JP3164839B2 - 吸収式冷凍機およびその吸収液稀釈運転方法 - Google Patents

吸収式冷凍機およびその吸収液稀釈運転方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸収式冷凍機およびそ
の吸収液稀釈運転方法に係り、特に、例えば、クーリン
グタワーを使った冷却水システムの下で動作する水冷吸
収式冷凍機、あるいは外気をそのまま冷却用空気として
使用する空冷吸収式冷凍機等の冷媒冷水の凍結防止、な
らびに吸収液の結晶防止に好適な吸収式冷凍機およびそ
の吸収液稀釈運転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、吸収式冷凍機、特に、水を冷媒
としLiBr水溶液を吸収液として使用している装置にお
いては、吸収液(溶液)の濃度が高くなることによりさ
まざまな不具合が出てくる。つまり、吸収液の濃度があ
る程度の濃さにある状態で温度が低い場合、その飽和蒸
気圧から見いだされる蒸発器での蒸発温度が0℃以下に
なる場合がある。このようなとき、冷媒や冷水の凍結が
おこり、冷凍機が故障してしまう危険が出てくる。ま
た、吸収液の濃度が異常に濃い場合、その温度が少しで
も下がると、つまり常温にまで温度が下がるとLiBrが
結晶してしまい、これも冷凍機の故障につながってしま
う。
【0003】したがって、このようなことを防止するた
めに、例えば、特開昭61−36661号公報に記載さ
れているように、吸収液の稀釈運転を行なう装置を吸収
式冷凍機に付加している。つまり、タイマーおよびリレ
ーによって冷媒ポンプ,溶液ポンプの運転、開閉弁の開
閉を制御することにより、自動的に、かつ速やかに稀釈
運転を実施するものがある。これは稀釈運転開始信号に
より、冷媒ポンプをONにして、かつ開閉弁を開にする
ことにより、凝縮器にある冷媒を濃溶液管に送り込むこ
とで溶液の濃度を低下させる。その後、タイマーが一定
時間たつと冷媒ポンプをOFFにし、かつ開閉弁を閉じ
る。これと同時に溶液ポンプが駆動することにより、濃
度の低下した液を吸収器等に送ることで稀釈が完了す
る。
【0004】また、例えば、特開昭61−190260
号公報に記載されているように、冷媒凍結がおこるのを
防止する機構として、次のような冷媒ブロー装置を設け
ているものがある。つまり、冷媒ブロー装置の弁機構を
形状記憶合金で形成し、かつこの弁機構を冷媒タンクの
内に配設し、冷媒液の温度が、凍結温度近くになると形
状記憶合金の動作で弁があいて、冷媒液が、吸収液側へ
ブローされ、吸収液が稀釈されて吸収液の飽和蒸気圧が
上昇する。これにより冷媒の蒸発温度が上昇して凍結が
防止される。冷媒温度がある温度以上になると再び形状
記憶合金が元に戻ることにより弁が閉じて、冷媒のブロ
ーがとまる。これにより吸収式冷凍機の安全運転を続け
ることができる。ほかに、例えば、特開昭61−703
50号公報に記載されているように、吸収液の温度と飽
和圧力とを検出することにより吸収液の濃度を算出し、
その値が設定値濃度に達するまで稀釈用ポンプを動作す
るように構成しているものもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開昭61−3666
1号公報記載の稀釈運転装置においては、次のような問
題がある。すなわち、タイマーによって稀釈停止の制御
がコントロールされ、各種稀釈用の弁,ポンプ等が動作
することにより稀釈運転が完了するシステムにおいて
は、その稀釈量すなわち吸収液の濃度低下が所定の値に
なったかどうかを判定することができない。したがっ
て、万一ポンプの動作が不十分だったり弁の開閉が誤動
