JP3162615B2 - 向流式イオン交換塔の再生方法 - Google Patents

向流式イオン交換塔の再生方法

Info

Publication number
JP3162615B2
JP3162615B2 JP30230795A JP30230795A JP3162615B2 JP 3162615 B2 JP3162615 B2 JP 3162615B2 JP 30230795 A JP30230795 A JP 30230795A JP 30230795 A JP30230795 A JP 30230795A JP 3162615 B2 JP3162615 B2 JP 3162615B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
resin
ion exchange
tower
exchange resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP30230795A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09117677A (ja
Inventor
勘六 長南
茂夫 宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ebara Corp filed Critical Ebara Corp
Priority to JP30230795A priority Critical patent/JP3162615B2/ja
Publication of JPH09117677A publication Critical patent/JPH09117677A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3162615B2 publication Critical patent/JP3162615B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatment Of Water By Ion Exchange (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水は通すがイオン
交換樹脂は通さない中間隔壁を塔中間部付近に設け、塔
を弱型イオン交換樹脂を充填した上部室と強型イオン交
換樹脂を充填した下部室の2室に分けた、下降流通水・
上昇流通薬を行う向流式イオン交換塔の再生方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】最近のイオン交換装置は再生剤が節約で
き、且つ良好な処理水質が得られることから向流式が採
用されることが多い。純水装置の場合、原水水質によっ
ては、強酸性カチオン交換樹脂(以下強型カチオン樹脂
と称す)と弱酸性カチオン交換樹脂(以下弱型カチオン
樹脂と称す)、又同様に強塩基性アニオン交換樹脂(以
下強型アニオン樹脂と称す)と弱塩基性アニオン交換樹
脂(以下弱型アニオン樹脂と称す)とをたくみに組合
せ、通水を弱型から強型へと行い、再生を強型から弱型
に行うことによって、単一の樹脂を用いる場合に比べ、
更に再生剤が節約できる。
【0003】向流式には下降流通水・上昇流通薬を行う
ものと、上昇流通水・下降流通薬を行うものにわけられ
る。何れの方式においても向流式の特長を発揮するには
上昇流の工程中、即ち下降流通水・上昇流通薬方式にお
いては通薬時に、上昇流通水・下降流通薬方式において
は通水時に、イオン交換樹脂を固定層に維持する必要が
ある。上昇流通水・下降流通薬方式は、通水の中断によ
り固定層が、すなわちイオン交換帯が乱れ、処理水質が
悪化し易い。また、通水中にイオン交換樹脂に蓄積した
懸濁物質の排出に、逆洗のための樹脂の移送工程等に特
別の操作が必要である。一方、下降流通水・上昇流通薬
方式では通水の中断による水質悪化は生じないため、採
水時にON−OFF運転が自由にできるメリットがあ
る。また、弱型イオン交換樹脂、及び強型イオン交換樹
脂を使用した複層床では、弱型イオン交換樹脂の方が比
重が小さく、上昇流通水・下降流再生方式では樹脂塔内
部を物理的に仕切らないと複層床を適用できないのに対
し、下降流通水・上昇流通薬では物理的な仕切(中間隔
壁)が無くても、比重差により2層に分離できる特徴が
ある。
【0004】しかし、下降流通水、上昇流通薬方式を物
理的仕切(中間隔壁)無しで、実施する場合、下記の問
題点がある。 (1)カチオン塔は、〔弱型カチオン樹脂+強型カチオ
ン樹脂〕、アニオン塔は、〔弱型アニオン樹脂+強型ア
ニオン樹脂〕の組合せで使用することになる。弱型と強
型の比重の差は再生形ではかなりあるため再生形での分
離は可能である。 <各樹脂の比重例> 弱型カチオン樹脂 : 1.13〜1.18 強型カチオン樹脂 : 1.25〜1.30 弱型アニオン樹脂 : 1.04 強型アニオン樹脂 : 1.08〜1.10
【0005】しかし、塩形、あるいは弱型アニオン樹脂
が有機物を吸着すると比重差がほとんどなくなり、弱型
と強型の混合が進み、ついには処理水質不良、採水量が
とれない等の問題が生じる。この対策として、下記の方
法が提案されている。 従来の粒径分布の広い樹脂にかわって粒径分布のせ
まい樹脂(均一粒径が好ましい)を用い、かつ強型イオ
ン樹脂は粒径が大きく、弱型イオン樹脂は粒径が小さい
ものを採用し、分離を良くする。 再生は一般的には図2の如く、弱型イオン交換樹脂
8の上部に中間集水管26を配して、中間集水管下部の
樹脂を塔上部から弁27を開として、加圧水又は加圧空
気を導入して固定層とし、上昇流で通薬していく。そし
て、再生廃液排出弁25を開として再生廃液を排出して
いく。
【0006】(2)イオン交換樹脂は再生剤に接触する
