。このように、加工用ユニット30が、固定治具10の内壁と密着した状態で加工ステージに固定されることにより、加工用ユニット30を構成する被加工体31の反りや位置ずれが防止される。よって、枠体10´の開口から露出する被加工体31の露出面30aからの加工の作業効率が向上する。
次に、本考案の加工装置について説明する。
図5に示すように、加工装置50は、固定治具10と、加工用ユニット30を載置する加工ステージ35と、固定治具10により加工ステージ35に固定された被加工体を加工する切削治具52とを具備する。切削治具52は、ルーターやカッター(図示せず)を装着する装着ノズル52aを具備している。装着ノズル52aは、加工ステージ35の上面に沿う水平方向であれば、任意の方向に移動可能に設計されている。そして、所定の位置に停止させた装着ノズル52aを、下方に移動させるとともに、ノズル先端に装着されたルーターやカッターを回転させることにより、穴空けが行われる。
図5に示すように、加工装置50は、固定治具10と、加工用ユニット30を載置する加工ステージ35と、固定治具10により加工ステージ35に固定された被加工体を加工する切削治具52とを具備する。切削治具52は、ルーターやカッター(図示せず)を装着する装着ノズル52aを具備している。装着ノズル52aは、加工ステージ35の上面に沿う水平方向であれば、任意の方向に移動可能に設計されている。そして、所定の位置に停止させた装着ノズル52aを、下方に移動させるとともに、ノズル先端に装着されたルーターやカッターを回転させることにより、穴空けが行われる。
なお、本考案は、加工用ユニットや固定治具10を、加工ステージ35に、より強固に固定する観点から、吸引装置を用いたり、固定治具10を加工ステージ35側に引き寄せる磁力を用いたりすることを妨げるものではない。また、作業が極めて煩雑にならない程度で、粘着テープを併用することを妨げるものでもない。
本考案の被加工体の固定治具および加工装置は、プリント基板のような薄板状の被加工体の加工を効率的かつ精度よく行う場合に有用であり、例えばプリント基板の穴空けやルーター加工を行う装置に適用できる。
10 固定治具
10´ 矩形の枠体
12 外枠部
12a 第二当接面
13 中枠部
14 内枠部
14a 第一当接面
14b 押さえ部
30 加工用ユニット
31 被加工体
33 ベース板
35 加工ステージ
50 加工装置
52 切削治具
10´ 矩形の枠体
12 外枠部
12a 第二当接面
13 中枠部
14 内枠部
14a 第一当接面
14b 押さえ部
30 加工用ユニット
31 被加工体
33 ベース板
35 加工ステージ
50 加工装置
52 切削治具
Claims (6)
- 加工ステージに載置された被加工体を含む加工用ユニットの周縁部に嵌合する枠体を具備し、前記加工用ユニットを自重により前記加工ステージ側に押圧して固定する、固定治具。
- 前記枠体が、前記周縁部に沿って前記加工用ユニットの上面に当接する第一当接面を有する、請求項1記載の固定治具。
- 前記枠体が、前記周縁部に沿って前記加工ステージに当接する第二当接面を有する、請求項2記載の固定治具。
- 前記枠体が、比重6以上の材質からなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の固定治具。
- 前記加工用ユニットの重量の1倍以上、2倍以下の重量を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の固定治具。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の固定治具と、
被加工体を含む加工用ユニットを載置する加工ステージと、
前記固定治具により前記加工ステージに固定された前記被加工体を加工する切削治具と、を具備する、被加工体の加工装置。
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JP2010007128U JP3166160U (ja) | 2010-10-27 | 2010-10-27 | 被加工体の固定治具および加工装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114473380A (zh) * | 2022-01-19 | 2022-05-13 | 成都飞机工业(集团)有限责任公司 | 一种航空整体框零件的数控加工方法 |
CN118237643A (zh) * | 2024-04-08 | 2024-06-25 | 中山芯承半导体有限公司 | 一种印刷线路板铣外形方法 |
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2010
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