JP3161578B2 - ジオール類の製造方法 - Google Patents
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Description
反応液から分離されるカルボン酸の混合物をアルコール
でエステル化した後、生成したエステル化物を水素で水
素化分解して1,6−ヘキサンジオール、1,5−ペン
タンジオール、1,4−ブタンジオールなどのジオール
類を製造する方法に関する。このようなジオール類はポ
リウレタンエラストマー、合成樹脂添加剤、医農薬中間
体などに利用されている有用な化合物である。
−カプロラクタムの合成原料として有用なシクロヘキサ
ノール及びシクロヘキサノンが製造されているが、1,
6−ヘキサンジオールなどのジオール類は、この酸化反
応で副生するカルボン酸の混合物をアルコールでエステ
ル化した後、生成したエステル化物を水素で水素化分解
して製造されている(特公昭49−27164号公報、
特公昭53−33567号公報参照)。
水素化触媒として銅−クロム系触媒がよく用いられてい
るが、銅−クロム系触媒は有害なクロムを含むため、そ
の使用に当たっては触媒のハンドリングに特別な防塵対
策が必要であり、また、触媒の製造工程で排出される排
水や廃液の処理にも特別な設備が必要となるなどの欠点
を有する。特に、液相懸濁の条件で反応を行う場合に
は、触媒成分が一部反応液に溶解するため、反応液から
製品の1,6−ヘキサンジオールなどのジオール類を蒸
留分離した後の蒸留釜残の処理が問題となっている。
ルボン酸エステルを水素で水素化分解してアルコールを
製造する方法において提案されているが、前記のような
1,6−ヘキサンジオールなどのジオール類の製造に適
用するには、いずれも工業的に充分満足できる性能を有
しているものではない。例えば、酸化銅及び酸化鉄を酸
化アルミニウムに担持した触媒を用いてヤシ油脂肪酸メ
チルエステルから対応するアルコールを製造する方法が
開示されているが(特公昭58−50775号公報参
照)、この触媒を前記のようなジオール類の製造に適用
する場合、触媒の濾過性は銅−クロム系触媒と同等であ
るが活性がかなり低いという問題を有している。また、
酸化銅と酸化亜鉛からなる触媒を用いてラウリン酸メチ
ルエステルからラウリルアルコールを製造する方法も提
案されているが(特開昭63−141937号公報参
照)、この触媒を前記のようなジオール類の製造に適用
する場合も、触媒の活性は銅−クロム系触媒よりも高い
ものの濾過性が極めて悪いという問題を有している。
液に室温下、pH3〜7の条件でアルカリを加えて析出
する沈澱を焼成した後に還元処理して得られる銅−亜鉛
系のエチレングリコール製造用水素添加触媒が開示され
ているが(特公昭61−2016号公報参照)、この触
媒を前記のようなジオール類の製造に適用する場合も濾
過性が悪いという問題を有している。
からのプロパンジオールの製法として、炭酸塩の存在下
にpH6.9〜8で、銅及び亜鉛をアルミニウムとの混
合物から沈澱させて得られたCu1.5-3 Zn1-2.5 (C
O3 )1-2 (OH)4-6 (H 2 O)0-1 の組成を有する
アルミニウム含有混合結晶を200〜500℃の温度で
分解することにより得られた水素化触媒を丸剤として用
いる方法が知られているが(特開昭57−53421号
公報参照)、前記のようなジオール類の製造に適用した
例は知られていない。
サンの酸化反応液から分離されるカルボン酸の混合物を
アルコールでエステル化した後、生成したエステル化物
を水素で水素化分解してジオール類を製造する方法にお
いて、活性及び濾過性が共に優れ、しかも有害なクロム
を含まない水素化触媒を使用する工業的に好適なジオー
ル類の製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
ヘキサンの酸化反応液から分離されるカルボン酸の混合
物をアルコールでエステル化した後、生成したエステル
化物を水素で水素化分解してジオール類を製造する方法
において、可溶性銅塩及び可溶性亜鉛塩を含有する水溶
