JP3162106B2 - レンズ系の偏心量測定方法および装置 - Google Patents

レンズ系の偏心量測定方法および装置

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JP3162106B2
JP3162106B2 JP13973991A JP13973991A JP3162106B2 JP 3162106 B2 JP3162106 B2 JP 3162106B2 JP 13973991 A JP13973991 A JP 13973991A JP 13973991 A JP13973991 A JP 13973991A JP 3162106 B2 JP3162106 B2 JP 3162106B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレンズまたはレンズ系の
個々のレンズ面の偏心量を測定するためのレンズ系の偏
心量測定方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】レンズ系の構成要素であるレンズの偏心
量を測定する手段としては従来よりオートコリメーショ
ン法が知られている。このオートコリメーション法を用
いた偏心量測定装置としては、 特公昭51−9620号
公報等に数多くの周辺の技術が開示されている。図15
はこのオートコリメーション法を用いたレンズ系の偏心
量測定装置の基本構成図を示す。
【0003】図15において、1は点光源、2はハーフ
ミラー、3はコリメータレンズ、4aは被検面、4bは
被検面4aの曲率中心、5は入射光束、6は反射光束、
7は基準像位置、8は被検面反射による空中像である。
この空中像8は被検面4aの曲率中心に集光するような
入射条件にしたときにできる像であり点光源1と共役な
位置に形成される。そして被検面4aの曲率中心が点光
源1およびコリメータレンズ3により定まる光軸上にあ
るときには、前記空中像8は基準像位置7にできるが、
図示のごとく曲率中心4bが光軸からδだけ離間され
ている(すなわち偏心している)ときには、前記空中像
は基準像位置7からδだけ離間された位置に形成され
る。この場合、これら離間距離δおよびδは近軸的
に比例するものであり、この比例定数を決定する要素と
しては、被検面4aによる倍率とコリメータレンズ3に
よる投影倍率がある。今図に示すように被検面4aによ
る像点の光軸からのずれ量をδとすれば、δはδ
の2倍の関係となる。即ち、被検面4aによる倍率は、
被検面4aの曲率半径に無関係に2となる。従ってδ
を検出値の場合、δ=(投影倍率/2)×δの関係
が成立し、この式から被検面4aの偏心量を測定するこ
とができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図16は上述した従来
技術の欠点を示す。図16において4は被検レンズ、4
cは被検面でないレンズ面を示し、その他は図15に示
す所と同様とする。今、被検面でないレンズ面4c上に
被検面4aの曲率中心4bが存在する特殊な被検レンズ
4を考える。この場合、入射光束5は被検面4aの偏心
に伴い多少屈折するが、近軸的には被検面でないレンズ
面4c上に集光するため、この面での反射光束により基
準像位置7に結像する。この像を、以後面頂像と称す
る。この像は、被検面4aの偏心量に無関係に点光源1
と共役な位置に常に形成される。すなわち、被検レンズ
による面頂像は、被検レンズの偏心に全く無関係に形成
され、従って偏心量の測定に当たっては空中像のみを問
題にする必要がある。換言すれば、オートコリメーショ
ン法により偏心量を測定する場合、被検レンズによる面
頂像はノイズとして作用することになる。
【0005】ここで図16に示す被検レンズ4の形状は
特殊な場合であり、被検面でないレンズ面4cに被検面
4aの曲率中心4bのない(位置しない)場合が大部分
である。従って、実際には曲率中心4bの被検面でない
レンズ面4cからのずれ量が存在する(離れている)場
合がほとんどであるが、焦点深度の問題で曲率中心4b
とレンズ面4cとが近接していると、レンズ面4cで反
