JP3161761B2 - 油入変圧器巻線 - Google Patents
油入変圧器巻線Info
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- JP3161761B2 JP3161761B2 JP16798891A JP16798891A JP3161761B2 JP 3161761 B2 JP3161761 B2 JP 3161761B2 JP 16798891 A JP16798891 A JP 16798891A JP 16798891 A JP16798891 A JP 16798891A JP 3161761 B2 JP3161761 B2 JP 3161761B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油入変圧器巻線に関す
るものである。
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より高電圧大容量油入変圧器の巻線
では、絶縁物として鉱油(絶縁油)の他に良質の木材パ
ルプからなる紙が大量に用いられている。例えば、巻線
やリード線の絶縁被覆としてクラフト紙やクレープ紙が
用いられている。また、巻線の冷却油道を確保するスペ
ーサ、主絶縁を構成する絶縁物、巻線を支持する巻線の
上下に配置される支持絶縁物の素材として、紙を強圧縮
したプレスボードが用いらている。すなわち変圧器巻線
の絶縁はこれら絶縁紙と鉱油との複合絶縁になってい
る。ところで、鉱油の比誘電率が2.2程度であるのに
対して、これら絶縁紙を油含浸処理した油浸紙の比誘電
率は3.5〜4.7程度あり、油浸紙のほうが1.5〜
2倍程度大きい。このため、これらが直列に配置された
絶縁構造の電界負担は、油浸紙中では緩和され、その分
が鉱油にしわ寄せされて鉱油に電界が集中する。その上
鉱油の絶縁強度は油浸紙の絶縁強度よりもはるかに小さ
いので、結局、鉱油の絶縁強度で巻線の複合絶縁系の絶
縁強度が決められる。
では、絶縁物として鉱油(絶縁油)の他に良質の木材パ
ルプからなる紙が大量に用いられている。例えば、巻線
やリード線の絶縁被覆としてクラフト紙やクレープ紙が
用いられている。また、巻線の冷却油道を確保するスペ
ーサ、主絶縁を構成する絶縁物、巻線を支持する巻線の
上下に配置される支持絶縁物の素材として、紙を強圧縮
したプレスボードが用いらている。すなわち変圧器巻線
の絶縁はこれら絶縁紙と鉱油との複合絶縁になってい
る。ところで、鉱油の比誘電率が2.2程度であるのに
対して、これら絶縁紙を油含浸処理した油浸紙の比誘電
率は3.5〜4.7程度あり、油浸紙のほうが1.5〜
2倍程度大きい。このため、これらが直列に配置された
絶縁構造の電界負担は、油浸紙中では緩和され、その分
が鉱油にしわ寄せされて鉱油に電界が集中する。その上
鉱油の絶縁強度は油浸紙の絶縁強度よりもはるかに小さ
いので、結局、鉱油の絶縁強度で巻線の複合絶縁系の絶
縁強度が決められる。
【0003】このような鉱油への電界集中は、絶縁寸法
中における油浸紙の寸法の占める割合が大きい部分ほど
大きい。例えば、円板コイルからなる巻線内では、冷却
ダクトを確保するための直線スペーサやコイル間スペー
サが配置された部分の油ギャップで集中が大きい。中で
も円板コイルが直線スペーサやコイル間スペーサに接す
る部分のくさび状の微細な油ギャップの電界が、円板コ
イルが角ばっていることによる幾何学的な電界集中も加
わって集中が大きい。そのため、この微細油ギャップが
絶縁上の弱点になって絶縁破壊が生じる場合が多いこと
が知られている。
中における油浸紙の寸法の占める割合が大きい部分ほど
大きい。例えば、円板コイルからなる巻線内では、冷却
ダクトを確保するための直線スペーサやコイル間スペー
サが配置された部分の油ギャップで集中が大きい。中で
も円板コイルが直線スペーサやコイル間スペーサに接す
る部分のくさび状の微細な油ギャップの電界が、円板コ
イルが角ばっていることによる幾何学的な電界集中も加