液と炭酸アルカリ又は炭酸水素アルカリを含有する水溶
液とを温度が60〜95℃、pHが6.5〜9.0の条
件で混合して生成する銅及び亜鉛を含む不溶性の塩基性
炭酸塩を300〜450℃で焼成して得られる触媒の存
在下、前記エステル化物を水素で水素化分解することを
特徴とするジオール類の製造方法によって達成される。
ある銅及び亜鉛を含む不溶性の塩基性炭酸塩の調製方法
について述べる。銅及び亜鉛を含む不溶性の塩基性炭酸
塩は、可溶性銅塩及び可溶性亜鉛塩を含有する水溶液と
炭酸アルカリ又は炭酸水素アルカリを含有する沈澱剤の
水溶液とを混合して生成する沈澱を回収することによっ
て調製される。このとき使用される可溶性銅塩及び可溶
性亜鉛塩としては、それぞれ水溶性のものであればよ
く、例えば、硝酸銅、硫酸銅、塩化銅等の銅の無機酸
塩、酢酸銅等の銅の有機酸塩、テトラアンミン銅硝酸塩
等の銅のアンミン錯塩や、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜
鉛等の亜鉛の無機酸塩、酢酸亜鉛等の亜鉛の有機酸塩、
ヘキサアンミン亜鉛硝酸塩等の亜鉛のアンミン錯塩が挙
げられる。また、炭酸アルカリとしては、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム等が、炭酸水素ア
ルカリとしては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウ
ム、炭酸水素アンモニウム等が好適に使用される。上記
の銅塩及び亜鉛塩の使用割合は特に限定されないが、実
用的な活性及び濾過性を得るためには、銅/亜鉛比(原
子比)は通常4:6〜7:3であることが好適である。
溶液と前記沈澱剤を含有する水溶液とを混合するときの
温度は60〜95℃、好ましくは60〜90℃である。
この温度が低すぎると生成する銅及び亜鉛を含む不溶性
の塩基性炭酸塩の結晶性が悪くなって焼成した触媒の活
性及び濾過性が共に悪いものとなり、逆に高すぎると目
的の塩基性炭酸塩以外に一部酸化銅や銅又は亜鉛の水酸
化物が生成して沈澱に混入し、焼成した触媒の濾過性が
悪いものとなるために好ましくない。
及び可溶性亜鉛塩を含有する水溶液及び/又は沈澱剤を
含有する水溶液の滴下速度を調節することによって6.
5〜9.0に維持されることが好ましい。pHが低すぎ
ると目的の塩基性炭酸塩の他に塩基性硝酸銅、塩基性硫
酸銅等の使用した金属塩由来のアニオンを含有する塩基
性塩が生成して焼成した触媒の活性及び濾過性が共に悪
いものとなり、逆に高すぎると沈澱の量が少なくなった
り、一部酸化銅が生成して沈澱に混入し、焼成した触媒
の濾過性が悪いものとなるために好ましくない。上記溶
液の滴下終了後、生成した塩基性炭酸塩を熟成するた
め、溶液を攪拌しながら滴下時の温度に保持するか又は
放冷することが好ましい。なお、このとき、pHがわず
かに変化するが特に調整する必要はない。
回収して水洗した後、銅及び亜鉛を含む不溶性の塩基性
炭酸塩は、この沈殿を、通常、空気中又は窒素ガス等の
不活性ガス中、100〜120℃で乾燥して得ることが
できる。得られた銅及び亜鉛を含む不溶性の塩基性炭酸
塩は、X線回折によると銅と亜鉛を含む塩基性炭酸塩で
あるオーリカルサイト(Cu,Zn)5 (CO3 )
2 (OH)6 と同型の複塩が主成分で、一部塩基性炭酸
亜鉛が含まれているものである。
は窒素ガス等の不活性ガス中、300〜450℃で焼成
することによって本発明の酸化銅及び酸化亜鉛を成分と
する触媒を得ることができる。この塩基性炭酸塩は約2
20℃から分解し始めるが、焼成して実用的な活性及び
濾過性を有する酸化物とするためには300〜450℃
で焼成することが好ましい。このようにして得られた酸
化銅及び酸化亜鉛を成分とする触媒は何ら特別な処理を
することなくそのまま原料のエステル化物と混合して本
発明の水素化分解反応に使用される。
反応液から分離されるカルボン酸の混合物は、シクロヘ
キサンの酸化反応液、即ち、シクロヘキサンを液相空気
酸化してシクロヘキサノール及びシクロヘキサノンを製