射した光がボケ像(面頂像)となって表われ、無視でき
ない場合がある。又、面数の多いレンズ系の偏心量を測
定する装置においては、この面頂像がノイズとして作用
する確率が非常に高く、従って精度劣化の原因となって
いる。
【0006】本発明は、このような有害な被検面レンズ
の各面からの面頂像の影響を除去し得るようにしたレン
ズ系の偏心量測定装置および方法を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のレンズ系の偏心
量測定方法は光源からの直線偏光光束の一部に位相変調
を与えて円偏光光束とするとともに他の一部に別の位相
変調を与えて前記円偏光光束とは逆廻りの円偏光光束と
し、これらの光束を同時に被検面の曲率中心に集光する
ように入射した後、被検面からの反射光束に前記位相変
調と同一の場所で同一の位相変調を与えることにより、
空中像を形成する被検面からの反射光束と、面頂像を形
成する他の面からの反射光束とを偏波面が互いに直交す
る直線偏光光束とし、これらの光束を偏光ビームスプリ
ッターに導入することにより空中像のみを検出するよう
にしたことを特徴とする。
【0008】本発明のレンズ系の偏心量測定方法は光源
からの直線偏光光束を被検面の曲率中心に集光するよう
に入射し、空中像を形成する該被検面からの反射光束お
よび面頂像を形成する他の面からの反射光束の空間的に
共通な一部に偏波面を90°変換すべく位相変調を与え
ることによりこれらの光束を互いに直交する直線偏光光
束とした後、これらの直線偏光光束を偏光子に導入する
ことにより空中像のみを検出するようにしたことを特徴
とする。
【0009】また、本発明の偏心量測定装置は、光源
と、この光源からの光を偏光し分割する偏光ビームスプ
リッタ−と、この偏光ビームスプリッターおよび被検レ
ンズ間に配置されるコリメータレンズと、受光部とから
なるオートコリメーション方式によるレンズ系の偏心量
測定装置において、被検面と偏光ビームスプリッターと
の間に光軸を含む平面で2分割される光束の一方の片側
にλ/4板、他方の片側に−λ/4板を配置することを
特徴とする。
【0010】図1は本発明のレンズ系の偏心量測定方法
を実施する装置の概念を示す図である。同図において、
9は偏光ビームスプリッターを示し、10はλ/4板を
示す。又、11はλ/2板を示し、入射光束を光軸を含
む平面で2分した片側の光束のみが入射するように配置
されている。
【0011】
【作用】図1に示す構成において、偏光ビームスプリッ
ター9の反射面に対してP方向およびS方向の偏光をそ
れぞれx軸およびy軸とする座標系を考える。偏光ビー
ムスプリッター9の透過特性および反射特性を表すマト
リックスMおよびMは数1および数2で表すことが
できる。
【0012】
【数1】
【0013】
【数2】
【0014】又、λ/4板10およびλ/2板11の特
性を表すマトリックスMQ およびMH は数3および数4
で表すことができる。
【0015】
【数3】
【0016】
【数4】
【0017】今、空中像を形成する像側の光線を外1で
表わすと、反射光は図2に示す如く、光軸に対して入射
光と同じ側で反射するため、数5となる。
【0018】
【外1】
【0019】
【数5】
【0020】又、面頂像を形成する像側光線を外2で表
わすと、反射光は図3に示す如く、光軸に対して入射光
と反対側に反射するため、数6となる。
【0021】
【外2】
【0022】
【数6】
【0023】ここで外3は偏光ビームスプリッターへの
入射光線を表わす。数5および数6よりAS3=0、AS4
=A1 、AN3=AN4=0を得る。従って、空中像および
面頂像の像点での強度をそれぞれPS およびPN とすれ
ば数7および数8が得られる。
【0024】
【外3】
【0025】
【数7】
【0026】
【数8】
【0027】今、偏光ビームスプリッターへの入射光が
x方向の直線偏光の場合は、外4、A=0、Δ−Δ
=±π/2として良いため、P=2A、P=0
となる。又、y方向の直線偏光の場合は、A=0、外
5、Δ−Δ=±π/2として良いため、P=P
=0となる。又、円偏光の場合は、A=A=A、Δ