わって集中が大きい。そのため、この微細油ギャップが
絶縁上の弱点になって絶縁破壊が生じる場合が多いこと
が知られている。
【0004】このような弱点を解消して絶縁耐力の向上
を図るため、例えば、巻線内については特開昭62−1
47710号公報に記載のように、円板コイルの絶縁被
覆やコイル間スペーサおよび直線スペーサの材料に比誘
電率が鉱油の1.3倍以下のものを適用することによっ
て、円板コイル近傍の微細な油ギャップでの電界の集中
を緩和したものや、実開昭59−93116号公報のよ
うに、円板コイルとコイル間スペーサおよび直線スペー
サとの間に木綿繊維を原材料とする軟質ないしは半硬質
の紙を配置し、これを圧縮することによって弱点である
微細油ギャップを排除したものがある。
を図るため、例えば、巻線内については特開昭62−1
47710号公報に記載のように、円板コイルの絶縁被
覆やコイル間スペーサおよび直線スペーサの材料に比誘
電率が鉱油の1.3倍以下のものを適用することによっ
て、円板コイル近傍の微細な油ギャップでの電界の集中
を緩和したものや、実開昭59−93116号公報のよ
うに、円板コイルとコイル間スペーサおよび直線スペー
サとの間に木綿繊維を原材料とする軟質ないしは半硬質
の紙を配置し、これを圧縮することによって弱点である
微細油ギャップを排除したものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、微
細油ギャップの電界集中は緩和できるが、鉄心と巻線
間、巻線と巻線との間の主絶縁の抜本的な絶縁耐力の向
上という点では不十分であった。
細油ギャップの電界集中は緩和できるが、鉄心と巻線
間、巻線と巻線との間の主絶縁の抜本的な絶縁耐力の向
上という点では不十分であった。
【0006】変圧器巻線を円板巻線とし、中性点を接地
した変圧器の線路端より雷インパルス電圧が侵入してき
た場合、電圧印加の瞬時、インダクタンスには急に電流
は流れることができず、各静電容量の充電電流だけが流
れる。従って、図6に示す変圧器巻線の等価回路では、
電圧印加瞬時の電位分布、すなわち衝撃電圧に対する初
期電位分布は、巻線入口端よりx点の電位をeとし、V
0を印加電圧、cを対地静電容量、kを直列静電容量す
ると、
した変圧器の線路端より雷インパルス電圧が侵入してき
た場合、電圧印加の瞬時、インダクタンスには急に電流
は流れることができず、各静電容量の充電電流だけが流
れる。従って、図6に示す変圧器巻線の等価回路では、
電圧印加瞬時の電位分布、すなわち衝撃電圧に対する初
期電位分布は、巻線入口端よりx点の電位をeとし、V
0を印加電圧、cを対地静電容量、kを直列静電容量す
ると、
【0007】
【数1】
【0008】となり、平均電位傾度V0/lのα倍とな
る。この最大電位傾度を小さくするには上記(2)式の
cの値を小さくする必要がある。なお、図6でコイルの
数をnとするとc=nc1、k=k1/nである。
る。この最大電位傾度を小さくするには上記(2)式の
cの値を小さくする必要がある。なお、図6でコイルの
数をnとするとc=nc1、k=k1/nである。
【0009】本発明は以上の点に鑑みなされたものであ
り、巻線絶縁強度を向上させ、全体の小形化を図ると共
に、安定した絶縁耐力の向上を可能とした油入変圧器巻
線を提供することを目的とするものである。
り、巻線絶縁強度を向上させ、全体の小形化を図ると共
に、安定した絶縁耐力の向上を可能とした油入変圧器巻
線を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、巻線に最も
近接した絶縁筒と巻線との間に非繊維質の多孔体からな
る軟質絶縁シートを配置すると共に、巻線に隣接する絶
縁筒以外の絶縁筒の厚みを、巻線に隣接する絶縁筒の厚
みの60%以下にすることにより、達成される。
近接した絶縁筒と巻線との間に非繊維質の多孔体からな
る軟質絶縁シートを配置すると共に、巻線に隣接する絶
縁筒以外の絶縁筒の厚みを、巻線に隣接する絶縁筒の厚
みの60%以下にすることにより、達成される。
【0011】
