JP3165409B2 - アルキレンジオキシベンゼン誘導体を有効成分とする抗不安薬 - Google Patents
アルキレンジオキシベンゼン誘導体を有効成分とする抗不安薬Info
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Description
キレンジオキシベンゼン誘導体またはその酸付加塩を有
効成分とする抗不安薬に関するものである。
年、社会環境の急速な多様化に伴い、精神的不安に対す
る関心が高まりつつある。従来の抗不安薬として、ベン
ゾジアゼピン系化合物が知られている。また、近年該ベ
ンゾジアゼピン系化合物とは異なる作用メカニズムをも
つ新規抗不安薬としてブスピロン(Buspiron
e)〔N−(4−(4−(2−ピリミジニル)−1−ピ
ペラジニル)ブチル)−1、1−シクロペンタンジアセ
タミド塩酸塩〕等が知られているが、更に新規の抗不安
薬の出現が望まれている。
として、下記(II)式の化合物
Xは酸素原子またはメチレン基を表わし、pは1〜3の
整数を表わし、qは3または4の整数を表わす。)およ
び同化合物が良好な血圧降下作用を有することが知られ
ている。(特開昭57−108088号、同58−21
9114号公報)。しかしながら、その光学異性体の存
在は知られておらず、更にかかる化合物の抗不安作用に
ついては全く知られていなかった。
ンジオキシベンゼン誘導体に着目して検討を重ねた結
果、同化合物の中でも特定の光学異性体またはその酸付
加塩が極めて良好な抗不安効果を有することを初めて見
出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の要旨
は、下記一般式(I)
し、nは1〜3の整数を表わす。)で表わされるアルキ
レンジオキシベンゼン誘導体またはその酸付加塩を有効
成分とする抗不安薬に存する。
るアルキレンジオキシベンゼン誘導体は前記一般式
(I)で表わされる。本発明の化合物のうち、好ましい
化合物は、上記(I)式中でmが3〜5を表わし、nが
1〜3を表わす化合物またはその酸付加塩である。更に
好ましい本発明の化合物は、nが1を表わす化合物また
はその酸付加塩である。
下記の表−1及び表−2に示す。本発明化合物の酸付加
塩における酸としては、塩酸、シュウ化水素酸、硫酸、
リン酸、硝酸等の無機酸、酢酸、コハク酸、アジピン
酸、プロピオン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、シ
ュウ酸、クエン酸、安息香酸、トルエンスルホン酸、メ
タンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。
する。本発明の化合物は合目的な任意の方法によって製
造する事が出来るが、例えば下記合成経路により製造す
る事が出来る。
法、例えばAngewandteChemie,80,
986(1968)に記載されている方法に準じて合成
し、もう一方の出発物質(IV)はジャーナル オブ メ
ディシナルケミストリー(Journal of Me
dicinal Chemistry),20,88
0,1977に従って合成する。これらの出発物質(II
I) および(IV)より常法の2級アミン合成法、例え
ば、出発物質(IV)を、無溶媒、あるいはベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;エーテ
ル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエ
ーテル系溶媒;n−ヘキサン等の飽和炭化水素系溶媒;
アセトニトリル;ジメチルホルムアミド;N−メチルピ
ロリドン;あるいはジメチルスルホキシド等の溶媒中、
望ましくは0.5〜10当量の炭酸カリウム、炭酸ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナ
トリウム等の無機塩基、あるいはトリエチルアミン、ピ
リジン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基の存
在下、0.5〜10当量のアミン誘導体(III) と、−1
0〜150℃で30分〜2日間反応させ、シリカゲルク
ロマトグラフィー、再結晶等通常の方法で精製する事に
より化合物(I)を製造する。
うに5−ヒドロキシトリプタミン(5−HT)受容体の
1つである5−HT1A受容体に結合する。従来、5−H
T1A受容体に結合する化合物、例えばブスピロン(Bu
spirone)〔N−(4−(4−(2−ピリミジニ
ル)−1−ピペラジニル)ブチル)−1,1−シクロペ
ンタンジアセタミド塩酸塩〕〔ナウニン−シュミ−ドベ
ルクス・アチーブ・フュアファーマコロジー(Naun