−Δ=0として良いため、P=A、P=0と
なる。このようにして、一般的にy方向の直線偏光以外
の入射光線に対して、面頂像のみを完全に除去すること
ができる。
【0028】
【外4】
【0029】
【外5】
【0030】上述したところは偏心のない状態での解析
結果であり、実際には偏心の影響を受ける結果、面頂像
のみを完全には除去できないが、大幅に小さくすること
ができる。
【0031】図1に示すように、上側の光路においては
λ/4板およびλ/2板を使用しており、下側の光路に
おいてはλ/4板のみを使用しているが、一般的にλ/
4板およびλ/2板を合成して造ることが可能であり、
従ってこの合成した波長板の機能を有する素子を−λ/
4板と称することにする。すなわち図4に示すような構
成が本発明のレンズ系の偏心量測定装置の基本構成であ
り、片側(上側)の光路に−λ/4板が挿入され、他側
(下側)の光路にλ/4板10が挿入されている。
【0032】
【実施例1】図5は本発明のレンズ系の偏心量測定装置
の実施例1を示す。図5において、15は半導体レー
ザ、16は半導体レーザ15の光を平行光にするための
コリメータレンズで、コリメータレンズ3とはその使い
方において区別されるものである。17は偏光プリズ
ム、18は集光レンズ、19は対物レンズであり、図示
しないが倍率の異なる数種の対物レンズを切替えて使用
できるようになっている。20は光位置検出素子、21
は光位置検出素子20のX,Y方向に対応する電圧信号
を増幅するための増幅器、22は表示部、23は被検レ
ンズの基準としての保持枠であり、これら構成素子を図
示のように配置する。
【0034】次に、この実施例1の作用を説明する。半
導体レーザ15から発生したP偏光の光は、コリメータ
レンズ16によって所定の大きさの平行光となり、偏光
プリズム17を透過し、片側半部(図において右側)の
光はλ/4板10を透過して右廻り円偏光(又は左廻り
円偏光)となり、適当な位置に移動配置されたコリメー
タレンズ3により被検レンズ4の被検レンズ面4aの曲
率中心に向かう集束光となる。この光の中で、被検面4
aによる反射光は、左廻り円偏光(又は右廻り円偏光)
となり入射光路を逆行し、再びλ/4板10を通りS偏
光となるので、偏光プリズム17により反射し集光レン
ズ18により結像し、さらに適当な倍率の対物レンズ1
9により拡大され、光位置検出素子20上に結像する。
この光位置検出素子20は、集光した点像のX,Yの2
方向の重心位置をこれと直線的な関係にあるX,Yの電
圧に変換する。このX,Y電圧は、増幅器21により増
幅されてオシロスコープのような表示部22に、横軸を
X電圧、縦軸をY電圧として、図6に示されるように輝
点24として表示される。
【0035】今、この状態で被検レンズ4をその保持枠
23を基準に回転すると、表示部22において輝点24
は図7に示すように回転して円の軌跡を描く。この円の
軌跡の半径の大小が被検レンズ4の偏心量の大小を示
し、従ってこの半径を測定することにより偏心量を知る
ことができる。又、同じ片側半部の光による被検レンズ
の裏面(即ち被検面4aとは反対側のレンズ面)からの
反射光は入射光とは反対側(図において左側)に向か
い、左廻り円偏光(又は右廻り円偏光)となり、λ/2
板11を透過後は右廻り円偏光(又は左廻り円偏光)と
なり、さらにλ/4板10を透過することによりP偏光
となる。このP偏光の光が偏光プリズム17に入射する
と、全ての光がコリメータレンズ16の側に透過するた
め、集光レンズ18側への反射光は0となる。従って被
検レンズ4の裏面による面頂像は光位置検出素子20上
には形成されることがない。
【0036】一方、他方の半部(図において左側)の光
はλ/4板10を透過して右廻り円偏光(又は左廻り円
偏光)となり、さらにλ/2板11を透過することによ
り左廻り円偏光(又は右廻り円偏光)となる。この光が
コリメータレンズ3を透過し、被検レンズ4の被検レン
ズ面4aの曲率中心に向かう集束光となる。この光の中
で被検面4aによる反射光は、右廻り円偏光(又は左廻
り円偏光)となり、入射光路を逆行して再びλ/2板1