【作用】上記手段を設けたので、微細油ギャップは巻線
の輪郭に沿ってつぶされ、巻線間の主絶縁構成に占める
油浸紙の割合を従来に比べて小さくできるようになる。
の輪郭に沿ってつぶされ、巻線間の主絶縁構成に占める
油浸紙の割合を従来に比べて小さくできるようになる。
【0012】すなわち巻線と絶縁筒間に配置された軟質
絶縁シートは多孔体であるので、非常に柔らかく、巻線
製作時のコイルを巻回する際の圧縮力や、巻線外側に絶
縁筒を取付ける際の圧縮力によってつぶれる。その時、
圧縮力の加わらない部分はそのまま形状を維持するの
で、コイルの輪郭に沿って微細油ギャップは埋めつぶさ
れる。
絶縁シートは多孔体であるので、非常に柔らかく、巻線
製作時のコイルを巻回する際の圧縮力や、巻線外側に絶
縁筒を取付ける際の圧縮力によってつぶれる。その時、
圧縮力の加わらない部分はそのまま形状を維持するの
で、コイルの輪郭に沿って微細油ギャップは埋めつぶさ
れる。
【0013】また、巻線に隣接する絶縁筒以外の絶縁筒
の厚みを、巻線に隣接する絶縁筒の厚みの60%以下に
したので巻線間絶縁寸法に占める絶縁筒の割合を低減す
ることができる。従って、図7に示す簡略化された平行
平板電極系を考えれば、絶縁油中の電界Eは、Vを印加
電圧、d1を絶縁油絶縁寸法、d2を油浸紙絶縁寸法、ε
1を絶縁油の比誘電率、ε2を油浸紙の比誘電率とすれ
ば、
の厚みを、巻線に隣接する絶縁筒の厚みの60%以下に
したので巻線間絶縁寸法に占める絶縁筒の割合を低減す
ることができる。従って、図7に示す簡略化された平行
平板電極系を考えれば、絶縁油中の電界Eは、Vを印加
電圧、d1を絶縁油絶縁寸法、d2を油浸紙絶縁寸法、ε
1を絶縁油の比誘電率、ε2を油浸紙の比誘電率とすれ
ば、
【0014】
【数2】
【0015】で求められる。従って、同一巻線間寸法に
おいて油浸紙絶縁寸法d2を低減し絶縁油絶縁寸法d1を
大きくすることにより、絶縁油中の電界を低くできる。
このように比誘電率2.2の絶縁油に対し、比誘電率
3.5〜4.7の油浸紙の巻線間絶縁寸法に占める割合
を低減したので、巻線の対地静電容量を小さくすること
ができ、巻線内雷インパルス電位分布も改善することが
できる。
おいて油浸紙絶縁寸法d2を低減し絶縁油絶縁寸法d1を
大きくすることにより、絶縁油中の電界を低くできる。
このように比誘電率2.2の絶縁油に対し、比誘電率
3.5〜4.7の油浸紙の巻線間絶縁寸法に占める割合
を低減したので、巻線の対地静電容量を小さくすること
ができ、巻線内雷インパルス電位分布も改善することが
できる。
【0016】以上により安定した絶縁耐力の向上を図る
ことができるのである。
ことができるのである。
【0017】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明す
る。
る。
【0018】〔実施例 1〕 図1には本発明の一実施例が示されている。鉄心1と、
この鉄心1の外側に配置された2つ以上の巻線2a、2
bと、鉄心1と巻線2a間、巻線2aと巻線2b間に配
置された複数(4つ)の絶縁筒3、3a、3bとを持
ち、かつこれらが絶縁油(鉱油)4中に浸漬されている
油入変圧器巻線を示している。本実施例では巻線2a、
2bに最も近接した2つの絶縁筒3a、3bと巻線2
a、2bとの間に非繊維質の多孔体からなる軟質絶縁シ
ート5を配置すると共に、巻線2a、2bに隣接する絶
縁筒3a、3b以外の2つの絶縁筒3の厚みを、巻線2
a、2bに隣接する絶縁筒3a、3bの厚みの60%以
下にした。このようにすることにより、微細油ギャップ
は巻線2a、2bの輪郭に沿ってつぶされ、巻線2a、
2b間の主絶縁構成に占める油浸紙の割合を従来に比べ
て小さくできるようになって、巻線絶縁強度を向上さ
せ、全体の小形化を図ると共に、安定した絶縁耐力の向
上を可能とした油入変圧器巻線を得ることができる。
この鉄心1の外側に配置された2つ以上の巻線2a、2
bと、鉄心1と巻線2a間、巻線2aと巻線2b間に配
置された複数(4つ)の絶縁筒3、3a、3bとを持