作を起こしても、タイマーどおりの制御で稀釈運転が行
なわれれば、たとえ実際の吸収液の濃度が所定の値にな
っていてもいなくても、動作を完了してしまう。する
と、最悪の場合吸収液の結晶を招く。
【0006】一方、タイマーによる制御および開閉弁、
ポンプ等の動作が正常に行なわれ、吸収液の濃度が所定
値になったとしても、その値は、まわりの状況、つまり
冷却水や冷却空気や、外気温の変化とは関係なく一定の
値になっている。したがって、吸収液が実際の冷却水、
冷却空気、外気温に対して過剰に稀釈されている場合
は、起動時に吸収液が定常運転における所定濃度に達す
るまで時間がかかる。つまり起動時間がかかりすぎ、電
力,燃料等の無駄使いになってしまう。
【0007】また、特開昭61−190260号公報記
載の冷媒ブロー装置は、形状記憶合金を使用した冷媒ブ
ロー弁を使用して、冷媒が凍結しそうになった場合、た
だちに弁を開いて冷媒を吸収液側へブローし、吸収液を
稀釈することで吸収液の飽和蒸気圧を上昇させ、冷媒凍
結に至らない方向へ制御される仕組になっている。しか
し、冷却水や冷却空気、おるいは空気温が非常に低い場
合、単に冷媒ブローだけでは冷媒の凍結防止ができない
場合がある。つまり、冷却水,冷却空気の供給を停止す
ることも同時に行なわないと、冷媒ブローだけでは吸収
液の飽和蒸気圧を冷媒が凍結するのを防止するほどには
下げられない場合がある。
【0008】また、特開昭61−70350号公報記載
の稀釈運転装置は、吸収液の稀釈方法が、冷媒を吸収液
にブローするのではなく、従来どおりの蒸発器にて蒸発
した冷媒蒸気を吸収器において吸収液に吸収させる方法
であるため、冷媒や冷水が凍結しそうになった場合の防
止ができない。また、吸収液の飽和温度と飽和圧力を求
めるのであるが、温度を求めるのは可能としても、飽和
圧力を求めることは、吸収冷凍機の場合、非常に低圧力
であるため正確に求めることが難しい。したがって、こ
のシステムが長期間安定して動作するには技術的にかな
り難しいか、非常にコストがかかると考えられる。
【0009】このように従来の方法は、単なる吸収液の
稀釈装置としては動作するが、冷媒凍結や冷水の凍結防
止に対して確実な効果を得られない場合がある。また、
吸収液の稀釈運転を十分にするあまり吸収液の濃度が下
がりすぎ、起動の際、定常運転が行なわれるまでに、吸
収液の濃度が上昇する時間がかかりすぎ不便である。か
つ、ポンプ動力とボイラ燃料が無駄になるという問題が
あった。
【0010】本発明は、上記従来技術の問題点を解決す
るためになされたもので、その目的は、吸収式冷凍機の
冷水,冷媒の凍結を防止し、かつ、吸収液の結晶を防止
しうる吸収式冷凍機およびその吸収液稀釈運転方法を提
供することにある。また、本発明の他の目的は、再起動
の冷媒凍結を防止しつつ立上りを早くできる吸収式冷凍
機およびその吸収液稀釈運転方法を提供することにあ
る。本発明のさらに他の目的は、吸収液への冷媒ブロー
量、吸収器における吸収液の冷却媒体である冷却水,冷
却空気の供給調整を適正に行いうる吸収式冷凍機および
その吸収液稀釈運転方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る吸収式冷凍機の構成は、少なくとも、
冷水の流通する伝熱管を内部に備えた蒸発器と、該蒸発
器の前記伝熱管に散布する冷媒を循環させる手段と、吸
収器と、該吸収器の熱交換部に散布する吸収液を循環さ
せる手段とを有する吸収式冷凍機において、吸収液の温
度を検出する手段と、蒸発器の冷媒タンクの液面高さを
検出する手段と、これら検出された吸収液の温度と、冷
媒液面の高さから一義的に決まる吸収液の濃度とから、