と収縮する傾向が有り、特に上昇流通薬時に弱型イオン
交換樹脂では著しい。この収縮現象は主に弱型イオン交
換樹脂が再生されやすいため、イオン形が塩形から再生
形(R−H、R−OH)に、急激に変換するためであ
る。塩形と再生形の体積変化の例を表1に示す。
【表1】
【0007】強型イオン交換樹脂は塩形では小さく、再
生形では体積を増す。反対に弱型イオン交換樹脂では再
生形で小さく塩形になると体積を増す。すなわち再生
時、強型イオン交換樹脂では再生液による若干の収縮、
又、再生されにくい性質を加味しても一般的に再生後は
再生前の4〜10%程度は膨潤する方向にある。しか
し、弱型イオン交換樹脂では、再生されやすいため、塩
形から再生形へほぼ100%近く変換するため通水する
原水のイオン構成によっても異なるが、その体積は一般
に再生後は再生前の約20〜30%体積が減少してしま
う。
【0008】一方、採水時は弱型イオン交換樹脂は再生
形から塩形へ変換していくため、その体積は膨潤してい
き、樹脂層の圧密化が生じやすい。強型イオン交換樹脂
は反対に体積収縮方向となるため、圧密化は生じにくい
と言ってよい。以上に述べた如く、弱型イオン交換樹脂
のイオン形の変化が再生時に大きく、かつ急激に生ずる
ため、弱型と強型の分離界面付近では空隙ができやすく
なり、樹脂の一部が流動化し、再生剤の不均一分散(チ
ャネリング)の危険が増してくる。そして処理水質の悪
化を招くことが多い。
【0009】(3)(2)で述べた問題点を解決するた
め、従来いろいろの工夫がされてきた。イオン交換樹脂
の収縮による流動化を防止し、再生剤の均一分散を達成
するため、 通薬途中で通薬を中断し、収縮したイオ
ン交換樹脂を沈静させてから通薬を再開することを何回
か繰り返す方法、 低濃度の再生剤を低流速で通薬す
ることにより、収縮の影響を軽減する方法、 上部か
ら導入する加圧水、又は空気量を増す方法が提案されて
いる。これらの方法によって、イオン交換樹脂層の流動
化は一応防止できている。しかし、再生操作の複雑化に
よる再生時間の延長、再生廃液量の増加、装置そのもの
の複雑化、再生コストの増加、等の不利益が生じてい
る。
【0010】(4)図2に示すように、中間集水管26
を設置したものでは、中間集水管26上部の非有効樹脂
28は毎回逆洗しており、中間集水管26下部の樹脂は
通常の再生時は逆洗しない。しかし、この状態で運転を
つづけると懸濁物質の蓄積、及び樹脂粒子の圧密化が生
じるので通常〔再生−採水〕7〜20回に1回程度の割
合で下部からイオン交換樹脂全層を逆洗している。全層
を逆洗した場合にはイオン交換帯が乱れるため、通常再
生の2〜2.5倍の再生剤量が必要となる。そして、弱
型イオン交換樹脂を大部分再生した条件で逆洗分離し、
初期の弱型と強型が十分に分離した条件に戻す必要があ
る。
【0011】(5)しかし前述の如く、(再生−採水)
の工程が進むにつれて、特に塔径が大きい程、弱型と強
型の混合が進み、通薬時のチャンネリング、処理水質の
悪化、採水量の不足を生じることが多い。これを避ける
ため、設計当初から混合することを考慮して必要量の2
0〜30%増しの樹脂を充填しておくことも多い。すな
わち、このような方式は塔径が大きくなる程不適となり
採用できないのが実状である。 (6)中間集水管26が樹脂層内にあるため、採水時の
圧力損失等による繰り返し荷重によって破損事故の生ず
ることもある。
【0012】(7)塔内に中間隔壁を設ける方法は、上
昇流通水・下降流通薬を行う向流式イオン交換塔におい
て実用化されている。この方式において、図3に示す如
く、基本的に塔は中間隔壁2を2つ設けて、塔を3室に
分割する。下部室21は弱型イオン交換樹脂8が充填さ
れ、中間室29、及び上部室22は強型イオン交換樹脂
5が充填されている。そして、3室とも不活性樹脂30
を有している。下部室21の弱型イオン交換樹脂8は、
ある程度流動層条件で利用され、懸濁物質の蓄積は少な
い。中間室29もある程度の流動層条件で通水するた
め、フリーボード33を有している。上部室22は、強
型イオン交換樹脂5が充満充填されて固定層となってい
る。上部室22を逆洗しようとする時は、同一の樹脂が
入っている中間室29のフリーボード33に樹脂を移送
し、逆洗用のフリーボードを確保して逆洗する。
【0013】そして、逆洗終了後再び樹脂を中間室29
から上部室22へ再移送し、充満状態とする。このよう
な塔の設計条件、運転条件では下記のデメリットが生じ
ている。 a)塔内構造が複雑である。 b)塔高が高くなる。 c)上部室と中間室を樹脂が移送、再移送されるため再
生にその分、時間を要する。この方式の逆洗時の再生時
間は通常5〜6時間である。又、樹脂移送に伴う配管、
弁も必要であり、樹脂の摩耗も生じやすい。 d)中間隔壁として用いる、0.2〜0.5mmスリッ
ト付ノズルが懸濁物質等によってつまり易い。以上、述
べた如く、上昇流通水、下降流通薬方式は再生効率はよ
いが装置が複雑で、かつ維持管理上のデメリットが多
い。一方、下降流通水、上昇流通薬方式において、中間
隔壁なしで弱型と強型のイオン交換樹脂を同一塔内で使
用することは、現状では塔径が大きくなる程安定した運
転を達成することは、かなり困難であることが明白にな
ってきた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、下降流通水
・上昇流通薬方式を改良し、前記の問題点、即ち再生時
間の延長、再生廃液量の増加、弱型と強型イオン交換樹
脂の混合、通薬時の諸問題、及び装置・再生操作の複雑
化等を解決し、シンプルでコンパクトなイオン交換塔を
用いて短時間に再生でき、かつ安定した運転のできる向
流式イオン交換塔の再生方法を提供することを目的す
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、イオン交換塔を、中間部付近に水は通