ち、かつこれらが絶縁油(鉱油)4中に浸漬されている
油入変圧器巻線を示している。本実施例では巻線2a、
2bに最も近接した2つの絶縁筒3a、3bと巻線2
a、2bとの間に非繊維質の多孔体からなる軟質絶縁シ
ート5を配置すると共に、巻線2a、2bに隣接する絶
縁筒3a、3b以外の2つの絶縁筒3の厚みを、巻線2
a、2bに隣接する絶縁筒3a、3bの厚みの60%以
下にした。このようにすることにより、微細油ギャップ
は巻線2a、2bの輪郭に沿ってつぶされ、巻線2a、
2b間の主絶縁構成に占める油浸紙の割合を従来に比べ
て小さくできるようになって、巻線絶縁強度を向上さ
せ、全体の小形化を図ると共に、安定した絶縁耐力の向
上を可能とした油入変圧器巻線を得ることができる。
【0019】すなわち鉄心1に絶縁筒3を内側から順次
取付け、軟質絶縁シート5を取付けた絶縁筒3aに巻線
2aを巻付ける。その上に軟質絶縁シート5を取付け、
絶縁筒3を順次取付け、軟質絶縁シート5を取付けた絶
縁筒3bに巻線2bを巻付ける。
取付け、軟質絶縁シート5を取付けた絶縁筒3aに巻線
2aを巻付ける。その上に軟質絶縁シート5を取付け、
絶縁筒3を順次取付け、軟質絶縁シート5を取付けた絶
縁筒3bに巻線2bを巻付ける。
【0020】このように形成したものをタンク6に収納
し、鉱油4を満たして本実施例の変圧器巻線が構成され
る。なお、同図において7は直線スペーサ、8は絶縁支
持台、9a、9bは支持金具である。
し、鉱油4を満たして本実施例の変圧器巻線が構成され
る。なお、同図において7は直線スペーサ、8は絶縁支
持台、9a、9bは支持金具である。
【0021】このように変圧器巻線を構成したので、変
圧器巻線の巻線2bと絶縁筒3bとの間の部分を拡大し
て示した図2に示されているように、巻線2bを構成す
るコイル10の巻回時の締め圧と上部からの締め付けで
軟質絶縁シート5は押しつぶされ、コイル10の輪郭に
沿って微細油ギャップは埋めつぶされる。さらに、軟質
絶縁シート5に比誘電率2.2〜2.5の低誘電率のも
のを用いたので、部分放電特性が40%程度向上した。
圧器巻線の巻線2bと絶縁筒3bとの間の部分を拡大し
て示した図2に示されているように、巻線2bを構成す
るコイル10の巻回時の締め圧と上部からの締め付けで
軟質絶縁シート5は押しつぶされ、コイル10の輪郭に
沿って微細油ギャップは埋めつぶされる。さらに、軟質
絶縁シート5に比誘電率2.2〜2.5の低誘電率のも
のを用いたので、部分放電特性が40%程度向上した。
【0022】また、図1の巻線2aと巻線2bとの間の
絶縁筒3a、3bは巻線2a、2bを巻回するため機械
的強度も要求されるのでそれなりの厚みが必要である
が、絶縁筒3は油隙を分割するための最小厚み2〜3m
m程度とすることにより、巻線間の主絶縁構成に占める
油浸紙の割合を従来の40〜60%に対し、20%未満
とすることができる。このことによる従来例と本実施例
との比較が図5に示されている。同図には巻線間絶縁構
成、電圧分担、絶縁油中の電界、従来例を1.0とした
場合の比較が示されている。なお、同図においてdは巻
線間絶縁寸法、d1、d1′は絶縁油の絶縁寸法、d2、
d2′は木材パルプを使用した絶縁材の絶縁寸法、ds
は低誘電率軟質絶縁シートの絶縁寸法、ε1、ε2、εs
は各絶縁材料の比誘電率、E1、E1′は絶縁油中の電
界、Vは巻線間印加電圧、V1、V2、V1′、V2′、V
sは各種絶縁材料の負担電圧である。
絶縁筒3a、3bは巻線2a、2bを巻回するため機械
的強度も要求されるのでそれなりの厚みが必要である
が、絶縁筒3は油隙を分割するための最小厚み2〜3m
m程度とすることにより、巻線間の主絶縁構成に占める
油浸紙の割合を従来の40〜60%に対し、20%未満
とすることができる。このことによる従来例と本実施例
との比較が図5に示されている。同図には巻線間絶縁構
成、電圧分担、絶縁油中の電界、従来例を1.0とした
場合の比較が示されている。なお、同図においてdは巻
線間絶縁寸法、d1、d1′は絶縁油の絶縁寸法、d2、