yn−Schmiedeberg’s Arch.Ph
armakol.)328,467,1985〕、ある
いはイプサピロン(Ipsapirone)〔2−(4
−(4−(2−ピリミジニル)−1−ピペラジニル)ブ
チル)−1,2−ベンズイソチアゾール−3−(2H)
オン−1,1−ジオキシデヒドロクロライド〕やSM−
3997〔3aα,4β,7β,7aα−ヘキサヒドロ
−2−(4−(4−(2−ピリミジニル)−1−ピペラ
ジニル)−ブチル)−4,7−メタノ−1H−イソイン
ドール−1,3(2H)ジオンクエン酸2水素塩〕〔ナ
ウニン シュミードベルクス・アチーブ・フュア・ファ
ーマコロジー(Naunyn−Schmiedeber
g’s Arch.Pharmakol.)328,4
67,1985;ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・フ
ァーマコロジー(Japan.J.Pharmaco
l.),45,493,1987〕が抗不安作用を示す
ことが知らされているが、本発明化合物もこれらと同様
の作用による抗不安薬として使用し得る。
パニック障害、広場恐怖症、社会恐怖症、単純恐怖症、
強迫障害(もしくは強迫神経症)、外傷後のストレス障
害等の慢性および急性の不安障害(神経症);精神分裂
症;躁うつ病;片頭痛等の治療または予防に有用であ
る。本発明化合物を抗不安薬として使用する場合、いか
なる方法でも投与できるが、好適には以下のような方法
で実施される。
射、腹腔内注射等の非経口投与、あるいは経口投与によ
って実施される。投与量は患者の年令、健康状態、体
重、同時処理があるならばその種類、処置頻度、所望の
効果の性質等により決定される。一般的に有効成分の1
日投与量は0.001〜10.0mg/kg体重、通常0.
05〜3mg/kg体重であり、1回あるいはそれ以上投与
される。
カプセル剤、粉剤、液剤、エリキシル剤等の形体で、ま
た非経口投与の場合は液体あるいは懸濁等の殺菌した液
状の形態で用いられる。上述の様な形体で用いられる場
合、固体あるいは液体の毒性のない製剤的担体が組成に
含まれ得る。固体担体の例としては通常のゼラチンタイ
プのカプセルが用いられる。または有効成分を補助薬と
ともにあるいはそれなしに錠剤化、粉末包装してもよ
い。
5〜95%、好ましくは25〜90%重量の有効成分を
含む。すなわちこれらの投与形式では0.5〜500m
g、好ましくは1〜100mgの有効成分を含有するのが
よい。液状担体としては水あるいは石油、ピーナツ油、
大豆油、ミネラル油、ゴマ油等の動植物起源の、または
合成の油等が用いられる。
あるいは類似のショ糖溶液、プロピレングリコール、ポ
リエチレングリコール等のグリコール類が液状担体とし
て好ましく、とくに生理食塩水を用いた注射液の場合に
は通常0.5〜20%、好ましくは1〜10%重量の有
効成分を含むようにする。経口投与の液剤の場合、0.
5〜10%重量の有効成分を含む懸濁液あるいはシロッ
プがよい。この場合の担体としては香料、シロップ、製
剤学的ミセル体等の水様賦形剤を用いる。
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実
施例によって限定されるものではない。 実施例1 5−〔3−〔〔(2S)−1,4−ベンゾジオキサン−
2−イルメチル〕アミノ〕プロポキシ〕−1,3−ベン
ゾジオキソール塩酸塩(表−1の化合物No. 1)の合成 5−(3−アミノプロポキシ)−1,3−ベンゾジオキ
ソール 5.86gと(2R)−2−トシロキシメチル
−1,4−ベンゾジオキサン(Journalof M
edicinal Chemistry,20,88
0,1977に従って合成した)3.20gをアセトニ
トリル100mlに溶解し、トリエチルアミン2.77ml
を加え、加熱還流下12時間攪拌する。反応終了後、水
を加え、クロロホルムで抽出する。抽出液を水で洗浄
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。クロロホルム層を
濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロ
ホルム−メタノール)で精製し、5−〔3−〔〔(2
s)−1,4−ベンゾジオキサン−2−イルメチル〕ア
ミノ〕プロポキシ〕−1,3−ベンゾジオキソール
2.68gを得た。
イソプロパノールを加える。生成した結晶をろ取し、標
題化合物 2.37gを得た。融点212−218℃。1 H−NMR(DMSO−d6 )δ9.16(2H,
m)、6.89(5H,m)、6.63(1H,d,J
=2.4Hz)、6.37(1H,dd,J=7.5、
2.5Hz)、5.95(2H,s)、4.65(1
H,m)、4.37(1H,dd,J=12.5,2.