すがイオン交換樹脂は通さない中間隔壁を設けて下部室
と上部室の2室に分け、下部室には強型イオン交換樹
脂、上部室には弱型イオン交換樹脂を充填し、下部室の
フリーボードを2〜15%、上部室のフリーボードを1
0〜30%で下部室より大きくし、更に各々のフリーボ
ードの上部に比重1.0以下の不活性樹脂を充填した、
下降流通水、上昇流通薬の向流式イオン交換塔の再生方
法において、下記(a)〜(e)の工程を順次行い樹脂
を再生することとしたものである。 (a)塔下部に設けた下部集水装置からの高流速逆洗に
よりイオン交換樹脂の大部分を不活性樹脂に押しつけ、
通水時に蓄積した懸濁物質を不活性樹脂を経由して塔上
部に設けた上部集水装置から排出すると共に、イオン交
換樹脂の固定層を形成する高流速逆洗工程、(b)高流
速逆洗工程より低速で且つ、(a)で形成された固定層
を維持するに必要な流速で再生剤を下部集水装置から上
昇流で通薬する通薬工程、(c)大部分の前記固定層を
維持できる流速で下部集水装置から処理水を上昇流で通
水し、残留する再生剤を有効に利用する押出工程、
(d)中間隔壁の下から原水又は処理水を低流速で導入
し、上部室のみを逆洗する低流速逆洗工程、(e)上部
集水装置から下降流で通水して、洗浄する洗浄工程。
【0016】前記再生方法において、(d)の低流速逆
洗工程後に再度、懸濁物質を上部集水装置から排出する
ため、前記(a)の高流速逆洗工程を下部集水装置、又
は中間隔壁の直ぐ下から行う。ついで、上部集水装置か
ら水を導入し、下部集水装置の洗浄排水弁を開として、
水の下降流を用いて、形成された固定層を塔下部に移動
させる樹脂移動工程を実施してもよい。また、前記
(d)の低流速逆洗工程において、下部集水装置に接続
する洗浄排水弁を開として短時間、原水又は処理水を強
型イオン交換樹脂に通水して、固定層となっている強型
イオン交換樹脂を塔下部に移動させてもよい。また、本
発明においては、採水終了後、懸濁物質の捕捉、又は圧
密化のため圧力損失の増大した弱型イオン交換樹脂の充
填されている上部室のみを中間隔壁の直ぐ下から原水又
は処理水を導入し、低流速逆洗を行い、弱型イオン交換
樹脂をほぐす工程を行い、次いで前記した再生方法を行
うこともできる。この場合、前記(c)の押出工程後に
高流速逆洗工程を行うが、懸濁物質が少ない場合はこの
高流速逆洗工程を省いてもよい。このように、本発明に
おいては、中間隔壁を設け、弱型イオン交換樹脂を上部
室に、強型イオン交換樹脂を下部室に充填し、両樹脂の
混合する条件を全くなくした塔構造として、本発明の好
適な再生工程を適用することによって従来法の諸問題を
解決している。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施態様例を図
1によって詳細に説明する。本発明ではイオン交換塔の
上下に集水装置3,4を設け、イオン交換塔1の中間部
付近に水は通すがイオン交換樹脂5,8は通さない中間
隔壁2を設け、下部室21と上部室22の2室に分け
る。下部室21には、下部集水装置4の上部に強型イオ
ン交換樹脂5を充填し、その上に若干のフリーボード6
を介して強型イオン交換樹脂5より大粒径で、かつ強型
イオン交換樹脂を保持できる大きさで比重1.0以下の
不活性樹脂7を100〜400mm充填する。上部室2
2も同様に中間隔壁2の上部に弱型イオン交換樹脂8、
若干のフリーボード9を介して不活性樹脂10を充填す
る。上下の集水装置3,4はノズル付きの多孔板方式で
も、又は多孔管方式でもかまわない。中間隔壁2は0.
5mm程度のスリットを有するノズル付多孔板、又は材
質としてSUS316等のフラットなスクリーンでもよ
い。
【0018】上部集水装置3には原水流入弁11、再生
廃水排出弁12、下部集水装置4には処理水流出弁1
3、逆洗水流入弁14、再生剤兼押出水流入弁15、洗
浄排水弁16が接続し、又空気抜弁23も塔頂部に設け
られている。又、イオン交換塔壁には、イオン交換樹脂
量、不活性樹脂量を調整できるように手動ボール弁1
7、弁18、弁19、弁20が設けられている。サイト
グラス、マンホール等は適宜適切なところに設けられ
る。サイトグラスは少なくとも弁17、弁18、弁1
9、弁20で樹脂面を調整できる位置に設ける。又マン
ホールは好ましくは塔頂部、塔最下部、下部室21、上
部室22の樹脂面近くに設けるのが好ましい。従来の中
間集水管を持つタイプの向流式は、図2に示すように通
常75〜100%の逆洗用フリーボード33を持つ必要
がある。樹脂を充満充填するタイプの向流式ではフリー
ボードはもたないが、別に逆洗塔を有する必要があるこ
と等、従来の向流式では、装置構成、配管及び運転方式
が複雑となっている。又、塔内の容積はフリーボードが
大きい分、有効に活用されていない。
【0019】本発明で用いるイオン交換塔においては、
中間隔壁2を要するがフリーボード6,9が従来より、
はるかに小さくでき、不活性樹脂7,10を加えても塔
内の容積は有効に活用されて、塔高が低くなり、コンパ
クトなものとなっている。本発明の構成において重要な
のは、フリーボード6及び9をいくらにするかである。
本発明において、下部室21の強型イオン交換樹脂5を
充填するフリーボード6は実験の結果、強型カチオン樹
脂、強型アニオン樹脂ともに、各樹脂の最大膨潤時すな
わち再生形充填時の2〜15%とする。好ましくは2〜
8%程度と小さくてよい。このフリーボード6を最大膨
潤した時より小さくとってしまうと最も膨潤した時、す
なわち2〜3倍量の再生を行い、再生形が増した時や、
再生形の樹脂を使用し、交換補給する場合に不都合が生
じる2〜15%の余裕があると維持管理しやすく、かつ
樹脂の膨潤圧が万一にも塔自体にかからないようにし、
塔自体の破壊及び樹脂自体の破砕の危険を避けることが
できるのである。
