JP3161300B2 - H形鋼の圧延方法及びその装置 - Google Patents

H形鋼の圧延方法及びその装置

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JP3161300B2
JP3161300B2 JP26038495A JP26038495A JP3161300B2 JP 3161300 B2 JP3161300 B2 JP 3161300B2 JP 26038495 A JP26038495 A JP 26038495A JP 26038495 A JP26038495 A JP 26038495A JP 3161300 B2 JP3161300 B2 JP 3161300B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はH形鋼の圧延方法及
びその装置に関し、特に、H形鋼の寸法精度の向上に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来のH形鋼の熱間圧延工程を図2に模
式的に示す。加熱炉1にて所定の温度に加熱されたスラ
ブ、ブルーム又はビームブランクなどの素材は、ブレー
クダウン圧延機2により粗鋼片に圧延され、次に少なく
ともそれぞれ1台以上のユニバーサル圧延機3及びエッ
ジャ圧延機4からなる粗ユニバーサル圧延機群にて所定
の寸法となるまで圧延され、仕上げユニバーサル圧延機
5で製品形状寸法に圧延される。
【0003】このような圧延工程によって製造されるH
形鋼10には、図3に示されるようなウェブ厚みt1、
4カ所のフランジ厚みt21,t22,t23,t2
4、左右フランジ幅B1,B2及びウェブ中心の偏りS
といった寸法の公差の規定があり、これらの寸法を良好
な精度で圧延することが重要となるが、従来は以下に述
べる理由から安定して圧延することが困難であり、これ
ら要求される寸法を有すH形鋼を製造する際には、寸法
はずれによって歩留りが低下し圧延能率が阻害されてい
た。
【0004】ブレークダウン圧延機2では、図4に示さ
れるような複数の孔型12により粗鋼片を圧延するが、
被圧延材のセンタリングガイドの設定位置、圧延噛込み
姿勢又は孔型形状及びパススケジュールの不適正又はガ
タなどに起因して、所望の左右上下対称な適正粗鋼片を
常に得ることは難しく、断面形状が不均一な粗鋼片は、
以降のユニバーサル圧延を施した後の最終製品の寸法精
度を低下させる要因となっている。
【0005】また、粗ユニバーサル圧延機群において
は、一対の水平ロールと一対の垂直ロールを有するユニ
バーサル圧延機により、ウェブは水平ロール対の間隙
で、4カ所のフランジは水平ロールと垂直ロールとの間
隙により厚み方向に圧下され、また、左右のフランジ幅
はエッジャ圧延機により圧下され、これらの圧延が所定
の寸法になるまで繰り返し行われる。ユニバーサル圧延
機群での圧延では、種々の圧延因子がウェブ及び4カ所
のフランジの変形に影響を与え、更にそれらの変形が相
互に影響しあうことから、4カ所のフランジの厚み及び
脚長を均一とすることが、つまりフランジ偏肉、ウェブ
の中心の偏り、及び左右のフランジ幅偏差を0とするこ
とが難しい。
【0006】まず、フランジ厚みを均一とすることが困
難である第1の理由は、ブレークタウン圧延を終了した
粗網片14の断面形状が図5に示されるように上下左右
に対称でない場合には、水平ロール対の間隙は適正に、
水平ロールと垂直ロールとの4カ所の間隙を全て等しく
適正に設定して圧延したとしても、圧延素材となる粗鋼
片14のフランジに相当する各部の厚みが異なるため、
フランジ4カ所でのそれぞれの圧延反力が異なり、図6
に示されるように圧延反力の差から弾性的に支持されて
いる垂直ロール20のみならず水平ロール22もロール
軸方向に変位するため、ユニバーサル圧延後のフランジ
各部の厚さは均一のものとはならない、という点にあ
る。
【0007】また、第2の理由は、ブレークダウン圧延
を終了した粗鋼片の断面形状が上下左右対称で良好な場
合であっても、ユニバーサル圧延において圧延前に予め
水平ロール対と垂直ロール対を所望の間隙に精度良く設
定し、且つ、それを確認することは現状では圧延機のガ
タ及び有効なロール間隙検出機がないためきわめて難し
く、或るパスのロール間隙が不適正であれば、被圧延材
は当該パス圧延後には次パス以降に対して厚みの不均一
な圧延素材となる、という点にあり、前述したように最
終製品における寸法精度の低下を招く原因となってい
た。
【0008】次に、効果的にフランジの脚長を均一とす
ることが困難な理由について述べる。その第1の理由
は、フランジの4カ所の脚長は、被圧延材がユニバーサ
ル圧延機に噛込む際の姿勢又は位置が不適正であると容
易に変化するが、全ての圧延パスにおいて噛込み姿勢又
は位置を適正化することが困雑である、という点にある
ことによる。第2の理由は、各フランジの脚長は、各フ
ランジの厚み方向の圧下率の違いによって各フランジの
幅拡がりが異なることにより新たなる差が生じ、場合に
よってはフランジ脚長の差を増長することになる、とい
