JP3166069B2 - 曲面への印刷方法 - Google Patents

曲面への印刷方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は曲面をもつ印刷体
に印刷する印刷方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】表面が曲面、特に比較的複雑な曲面をも
つ印刷体に精度の良い色彩印刷をすることは極めて困難
なことであった。もちろん比較的単純な曲面に色彩印刷
をする手段は無いわけではない。例えば、転写紙に予め
印刷されたものを印刷体に接触させ転写するものなどが
ある。しかしながら従来の方法では色々な欠陥が存在し
ていた。また、コンピュータ時代に則した印刷方法とし
てインクジェット方式の印刷法があり、近年開発により
720dpiもの鮮明な印刷を可能とするようになっ
た。しかしこの印刷方式は印刷体が主として紙や繊維製
品に限られており、これをプラスチックや金属の被印刷
体それも曲面を有する被印刷体に印刷することは未だ例
を見ない。
【0003】このインクジェット方式の内でも、必要時
のみにインキを噴射するオンデマンド方式のものは、刻
々の画面情報により噴射条件を制御し印刷するもので、
印刷画像そのものの情報と印刷すべき被印刷体の形状の
変化情報を同時にコントロール可能であり曲面への印刷
方式としては極めて望ましいものである。しかしなが
ら、現時点ではインクジェット方式の対象は紙や繊維製
品であり、また近年その画質を向上させるために最大解
像度が増され、これに対応するための噴射粒子は極限に
小さくすることが要求されている。このためインクジェ
ット方式に使用されるインキは、極めて粘度の低い
(0.1〜1Poise程度)、浸透性の高い水溶性の
インキが使用されている。
【0004】一方被印刷体が、少なくとも印刷されるべ
き面が紙や繊維製品以外のプラスチックや金属で構成さ
れている場合は、紙や繊維製品と異なり浸透性がなくイ
ンキの定着性の面から現在のインクジェット方式用のイ
ンキは全くこの印刷に適していない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のインクジェット
方式の印刷をプラスチックや金属等の紙や繊維製品以外
の被印刷体に施すためには基本的に使用インキの仕様を
変えなければならない。即ち、口径50〜100μm程
度の小口径ノズル又はオリフィスからインキを高速で噴
射させるにはその流動抵抗ψを極力小さくする必要があ
り、これは取りも直さずインキの粘度νを小さくするこ
とに他ならない。また曲面を持つプラスチックや金属等
の被印刷体へは通常のオフセット印刷用のインキ粘度で
印刷されることが必要で、曲面への印刷という手法と相
俟って中間に何らかの手段を必要とする。
【0006】しかしながら、曲面を持つプラスチックや
金属等の被印刷体に印刷する場合には、基本的に一旦低
粘度インキで印刷し易い平面原版上にインクジェット方
式により直接印刷をし、それを被印刷体とほぼ同一の曲
面を有する軟質パッドに転写し、更に、軟質パッドから
被印刷体に写し取る手段が必要であり、このためには、
a)平面原版表面にインキが十分に乗ること、b)軟質
パッドにインキが十分に転写されること、c)更に、軟
質パッドから被印刷体に円滑に転写定着されること、
d)この工程間の相当な時間インキの蒸発、固化が抑制
されることが要求され、また、e)インクジェット方式
を利用するための低粘度であることが要求される。この
d)とe)の条件は相反するものであるところに問題が
ある。現行のインクジェット方式に使用されているイン
キではこれらの条件は満足し得ない。本願発明は、これ
らの欠陥をなくした曲面に印刷する印刷法を提案するも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は曲面を持つ被印
刷体にオフセット印刷法により印刷する方法であって、
第一工程として平面原版にインクジェット方式による直
接印刷をし、第二工程として該平面原版上のインキを架
橋化処理により増粘化し、第三工程として該平面原版か
ら被印刷体印刷曲面と類似形状曲面を有する軟質パッド
に転写し、第四工程において該軟質パッドを被印刷体の
印刷表面に接触させ転写、定着する工程よりなることを
特徴とする曲面への印刷方法により、また前記インクジ
ェット方式による直接印刷に使用するインキが架橋剤と
限界ミセル値以上の量の界面活性剤を含むことにより、
且つ、インキの粘度が第一工程では0.5〜1Pois
e、第二工程では100〜200Poiseであること
により、解決しようとするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】言うまでもなく、印刷用インキの
基本組成は色料、ビヒクルと助剤よりなる。従って、こ
れらの構成要素のトータルとして考え、前記a)〜d)
の条件を満足させなければならない。この内b)、c)
条件に対しては、色料を分散染料から選ばれたものを使
用し、被印刷体の少なくとも表面がプラスチックである
場合には適切な加熱条件で加熱浸透定着をすることによ
り染料のプラスチック表面から内部への十分な拡散を期
待することができる。良好な拡散効率を期待するために
はアントラキノン系、アゾ系、ニトロ系、キノリン系な
どからなる分散染料を使用することが望ましい。
【0009】本願に使用される印刷インキとしての条件
は (1)インクジェット方式に使用できること(低粘度
0.5−1P) (2)平面原版にインキが十分乗ること(表面の濡れ
性) (3)軟質パッドに精度良く十分転写されること(適正
粘度100−200P、接着性) (4)被印刷体への転写、定着が円滑であること(パッ
ド/被印刷体との相対的な接着性、加熱定着性)が必要
であり、この内、条件(1)に対しては、水分散性ポリ
マーエマルジョン型インキ(A)+α、但し、αは界面
活性剤、増粘剤の効果のあるもの、条件(2)に対して
は、平面原版表面との濡れ性向上(溶剤、界面活性剤の
効果up)及び平面原版材質、表面状態の選定で対処す
る必要があり、更に、条件(3)に対しては、A+α+
架橋化処理(増粘化、蒸発遅延化)但し、αは架橋剤、
架橋化処理は架橋剤に対応する熱、紫外線、橋架ガスな
どによるものである。また条件(4)に対しては被印刷
体表面とパッド表面とに対する接着性の差が大きいイン
キの選定、被印刷体とパッドの相対的材質の選定によら
なければならない。
【0010】b)とe)の相反する条件は、実験の結果
インキの当初の必要粘度は0.5〜1poiseであ
り、インクジェットの50〜100μm程度のノズル口
径からインキを高速で噴射させる必要があり、更にイン
キ性状としては平面原版上で分子粒として十分乗ってい
ることが大切で、滲みや斑などがあってはならない。即
ち十分な相対的濡れ性と接着性があることが条件とな
る。
【0011】更に平面原版から軟質パッドにこの印刷イ
ンキを転写するためには、粘度は100〜200Poi
se程度が必要である。従って、当初の粘度0.5〜1
Pから100〜200Pまで短時間で変化させなければ
ならない。本願発明においては、予め挿入された架橋剤
を平面原版上で速やかに架橋化することによりこれを得
ることを特徴としている。当然この架橋剤は当初のイン
クジェット用のインキとしての条件を乱すものであって
はならない。
【0012】架橋化処理により架橋される場合、架橋剤
の量はおおければ多いほど良いというものでもなく、自
ずと限界が存在する。即ち架橋化後のインキ粘度がその
後の印刷に適した100〜500Poiseになること
が必要であり、これには略0.2部程度の量が適当であ
る。しかしながら、この架橋剤の量はインクジェット方
式に必要な粘度を満足するものとはならない。本願発明
では、これを通常投入量が限界ミセル値以下とされる界
面活性剤の量を大幅に増量することにより解決しようと
するものである。
【0013】即ち、架橋剤0.2部に対して、界面活性
剤を限界ミセル値に対して大幅に増量したポリマー10
0部当たり10〜50部を添加することにより解決しよ
うとするものである。実施形態にも明らかなように、適
度の界面活性剤を加えることによりインクジェット方式
印刷に対しても、被印刷体への印刷に対しても架橋剤に
よる架橋化処理を介して両者に適当な粘度を得ることが
出来る。
【0014】これに反して、実施形態4では界面活性剤
の添加量を多くし過ぎた場合であって、界面活性剤がポ
リマー100部当たり62部となっており、このように
多くなり過ぎると、初期インキ粘度は極端に減少し、ま
た架橋化処理による増粘化も十分でなく、このケースで
は、直接印刷時に粒子間の滲みによる干渉が多く見ら