1を透過し、左廻り円偏光(又は右廻り円偏光)とな
り、さらにλ/4板10を透過しS偏光となるため、偏
光プリズム17により全て反射し、前述した所と同様の
経路をたどり光位置検出素子上に結像し、その位置は前
述の結像位置と一致し、従って偏心検出に寄与する。
【0037】又、同じ片側半部の光による被検レンズの
裏面(即ち被検面4aとは反対側のレンズ面)からの反
射光は、入射光とは反対側(図において右側)に向か
い、右廻り円偏光(又は左廻り円偏光)となり、λ/4
板10を透過することによりP偏光となる。このP偏光
の光が偏光プリズム17に入射すると、反射光が0とな
り、光位置検出素子20上には結像することがない。以
上の作用により、被検レンズ面による空中像の位置を検
出することによって、このレンズの偏心量を測定すると
きに検出誤差となるレンズの裏面による面頂像を除去す
ることができる。
【0038】なお、本実施例では偏光プリズム17とλ
/4板10とを接合して構成してあるが、これらは離間
して配置しても何ら支障はない。
【0039】本実施例による固有の効果は、−λ/4板
14をλ/4板10とλ/2板12とに分離することに
より、安価な構成とし得るとともに、光位置検出素子の
最大の欠点であるゴーストノイズの影響を除くことによ
り、この検出素子の長所である高分解能、低価格である
点を生かすことができ、結果として高性能にして低価格
のレンズ系の偏心量測定装置を提供することができる。
【0040】
【実施例2】図8は本発明の実施例2を示す。図8にお
いて、25はランプ、26はコンデンサレンズ、27は
干渉フィルター、28はチャート、29は上半部と下半
部の光に光路差を与えないための補償板であり、λ/2
板11と側面接合されている。又、30は焦点板、31
は接眼レンズであり、これら構成素子を図示のように配
置する。以下にこの構成の作用を説明する。
【0041】まず、ランプ25、コンデンサレンズ26
によりチャート28を照明するが、チャート28の前に
配置された干渉フィルター27により特定の波長の光の
みがチャート28を照明する。チャート28からの光は
偏光プリズム17を透過してP偏光となり、コリメータ
レンズ3、λ/4板10を透過した後、λ/2板11又
は補償板29を透過し被検面4aの曲率中心に向かう光
束となる。なお、補償板29はλ/2板11と同一厚さ
で、屈折が同程度の均質透明材料からなる平行平面板が
使用されている。
【0042】被検面4aおよび被検面でないレンズ面4
cからの反射光束は重なった状態で入射光路を元に戻
り、被検面4aからの反射光束のみが偏光プリズムによ
り反射して焦点板30に空中像として結像する。焦点板
30には図示しないが像位置を読取るための目盛りがつ
けられており、これを接眼レンズ31で読取ることによ
りその測定を行う。このとき、実施例1と同様に被検レ
ンズ4を回転し、そのときの像の回転半径を読取ること
で回転軸に対する被検面4aの偏心量をより高精度に測
定することができる。
【0043】本実施例による固有の効果は、光学系の構
成が簡単になり、又、補償板29を導入することによ
り、上側光束と下側光束とによる像のずれが発生しない
ことである。
【0044】
【実施例3】図9は本発明の偏心量測定装置の実施例3
を示す。図において、32は平行ビームの直径を拡大す
るためのビームエクスパンダーである。本例では、コリ
メータレンズ3はコリメータレンズ第1群34と光軸上
を移動可能なコリメータレンズ第2群33とで構成す
る。35はハーフビームスプリッターで、ハーフプリズ
ムやハーフミラー等を使うことにより、ビームを被検レ
ンズ側と参照系側とに分割する機能を有する。36は被
検レンズ群で、被検レンズ4を含む複数のレンズで構成
されている。37はイメージローテータで、これを回転
することにより像点を回転することができる。
【0045】このようなイメージローテータとしては、
図10ないし図12に示すような公知の光学素子、即
ち、ドーブプリズム,ペチャンプリズムおよびアッベプ
リズム等が使われる。40は参照用コリメータレンズ
で、コリメータレンズ3とは使い方において区別される