3Hz)、4.02(3H,m)、3.25(4H,
m)、2.10(2H,m) 得られた光学活性体と、別に合成したラセミ体(USP
4,684,739号記載の方法に従って合成した)
を、それぞれピリジン中、(S)−メトキシトリフルオ
ロメチルフェニル酢酸クロリドでアミド化したのち、高
速液体クロマトグラフィー(カラム:ウォータース ノ
バパックC18)で分析し、その比較によって光学純度
を求めたところ、合成した光学活性体は、99%e.e
以上であった。
2−イルメチル〕アミノ〕ブトキシ〕−1,3−ベンゾ
ジオキソール塩酸塩(表−1の化合物No. 4)の合成 実施例1において5−(3−アミノプロポキシ)−1,
3−ベンゾジオキソールの代わりに5−(4−アミノブ
トキシ)−1,3−ベンゾジオキソールを用いた他は同
様にして標題化合物を合成した。融点169−171℃1 H−NMR(DMSO−d6 )δ9.20(2H,
m)、6.89(5H,m)、6.61(2H,d,J
=2.5Hz)、6.35(2H,dd,J=8.5、
2.5Hz)、5.94(2H,s)、4.65(1
H,m)、4.36(1H,dd,J=11.8,2.
3Hz)、4.05(1H,m)、3.90(2H,
m)、3.10(4H,m)、1.75(2H,m)
2−イルメチル〕アミノ〕ペンチルオキシ〕−1,3−
ベンゾジオキソール塩酸塩(表−1の化合物No. 7)の
合成 (実施例1において5−(3−アミノプロポキシ)−
1,3−ベンゾジオキソールの代わりに5−(5−アミ
ノペンチルオキシ)−1,3−ベンゾジオキソールを用
いた他は同様にして標題化合物を合成した。融点169
−173℃1 H−NMR(DMSO−d6 )δ9.10(2H,
m)、6.88(4H,m)、6.78(1H,d,J
=8.5Hz)、6.60(2H,d,J=2.5H
z)、6.34(1H,dd,J=8.3,2.5H
z)、5.93(2H,s)、4.65(1H,m)、
4.36(1H,dd,J=11.5,2.3Hz)、
4.04(1H,m)、3.88(2H,t,J=6.