う点にあり、これは左右のフランジ幅の偏差の増大も引
き起こす。そして、第3の理由は、フランジ4カ所の厚
みと脚長を同時に所望の寸法にかつ均一にすることは困
難を極める、という点にある。
【0009】H形鋼圧延における寸法制御に関しては、
種々の検討がなされており、フランジ4カ所の厚みを均
一とする技術とし、特開平6−15327号公報で開示
された技術が挙げられる。この技術によればフランジ4
カ所の厚みの不均一性の低減には効果があるが、これを
行うことによって新たな寸法の不良を生じるという難点
がある。つまり、フランジ4カ所の厚み不均一を有する
ブレークダウン圧延後の粗鋼片を素材とし、この技術を
適用した場合には、この不均一を解消するためフランジ
部4カ所の厚み方向の圧下率に差が生じ、この圧下率差
によってフランジの幅拡がりに差が生じ最終的には、図
7に示されるように、フランジの脚長の不均一つまりウ
ェブの偏りの悪化及び左右のフランジ幅の差異の増大を
招くこととなる。
【0010】また、ウェブ中心の偏りを抑制する技術と
しては、特開平6−15323号公報、特開平5−17
7226号公報等が挙げられる。特開平6−15323
号公報に開示されているのは、先に述べたフランジ4カ
所の圧下率差によって生じる中心の偏りを低減する技術
であり、これはフランジ脚長の差つまりウェブ中心の偏
りを低減するものの、フランジ4カ所の厚み不均一及び
左右フランジ幅偏差を同時に解消することはできない。
更に、特開平5−177226号公報に開示されている
のは、先に述べた被圧延材の噛込み位置又は姿勢を変更
することにより中心の偏りを低減する技術であるが、フ
ランジ4カ所の肉厚方向の圧下率の違いにより新たに発
生する各脚長の変化に対する防止効果はなく、また、粗
ユニバーサル圧延のようにロールに面角を有す圧延での
パスライン、つまり水平ロール間隙の中心と竪ロール幅
方向中心を変更する場合には、フランジの上下厚みの差
異が生じるといった問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の技術においては例えばフランジ4カ所の肉厚の均一性
向上、又はウェブ中心の偏りの抑制といった個々の寸法
精度向上には効果があるものの、他の寸法精度に対して
は阻害する又は向上効果がないといった問題点があっ
た。つまり、従来のユニバーサル圧延法では、要求され
るフランジ4カ所の厚み及び脚長の均一性、左右フラン
ジ幅の均一性を同時に満足することが非常に困難であ
り、或る箇所の寸法を所定の公差範囲内収めようとした
場合には、他の箇所の寸法はずれを誘発する可能性があ
る。実際の圧延では、或るサイズの圧延開始直後のH形
鋼において、或る箇所の寸法精度が劣り、甚だしい場合
には公差はずれとなり歩留り低下を招くとともに、以降
の圧延においてこの寸法が最も劣る箇所を修正しようと
した場合には、他の箇所の寸法劣下を引き起こすといっ
た問題が生じ、これは、歩留り向上を阻害するととも
に、圧延能率をも阻害してきた。また、近年、外法一定
H形鋼のように寸法公差も厳しくしかも1サイズのロッ
トが小さい場合には、上記の問題は極めて探刻であっ
た。
【0012】本発明は、H形鋼の圧延において従来接術
によっては困難であった要求されるフランジ4カ所の厚
み及び脚長の均一性、左右フランジ幅の均一性を同時に
満足し、且つこれら寸法の絶対値も高精度に実現し、更
に、歩留り及び圧延能率の向上をも可能にしたH形鋼の
圧延方法及びその装置を提供するとを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、粗ユニバーサ
ル圧延機群と仕上げユニバーサル圧延機をとおしてH形
鋼を圧延する工程において、被圧延材の少なくともフラ
ンジ4カ所の厚みと4カ所の脚長、ウェブ厚みをそれぞ
れ測定し、各寸法が目標とする寸法に対して差異がある
場合には、その測定結果から以降の1パス以上の圧延に
おいて、圧延材の噛込み姿勢又は位置、上下水平ロール
対と左右垂直ロール対とから構成されるロール間隙及び
エッジャの左右ロール間隙を適正に設定することによ
り、所望のウェブ厚み、フランジ4カ所の厚み、及び左
右フランジ幅を有するH形鋼を圧延可能とするものであ
る。即ち、本発明においては、ブレークダウン圧延によ
り得られた粗鋼片を素材として、少なくともそれぞれ一
基以上の圧延材の噛込み姿勢又は位置が調整可能な噛込
み調整装置が圧延入側に配され、水平ロールが軸方向に
移動可能に支持されたユニバーサル圧延機、及び左右フ
ランジ幅の圧下量を個別に調整できるエッジャ圧延機か
らなる粗ユニバーサル圧延機群と、仕上げ圧延機とから
なる圧延機列によりH形鋼を圧延する際に、粗ユニバー
サル圧延機に近接する位置に少なくともフランジ厚み4
カ所、フランジ脚長4カ所、ウェブ厚みを測定する熱間
寸法計を少なくとも1台配置し、これらの測定結果から
各寸法の目標値との偏差を算出し、圧延材の噛込み姿勢
又は位置、フランジ厚み4カ所の圧下率、ウェブ厚みの
圧下率、左右フランジ幅の圧下率、被圧延材の変形特性
及び圧延機の特性から被圧延材の形状を乱さずに、以降