ものであり、参照用コリメータレンズ第1群38と、光
軸上を移動可能である参照系用コリメータレンズ第2群
39とで構成されている。41はミラーであり、その反
射面は平面又は球面である。42はテレビカメラでこの
テレビカメラ42は対物レンズ19による結像面にCC
D等の2次元イメージセンサを配置している。43は画
像計測部であり、この画像計測部43はテレビカメラの
出力を画像処理および演算して、被検レンズ面4aから
の空中像およびミラー41からの空中像の回転中心の座
標を求め、この座標差と測定条件に応じた倍率とにより
被検面4aの偏心量を演算して求める。44はこの演算
結果即ち偏心量を表示するための表示部であり、テレビ
モニター又はプロッター等を使用する。
【0046】次に以上の構成による実施例3の作用を説
明する。半導体レーザ15から発生した光は、コリメー
タレンズ16により平行光となり、偏光プリズム17を
透過した後ビームエクスパンダー32により拡大され、
コリメータレンズ3およびハーフビームスプリッター3
5により、一部の光が被検レンズ群36に入射する。光
はλ/4板10又は−λ/4板14を透過し、被検レン
ズ群36の内部の光学面を順次透過する。このとき、目
標となる被検面4aの曲率中心に集光するように、あら
かじめコリメータレンズ第2群33を光軸方向に移動し
てあるので、その反射光は入射経路を逆にたどるように
なる。この反射光が再びλ/4板10又は−λ/4板14
を透過すると、前述のごとき作用により、被検面4aか
らのS偏光の反射光と被検面でないレンズ面4cからの
P偏光の反射光が共に同じ経路で偏光プリズム17に向
かう。これらの光が偏光プリズム17に入射すると、そ
の機能によりS偏光である被検面4aからの反射光のみ
を反射し、集光レンズ18により集光する。この点像を
さらに対物レンズ19によりテレビカメラ42の受光面
に結像する。他の一部の光はハーフビームスプリッター
35により反射し、イメージローテータ37を透過し、
参照用コリメータレンズ40を透過した後、ミラー41
に垂直入射する。ミラー41で反射した光は入射光路を
逆にたどり、ハーフビームスプリッター35で反射し、
偏光プリズム17に向かう。
【0047】ここでミラー41に垂直入射するために
は、コリメータレンズ第2群33の動きに応じて参照用
コリメータレンズ第2群39を光軸上に移動させる必要
がある。そして、この反射光はイメージローテータ37
内部の反射面(図示せず)により位相変調を受けるた
め、イメージローテータの回転に応じて偏光状態が変化
して楕円軸を回転する楕円偏光となるため、偏光プリズ
ム17で反射し、テレビカメラ42の受光面に結像した
像はイメージローテータ37の回転に伴い、強度が変化
する回転像となる。従って、前述の被検面4aにより形
成される空中像と、この強度が変化する回転像とが共に
テレビカメラ42により出力される。これらの出力か
ら、画像計測部43により前者の点像の座標と、後者の
点像の回転中心の座標とを内蔵する画像処理部により検
出し、内蔵する演算部により、両者の座標差を演算し、
あらかじめ演算により求めておいた測定状態に応じた倍
率を乗じて被検面4aの偏心量および偏心方位を求め、
これをモニタープロッター等の表示部で表示するもので
ある。
【0048】なお、本実施例では被検レンズを最後部の
位置に配置する場合を示したが、この構成による特徴と
して被検レンズ群36を構成する全てのレンズ面(3枚
に限らない。)の曲率中心に集光するようにできるた
め、全てのレンズ面の偏心量をレンズ群を分解すること
なくしかも非回転で高精度で測定することができる。
【0049】このように多くの面からの反射像を検出す
る場合、検出したい空中像と同数の面頂像が存在するこ
とになり、偏心量測定上有害となる面頂像と、検出した
い空中像とが近接する機会が確率的に増えることにな
り、この点から本実施例固有の効果として、特に実施例
1および2に比べて精度向上に寄与することが挙げられ
る。又、λ/4板10および−λ/4板14を被検レン
ズの側に配置してあるため、コリメータレンズ3よりテ
レビカメラ42の側の光学面による空中像を除去するこ