2Hz)、3.20(2H,m)、2.98(2H,
m)、1.71(4H,m)、1.44(2H,m)
シ−2−(ジ−n−プロピルアミノ)テトラリン(〔3
H〕8−OH−DPAT)を用いたバインディング ア
ッセイ〔ニューロファーマコロジー(Neuropha
rmacol.),26,139,1987〕で本発明
化合物の5−HT1A受容体に対する親和性を求めた。具
体的には、ラット脳をトリス緩衝液でホモジナイズし、
遠心分離した後その沈査を再びトリス緩衝液でホモジナ
イズして、37℃で10分間インキュベートする。これ
を再び遠心分離して、その沈査をパージリン、塩化カル
シウムおよびアスコルビン酸を含むトリス緩衝液でホモ
ジナイズして、バインティングアッセイに供する。(膜
標本)。アッセイは、膜標本と〔3H〕8−OH−DP
ATおよび被験薬とを合わせ、37℃で10分間インキ
ュベートすることにより行なった。その後すみやかにワ
ットマン(Whatman)GF/Bフィルターで濾過
し、フィルター上に残った放射活性を液体クロマトグラ
フィーで測定した。被験化合物の5−HT1A受容体への
結合能は、下記式、
度、kdは解離定数そしてIC50は〔3H〕8−OH−
DPATの結合を50%抑制するのに必要な被験化合物
の濃度である。)により計算されるki値で示した。す
なわちこのki値が低い化合物ほど5−HT1A受容体へ
の結合能が高いため、抗不安薬としての適用に有用であ
ると考えられる。結果を表−3に示す。なお、表−3中
の化合物No. は表−1及び2の化合物No. に対応する。
pharmacology)21,1,1971]の方
法を用い、抗不安活性の評価として抗コンフリクト作用
試験を行なった。38時間絶水したラットを抗コンフリ
クト作用測定装置に入れ、電気ショックを与えずに水飲
み回数を10分間測定した。100回以上の水を飲んだ
ラットをさらに24時間絶水し、再び装置に入れ、20
回水飲ノズルをなめる毎に1回電気ショックを与える条
件下で、受けたショックの回数を3分間測定した。その
値が25回以下に抑制されたラットをコンフリクト状態
のラットとして実験に供した。
条件で受けたショックの回数を3分間測定した。抗コン
フリクト作用は対照群の受けたショックの回数に対し
て、どれだけ被験薬によりショックの回数が増えたかで
評価される。結果を表−4に示す。なお、表−4中の化
合物No. は表−1の化合物No. に対応する。
a水溶液に懸濁させたものを経口投与し、7日間症状観
察を行った。実施例1の化合物のALD値(近似致死
量)は100mg/kg体重であった。 実施例7 製剤例 (1)錠 剤 下記成分を常法に従って混合し、慣用の装置により打錠
した。 化合物No. 1 10 mg 結晶セルロース 21 mg コーンスターチ 33 mg 乳 糖 65 mg ステアリン酸マグネシウム 1.3mg (2)軟カプセル剤 下記成分を常法に従って混合し、軟カプセルに充填し
た。 化合物No. 1 10 mg オリーブ油 105 mg レシチン 6.5mg (3)注射用製剤 下記成分を常法に従って混合して1mlのアンプルを調製
した。 化合物No. 1 0.7mg 塩化ナトリウム 3.5mg 注射用蒸留水 1.0mg
あるブスピロンよりも高い5−HT1A受容体への結合能
を有することから、優れた抗不安薬として有用である。
Claims (4)
- 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、mは3〜5の整数を表わし、nは1〜3の整数
を表わす。)で表わされるアルキレンジオキシベンゼン
誘導体またはその酸付加塩を有効成分とする抗不安薬。 - 【請求項2】 請求項1記載のアルキレンジオキシベン
ゼン誘導体またはその酸付加塩を有効成分とする精神分
裂症治療薬。 - 【請求項3】 請求項1記載のアルキレンジオキシベン
ゼン誘導体またはその酸付加塩を有効成分とする躁うつ
病治療薬。 - 【請求項4】 請求項1記載のアルキレンジオキシベン
ゼン誘導体またはその酸付加塩を有効成分とする片頭痛
治療薬。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19427198A JP3165409B2 (ja) | 1991-03-14 | 1998-07-09 | アルキレンジオキシベンゼン誘導体を有効成分とする抗不安薬 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP19427198A JP3165409B2 (ja) | 1991-03-14 | 1998-07-09 | アルキレンジオキシベンゼン誘導体を有効成分とする抗不安薬 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4986091A Division JP2899433B2 (ja) | 1991-03-14 | 1991-03-14 | アルキレンジオキシベンゼン誘導体およびそれを有効成分とする抗不安薬 |
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JPH10324684A JPH10324684A (ja) | 1998-12-08 |
JP3165409B2 true JP3165409B2 (ja) | 2001-05-14 |
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Family Applications (1)
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JP19427198A Expired - Fee Related JP3165409B2 (ja) | 1991-03-14 | 1998-07-09 | アルキレンジオキシベンゼン誘導体を有効成分とする抗不安薬 |
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JP (1) | JP3165409B2 (ja) |
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1998
- 1998-07-09 JP JP19427198A patent/JP3165409B2/ja not_active Expired - Fee Related
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