の圧延パスで所望の各部寸法を有するH形鋼を得るため
の圧延材の噛込み姿勢又は位置の調整量と、上下水平ロ
ール及び垂直ロールから構成されるロール間隙と、エッ
ジャ圧延機の左右のロール間隙の修正量をそれぞれ演算
し、この演算結果に基づいて各ロールの位置を変更し、
以降1パス以上で圧延する。
【0014】まず、本発明を構成する各ミル及び装置と
被圧延材の変形特性との関係について述べる。ユニバー
サル圧延の入側に配され、圧延材の噛込み姿勢又は位置
を調整する噛込み調整装置32は、ユニバーサル圧延機
34における上下水平ロール間隙及び竪ロール間隙に対
し、図8に示されるように左右独立に被圧延材14を上
下させて噛込ませることを可能とするものであり、図9
(a)に示され状態つまり上下水平ロール22の間隙中
心と被圧延材30のウェブ中心とを合致させ、圧延パス
ラインに平行に被圧延材30を噛込ませた状態では、ユ
ニバーサル圧延での4カ所のフランジの圧下率に差がな
ければ、4カ所のフランジ脚長に新たな偏差は生じな
い。この状態から被圧延材の噛込み姿勢又は位置を図9
(b)に示されるように変更させた場合には、噛込み調
整装置32の変更量ΔGD 、ΔGF とフランジ4カ所の
脚長の変化量との関係は以下のように表わせる。 ΔB21=C1 *ΔGD ΔB22=−C1 *ΔGD ΔB23=C1 *ΔGF ΔB24=−C1 *ΔGF … (1) ΔB21;ドライブ上側のフランジ部脚長の変化量 ΔB22;ドライブ下側のフランジ部脚長の変化量 ΔB23;フリー下側のフランジ部脚長の変化量 ΔB24;フリー下側のフランジ部脚長の変化量 C1 ;被圧延材の形状及び噛込み調整装置の被圧延材に
対する拘束度合により決定される係数
【0015】次に、ユニバーサル圧延機において、図6
に示されるように、上下水平ロール22の間隙でウェブ
14aが、上下水平ロール22と左右垂直ロール20に
より構成される4カ所の間隙でフランジ14bが圧延さ
れる場合には、このとき発生する各部圧延反力により各
ロールは弾性変位する。ここで、水平ロール22の軸方
向変位を表わす際に、便宜上、下水平ロール位置を基準
とし、また、垂直ロール20の胴長方向の中心に対し
て、水平ロール22対により構成されるロール間隙中心
のオフセット量をPL で表すと、ロール間隙と圧延反力
の関係はガタ及びミル定数により例えば以下のように表
わされる。
【0016】 tw2 =SH +PH /KH +δH tF21=RVD+(PF1+PF2)/KVD+RH +(PF1−PF3)/KHT +δVD−PLtanθ tF22=RVD+(PF1+PF2)/KVD+(PF2−PF4)/KHT+δVD+P1tanθ tF23=RVF+(PF3+PF4)/KVF−RH −(PF1−PF3)/KHT +δVF−PLtanθ tF24=RVF+(PF3+PF4)/KVD−(PF2−PF4)/KHT+δVF+PLtanθ …(2) tw2 ;圧延後のウェブ厚み δH ;水平ロールの圧下方向ガタ SH ;無負荷時水平ロール間隙 KH ;水平ロール支持系のバネ定数 PH ;水平ロールに作用する圧延反力 PF1;フランジ部の圧延反力 i ;1〜4,フランジ位
置 δVj;垂直ロールガタ RVj;垂直ロール位置 j ;D,F,ドライブ側又はフ
リー側垂直ロール KVj;垂直ロール支持系のバネ定数 RH ;上水平ロール軸方向移動量 KHT;水平ロール軸方向支持系のバネ定数 θ ;ロール面角
【0017】上式を一般的に記述すると以下の関係式と
なる。 tw2 =F1 (PH ,δH ,SH0,KH ,…) tF21=F2 (PF1,PF2,PF3,PF4,δVD,KVD,RVD,RH ,KHT, PL …) tF22=F3 (PF1,PF2,PF3,PF4,δVD,KVD,RVD,PL ,…) tF23=F4 (PF1,PF2,PF3,PF4,δVF,KVF,RVF,RH ,KHT, PL ,…) tF24=F5 (PF1,PF2,PF3,PF4,δVF,KVF,RVF,PL …) …(3)
【0018】各部の圧延反力は、ウェブ部及びフランジ
4カ所の圧下率又は圧下歪により相互に影響しており、
更に、圧延素材の形状、各部寸法によっても影響される
ことから例えば以下のように表わされる。 PH =PH0*QH +0.5*(PF1+PF2+PF3+PF4)tan θ PF1=PF10 *QF1 PF2=PF20 *QF2 PF3=PF30 *QF3 PF4=PF40 *QF4 …(4) PH0 ;フランジ部との相互作用がないとした場合のウ
ェブ部圧延荷重 PFk0 ;ウェブ部との相互作用がないとした場合のフラ
ンジ部圧延荷重 k ;1〜4,フランジ位置 QH ;フランジ部との相互作用による影響を考慮した
係数 Qfk ;フランジ部との相互作用による影響を考慮した
係数 k ;1〜4,フランジ位置 例えば相互作用がないとした場合の圧延荷重は、板圧延
の荷重式を用いて以下のように表わされる。
【0019】
【数1】
【0020】ウェブ及びフランジの相互作用による影響