とも精度向上に寄与するものである。
【0050】なお、本実施例に用いた−λ/4板は設計
上λ/4板と同一の厚さで造ることができ、これを側面
接合とすることによるも、幾何光学的には何ら変調を受
けず、点像の状態を悪化するものではない。
【0051】
【実施例4】図13は本発明の偏心量測定装置の実施例
4を示す。図において、45はHe・Neレーザで、ビ
ームエクスパンダー32のHe・Neレーザ45の側の
レンズによる点光源を形成する。偏光プリスム17およ
びλ/4板10は、この点光源とビームエクスパンダー
32の他のレンズとの間に配置し、前記偏光プリスム1
7に対して点光源と共役な位置(即ち基準像位置7に相
当する)に光位置検出素子20を配置する。この実施例
は実施例3に対して参照光学系(即ちハーフビームスプ
リッター35、イメージローテーター37、参照用コリ
メータレンズ40およびミラー41)を省略し、半導体
レーザ15の代わりにHe・Neレーザ45を用いると
ともに、λ/4板10と−λ/4板14との側面接合構
体をビームエクスパンダー32の内部に配置することに
より、集光レンズ18を不要とし、さらに対物レンズ1
9、テレビカメラ42、画像計測部43を省略し、直接
光位置検出素子20および増幅器21を配置したもので
ある。
【0052】この実施例に固有の効果は実施例3の効果
に比べ、精度の点ではやや劣るものの、非常に安価な装
置を提供するころができる。
【0053】
【実施例5】図14は本発明の偏心量測定装置の実施例
5を示す。図14において、46はハーフプリズム、4
7は偏光子であり半導体レーザ15からの光をほぼ透過
するように設定される。48はλ/2板11に側面接合
された同じ厚さの補償板であり通常のガラスで作られて
いる。49は被検レンズ群の一部、50は該被検レンズ
群を保持するための枠であり、被検レンズ群4および4
9を保持している。その他の構成は図5につき説明した
所と同様であり、従ってその説明は省略する。但し本実
施例では図5に示すλ/4板10およびコリメータレン
ズ3および16は省略する。偏光子47はハーフプリズ
ム46に接合し、λ/2板11および補償板48は偏光
子47に接合しているがこれらの接合は必ずしも必要で
はない。
【0054】光源である半導体レーザ15からの光束は
ハーフプリズム46および偏光子47を通り、左側光束
はλ/2板11を通り偏波面を90°変化させた後被検
面4aに直角入射する。被検面4aからの反射光は逆の
光路を辿るためλ/2板11を再び通り、さらに偏波面
を90°変化させるので偏光子47を透過する。また、
右側光束は被検レンズ群49を往復透過することになる
がこの光束は何も位相変調を受けないので、やはり偏光
子47を透過する。
【0055】一方、被検面でないレンズ面4cからの反
射光束は、左側光束は右側光束として反射され右側光束
は左側光束として反射されるので、いずれの場合も往復
でλ/2板11を1回透過することになり、従って反射
光束が偏光子47に再入射する光束は往路での偏光子4
7からの出射光束に比べて偏波面が90°回転するため
偏光子47を透過することができず、面頂像の影響を除
去することができる。
【0056】以上説明したように、被検面4aからの空
中像を形成する反射光束のみがハーフプリズム46に再
入射し、その反射光束のみが、光位置検出素子20に導
かれる。光位置検出素子20以降の作用は実施例1につ
き説明した所と同様なのでその詳細な説明は省略する。
【0057】本実施例による固有の効果は、光学系の構
成を簡単とすることができる。
【0058】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、レンズ
系の偏心量測定に有害となる被検レンズの各面からの面
頂像を除去することにより、高精度なレンズ系の偏心量
測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレンズ系の偏心量測定装置の概念を示
す光路図である。
【図2】被検面での反射を示す光路図である。
【図3】被検面以外での反射を示す光路図である。
【図4】図1と等価の光路図である。