【0020】本発明においては押出終了後、上部室の低
流速逆洗時の初期に1〜3分間の短時間、洗浄排水弁1
6を開として不活性樹脂7に押しつけられていた強型イ
オン交換樹脂5の固定層をイオン交換帯の乱れを小さく
するべく、原水又は処理水を用いて、下降流によって、
下部室21の下方に移動させてしまう。この移動距離が
短い程、すなわちフリーボード6の割合が小さい程、イ
オン交換帯の乱れは小さい。本発明の如く、強型イオン
交換樹脂5を強制的に下方に移動させないで樹脂を自由
沈降させると、フリーボードが大きい程、又、塔径が大
きい程イオン交換帯の乱れは大きく処理水質の悪化、採
水量不足の危険が増して、運転の安定性に欠けることに
なる。このように強制的に強型イオン交換樹脂5を移動
させると通薬工程、押出工程で膨潤した分、樹脂の圧密
化(圧力損失の増大につながる)が解消しない心配があ
る。しかし、実験の結果、実用的な塔径の大きい、50
0φ以上の場合、充填層高Lと塔径Dの比L/Dが2〜
3以下であれば、押出工程終了時において、樹脂の膨潤
による圧密化は、全く生じないことがわかった。
【0021】これは下記の理由によると思われる。本発
明で実施する高流速逆洗工程で形成された固定層を維持
する程度の低流速で通薬工程、押出工程を実施するた
め、この強型イオン交換樹脂の膨潤分の体積は、樹脂が
下方に落下する力も作用することによって、塔の横方向
でなく下方に向かっていくため膨潤圧は開放されていく
ものと考えられる。前述した強型イオン交換樹脂5のフ
リーボード6の好ましい値、2〜8%は実用上、樹脂再
生後の再生形が多く、塩形の少ない条件下においても、
押出工程終了時等において弁の故障等により水が停止
し、樹脂が自由落下し、下部室にゆるやかに充填された
場合でも余裕をもった値であり、故障の点検、強型イオ
ン交換樹脂5、不活性樹脂7等のレベル点検及び交換補
給しやすい条件の値である。本発明の上部室22には弱
型イオン交換樹脂8が充填される。最も問題となるのは
原水が最初に流入するカチオン塔の弱型イオン交換樹脂
8のフリーボード9をいくらにするかである。
【0022】弱型カチオン樹脂の体積変化は樹脂の種類
や、負荷イオン形によってかなり異なっている。 <イオン形の体積変化例> R−H → R−Ca : + 5〜+15% R−H → R−Na : +40〜+55% それ故、原水のイオン構成も考慮して、そのフリーボー
ドをきめる必要がある。弱型カチオン樹脂8は、原水の
硬度(Ca+Mg)がM−アルカリ度より大きい場合、
採水終了時のイオン形は大部分〔R−Ca+R−Mg〕
となり、一部にR−Na、及び再生形(R−H)がふく
まれる。又、原水の硬度がM−アルカリ度より小さい場
合、原水の硬度分はすべてR−Ca、R−Mgになる
が、〔Mアルカリ度−硬度〕分に相当するNaHCO3
もイオン交換するため、R−Naもかなり生成する。こ
の場合、原水のイオン組成及び1サイクルの各々のイオ
ンの負荷量によって、R−Ca、R−Mg、R−Na、
未利用のR−Hの生成量がきまる。
【0023】それ故、弱型カチオン樹脂8のフリーボー
ド9は1サイクルの採水終了時の圧密をなくした条件で
の原水水質に対応する平均膨潤体積を基準とし、それに
水質変動すなわち採水終了時の負荷イオン形、各イオン
形の生成量を考慮して採水終了後の平均膨潤体積よりも
若干、大きくした値を基準最大膨潤体積とする。このよ
うにして、きめた基準最大膨潤体積の10〜30%、好
ましくは10〜20%を実際のフリーボード9とする。
そして1サイクルの採水終了時の樹脂レベルをチェック
し、前記の如き10〜20%のフリーボード9が確保さ
れていることを定期的に確認することが重要である。そ
して、本発明においては、広い対応力を持つように毎サ
イクル上部室を逆洗し、弱型カチオン樹脂8に捕捉した
懸濁物質、あるいは樹脂自体の圧密化を解消するように
している。例えば濁度として0.5〜3度程度が流入し
たり、25〜45m/hの高流速採水を行う場合、イオ
ン形は再生形から原水のイオン組成に応じて一定の塩形
に変換するため、膨潤する方向となり、圧密化しやす
い。そのことによって、流入する懸濁物質は表層より4
00〜600mm程度まで入り込むが、それ以上に深く
入り込む量は極くわずかであることがわかっている。し
たがって、下部室21の強型カチオン樹脂5まで入り込
む量は極くわずかである。
【0024】採水終了後、上部室22の弱型カチオン樹
脂8を毎サイクル逆洗し、捕捉した懸濁物質を排出し、
圧密化を解消することは、安定した運転を行う上で、必
要不可欠であると言ってもよい。この逆洗を本発明では
通薬、押出工程終了後の弱型カチオン樹脂8を再生形と
し、体積を最も小さくした条件、すなわちフリーボード
9を最も大きくした条件で実施するのである。この時の
フリーボード9の割合は例えば表2の如くである。
【表2】
【0025】このように再生形になった場合はかなり、
フリーボードに余裕があり、水温、樹脂の種類、イオン
形の割合にもよるが、LV5〜10m/hの低流速逆洗
工程を5〜15分間行い、圧密化の解消、懸濁物質の排
出を行う。逆洗水は原水又は処理水を用い中間隔壁2の
直ぐ下に設けた逆洗水導入管34の低流速逆洗弁24を
開として行う。塔径が小さい場合は逆洗水導入管34を
設けず、直接塔壁に接続した配管に設けた低流速逆洗弁
24を開として行ってもよい。そして、すべて弁を閉と
した沈静工程を行った後、原水流入弁11、洗浄排水弁
16を開として洗浄工程を行う。この低流速逆洗工程に
よって、充分懸濁物質が排出できない時は、更にその
後、再生廃水排出弁12、低流速逆洗弁24を開とし
て、水量を増してLV16〜26m/h以上の上部室の
みの高流速逆洗工程を2〜3分間行ってもよい。
【0026】又は、塔下部の集水装置4から、逆洗水流
入弁14を開として行ってもよい。この場合は、逆洗水