項は、例えば下記のように表わされる。 QH =C2 *(λw −λFA)+C3 QFk=C4 *(λw −λFA+C4'λFK)+C5 k;1 〜4,フランジ位置 …(6) λw ;ウェブの圧下歪=ln (tw2/tw1) λFk;フランジの圧下歪=1n(tF2k/tF1k) λFA;フランジの平均圧下歪=0.25*(1n(tF21/
tF11)+1n(tF22/tF12)+1n(tF23/tF13)+1n(tF
24/tF14)) C2 〜C5 ;圧延材の形状、寸法等により決まる係数
【0021】以上の圧延反力と圧下歪の関係を一般的に
記述すると以下のように表わされる。 PH =F6 (tw1,tF11 〜tF14 ,B11〜B14,tw2,tF21 〜tF24 , B21〜B24,PF1〜PF4 ,…) PF1=F7 (tw1,tF11 〜tF14 ,B11〜B14,tw2,tF21 〜tF24 , B21〜B24,…) PF2=F8 (tw1,tF11 〜tF14 ,B11〜B14,tw2,tF21 〜tF24 , B21〜B24,…) PF3=F9 (tw1,tF11 〜tF14 ,B11〜B14,tw2,tF21 〜tF24 , B21〜B24, …) PF4=F10 (tw1,tF11 〜tF14 ,B11〜B14,tw2 ,tF21 〜tF24 , B21〜B24,…) …(7)
【0022】更に、ユニバーサル圧延におけるフランジ
の脚長の変化は、圧延反力と同様にウェブ部との相互影
響を考慮し、フランジ各部の厚み方向の圧歪とウェブ部
の厚み方向圧下歪により、例えば以下のように表わされ
る。 ln (B2k/B1k)=C6 (λw −λFA)+C7 (λW −λFk)+C8 …(8) C6 〜C8 ;圧延材の形状、寸法等により決まる係数 k ;1〜4,フランジ位置 各部フランジ脚長は一般的には以下のように表わされ
る。 B21=F11(tw1 ,tF11〜tF14,B11〜B14,tw2 ,tF21〜tF24,…) B22=F12(tw1,tF11 〜tF14 ,B11〜B14,tw2,tF21 〜tF24 ,…) B23=F13(tw1,tF11 〜tF14 ,B11〜B14,tw2,tF21 〜tF24 ,…) B24=F14(tw1,tF11 〜tF14 ,B11〜B14,tw2,tF21 〜tF24 ,…) …(9) twi ;ウェブ厚み tFij ;フランジ厚み i ;1:ユニバーサル圧延前寸法 2:ユニバーザル圧延後寸法 Bij;フランジ幅 j ;1〜4:フランジ部4カ所
【0023】エッジャ圧延においても同様にロール間隙
と圧延反力の関係は、ガタ、ロールを支持している弾性
系のバネ定数などにより以下のように表わされる。 B21+B22=SD +PD /KED+δD B23+B24=SF +PE /KEF+δF …(10) SD ,SF ;ドライブ側、フリー側のエッジャロール間
隙 δD ,δF ;ドライブ側、フリー側のエッジャロールガ
タ KED,KEF;エッジャロールのドライブ側、フリー側の
支持系のバネ定数 PD ,PF ;ドライブ側、フリー側のエッジャロール圧
延反力
【0024】圧延反力は、ドライブ側上下またフリー側
上下で釣り合うことから、例えば以下のように表わされ
る。
【0025】
【数2】
【0026】また、ウェブ部及び各フランジ部の厚み
は、エッジングにより変化し、例えば以下のように表わ
される。 ln (tw2 /tw1 )=−γk ln (B1k/B2k) ln (tF2k /tF1k )=(1−γk )ln (B1k/B2k) …(12) γk ;圧延材の寸法、形状によって決定する係数 エッジャ圧延における各部出側寸法を、以上の関係から
一般的に表わすと次のようになる。 tw2 =E1 (tw1,tF11 〜tF14 ,B11〜B14,tF21 〜tF24 , B21〜B24,…) tF21 =E2 (tw1,tF11 〜tF14 ,B11〜B14,tW2 ,tF22 〜tF24 , B21〜B24,…) tF22 =E3 (tw1,tF11 〜tF14 ,B11〜B14,tW2,tF21 , tF23 〜tF24 ,B21〜B24,…) tF23 =E4 (tw1,tF11 〜tF14 ,B11〜B14,tW2,tF21 〜tF22 tF24 ,B21〜B24,…) tF24 =E5 (tw1,tF11 〜tF14 ,B11〜B14,tW2,tF21 〜tF23 , B21〜B24,…) B21+B22=E6 (tw1,tF11 〜tF14 ,B11〜B14,SD ,SF ,tW2, tF21 〜tF24 ,B23〜B24) B21+B22=E7 (tw1,tF11 〜tF14 ,B11〜B14,SD ,SF ,tW2 , tF21 〜tF24 ,B23〜B24) B23+B24=E8 (tw1,tF11 〜tF14 ,B11〜B14,SD ,SF ,tW2, tF21 〜tF24 ,B21〜B22) B23+B24=E8 (tw1,tF11 〜tF14 ,B11〜B14,SD ,SF ,tW2, tF21 〜tF24 ,B21〜B22) …(13) twi ;ウェブ厚み tFij ;フランジ厚み i ;1:エッジャ圧延前寸法 2:エッジャ圧延後寸法 Bij;フランジ幅 j ;1〜4:フランジ部4カ所