れ、また架橋化処理による増粘化が十分でないことから
軟質パッドへの転写及びアクリル樹脂板への転写とも印
刷精度が思わしくなかった。これは界面活性剤量が過大
で架橋化に難が生じたためと思われる。
【0015】また、実施形態5は界面活性剤の添加量を
少なくし過ぎた場合(ポリマー100部当たり6部添
加)の場合であって、架橋剤の影響で初期インキ粘度は
1.8Poiseと大きく、このためインクジェットに
よる印刷自体が不安定となり、印刷精度は線分誤差約3
%、枠間誤差約5%と思わしくなく、また印刷面に多く
の斑が認められた。架橋剤添加をともなう場合の界面活
性剤の下方限界値を示唆すものと考えられる。即ち、界
面活性剤と架橋剤による架橋化処理の組み合わせによ
り、本願発明の要旨とするところは、十分達成すること
ができるが、その限界条件として界面活性剤の添加量
は、ポリマー100部当たり10〜50部が適当である
ことが確認された。
【0016】本願発明の印刷方法は以下の実施形態によ
りその効果を確認した。 実施形態1 水溶性印刷インキとして下記処方により作成した。 1)アントラキノン系分散染料(Disperse Blue Extra 分子量148) 3部 2)アセトン 8部 3)非イオン性界面活性剤(EMULGEN909(株)花王) 1部 4)水 50部 5)2−エチルヘキシルアクリレート−メタクリル酸系非イオン 水性ポリマーエマルジョン(固形分 8%) 125部 6)ヒマシ油(ヒマシ油/アセトン 1:1)(蒸発遅延剤) 5部 7)ロジン酸(増粘剤) 5部 8)ジエチレングリコール 10部 9)Al−アセチルアセトナト硝酸塩錯体(架橋剤) 0.2部 先ず、1)及び2)を混合溶解し、更に3)、4)を加
え混合し、5)、6)、7)及び8)を漸次加え、十分
に混合したものに、9)をポリマー100部当たり2部
を加え3時間程良く混合した。この時の粘度は0.8
Poiseであった。この印刷インキを用いてアルミ平
面原版にインクジェット方式(口径100μm)により
直接印刷をした。これを100℃の熱風にて5min架
橋化処理を行った。粘度は150Poise相当(粘稠
性比較)に上昇した。これを軟質NBRパッドに転写
し、更にアクリル樹脂板に転写印刷し、120℃、5m
inで加熱定着させた。直接印刷、転写状態とも良好
で、印刷精度、色調、拡散状態とも良好な転写結果を得
た。
【0017】実施形態2 水溶性印刷インキとして下記処方により作成した。 1)ジアゾ化合物系分散染料(Disperse Red R 分子量 238) 4部 2)アセトン 15部 3)非イオン性界面活性剤(花王(株)EMULGEN909) 1部 4)水 50部 5)ヒマシ油/アセトン(1:1) 5部 6)ロジン酸 5部 7)溶剤エチレングリコールモノブチルエーテル 10部 8)水分散性ポリマーエマルジョン(2- エチルヘキシルアクリレート /メタクリル酸ポリマーの非イオン水性ポリマーエマルジョン 固形分8%) 125部 9)架橋剤 Al−アセチルアセトナト硝酸塩錯体 0.2部 予め1)〜4)を混合し、これに5)〜8)を加え漸次
混合分散した後、これに9)の架橋剤を加えて3時間良
く混合した。この状態での粘度は1.0Poiseであ
った。この印刷インキを使用してインクジェット方式
(口径100μm)にて、アルミ平面原版上に直接印刷
し、120℃、5min熱風加熱により架橋化処理をし
た。これにより粘度は190Poise相当(粘稠性比
較)に上昇した。これを軟質NBRパッドに転写し、更
にアクリル樹脂板上に転写し150℃、5min加熱定
着した。直接印刷、転写結果とも良好で、印刷精度、色
調、拡散状態とも良好であった。
【0018】実施形態3 水溶性印刷インキのものとして下記処方により作成し
た。 1)水分散性ジアゾ系染料(Disperse Fast Yellow 3 分子量 192) 3部 2)エタノール 8部 3)水 50部 4)アニオン性界面活性剤(分散剤DEMOL LP(株)花王) 1部 5)ヒマシ油/エタノール(1:1) 5部 6)ロジン酸 5部 7)ドデシルアルコール 10部 8)水分散性ポリマーエマルジョン(2- エチルヘキシルアクリレート /メタクリル酸ポリマーのアニオン性エマルジョン 固形分8%)125部 9)架橋剤 Al−アセチルアセトナト硝酸塩錯体 0.2部 先ず1)〜4)を溶解分散して、これに5)〜8)を漸
