JP3165713B2 - ヒュ−ズ素子 - Google Patents

ヒュ−ズ素子

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JP3165713B2 JP23065591A JP23065591A JP3165713B2 JP 3165713 B2 JP3165713 B2 JP 3165713B2 JP 23065591 A JP23065591 A JP 23065591A JP 23065591 A JP23065591 A JP 23065591A JP 3165713 B2 JP3165713 B2 JP 3165713B2
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利夫 土屋
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Nippon Kouatsu Electric Co
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電線ヒュ−ズ等に使用さ
れるヒュ−ズ素子の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】低圧配電線路の低圧需要家の引込線に接
続されて使用される例えば図7の電線ヒュ−ズにおいて
は、短絡時における遮断性能を高める手段としてヒュ−
ズエレメント100の遮断部101(ヒュ−ズ素子)を
多重発弧方式にすることがある。
【0003】つまり、所定の熱容(蓄熱)量を有する銅
管を銀線あるいは銅線の長手方向に対し適当間隔でもっ
て複数(多数)圧着しての蓄熱部103と狭隘部104
とを交互にかつ連続的に形成するようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記のヒュ−
ズ素子101にあっては、蓄熱部103となる銅管の圧
着時に狭隘部104となる銅線や銀線の素材に対し傷を
付けて、劣化を早めたり溶断特性を不安定にしたりする
ことがある外、圧着後狭隘部104と接続部105とを
ハンダにより接合するためにこれによっても溶断特性を
不安定なものにしていた。さらに上記のごとく作業性が
悪るいためにコストアップの原因にもなっていた。
【0005】また上記とは別に蓄熱部と狭隘部を銅線等
の素材から切削加工によって作るヒュ−ズ素子は切削に
よって切り屑がでるため材料が無駄になる外、切削工具
(バイト)の摩耗や破損の都度交換しなくてはならない
ため自動かつ大量生産には向いていない等の問題があっ
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記ヒュ−ズ素
子の溶断特性上あるいはコスト上の問題を解決するため
のもので、算盤玉形状の蓄熱部(1a)と細径の直線形
状の狭隘部(1b)とこれらの両端に連続する素材径の
接続部(1c)とを、線材からなる素材を使用し、これ
をスェ−ジング(Swaging)加工により一体成形
したこと特徴とするヒュ−ズ素子を提案するものであ
る。
【0007】
【実施例】以下、本発明について図1乃至図6に示す実
施例に基づいて具体的に説明する。図2は本発明のヒュ
−ズ素子1を二要素ヒュ−ズエレメントの遮断部として
使用した場合の電線ヒュ−ズ2を示すもので、図中3は
後述の電線接続端子5,6の一部を残してこれら電線接
続端子及び中間筒4の外側にインッジェクション成形に
より被覆成形したポリカボ−ネ−ト樹脂からなる透明の
絶縁筒、4は同じくポリカボ−ネ−ト樹脂からなる透明
の中間筒、7は耐熱性を有する合成樹脂例えば、ジュラ
ネックス(商品名)で作られた内筒であり、同筒内7は
後述の遮断部8を収納する遮断室7aと溶断部9を収納
する溶断室7bの二つに区画されている。
【0008】10はヒューズエレメントであり、同エレ
メントは上記したように過負荷電流保護用の低融点合金
からなる溶断部9と銅線を鍛造の一種である後述のロタ
リ−スェ−ジング加工により一体成形したヒュ−ズ素子
1と同素子の周囲に充填した消弧材12とからなる短絡
保護用の遮断部8の二要素から構成されている。なおこ