【0027】以上、各ミルにおける変形特性とロール間
隙等との関係を提示したが、これら非線形な関形式から
各部寸法とロール間隙との関係を表わすことは繁雑又は
困難であること、また、実際の圧延でロール間隙を修正
する場合は、その修正量を求めるだけで十分であること
から、(2)〜(13)の各式をテイラー展開し、その
一次項のみを考慮することにより、各ミル及び装置にお
ける出側の各部寸法変化量は入側寸法変化量、及びロー
ル間隙変化量の線形な関係式で表わすことができる。例
えばユニバーサル圧延における出側ウェブ厚みの変化量
Δtw2 は以下のように表わされる。(2)式を変化量で
表わすと Δtw2=ΔSH +ΔPH /KH …(14) 各部圧延反力に関する(4)式を展開すると
【0028】
【数3】
【0029】これを(14)に代入することにより、線
形な関形式は一般的には以下のように表わされる。 Δtw2 =a1*Δtw1 +a2*ΔtF11+a3*ΔtF12+a4*ΔtF13+a5*ΔtF14+ a6*ΔB11+a7*ΔB12+a8*ΔB13+a9*ΔB14+ a10 *ΔSH +a11 *ΔtF21+a12 *ΔtF22+a13 *ΔtF23+ a14 *ΔtF24 =f1(Δtw1 ,ΔtF11 〜ΔtF14 ,ΔB11〜ΔB14,ΔSH , ΔtF21 〜ΔtF24,ΔB21〜ΔB24) am;圧廷材の寸法、形状、ロール間隙設定値などにより
決定される係数 m =1〜14
【0030】同様にしてユニバーサル圧延における出側
各部フランジ厚み、脚長は以下のように表わされる。 ΔtF21 =f2(Δtw1 ,ΔtF11 〜ΔtF14 ,ΔB11〜ΔB14,ΔSH , ΔRH ,ΔRVD,ΔRVF,ΔPL ,Δtw2 ,ΔtF22 〜ΔtF24 , ΔB21〜ΔB24) ΔtF22 =f3(Δtw1,ΔtF11 〜ΔtF14 ,ΔB11〜ΔB14,ΔSH , ΔRH ,ΔRVD,ΔRVF,ΔPL ,Δtw2 ,ΔtF21 ,ΔtF23 〜Δ tF24 ,ΔB21〜ΔB24) ΔtF23 =f4(Δtw1,ΔtF11 〜ΔtF14 ,ΔB11〜ΔB14,ΔSH , ΔRH ,ΔRVD,ΔRVF,ΔPL ,Δtw2 ,ΔtF21 〜ΔtF22 , tF24,ΔB21〜ΔB24) ΔtF24 =f5(Δtw1,ΔtF11 〜ΔtF14 ,ΔB11〜ΔB14,ΔSH , ΔRH ,ΔRVD,ΔRVF,ΔPL ,Δtw2,ΔtF21 〜ΔtF23 , ΔB21〜ΔB24) ΔB21=f6(Δtw1,ΔtF11 〜ΔtF14 ,ΔB11〜ΔB14,ΔSH ,ΔRH , ΔRVD,ΔRVF,ΔPL ,Δtw2,ΔtF21 〜ΔtF24, ΔB23〜ΔB24) ΔB22=f7(Δtw1,ΔtF11 〜ΔtF14 ,ΔB11〜ΔB14,ΔSH ,ΔRH , ΔRVD,ΔRVF,ΔPL ,Δtw2,ΔtF21 〜ΔtF24 , ΔB23〜ΔB24) ΔB23=f8(Δtw1,ΔtF11 〜ΔtF14 ,ΔB11〜ΔB14,ΔSH ,ΔRH , ΔRVD,ΔRVF,ΔPL ,Δtw2 ,ΔtF21 〜ΔtF24 , ΔB21〜ΔB22) ΔB24=f9(Δtw1,ΔtF11 〜ΔtF14 ,ΔB11〜ΔB14,ΔSH ,ΔRH , ΔRVD,ΔRVF,ΔPL ,Δtw2,ΔtF21 〜ΔtF24 , ΔB21〜ΔB22) …(16)
【0031】また、圧延素材の噛込み調整装置では、各
部厚みは変化しないため、ウェブ厚み、フランジ各部厚
み及び脚長の変化量つまり9カ所の寸法変化量は(1)
式より以下のように表わされる。 Δtw2 =0 ΔtF21=0 ΔtF22=0 ΔtF23=0 ΔtF24=0 ΔB21=C1 *ΔGD ΔB22=−C1 *ΔGD ΔB23=C1 *ΔGF ΔB24=−C1 *ΔGF …(17)
【0032】更に、エッジャ圧延においても出側各部寸
法変化量は(13)式より以下のように表わされる。 Δtw2 =g1(Δtw1,ΔtF11 〜ΔtF14 ,ΔB11〜ΔB14,ΔSD, ΔSF,ΔtF21 〜ΔtF24,ΔB21〜ΔB24) ΔtF21 =g2(Δtw1,ΔtF11 〜ΔtF14 ,ΔB11〜ΔB14,ΔSD, ΔSF,Δtw2,ΔtF22 〜ΔtF24 ,ΔB21〜ΔB24) ΔtF22 =g3(Δtw1,ΔtF11 〜ΔtF14 ,ΔB11〜ΔB14,ΔSD, ΔSF,Δtw2,ΔtF21 ,ΔtF23 〜ΔtF24 ,ΔB21〜ΔB24) ΔtF23 =g4(Δtw1,ΔtF11 〜ΔttF14,ΔB11〜ΔB14,ΔSD, ΔSF,ΔtF21 〜ΔtF22 ,ΔtF24 ,ΔB21〜ΔB24) ΔtF24 =g5(Δtw1,ΔtF11 〜ΔtF14 ,ΔB11〜ΔB14,ΔSD, ΔSF,Δtw2,ΔtF21 〜ΔtF23 ,ΔB21〜ΔB24) ΔB21+ΔB22=g6(Δtw1,ΔtF11 〜ΔtF14 ,ΔB11〜ΔB14,ΔSD, ΔSF,Δtw2,ΔtF21 〜ΔtF24 ,ΔB23〜ΔB24) ΔB21+ΔB22=g7(Δtw1,ΔtF11 〜ΔtF14 ,ΔB11〜ΔB14,ΔSD, ΔSF,Δtw2,ΔtF21 〜ΔtF24 ,ΔB23〜ΔB24) ΔB23+ΔB24=g8(Δtw1,ΔtF11 〜ΔtF14 ,ΔB11〜ΔB14,ΔSD, ΔSF,Δtw2,ΔtF21 〜ΔtF24 ,ΔB21〜ΔB22) ΔB23+ΔB24=g9(Δtw1,ΔtF11 〜ΔtF14 ,ΔB11〜ΔB14,ΔSD, ΔSF,Δtw2,ΔtF21 〜ΔtF24 ,ΔB21〜ΔB22) …(18) Δ;変化量