d2′は木材パルプを使用した絶縁材の絶縁寸法、ds
は低誘電率軟質絶縁シートの絶縁寸法、ε1、ε2、εs
は各絶縁材料の比誘電率、E1、E1′は絶縁油中の電
界、Vは巻線間印加電圧、V1、V2、V1′、V2′、V
sは各種絶縁材料の負担電圧である。
【0023】同図から明らかなように、本実施例は絶縁
油中の電界が従来例の0.74倍となる。これは等価的
には巻線の対地静電容量が0.74倍に低下したことに
なるので、雷インパルス侵入電圧による入口端コイルの
発生電圧は、従来例の入口端コイルの発生電圧をVcと
すると、
油中の電界が従来例の0.74倍となる。これは等価的
には巻線の対地静電容量が0.74倍に低下したことに
なるので、雷インパルス侵入電圧による入口端コイルの
発生電圧は、従来例の入口端コイルの発生電圧をVcと
すると、
【0024】
【数3】
【0025】となる。このことにより、上述の図6の変
圧器巻線等価回路の対地静電容量cを従来の75%程度
とすることができる。最大電位傾度Emaxは、平均電
位傾度=V0/lのα倍であり、αは上述の(2)式で
あるから、対地静電容量cを74%にすることによりα
は86%となり、コイルの絶縁耐圧が30%程度向上す
る。
圧器巻線等価回路の対地静電容量cを従来の75%程度
とすることができる。最大電位傾度Emaxは、平均電
位傾度=V0/lのα倍であり、αは上述の(2)式で
あるから、対地静電容量cを74%にすることによりα
は86%となり、コイルの絶縁耐圧が30%程度向上す
る。
【0026】以上本実施例によれば、絶縁上の弱点であ
る巻線の微細油ギャップを確実に排除して部分放電特性
を40%程度向上させることができ、巻線間絶縁寸法に
占める油浸紙の割合を20%未満とすることができる。
この油浸紙の割合を小さくすることにより、巻線内雷イ
ンパルス電位分布も改善され、コイルの絶縁耐圧を30
%程度向上させることができる。
る巻線の微細油ギャップを確実に排除して部分放電特性
を40%程度向上させることができ、巻線間絶縁寸法に
占める油浸紙の割合を20%未満とすることができる。
この油浸紙の割合を小さくすることにより、巻線内雷イ
ンパルス電位分布も改善され、コイルの絶縁耐圧を30
%程度向上させることができる。
【0027】これらの総合結果として、変圧器巻線の3
0%以上のコンパクト化が可能となる。
0%以上のコンパクト化が可能となる。
【0028】〔実施例 2〕図3には本発明の他の実施
例が示されている。本実施例は軟質絶縁シート5をどち
らか一方の巻線2b側にのみ配置したものである。この
場合も前述の場合と同様な作用効果を奏することができ
る。
例が示されている。本実施例は軟質絶縁シート5をどち
らか一方の巻線2b側にのみ配置したものである。この
場合も前述の場合と同様な作用効果を奏することができ
る。
【0029】〔実施例 3〕図4には本発明の更に他の
実施例が示されている。本実施例はコイル間に挿入され
るU形スペーサ11に軟質絶縁シートの成形品5aを使
用したものである。このようにすることにより、前述の
場合よりも巻線作業の作業性を向上させることができ
る。
実施例が示されている。本実施例はコイル間に挿入され
るU形スペーサ11に軟質絶縁シートの成形品5aを使
用したものである。このようにすることにより、前述の
場合よりも巻線作業の作業性を向上させることができ
る。
【0030】
【発明の効果】上述のように本発明は、巻線絶縁強度が
向上し、全体が小形化すると共に、安定した絶縁耐力が
向上するようになって、巻線絶縁強度を向上させ、全体
の小形化を図ると共に、安定した絶縁耐力の向上を可能
とした油入変圧器巻線を得ることができる。
向上し、全体が小形化すると共に、安定した絶縁耐力が
向上するようになって、巻線絶縁強度を向上させ、全体
の小形化を図ると共に、安定した絶縁耐力の向上を可能
とした油入変圧器巻線を得ることができる。
【図1】本発明の油入変圧器巻線の一実施例による変圧
器の縦断側面図である。
器の縦断側面図である。
【図2】同じく一実施例の巻線と絶縁筒との間の部分拡
大断面図である。
大断面図である。
【図3】本発明の油入変圧器巻線の他の実施例の巻線間
要部の縦断側面図である。
要部の縦断側面図である。
【図4】本発明の油入変圧器巻線の更に他の実施例の巻
線と絶縁筒との間の部分拡大断面図である。
線と絶縁筒との間の部分拡大断面図である。
【図5】従来例と本実施例との巻線間絶縁構成の効果比
較を示す特性図である。
較を示す特性図である。
【図6】油入変圧器の円板巻線の等価回路図である。
【図7】油入変圧器巻線の簡略化された複合絶縁の平行
平板電極系を示す説明図である。
平板電極系を示す説明図である。
1…鉄心、2a、2b…巻線、3、3a、3b…絶縁
筒、4…鉱油(絶縁油)、5…軟質絶縁シート、5a…
軟質絶縁シートの成形品。
筒、4…鉱油(絶縁油)、5…軟質絶縁シート、5a…
軟質絶縁シートの成形品。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鎌田 譲 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 遠藤 馨 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (56)参考文献 特開 平3−114210(JP,A) 特開 昭59−168617(JP,A) 実開 昭56−114525(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 27/32
Claims (4)
- 【請求項1】 鉄心と、この鉄心の外側に配置された2
つ以上の巻線と、前記鉄心と巻線間に配置された絶縁筒
と、前記巻線と巻線間に配置され、前記それぞれの巻線
に最も近接する絶縁筒と、前記最も近接する絶縁筒以外
の絶縁筒とを持ち、かつ、これらが絶縁油中に浸漬され
ている油入変圧器巻線において、前記巻線に最も近接し
た絶縁筒と前記巻線との間に非繊維質の多孔体からなる
軟質絶縁シートが配置されると共に、前記巻線に最も近
接する絶縁筒以外の絶縁筒の厚みが、前記巻線に最も近
接する絶縁筒の厚みの60%以下であることを特徴とす
る油入変圧器巻線。 - 【請求項2】前記軟質絶縁シートが、その比誘電率が
2.2〜2.5である請求項1記載の油入変圧器巻線。 - 【請求項3】前記軟質絶縁シートが、前記巻線と巻線と
の間のどちらか一方の巻線側に配置されたものである請
求項1記載の油入変圧器巻線。 - 【請求項4】前記軟質絶縁シートが、前記巻線の形状に
合わせたU字形に成形されたものである請求項1記載の
油入変圧器巻線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16798891A JP3161761B2 (ja) | 1991-07-09 | 1991-07-09 | 油入変圧器巻線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16798891A JP3161761B2 (ja) | 1991-07-09 | 1991-07-09 | 油入変圧器巻線 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0513248A JPH0513248A (ja) | 1993-01-22 |
JP3161761B2 true JP3161761B2 (ja) | 2001-04-25 |
Family
ID=15859722
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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- 1991-07-09 JP JP16798891A patent/JP3161761B2/ja not_active Expired - Fee Related
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