ジューリング線図によって吸収液の飽和蒸気圧を求め、
この吸収液の飽和蒸気圧から決まる冷媒の飽和蒸気圧及
び冷媒の飽和温度を求める演算装置と、求められた冷媒
の飽和温度が0℃以下であるか否かを判定する手段と、
その判定結果から冷媒用制御弁を操作する制御装置と、
この制御装置の指令により、冷媒を吸収液へ送給する冷
媒ブロー系とを備えたものである。
【0012】また、上記目的を達成するために、本発明
に係る吸収式冷凍機の吸収液稀釈運転方法の構成は、少
なくとも、冷水の流通する伝熱管を内部に備えた蒸発器
と、該蒸発器の前記伝熱管に散布する冷媒を循環させる
手段と、吸収器と、該吸収器の熱交換部に散布する吸収
液を循環させる手段とを備えたものにおいて、これら検
出された吸収液の温度と、冷媒液面の高さから一義的に
決まる吸収液の濃度とから、ジューリング線図によって
吸収液の飽和蒸気圧を求め、この吸収液の飽和蒸気圧か
ら決まる冷媒の飽和蒸気圧及び冷媒の飽和温度を求め、
吸収液の温度と、蒸発器の冷媒タンクの液面の高さとか
ら、吸収液の飽和蒸気圧を演算し、その飽和蒸気圧にお
ける冷媒液の飽和温度が0℃以下であること、または、
短時間で0℃以下になることのいずれかを検出したとき
に、冷媒液を吸収液にブローするものである。また、冷
水温度または冷媒温度のいずれかが0℃以下であるこ
と、または、短時間で0℃以下になることのいずれかを
検出したときに、冷媒液を蒸発器にスプレーするのを止
めて冷媒液を吸収液ヘブローするものとし、吸収液の温
度と、冷媒液面の高さから一義的に決まる吸収液の濃度
とからジューリング線図によって吸収液の飽和蒸気圧を
求め、この吸収液の飽和蒸気圧から決まる冷媒の飽和蒸
気圧及を求め、その飽和蒸気圧における冷媒液の飽和温
度が0℃より高い値になったとき、冷媒液の吸収液側へ
のブローを止め、再度冷媒液を蒸発器にスプレーするも
のである
【0013】なお、より具体的に説明すると次のとおり
である。本発明は、吸収液の温度と、蒸発器の冷媒タン
ク内の冷媒液面の高さとを計測し、そのデータとその冷
凍機に封入された冷媒と吸収液の量とから、そのときど
きの吸収液の濃度と飽和蒸気圧を算出し、それをもとに
冷媒液の最適ブロー量を決定して、自動的に冷媒ブロー
を行なうものである。このとき、最適な冷媒のブローが
なされたか否かは上記の冷媒タンク内の冷媒液面の高さ
を計測することで行い、さらに吸収液の温度も同時に計
ることにより、冷媒ブロー中の吸収液の飽和蒸気圧がわ
かるので、それをもとに冷媒の蒸発温度が一義的に算出
される。したがって、その蒸発温度が0℃以上になるよ
うに、冷媒ブロー量や、冷却水,冷却空気の供給を調整
する。
【0014】また、冷却水および冷却空気の温度、さら
に空気温を計り、この温度から、吸収液がこの温度で結
晶しない濃度になるためには幾らの冷媒をブローすべき
か、またはその気温および冷却水,冷却空気の温度等か
ら、再起動した場合、冷媒もしくは冷水が凍結しないた
めには吸収液の濃度を幾らにすべきか、そしてその濃度
にするには幾らの冷媒をブローすべきかを算出し、その
量だけの冷媒をブローしたかどうかを冷媒タンクの冷媒
液面を検出しながら冷媒ブロー用弁をあけて冷媒ブロー
を行う。その量に達したならば冷媒ブロー弁を閉じて冷
媒ブローを停止する。
【0015】また、冷媒および冷水の温度を検出し、そ
の温度が0℃以下になるか、あるいは0℃以下に短時間
でなるということを検出したならば、冷媒ブロー弁を開
けてただちに、吸収液の濃度を下げる。さらに、冷却水
および冷却空気の供給を止めて、吸収液の飽和蒸気圧を
上昇させる。これにより、冷媒蒸発温度が0℃より高く
なったら、冷媒ブロー弁を閉じて、冷媒ブローを停止
し、それ以上吸収液が稀釈されないようにする。このと
き、冷媒蒸発温度が0℃より高くなったかどうかは、上
記の吸収液の温度と、冷媒タンクの冷媒液面を検出し、
そのデータから吸収液の濃度を一義的に決定でき、さら
にそれをもとに吸収液の飽和蒸気圧が決定でき、その蒸
気圧から冷媒蒸発温度が一義的に検出できるので、その
データから再度起動した場合、冷媒蒸発温度が0℃以下
になるかならないかを判定し、もし0℃以下になるなら
ば冷媒ブロー弁を開けて冷媒ブローを行ない、吸収液を
稀釈して冷媒蒸発温度が0℃以上になったら冷媒ブロー
弁を閉じて冷媒ブローを停止する。
【0016】
【作用】吸収液の温度を計測し、かつ、蒸発器の冷媒タ
ンク内の冷媒液面を計測するとともに、すでに冷媒およ
び吸収液の封入量がわかっていることから、吸収液の濃
度と温度がわかる。これにより吸収液の飽和蒸気圧力が
わかる。さらに、これから冷媒の蒸発温度がわかるの
で、冷媒の凍結が起こるか起こらないかを判定できる。
したがって、これらの情報をもとに、冷媒ブロー用電磁
弁を操作して吸収液への冷媒ブローを制御する。
【0017】また、吸収液冷却用の空気,冷却用の水の
温度、さらには外気温を計測し、上記の冷媒タンクの液
面検出器の計測から得られる吸収液の濃度を利用して、
再起動時の冷媒蒸発温度を上記に述べた方式と同じ方法
で予測する。すなわち、再起動時の冷媒凍結を防止しつ
つ、かつ立上がりを速くできるように、吸収液を可能な
かぎり濃い状態にして冷媒ブローを停止するように冷媒
ブロー用電磁弁を制御する。さらに、上記の情報から冷
媒の蒸発温度を予想できるので、これを基に冷媒スプレ
ー用電磁弁を制御したり、冷却水ポンプを制御すること
で冷却水量を調整できるので、冷水および冷媒の凍結を
防止することができる。
【0018】
【実施例】本発明の各実施例を図1ないし図6を参照し
て説明する。 〔実施例 1〕図1は、本発明の一実施例に係る水冷吸
収式冷凍機の系統図、図2は、図1の装置における吸収
液稀釈運転状態を示す系統図、図3は、図1の装置にお
ける冷却水ポンプ停止時を示す系統図である。図1に示
す水冷吸収式冷凍機の構成としては、蒸発器1と吸収器
2とが蒸気通路にて結合されており、それぞれに、冷媒
を散布したりブローさせるための冷媒ポンプ11と、吸
収液(吸収溶液、以下実施例の説明では単に溶液とい
う)を循環および散布させるための溶液ポンプ12が具
備されている。蒸発器1の内部には、上部に冷媒スプレ
ー3が設置され、その下に伝熱管5が配設されその中を
冷水13aが流通している。蒸発器1の下部7には冷媒
液19があり、冷媒ポンプ11によって送り出される。
冷媒ポンプ11の吐出側は2手に分れており、それぞれ
に、冷媒スプレーの開閉を行なうための冷媒スプレー用
電磁弁19と冷媒ブロー用電磁弁18が装備されてい
る。
【0019】冷媒スプレー用電磁弁19から出た冷媒
は、蒸発器1の冷媒スプレー3へ送られ、冷水13aの
流れる伝熱管5に散布される。散布された冷媒はこの伝
熱管5上で蒸発する。そのための熱を冷水13aから奪
うことにより、さらに温度の低い冷水13を負荷側へ提
供する。一方、伝熱管5の上で蒸発した冷媒15は、太
い矢印のように蒸気通路を通り、吸収器2に流入する。
吸収器2の内部には、上部に溶液スプレー4が設置さ
れ、その下に伝熱管6が配設されその中を冷却水14が
流通している。吸収器2の下部8には溶液10があり、
溶液ポンプ12によって再生器(図示せず)の方へ送り
出される。
【0020】再生器にて濃縮された濃溶液27は溶液ス
プレー4へ送られ冷却水14の流れる伝熱管6に散布さ
れる。散布された濃溶液27はこの伝熱管6上で冷やさ
れる。このため、溶液の飽和蒸気圧が下がり蒸発器1か
らくる冷媒蒸気15をこの溶液内に吸収する。これによ
り蒸気15は溶液中に蒸発潜熱を放出するので溶液の温
度が上昇する。しかし、伝熱管6内には冷却水14が流
れているのでこれによって冷やされるため、温度上昇が
抑えられ、飽和蒸気圧も低く抑えられるので散布された
濃溶液27は、冷媒蒸気を吸収して薄くなりつつ吸収器
2の下部8へ流下していく。流下して溜った溶液10は
再度、溶液ポンプ12によって再生器へ送られる。冷却
水ポンプ35は、伝熱管6の中へ冷却水14を送る働き
をもち、制御装置(C2)37によって起動停止が制御
される。
【0021】溶液を冷却するのに使用された冷却水14
は,14aとなって外部へ送り出される。溶液ポンプ1
2によって再生器へ送られた溶液10は再生器内にて冷
媒が分離され濃溶液27となって再び吸収器2へ戻って
くる。一方、分離された冷媒は液化され液冷媒17とな
って蒸発器1の下部7に戻ってくる。以上の動作をサイ
クル的に繰り返すことにより冷房運転を行なうことがで
きる。
【0022】22は、吸収器2内の溶液10の温度を測
定するための溶液度センサーで、測定データは制御装置
(C1)36へ送られる。23は、蒸発器1内の冷媒9
の温度を測定するための冷媒温度センサで、測定データ
は制御装置36へ送られる。24,25,26は液面検
出器である。図1では、液面検出器を3個取り付けた例
を示しているが、さらに多くの液面検出器を細かい間隔
で上下方向に配置することにより詳細に冷媒の液面高さ
を検出できる。本説明では説明を簡単にするために、上
位,中位,下位に計3個の液面検出器を設けて、蒸発器
1の中の冷媒液面高さを検出するようにした。例えば液
面検出器24,25,26のすべてに対して、冷媒があ
って感知している場合は、図1に示すように、冷媒液面
が高く、蒸発器1の中に多量の冷媒が入っていることが
検知できる。
【0023】この場合、すでに冷凍機内に封入されてい
る冷媒は決まっているので、蒸発器1内に冷媒が多くあ
るということは、溶液中の冷媒がその分少ないというこ
と、つまり濃度が高いということになる。この値は、蒸
発器1内の冷媒の量と一対一に対応しているので、蒸発
器1内の冷媒の量、つまり冷媒液面の高さから一義的に
溶液の濃度を測定することができる。液面検出器24,
25,26で得られた冷媒液面データは制御装置36に
送られる。制御装置36では、溶液温度センサ22が検
知した溶液温度データと、液面検出器24,25,26
が検知した冷媒液面データとから得られる溶液濃度を、
ともに吸収器2内の飽和蒸気圧を内蔵したジューリング
線図データにて算出し、それをもとに冷媒の飽和温度を
演算する。
【0024】冷媒の飽和温度が0℃より高い場合は、他
に特別な異常事態が無い場合、通常の冷房運転を行うよ
うに、冷却水ポンプ35、冷媒スプレー用電磁弁19、
冷媒ブロー用電磁弁18をコントロールする制御装置3
7へ信号を送る。図1は、まさにそのような状態にある
様子を示したものである。この場合、制御装置36は制
御装置37に対して通常の冷房運転を行うような信号を
送るので、制御装置37は、冷媒スプレー用電磁弁19
を開、冷媒ブロー用電磁弁18を閉(図ではハッチング
して示す)にして、冷媒を蒸発器1内の伝熱管5に散布
したまま、冷媒ブローは行なわず、冷却水ポンプ35を
駆動して、吸収器2内の溶液を冷却して冷房運転を続行
させる。
【0025】次に図2を参照して吸収液(溶液)稀釈運
転を説明する。何らかの原因で、溶液温度センサ22の
溶液温度データと液面検出器24,25,26の冷媒液
面データとから、制御装置36は、前述した方法で冷媒
の飽和温度を算出し、その結果、冷媒の飽和温度が0℃
以下になった場合は、冷媒凍結防止動作を行なえという
信号を制御装置37に送る。これにより制御装置37
は、冷媒スプレー用電磁弁19を閉じて蒸発器1への冷
媒散布を止め、冷媒を蒸発しにくくさせて、これ以上冷
媒の温度が下がらないようにする。さらに、冷媒ブロー
用電磁弁18を開けてブロー配管16により液冷媒を吸
収器2内へ直接ブローして溶液の濃度を下げる。これに
より吸収器2内の飽和圧力を急上昇させ、冷媒の飽和温
度を上昇させて0℃より高い温度にさせて凍結を防止す
る。
【0026】これだけでもまだ、冷媒の飽和温度が上昇
しない場合は、冷却水ポンプ35を停止させて、溶液の
冷却をストップするすると、冷却されない溶液の温度は
上昇するので飽和圧力は上昇し、その結果、冷媒の飽和
温度は急上昇してすぐ0℃以上となり冷媒凍結を防止で
きる。
【0027】以上の操作で冷媒の凍結は防止できるが、
いつまでもこのままでいると冷水はできなくなるし、溶
液が薄くなりすぎると再起動の際、なかなか冷房能力が
出なかったりするので、外気温センサ29にて外気温を
測定し、冷却水温度センサ20にて冷却水温度を測定し
て溶液濃度が幾らになれば再起動の際、冷媒凍結をおこ
さず、かつ冷凍能力がすぐ出るようになるかを制御装置
36で予想計算を行い、溶液を薄めすぎないように冷媒
ブロー用電磁弁18を閉じて溶液濃度をコントロールす
る。この際、予想計算で出した濃度に溶液がなっている
か否かの判定は、液面検出器24,25,26が検知し
たデータから一義的にできるので、冷媒ブロー用電磁弁
18を開けて冷媒ブローを行なっている時は、常に液面
検出器24,25,26が検知したデータを、制御装置
36が監視して最適な溶液濃度になったところで冷媒ブ
ロー用電磁弁18を閉じるようにコントロールしてい
る。
【0028】もし、冷却水の温度が低く、かつ外気温も
異常に低い場合は、それぞれ冷却水温度センサ20,外
気温センサ29の検知したデータが低温であることを制
御装置36へ知らせるので、冷媒の凍結を防止させるに
は、どんどん冷媒をブローして溶液を薄めなくてはなら
なくなる。そこで、図3に示すように、ほとんど蒸発器
1の下部7の冷媒がなくなる位までになる場合もある。
また、冷水の出口に冷水温度センサ21を設置して、冷
水の温度を測定し制御装置36へ送る。さらに、冷媒温
度センサ23により冷媒温度を直接測定して制御装置3
6へ送ることにより、万一冷水および冷媒の温度が0℃
以下になってしまった場合は、図3のように冷媒スプレ
ー用電磁弁19を閉じて冷水がこれ以上冷えるのを防止
し、冷媒ブロー用電磁弁18を開けて冷媒ブローを行
い、かつ、冷却水ポンプ35を止めて溶液の飽和圧力を
上昇させて冷媒の飽和温度を上昇させ、冷媒および冷水
が凍結するのを緊急的に防止するようになっている。
【0029】以上、述べたように、本実施例によれば、
吸収液(溶液)の温度と、蒸発器1の冷媒タンクの冷媒
液面高さとから溶液の飽和蒸気圧を算出し、その飽和蒸
気圧における冷媒の飽和温度が自動的に算出できるの
で、冷媒液の飽和温度が0℃以下であることを算出した
ならば冷媒電磁弁を自動的に操作して、蒸発器1への冷
媒スプレーを停止し、溶液へ冷媒液を直接ブローするこ
とができる。また、冷却水ポンプ35を停止できるの
で、溶液の温度を上昇させ、溶液の濃度を薄くさせるの
で、吸収器2の飽和圧力が上昇し、それにともなって蒸
発器1の冷媒飽和温度も上昇するので冷媒および冷水の
凍結を防止できる。
【0030】また、冷媒ブローをさせながら、冷却水温
度または冷却空気温度、さらに外気温、冷媒液面高さを
監視できるので、再起動時に冷媒凍結せず、しかも、最
短時間で起動でき、かつ、停止期間における溶液の結晶
が発生しないように、溶液の濃度をコントロールするよ
うに冷媒ブロー量を制御することができるので、最適な
稀釈を行うことができる。さらに、冷水出口温度,冷媒
温度を常に監視しているので、万一凍結を起こしそうな
温度になった場合は、蒸発器1への冷媒スプレーを停止
し吸収器2への冷媒ブローを行い、かつ冷却水ポンプ3
5または冷却用ファン32を緊急停止できるので、凍結
防止を速やかに行うことができる。
【0031】〔実施例 2〕次に、本発明を空冷吸収式
冷凍機に適用した実施例を図4ないし図6を参照して説
明する。図4は、本発明の他の実施例に係る空冷吸収式
冷凍機の系統図、図5は、図4の装置における吸収液稀
釈運転状態を示す系統図、図6は、図4の装置における
冷却ファン停止時を示す系統図である。各図中、図1と
同一符号のものは、先の水冷吸収式冷凍機の実施例と同
等部分であるので、その説明を省略する。図4,5,6
における空冷吸収式冷凍機の各状態は、図1,2,3に
おける水冷吸収式冷凍機の各状態に対応している。
【0032】図4に示す装置が、図1に示す装置と相違
するところは、吸収器における溶液を冷却する媒体が水
から空気になったということだけで他の構成はほとんど
同じである。したがって、動作および各部の機能につい
ても前述の水冷式のものと比較してほとんど差が無い。
蒸発器1側は水冷式のものと全く同じである。吸収器2
Aについては、水冷式における伝熱管がフィン付き空冷
熱交換部31となったり、冷却水ポンプが、冷却ファン
32となっているところが相違する。すなわち、吸収器
2Aは、上部に溶液スプレー4が設置され、その下に空
冷熱交換部31があり冷却ファン32によって通風され
るようになっている。
【0033】以上から空冷吸収式冷凍機についても、水
冷機と同様な作用が行われるようになっており、これに
より、冷媒冷水の凍結防止、溶液の結晶防止、再起動時
の時間短縮ができるようになっている。特に、空冷の場
合は、冷却用流体として水より温度変化の激しい空気を
取扱っているので、本発明を適用することにより、これ
まで問題になってきていた、冷媒,冷水の凍結を簡単に
防止できるようになった。
【0034】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、吸収式冷
凍機の冷水,冷媒の凍結を防止し、かつ、吸収液の結晶
を防止しうる吸収式冷凍機およびその吸収液稀釈運転方
法を提供することができる。また、再起動の冷媒凍結を
防止しつつ立上りを早くしうる吸収式冷凍機およびその
吸収液稀釈運転方法を提供することができる。さらに、
吸収液への冷媒ブロー量、吸収器における吸収液の冷却
媒体である冷却水,冷却空気の供給調整を適正に行いう
る吸収式冷凍機およびその吸収液稀釈運転方法を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る水冷吸収式冷凍機の系
統図である。
【図2】図1の装置における吸収液稀釈運転状態を示す
系統図である。
【図3】図1の装置における冷却水ポンプ停止時を示す
系統図である。
【図4】本発明の他の実施例に係る空冷吸収式冷凍機の
系統図である。
【図5】図4の装置における吸収液稀釈運転状態を示す
系統図である。
【図6】図4の装置における冷却ファン停止時を示す系
統図である。
【符号の説明】
1 蒸発器 2,2A 吸収器 3 冷媒スプレー 4 溶液スプレー 5,6 伝熱管 11 冷媒ポンプ 12 溶液ポンプ 16 ブロー配管 18 冷媒ブロー電磁弁 19 冷媒スプレー電磁弁 21 冷水温度センサ 22 溶液温度センサ 23 冷媒温度センサ 24,25,26 液面検出器 29 外気温センサ 31 フィン付き空冷熱交換部 32 冷却ファン 35 冷却水ポンプ 36,37 制御装置