【0033】以上の(16)〜(18)式に示したよう
に、各ミル及び装置において、9ケの出側寸法変化量に
対応する線形な関形式を得ることができる。
【0034】ここで、ユニバーサル圧延に近接した位置
に配置された寸法計により、少なくともウェブ厚み、4
カ所フランジ厚み、4カ所フランジ脚長を測定した結
果、目標とする値との間に偏差が生じた場合、本発明に
より以降の圧延パスにおいて所望の寸法を有すH形鋼を
得る方法について述べる。
【0035】寸法計で測定した時点での目標寸法と測定
結果の偏差及び寸法変化量、ロール間隙修正量をΔを用
いて表わすこととし、測定結果と各部寸法の偏差を素材
の噛込み位置調整装置、ユニバーサル圧延機とエッジャ
圧延機からなるラインにおいて、1パス圧延で寸法偏差
を解消する例を示す。
【0036】図1に、寸法測定機30、素材の噛込み調
整装置32、ユニバーサル圧延機34及びエッジャ圧延
機36の配置例と、それら各位置での被圧延材の寸法変
化量、ロール間隙修正量を示す。被圧延材の入側におけ
る各部寸法の目標値との偏差は既知であり、また1パス
圧延終了後の各部寸法変化量は目標値と一致させるため
“0”であり既知であり、その数は18ケとなる。求め
るべきものつまり未知なるものは入側の寸法偏差を修正
するためのロール間隙及び噛込み位置修正量と、修正さ
れたロール間隙により圧延された被圧延材の寸法変化量
であり、その数は27ケである。
【0037】これら未知の寸法変化量とロール間隙及び
噛込み位置修正量を求めるための関係式は、ユニバーサ
ル圧延では、圧延後のウェブ厚み、4カ所のフランジ厚
み、4カ所のフランジ脚長左右の各変化量に関する9ケ
の関係式(16)式であり、エッジャ圧延においても各
寸法変化量に対し9ケの関係式(18)であり、噛込み
調整装置32においては同様に9ケの関形式(17)式
であり、これらの計27ケの関係式は、前記した
(2)、(4)、(5)、(6)式のように予め実験や
計算により求めておく。つまり、求めるべき未知なる量
と関係式の数が27ケと等しくなり、被圧延材の入側寸
法偏差を1パスで修正すべき各ロール間隙及び噛込み位
置修正量が一義的に求めることが可能である。
【0038】すなわち、4カ所のフランジ厚み及びフラ
ンジ脚長の均一性 及びこれら寸法の絶対値を目標とす
る寸法に同時に仕上げるためには、本発明によるユニバ
ーサル圧延機では水平ロールを軸方向に移動可能とする
こと、及びエッジャ圧延機では左右フランジ幅の圧下に
対応するロール間隙を個別で設定可能とすること、ユニ
バーサル圧延入側に配され、ドライブ側とフリー側の噛
込み位置を独立で調整可能とすることが必須であるこ
と、更に、少なくともウェブ厚み、4カ所のフランジ厚
み、4カ所のフランジ脚長を測定することが必須である
ことを意味し、従来技術では不可能であることを意味す
る。
【0039】次に、本発明により2パス以上の圧延で、
被圧延材の入側寸法の目標値との偏差を修正する方法の
例を示す。図10にユニバーサル圧延機34(U1,U
2)とエッジャ圧延機36(E1,E2)の配置例と、
各位置での被圧延材の寸法変化量、ロール間隙及び噛込
み位置修正量を示す。1パスで修正する場合と同様、被
圧延材の入側における各部寸法の目標値との偏差は寸法
計の測定結果から既知であり、また、圧延終了後の各部
寸法変化量は、目標値と一致させるため“0”であり既
知であり、その数は1パス圧延で修正する場合と同様に
18ケとなる。求めるべきものつまり未知なるものは入
側の寸法偏差を修正するためのロール間隙及び噛込み位
置修正量と、修正されたロール間隙により圧延された被
圧延材の寸法変化量であり、その数は52ケである。
【0040】これら未知の寸法変化量とロール間隙及び
噛込み位置修正量を求めるための関係式は、1パスで修
正する場合と同様に、噛込み調整装置、ユニバーサル圧
延、及びエッジャ圧延とも、圧延後のウェブ厚み、4カ
所のフランジ厚み、4カ所のフランジ脚長の各変化量に
関する9ケの関係式であり、図10に示した場合、計4
5ケの関係式を用いる。
【0041】更に、2パス以上で寸法を修正しようとす
る場合には、より多くの条件式が必要となる。つまり、
いま未知の量の数は52ケで関係式は45ケであり、全
ての未知の量を一義的に求めることはできない。これ
は、先に述べたように入側の寸法偏差は1パス圧延によ
り修正可能であるため、2パス以上の圧延で修正する場
合には、その修正方法の関係式を必要とするためであ
る。このことは、寸法修正に関して不利になるのではな
く、かえって実際の圧延には有利となる。すなはち、2
パス以上で寸法修正を行う場合、1パス圧延では考慮で
きなかった圧延時の被圧延材の反り、曲がりなどの形状
不良を抑制する関係式を寸法修正に考慮することが可能
になるからである。
【0042】圧延時の反り、曲がりといった形状不良
は、4カ所のフランジ厚みの過大な圧下率の差によって
生じるため、2パス以上の圧延で寸法を修正する場合に
は、1パスで4カ所のフランジ厚みを解消するのに必要
となる圧下率差に比べ、各パスでのフランジ各部の圧下
率差を小さくすることができ、形状不良を抑制しつつ寸
法修正が可能となる。
【0043】2パス以上で寸法修正を行う場合の関係式
は、種々考えられる。例えば、形状不良は各フランジ厚
みの圧下率差が同一の場合、Δフランジ厚みが薄い場合
に比べ厚い場合の方が起こりにくいことが知られており
これを簡単に関係式化すると以下の7ケの式となる。 ΔSH1/ΔSH2=α1 ΔRVD1 /ΔRVD2 =α2 ΔSD1/ΔSD2=α6 ΔRVF1 /ΔRVF2 =α3 ΔSF1/ΔSF2=α7 ΔRH1/ΔRH2=α4 αi ≧1.0 ΔPL1/ΔPL2=α5 …(19) このような7ケの関係式を作成し、先の各部寸法変化量
の関係式と併せれば、関係式52ケとなり、入側寸法偏
差を2パスにて修正するロール間隙修正量を得ることが
できる。また、ここでは、2パスによる寸法修正の例を
示したが、3パス以上で修正を行うばあいも同様に可能
である。
【0044】更に、本発明では、以上述べてきたことか
ら容易に推察できるように、故意的に圧延終了時の寸法
を不均一つまりは、各部寸法を任意に変更するためのロ
ール間隙の修正も可能であることも付け加えておく。ま
たさらに、被圧延材の全長にわたって各部寸法を測定
し、本発明を構成するミル及び装置のロール間隙および
噛込み位置修正が迅速に可能である場合は、被圧延材全
長にわたって本発明の効果を得ることができる。
【0045】
【発明を実施するための形態】図11は本発明を実施す
る場合に好適な圧延設備を示す。同図において、1は加
熱炉、2はブレークダウン圧延機、30は熱間寸法計、
32噛込み調整装置、34,34´は粗ユニバーサル圧
延機、36,36´はエッジャ圧延機、38は仕上げ圧
延機、40演算装置である。
【0046】この演算装置40は、各寸法の目標値と熱
間寸法計30の測定結果からその偏差を算出し、先に述
べた予め求めておいた関係式より、寸法偏差を修正する
各ロール間隙及び噛込み位置の修正量と被圧延材の寸法
変化量を算出する。更に、設定されていたロール間隙の
値にこのロール間隙修正量を加算した結果に基づきすべ
てのロール位置を調整する。このような工程を1回以上
行うことにより、4カ所のフランジ厚みの均一性、4カ
所のフランジ脚長の均一性つまりウェブ中心の偏りと左
右フランジ幅偏差が発生せず、ウェブ厚み、フランジ厚
み、フランジ幅の絶対値を所望の寸法に仕上げられる。
このため、或るサイズの圧延開始直後の圧延材において
も、所望の寸法をはずれることはなくなり、寸法はずれ
による歩留り低下を解消でき、圧延能率の向上が達成さ
れる。
【0047】
【実施例】図11に示した設備を用いて、ウェブ高さ7
00mm、フランジ幅300mmのH形鋼の熱間圧延を
行い、本発明を適用した場合と、しない場合つまり従来
技術における製品の各寸法を調査した。本実施例では、
粗ユニバーサル圧延の最終5パス圧延に本発明を適用
し、2パス毎に各部の寸法測定を行い、目標寸法との寸
法偏差を求める場合には、被圧延材の長手方向中央部付
近の寸法計による測定値の平均値を使用した。また、本
実施例では、前述の(19)式のαi は、各部厚みに比
例した係数とし、これにより圧延中の形状の乱れは問題
とならなかった。
【0048】ウェブ厚み、フランジ厚み4カ所、フラン
ジ脚長4カ所の調査結果を、本発明を適用しない場合
(従来法)と比較して表1に示す。表1から明らかなよ
うに、本発明は、フランジ厚みの均一性、フランジ脚長
の均一性は格段に良好となり、かつウェブ厚みフランジ
厚み、フランジ脚長の平均値(絶対値)も所望寸法にほ
ぼ等しくなっており、良好な寸法精度を達成するのに有
効であることを確認した。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ユニバー
サル圧延機の上流側の近接した位置において、造形圧延
後のH形鋼のウェブ厚、フランジ厚4カ所、及びフラン
ジ脚長4カ所をそれぞれ測定し、この測定結果に基づき
各目標寸法との偏差を演算し、圧延材の噛込み姿勢又は
位置、フランジ厚み4カ所の圧下率、ウェブ厚みの圧下
率、左右フランジ幅の圧下率、被圧延材の変形特性及び
圧延機の特性から、被圧延材の形状を乱さずに、以降の
圧延パスで所望の各部寸法を有するH形鋼を得るための
圧延材の噛込み姿勢又は位置の調整量、上下水平ロール
及び垂直ロールから構成されるロール間隙、エッジャ圧
延機の左右のロール間隙の修正量をそれぞれ演算し、こ
の演算結果に基づいて各ロールの位置を変更し、以降1
パス以上で圧延するようにしたので、フランジ厚み、フ
ランジ幅、ウェブ厚みを高い寸法精度でH形鋼を圧延す
ることが可能となり、寸法はずれを防止することで歩留
り向上、圧延能率の向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における圧延ラインにおける素材の噛込
み位置調整装置、ユニバーサル圧延機及びエッジャ圧延
機の配置と、それらの各位置における被圧延材の寸法変
化量、ロール間隙修正量及び噛込み位置修正量をを示し
た説明図である。
【図2】H形鋼の熱間圧延工程の模式図である。
【図3】H形鋼の寸法(公差)の説明図である。
【図4】ブレークダウン圧延の説明図である。
【図5】ブレークダウン圧延を終了した粗鋼片の断面形
状を示す説明図である。
【図6】粗鋼片、垂直ロール及び水平ロールの変位を示
す説明図である。
【図7】フランジ部の4カ所の厚み方向の圧下率に差が
生じた場合に生じるフランジ脚長の不均一さを説明した
説明図である。
【図8】本発明における圧延ラインの側面図及び圧延入
側方向断面図である。
【図9】同図(A)は噛込み位置調整装置の圧延方向断
面図及びユニバーサル圧延入側方向断面図であり、同図
(B)は同図(A)の状態において噛込み量を調整した
場合の噛込み位置調整装置の圧延方向断面図及びユニバ
ーサル圧延入側方向断面図である。
【図10】本発明において2パス以上の圧延で被圧延材
の入側寸法の目標値との偏差を修正する場合のユニバー
サル圧延機及びエッジャ圧延機の配置と、それらの各位
置における被圧延材の寸法変化量、ロール間隙修正量及
び噛込み位置修正量を示した説明図である。
【図11】本発明に実施の形態の一例に係る圧延設備の
配置例を示した模式図である。
フロントページの続き (72)発明者 吉田 素久 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 片岡 直樹 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−220110(JP,A) 特開 昭59−24503(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 1/00 - 1/46 B21B 15/00,39/00,39/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延材の噛み込み姿勢又は位置が調整可
    能な噛込み調整装置が圧延入り側に配され、水平ロール
    が軸方向に移動可能に支持されたたユニバーサル圧延機
    と、ドライブ側及びフリー側のフランジ幅圧下ロールギ
    ャップが個別に設定可能なエッジャ圧延機とをそれぞれ
    備えたH形鋼圧延用ユニバーサル圧延機群による圧延方
    法において、 前記ユニバーサル圧延機の上流側の近接した位置におい
    て、造形圧延後のH形鋼のウェブ厚、フランジ厚4カ
    所、及びフランジ脚長4カ所をそれぞれ測定し、この測
    定結果に基づき各目標寸法との偏差を演算し、圧延材の
    噛込み姿勢又は位置、フランジ厚み4カ所の圧下率、ウ
    ェブ厚みの圧下率、左右フランジ幅の圧下率、被圧延材
    の変形特性及び圧延機の特性から、被圧延材の形状を乱
    さずに以降の圧延パスで所望の各部寸法を有するH形鋼
    を得るための圧延材の噛込み姿勢又は位置の調整量、上
    下水平ロール及び垂直ロールから構成されるロール間
    隙、エッジャ圧延機の左右のロール間隙の修正量をそれ
    ぞれ演算し、この演算結果に基づいて各ロールの位置を
    変更し、以降1パス以上で圧延することを特徴とするH
    形鋼の圧延方法。
  2. 【請求項2】 圧延材の噛み込み姿勢又は位置が調整可
    能な噛込み調整装置が圧延入り側に配され、水平ロール
    が軸方向に移動可能に支持されたユニバーサル圧延機、
    及びドライブ側とフリー側のフランジ幅圧下ロールギャ
    ップを個別に設定可能とするエッジャ圧延機とをそれぞ
    れ備えたH形鋼圧延用ユニバーサル圧延機群と、 前記ユニバーサル圧延機の上流側の近接した位置に配置
    され、造形圧延後のH形鋼のウェブ厚、フランジ厚4カ
    所、及びフランジ脚長4カ所をそれぞれ測定する熱間寸
    法計と、 該熱間寸法計による測定結果に基づき各目標寸法との偏
    差を演算し、圧延材の噛込み姿勢又は位置、フランジ厚
    み4カ所の圧下率、ウェブ厚みの圧下率、左右フランジ
    幅の圧下率、被圧延材の変形特性及び圧延機の特性か
    ら、被圧延材の形状を乱さず以降の圧延パスで所望の各
    部寸法を有するH形鋼を得るための圧延材の噛込み姿勢
    又は位置の調整量、上下水平ロール及び垂直ロールから
    構成されるロール間隙、エッジャ圧延機の左右のロール
    間隙の修正量をそれぞれ演算し、この演算結果に基づい
    て各ロールの位置を変更し、以降1パス以上で圧延させ
    る演算装置とを有することを特徴とするH形鋼の圧延装
    置。
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