として処理水を使用する。この塔下部から高流速逆洗工
程を行うことは強型カチオン樹脂5、不活性樹脂7に蓄
積した懸濁物質、あるいはこれら樹脂の破砕したものの
排出に役立つ。再生時間は若干長くなるが、運転は更に
安定したものとなる。こうした上部室22、下部室21
ともに高流速逆洗工程を行った時はその後、原水流入弁
11、洗浄排水弁16を開として、固定層となった弱
型、強型イオン交換樹脂5、8を水の下降流によって再
度塔下部に固定層を形成させる全樹脂下方移動工程が必
要になる。この工程は0.5〜2分間で終了するため、
塔頂部の空気抜弁23、洗浄排水弁16を開として行っ
てもよい。そしてその後洗浄工程を行う。
【0027】アニオン塔の弱型アニオン樹脂8の場合も
そのフリーボード9は、弱型カチオン樹脂と同様に、原
水のイオン組成とその負荷量によって異なってくる。弱
型アニオン樹脂8は一般に脱炭酸塔後の酸性軟水を原水
として用いられることが多いので、その負荷イオン形は
R−Cl、R−SO4 を主体とする。 又、R−HCO3 形では弱型カチオン樹脂と同様のかな
り大きい膨潤率を示す樹脂もある。そして、脱炭酸塔を
設けないでHCO3 - 、CO2 を負荷させる装置もあ
る。したがって、弱型カチオン樹脂と同様に圧密をなく
した条件での1サイクルの採水終了後の平均膨潤体積を
基準としてそれに水質変動、すなわち採水終了時の負荷
イオン形、各イオン形の生成量を考慮して採水終了時の
平均膨潤体積よりも若干、大きくした値を基準最大膨潤
体積とするのがよい。
【0028】このようにしてきめた基準最大膨潤体積の
5〜30%、好ましくは10〜20%を実際のフリーボ
ード9としておく。そして、定期的に1サイクルの採水
終了時の樹脂レベルをチェックし、適正にフリーボード
9が保たれていることを確認することが重要である。そ
して、弱型アニオン樹脂8の場合、弱型カチオン樹脂の
場合と異なり、懸濁物質の流入は極くわずかであるた
め、採水終了後の圧密化の解消が主な目的となる。この
目的のため、弱型カチオン樹脂と同様にLV4〜8m/
hで5〜10分間程度の低流速逆洗工程を行う。そし
て、その後はカチオン塔と同様上部室22の沈整工程、
つづいて上部室22、下部室21の洗浄工程を行えばよ
い。又、必要に応じ、再度の高流速逆洗工程を行う。本
発明においては、更に採水終了後に、上部室22の弱型
イオン交換樹脂8の圧密化解消を主体に前記低流速逆洗
工程を行い、その後本発明の基本工程を行っても、懸濁
物質の排出とともに充分に高い再生効率が得られる。
【0029】この場合、弱型カチオン樹脂については、
圧密化解消とともに捕捉した懸濁物質の上方への移行、
排出の目的のため、採水終了後の平均膨潤体積の10〜
30%、好ましくは15〜30%のフリーボードが得ら
れるように弱型カチオン樹脂8、不活性樹脂10の量を
調整する。そして、LV4〜8m/hの低流速逆洗5〜
10分間を行う。ついで、沈整工程を5分程度行う。こ
の場合、フリーボード割合が小さいかめ充分な逆洗流速
がとれなく、圧密化の解消を主体にするが、懸濁物質へ
の上方への移行もなされる。懸濁物質の排出は、主にそ
のあとの工程である高流速逆洗工程を行うことによって
達成される。弱型アニオン樹脂についても弱型カチオン
樹脂と同様のフリーボードとし、LV3〜6m/hの低
流速逆洗を5〜10分間行い、樹脂の圧密化を解消す
る。そして、カチオン塔と同様に再生していく。更に、
これら上部室22の低流速逆洗工程を効果的にするた
め、逆洗水に空気を混入させ、充填されている弱型イオ
ン交換樹脂を空気スクラビング状態とさせた後、通常の
低流速逆洗工程を行ってもよい。
【0030】本発明で使用する不活性樹脂の材質は、比
重1.0以下の例えばポリプロピレン等で、再生剤の残
留性のない、洗浄しやすい、かつイオン交換樹脂の膨潤
圧をある程度吸収できる、弾力性のある材質、形状であ
ればよい。その粒径は、捕捉した懸濁物質が排出しやす
いように、イオン交換樹脂の有効径は通常、0.65m
m程度であるので、その2〜8倍程度であればよい。す
なわち、不活性樹脂の粒径としては上部室22、下部室
21ともに、概略1.0〜5.0mmφのものを、好ま
しくは、2〜4mmφ程度のものとするのがよい。この
粒径が小さすぎると、捕捉した懸濁物質の排出が困難と
なる。又、大きすぎると、上昇流の通薬時、押出時等に
イオン交換樹脂5、8が不活性樹脂7、10を通り抜
け、上部集水装置3の集水口(スリット)を防ぎ、設定
流量が流れにくくなる。
【0031】又、不活性樹脂7、10の層高は、100
〜400mmでよいが、塔径が大きい場合、不活性樹脂
層が均一にフラットになるかどうか考慮し、大き目に設
定しておく。しかし、この層高が大きすぎると、高速逆
洗時の懸濁物質の排出がしにくくなるので注意する。不
活性樹脂自体も、破砕することによって目詰まりの原因
となるので、定検時毎に不活性樹脂全量を排出し、塔内
点検し破砕、粉化した不活性樹脂を除去して、再充填す
ることも考慮しておく必要がある。本発明における高流
速逆洗工程時の懸濁物質の排出状況は従来法とは全く異
なる。原水からの懸濁物質は、大部分カチオン塔の負荷
となりアニオン塔の負荷となることは極めて少ないた
め、代表的にカチオン塔での実施例を示す。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例で具体的に説明する。 実施例1 内径300φ×2460H(胴長)のイオン交換塔に、
強型カチオン樹脂としてダウエックスHCR−W2を下
部室にR−H形で1065mm、中間隔壁を介して弱型
カチオン樹脂としてレバチットCNP−80を上部室に
R−H形で675mm(R−Ca形で740mm)充填
した。下部室のフリーボードは65mm(R−H形に対
して6.1%)、不活性樹脂はポリプロピレン製の2.