次加え十分混合し、更に架橋剤8)を加えて約3時間良
く混合した。この時の粘度は1.2Poiseであっ
た。この印刷インキを使用してインクジェット方式(口
径100μm)にて、アルミ平面原版に直接印刷し、1
20℃、5min熱風加熱をした。粘度は210Poi
se相当(粘稠性比較)となった。これを軟質NBRパ
ッドに転写し、更にアクリル樹脂板上に転写して、それ
を120℃、5min加熱定着した。直接印刷に若干斑
があるものの転写結果は良好であり、印刷精度、色調、
拡散状態とも概ね良好であった。
【0019】実施形態4 水溶性印刷インキとして下記処方により作成した。 1)ジアゾ化合物系分散染料(Disperse Red R 分子量 238) 4部 2)アセトン 15部 3)非イオン性界面活性剤(花王(株)EMULGEN909) 2部 4)水 50部 5)ヒマシ油/アセトン(1:1) 5部 6)ロジン酸 5部 7)溶剤エチレングリコールモノブチルエーテル 10部 8)水分散性ポリマーエマルジョン(2- エチルヘキシルアクリレート /メタクリル酸ポリマーの非イオン水性ポリマーエマルジョン 固形分8%) 125部 9)架橋剤 Al−アセチルアセトナト硝酸塩錯体 0.2部 予め1)〜4)を混合し、これに5)〜8)を加え漸次
混合分散した後、これに9)の架橋剤を加えて3時間良
く混合した。この状態での粘度は0.2Poiseであ
った。この印刷インキを使用してインクジェット方式
(口径100μm)にて、アルミ平面原版上に直接印刷
し、120℃、5min熱風加熱により架橋化処理をし
た。これにより粘度は60Poise相当(粘稠性比
較)と成った。これを軟質NBRパッドに転写し、更に
アクリル樹脂板上に転写し150℃、5min加熱定着
した。このケースでは、直接印刷時に粒子間の滲みによ
る干渉が多く見られ、また架橋化処理による増粘化が十
分でなく軟質パッドへの転写及びアクリル樹脂板への転
写とも印刷精度が思わしくなかった。界面活性剤量が過
大で架橋化に難が生じたためと思われる。
【0020】実施形態5 水溶性印刷インキとして下記処方により作成した。 1)ジアゾ化合物系分散染料(Disperse Red R 分子量 238) 4部 2)アセトン 15部 3)非イオン性界面活性剤(花王(株)EMULGEN909) 0.2部 4)水 50部 5)ヒマシ油/アセトン(1:1) 5部 6)ロジン酸 5部 7)溶剤エチレングリコールモノブチルエーテル 10部 8)水分散性ポリマーエマルジョン(2−エチルヘキシルアクリレート /メタクリル酸ポリマーの非イオン水性ポリマーエマルジョン 固形分8%) 125部 9)架橋剤 Al−アセチルアセトナト硝酸塩錯体 0.2部 予め1)〜4)を混合し、これに5)〜8)を加え漸次
混合分散した後、更にこれに9)の架橋剤を加えて3時
間良く混合した。この状態での粘度は1.8Poise
であった。この印刷インキを使用してインクジェット方
式(口径100μm)にて、アルミ平面原版上に直接印
刷し、120℃、5min熱風加熱により架橋化処理を
した。これにより粘度は250Poise相当(粘稠性
比較)と成った。これを軟質NBRパッドに転写し、更
にアクリル樹脂板上に転写して150℃、5min加熱
定着した。このケースでは、インクジェットによる直接
印刷自体が不安定で、印刷面に多くの斑が見られ、また
軟質パッドへの転写及びアクリル樹脂板への転写とも印
刷精度が思わしくなかった。架橋剤添加をともなう場合
の界面活性剤の下方限界値を示すものと考えられる。
【0021】いずれの実施形態とも印刷は0.5mm線
幅、ピッチ5mmの格子模様に印刷し、線幅および格子
間隔の誤差、斑、切れ、むら等の印刷欠陥を測定した。
拡散状態の良否は印刷断面により拡散の平均的深さを計
測し0.3mm以上を良好とした。また、架橋化処理後
の粘度は予め計測した粘度と触指粘稠性状の比較から推
定した。
【0022】また粘度に比較的に大きく影響する色料に
ついては、分子量の小さい染料又は顔料を使用すること
が必要である。実験の結果、分子量が200〜550の
低分子量分散染料が好ましいことがわかった。内容とし
ては置換アントラキノンやモノアゾ系のものが好まし
い。また、モノアゾ染料の分子量の限界から上限分子量
を550とした。また分子量の下限はアントラキノン系
染料の分子量の限界により設定されている。
【0023】中間媒体としての平面原版については、架
橋化処理に伴う加熱に十分耐え得るものであることは勿
論であるが、インクジェット方式印刷時の印刷インキが
乗るに十分な濡れ性を有する表面であることが必要であ
り、アルミ合金などの金属板やニトリルゴム、スチレン
−ブタジエンゴム、クロロプレンゴムなどのゴム又はゴ
ム状の材料を使用する。尚印刷表面は適度のアラサを有
する表面にすることが望ましい。
【0024】また該平面原版より転写をする軟質パッド
は、印刷曲面を平面から十分カバーできる程度の伸び
率、追従性を有していることが必要であり、ゴム又はゴ
ム状材料のものが好ましい。また軟質パッドは実体型を
基本とするが、弾性薄膜をエアークッションで保持する
形式(ゴムまり状)でも良い。
【0025】被印刷体が金属の場合は、少なくとも被印
刷表面をプラスチックにより構成し、印刷後加熱定着処
理により、印刷塗料を内部まで拡散させ印刷面の寿命延
長を図ることが望ましい。プラスチックとしては金属と
の接着性と相俟って軟質パッド上のインキを十分に転写
せしめるためにインキ/軟質パッドに対してインキ/被
印刷体の表面エネルギーが大きいことが必要となる。ア
クリル酸樹脂、ポリエステル樹脂、ナイロンなどが好ま
しい。
【0026】この場合被印刷体への転写後の加熱浸透定
着の加熱条件は、通常の転写印刷における加圧加熱の条
件より低い温度50〜160℃であり、このため加熱時
間は5〜300min.程度を必要とする。これらの条
件は分散染料の種類、被印刷体の少なくとも表面に設け
られるプラスチック材料の種類により異なる。例えばプ
ラッスチックがナイロン6の場合50〜60℃で250
〜300min.程度の条件となる。
【0027】本発明に使用するインクジェット方式はバ
ブル方式のように加熱を前提とするものは好ましくな
い。圧電素子や振動板による電気機械変換型の噴射方式
が適している。この場合ノズル又はオリフィス口径は流
量抵抗ψは口径の自乗に反比例するので粘度増加倍率の
平方根値、即ち通常口径の約2〜4倍にすれば良い。
【0028】また本発明の印刷方法によれば、転写印刷
を前提としており、被印刷体表面におけるインキ粒子の
直径は加圧により拡大され、解像度dpi値が小さくて
もインキ粒子間の隙間が小さくなり、一見dpiを大き
くしたような連続感が与えられる効果がある。特にモノ
カラーによる印刷では効果が大きい。
【0029】
【発明の効果】以上のごとく、本発明は曲面を有する被
印刷体に印刷する方法であって、適正なインキを使用し
たインクジェット方式により平面原版に直接印刷し、架
橋化処理により増粘化されたインキを、被印刷体と略類
似の形状を有する軟質パッドに転写し、更に被印刷体に
転写印刷するという特別の印刷方法により、従来難しい
とされていた曲面を有する被印刷体に対し満足すべき印
刷をすることが可能となった。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 曲面を持つ、少なくとも被印刷表面がプ
    ラスチックである被印刷体にオフセット印刷法により印
    刷する方法であって、第一工程として平面原版にインク
    ジェット方式により、インキとして、分散染料、架橋剤
    及び限界ミセル値以上の量、架橋剤含有量が総量当たり
    0.1乃至0.2部、界面活性剤含有量がポリマー10
    0部当たり10乃至50部である界面活性剤を含むイン
    キを使用して直接印刷をし、第二工程として該平面原版
    上のインキを架橋化処理により増粘化し、第三工程とし
    て該平面原版から被印刷体印刷曲面と略類似形状曲面を
    有する軟質パッドに転写し、第四工程において該軟質パ
    ッドを少なくとも被印刷表面がプラスチックである被印
    刷体の印刷表面に接触させ転写、定着する工程よりなる
    ことを特徴とする曲面への印刷方法。
  2. 【請求項2】 前記インクジェット方式による直接印刷
    に使用するインキは、粘度が該第一工程では0.5〜1
    Poiseであり、該第二工程においては架橋化処理に
    より100〜200Poiseとなることを特徴とする
    請求項1に記載の曲面への印刷方法。
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