造する際の酸化反応液やこのシクロヘキサノール及びシ
クロヘキサノンを硝酸酸化してアジピン酸を製造する際
の酸化反応液から、水抽出やアルカリ洗浄などの方法に
よって分離回収される。例えば、特公昭49−2716
4号公報に開示されているように、シクロヘキサンの液
相空気酸化反応液の水抽出により、カプロン酸、吉草
酸、酪酸などの一塩基酸、アジピン酸、グルタール酸、
コハク酸などの二塩基酸、オキシカプロン酸などのオキ
シ酸を多く含む水相を分液した後、水相を濃縮すること
により、シクロヘキサノールやシクロヘキサノンあるい
は一塩基酸を殆ど含まないカルボン酸の混合物を回収す
ることができる。
示されているように、シクロヘキサンの液相空気酸化反
応液を水酸化ナトリウム水溶液で洗浄して洗浄液を希硫
酸で中和した後、メチルエチルケトンで抽出して濃縮す
ることにより、アジピン酸、グルタール酸、コハク酸な
どの二塩基酸、及びオキシカプロン酸などのオキシ酸を
主成分とするカルボン酸の混合物を回収することもでき
る。
のような方法で分離回収されるアジピン酸、グルタール
酸、コハク酸などの二塩基酸及びオキシカプロン酸など
のオキシ酸を含有するカルボン酸の混合物をアルコール
でエステル化することにより容易に得ることができる。
このとき、アルコールとしては、例えば、メタノール、
エタノール、プロパノール、ブタノールなどの一価アル
コール、又は1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのジオール
を使用することができるが、好ましくは1,6−ヘキサ
ンジオール、特に好ましくは1,6−ヘキサンジオール
を50%以上含む上記エステル化物の水素化分解反応液
が使用される。
用量は、通常、原料のカルボン酸混合物の酸価(AV
値)に対して、アルコールの水酸基が当量で1.2〜
1.5倍の範囲であるように選ばれる。これが1.2倍
よりも小さい場合は、エステル化が非常に遅くなって反
応が完結しないため、得られるエステル化物のAV値が
高くなり水素化分解の原料としては好ましくないものと
なる。また、1.5倍よりも大きい場合は、エステル化
には支障はないが、エステル化及び水素化分解における
反応液の処理量が多くなるために装置が大きくなり、結
局、目的のジオール類の回収に多量のエネルギーを必要
とし、経済性が損なわれるようになる。
制限はないが、通常、反応温度200〜250℃で、得
られるエステル化物のAV値が5mg−KOH/g以
下、特に2mg−KOH/g以下になるまでエステル化
を行うことが好適である。これは、エステル化物のAV
値が5mg−KOH/gより高くなると、水素化分解に
おいて酸性物質の作用により水素化触媒の成分の溶解が
著しくなりその活性が低下するようになるためである。
なお、エステル化は平衡反応であるので、生成する水を
窒素ガスなどの不活性ガスに気化同伴させて除去すれば
反応を速やかに完結させることができる。
下、通常、反応温度が200〜300℃、好ましくは2
50〜300℃で、水素圧が該反応温度において150
〜300kg/cm2 (ゲージ圧)、好ましくは200
〜300kg/cm2 (ゲージ圧)の条件で、上記のよ
うにして得られたエステル化物を水素で水素化分解する
ことによって行われる。反応温度が300℃より高くな
ると水の副生が多くなり、水素圧が300kg/cm2
(ゲージ圧)より高くなると装置の安全性の点を考慮し
なければならないのでそれぞれ好ましくない。
の装置で行われる。即ち、原料のエステル化物と前記触
媒を耐圧反応器に仕込み、水素加圧下、攪拌しながら反
応温度まで昇温して反応させるバッチ式の反応で実施さ
れる。また、予め原料のカルボン酸エステルに触媒を懸
濁させて水素加圧下で加熱した後、これを反応器の下部
に連続的に導入して反応させる連続式の反応で実施する
こともできる。なお、使用される触媒は、通常、粒径分
布が5〜100μm、メジアン径が15〜25μmのも
のが好適で、その使用量は、原料のカルボン酸エステル
に対して、通常0.1〜3.0重量%、好ましくは0.
3〜1.5重量%である。
成したジオール類は、上記の反応器から取り出される反
応液から常法により容易に分離精製される。例えば、フ
ィルター式濾過装置を用いて反応液から水素化触媒を分
離した後、減圧蒸留装置を用いて1,6−ヘキサンジオ
ール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、エチレングリコールなどを分離精製して目的の製
品をそれぞれ得ることができる。
体的に説明する。各実施例及び比較例におけるカルボン
酸混合物のエステル化物は、特公昭49−27164号
公報記載のシクロヘキサンの液相空気酸化反応液の水抽
出による方法に従って調製されたカルボン酸の混合物
(アジピン酸:26.8重量%、オキシカプロン酸:3
1.9重量%、グルタール酸:6.1重量%、コハク
酸:1.2重量%)を、1,6−ヘキサンジオールを5
0%以上含有する水素化分解反応液でエステル化して調
製した。得られたエステル化物は1,6−ヘキサンジオ
ールを3.1重量%、1,5−ペンタンジオールを1.
1重量%、1,4−ブタンジオールを0.06重量%含
み、その酸価(AV)は0.8mg−KOH/g、ケン
化価(SV)は343mg−KOH/gであった。
解反応液は特開平3−115237号公報に記載されて
いる実施例1の方法により得られたもので、1,6−ヘ
キサンジオールを61.1重量%、1,5−ペンタンジ
オールを8.5重量%、1,4−ブタンジオールを0.
8重量%含むものである。また、生成物の分析は下記の
実施例におけると同様の方法により行ったものである。
250mlを内容積2lのガラス容器(触媒調製槽)に
入れて80〜85℃に保ち、攪拌下、この溶液にpHが
6.5に維持されるように硝酸銅0.157モル及び硝
酸亜鉛0.125モルを水250mlに溶解した液を3
0分間で滴下した。滴下終了後、引き続き攪拌しながら
放冷したが、この間、触媒調製槽中の溶液のpHは8.
2まで上昇した。生成した沈澱を濾過して洗浄し、空気
中120℃で乾燥した後、70メッシュの篩を通し、空
気中450℃で1時間焼成して触媒を調製した。得られ
た触媒の銅/亜鉛比(原子比)は、触媒を塩酸に溶解し
て原子吸光分析により分析したところ、1:1であっ
た。この触媒はそのまま下記の水素化分解に使用した。
ボン酸混合物のエステル化物350gと上記触媒3.5
gとを内容積500mlのSUS製オートクレーブに仕
込み、水素ガスを25℃で180kg/cm2 (ゲージ
圧)まで圧入した後、攪拌しながら280℃まで加熱し
た。次いで、反応温度280℃で、水素ガスを補充しな
がら水素圧を280kg/cm2 (ゲージ圧)の定圧に
保って5時間水素化分解を行った。
ター(有効直径:45mm)をセットした加圧濾過器
に、55℃に保持された反応液を全量入れて窒素ガスで
1kg/cm2 (ゲージ圧)に加圧しながら濾過を行っ
た。濾過時間は、この反応液の最初の50mlが通過し
た後、次の50mlの濾過に要する時間をストップウォ
ッチで測定して求めた。水素化分解により生成した1,
6−ヘキサンジオールなどのジオール類は濾過して得ら
れた濾液をガスクロマトグラフィーにより分析して求め
た。その結果、反応液の濾過性は0.5分で極めて良好
であった。また、反応液中には、1,6−ヘキサンジオ
ールが50.3重量%、1,5−ペンタンジオールが1
0.2重量%、1,4−ブタンジオールが0.7重量%
含まれていた。
って水素化分解に使用した。触媒の調製条件及び得られ
た結果を表1に示す。 〔エステル化物の水素化分解〕前記のカルボン酸混合物
のエステル化物100gと上記触媒2gとを内容積50
0mlのSUS製オートクレーブに仕込み、水素ガスを
25℃で180kg/cm2 (ゲージ圧)まで圧入した
後、攪拌しながら280℃まで加熱して、反応温度28
0℃、反応開始時の水素圧250kg/cm2 (ゲージ
圧)で3時間水素化分解を行った。なお、以下の実施例
及び比較例では、触媒活性の指標として、得られた反応
液中のジオール類の濃度を測定する代わりに、反応中に
ゲージ圧が240kg/cm2 から210kg/cm2
に下がる時間を測定して水素吸収速度を算出した。得ら
れた結果を表1に示す。
溶液を17.8重量%炭酸水素アンモニウム水溶液25
0mlに、硝酸銅及び硝酸亜鉛水溶液を硝酸銅0.12
6モル及び硝酸亜鉛0.10モルを水200mlに溶解
した液にそれぞれ代えて、pHを6.7に維持したこと
のほかは、実施例1と同様に触媒の調製と分析を行って
水素化分解に使用した。なお、放冷中、触媒調製槽中の
溶液のpHは8.1まで上昇した。触媒の調製条件及び
得られた結果を表1に示す。 〔エステル化物の水素化分解〕上記の触媒2gを使用し
て実施例2と同様に水素化分解と分析を行った。得られ
た結果を表1に示す。
(触媒調製槽)に入れて80℃に保ち、これに硝酸銅
0.25モル及び硝酸亜鉛0.25モルを水500ml
に溶解した液と10重量%炭酸ナトリウム水溶液とを攪
拌下同時に滴下した。滴下速度は、炭酸ナトリウム水溶
液が8g/分で、硝酸銅及び硝酸亜鉛水溶液は触媒調製
槽中の溶液のpHが8.0に維持される速度であった。
炭酸ナトリウム水溶液を650ml滴下したところで両
液の滴下を終了し、引き続き攪拌しながら80℃で1.
5時間熟成した。なお、このときpHは8.8まで上昇
した。生成した沈澱を濾過して洗浄し、空気中120℃
で乾燥した後、70メッシュの篩を通し、空気中450
℃で1時間焼成して触媒を調製した。この触媒は実施例
1と同様に分析を行って水素化分解に使用した。触媒の
調製条件及び得られた結果を表1に示す。 〔エステル化物の水素化分解〕上記の触媒2gを使用し
て実施例2と同様に水素化分解と分析を行った。得られ
た結果を表1に示す。
ことのほかは、実施例4と同様に触媒を調製して水素化
分解と分析を行った。なお、炭酸ナトリウム水溶液滴下
終了後、熟成中に触媒調製槽中の溶液のpHは8.8ま
で上昇した。触媒の調製条件及び得られた結果を表1に
示す。
ことのほかは、実施例4と同様に触媒を調製して水素化
分解と分析を行った。なお、炭酸ナトリウム水溶液滴下
終了後、熟成中に触媒調製槽中の溶液のpHは8.5ま
で上昇した。触媒の調製条件及び得られた結果を表1に
示す。
度に保ったことのほかは、実施例4と同様に触媒を調製
して水素化分解と分析を行った。なお、炭酸ナトリウム
水溶液滴下終了後、熟成中に触媒調製槽中の溶液のpH
は9.5まで上昇した。触媒の調製条件及び得られた結
果を表1に示す。
に維持したことのほかは、実施例4と同様に触媒を調製
して水素化分解と分析を行った。なお、炭酸ナトリウム
水溶液滴下終了後、熟成中に触媒調製槽中の溶液のpH
は7.6まで上昇した。触媒の調製条件及び得られた結
果を表2に示す。
に維持したことのほかは、実施例4と同様に触媒を調製
して水素化分解と分析を行った。なお、炭酸ナトリウム
水溶液滴下終了後、熟成中に触媒調製槽中の溶液のpH
は9.3まで上昇した。触媒の調製条件及び得られた結
果を表2に示す。
に維持したことのほかは、実施例4と同様に触媒を調製
したが、銅及び亜鉛を含有する塩基性炭酸塩が得られな
かった。
トリウム水溶液との混合を、10重量%炭酸ナトリウム
水溶液460mlを内容積2lのガラス容器(触媒調製
槽)に入れて80〜85℃に保ち、これに硝酸銅0.1
2モル及び硝酸亜鉛0.28モルを水400mlに溶解
した液を滴下する方法(滴下開始時のpH:11.0)
に変えたことのほかは、実施例4と同様に触媒を調製し
て水素化分解と分析を行った。なお、炭酸ナトリウム水
溶液滴下終了後、触媒調製槽中の溶液のpHは7.3で
あり、このpHを維持して熟成を行った。触媒の調製条
件及び得られた結果を表2に示す。
トリウム水溶液との混合を、硝酸銅0.25モル及び硝
酸亜鉛0.25モルを水500mlに溶解した液を内容
積2lのガラス容器(触媒調製槽)に入れて80〜85
℃に保ち、これに10重量%炭酸ナトリウム水溶液47
0mlを滴下する方法(滴下開始時のpH:2.0)に
変えたことのほかは、実施例4と同様に触媒を調製して
水素化分解と分析を行った。なお、炭酸ナトリウム水溶
液滴下終了後、触媒調製槽中の溶液のpHは6.9であ
り、このpHを維持して熟成を行った。触媒の調製条件
及び得られた結果を表2に示す。
0.20モル及び硝酸亜鉛0.30モルを水500ml
に溶解した液に変えたことのほかは、実施例4と同様に
触媒を調製して水素化分解と分析を行った。なお、炭酸
ナトリウム水溶液滴下終了後、熟成中に触媒調製槽中の
溶液のpHは8.7まで上昇した。触媒の調製条件及び
得られた結果を表2に示す。
0.25モル及び硝酸亜鉛0.25モルを水500ml
に溶解した液に代えたことのほかは、実施例4と同様に
触媒を調製して水素化分解と分析を行った。なお、炭酸
ナトリウム水溶液滴下終了後、熟成中に触媒調製槽中の
溶液のpHは8.8まで上昇した。触媒の調製条件及び
得られた結果を表2に示す。
0.30モル及び硝酸亜鉛0.20モルを水500ml
に溶解した液に代えたことのほかは、実施例4と同様に
触媒を調製して水素化分解と分析を行った。なお、炭酸
ナトリウム水溶液滴下終了後、熟成中に触媒調製槽中の
溶液のpHは8.9まで上昇した。触媒の調製条件及び
得られた結果を表2に示す。
0.15モル及び硝酸亜鉛0.35モルを水500ml
に溶解した液に代えたことのほかは、実施例4と同様に
触媒を調製して水素化分解と分析を行った。なお、炭酸
ナトリウム水溶液滴下終了後、熟成中に触媒調製槽中の
溶液のpHは8.5まで上昇した。触媒の調製条件及び
得られた結果を表2に示す。
0.40モル及び硝酸亜鉛0.10モルを水500ml
に溶解した液に代えたことのほかは、実施例4と同様に
触媒を調製して水素化分解と分析を行った。なお、炭酸
ナトリウム水溶液滴下終了後、熟成中に触媒調製槽中の
溶液のpHは9.0まで上昇した。触媒の調製条件及び
得られた結果を表2に示す。
0.25モル及び硫酸亜鉛0.25モルを水500ml
に溶解した液に代え、焼成温度を440℃に変えたこと
のほかは、実施例4と同様に触媒を調製して水素化分解
と分析を行った。なお、炭酸ナトリウム水溶液滴下終了
後、熟成中に触媒調製槽中の溶液のpHは8.7まで上
昇した。触媒の調製条件及び得られた結果を表3に示
す。
のほかは、実施例11と同様に触媒を調製して水素化分
解と分析を行った。なお、炭酸ナトリウム水溶液滴下終
了後、熟成中に触媒調製槽中の溶液のpHは8.7まで
上昇した。触媒の調製条件及び得られた結果を表3に示
す。
のほかは、実施例11と同様に触媒を調製して水素化分
解と分析を行った。なお、炭酸ナトリウム水溶液滴下終
了後、熟成中に触媒調製槽中の溶液のpHは8.7まで
上昇した。触媒の調製条件及び得られた結果を表3に示
す。
のほかは、実施例11と同様に触媒を調製して水素化分
解と分析を行った。なお、炭酸ナトリウム水溶液滴下終
了後、熟成中に触媒調製槽中の溶液のpHは8.7まで
上昇した。触媒の調製条件及び得られた結果を表3に示
す。
活性及び濾過性に関する問題点を同時に克服した、活性
及び濾過性が共に優れたクロムを含まない触媒を使用し
て、シクロヘキサンの酸化反応液から分離されるカルボ
ン酸混合物のエステル化物を水素で水素化分解して1,
6−ヘキサンジオールなどのジオール類を容易に得るこ
とができる。
Claims (1)
- 【請求項1】シクロヘキサンの酸化反応液から分離され
るカルボン酸の混合物をアルコールでエステル化した
後、生成したエステル化物を水素で水素化分解してジオ
ール類を製造する方法において、可溶性銅塩及び可溶性
亜鉛塩を含有する水溶液と炭酸アルカリ又は炭酸水素ア
ルカリを含有する水溶液とを温度が60〜95℃、pH
が6.5〜9.0、銅/亜鉛比(原子比)が4:6〜
7:3の条件で混合して生成する銅及び亜鉛を含む不溶
性の塩基性炭酸塩を300〜450℃で焼成して得られ
る触媒の存在下、前記エステル化物を水素で水素化分解
することを特徴とするジオール類の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32560894A JP3161578B2 (ja) | 1993-12-28 | 1994-12-27 | ジオール類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33765593 | 1993-12-28 | ||
JP5-337655 | 1993-12-28 | ||
JP32560894A JP3161578B2 (ja) | 1993-12-28 | 1994-12-27 | ジオール類の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07233108A JPH07233108A (ja) | 1995-09-05 |
JP3161578B2 true JP3161578B2 (ja) | 2001-04-25 |
Family
ID=26571885
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32560894A Expired - Fee Related JP3161578B2 (ja) | 1993-12-28 | 1994-12-27 | ジオール類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3161578B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008149648A1 (ja) | 2007-06-06 | 2008-12-11 | Ube Industries, Ltd. | 1,5-ペンタンジオール及び/又は1,6-ヘキサンジオールの製造方法 |
-
1994
- 1994-12-27 JP JP32560894A patent/JP3161578B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008149648A1 (ja) | 2007-06-06 | 2008-12-11 | Ube Industries, Ltd. | 1,5-ペンタンジオール及び/又は1,6-ヘキサンジオールの製造方法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07233108A (ja) | 1995-09-05 |
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