5〜3.5mmの粒状のものを層高で150mm充填し
た。
【0033】上部室のフリーボードは260mmとし、
下部室と同一の不活性樹脂を150mm充填した。この
イオン交換塔に粉末イオン樹脂14mg/リットル、カ
オリンを1mg/リットル添加した遊離塩素を消した水
道水を1200リットル/hで2.5時間通水した。そ
して、通水後、LV28m/hで3分間高速逆洗を行っ
た。この条件での効果例を図4に示す。逆洗廃水量は約
100リットルであり、高速逆洗20〜40秒後には、
懸濁物質の値は最大5000mg/リットル以上を示し
た。その後急速に低下し2分後には10mg/リットル
以下となった。トータルの懸濁物質の除去率は90〜9
9%が得られた。
【0034】比較例1 実施例1と同一のカラムに中間隔壁なしで強型カチオン
樹脂としてダウエックス、HGR−W2をR−H形で1
064mm、弱型カチオン樹脂としてレバチットCNP
−80をR−H形で675mm充填した。そして、この
イオン交換塔上部に300φ×1000Hの逆洗塔を設
けた。実施例1と同一の条件で懸濁物質を負荷させた
後、LV13m/hで15分間の通常の逆洗を行った。
この条件での逆洗排水中の懸濁物濃度の変化を図5に示
す。通常の逆洗によっても懸濁物質はトータルとして9
0〜97%除去されている。しかし、逆洗排水量は23
0リットル/cと多く、かつ逆洗排水中の懸濁物質濃度
も逆洗2〜3分後に340mg/リットル程度になる
が、実施例1に比べかなり低い。そしてその後の低下も
ゆるやかで15分後でも60mg/リットル前後を示し
た。
【0035】高流速逆洗法は従来法に比べ短時間で懸濁
物質の排出が可能であることがわかった。逆洗排水量も
約1/2と少なくなった。本発明の再生工程を代表的に
まとめると表3の如くである。表3に示したB法におい
て、上部室低流速逆洗工程後、6工程の上部室沈整を省
いて直ちに7工程高流速逆洗を行ってもよい。同様にC
法においても2工程の上部室沈整を省いて直ちに高流速
逆洗を行ってよい。これは前の工程の上部室低流速逆洗
によって懸濁物質の上方への移行、又弱型樹脂の整粒化
が進んでおり、わざわざ沈整工程を行う必要性が小さい
からである。
【0036】
【表3】
【0037】純水装置においては、カチオン塔の洗浄後
にカチオン塔の処理水(酸性軟水)を用いてアニオン塔
の洗浄を行っている。それ故、トータルとしては表3の
再生時間より10〜15分長くなる。それ故、本発明に
よる再生時間はトータルとして概略90分〜140分程
度である。従来の中間集水管を用いる方式が、150〜
200分と長いのに比較してかなり短縮されている。上
昇流通水、下向流通薬方式が通常時、90〜150分、
全逆洗時300〜360分かかるのにくらべても、本発
明方法においては毎サイクル、再生しやすい上部室の弱
型イオン交換樹脂を全逆洗し、下部室の再生しにくい強
型イオン交換樹脂を全逆洗する必要性のない再生工程と
しているため、常に一定の短時間再生となっている。再
生効率は毎サイクル、弱型イオン交換樹脂を全逆洗して
も、弱型イオン交換樹脂は再生し易いことから常に80
〜90%以上の値が得られる。
【0038】実施例2 表3のA法を用いて実施した。内径1200φ×250
0H(胴長)のイオン交換塔の下部室に、強型カチオン
樹脂としてHCR−W2をR−H形で1065mm、ノ
ズル付中間隔壁を介した上部室に、弱型カチオン樹脂と
してレバチットCNP80をR−H形で675mm充填
した。 上下の集水装置:ノズル付多孔板方式 フリーボード :上部室 24%(採水終了時平均膨潤体積の層高750mm に対して) 下部室 6.1%(再生形に対して) 不活性樹脂 :ポリプロピレン製2.5〜3.5mmφ 上部室 190mm 下部室 190mm 再生レベル :74g/リットル−R(強型カチオン樹脂R−Na)
【0039】 原 水 :河川水 凝集ろ過水 処理濃度:0.5度以下 表4に原水イオン組成を示す。
【表4】
【0040】表5に再生工程(カチオン塔)の処理条件
を示す。
【表5】
【0041】 〔結 果〕 1)採水時間 : 18.8時間、採水 30m3 /h 2)採水量 : 564m3 /c アニオン塔出口 エンドポイント:5μS/cm 3)再生効率 : 88.5% 4)処理水質 : 0.2〜5.0μS/cm 5)再生時間 : 84分 6)上部室の低流速時フリーボード% : 約35%
【0042】実施例3 表3のB法を用いて下記の如く実施した。実施例2のイ
オン交換塔を用い、原水に河川底泥の懸濁物質を濁度と
して0.5度〜2度の範囲で注入した。表6に再生工程
(カチオン塔)の処理条件を示す。
【表6】
【0043】 〔結 果〕 1)採水時間 : 18.7時間、採水 30m3 /h 2)採水量 : 561m3 、 アニオン塔出口 エンドポイント:5μS/cm 3)再生効率 : 88.1% 4)処理水質 : 0.2〜5.0μS/cm 5)再生時間 : 87分 6)上部室の低流速時フリーボード% : 約35% 7)圧力損失の上昇はサイクルが進んでも見られなかった。
【0044】実施例4 実施例3の条件で表3のC法を行った。表7に再生工程
(カチオン塔)の処理条件を示す。
【表7】
【0045】 〔結 果〕 1)採水時間 : 18.7時間、採水 30m3 /h 2)採水量 : 561m3 、 アニオン塔出口 エンドポイント:5μS/cm 3)再生効率 : 88.1% 4)処理水質 : 0.2〜5.0μS/cm 5)再生時間 : 83分 6)上部室の低流速時フリーボード% : 約24% 7)圧力損失の上昇はサイクルが進んでも見られなかった。
【0046】実施例5 実施例4の条件で上部室低流逆洗工程後、上部室沈整工
程を省いて直ちに純水を用いて下部室水装置から高流速
逆洗工程を行った。すなわち表7において2工程目の上
部室沈整を省いて実施した。 〔結 果〕実施例4と同一の結果が得られた。再生時間
は78分であった。
【0047】実施例6 実施例4の処理水を脱炭酸し、原水としてアニオン塔に
通水し、その性能を表3のC法について確認した。 塔 : 内径1300φ×3500(胴長) 中間隔壁あり 上下の集水装置 : ノズル付多孔板方式 上 部 室 : 弱型アニオン樹脂、ダウエックスMWA−1 R−OH形で1500リットル充填した。 フリーボード:R−OH:30.6%(350mm) R−Cl: 25 %(350mm) 不活性樹脂 : 190mm 下 部 室 : 強型アニオン樹脂、マラソンA R−OH形で1500リットル充填した。 フリーボード:約6.1%(70mm) 不活性樹脂 : 190mm 再生剤量 : 72kg/C 100%NaOH 再生レベル : 56.2g/リットル−R(強型アニオン樹脂 R−Cl) 表8に再生工程(アニオン塔)の処理条件を示す。
【0048】
【表8】
【0049】 〔結 果〕 1)採水時間 : 18.7時間、採水 30m3 /h 2)採水量 : 561m3 、 アニオン塔出口 エンドポイント:5μS/cm 3)再生効率 : 89.7% 4)処理水質 : 0.2〜5.0μS/cm、 シリカ 0.01〜0.03mg/リットル 5)再生時間 : 102分 6)上部室の低流速時フリーボード% : 約25% 7)圧力損失の上昇はサイクルが進んでも見られなかった。 8)カチン塔でのブレークであり、アニオン塔は更に採水できる状態であった。
【0050】
【発明の効果】本発明を水は通すがイオン交換樹脂は通
さない中間隔壁によって、イオン交換塔を2室に分け
て、下部室に強型イオン交換樹脂、上部室に弱型イオン
交換樹脂を充填し、下部室のフリーボードを再生形の2
〜15%、上部室のフリーボードを採水終了後の基準最
大膨潤体積の10〜30%と大きくし、上部室の弱型イ
オン交換樹脂を毎サイクル、再生後、又は再生前に逆洗
する表3に代表される再生工程を下降流通水、上昇流再
生方式の向流式イオン交換塔に適用する。この本発明の
再生方法によって、中間隔壁を有しない、中間集水装置
を有する従来法の欠点である、再生時間の延長、再生廃
液量の増加、弱型、強型イオン交換樹脂の混合、及び装
置・再生操作の複雑化が解消され、短時間再生、再生コ
ストの低減、安定した運転を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様の1例を示すイオン交換塔の
概略構成図。
【図2】中間集水方式を用いた従来法の一例を示す概略
構成図。
【図3】上昇流通水、下降流再生の従来法の一例を示す
概略構成図。
【図4】逆洗排水中の懸濁物質濃度の経時変化を示すグ
ラフ。
【図5】比較例における逆洗排水中の懸濁物質濃度の経
時変化を示すグラフ。
【符号の説明】
1:イオン交換塔、2:中間隔壁、3:上部集水装置、
4:下部集水装置、5:強型イオン交換樹脂、6:下部
室フリーボード、7:下部室不活性樹脂、8:弱型イオ
ン交換樹脂、9:上部室フリーボード、10:上部室不
活性樹脂、11:原水流入弁、12:再生廃水排出弁、
13:処理水流出弁、14:逆洗水流入弁、15:再生
剤兼押出水流入弁、16:洗浄排水弁、17:強型イオ
ン交換樹脂量調整弁、18:下部室不活性樹脂量調整
弁、19:弱型イオン交換樹脂量調整弁、20:上部室
不活性樹脂量調整弁、21:下部室、22:上部室、2
3:空気抜弁、24:低流速逆洗弁、25:再生廃水排
出弁、26:中間集水装置、27:加圧水導入弁、2
8:非有効樹脂、29:逆洗水導入弁、30:不活性樹
脂、31:樹脂移送弁、32:樹脂移送用水弁、33:
フリーボード、34:逆洗水導入管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−127047(JP,A) 特開 平7−232091(JP,A) 特開 昭55−56841(JP,A) 特公 昭55−33941(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 49/00 C02F 1/42

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン交換塔を、中間部付近に水は通す
    がイオン交換樹脂は通さない中間隔壁を設けて下部室と
    上部室の2室に分け、下部室には強型イオン交換樹脂、
    上部室には弱型イオン交換樹脂を充填し、下部室のフリ
    ーボードを2〜15%、上部室のフリーボードを10〜
    30%で下部室より大きくし、更に各々のフリーボード
    の上部に比重1.0以下の不活性樹脂を充填した、下降
    流通水、上昇流通薬の向流式イオン交換塔の再生方法に
    おいて、下記(a)〜(e)の工程を順次行い樹脂を再
    生することを特徴とする向流式イオン交換塔の再生方
    法。 (a)塔下部に設けた下部集水装置からの高流速逆洗に
    よりイオン交換樹脂の大部分を不活性樹脂に押しつけ、
    通水時に蓄積した懸濁物質を不活性樹脂を経由して塔上
    部に設けた上部集水装置から排出すると共に、イオン交
    換樹脂の固定層を形成する高流速逆洗工程、(b)高流
    速逆洗工程より低速で且つ、(a)で形成された固定層
    を維持するに必要な流速で再生剤を下部集水装置から上
    昇流で通薬する通薬工程、(c)大部分の前記固定層を
    維持できる流速で下部集水装置から処理水を上昇流で通
    水し、残留する再生剤を有効に利用する押出工程、
    (d)中間隔壁の下から原水又は処理水を低流速で導入
    し、上部室のみを逆洗する低流速逆洗工程、(e)上部
    集水装置から下降流で通水して、洗浄する洗浄工程。
  2. 【請求項2】 前記(d)の低流速逆洗工程後に再度、
    懸濁物質を上部集水装置から排出するため、前記(a)
    の高流速逆洗工程を下部集水装置、又は中間隔壁の直ぐ
    下から行い、ついで、上部集水装置から水を導入し、下
    部集水装置の洗浄排水弁を開として、水の下降流を用い
    て、形成された固定層を塔下部に移動させる樹脂移動工
    程を実施することを特徴とする請求項1記載の向流式イ
    オン交換塔の再生方法。
  3. 【請求項3】 前記(d)の低流速逆洗工程において、
    下部集水装置に接続する洗浄排水弁を開として短時間、
    原水又は処理水を強型イオン交換樹脂に通水して、固定
    層となっている強型イオン交換樹脂を塔下部に移動させ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の向流式イオン
    交換塔の再生方法。
  4. 【請求項4】 採水終了後、懸濁物質の捕捉、又は圧密
    化のため圧力損失の増大した弱型イオン交換樹脂の充填
    されている上部室のみを中間隔壁の直ぐ下から原水又は
    処理水を導入し、低流速逆洗を行い、弱型イオン交換樹
    脂をほぐす工程、次いで請求項1、2又は3記載の再生
    方法を行うことを特徴とする向流式イオン交換塔の再生
    方法。
JP30230795A 1995-10-27 1995-10-27 向流式イオン交換塔の再生方法 Expired - Fee Related JP3162615B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30230795A JP3162615B2 (ja) 1995-10-27 1995-10-27 向流式イオン交換塔の再生方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30230795A JP3162615B2 (ja) 1995-10-27 1995-10-27 向流式イオン交換塔の再生方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09117677A JPH09117677A (ja) 1997-05-06
JP3162615B2 true JP3162615B2 (ja) 2001-05-08

Family

ID=17907391

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30230795A Expired - Fee Related JP3162615B2 (ja) 1995-10-27 1995-10-27 向流式イオン交換塔の再生方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3162615B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10176532A (ja) * 1996-12-16 1998-06-30 Sanshin Seisakusho:Kk エンジン冷却液の再生方法
JPWO2015159948A1 (ja) * 2014-04-16 2017-04-13 栗田工業株式会社 弱酸性カチオン交換樹脂の再生方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09117677A (ja) 1997-05-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5117433B2 (ja) 排水の吸着装置
EP0004792B1 (en) Moving bed ion exchange method
US7422691B2 (en) Method and apparatus for the demineralization of water
US3512641A (en) Countercurrent solid-liquid contacting system
JP3162615B2 (ja) 向流式イオン交換塔の再生方法
JP3162614B2 (ja) 高流速逆洗型イオン交換塔の再生方法
JP3162616B2 (ja) 向流式イオン交換塔の再生方法
US4269715A (en) Process and apparatus for treating by ion exchange or adsorption fluids having solid particles suspended therein
US20040251191A1 (en) Method of liquid purification using ion exchange resin being kept in a compacted state by means of elastic material
JP3907012B2 (ja) 向流再生式イオン交換装置とその再生方法
RU2206520C1 (ru) Способ очистки воды от растворенных и нерастворенных примесей
JP3278128B2 (ja) 向流式イオン交換装置
US4219414A (en) Method for fluid purification and deionization
Young Operating problems with wastewater filters
JP2940651B2 (ja) 純水製造装置
JP3941890B2 (ja) 向流再生式イオン交換装置とその再生方法
WO2024014104A1 (ja) 硬度成分除去装置及び純水製造システム
JP2742976B2 (ja) 混床式イオン交換装置並びにこの混床式イオン交換装置を使用した純水及び超純水の製造方法
JP3212463B2 (ja) 複層床式イオン交換装置
JP3907013B2 (ja) 均一粒径樹脂を用いた向流式イオン交換装置とその再生方法
RU2121873C1 (ru) Способ очистки воды путем ионного обмена с противоточной регенерацией ионита и устройство для его осуществления
JP2607544B2 (ja) 上昇流再生に用いるイオン交換塔
WO2023119747A1 (ja) 混合イオン交換樹脂の分離塔、およびこれを用いた混合イオン交換樹脂の分離方法
JP3150249B2 (ja) 上昇流再生式イオン交換塔
KR830002096B1 (ko) 상승류 재생에 의한 이온교환수지의 재생방법

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees