JP3161176B2 - 同期機のロータ構造および同期モータ - Google Patents

同期機のロータ構造および同期モータ

Info

Publication number
JP3161176B2
JP3161176B2 JP21819093A JP21819093A JP3161176B2 JP 3161176 B2 JP3161176 B2 JP 3161176B2 JP 21819093 A JP21819093 A JP 21819093A JP 21819093 A JP21819093 A JP 21819093A JP 3161176 B2 JP3161176 B2 JP 3161176B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
synchronous
synchronous machine
permanent magnet
stator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP21819093A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0759280A (ja
Inventor
康己 川端
英治 山田
徹也 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP21819093A priority Critical patent/JP3161176B2/ja
Publication of JPH0759280A publication Critical patent/JPH0759280A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3161176B2 publication Critical patent/JP3161176B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、界磁磁石としての永久
磁石を回転子に備える同期モータや同期発電機などの同
期機のロータ構造およびこのロータ構造を採用した同期
モータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の同期機として同期モータ
を例にとると、そのロータには、回転子の外周に永久磁
石を配置した外磁型の他に、回転子の内部に永久磁石を
配置した内磁型が知られている(例えば、特開昭63−
140644号や実開昭63−143055号参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】内磁型ロータを用いた
同期機では、永久磁石による磁束の回転子内部における
自由度が高いので、非所望の場所から固定子側に漏れ出
てループを作るなど、効率を低下させる要因を排除する
ことが困難であった。このため、同期モータとしてのト
ルクの制御性や同期発電機の発電効率の制御性を良好な
ものとすることが困難であった。
【0004】本発明は、内磁型の同期機の回転子の構造
を検討し、永久磁石による磁路の自由度を低減し、永久
磁石による磁束を有効利用することを目的とし、次の構
成を採った。
【0005】
【課題を解決するための手段】回転子の内部に永久磁石
を備える本発明の第1の同期機のロータ構造は、該回転
子の内部に設けられる複数個の永久磁石を、その磁化方
向が該回転子の略周方向となる位置に配設し、前記回転
子のヨークにおいて、前記永久磁石の両方の磁極面か
ら、該回転子の径方向とは交差する方向に、該ヨークよ
り透磁率の低い材料からなる領域を複数設けると共に、
該領域の回転子周方向の長さを、前記回転子の外周側ほ
ど長い領域として設けたことを特徴とする。
【0006】
【0007】
【0008】なお、これら透磁率の低い領域は、エアギ
ャップとして設けても良いし、透磁率の低い他の材質、
例えば銅,アルミニウム,ステンレス,合成樹脂等によ
り構成しても良い。他の材料を用いる場合には、積層さ
れるロータの薄板を固定する固定部材を兼用することも
有用である。
【0009】また、本発明の同期モータは、上述した第
1,第2のロータ構造の回転子を備える。
【0010】
【作用】本発明の第1の同期機のロータ構造によれば、
永久磁石により磁束をガイドするよう、透磁率の低い材
料からなる領域が永久磁石の両側に下位テンスの径方向
とは交差する方向に複数設けられており、更に、この領
域の回転子周方向の長さは回転子の外周側ほど長くなっ
ている。従って、永久磁石により磁束は、この領域によ
りガイドされ、非所望の磁路を通る磁束を形成し難くな
り、固定子側との境界部における磁路のルートが整えら
れる。この結果、同期機の設計が容易となる
【0011】この結果、同期モータにおいては、トルク
に寄与しない磁路の形成を阻止し、永久磁石による磁束
を有効に利用して、モータのトルクを高めることが可能
となる。
【0012】
【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明ら
かにするために、以下本発明の好適な実施例について説
明する。図1は、本発明の一実施例としての回転子50
の形状を示す平面図、図2は、この回転子50を組み込
んだ三相同期モータ40の構造を示す断面図である。
【0013】まず、図2を用いて、三相同期モータ40
の全体構造について説明する。この三相同期モータ40
は、固定子30と回転子50とこれらを収納するケース
60とからなる。回転子50は、その軸中心に設けられ
た回転軸55とケース60に設けられた軸受61,62
により、回転自在に軸支されている。固定子30は、ス
テータ20とこのステータのティース22に巻回された
固定子コイル32とを備える。
【0014】回転子50は、無方向性電磁鋼板を打ち抜
いて成形したロータ57を複数枚積層したものである。
この回転子50は、内磁型であり、図1に示すように、
直交する位置に4箇所の永久磁石51ないし54を備え
る。この永久磁石51ないし54は、厚み方向に、即ち
回転子50に組み込まれた状態では回転子の周方向に磁
化されたものである。ロータ57は、同一形状の4枚の
略扇型に形成されており、治具を用いて積層される。こ
の電磁鋼板を素材とするロータ57には、その表面に絶
縁層と接着層が形成されており、積層後所定温度に加熱
して接着層を溶融・固定する。こうしてできた4分割さ
れた積層体と4個の永久磁石51ないし54と回転軸5
5とを、更に治具を用いて一体に組み立て、接着剤を用
いて完全に固定する。この状態で永久磁石51ないし5
4の外周側端部は、回転子50の外周から数ミリ内側に
位置している。
【0015】回転子50を構成するロータ57には、ロ
ータ57からみて両サイドの外側、回転子50として組
立後においては永久磁石51ないし54の両磁極面に隣
接する位置に、永久磁石51ないし54に略垂直に複数
のスリット70が設けられている。このスリット70
は、幅1ミリないしそれ以下であり、概ね外周側ほど長
く形成されている。このスリット70の働きについては
後述する。
【0016】次に、固定子30について説明する。固定
子30を構成するステータ20は、ロータ57と同じく
無方向性電磁鋼板の薄板を打ち抜くことで形成されてお
り、図1に示すように、計12個のティース22を備え
る。ティース22間に形成されたスロット24には、固
定子30に回転磁界を発生させるコイル32が巻回され
ている(図2参照)。尚、ステータ20の外周には、固
定用のボルト34を通すボルト孔36が4箇所設けられ
ている。
【0017】固定子30は、板状のステータ20を積層
し互いに押圧した状態として、接着層を加熱・溶融する
ことで一応固定される。この状態で、コイル32をティ
ース22に巻回して固定子30を完成した後、これをケ
ース60に組み付け、ボルト孔36に固定用のボルト3
4を通し、これを締め付けて全体を固定する。更に回転
子50をケース60の軸受61,62により回転自在に
組み付けることにより、この同期型三相モータは完成す
る。
【0018】回転子50を固定子30に組み付けると、
永久磁石51ないし54により、ロータ57,ステータ
20を貫く磁路Mdが形成される。一方、固定子30の
固定子コイル32に回転磁界を発生するよう励磁電流を
流すと、これによりロータ57,ステータ20を貫く磁
路Mqが形成される。上述した永久磁石51ないし54
により形成される磁束が回転子50を径方向に貫く軸を
d軸と呼び、固定子30の固定子コイル32により形成
される磁束が回転子50を径方向に貫く軸をq軸と呼
ぶ。この実施例では、両軸は電気角で90度の角度をも
って配設されている。
【0019】図1に示すように、本実施例の回転子50
は、永久磁石51ないし54の磁極面から、回転子50
の周方向に沿ってスリット70を備える。スリット70
は、エアギャップとして形成されており、その透磁率は
低く磁束にとっては抵抗となる。磁束は、エアギャップ
であるスリット70を避けて磁路を形成しようとするか
ら、永久磁石51ないし54が形成する磁路Mdは、こ
れにガイドされ、隣接する永久磁石の中間の部位を通
り、これに対向する位置のティース22から、ステータ
20のヨークの部位を通ったものとなる。従って、隣接
する永久磁石51ないし54の丁度中間の部位が磁極と
なり、それ以外の部位から固定子30側への磁束の漏出
が減少する。
【0020】永久磁石を用いた同期モータ40の出力ト
ルクTは、一般式として、次式(1)により求められ
る。 T=Tm+Tr …(1) ここで、Tmは永久磁石の磁界φmによるトルクであ
り、Trはリラクタンストルクである。永久磁石による
トルクTmは、 Tm=φm・Iq …(2) として定まる。従って、Tmは、有効な磁束φmが大き
いほど、大きな値となる。
【0021】なお、リラクタンストルクTrは、次式
(3)により求められる。 Tr=P(Lq−Ld)・Iq・Id …(3) ここで、Pは永久磁石の極対数、Lqはq軸インダクタ
ンス、Ldはd軸インダクタンス、Iq,Idは、電機
子電流の各軸成分である。この式から、一般に、q軸イ
ンダクタンスLqが大きく、d軸インダクタンスLdが
小さければ、リラクタンストルクTrを大きくできるこ
とが分かる。
【0022】実施例の同期モータ40では、永久磁石5
1ないし54を回転子の内部に、その分局方向が回転子
の周方向となるよう設け、ロータ57より透磁率の低い
スリット70をその磁極面から回転子50の周方向に形
成してあるから、永久磁石51ないし54の磁束は規制
され、トルクに寄与しない無駄な磁路を形成し難くな
る。この結果、出力トルクに寄与する磁束φmは、大き
くなる。
【0023】即ち、式(2)における磁束φmが大きく
なり、トルクTmが大きくなるのである。実施例におけ
る三相同期モータ40の出力トルクは、従来のスリット
70を有しない内磁型モータと較べて、数パーセント増
加した。この結果、同一トルクを得るのであれば、モー
タ形状を小さくかつ軽量にすることが可能となった。こ
のことは、実施例の三相同期モータ40を搭載した機
器、例えば電気自動車の性能(走行距離、最高時速な
ど)を向上できることを意味する。更に、モータの効率
が高まり、省エネルギに資すると共に、効率が改善され
た分だけ、発熱を抑えることもできる。
【0024】
【0025】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこうした実施例に何等限定されるものではな
く、例えば1極2もしくは4スロット以上の構成を備え
た同期機としての構成や、スリットの形状を直線ではな
く回転子の周方向に沿った曲線形状とした構成など、本
発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる態様
で実施し得ることは勿論である。なお、この構造を同期
発電機に適用すれば、同一のトルクで発電効率が向上す
ることは言うまでもない。
【0026】本発明の他の実施例として、スリットの部
分に透磁率の低い材料(例えば銅や合成樹脂等)の部材
を挿入,圧入あるいは充填し、積層されたロータ57を
固定するのに用いた構成や、スリットのないロータを打
ち抜いた後、レーザなどを照射してスリットと同様の形
状に透磁率の低い領域を形成した構成などが可能であ
る。前者の場合には、ロータの固定を容易に行なえると
いう利点がある。一方、後者の場合には、スリットを打
ち抜く必要がないので、製造工程が簡略になり、また、
回転子の強度も向上するという利点がある。スリットが
ないので、積層前のロータの取扱い、更には積層・固定
も容易である。スリットを設けない場合には、回転子の
軸回りの釣合をとるのも容易である。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明の同期機のロ
ータ構造では、永久磁石による磁束をガイドして磁束の
漏出を減少することができるという優れた効果を奏す
る。この結果、例えば出力トルクに寄与する磁束を大き
くすることができる。また、磁極付近における磁束を整
えてその利用効率を高めることができる。
【0028】また、本発明のロータ構造を採用した同期
モータは、永久磁石による磁束の漏出を低減できるの
で、モータとしての出力トルクを改善することができ
る。従って、同一トルクなら形状を小さくできる上、モ
ータとしての効率を高め、省エネルギに資することもで
きる。また、このモータを搭載した機器の各種性能の向
上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である三相同期モータの構
造を示す平面図である。
【図2】実施例の回転子50を組み込んだ三相同期モー
タ40の構造を示す断面図である
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−157253(JP,A) 特開 平5−344668(JP,A) 実開 平5−9147(JP,U) 実開 昭62−104560(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 1/17 H02K 1/27 H02K 15/03 H02K 19/00 - 19/38 H02K 21/00 - 21/48

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転子の内部に永久磁石を備える同期機
    のロータ構造において、 該回転子の内部に設けられる複数個の永久磁石を、その
    磁化方向が該回転子の略周方向となる位置に配設し、 前記回転子のヨークにおいて、前記永久磁石の両方の磁
    極面から、該回転子の径方向とは交差する方向に、該ヨ
    ークより透磁率の低い材料からなる領域を複数設けると
    共に、該領域の回転子周方向の長さを、前記回転子の外
    周側ほど長い領域として設けたことを特徴とする同期機
    のロータ構造。
  2. 【請求項2】 前記領域は、空隙として形成されたスリ
    ットである請求項1記載の同期機のロータ構造。
  3. 【請求項3】 前記領域は、空隙として形成されたスリ
    ットに、銅,アルミニウム,ステンレス,合成樹脂など
    の透磁率の低い材料が挿入,圧入または充填された請求
    項1記載の同期機のロータ構造
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか記載のロー
    タ構造の回転子を備えた同期モータ。
JP21819093A 1993-08-09 1993-08-09 同期機のロータ構造および同期モータ Expired - Fee Related JP3161176B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21819093A JP3161176B2 (ja) 1993-08-09 1993-08-09 同期機のロータ構造および同期モータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21819093A JP3161176B2 (ja) 1993-08-09 1993-08-09 同期機のロータ構造および同期モータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0759280A JPH0759280A (ja) 1995-03-03
JP3161176B2 true JP3161176B2 (ja) 2001-04-25

Family

ID=16716029

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21819093A Expired - Fee Related JP3161176B2 (ja) 1993-08-09 1993-08-09 同期機のロータ構造および同期モータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3161176B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101536451B1 (ko) * 2013-06-27 2015-07-13 가부시키가이샤 야스카와덴키 회전 전기 기기 및 회전 전기 기기의 제어 장치

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014099971A (ja) 2012-11-13 2014-05-29 Nippon Densan Corp モータ
JP6238054B2 (ja) 2013-09-26 2017-11-29 日本電産株式会社 インナーロータ型モータ
JP6349719B2 (ja) 2013-12-20 2018-07-04 日本電産株式会社 インナーロータ型モータ
CN106451859A (zh) * 2016-12-21 2017-02-22 北京理工大学 一种永磁同步电机的混合磁路转子

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101536451B1 (ko) * 2013-06-27 2015-07-13 가부시키가이샤 야스카와덴키 회전 전기 기기 및 회전 전기 기기의 제어 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0759280A (ja) 1995-03-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0739091A (ja) 同期機のロータ構造および同期型モータ
JP4660406B2 (ja) 回転電機
US6034459A (en) Permanent magnet type dynamo electric machine and electric vehicle using the same
EP1940013B1 (en) Axial gap motor
US7804216B2 (en) Permanent-magnet reluctance electrical rotary machine
US7768170B2 (en) Rotary electric machine
EP1014542B1 (en) Motor having a rotor with interior split-permanent-magnet
US20070052313A1 (en) Rotating electrical machine
JP5259927B2 (ja) 永久磁石式回転電機
JP3605475B2 (ja) 永久磁石同期電動機
JP2002112513A (ja) 回転電機
JP6539004B1 (ja) 回転子および回転電機
WO2021060209A1 (ja) 回転電機の回転子
JPH11146615A (ja) リラクタンスモータ
WO2023124152A1 (zh) 一种转子铁芯、转子、电机、电机驱动系统及电动车
JP2002345189A (ja) 永久磁石埋め込み同期電動機
JP2020120444A (ja) 回転電機のロータおよび回転電機
JP3703907B2 (ja) ブラシレスdcモータ
JP2019041450A (ja) 回転電機
JP3284712B2 (ja) 同期機のロータ構造および同期型モータ
JP3161176B2 (ja) 同期機のロータ構造および同期モータ
JP2000253608A (ja) ブラシレスモータ
JP6466612B1 (ja) 回転電機
JPH08205437A (ja) 同期電動機
JP2022044204A (ja) 回転電機

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees