JP3163976B2 - 全自動洗濯機 - Google Patents

全自動洗濯機

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JP3163976B2
JP3163976B2 JP12434796A JP12434796A JP3163976B2 JP 3163976 B2 JP3163976 B2 JP 3163976B2 JP 12434796 A JP12434796 A JP 12434796A JP 12434796 A JP12434796 A JP 12434796A JP 3163976 B2 JP3163976 B2 JP 3163976B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デリケートな衣類
や糸屑の発生しやすい衣類等に代表されるように好まし
くは分け洗いが必要な衣類を他の衣類と一緒にまとめて
洗うのに好適な全自動洗濯機に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の洗濯機市場の特徴は、洗濯機総需
要に占める全自動洗濯機の比率が急速な勢いで伸びてい
ることであり、全自動洗濯機の中でも洗濯容量6kg以上
の大容量タイプが主流となってきている。
【0003】この背景には、有職主婦の増加による家事
の合理化意識が高まってきたこと、大物洗いの要望が高
まってきたこと、清潔志向等による洗濯物が増加してき
たこと等によって大量の洗濯物を一度にまとめて洗いた
いという、まとめ洗いの必要性が大きくなってきたこと
が挙げられる。
【0004】しかしながら、まとめ洗いについて考えて
みると、現実的にはデリケートな衣類の布傷み,型崩れ
や、糸屑の発生しやすい衣類からの糸屑の付着等の問題
があり、まとめ洗いの阻害要因になっていた。
【0005】上記したまとめ洗いでの不具合項目に対
し、従来の洗濯では、布傷み別,糸屑発生別などに仕分
けし、別々に分けて洗う分け洗い洗濯や,布傷み,型崩
れ,糸屑の付着が気になる衣類を市販されている洗濯ネ
ットに入れて、洗濯することが行われていた。
【0006】また、第1の洗濯槽の中に小形の第2の洗
濯槽を組み込み、分け洗いや小物洗いに対応できる洗濯
機も知られていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記分
け洗い洗濯では複数回の洗濯コースを実行しなければな
らないため、洗濯時間や電気代,水道代,洗剤代といっ
たランニングコストが余計に必要になるという問題を有
していた。
【0008】また、洗濯ネットを利用する洗濯では、使
用の度に洗濯ネットの準備,乾燥,後片付けが必要とな
り、洗濯作業が面倒になるとともに、撹拌時、洗濯ネッ
トは洗濯槽内で片寄り易く、アンバランス状態となっ
て、脱水時の振動や騒音を大きくしたり、最悪時には、
脱水運転の途中止まりを発生させるという問題があっ
た。
【0009】さらに、洗濯中に洗濯ネットに入れた衣類
が、洗濯ネット外の衣類の布動きを阻害して洗いむらの
増大や洗浄力を低下させる問題、逆に、洗濯ネットが洗
濯ネット外の衣類の上に乗り上がった状態となった時の
洗濯ネット内の衣類の洗浄力不足や洗いむらの増大とい
う問題があった。
【0010】また、撹拌中に洗濯ネットのファスナーが
開いて中の衣類が飛び出してしまう問題や洗濯ネット内
の衣類の脱水力が弱いといった問題もあった。
【0011】第2の洗濯槽を有するものでは、第1の洗
濯槽の衣類の出し入れ時に、第2の洗濯槽をその度に着
脱する必要があるため、作業性が悪く、また、第2の洗
濯槽を使用しない時の保管も問題であった。
【0012】本発明の目的は、上記した欠点を解消し、
従来、分けて洗ったり、市販の洗濯ネットを使用して洗
濯していた布傷みが気になる衣類や糸屑付着が気になる
衣類等を普通の洗濯物と同時に洗濯可能で、また、洗浄
力,脱水力も確保し、さらに脱水時の振動や騒音,脱水
運転の途中止まり等の不具合がなく、また、洗濯物の出
し入れなどの洗濯作業性や洗濯機の手入れも簡便で、清
潔さを維持できる全自動洗濯機を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の特徴は、
底部に撹拌翼を有する洗濯兼脱水槽と前記洗濯兼脱水槽
を回転自在に内包する外槽と、前記外槽を防振支持する
支持装置と、前記撹拌翼および前記洗濯兼脱水槽を駆動
する駆動装置を有する全自動洗濯機において、前記洗濯
兼脱水槽内に投入される洗濯物のうち、所望の洗濯物
を、その他の洗濯物と混在することなく洗濯可能にした
衣類収納体を前記洗濯兼脱水槽の内周部に装着したこと
にある。
【0014】このような構成により、所望の衣類を衣類
収納体に投入すれば、市販されている洗濯ネット等の別
用品を使用することなく、洗濯兼脱水槽に直接投入する
その他の衣類とは混在させることなく洗濯兼脱水槽内に
保持できるので、衣類収納体内の衣類は、洗濯兼脱水槽
に直接投入された衣類と隔離した状態にできる。
【0015】また、撹拌翼や洗濯兼脱水槽内周壁との直
接的な接触を防げるので衣類収納体内の衣類は、撹拌に
よって生じる摩擦やねじれといった直接的な機械力をほ
とんど受けず、また、衣類収納体外の衣類と絡み合うこ
とがないため、布傷み,型崩れ,シワ付きを抑えた洗浄
結果を得られる。
【0016】また、衣類収納体は、洗濯兼脱水槽内周部
に装着されるので、市販の洗濯ネットのように衣類収納
体が同時に洗う衣類収納体外の洗濯物の布動きを阻害し
て、衣類収納体外の洗濯物の洗浄性能を低下させること
がない。
【0017】さらに、衣類収納体と他の衣類同志が団子
状に絡み合うことがないので、衣類収納体内の衣類が飛
び出す恐れもない。
【0018】また、衣類収納体内は洗濯兼脱水槽内周部
に装着するので、内部の衣類に脱水力を効果的に作用さ
せることが可能となる。
【0019】さらに、ハンカチや靴下等の小物を衣類収
納体の中で洗濯すれば、他の多くの衣類と混在すること
がなく、小物の取り出しも容易である。
【0020】本発明の第2の特徴は、衣類収納体の少な
くとも一部は、網目等の濾過作用を有した部材で構成
し、その濾過性能は、洗濯中に発生する実用上問題とな
る程度の糸屑等が捕集可能なものとしたことにある。
【0021】このような構成により、衣類収納体内と洗
濯兼脱水槽間の糸屑の流通が遮断できるので、例えば、
糸屑の付着が気になる靴下やストッキング等を衣類収納
体の中に投入しておけば、糸屑の発生しやすいタオル類
を洗濯兼脱水槽の中で同時に洗っても糸屑付着の不具合
を低減できる。
【0022】本発明の第3の特徴は、衣類収納体は、洗
濯兼脱水槽の半径方向に偏平な略袋状、あるいは略箱
状、あるいは、前記洗濯兼脱水槽の一部または別部材を
併用し、上記略袋状あるいは略箱状と同等の機能を有す
る構成としたことにある。
【0023】このような構成により、衣類収納体内の衣
類を確実に収納できるとともに、衣類収納体外の洗濯物
の布動きを阻害しない。
【0024】本発明の第4の特徴は、衣類収納体の少な
くとも洗濯兼脱水槽内の洗濯物と対向する側の部材の主
部分は、可とう性を有するものとしたことにある。
【0025】このような構成により、撹拌時には衣類収
納体内の衣類は、他の洗濯物の回動や上下の入れ替わり
等の動きによって圧縮力を受けるので、衣類収納体内の
衣類は押し洗い状態となり、良好な洗浄力を得ることが
できる。
【0026】本発明の第5の特徴は、洗濯兼脱水槽内の
洗濯物と対向する側の内周側部材および前記洗濯兼脱水
槽内周部と対向する側の外周側部材を一体あるいは別体
で有する衣類収納体において、前記内周側部材および外
周側部材各々の少なくとも一部は、洗濯中に発生する実
用上問題となる程度の糸屑等が捕集可能なものとしたこ
とにある。
【0027】このような構成により、衣類収納体内外の
糸屑の流通が遮断できる。さらに脱水時において、衣類
収納体内の糸屑が、遠心力により飛び出し、排水経路に
流れ込むのを防止できる。
【0028】本発明の第6の特徴は、衣類収納体の外側
に位置する洗濯兼脱水槽内周部の該部分に脱水穴を設け
たことにある。
【0029】このような構成により、衣類収納体内の衣
類の脱水性能を確保できるとともに、石鹸かす等が衣類
収納体と洗濯兼脱水槽の間に残留するのを防止できる。
【0030】本発明の第7の特徴は、衣類収納体の外側
に位置する洗濯兼脱水槽内周部の該部分、または、衣類
収納体の外周側部材、あるいは、衣類収納体と洗濯兼脱
水槽内周部の間に介在させた別部材に凸部を形成したこ
とにある。
【0031】このような構成により、遠心力の分力が発
生し、衣類収納体内の衣類に含まれる水の移動が脱水穴
に向けて効果的に作用し脱水性能を向上することができ
るとともに、撹拌時、衣類収納体内の衣類が受ける衣類
収納体外の洗濯物による圧縮作用が高くなり、洗浄性能
も向上することができる。
【0032】本発明の第8の特徴は、衣類収納体は、そ
の一部に開口部を開閉自在に設けるか、あるいは、衣類
収納体の一部を着脱自在に設け、衣類の出し入れを可能
にするとともに前記開口部または着脱部は、衣類収納体
を洗濯兼脱水槽に装着した状態で操作可能としたことに
ある。
【0033】このような構成により、衣類収納体を洗濯
兼脱水槽に装着した状態のまま衣類の出し入れが可能と
なり、洗濯作業性を良くできる。
【0034】本発明の第9の特徴は、衣類収納体は、上
部に衣類の出し入れ口を設けたことにある。
【0035】このような構成により、衣類収納体を洗濯
兼脱水槽に装着したままでも衣類の出し入れ作業性が良
いとともに、衣類収納体外の衣類の動きによって開口部
が開き中の衣類が飛び出すのを防止できる。
【0036】本発明の第10の特徴は、衣類収納体の上
部は、最高水位より高く、下部は、最低水位より低く設
定したことにある。
【0037】このような構成により、洗濯水位が低い場
合でも、衣類収納体を使った洗濯が可能である。
【0038】また、衣類収納体上部は水没しないので、
上部にファスナー等の開口部や衣類収納体の角部が、設
けられていても、衣類収納体外の衣類に与える損傷を最
小限にとどめることができる。
【0039】さらに、衣類収納体外の衣類の動きによっ
て開口部が開き、中の衣類が飛び出すのを防止できる。
【0040】本発明の第11の特徴は、衣類収納体は洗
濯兼脱水槽に着脱自在に構成したことにある。
【0041】このような構成により、衣類収納体の清掃
が簡便に行える。
【0042】本発明の第12の特徴は、衣類収納体の少
なくとも一部は、抗菌や防カビ等に効果のある成分を含
有させたことにある。
【0043】このような構成により、衣類収納体の細菌
の発生やカビの発生を低減でき清潔なものとすることが
できる。
【0044】本発明の第13の特徴は、衣類収納体の少
なくとも洗濯兼脱水槽内の洗濯物と接触する面の主部分
は、可とう性を有する部材で構成し、外周部に上記主部
分より剛性大なるフレーム部を形成したことにある。
【0045】このような構成により、衣類収納体は、適
度な剛性を有するため、同時に洗う洗濯兼脱水槽に投入
されたその他の衣類と絡み合うことやめくれ上がりを防
止できる。
【0046】本発明の第14の特徴は、衣類収納体は、
洗濯兼脱水槽内周部に設けた取付部、あるいは前記洗濯
兼脱水槽に装着した別部材の衣類収納体保持具に、前記
フレーム部と一体、あるいは別部材にて形成した係合部
を係合させて洗濯兼脱水槽に装着することにある。
【0047】このような構成により、衣類収納体は、洗
濯兼脱水槽内周部に倣う形で装着されるため、同時に洗
う洗濯兼脱水槽に投入されたその他の衣類と絡み合うこ
とやその他の衣類が、洗濯兼脱水槽と衣類収納体の間に
噛み込むことが防止できる。
【0048】さらに、衣類収納体の着脱も簡単にでき
る。
【0049】本発明の第15の特徴は、衣類収納体は洗
濯兼脱水槽内周部の円周方向に略等間隔で複数個配設し
たことにある。
【0050】このような構成により、洗濯兼脱水槽内に
衣類収納体を装着しても洗濯兼脱水槽の脱水軸に対し、
平衡状態を確保できる。この結果、脱水時の振動や騒
音,脱水運転の途中止まり等の不具合を防止できる。
【0051】本発明の第16の特徴は、前記洗濯兼脱水
槽の内周部に前記撹拌翼の裏羽根の遠心ポンプ作用によ
り洗濯水を洗濯兼脱水槽の底部から上部へ揚水し、上部
から吐出させる循環路部材等の構造体と衣類収納体を合
わせ持つ全自動洗濯機において、前記衣類収納体および
前記構造体は、前記洗濯兼脱水槽の回転軸に対し、平衡
になるよう各部材を配設したことにある。
【0052】このような構成により、洗濯兼脱水槽内に
衣類収納体を装着しても洗濯兼脱水槽の脱水軸に対し、
平衡状態を確保できる。この結果、脱水時の振動や騒
音,脱水運転の途中止まり等の不具合を防止できる。
【0053】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて説明する。
【0054】図1は全自動洗濯機の基本構造を示してお
り、参照番号1は内部機構を内包する略箱形の鋼板製の
外枠で、参照番号2はステンレス製の洗濯兼脱水槽で有
底の略円筒形状を形成しており、側壁に多数の脱水穴2
aを有すると共に上部と底部に流体を封入した中空環状
の上部バランサー3,下部バランサー4を設け、底部中
央には、回転自在な撹拌翼5を配設している。
【0055】参照番号6は洗濯兼脱水槽2を回転可能に
内包し洗濯水を受ける有底略円筒状の外槽であり、底部
には駆動部を鋼板製のセンターベース8を介し取り付け
ると共に、外槽6の外側壁には防振装置9を保持する凹
球面状の吊り棒受け6aを設け、外槽全体を外枠1の上
端四隅に固着された凹球面状のコーナープレート1aか
ら防振装置9にて垂下防振支持している。
【0056】また、上端開口部には外槽6と洗濯兼脱水
槽2との隙間に洗濯物が落下するのを防止するため合成
樹脂性の槽カバー7を固着している。
【0057】防振装置9は吊り棒9a,防振バネ9b,
摺動筒9c,バネ受け9d,吊り棒保持具9e等から構
成されている。
【0058】吊り棒9aの上端には凸球面を持った吊り
棒保持具9eが固着され、保持具9eがコーナープレー
ト10の凹球面に嵌かり合っている。
【0059】摺動筒9cは吊り棒受け6aの凹球面に嵌
かり合う凸球面を有し、内部に防振バネ9b,バネ受け
9dを設け、外槽6の上下方向の振動によって防振バネ
9bが伸縮し、バネ受け9dが摺動筒9cの内面を摩擦
しながら振動する。
【0060】駆動部はモータ10,クラッチ11,Vベ
ルト12等からなり、モータ10の回転をモータプーリ
13,Vベルト12,Pプーリ14を介してクラッチ1
1に伝達する。
【0061】クラッチ11は内部に洗濯と脱水を切替る
クラッチバネ機構,減速ギヤ等を有すると共に洗濯軸1
1a,脱水軸11bを備えている。
【0062】洗濯軸11aには撹拌翼5が固定されてお
り、脱水軸11bには洗濯兼脱水槽2がフランジ15を
介し固着されており、洗濯時には内部の減速ギヤ,洗濯
軸11aを介し回転力を撹拌翼5に伝達すると共に、脱
水時には、減速ギヤを介さず、脱水軸11bにより回転
力を洗濯兼脱水槽2に伝達し、脱水を行う。
【0063】排水装置は排水弁16,排水ホース17と
から成っており、排水弁16の一端は外槽6の底部に設
けられた排水口6bに接着され、他端は排水ホース17
に接続され、排水ホース17の他端は排水ホース取り出
し口18から機外へ引出す様になっている。
【0064】水位の検出は外槽6に設けられたエアート
ラップ6cからエアーチューブ19を介し、水位センサ
ー20で圧力検知している。
【0065】参照番号21は給水電磁弁であり、一端は
給水ホースを介して水栓へ接続され、他端は注水口22
に接続されている。
【0066】参照番号23はパネルボックス部を有する
上面カバーであり、内部には制御部であるコントロール
ユニット24,水位を制御する水位センサー20,電源
スイッチ25,入力スイッチ部26,進行表示部27な
どが収納されている。
【0067】パネルボックス部28は前側と後側の2ヵ
所に設けられており、それぞれフロントパネル29,バ
ックパネル30を装着している。
【0068】また、上面カバー23は衣類投入用の開口
部23aと開口部23aを開閉する蓋体31が設けら
れ、外枠1の上方開口部を包括するように構成されてい
る。
【0069】以上が全体の構成であるが、これらは全自
動洗濯機として周知の構成である。
【0070】次に、本発明が適用される洗濯兼脱水槽2
の一実施例を図2に基づき詳述する。
【0071】洗濯兼脱水槽2はステンレス鋼板製の胴板
41,底板42により構成されている。
【0072】胴板41は平板を円筒状に成形し、端部を
ハゼ折り加締めにて固定すると共に、外に向かうバーリ
ング状の脱水穴2aを多数設けている。
【0073】底板42は略円盤状の形状を有しており、
端部外周部と胴板41の下端外周部をハゼ折り加締め2
bに依り締結している。
【0074】胴板41の上端部はカール状に成形し、径
小部41aを設け断面係数のアップを図っている。
【0075】上部バランサー3,下部バランサー4は中
空円環形状で、内部には塩水等の液体が封入されてお
り、撹拌工程後に洗濯兼脱水槽2内に発生した洗濯物の
片寄りによるアンバランスに対し、脱水工程時に平衡を
とるように働いて円滑な脱水運転を行うためのものであ
る。
【0076】上部バランサー3は外周部にスカート部3
aを設け、胴板41の径小部41aに嵌合させ、ネジ4
3にて固定する。径小部41aを設けることにより、ス
カート部3aの外径は胴板41の中央部外径と略同一と
し、外槽6の内周面との隙間が減少しないようにしてあ
る。
【0077】下部バランサー4は底板42に内包する形
で配設し、底板42の下方からネジ44にて固定する。
【0078】下部バランサー4は特に洗濯兼脱水槽底部
に発生したアンバランスに対し効果が大きく、洗濯容量
が増えてくると洗濯兼脱水槽底部に発生するアンバラン
スも大きくなり、脱水時の振動や騒音もこれに比例す
る。
【0079】従って、洗濯容量が大きい洗濯機や低騒音
を目的とした洗濯機では下部バランサーは効果的であ
る。
【0080】本実施例では後述する衣類収納体61を洗
濯兼脱水槽2内周部に装着することから、発生アンバラ
ンスに対する振動抑制効果を増すために特に下部バラン
サー4を配設してある。
【0081】底板42の中央下部には脱水軸11bとの
嵌合穴部を有するフランジ15をネジ45にて取り付
け、洗濯兼脱水槽2を脱水軸11bに嵌合させナット等
により固着させている。
【0082】撹拌翼5の裏側には複数枚の裏羽根5aが
一体的に設けられ、また洗濯兼脱水槽2の内周側壁面に
は循環路カバー48が配してあり、洗濯水循環路47を
形成している。
【0083】循環路カバー48は洗濯兼脱水槽2の壁面
上部までの高さがあり、下部は裏羽根5aの外周に対向
して導水開口部49を設けている。
【0084】循環路カバー48の上部には吐出口50が
洗濯兼脱水槽2の内方に向かって設けられており、吐出
口50には糸屑捕集用のネット51が着脱自在に装着さ
れているが、この他、ネット51の代わりに吐出口50
を細長い形状に構成してシャワー状に洗濯水を散水する
ようにしても良い。
【0085】そして、洗濯やすすぎ時の撹拌時に撹拌翼
が回転すると、裏羽根の遠心ポンプ作用により洗濯水を
導水開口部49に押出し循環路47を通って吐出口50
から噴出する。
【0086】参照番号61は本発明の要部となる洗濯兼
脱水槽2の内周部に装着された衣類収納体であり、布傷
みや型崩れが気になるデリケートな衣類や糸屑の付着が
気になる衣類など普通の洗濯物とは混在して洗うことを
避けることが好ましい衣類を投入し洗濯するためのもの
である。
【0087】この時、肌着やタオル,日常着に代表され
る普通の衣類は従来通り洗濯兼脱水槽2に直接投入して
洗濯するものである。
【0088】ここで、衣類収納体61の定格内容量は定
格洗濯容量の約5%乃至約10%程度であれば良く、好
ましくは5%前後に設定するのが良い。尚、衣類収納体
61の定格内容量は後述するように洗濯水位Hにおける
ものである。
【0089】そして、図2で洗濯水位Hは本洗濯機で設
定可能な最高水位を示し、洗濯水位Lは最低水位を示し
ており、衣類収納体61の上下方向の寸法は図2に示す
如く最高水位時に水没することなく、また、最低水位時
に露出しない様に設定してあり、洗濯水位が低い場合で
も衣類収納体61を使った洗濯が可能である。
【0090】次に、衣類収納体61は図3に示すように
洗濯兼脱水槽2の内周部に倣う形で装着される。
【0091】全体形状としては図5に示すように、洗濯
水の流通と濾過機能を有した細かい網目で成る内側ネッ
ト61aと外側ネット61bから構成され、洗濯兼脱水
槽2の周面に沿った扁平な略袋状を形成している。
【0092】衣類収納体61の上部にはファスナー等の
開閉手段による開閉自在な開口部61dを有した衣類の
出し入れ口を形成している。
【0093】ここで、開口部61dはファスナー等の
他、衣類収納体61の一部を着脱自在に設けても良い
し、ロック機構を付与して内方向に開く構造としても良
い。
【0094】また、外周部には合成樹脂製のフレーム部
61cを設けて衣類収納体61の適度な全体剛性と弾性
を確保している。
【0095】そして、フレーム部61cには洗濯兼脱水
槽2の内周壁に固着した衣類収納体保持具62に係合す
る取付部61eが設けてあり、この両者の係合によって
衣類収納体61は洗濯兼脱水槽2の内周壁に装着される
ものである。
【0096】また、衣類収納体61は衣類収納体保持具
62で円周方向の位置を固定すると共に、図2にあるよ
うに胴板41のテーパ部41bと取付部61eの上端が
当接することによって、所定の遊び以上の上方向の動き
を抑止している。
【0097】また、図3にあるように胴板41に設けた
凸状のビード部41cとフレーム部61cが当接するこ
とによって、所定以上の下方向の動きを抑止する。
【0098】更に、衣類収納体保持具62と取付部61
eの係合は図4に示すように、上下方向から見て凹凸の
嵌合としており、また、図3にあるように上部バランサ
ー3には傾斜面3bが設けられている。衣類収納体61
を装着する場合は、その弾性を利用し、傾斜面3bに沿
って斜め上方から衣類収納体保持具62に差し込み、取
り外す場合は、斜め上方に引き上げれば、取り外せるよ
うになっている。このように衣類収納体61は、簡単に
着脱でき、清掃等の手入れの際の簡便化を図っている。
【0099】ここで、開口部61dは衣類収納体61の
上方に設けていること、及び上部バランサー3に傾斜面
3bを設けていることで、衣類収納体61を洗濯兼脱水
槽2に装着した状態のままでも衣類の出し入れが可能と
なり、洗濯作業性も良い。
【0100】図6に衣類収納体61と洗濯兼脱水槽2の
取付部の斜視図を示す。
【0101】衣類収納体61の外側に位置する胴板41
には、複数個の脱水穴2aと凸部2cが形成されてい
る。
【0102】次に、衣類収納体61内の衣類の基本的な
洗浄メカニズムについて述べる。
【0103】前述したように、1回で洗う洗濯物の内、
衣類収納体61には所望の衣類を投入し、他の大部分を
占める普通の衣類は洗濯兼脱水槽2に直接投入する。
【0104】次に、撹拌工程において普通の衣類は撹拌
翼5の回転によって洗濯兼脱水槽2内で回動や上下の入
れ替わりといった布動きをする。
【0105】一方、衣類収納体61は洗濯兼脱水槽2に
固定されているため、衣類収納体61内の衣類は普通の
衣類の布動きによって圧縮力を受け、この圧縮力は変動
荷重となるため押し洗いと同様の効果が得られ、衣類収
納体61内の衣類の洗浄が行われるものである。
【0106】ここで、内ネット61aは充分な可撓性を
有するとともに、弛みを与えている。これは、内ネット
61aの剛性で前述の押し洗い効果を減少させないため
である。
【0107】また、衣類収納体61を扁平形状にしてい
るのは普通の衣類の布動きを阻害して衣類収納体61内
外の洗浄効果を低下させないためである。
【0108】これにより、衣類収納体61を使用しない
場合でも衣類収納体61を取り外す必要はなく洗濯作業
性が良いものである。
【0109】また、衣類収納体61を袋状にすることに
よって確実に衣類が保持できるものであるので、ハンカ
チや靴下等の小物を衣類収納体61に入れて洗濯すれ
ば、他の多くの衣類と混在することなく小物の取り出し
も容易である。
【0110】また、衣類収納体61の上端部は水没しな
いので、上部にファスナー等の開口部や衣類収納体の角
部が設けられていても衣類収納体外の衣類に与える損傷
を最小限にとどめることができる。
【0111】さらに、衣類収納体61の開口部61dは
上部バランサー3の下方に配置されていることもあり、
衣類の動きによって市販の洗濯ネットのように開口部が
開き中の衣類が飛び出すのを防止できる。
【0112】また、衣類収納体61は前述のように適度
な剛性を有するため、同時に洗う洗濯兼脱水槽に投入さ
れたその他の衣類との絡み合いや、めくれ上がりを防止
できる。
【0113】さらに、衣類収納体61は衣類収納体保持
具62とビード部41cによって外周端面をカバーして
いるため、同時に洗う洗濯兼脱水槽2に投入されたその
他の衣類が洗濯兼脱水槽2と衣類収納体61の間に噛み
込むことが防止できる。
【0114】外周端面のカバーにあたっては、図10お
よび図11に示すようにビード部41cや衣類収納体保
持具62を略U字状にしてもよい。
【0115】外ネット61bは内ネット61aと同材
質,同剛性でも良いが、繊維の太さ,材質,熱処理,コ
ーティング等により、硬目に設定しておけば全体の剛性
を向上できるのでフレーム部61cの剛性負担を軽減で
き、簡素化が図れる。
【0116】脱水工程に於いては、衣類収納体61は洗
濯兼脱水槽2の最大半径部に装着しているため遠心力が
効果的に作用し脱水性能も良い。
【0117】前述の脱水穴2aは、衣類収納体61内の
衣類の脱水性能を確保するためのものであるが、衣類収
納体61と洗濯兼脱水槽2の間に洗濯液等が溜っている
と石鹸かすの滞積の原因になるため、これを防止する効
果もある。
【0118】また、前述の凸部2cは衣類収納体61内
の衣類の洗浄性能と脱水性能を向上させる目的で設ける
ものである。
【0119】撹拌時には、衣類収納体61内の衣類が受
ける衣類収納体61外の洗濯物による圧縮作用を高める
とともに、脱水時には遠心力の分力が発生するため衣類
収納体61内の衣類に含まれる水の移動が凸部間に設け
た脱水穴に向けて効果的に行える。
【0120】ここで、凸部2cは外ネット61bに設け
てもよく、また、凸部を有する別部材を介在させてもよ
い。
【0121】内ネット61a,外ネット61bの網目は
洗濯中に発生する糸屑などを濾過できるサイズに選定し
てあるので、洗濯兼脱水槽2と衣類収納体61内の糸屑
の流通が遮断される。
【0122】また、脱水時の遠心力により衣類収納体6
1内の糸屑が脱水穴2aから飛び出し、排水経路に流出
するのを防止できる。
【0123】内ネット61aの網目を外ネット61bの
網目より細かく設定しておけば、衣類収納体61内の衣
類と洗濯兼脱水槽2に投入された衣類との直接的な接触
面積をさらに減少できるため、色物の色移り防止や汚れ
物の汚れの再付着防止の効果が向上できる。
【0124】また、外ネット61bの網目を必要以上に
細かくしないことにより、脱水時に衣類収納体61内の
衣類に含まれる水分が遠心力により移動する際の抵抗を
軽減できる。
【0125】この時、衣類収納体61内の脱水性能を向
上させるため外ネット61bの材質を高分子ポリマー等
の高吸湿体で構成してもよい。
【0126】また、内ネット61a,外ネット61bは
耐薬品性,耐摩耗性に優れたポリエステル等の合成樹脂
製とし、チアゾリンや好ましくはイミダゾール系の抗菌
材等の抗菌/防かびに効果のある添加剤を含有させてあ
る。
【0127】これにより、市販の洗濯ネットのように使
用後、干したりする手間を必要とせず細菌の繁殖やかび
の発生を低減することができ清潔さを保てる。
【0128】一方、脱水運転を考えた時、単純に衣類収
納体61を設置すると回転体である洗濯兼脱水槽2のバ
ランスが崩れ正常な脱水運転が難しくなる恐れがある。
【0129】このため、図3に示すように洗濯兼脱水槽
2に装着する衣類収納体61や糸屑捕集用の循環路47
等の構造体は洗濯兼脱水槽2の脱水軸11bに対して平
衡になるように各構造体を配設する。
【0130】例えば、図3において循環路47とは反対
側に位置する循環路47′や循環路カバー48′は糸屑
捕集用のネット51を装着せずに洗濯液を噴出するもの
であり、循環路47とは等間隔の対向の位置に設けられ
ている。また、衣類収納体61も胴板41の円周方向
に、等間隔の対向の位置に2個設けられている。
【0131】これらにより、洗濯兼脱水槽2内に衣類収
納体61を装着しても洗濯兼脱水槽2の脱水軸11bに
対して釣合いが保て、脱水時の振動や騒音,脱水運転の
途中止まり等の不具合が発生しないようにできる。
【0132】尚、実際に衣類収納体61を使って洗濯を
する場合、双方どちらの衣類収納体61にも略均等に洗
濯物を投入する必要があるが、洗濯の度に洗濯物の重量
を測定するのは手間である。これを解決するために各衣
類の重量の目安や配分の組み合わせ表などを取扱説明書
に記載するようにしておけば良い。
【0133】内ネット61a,外ネット61bの色相は
位置が簡単に判別できるように色をつける。
【0134】また、双方のネットの色相を異ならせて例
えば、セータ類用とかソックス類用として使うことがで
きるようにしても良い。
【0135】また、ブラジャー等の型崩れしやすい衣料
のために衣類収納体61の上方に副収納体部を設けても
よい。上方に副収納体部を設けるのは、脱水時、衣類収
納体61外の遠心力による押圧を軽減するためである。
【0136】次に、実際の洗濯において、本発明と従来
の市販洗濯ネットを使った場合との性能を比較する。
【0137】洗濯物は、ランジェリー類,ストッキング
やブラウスなどのデリケートな衣類と肌着,タオル,日
常着などの普通の衣類を同時に洗う場合を考える。
【0138】使用する全自動洗濯機は定格容量7kgのも
のを用い、負荷となる洗濯物の量は8割容量の5.6kg
とし、このうち、デリケートな衣類は、0.4kgに設定
し、普通の衣類は洗濯兼脱水槽2に直接投入する。
【0139】従来の市販の洗濯ネットを使う洗濯ではデ
リケートな衣類を洗濯ネットに入れて洗濯兼脱水槽2に
投入する。
【0140】本発明品では、デリケートな衣類は2つの
衣類収納体61に0.2kg ずつほぼ均等に分け入れる。
【0141】洗いかたは、洗濯兼脱水槽2に直接投入さ
れた衣類に合わせたものとする。
【0142】普通の衣類の場合、一般的には図9に示す
ような標準的な洗濯コースが洗濯機にプログラムされて
いるので、両者ともにこの標準コースを選択する。
【0143】撹拌工程において、撹拌翼5は標準的な反
転周期で左右回転され、洗濯兼脱水槽2に直接投入され
た衣類は撹拌翼5の回転により動かされ、洗濯兼脱水槽
2内で回動や上下の入れ替わりといった布動きをする。
【0144】撹拌翼5の近傍にない上部の洗濯物には下
部の洗濯物が動くことによって、撹拌翼5の回転力を伝
えることになるので、洗濯物同士は絡み合いながら動く
ことになる。
【0145】この動きによって、洗濯物は撹拌翼5や洗
濯兼脱水槽2内周壁との接触による摩擦やねじれ,伸縮
などの機械力を受けて洗浄される。
【0146】従来の洗濯ネットを使う場合、洗濯ネット
は洗濯兼脱水槽2に他の洗濯物と一緒にまとめて投入す
るため上記した布動きと同様の動きをするが、洗濯ネッ
トは一つの大きな塊状の衣類と同様の形態となっている
ために、他の洗濯物と団子状に絡み合ったりして全体の
布動きを阻害する傾向にある。
【0147】これにより、充分な布動きが得られないた
めに洗濯ネット内外の衣類双方共に洗濯ネットを使用し
ない場合に対して洗いむらが大きくなり、洗浄性能が低
下する。
【0148】また、洗濯ネットが他の洗濯物の上にはじ
きだされた状態になる場合も発生し、この場合、充分な
機械力が得られずまた、洗濯液にも浸漬されないために
洗濯ネット内の衣類の洗浄力が極端に低下してしまう。
【0149】また、洗濯ネット自体が標準的な撹拌条件
の中におかれるので、ねじれや伸縮,布絡みなど普通の
衣類と同様の機械力を受けることになるため、ネットで
保護されてはいるものの、ソフトコース等のデリケート
な衣類専用コースでの洗浄性能に対し、布傷みや型崩
れ,しわ付きは大きくなってしまう。
【0150】さらに、これらの機械力により撹拌中、洗
濯ネットのファスナーが開いて中の衣類が飛び出してし
まうこともある。
【0151】また、洗濯ネットは一つの大きな塊状であ
るため洗濯兼脱水槽2内でアンバランス状態と成り易
い。
【0152】この結果、脱水工程に移行した際振動や騒
音が大きくなる原因となるが、最悪の場合には槽の振れ
が大きくなって安全スイッチが動作し、脱水運転の途中
止まりを発生させることもある。
【0153】また、洗濯ネットが洗濯兼脱水槽2の中央
部分に位置した時に洗濯ネット内の衣類の脱水力が弱く
なることもある。
【0154】これに対し、本発明の洗浄メカニズムは前
述したように基本的に押し洗い方式であり、衣類収納体
61は適度な剛性を有し洗濯兼脱水槽2の内周壁に倣う
形で装着されるため、衣類収納体61内の衣類は同時に
洗う洗濯兼脱水槽2に投入された他の衣類と団子状に絡
み合うことがなく全体の布動きを阻害しないものであ
る。
【0155】この結果、衣類収納体61内外の洗濯物の
洗いむらも最小に抑えられ良好な洗浄結果を得られる。
【0156】さらに、衣類収納体61内の衣類は撹拌に
よって生じる摩擦やねじれ,伸縮,他の衣類との絡みと
った機械力をほとんど受けないので、ランジェリー類,
ストッキングやブラウス,ニット等のおしゃれ着などの
デリケートな衣類でも衣類収納体61に投入しておけ
ば、標準的な強さの水流を使っても布傷み,布絡み,型
崩れ,しわ付きなどが少なく良好な洗浄効果を得られ
る。
【0157】図7は、上述した条件での洗浄性能比較試
験結果を示したものである。
【0158】図中Bは市販の洗濯ネット、Cは本発明
品、Aはデリケートな衣類と普通の衣類を混合して洗濯
したものである。
【0159】また、図8はデリケートな衣類の布傷み性
能比較である。
【0160】図7において、一点鎖線は平均洗浄力、棒
の長さは洗いむらを示しており、普通の衣類の平均洗浄
力についてはどれも大差ないが、デリケートな衣類の洗
浄力は混合洗濯Aが最も良い反面、デリケートな衣類の
布傷みが最も悪くなっており、これは、デリケートな衣
類に対して洗浄力が強過ぎるためである。
【0161】市販の洗濯ネットBと本発明品Cを比較す
ると、普通の衣類,デリケートな衣類ともに平均洗浄力
は略同等であるが、市販の洗濯ネットBの洗いむらに対
し本発明品Cの洗いむらが少なく、また、布傷みも最も
少ない結果を得られた。
【0162】以上のことから、本発明によれば、従来技
術に対し、優れた洗浄性能を得ることができる。
【0163】一方、糸屑の付着が気になるストッキング
や靴下等も衣類収納体61に入れて洗濯すれば、糸屑の
発生しやすいタオル類を洗濯兼脱水槽2の中で同時に洗
っても糸屑の侵入を防止でき、良好な仕上がりを得るこ
とができる。
【0164】図10,図11及び図12は他の実施例を
示すものであり、図10は衣類収納体保持具62を用い
ず、衣類収納体61を直接的に洗濯兼脱水槽2に装着す
るもので、爪61fと係合穴2dにより衣類収納体61
を取り付けることで部品点数削減が図れる。
【0165】図11は、略U字状の衣類収納体保持具6
2の嵌合穴62aに略箱状の衣類収納体61のフック6
1gを係合させ、手前に回転させることによって衣類収
納体61を着脱するものである。
【0166】ストッパーは爪61hと穴62bとの嵌合
でおこなうもので、この場合、衣類収納体61の着脱が
より容易である。
【0167】図12は、ネット(内)61aとネット(外)
61bを別体化したものであり、各々フレーム部61c
を有している。
【0168】外ネット61bは弾着により洗濯兼脱水槽
2に取り付け、内ネット61aは底辺部を回転可能なよ
うに外ネット61bに軸支し、上辺部を外ネット61b
に弾着させる。
【0169】この場合、ネットとフレームの一体成形が
容易になり生産性が良くなり、場合によってはフレーム
の材料をポリプロピレンとし、底辺部をポリプロピレン
と一体ヒンジにしてもよい。
【0170】
【発明の効果】本発明によれば、布傷みが気になる衣類
や糸屑の発生,付着が気になる衣類等を普通の洗濯物と
同時に洗濯可能とし、しかも脱水時の振動や騒音,脱水
運転の途中止まり、洗濯ネットからの衣類の飛び出し等
の不具合がない全自動洗濯機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す洗濯機の縦断面図。
【図2】本発明の一実施例を示す洗濯兼脱水槽の縦断面
図。
【図3】本発明の一実施例を示す洗濯兼脱水槽の斜視
図。
【図4】本発明の一実施例を示す洗濯兼脱水槽の部分断
面図(I−I)。
【図5】本発明の一実施例を示す衣類収納体の斜視図。
【図6】本発明の一実施例を示す洗濯兼脱水槽の部分斜
視図。
【図7】洗浄性能比較図。
【図8】布傷み性能比較図。
【図9】本発明の一実施例を示す標準コース工程図。
【図10】本発明の他の実施例を示す洗濯兼脱水槽の部
分斜視図。
【図11】本発明の他の実施例を示す洗濯兼脱水槽の部
分斜視図。
【図12】本発明の他の実施例を示す洗濯兼脱水槽の部
分斜視図。
【符号の説明】
2…洗濯兼脱水槽、2a…脱水穴、2c…凸部、61…
衣類収納体、61c…フレーム部、61d…開口部、6
1e…取付部、62…衣類収納体保持具。
フロントページの続き (72)発明者 小山 高見 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株式会社 日立製作所 電化機器事業部 多賀本部内 (72)発明者 鹿森 保 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株式会社 日立製作所 電化機器事業部 多賀本部内 (56)参考文献 特開 平9−299679(JP,A) 特開 平8−191984(JP,A) 特開 昭56−153386(JP,A) 実開 昭56−153385(JP,U) 実開 昭50−79265(JP,U) 実開 昭57−58373(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06F 35/00 D06F 37/12

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】底部に攪拌翼を有する洗濯兼脱水槽と前記
    洗濯兼脱水槽を回転自在に内包する外槽と、前記外槽を
    防振支持する支持装置と、前記攪拌翼および前記洗濯兼
    脱水槽を駆動する駆動装置を有する全自動洗濯機におい
    て、 前記洗濯兼脱水槽内に投入される洗濯物のうち、所望の
    洗濯物をその他の洗濯物と混在することなく洗濯可能に
    した衣類収納体を前記洗濯兼脱水槽の内周部に装着し
    前記衣類収納体の外側に位置する前記洗濯兼脱水槽内周
    部の部分に脱水穴を設けたことを特徴とする全自動洗濯
    機。
  2. 【請求項2】底部に攪拌翼を有する洗濯兼脱水槽と前記
    洗濯兼脱水槽を回転自在に内包する外槽と、前記外槽を
    防振支持する支持装置と、前記攪拌翼および前記洗濯兼
    脱水槽を駆動する駆動装置を有する全自動洗濯機におい
    て、 前記洗濯兼脱水槽内に投入される洗濯物のうち、所望の
    洗濯物をその他の洗濯物と混在することなく洗濯可能に
    した衣類収納体を前記洗濯兼脱水槽の内周部に装着し、
    前記衣類収納体の外側に位置する前記洗濯兼脱水槽内周
    部、または前記衣類収納体の外周側部材、あるいは前記
    衣類収納体と前記洗濯兼脱水槽内周部の間に介在させた
    別部材に凸部を形成したことを特徴とする 全自動洗濯
    機。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、前記衣類収納体
    の少なくとも一部は網目等の濾過作用を有した部材で構
    成し、その濾過性能は洗濯中に発生する実用上問題とな
    る程度の糸屑等が捕集可能なものとしたことを特徴とす
    全自動洗濯機。
  4. 【請求項4】請求項1又は2において、前記衣類収納体
    は前記洗濯兼脱水槽の半径方向に偏平な略袋状、あるい
    は略箱状、あるいは前記洗濯兼脱水槽の一部または別部
    材を併用して前記略袋状あるいは略箱状と同等の機能を
    有する構成としたことを特徴とする全自動洗濯機。
  5. 【請求項5】請求項1又は2において、前記衣類収納体
    の少なくとも前記洗濯兼脱水槽内の 洗濯物と対向する側
    の部材の主部分は可撓性を有するものとしたことを特徴
    とする請求項1記載の全自動洗濯機。
  6. 【請求項6】請求項1又は2において、前記洗濯兼脱水
    槽内の洗濯物と対向する側の内周側部材および前記洗濯
    兼脱水槽内周部と対向する側の外周側部材を一体あるい
    は別体で構成する前記衣類収納体の前記内周側部材およ
    び外周側部材各々の少なくとも一部は洗濯中に発生する
    実用上問題となる程度の糸屑等が捕集可能なものとした
    ことを特徴とする全自動洗濯機。
  7. 【請求項7】請求項1又は2において、前記衣類収納体
    はその一部に開口部を開閉自在に設けるか、あるいは前
    記衣類収納体の一部を着脱自在に設けて衣類の出し入れ
    を可能にするとともに、前記開口部または着脱部は衣類
    収納体を洗濯兼脱水槽に装着した状態で操作可能とした
    ことを特徴とする全自動洗濯機。
  8. 【請求項8】請求項1又は2において、前記衣類収納体
    の上部は最高水位より高く、下部は最低水位より低く設
    定したことを特徴とする全自動洗濯機。
  9. 【請求項9】請求項1又は2において、前記衣類収納体
    は前記洗濯兼脱水槽に着脱自在に構成したことを特徴と
    する全自動洗濯機。
  10. 【請求項10】請求項1又は2において、前記衣類収納
    体の少なくとも一部は抗菌や防カビに効果のある成分を
    含有させたことを特徴とする全自動洗濯機。
  11. 【請求項11】請求項1又は2において、前記衣類収納
    体の少なくとも前記洗濯兼脱水槽内の洗濯物と接触する
    面の主部分は可撓性を有する部材で構成し、外周部に前
    記主部分より剛性大なるフレーム部を形成したことを特
    徴とする全自動洗濯機。
  12. 【請求項12】請求項11において、前記衣類収納体は
    前記洗濯兼脱水槽内周部に設けた取付部、あるいは前記
    洗濯兼脱水槽に装着した別部材の衣類収納体保持具に前
    記フレ ーム部と一体、あるいは別部材にて形成した係合
    部を係合させて洗濯兼脱水槽に装着することを特徴とす
    全自動洗濯機。
  13. 【請求項13】請求項1又は2において、前記衣類収納
    体は前記洗濯兼脱水槽内周部の円周方向に略等間隔で複
    数個配設したことを特徴とする全自動洗濯機。
  14. 【請求項14】請求項1又は2において、前記洗濯兼脱
    水槽の内周部に前記攪拌翼の裏羽根の遠心ポンプ作用に
    より洗濯水を前記洗濯兼脱水槽の底部から上部へ揚水し
    上部から吐出させる循環路部材等の構造体と前記衣類収
    納体は、前記洗濯兼脱水槽の回転軸に対してそれぞれ略
    180度の間隔をおいて配設したことを特徴とする全自
    動洗濯機。
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