JP3160823B2 - アレーアンテナ - Google Patents

アレーアンテナ

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JP3160823B2
JP3160823B2 JP04573093A JP4573093A JP3160823B2 JP 3160823 B2 JP3160823 B2 JP 3160823B2 JP 04573093 A JP04573093 A JP 04573093A JP 4573093 A JP4573093 A JP 4573093A JP 3160823 B2 JP3160823 B2 JP 3160823B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、任意の角度方向に2
個の零点を合成する簡易な構成のアレーアンテナに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】1次元配列アレーアンテナの指向性に2
個の零点を合成するには、例えば稲垣による昭和63年
電子情報通信学会論文誌B vol.J71-B No.9 pp.1044-1
052 ,“指向性の積の原理に基づく零点合成”に示され
るように、アレー端部4素子の素子重み(振幅・位相)
を制御するだけで良く、また、この素子重みを制御する
だけで零点の形成位置を制御することができる。
【0003】従来技術により、この種のアレーアンテナ
を構成した場合の一例を、図2に示す。
【0004】図において、1は1つの入力信号を等振幅
・同位相で(N+2)分配する電力分配回路、2−0,
2−1,2−N,2−N+1は可変位相器、3−2,
…,3−N−1は固定位相器、4−0,4−1,4−
N,4−N+1は利得可変器、5−2,…,5−N−1
は利得調整器、6−0,…,6−N+1はアンテナ素
子、7は可変位相器2−0,2−1,2−N,2−N+
1及び利得可変器4−0,4−1,4−N,4−N+1
を制御する制御手段である。
【0005】次に動作について説明する。前記稲垣の論
文によれば、各アンテナ素子の励振重みBn (n=0,
…,N+1)を次の(1)〜(5)式のように設定する
ことにより、2個の零点を合成できる。
【0006】
【数1】
【0007】
【数2】
【0008】
【数3】
【0009】
【数4】
【0010】
【数5】
【0011】ここで、In (n=0,…,N−1)はN
個の素子から成る直線アレーの素子重みであり、u1
びu2 はアンテナ素子間隔d,波長λ,零点形成位置θ
1 及びθ2 により(6)式で定義される。
【0012】
【数6】
【0013】また、このときの指向性は(7)式のよう
になる。
【0014】
【数7】
【0015】(7)式において、f0 (u)はN個の素
子から成る直線アレーの素子重みIn (n=0,…,N
−1)による指向性である。いま(7)式を(8)式の
ように定義する。
【0016】
【数8】
【0017】(8)式から総合の指向性f(u)は、N
個の等方性素子から成る直線アレーの素子重みIn (n
=0,…,N−1)による元の指向性f0 (u)と、ア
レー端部の素子の重みを変化させたことにより得られる
指向性f1 (u)の積であることがわかる。
【0018】そこで、電力分配回路1により等振幅・同
位相で(N+2)分配された信号の内、アンテナ素子6
−2,…,6−N−1に給電する信号は固定位相器3−
2,…,3−N−1及び利得調整器5−2,…,5−N
−1により、素子重みBn (n=2,…,N−1)に調
整し、アレー端部素子6−0,6−1,6−N,6−N
+1に給電する信号は、所望の位置に零点が形成される
ような素子重みB0 ,B1 ,BN ,BN+1 になるよう制
御手段7により可変位相器2−0,2−1,2−N,2
−N+1及び利得可変器4−0,4−1,4−N,4−
N+1を調整し、それぞれアンテナ端部素子6−0,6
−1,6−N,6−N+1に給電する。このように、各
アンテナ素子の励振重みBn (n=0,…,N+1)を
調整することによりθ1 及びθ2 の位置に零点を合成す
ることができる。
【0019】また、アレー端部4素子の励振重みが
(2)〜(5)式を満足するように制御することにより
零点形成位置θ1 及びθ2 を制御することができる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】従来のアレーアンテナ
は図2のように構成されるので、零点の形成位置θ1
びθ2 を変化させる場合には、このアレー端部素子の励
振重みを(2)〜(5)式の関係を保ちながら同時に制
御する必要がある。
【0021】従来構成では可変位相器2−0,2−1,
2−N,2−N+1及び利得可変器4−0,4−1,4
−N,4−N+1の計8箇所で位相と振幅を制御する。
従って、従来構成ではアレー端部素子6−0,6−1,
6−N,6−N+1に給電する信号が(2)〜(5)式
の関係を保つようにするために、制御手段7により可変
位相器2−0,2−1,2−N,2−N+1及び利得可
変器4−0,4−1,4−N,4−N+1の計8箇所で
位相と振幅を同時に制御する必要がある。そのため、制
御系が大きくなり、またその制御法が複雑になるという
問題点がある。
【0022】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、簡単な制御により1次元配列ア
レーアンテナ指向性上に合成される2個の零点の位置を
任意の位置に制御するアレーアンテナを得ることを目的
とするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の特徴は、複数のアンテナ素子と電力分配回路
間で各アンテナ素子の励振振幅位相を制御して所望のア
ンテナ指向性を実現するアレーアンテナにおいて、電力
分配回路のひとつのポートと端部の4つのアンテナ素子
との間に重み付け回路をもうけ、他のアンテナ素子は他
のポートに直接又は振幅位相調整手段を介して接続し、
前記重み付け回路は、入力信号に対し、出力信号の実部
が1/(2√2)で虚部が互いに共役な2組の信号を出
力する複素共役信号発生回路と、該複素共役信号発生回
路の異なる出力に接続され、出力信号の実部が1/2で
虚部が互いに共役な1組の信号を出力する2個の複素共
役信号発生器と、2入力1出力の2個の電力合成器と、
入力信号の振幅を1/√2にする減衰器2個とがもうけ
られ、複素共役信号発生回路の互いに複素共役な信号の
1組の内、一方の出力を第一の複素共役信号発生器に入
力し、他を第一の電力合成器の第二の入力端子に入力
し、且つ、もう一方の互いに複素共役な1組の信号の
内、前複素共役信号発生回路の出力信号で第一の電力合
成器に接続した信号と同相の信号を、第二の共役信号発
生器に入力し、他を第二の電力合成器の第一の入力端子
に入力し、第一の複素共役信号発生器の第一の出力信号
を第一の減衰器に入力し、第二の出力信号を第一の電力
合成器の第一の入力端子に入力し、第二の複素共役信号
発生器の第一の出力信号を第二の電力合成器の第二の入
力端子に入力し、第二の出力信号を第二の減衰器に入力
し、出力端子として、上記減衰器出力端子が計2個、合
成器出力端子が計2個で合計4個となるよう構成され、
該重み付け回路内の第1及び第2の減衰器の出力端子
は、アンテナ素子の2つの端部素子にそれぞれ接続さ
れ、上記重み付け回路内の第1の電力合成器の出力端子
は、該重み付け回路内の第2の減衰器の出力端子が接続
されたアンテナ端部素子に隣接するアンテナ素子に接続
され、上記重み付け回路内の第2の電力合成器の出力端
子は、該重み付け回路内の第1の減衰器の出力端子が接
続されたアンテナ端部素子に隣接するアンテナ素子に接
続され、上記重み付け回路の複素共役信号発生回路と第
1及び第2の複素共役信号発生器の各出力信号の位相と
振幅を制御することによりアンテナ指向性上の任意の2
角度方向に零点を実現するアレーアンテナにある。
【0024】
【実施例】図1は本発明の構成を示す。
【0025】図において、3−2,…,3−N−1は固
定位相器、5−2,…,5−N−1は利得調整器、6−
0,6−1,…,6−N+1はアンテナ素子、8は1入
力信号を同相で(N−1)分配(N≧2)し、かつ(N
−1)個の出力のうち1つの出力信号振幅が残り(N−
2)個の出力信号振幅に対して2倍となる電力分配回
路、9は重み付け回路、10は複素共役信号発生回路、
11−1は第1の複素共役信号発生器、11−2は第2
の複素共役信号発生器、12−1は振幅を1/√2倍す
る第1の減衰器、12−2は振幅を1/√2倍する第2
の減衰器、13−1は第1の同相電力合成器、13−2
は第2の同相電力合成器、14は複素共役信号発生回路
と第1及び第2の複素共役信号発生器の各出力信号を制
御する制御手段である。
【0026】また、aは複素共役信号発生回路の入力端
子、b,c,d,eは複素共役信号発生回路の出力端
子、k,lは第1の複素共役信号発生器の出力端子、
m,nは第2の複素共役信号発生器の出力端子、pは第
1の減衰器の出力端子、qは第1の電力合成器の出力端
子、rは第2の電力合成器の出力端子、sは第2の減衰
器の出力端子を示し、これら各端子での信号をそれぞれ
A,B,C,D,E,K,L,M,N,P,Q,R,S
とする。
【0027】説明においては、説明を簡単化するために
特に決められた位相量を有する回路素子部品以外の位相
の偏移はないものとし、同様に特に決められた振幅変化
量を有する回路素子部品以外の振幅の変化量はないもの
とする。
【0028】また以下の説明においては、ある信号を基
準信号とした時、出力信号の実部が等しく、基準信号に
対して虚部が互いに共役な2信号のことを『ある信号に
対して互いに複素共役な関係にある2信号』と標記する
ものとする。
【0029】入力信号を(N−1)出力端子(N≧2)
に分配する電力分配回路8の各出力のうち、(N−2)
個の同じ出力信号をI0 、残り1個の出力信号を2I0
とする。
【0030】元の指向性f0 (u)の特定の位置に零点
を合成したいときには、電力分配回路8にて得られる
(N−2)個の同じ出力信号I0 をアンテナ素子6−
2,…,6−N−1に給電し、元の指向性f0 (u)が
得られるように固定位相器3−2,…,3−N−1及び
利得調整器5−2,…,5−N−1を調整し、アンテナ
素子6−2,…,6−N−1を励振する。
【0031】また、電力分配回路8にて分配される残り
1つの信号2I0 を重み付け回路9に入力する。この信
号は複素共役信号発生回路10にて入力信号2I0 に対
して互いに複素共役な関係にある2出力信号2組に分配
される。即ちこの複素共役信号発生回路10の4つの出
力端子b,c,d,eでの各信号B,C,D,Eは、
(9)式のような信号となる。
【0032】
【数9】
【0033】4つの出力端子b,c,d,eに現われる
信号B,C,D,Eは(9)式の右辺第2の因子の行列
の各行の順番を入れ替えた組み合わせ全てについて成立
するが、ここでは説明を簡単にするために上式に示した
信号が得られるように複素共役信号発生回路10の4つ
の各出力端子名を定義するものとし、4つの出力端子
b,c,d,eの順にそれぞれ複素共役信号発生回路1
0の第1の出力端子、第2の出力端子、第3の出力端
子、第4の出力端子と対応するものとする。(本説明に
おいてはこのような対応のさせ方をしたが、同じ出力信
号が得られる端子間の端子名を入れ替えても以下の説明
は成り立つ。)
【0034】また、(9)式におけるG1 とは、複素共
役信号発生回路に含まれる利得可変器により設定される
利得可変量(真値)である。
【0035】複素共役信号発生回路10の4つの出力端
子のうち、相異なる出力信号を得る2つの出力端子(本
説明においては出力端子b,eの組み合わせとする)に
それぞれ第1の複素共役信号発生器11−1及び第2の
複素共役信号発生器11−2を接続する。ここで用いる
第1及び第2の複素共役信号発生器11−1と11−2
は同一のものである。
【0036】複素共役信号発生器の入出力関係は次式で
表すことができる。
【0037】
【数10】
【0038】又は、
【数11】
【0039】上式におけるG2 とは、第1及び第2の複
素共役信号発生器11−1及び11−2に含まれる利得
可変器により設定される利得可変量(真値)である。
【0040】いま複素共役信号発生器の入出力関係が
(10)式で表される場合について説明する。
【0041】複素共役信号発生回路10の第1の出力端
子bに接続された第1の複素共役信号発生器11−1の
2つの出力端子k,lには(12)式で表される各信号
K,Lが得られる。
【0042】
【数12】
【0043】また同様に、複素共役信号発生回路10の
第4の出力端子eに接続された複素共役信号発生器11
−2の2つの出力端子m,nには(13)式で表される
各信号M,Nが得られる。
【0044】
【数13】
【0045】(12)及び(13)式で表される2個の
複素共役信号発生器11−1及び11−2の4出力のう
ち、(12)及び(13)式の右辺第2の因子及び第3
の因子内の虚部の符号が同一の信号が得られる2出力端
子(本説明においては端子k及びn)には、それぞれ入
力信号の振幅量を1/√2倍する減衰器12−1及び1
2−2を接続する。これらの各出力端子をそれぞれp,
sとする。
【0046】また、第1の複素共役信号発生器11−1
の2出力端子のうち、(12)式の右辺第2の因子内の
虚部の符号と第3の因子内の虚部の符号が異なる信号が
得られる出力端子(本説明においては端子1)と、複素
共役信号発生回路10の出力端子のうち、第1の複素共
役信号発生器11−1を接続した端子で得られる信号と
異なる信号を得る端子の中で第2の複素共役信号発生器
11−2を接続しない出力端子(本説明においては端子
c)とを入力端子とし、これら2入力端子から入力され
た2信号を電力合成して1出力端子に出力する第1の電
力合成器13−1を接続する。この出力端子をqとす
る。
【0047】同様に、第2の複素共役信号発生器11−
2の2出力端子のうち、(13)式の右辺第2の因子内
の虚部の符号と第3の因子内の虚部の符号が異なる信号
が得られる出力端子(本説明においては端子m)と、複
素共役信号発生回路10の出力端子のうち、第2の複素
共役信号発生器11−2を接続した端子で得られる信号
と異なる信号を得る端子の中で第1の複素共役信号発生
器11−1を接続しない出力端子(本説明においては端
子d)とを入力端子とし、これら2入力端子から入力さ
れた2信号を電力合成して1出力端子に出力する第2の
電力合成器13−2を接続する。この出力端子をrとす
る。
【0048】したがって、重み付け回路9に入力された
信号は、最終的に4分配され、その4つの出力端子p,
q,r,sには(14)式で示されるような出力信号
P,Q,R,Sが得られる。
【0049】
【数14】
【0050】1次元アレーアンテナにおいては、等振幅
励振,低サイドローブ化のためのテイラー分布励振等ア
レーの中心に対して線対称な励振重みを各素子に付加す
ることが一般的である。このときには、(1)〜(5)
式において、IN-1 はI0 と、またIN-2 はI1 と等し
くなる。
【0051】また等振幅励振はもちろんのこと、低サイ
ドローブ化のためのテイラー分布励振等アレーの中心に
対して線対称な励振重みを各素子に付加する場合でも各
隣り合わせの素子に付ける励振重みは滑らかに変化する
ので、I0 とI1 は等しいものと近似できる。このとき
(1)〜(5)式は(15)〜(19)式で表される。
【0052】
【数15】
【0053】
【数16】
【0054】
【数17】
【0055】
【数18】
【0056】
【数19】
【0057】(14)式と、(16)〜(19)式を比
較すると、
【数20】
【0058】かつ、
【数21】
【0059】と、対応させれば、(14)式と、(1
6)〜(19)式は一致する。
【0060】しかし、(20)式よりG1 ,G2 を[d
B](デシベル)で考えるとu1 ,u2 はそれぞれ正の
値の領域しか定義されない。即ちθ1 >0,θ2 >0の
領域にしか零点を形成することができない。
【0061】そこで、いまθ1 >0,θ2 <0の領域に
それぞれ零点を形成することを考える。このときu1
2 はそれぞれu1 >0,u2 <0となり、cot (u1/
2)>0,cot(u2/2)<0となる。したがって、G
1 ,G2 を(22)式のように定義する。
【0062】
【数22】
【0063】このとき、(16)〜(19)式は(2
3)式のように書き換えられる。
【0064】
【数23】
【0065】(23)式と、(14)式を比較すると、
両式は一致しない。つまりθ1 >0,θ2 <0のときに
はこのままの回路では零点を合成できない。
【0066】以上については、複素共役信号発生器の入
出力関係が(10)式で表される場合について考えてき
たが、次に複素共役信号発生器の入出力関係が(11)
式で表される場合について考える。
【0067】このとき複素共役信号発生回路10の第1
の出力端子bに接続された第1の複素共役信号発生器1
1−1の2つの出力端子k,lには(24)式で表され
る各信号K,Lが得られる。
【0068】
【数24】
【0069】また同様に、複素共役信号発生回路10の
第4の出力端子eに接続された複素共役信号発生器11
−2の2つの出力端子m,nには(25)式で表される
各信号M,Nが得られる。
【0070】
【数25】
【0071】(24)および(25)式で表される2個
の複素共役信号発生器11−1及び11−2の4出力の
うち、(24)及び(25)式の右辺第2の因子及び第
3の因子内の虚部の符号が異なる信号が得られる2出力
端子(本説明においては端子k及びn)には、それぞれ
入力信号の振幅量を1/√2倍する減衰器12−1及び
12−2を接続する。これらの各出力端子をそれぞれ
p,sとする。
【0072】また、第1の複素共役信号発生器11−1
の2出力端子のうち、(24)式の右辺第2の因子内の
虚部の符号と第3の因子内の虚部の符号が同一の信号が
得られる出力端子(本説明においては端子1)と、複素
共役信号発生回路10の出力端子のうち、第1の複素共
役信号発生器11−1を接続した端子で得られる信号と
異なる信号を得る端子の中で第2の複素共役信号発生器
11−2を接続しない出力端子(本説明においては端子
c)とを入力端子とし、これら2入力端子から入力され
た2信号を電力合成して1出力端子に出力する第1の電
力合成器13−1を接続する。この出力端子をqとす
る。
【0073】同様に、第2の複素共役信号発生器11−
2の2出力端子のうち、(25)式の右辺第2の因子内
の虚部の符号と第3の因子内の虚部の符号が同一の信号
が得られる出力端子(本説明においては端子m)と、複
素共役信号発生回路10の出力端子のうち、第2の複素
共役信号発生器11−2を接続した端子で得られる信号
と異なる信号を得る端子の中で第1の複素共役信号発生
器11−1を接続しない出力端子(本説明においては端
子d)とを入力端子とし、これら2入力端子から入力さ
れた2信号を電力合成して1出力端子に出力する第2の
電力合成器13−2を接続する。この出力端子をrとす
る。
【0074】したがって、重み付け回路9に入力された
信号は、最終的に4分配され、その4つの出力端子p,
q,r,sには(26)式で示されるような出力信号
P,Q,R,Sが得られる。
【0075】
【数26】
【0076】(26)式と(16)〜(19)式を比較
しても一致させることはできないが、(26)式と(2
3)式とを比較すると、
【0077】
【数27】 と、対応させることで両式は一致する。
【0078】(6)式及び(22)式からもわかるよう
に、第1の利得可変器の利得G1 はθ1 だけで決定さ
れ、同様に第2の利得可変器の利得G2 はθ2 だけで決
定されるので、2個の零点の位置関係がθ1 <0,θ2
>0の場合については、θ1 ′=θ2 >0,θ2 ′=θ
1 <0と置き換えて考えると、上述した2個の零点の位
置関係がθ1 >0,θ2 <0の場合と同じになる。
【0079】同様に2個の零点の位置関係がθ1 <0,
θ2 <0の場合は、(21)式で表される対応関係を
(28)式のようにすれば、2個の零点の位置関係がθ
1 >0,θ2 >0の場合と同じになる。
【0080】
【数28】
【0081】以上をまとめると、回路構成は同一で、2
個の複素共役信号発生器の2出力端子の接続関係を変え
ることにより同一サイドローブ側に2個の零点ができる
場合と、主ビーム方向を軸として対称のサイドローブ側
にそれぞれ1個づつの零点ができる場合とがある。
【0082】従って、複素共役信号発生回路10の4出
力信号を図2に示すようにアレー素子6−0,6−1,
6−N,6−N+1に給電することにより、零点を合成
した指向性f(u)を得ることができる。また(14)
式及び(26)式の4信号のG1 ,G2 を変化させるこ
とにより、2個の零点形成位置θ1 及びθ2 を制御する
ことができる。
【0083】図3にアンテナ素子間隔dをパラメータと
したときの重み付け回路9内の複素共役信号発生回路1
0内の利得可変器の利得G1 及び2個の複素共役信号発
生器11−1,11−2内の利得可変器の利得G2 と零
点形成位置θ1 ,θ2 との関係を示す。
【0084】この図から重み付け回路9内の複素共役信
号発生回路10及び2個の複素共役信号発生器11−
1,11−2内の利得可変器の利得を同時に変えるだけ
で零点合成位置を可変させることができることがわか
る。
【0085】以上より、アレー端部4素子に給電する4
信号は、重み付け回路9内の複素共役信号発生回路10
及び2個の複素共役信号発生器11−1,11−2内の
利得可変器だけで変化させることができるので、アンテ
ナ指向性上の任意の位置に2個の零点を合成するための
励振重みを変化させる制御手段14が簡易になり、また
その制御法が簡単になる。
【0086】
【複素共役信号発生器の実施例】図4は複素共役信号発
生器11−1及び11−2の一実施例を示す図である。
【0087】図において、15は同相電力2分配器、1
6は利得可変器、17は3dB90°ハイブリッド、1
8は固定位相器である。
【0088】いま、同相電力2分配器15の入力端子x
に入力される信号をXとする。同相電力2分配器15に
より2分配された信号は次式で記述できる。
【0089】
【数29】
【0090】また、同相電力2分配器15と3dB90
°ハイブリッド17の間の入出力関係は、利得可変器1
6の利得をG2 として、
【0091】
【数30】
【0092】と、記述できる。3dB90°ハイブリッ
ド17の入出力関係は次式で記述できる。
【0093】
【数31】
【0094】また、固定位相器18を270°に設定す
ると、3dB90°ハイブリッド17の出力端側での入
出力関係は、
【0095】
【数32】
【0096】と、記述できる。
【0097】従って、複素共役信号発生器の2つの出力
端子y,zでの各信号Y,Zは、
【数33】
【0098】となる。上式において、
【数34】
【0099】,Y=K,Z=Lとすれば(12)式が、
Y=L,Z=Kとすれば(24)式が成り立ち、また、
【数35】
【0100】,Y=M,Z=Nとすれば(13)式が、
Y=N,Z=Mとすれば(25)式が成り立つ。
【0101】
【複素共役信号発生回路の実施例】図5Aは本発明に用
いる重み付け回路に使用している複素共役信号発生回路
10の一実施例を示す図である。
【0102】図において19−1,19−2,19−3
は同相電力2分配器、20は利得可変器、21−1,2
1−2は3dB90°ハイブリッド、22−1,22−
2は固定位相器である。
【0103】いま、同相電力2分配器19−1の入力端
子aに入力される信号をAとする。同相電力2分配器1
9−1により2分配された信号は次式で記述できる。
【0104】
【数36】
【0105】また、同相電力2分配器19−1と同相電
力2分配器19−2,19−3の間の入出力関係は、利
得可変器20の利得をG1 として、
【0106】
【数37】
【0107】と、記述できる。同相電力2分配器19−
2,19−3の入力端子と3dB90°ハイブリッド2
1−1,21−2の出力端子間の入出力関係は次式で記
述できる。
【0108】
【数38】
【0109】また固定位相器22−1,22−2を27
0°に設定すると、3dB90°ハイブリッド21−
1,21−2の出力端側での入出力関係は、
【0110】
【数39】
【0111】と、記述できる。従って、複素共役信号発
生回路の4つの出力端子b,c,d,eでの各信号B,
C,D,Eは、次式のようになる。
【0112】
【数40】
【0113】となる。上式において、A=2I0 とすれ
ば(9)式が成り立つ。
【0114】また、同様の効果が得られる別の回路構成
の一実施例を図5Bに示す。
【0115】図において23は上記(a)で説明した複
素共役信号発生器、24−1,24−2は同相電力2分
配器である。
【0116】いま、複素共役信号発生器23の入力端子
aに入力される信号をAとする。複素共役信号発生器2
3の入出力関係は複素共役信号発生器23に含まれる利
得可変器の利得可変量をG1 (真値)とすると次式で記
述できる。
【0117】
【数41】
【0118】複素共役信号発生器23の出力端子と同相
電力2分配器24−1,24−2の出力端子間の入出力
関係は次式で記述できる。
【0119】
【数42】
【0120】また、同相電力2分配器24−1,24−
2の出力端子から複素共役信号発生回路の出力端子まで
の入出力関係は次式で記述できる。
【0121】
【数43】
【0122】従って、複素共役信号発生回路の4つの出
力端子b,c,d,eでの各信号B,C,D,Eは、次
式のようになる。
【0123】
【数44】
【0124】上式において、A=2I0 とすれば(9)
式が成り立つ。
【0125】
【重み付け回路の実施例】図6は重み付け回路の一実施
例を示す図である。図において、10は複素共役信号発
生回路、11−1,11−2は第1及び第2の複素共役
信号発生器、12−1,12−2は入力信号の振幅量を
1/√2倍する第1及び第2の減衰器、13−1,13
−2は第1及び第2の同相電力合成器である。
【0126】重み付け回路に入力される信号をAとする
と、この信号を入力信号とする複素共役信号発生回路1
0の各出力端子b,c,d,eでの各信号B,C,D,
Eは、上記(b)に述べたように次式のようになる。
【0127】
【数45】
【0128】端子b,eにはそれぞれ第1及び第2の複
素共役信号発生器11−1及び11−2がそれぞれ接続
される。複素共役信号発生器11−1及び11−2の各
出力端子k,l及びm,nでの各出力K,L及びM,N
は、上記(a)に述べた動作により次式のようになる。
【0129】
【数46】
【0130】端子k及びnでの各出力K及びNは、それ
ぞれ減衰器12−1及び12−2により振幅量を1/√
2倍される。従って、出力端子p,sの各出力P,Sは
次式のようになる。
【0131】
【数47】
【0132】一方、端子l及びcに接続された同相電力
合成器13−1により端子qでの出力信号Qは次式のよ
うになる。
【0133】
【数48】
【0134】同様に、端子d及びmに接続された同相電
力合成器13−2により端子rでの出力信号Rは次式の
ようになる。
【0135】
【数49】
【0136】以上を整理すると、重み付け回路の4出力
端子p,q,r,sには次式で表される各出力信号P,
Q,R,Sが得られる。
【0137】
【数50】 上式において、A=2I0 とすれば、(14)式が成り
立つ。
【0138】また同様に、複素共役信号発生器11−1
及び11−2の各出力端子k,l及びm,nでの各出力
K,L及びM,Nが次式のようになる場合について説明
する。
【0139】
【数51】
【0140】端子k及びnでの各出力K及びNは、それ
ぞれ減衰器12−1及び12−2により振幅量を1/√
2倍される。従って、出力端子p,sの各出力P,Sは
次式のようになる。
【0141】
【数52】
【0142】一方、端子l及びcに接続された同相電力
合成器13−1により端子qでの出力信号Qは次式のよ
うになる。
【0143】
【数53】
【0144】同様に、端子d及びmに接続された同相電
力合成器13−2により端子rでの出力信号Rは次式の
ようになる。
【0145】
【数54】
【0146】以上を整理すると、重み付け回路の4出力
端子p,q,r,sには次式で表される各出力信号P,
Q,R,Sが得られる。
【0147】
【数55】 上式において、A=2I0 とすれば、(26)式が成り
立つ。
【0148】
【本発明によるアレーアンテナの実施例】図7は本発明
によるアレーアンテナの一実施例を示す図であり、(N
+2)個(N≧2)のアンテナ素子を1次元に配列し、
元の指向性f0 (u)として各アンテナ素子を等振幅・
同相で励振した均一励振指向性の場合のアレーアンテナ
について示した図である。
【0149】図において、6−0,6−1,…,6−N
+1はアンテナ素子、8は1入力信号を同相で(N−
1)分配し、かつ(N−1)個の出力のうち1つの出力
信号振幅が残り(N−2)個の出力信号振幅に対して2
倍となる電力分配回路、9は重み付け回路、10は複素
共役信号発生回路、11−1,11−2は第1及び第2
の複素共役信号発生器、12−1,12−2は入力信号
の振幅を1/√2倍する第1及び第2の減衰器、13−
1,13−2は第1及び第2の電力合成器、14は複素
共役信号発生回路10及び第1及び第2の複素共役信号
発生器11−1,11−2内の利得可変器の利得を制御
する制御手段である。
【0150】図7の本発明の一実施例の動作について説
明する。本実施例においては、元の指向性f0 (u)と
して、各アンテナ素子を等振幅・同相で励振した均一励
振指向性の場合についてであるので、アンテナ素子6−
2,…,6−N−1には、電力分配回路8で得られる
(N−2)個の同一出力信号をそのまま用いることがで
きる。
【0151】電力分配回路8の(N−2)個の同一出力
信号をI0 とし、残り1個の出力信号を2I0 とする。
電力分配回路8にて等振幅・同相で(N−2)分配され
た信号I0 はそのまま、アンテナ素子6−2,…,6−
N−1の励振重みとして給電する。また、電力分配回路
8にて分配された残り1個の信号2I0 は、重み付け回
路9により(16)〜(19)式の各信号に4分配され
て、アレー端部素子6−0,6−1,6−N,6−N+
1に給電する。
【0152】即ち、6−0には重み付け回路9のs出力
端子を、6−1にはq出力端子を、6−Nにはr出力端
子を、6−N+1にはp出力端子をそれぞれ接続する。
これにより、元の均一励振指向性f0 (u)上に2個の
零点が合成された指向性f(u)を得る。
【0153】また、制御手段14にて複素共役信号発生
回路10と第1及び第2の複素共役信号発生器11−
1,11−2内の利得可変器の利得を制御することで、
(16)〜(19)式に示される4信号のG1 ,G2
前記図3のように変化させることにより、2個の零点形
成位置θ1 及びθ2 を制御することができる。
【0154】図8は、本発明によるアレーアンテナに
て、アンテナ素子数N=20,アンテナ素子間隔d=
0.5λ,均一励振指向性のθ1 =−40°及びθ2
+20°の位置に零点合成した一例を示した図である。
図中、実線は本発明による零点合成した場合の指向性を
示し、点線は元の均一励振指向性を示す。
【0155】また、元の指向性f0 (u)として、テイ
ラー指向性等各アンテナ素子に励振重みを設定する場合
には、図2のように電力分配回路8とアンテナ素子6−
2,…,6−N−1の間に固定位相器、利得調整器を挿
入して励振重み付けを行えばよい。
【0156】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば重み付
け回路内の3個の利得可変器の利得を制御するだけで1
次元配列アレーアンテナ両端部4素子の励振信号重みを
変化させ、零点の形成位置を制御することができるの
で、簡単な制御系の構成及び簡単な制御法でアンテナ指
向性上の任意の位置に2個の零点を形成し、かつその零
点形成位置を制御できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成例を示す。
【図2】従来技術によるアレーアンテナの構成例であ
る。
【図3】アンテナ素子間隔dをパラメータとしたときの
重み付け回路内の利得可変器の利得と零点合成位置との
関係を示す図である。
【図4】複素共役信号発生器の一実施例を示す構成図で
ある。
【図5A】複素共役信号発生回路の一実施例を示す構成
図である。
【図5B】複素共役信号発生回路の別の例を示す。
【図6】重み付け回路の一実施例を示す構成図である。
【図7】本発明のアレーアンテナの一実施例を示す構成
図である。
【図8】図7の本発明のアレーアンテナにおいて、アン
テナ素子数N=20,アンテナ素子間隔d=0.5λと
したときの均一励振指向性と、この均一励振指向性の+
40°と−20°の位置に零点合成した場合の指向性を
示した図である。
【符号の説明】
1 1つの入力信号を等振幅・同位相で(N+2)分配
する電力分配回路 2−0,2−1,2−N,2−N+1 可変位相器 3−2,…,3−N−1 固定位相器 4−0,4−1,4−N,4−N+1 利得可変器 5−2,…,5−N−1 利得調整器 6−0,6−1,…,6−N+1 アンテナ素子 7 可変位相器2−0,2−1,2−N,2−N+1及
び利得可変器4−0,4−1,4−N,4−N+1を制
御する制御手段 8 1入力信号を同相で(N−1)分配し、かつ(N−
1)個の分配出力のうち1つの出力信号振幅が残り(N
−2)個の出力信号振幅に対して2倍となる電力分配回
路 9 重み付け回路 10 複素共役信号発生回路 11−1,11−2 第1及び第2の複素共役信号発生
器 12−1,12−2 入力信号の振幅を1/√2倍する
第1及び第2の減衰器 13−1,13−2 第1及び第2の同相電力合成器 14 複素共役信号発生回路10と第1及び第2の複素
共役信号発生器11−1,11−2内の利得可変器の利
得を制御する制御手段 15 同相電力2分配器 16 利得可変器 17 3dB90°ハイブリッド 18 固定位相器 19−1,19−2,19−3 同相電力2分配器 20 利得可変器 21−1,21−2 3dB90°ハイブリッド 22−1,22−2 固定位相器 23 複素共役信号発生器 24−1,24−2 同相電力2分配器

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のアンテナ素子と電力分配回路間で
    各アンテナ素子の励振振幅位相を制御して所望のアンテ
    ナ指向性を実現するアレーアンテナにおいて、 電力分配回路のひとつのポートと端部の4つのアンテナ
    素子との間に重み付け回路をもうけ、 他のアンテナ素子は他のポートに直接又は振幅位相調整
    手段を介して接続し、 前記重み付け回路は、 入力信号に対し、出力信号の実部が1/(2√2)で虚
    部が互いに共役な2組の信号を出力する複素共役信号発
    生回路と、 該複素共役信号発生回路の異なる出力に接続され、出力
    信号の実部が1/2で虚部が互いに共役な1組の信号を
    出力する2個の複素共役信号発生器と、 2入力1出力の2個の電力合成器と、 入力信号の振幅を1/√2にする減衰器2個とがもうけ
    られ、 複素共役信号発生回路の互いに複素共役な信号の1組の
    内、一方の出力を第一の複素共役信号発生器に入力し、
    他を第一の電力合成器の第二の入力端子に入力し、且
    つ、もう一方の互いに複素共役な1組の信号の内、前複
    素共役信号発生回路の出力信号で第一の電力合成器に接
    続した信号と同相の信号を、第二の共役信号発生器に入
    力し、他を第二の電力合成器の第一の入力端子に入力
    し、 第一の複素共役信号発生器の第一の出力信号を第一の減
    衰器に入力し、第二の出力信号を第一の電力合成器の第
    一の入力端子に入力し、 第二の複素共役信号発生器の第一の出力信号を第二の電
    力合成器の第二の入力端子に入力し、第二の出力信号を
    第二の減衰器に入力し、 出力端子として、 上記減衰器出力端子が計2個、合成器出力端子が計2個
    で合計4個となるよう構成され、 該重み付け回路内の第1及び第2の減衰器の出力端子
    は、アンテナ素子の2つの端部素子にそれぞれ接続さ
    れ、 上記重み付け回路内の第1の電力合成器の出力端子は、
    該重み付け回路内の第2の減衰器の出力端子が接続され
    たアンテナ端部素子に隣接するアンテナ素子に接続さ
    れ、 上記重み付け回路内の第2の電力合成器の出力端子は、
    該重み付け回路内の第1の減衰器の出力端子が接続され
    たアンテナ端部素子に隣接するアンテナ素子に接続さ
    れ、 上記重み付け回路の複素共役信号発生回路と第1及び第
    2の複素共役信号発生器の各出力信号の位相と振幅を制
    御することによりアンテナ指向性上の任意の2角度方向
    に零点を実現することを特徴とするアレーアンテナ。
  2. 【請求項2】 前記複素共役信号発生回路10が、 入力信号に対し、出力信号の実部が1/2で虚部が互い
    に共役な1組(2種)の信号を出力する複素共役信号発
    生器と、その2つの出力端子に、それぞれ1入力信号を
    等振幅・同位相で2分配する2つの電力分配器により構
    成されることを特徴とする請求項1記載のアレーアンテ
    ナ。
  3. 【請求項3】 前記複素共役信号発生回路10が、 入力信号を2出力信号に分配する電力分配器と、 該電力分配器の一方の出力端子へ出力される信号の振幅
    を制御する利得可変器と、 2入力端子と4出力端子を有する電力分配合成回路とを
    具備し、 該利得可変器の出力端子と該電力分配合成回路の一方の
    入力端子が接続され、 該電力分配器の他方の出力端子と該電力分配合成回路の
    他方の入力端子が接続され、 かつ、前記電力分配器の入力端子から前記電力分配合成
    回路の2つの入力端子までの経路間位相差が同相又は逆
    相、或いは90°となるようにそれぞれ接続され、 該経路間位相差が同相又は逆相の場合には、 上記電力分配合成回路として、 前記電力分配器の出力端子から直接入力される信号は、
    同位相で4出力端子に出力され、 前記利得可変器を介して入力される信号は、他方の入力
    端子から入力される信号が前記電力分配合成回路を通過
    して出力される信号の位相に対して、90°遅れ或いは
    270°進みと、90°進み或いは270°遅れの位相
    関係の出力信号がそれぞれ2出力づつ4出力端子に出力
    される 電力分配合成回路を備え、 該経路間位相差が90°の場合には、 上記電力分配合成回路として、 前記電力分配器の出力端子から直接入力される信号は、
    同位相で4出力端子に出力され、 前記利得可変器を介して入力される信号は、他方の入力
    端子から入力される信号が前記電力分配合成回路を通過
    して出力される信号の位相に対して、同相と逆相の位相
    関係の信号がそれぞれ2出力づつ4出力端子に出力され
    る 電力分配合成回路を備えることを特徴とする請求項1記
    載のアレーアンテナ。
  4. 【請求項4】 前記複素共役信号発生器が、 入力信号を2出力信号に分配する電力分配器と、 該電力分配器の一方の出力端子に出力される信号の振幅
    を制御する利得可変器と、 2入力端子と2出力端子を有する90°ハイブリッド電
    力合成器とを具備し、 前記利得可変器の出力端子と前記電力合成器の一方の入
    力端子が接続され、 前記電力分配器の他方の出力端子と前記電力合成器の他
    方の入力端子が接続され、 かつ、前記電力分配器の入力端子から前記電力合成器の
    2入力端子までの経路間位相差が0°または180°と
    なるように前記電力分配器と前記電力合成器がそれぞれ
    接続され、 前記90°ハイブリッド電力合成器の2つの出力端子の
    どちらか一方に90°又は270°の位相器を接続して
    構成されることを特徴とする請求項1記載のアレーアン
    テナ。
  5. 【請求項5】 前記複素共役信号発生器が、 入力信号を2出力信号に分配する電力分配器と、 該電力分配器の一方の出力端子に出力される信号の振幅
    を制御する利得可変器と、 2入力端子と2出力端子を有する180°ハイブリッド
    電力合成器とを具備し、 前記利得可変器の出力端子と前記電力合成器の一方の入
    力端子が接続され、 前記電力分配器の他方の出力端子と前記電力合成器の他
    方の入力端子が接続され、 かつ、前記電力分配器の入力端子から前記電力合成器の
    2つの入力端子までの経路間位相差が90°となるよう
    に前記電力分配器と前記電力合成器がそれぞれ接続さ
    れ、 前記180°ハイブリッド電力合成器の出力端子のどち
    らか一方に180°の位相器が接続されることを特徴と
    する請求項1記載のアレーアンテナ。
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