れら溶断部9と遮断部8は直列接続されている。13は
溶断部の中間導体を示す。
【0009】14は内筒7の開口端7cを閉鎖するよう
にして挿着された耐熱性合成樹脂からなる塞栓、6は溶
断部の中間導体13の一端に圧着接続したパイプ状の電
線接続端子、5はヒュ−ズ素子1の接続部1cに圧着接
続する同じくパイプ状の電線接続端子、15は電線接続
端子5、6の外周面と絶縁筒3の側面側の突出端の内周
面とで形成する凹部に注入したシリコ−ン樹脂からなる
シ−ル材、5aは電線接続端子5の周面の端末近くの一
部に形成した切欠状の電線仮止め部をそれぞれ示す。
【0010】また16はヒュ−ズエレメント10に対し
並列接続となるように電線接続端子5、6間に接続した
溶断表示線であり、同線の中間に介設する温度ヒユ−ズ
を内筒7の外周面7dの凹部(特に図示しない)に収納
するようにして同線は同筒の外周面に巻装している。1
7は樹脂または紙製の表示用シ−ルであり、上記ヒュ−
ズエレメント10が溶断した場合に表示線16に集中し
て流れる電流により同線が赤熱されこれが溶断する間に
同シ−ルに焦跡を形成して溶断表示とするもので、その
裏面側に粘着材を塗布してエレメントを同シ−ルにより
同内筒の外周面に密着固定している。
【0011】なお、上記においてヒュ−ズ素子1は、ロ
−タリ−スェ−ジング加工と呼ばれる方法で作られるも
ので、鍛造機の一種を使用して作られる。図3はスェ−
ジング加工に使用される鍛造機の一例を示すものであ
り、特に主要部であるヘッド20部分を表したものであ
る。図中21は図示外のモ−タ等により回転駆動するス
ピンドル、21a、21b、21cはスピンドル21の
前端面に放射状に設けられた複数(3個)の溝、22
a、22b、22cは各溝21a、21b、21cに配
設された一対のガイド板であり、ガイド板の間には先端
部に所定形状の加工穴23eを有するダイス23、楔2
4及び外端部にハンマ−ロ−ラ25bを有するスェ−ジ
ングハンマ−26が半径方向に摺動可能に収納されてい
る。27は隣接するダイスの先端部間に介装されたバネ
でダイス23、楔24及びスェ−ジングハンマ−25を
常時外方へ押圧している。28は一方のガイド板とスェ
−ジングハンマ−26間に介装したリミット板でスェ−
ジングハンマ−26の可動範囲を制限している。
【0012】29は耐摩耗性材料からなる固定のリング
状のアウタ−レ−スで、同レ−ス29とスピンドル21
との間には、所定の間隔で上記のスェ−ジングロ−ラ3
0を収納したロ−ラゲ−ジ31が配置されており、各ス
ェ−ジングロ−ラ30はスピンドル21の外周面とレ−
ス29の内周面とそれぞれ線接触している。ダイス23
の加工穴23eは、図4に示すように、中央部に算盤玉
成形用の三角錐部23a,23a′を対向形成し、その
前後に逃げ部23b,23b′を形成し、その前後に接
続部1cを保持するための保持部23c,23c′を形
成している。
【0013】上記のように構成したスェ−ジング用の鍛
造機は、そのヘッド20において、スピンドル21が例
えば矢印a方向に回転すると、これと接触するスェ−ジ
ングロ−ラ30は矢印b方向に転動しながらスピンドル
21と同方向に移動する。一方スェ−ジングハンマ−2
6に取り付けたハンマ−ロ−ラ25は、スピンドル21
の回転に伴って、ロ−ラゲ−ジ31とスェ−ジングロ−
ラ30に交互に接触しながら転動する。
【0014】ところで、スェ−ジングロ−ラ30はロ−
ラゲ−ジ31から僅かに突出しているため、ハンマ−ロ
−ラ25がロ−ラゲ−ジ31からスェ−ジングロ−ラ3
0に乗り上げると、スェ−ジングハンマ−26、楔24
及びダイス23はそれぞれ中心方向に変位し、スェ−ジ
ングロ−ラ30から外れると、バネ27により再び元の
位置に戻る。したがって、ダイス23の算盤玉形状と細
径の直線形状の穴で構成する加工穴23eに対し素材の
銅線32を投入してスピンドル21を回転させれば、ダ
イス23は上記の運動を高速度で繰り返し、銅線32を
打撃して加工穴の大きさに対応した大きさに成形するこ
とになる。
【0015】すなわち素材である銅線をダイス23の加
工穴23eに少しづつ送り込みながらダイスを回転さ
せ、回転による遠心力とバネを利用してハンマ−26を
介して上記ダイスを銅線に繰返し打撃させ、先ず一方の
三角錐部23aによって銅線を横方向から圧縮して直径
を減らすと共に、長さを延ばして蓄熱部1aの一方のテ
ーパ面を形成し、次で素材である銅線を移動させ、他方
の三角錐23a′で蓄熱部1aの他方のテーパ面を形成
する。そして、最後に銅線を切断して図1のように加工
する。このような加工により、軸対象形の断面からなる
素材径の接続部1cと適当な熱(蓄熱)容量を有する算
盤玉形状の蓄熱部1aと素材径に比べ著しく細径の直線
形状の狭隘部1bとを一体成形する。なお、スェ−ジン
グ加工は押出加工で作れないような細い断面や長手方向
に異なる断面のものを作る場合に適しており、軸対称形
の断面に成形する場合に使用される。
【0016】また、上記ヒュ−ズ素子1は上記加工後、
表面に付着した潤滑油等を洗浄処理し、必要により加工
硬化等の除去のための熱処理を行い、また酸化膜の除去
のための再洗浄処理を行い最後に銀メッキやスズメッキ
等のメッキ処理を行った後ヒュ−ズ素子として使用され
る。
【0017】なお、上記のヒユ−ズ素子1は二要素ヒユ
−ズエレメントの遮断部として使用するものについての
説明であったが、該ヒュ−ズ素子は一要素ヒュ−ズエレ
メントとして使用したり、図6のように蓄熱部1aを1
個にしてその両側に狭隘部1bを設けたり、また図5の
ように熱容量を変化させるため蓄熱部1aの形状を若干
変えたり、さらに図示はしないが遮断時の発弧点をさら
に増すために蓄熱部と狭隘部を長手方向に多数連続形成
したもの等に適宜形状変更して実際のヒユ−ズに使用さ
れる。
【0018】
【発明の効果】以上のように本発明のヒユ−ズ素子は、
所定の熱容量を有する算盤玉形状の蓄熱部と細形でかつ
直線形状の狭隘部とこれらに連続する接続部とからなる
ものあるがこれらは軸対称形の断面からなるため、この
ように形状が複雑で有るにも拘わらず一種の鍛造加工で
あるところのロ−タリ−スェ−ジング加工により線材か
ら一体成形することができ、したがって従来のように圧
着や切削加工の場合のように加工時に傷をつけて劣化を
早めたりすることも少なく而も溶断部と遮断部とを従来
のようにハンダ接続したり、スポット溶接したりさらに
はリベット接続しないために接続不良に伴う発熱が無く
なる等ヒュ−ズの溶断特性の安定化がはかれる特長があ
る。
【0019】またヒュ−ズ素子は上記のように型(ダイ
ス)を使って成形するため形状が常に均一的にできかつ
大量に製作できる結果、溶断特性の安定化は勿論のこと
製造コストや組立コストの低減ができる特長がある。
【0020】また切削加工の場合のように切削工具を頻
繁に交換したりしないため作業時間の節約ができる上に
切り屑が出ないため材料の節約ができる等製造コストの
低減ができる特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヒュ−ズ素子の正面図。
【図2】二要素ヒュ−ズエレメトの電線ヒュ−ズの縦断
面図。
【図3】ロ−タリスェ−ジング加工機のヘッド部分の正
面図。
【図4】分割した状態のダイスの斜視図。
【図5】本発明の異なった実施例のヒュ−ズ素子の正面
図。
【図6】本発明の異なった実施例のヒュ−ズ素子の正面
図。
【図7】従来例のヒュ−ズ素子を使用した電線ヒュ−ズ
の縦断面図。
【符号の説明】
1 ヒュ−ズ素子 1a 蓄熱部 1b 狭隘部 1c 接続部
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01H 85/00 - 85/62 H01H 69/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 算盤玉形状の蓄熱部(1a)と細径の直
    線形状の狭隘部(1b)とこれらの両端に連続する素材
    径の接続部(1c)とを、線材からなる素材を使用し、
    これをスェ−ジング加工により一体成形したこと特徴と
    するヒュ−ズ素子。
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