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、冷水の流通する伝熱管を内
    部に備えた蒸発器と、該蒸発器の前記伝熱管に散布する
    冷媒を循環させる手段と、吸収器と、該吸収器の熱交換
    部に散布する吸収液を循環させる手段とを有する吸収式
    冷凍機において、 吸収液の温度を検出する手段と、蒸発器の冷媒タンクの
    液面高さを検出する手段と、これら検出された吸収液の温度と、冷媒液面の高さから
    一義的に決まる吸収液の濃度とから、ジューリング線図
    によって吸収液の飽和蒸気圧を求め、この吸収液の飽和
    蒸気圧から決まる冷媒の飽和蒸気圧及び冷媒の飽和温度
    を求める演算装置と 、 求められた冷媒の飽和温度が0℃以下であるか否かを判
    定する手段と、その判定結果から冷媒用制御弁を操作す
    る制御装置と、 この制御装置の指令により、冷媒を吸収液へ送給する冷
    媒ブロー系とを備えたことを特徴とする吸収式冷凍機。
  2. 【請求項2】 少なくとも、冷水の流通する伝熱管を内
    部に備えた蒸発器と、該蒸発器の前記伝熱管に散布する
    冷媒を循環させる手段と、吸収器と、該吸収器の熱交換
    部に散布する吸収液を循環させる手段とを備えたものに
    おいて、これら検出された吸収液の温度と、冷媒液面の高さから
    一義的に決まる吸収液の濃度とから、ジューリング線図
    によって吸収液の飽和蒸気圧を求め、この吸収液の飽和
    蒸気圧から決まる冷媒の飽和蒸気圧及び冷媒の飽和温度
    を求め、 吸収液の温度と、蒸発器の冷媒タンクの液面の高さとか
    ら、吸収液の飽和蒸気圧を演算し、その飽和蒸気圧にお
    ける冷媒液の飽和温度が0℃以下であること、または、
    短時間で0℃以下になることのいずれかを検出したとき
    に、冷媒液を吸収液にブローすることを特徴とする吸収
    式冷凍機の吸収液稀釈運転方法。
  3. 【請求項3】 冷媒液を吸収液にブローするとともに、
    吸収器における吸収液冷却用の媒体の供給を停止するこ
    とを特徴とする請求項2記載の吸収式冷凍機の吸収液稀
    釈運転方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも、冷水の流通する伝熱管を内
    部に備えた蒸発器と、該蒸発器の前記伝熱管に散布する
    冷媒を循環させる手段と、吸収器と、該吸収器の熱交換
    部に散布する吸収液を循環させる手段とを備えたものに
    おいて、 冷水温度または冷媒温度のいずれかが0℃以下であるこ
    と、または、短時間で0℃以下になることのいずれかを
    検出したときに、冷媒液を蒸発器にスプレーするのを止
    めて冷媒液を吸収液ヘブローするものとし、吸収液の温度と、冷媒液面の高さから一義的に決まる吸
    収液の濃度とからジューリング線図によって吸収液の飽
    和蒸気圧を求め、この吸収液の飽和蒸気圧から決まる冷
    媒の飽和蒸気圧及を求め、 その飽和蒸気圧における冷媒
    液の飽和温度が0℃より高い値になったとき、冷媒液の
    吸収液側へのブローを止め、再度冷媒液を蒸発器にスプ
    レーすることを特徴とする吸収式冷凍機の吸収液稀釈運
    転方法。
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