【図5】本発明の偏心量測定装置の実施例1の構成を示
す説明図である。
【図6】実施例1の作動を示す説明図である。
【図7】実施例1の作動を示す説明図である。
【図8】本発明の偏心量測定装置の実施例2の構成を示
す説明図である。
【図9】本発明の偏心量測定装置の実施例3の構成を示
す説明図である。
【図10】イメージローテータの構成素子を示す斜視図
である。
【図11】イメージローテータの別の斜視図である。
【図12】イメージローテータのさらに別の斜視図であ
る。
【図13】本発明の偏心量測定装置の実施例4の構成を
示す説明図である。
【図14】本発明の偏心量測定装置の実施例5の構成を
示す説明図である。
【図15】従来のオートコリメーション法によるレンズ
系の偏心量測定装置の構成を示す説明図である。
【図16】図15のレンズ系の偏心量測定装置の欠点を
説明する説明図である。
【符号の説明】
1 点光源 2 ハーフミラー 3 コリメータレンズ 4a 被検面 4b 曲率中心 4c 被検面でないレンズ面 5 入射光束 6 反射光束 7 基準像位置 8 被検面反射による空中像 9 偏光ビームスプリッター 10 λ/4板 11 λ/2板 12 上側入射光 13 下側入射光 14 −λ/4板 15 半導体レーザ 16 コリメータレンズ 17 偏光プリズム 18 集光プリズム 19 対物レンズ 20 光位置検出素子 21 増幅器 22 表示部 23 保持枠 24 輝点 25 ランプ 26 コンデンサレンズ 27 干渉フィルタ 28 チャート 29 補償板 30 焦点板 31 接眼レンズ 32 ビームエクスパンダー 33,34 コリメータレンズレンズ群 35 ハーフビームスプリッター 36 被検レンズ 37 イメージローテータ− 38,39 参照用コリメータレンズ群 40 参照用コリメータレンズ 41 ミラー 42 テレビカメラ 43 画像計測部 44 表示部 45 He・Neレーザ 46 ハーフプリズム 47 偏光子 48 補償板 49 被検レンズ群の一部 50 被検レンズ群保持枠

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源からの直線偏光光束の一部に位相変
    調を与えて円偏光光束とするとともに他の一部に別の位
    相変調を与えて前記円偏光光束とは逆廻りの円偏光光束
    とし、これらの光束を同時に被検面の曲率中心に集光す
    るように入射した後、被検面からの反射光束に前記位相
    変調と同一の場所で同一の位相変調を与えることによ
    り、空中像を形成する被検面からの反射光束と、面頂像
    を形成する他の面からの反射光束とを偏波面が互いに直
    交する直線偏光光束とし、これらの光束を偏光ビームス
    プリッターに導入することにより空中像のみを検出する
    ようにしたことを特徴とするレンズ系の偏心量測定方
    法。
  2. 【請求項2】 光源からの直線偏光光束を被検面の曲率
    中心に集光するように入射し、空中像を形成する該被検
    面からの反射光束および面頂像を形成する他の面からの
    反射光束の空間的に共通な一部に偏波面を90°変換す
    べく位相変調を与えることによりこれらの光束を互いに
    直交する直線偏光光束とした後、これらの直線偏光光束
    を偏光子に導入することにより空中像のみを検出するよ
    うにしたことを特徴とするレンズ系の偏心量測定方法。
  3. 【請求項3】 光源と、この光源からの光を偏光し分割
    する偏光ビームスプリッタ−と、この偏光ビームスプリ
    ッターおよび被検レンズ間に配置されるコリメータレン
    ズと、受光部とからなるオートコリメーション方式によ
    るレンズ系の偏心量測定装置において、被検面と偏光ビ
    ームスプリッターとの間に光軸を含む平面で2分割され
    る光束の一方の片側にλ/4板、他方の片側に−λ/4
    板を配置することを特徴とするレンズ系の偏心量測定装
    置。
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