JP3160591B2 - 直接拡散受信装置および直接拡散送信装置 - Google Patents

直接拡散受信装置および直接拡散送信装置

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JP3160591B2 JP16686599A JP16686599A JP3160591B2 JP 3160591 B2 JP3160591 B2 JP 3160591B2 JP 16686599 A JP16686599 A JP 16686599A JP 16686599 A JP16686599 A JP 16686599A JP 3160591 B2 JP3160591 B2 JP 3160591B2
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善生 和田
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東洋通信機株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パイロットチャン
ネルを用いたDS−CDMA(Direct Sequence- Code
Division Multiple Access)システム等に使用する直接
拡散受信装置および直接拡散送信装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】DS−CDMAシステムとして、北米で
標準化されたCDMA方式セルラ電話システム(TIA
IS95)がある。このシステムでは、下りリンクに
おいて、パイロットチャンネルにパイロットシンボルを
挿入して送信し、受信側でこのパイロットチャンネルの
受信信号に基づいてキャリア位相を検出して同期検波を
行っている。図7は、DS−CDMAシステムにおける
下りリンクの構成を示す図である。101は基地局、1
02はC子局である。図8は、DS−CDMAシステム
における基地局の送信装置の概要構成図である。符号多
重部103においては、ユーザ1〜Nのユーザチャンネ
ルの送信データ1〜Nとパイロットチャンネル用にオー
ル1とされたデータとが、直交符号発生器107におい
て生成された直交符号をそれぞれ割り当てられて符号多
重され、乗算器104においてPN発生器108からの
PN信号を乗算されることにより直接拡散され、乗算器
105において、基準周波数発振器109の基準周波数
信号(キャリア)と乗算(変調)され、送信アンテナ1
06から送信される。
【0003】図9は、DS−CDMAシステムにおける
子局の受信装置の概要構成図である。受信アンテナ11
0により受信された信号は、乗算器111において基準
周波数発振器112の正弦波基準周波数信号と乗算され
て、ベースバンドの受信信号に変換される。DS−CD
MAシステムの復調器の特徴として、Rake受信方式
が採用されている。基地局から送信された信号は、複数
のパスを通って受信アンテナ110に到達するので、受
信信号は、振幅、キャリア位相、および、遅延時間の異
なる複数の信号が合成されたものとなる。Rake受信
方式は、ベースバンドの受信信号を逆拡散することによ
りパス1〜パスKの受信信号に分離して、最大比合成
(Rake合成)して1つのインパルスレスポンスにす
るため、受信信号のC/N特性が向上する。
【0004】ベースバンドの受信信号は、Rake受信
部121およびサーチャー部122に出力される。ベー
スバンドの受信信号は、Rake受信部121におい
て、K個のフィンガー1181〜118Kに入力される。
各フィンガー1181〜118Kは、それぞれ1〜K番目
のパスに対する復調器である。図示の例では、最大K個
のパスの信号を受信できる。各フィンガー1181〜1
18Kは、同一構成である。
【0005】ベースバンドの受信信号は、乗算器113
において、PN発生器114から出力されるPN符号と
乗算されてPN同期が取られ、乗算器115において、
直交符号発生器117から出力された、このC子局10
2のユーザチャンネルの直交符号と乗算され、積分器1
16において、このC子局102のユーザチャンネルの
受信信号が1シンボル期間にわたって積分されることに
より逆拡散される。フィンガー1181〜118Kから
は、それぞれに対応するパス1〜KにおけるC子局10
2のユーザチャンネルの逆拡散された受信信号が合成回
路119に出力される。
【0006】ここで、PN発生器114および直交符号
発生器117には、インパルスレスポンスを推定するサ
ーチャー部122内の制御部129から、それぞれのパ
ス1〜Kに対するタイミング信号が供給される。その結
果PN発生器114および直交符号発生器117は、そ
れぞれ、対応するパス1〜KのPN符号および直交符号
と同期がとられたPN符号および直交符号を出力する。
【0007】サーチャー部122において、ベースバン
ドの受信信号は、乗算器123においてPN発生器12
4から出力されるPN符号と乗算され、乗算器125に
おいて直交符号発生器126から出力された、パイロッ
トチャンネルの直交符号と乗算されて、パイロットチャ
ンネルの受信信号が分離される。つぎに、積分器127
において1シンボル分積分され、さらに複数シンボル分
の平均化を行うフィルタ128を通し、ある1つのパス
kにおけるパイロットチャンネルのベースバンドの受信
信号振幅、および、基準周波数信号に対する位相(キャ
リア位相)を表す基準信号W(k)が作られ、制御部12
9に出力される。W(k)は複素数であり、k=1〜Kで
ある。パス1〜パスKとしては、電力の大きいパスがK
個選択される。
【0008】制御部129においては、PN発生器12
4のPN符号が受信信号に符号同期するようにPN発生
器124をタイミング制御するとともに、直交符号発生
器126の直交符号が受信信号に符号同期するように直
交符号発生器126をタイミング制御する。制御部12
9は、時間を分割して、Kフィンガー分のK個の基準信
号W(k)を生成する。また、時間を分割して、Rak
e受信部121のKフィンガー1181〜118KのPN
発生器114および直交符号発生器117にタイミング
信号を出力する。
【0009】合成回路119において、各フィンガー1
181〜118KからのC子局102のユーザチャンネル
の信号は、各パス1〜Kのパイロットチャンネルの受信
信号から得た基準信号W(k)に基づいて、各パス1〜K
におけるC子局102のユーザチャンネルの受信信号の
位相オフセットが取り除かれることにより同期検波さ
れ、さらにRake合成される。Rake合成された受
信信号は、デコード部120においてデコードされて、
このC子局102のユーザチャンネルの所望のデータが
出力される。
【0010】このように、既知のデータが伝送されてい
るパイロットチャンネルの、逆拡散された受信信号を用
いて各パスkのインパルスレスポンスを推定することに
より、各パスkの受信信号の位相オフセットを除去して
いる。なお、図示を省略したが、図9に示した乗算器1
11は、実際には2個設けられ、受信アンテナ110に
より受信された信号は、基準周波数信号と直交する直交
基準周波数信号とも乗算され、基準周波数信号と同相お
よび直交する2系列のベースバンドの受信信号(通常、
複素数で表される)となる。そして、2系列に対して個
別に後段の処理が行われ、合成回路119において、こ
の2系列が基準周波数信号(キャリア)の位相に対する
同相成分および直交成分となって同期検波される。
【0011】一般に、高速のデータ伝送をDS−CDM
Aシステムで行おうとすると、データレートの高速化に
したがって、チップレートも当然大きくなる。チップレ
ートが大きくなると、マルチパスによる干渉量が増大す
る。マルチパス数が増大すると、もはやRake受信方
式では伝送性能の劣化を防ぐことができない。時間遅延
したパス1〜パスKの到来波を合成したものが受信され
ると、あるパスkの到来波を逆拡散するときには、時間
遅延した他のパスの到来波は干渉信号となる。そのた
め、ある1つのパスkのインパルスレスポンスには、他
のパスの到来波との間の相互相関によって生じた干渉成
分が含まれている。そのため、パス1〜パスKのインパ
ルスレスポンスをRake合成すると、伝送性能が劣化
する。
【0012】このようなマルチパスによる干渉を除去す
る第1の従来技術として、干渉キャンセル技術がある、
例えば、和田ほか1名「B5−140 DS−CDMA
システムにおけるマルチユーザ・マルチステージ型干渉
キャンセラの一検討」,電子情報通信学会ソサイエティ
大会(1998.9)で知られているものがあり、この
ような干渉キャンセラ(以下先行技術という)を、本出
願人は、特願平10−236777号として出願してい
る。
【0013】まず、パイロットチャンネル等を用いて正
確なインパルスレスポンスを推定する。振幅の大きなパ
スをK個選択し、その値をW(k)(k=1〜K)とす
る。その中で振幅値が最大となるパスPを選択する。1
段目の干渉キャンセラには、Rake受信データが入力
され、2段目以降の干渉キャンセラには、前段の干渉キ
ャンセラの出力データが入力される。さらに、電力最大
パスP以外の各パスに対する拡散符号とW(k)を用い
て各ユーザにおける干渉レプリカを生成する。受信信号
から全ユーザの干渉レプリカを差し引いて、パスPに対
して逆拡散を行い、全ユーザに対するデータを検出す
る。すなわち、あらかじめW(k)を推定し、電波伝搬
の情報は推定後固定する。
【0014】図10は、先行技術の基本ブロック構成図
である。1つのPN符号を共有する符号多重されたチャ
ンネルが、1つのユーザチャンネル(1ユーザ)および
1つのパイロットチャンネルからなる場合のものであ
る。これに対し、図9は、1つのPN符号を共有する符
号多重されたユーザチャンネル(ユーザ)が複数の場合
であるので前提が若干異なるが、Rake受信部に関し
ては、この図9を流用して説明する。
【0015】この基本構成においては、インパルスレス
ポンスを推定し、このインパルスレスポンスを表す基準
信号W(k)を固定し、Rake受信部121で出力デ
ータDRを検出する。また、電力最大パス検出器131
は、基準信号W(k)に基づいて、電力が最大となるパ
スPを選択する。干渉キャンセラ133においては、R
ake受信部121から出力されたデータを初期受信デ
ータとして、電力が最大となるパスP以外のパスにおけ
る、同期検波および逆拡散を行う以前の信号を生成する
とともに、パイロットチャンネルの既知のデータに基づ
いて、電力が最大となるパスP以外のパスにおける、逆
拡散を行う以前のパイロットチャンネルの信号を生成
し、これらを干渉レプリカとし、受信信号からその干渉
レプリカを差し引いて、電力が最大となるパスPについ
て再び逆拡散および同期検波を行うことによりデータを
再び検出しなおす。このようにして、受信信号品質の劣
化要因である干渉を除去することによりビット誤り率が
向上する。
【0016】図9に示したサーチャー部122では、パ
イロットチャンネルの受信信号を逆拡散して得られる電
力の大きいパスがK個選択され、各パス1〜Kのインパ
ルスレスポンスの値として基準信号W(k)(k=1〜
K)を出力する。図10に示した電力最大パス検出器1
31は、基準信号W(k)の中から、電力が最大となる
パスPを選択して、Pの値を干渉キャンセラ133に出
力する。
【0017】図13は、図10に示した干渉キャンセラ
133の動作説明図である。基地局101から送信され
た信号は複数のパスを通って、それぞれが異なる遅延時
間の信号の合成信号として受信される。上段の図は、マ
ルチパスによるインパルスレスポンスを示す。電力が最
大となるパスPを選択し、他のパスにおける同期検波お
よび逆拡散を行う以前のベースバンドの受信信号を、判
定データおよびパイロットチャンネルのデータに基づい
て仮想的に生成し、これを差し引いた受信信号に対し、
最大電力のパスPにおける逆拡散を行い、下段に示すよ
うに干渉成分がないインパルスレスポンスを検出する。
【0018】電力が最大となるパスPは、干渉成分を含
む割合が少なく、パスPを除くパスについては、主に干
渉成分であると推定する。そして、Rake受信部12
1から出力された1ユーザのユーザチャンネルの一応確
からしいデータDRを初期値として用い、これから、逆
の信号処理をして、同期検波および逆拡散を行う以前の
信号を生成する。同時に、パイロットチャンネルの既知
のデータDpに基づいて逆拡散を行う以前のパイロット
チャンネルの信号も生成する。このようにして、パスP
を除くパス1〜パスKにおける干渉レプリカを生成す
る。そして、ベースバンドの受信信号から、パスPを除
くパス1〜パスKの干渉レプリカをすべて差し引くと、
ほぼパスPだけのベースバンドの受信信号となる。
【0019】したがって、干渉キャンセラ133は、R
ake受信部121から出力される1つの通信チャネル
の出力データDR、および、パイロットチャンネルの既
知のデータDpを用いて、最大電力のパスPを除いたK
−1個のパスの干渉レプリカを生成する。そして、ベー
スバンドの受信信号からこの干渉レプリカを除去したベ
ースバンドの受信信号に対し、パスPについて改めて逆
拡散を行う。このようにして、仮に単一のパスPの到来
波のみが受信されたと仮定したときとほぼ同様なベース
バンドの受信信号に対して逆拡散をすることができる。
その結果、パスの相互相関による干渉成分が除去された
ユーザチャンネルの受信データDCが得られる。なお、
遅延部132は、Rake受信部121および干渉キャ
ンセラ内部における処理遅延を補償するものである。
【0020】図11は、図10に示した干渉キャンセラ
133の内部構成図である。1ユーザの干渉レプリカ生
成部135は、1ユーザのみが使用する唯一のユーザチ
ャンネルについて、パスPを除く、K−1個のパスに対
する干渉レプリカを生成する。また、パイロットチャン
ネルの干渉レプリカ生成部135pは、パイロットチャ
ンネルについて、パスPを除く、K−1個のパスに対す
る干渉レプリカを生成する。
【0021】図12(a),図12(b)は、それぞ
れ、図11に示した干渉レプリカ生成部135,135
pの内部構成図である。パス1に対する干渉レプリカ生
成部1411については、Rake受信部121から出
力されたデータDRが、乗算器138において、パス1
に対する基準信号W1(1)と乗算されることにより、
パス1のキャリア位相および振幅が付与された信号点位
相および振幅を有する、同期検波される前の信号に戻さ
れる。次に、乗算器139においてパス1に対するPN
符号であるPN1(1)、さらに、乗算器140におい
て1ユーザのパス1に対する直交符号WS1(1)とそ
れぞれ乗算されて拡散されることにより、パス1の時間
遅延を有する、逆拡散される前のベースバンド受信信号
に戻されて、パス1の干渉レプリカが生成される。パス
1に対する干渉レプリカ生成部1411と同様の構成
が、パスPを除いてK−1個あり、これらのK−1個の
信号が加算器142により加算されて、その出力信号が
パスPを除くパス1〜Kの干渉レプリカの出力信号とな
る。
【0022】ここで、W1(k)(k=1〜K,k=P
を除く)は図9に示した制御部129が出力する基準信
号、PN1(k)(k=1〜K,k=Pを除く)は図9
に示したフィンガー118kのPN発生器114が出力
するPN符号、直交符号WS1(k)(k=1〜K,k
=Pを除く)は図9に示したフィンガー118kの直交
符号発生器117が出力する1ユーザの直交符号、に基
づくものである。ただし、図10においてベースバンド
の受信信号を遅延部132で遅延させたように、Rak
e受信部121における処理遅延、干渉キャンセラ13
3の内部での処理遅延を考慮して時間遅れを調整する。
1(k),PN1(k),WS1(k)は、上述した制
御部129,PN発生器114,直交符号発生器117
の出力のそれぞれに、遅延部132と同様な遅延部を設
けることによって作ることができる。
【0023】図12(b)に示す、パイロットチャンネ
ルに対する干渉レプリカ生成部135pについては、パ
イロットチャンネルの既知のデータDpが、乗算器13
8において、パス1に対する基準信号W1(1)と乗算
されることにより、パス1のキャリア位相および振幅が
付与された信号点位相および振幅を有する信号になる。
つぎに、乗算器139においてパス1に対するPN符号
であるPN1(1)、さらに、乗算器140においてパ
イロットチャンネルのパス1に対する直交符号WS
1(p,1)とそれぞれ乗算されて拡散されることによ
り、パス1の時間遅延を有する、逆拡散される前のベー
スバンド受信信号に戻されて、パス1の干渉レプリカが
生成される。図12(a)と同様に、パス1に対する干
渉レプリカ生成部1411と同様の構成が、パスPを除
いてK−1個あり、これらのK−1個の信号が加算器1
42により加算されて、その出力信号がパスPを除くパ
ス1〜Kの干渉レプリカの出力信号となる。
【0024】ここで、W1(k)(k=1〜K,k=P
を除く)は図9に示した制御部129が出力する基準信
号、PN1(k)(k=1〜K,k=Pを除く)は図9
に示したサーチャー部122のPN発生器124が出力
するPN符号(フィンガー118kのPN発生器114
が出力するPN符号と一致する)、直交符号WS
1(p,k)(k=1〜K,k=Pを除く)は図9に示
したサーチャー部122の直交符号発生器126が出力
するパイロットチャンネルの直交符号に基づくものであ
る。ただし、Rake受信部121における処理遅延、
干渉キャンセラ133の内部での処理遅延を考慮して時
間遅れが調整される。W1(k),PN1(k),WS1
(p,k)は、上述した制御部129,PN発生器12
4,直交符号発生器126の出力のそれぞれに、遅延部
132と同様な遅延部を設けることによって作ることが
できる。
【0025】再び、図11に戻って説明をする。加算器
136において、遅延されたベースバンドの受信信号か
ら、干渉レプリカ135の出力信号が差し引かれ、パス
Pに対する逆拡散部137に入力される。このパスPに
対する逆拡散部137は、図9に示したフィンガー部1
181〜118K中のパスPのフィンガー部と同様の構成
である。すなわち、パスPに対する基準信号W
1(P)、パスPに対するPN符号であるPN1(P)、
および、パスPに対する1ユーザの直交符号WS
1(P)を用いて、干渉レプリカが削除されたベースバ
ンドの受信信号に対して、パスPに対する逆拡散を行
い、データを判定する。
【0026】この出力データは、相互相関による干渉が
除かれて伝送性能が改善された1ユーザのデータとな
る。上述した基準信号W1(P)、PN符号PN
1(P)、および、1ユーザの直交符号WS1(P)は、
先に説明した、パスPを除いたパスの基準信号W
1(k)、PN符号PN1(k)、および、1ユーザの直
交符号WS1(k)と同様に、Rake受信部121に
おける処理遅延を補償するために時間遅れを持たせ、か
つ、干渉キャンセラ133の内部での処理遅延も考慮し
て時間遅れが調整される。
【0027】図14は、1つのPN符号を共有する符号
多重されたチャンネルが、N個のユーザチャンネルおよ
び1つのパイロットチャンネルからなる先行技術のブロ
ック構成図である。そして、複数ユーザに対応した干渉
キャンセラが、1〜M段目の干渉キャンセラ1511
151Mとして縦続接続されたものである。この具体例
では、複数のユーザ1〜Nのパスに対して複数の干渉キ
ャンセラを動作させて干渉を除去し、さらに複数段の干
渉キャンセラを動作させるものであって、より確からし
いデータが検出される。第1段目の干渉キャンセラ15
1は、Rake受信部146から出力されたデータD
R(1)〜DR(N)を確からしいデータとして入力す
るとともに、パイロットチャンネルの既知のデータD p
を入力し、干渉信号がキャンセルされた、より確からし
いデータDC(1,1)〜DC(1,N)を出力する。
【0028】第2段以降については、前段の干渉キャン
セラからの出力データが次の段の干渉キャンセラの入力
データになるとともに、パイロットチャンネルの既知の
データDpも入力される。いずれの段の干渉キャンセラ
1511〜151Mも、電力最大パス検出器131(図1
0)から出力されるパスPを電力最大パスとして固定的
に選択する。なお、各段の干渉キャンセラのうち、1〜
(M−1)段目の干渉キャンセラ1511〜151M-1
ついては、自局(例えば、ユーザ1)のデータを含めた
ユーザ1〜Nのデータを出力する必要がある。すなわ
ち、1〜(M−1)段目の干渉キャンセラ1511〜1
51M-1については、ユーザ1〜ユーザNに対する逆拡
散部が必要となる。以上が、干渉キャンセラに関する先
行技術の説明である。
【0029】上述したDS−CDMAシステムは、マル
チパス数が少なければ、Rake受信だけでも伝送性能
の劣化を防ぐことができる。しかし、C子局102が、
自動車などに搭載されて移動している場合には、レイリ
ーフェージングの問題がある。図15は、レイリーフェ
ージングを説明するための模式的説明図である。図中、
図7と同様な部分には同じ符号を付して説明を省略す
る。161,162は近接したパス、163はパス、1
64は反射物である。C子局102が移動しており、こ
のC子局102の近くに反射物164が存在する場合が
ある。このような場合、近接したパス161,162と
して図示したような、遅延時間がほとんど変わらないパ
スが多数存在する。これらのパスをとる複数の直接拡散
信号は、ドップラシフトにより受信周波数がわずかにシ
フトする。周波数シフトの方向および大きさ等は、反射
物164の位置等によって異なる。これらの複数の近接
したパス162,163は、近接したパスの集合として
の1つのパス163と見なされる。このようなパス16
3とる直接拡散受信信号は、レイリーフェージングを受
けている。レイリーフェージングを受けていると、C子
局102が移動中に、受信電界強度が大きく変化し、何
度も受信不可能なレベルまで落ち込む時点が発生する。
そこで、レイリーフェージングの影響を低減する方法と
して、次のようなシステムを提案する。
【0030】図16は、レイリーフェージングの影響を
低減する送信アンテナダイバーシチシステムの概要構成
図である。図中、図7,図8,図15と同様な部分には
同じ符号を付して説明を省略する。送信装置は2系統設
けられ、その送信アンテナを106A,106Bとす
る。アンテナ106AからC子局102までのパスを1
63A、アンテナ106BからC子局102までのパス
を163Bとする。これらは、近接したパスの集合とし
てのパスである。送信アンテナ106A,106Bの間
隔が、数波長離れていると、レイリーフェージングは独
立したものとなる。その結果、パス163Aをとる直接
拡散信号の受信電界強度が落ち込む時点と、パス163
Bをとる直接拡散信号の受信電界強度が落ち込む時点と
が独立している。したがって、C子局102において
は、複数系統のアンテナ106A,106Bから送信さ
れた直接拡散信号を同時に受信して合成すれば、受信デ
ータのビットエラーレートが低減して伝送品質が向上す
る。そのためには、C子局102の直接拡散受信装置に
おいて、パス163A,163Bを分離して受信する必
要がある。図示の例では、基地局101において、各系
統のPN(Pseudo random Noise)符号PNA,PNBとし
て異なったPN符号を用いている。
【0031】図17は、2系統のアンテナから送信され
る直接拡散信号の説明図である。送信アンテナ106A
の送信系統および送信アンテナ106Bの送信系統と
は、互いに異なるPN符号で送信データを拡散変調する
が、それぞれのPN符号PNA,PNBの所定の基準時間
からオフセット時間は、いずれも、この基地局に設定さ
れているオフセット時間になっている。アンテナごとに
PN符号が異なるため、C子局102は、受信したパイ
ロット信号のPN信号の符号の相違により、アンテナ1
06Aおよびアンテナ106Bから送信された直接拡散
信号を分離して受信することができる。なお、複数の基
地局から送信される直接拡散信号を分離するために、基
地局ごとに、PN符号の所定の基準時間からのオフセッ
ト時間(スタートタイミング)を異ならせている。PN
符号の符号長は十分長い(IS95の場合、215ビッ
ト)ため、上述したスタートタイミングの基地局ごとの
時間差は、パス(近接したパスの集合としてのパス)相
互の、直接波、反射波間の遅延時間差に比べて長く設定
されている。送信アンテナ106Aの送信系統および送
信アンテナ106Bの送信系統に用いるPN符号P
A,PNBは、各基地局において共通に用いることがで
きる。共通に用いても、上述した基地局を識別するため
のオフセット時間の設定を変更する必要がない。
【0032】図18は、図16に示したシステムにおけ
る基地局101の一例を示すブロック構成図である。図
中、図8,図16と同様な部分には同じ符号を付して説
明を省略する。108AはPN符号PNAを発生するP
N発生器、108BはPN符号PNBを発生するPN発
生器である。PN発生器108A,108Bは、スター
トタイミングが一致している。符号多重部103から出
力される送信データは、乗算器104AにおいてはPN
符号PNAにより拡散され、乗算器104Bにおいては
PN符号PNBにより拡散される。拡散された信号は、
それぞれ乗算器105A,105Bにおいて基準周波数
信号と乗算され、2系統の送信アンテナ105A,10
5Bに出力される。
【0033】上述したように、1つの基地局から複数系
統のアンテナで直接拡散信号を送信することによりマル
チパスフェージングの影響を低減することができる。し
かし複数の直接拡散信号が同時に送信されるため、結果
として、マルチパスの数が複数倍になり、マルチパス相
互の相関による干渉成分が増加する。したがって、上述
した干渉キャンセル技術を適用すると好適である。図1
0に示した干渉キャンセラをそのまま適用すると、次の
ような構成となる。
【0034】図19は、図16に示したシステムに用い
る子局の直接拡散受信装置のブロック構成図である。こ
こでは、説明を簡単にするため、図15に示した基地局
101は、C子局102および図示しないD子局の2ユ
ーザに対してのみ送信をするシステムを前提とする。図
中、図16と同様な部分には同じ符号を付して説明を省
略する。図中、2はアンテナ106A(以後、単に「ア
ンテナA」という)からの直接拡散信号を逆拡散するR
ake受信部、3はアンテナ106B(以後、単に「ア
ンテナB」という)からの直接拡散信号を逆拡散するR
ake受信部、4は遅延部、171はアンテナAからの
直接拡散受信信号の干渉成分を除去する干渉キャンセ
ラ、172はアンテナBからの直接拡散受信信号の干渉
成分を除去する干渉キャンセラである。32は合成判定
部、177はアンテナAからの直接拡散信号の電力最大
パス検出器、178はアンテナBからの直接拡散信号の
電力最大パス検出器である。
【0035】干渉キャンセラ171内において、6はア
ンテナAからのユーザチャンネルCの直接拡散信号の干
渉レプリカ生成部、7はアンテナAからのユーザチャン
ネルDの直接拡散信号の干渉レプリカ生成部、8はアン
テナAからのパイロットチャンネルの直接拡散信号の干
渉レプリカ生成部、173は加算器、174はアンテナ
Aからの直接拡散信号の電力最大パスPAにおけるユー
ザチャンネルCの逆拡散部である。干渉キャンセラ17
2内において、9はアンテナBからのユーザチャンネル
Cの直接拡散信号の干渉レプリカ生成部、10はアンテ
ナBからのユーザチャンネルDの直接拡散信号の干渉レ
プリカ生成部、11はアンテナBからのパイロットチャ
ンネルの直接拡散信号の干渉レプリカ生成部、175は
加算器、176はアンテナBからの直接拡散信号の電力
最大パスPBにおけるユーザチャンネルCの逆拡散部で
ある。
【0036】アンテナAからの直接拡散信号を逆拡散す
るRake受信部2において、ベースバンドの受信信号
は、図10,図14に示したRake受信部121,1
46と同様に、アンテナAの送信系統で使用するPN符
号PNAに基づいて逆拡散され、同期検波によりデータ
判定されて、ユーザチャンネルC,Dの初期受信データ
を出力する。一方、アンテナBからの直接拡散信号を逆
拡散するRake受信部3においては、アンテナBの送
信系統で使用するPN符号PNBに基づいて逆拡散さ
れ、データ判定されて、ユーザチャンネルC,Dの初期
受信データを出力する。遅延部4は、図10,図14に
示した遅延部132と同様に、Rake受信部、干渉レ
プリカ生成部等の処理遅延に合わせてベースバンドの直
接拡散受信信号を遅延させるものである。干渉レプリカ
生成部6,7、干渉レプリカ生成部9,10は、それぞ
れ、図11に示した1ユーザの干渉レプリカ生成部13
5と同様のものである。一方、干渉レプリカ生成部8,
11は、図11に示したパイロットチャンネルの干渉レ
プリカ生成部135pと同様なものである。逆拡散部1
71,176は、図11に示したパスPに対する逆拡散
部137と同様なものであるが、データ判定をする直前
の逆拡散信号を出力する。
【0037】電力最大パス検出器177,178は、図
10に示した電力最大パス検出器131と同様なもので
ある。入力される基準信号W(1A)〜W(KA),W
(1B)〜W(KB)は、各パスにおけるパイロットチャ
ンネルのベースバンドの受信信号振幅、および、基準周
波数信号に対するキャリア位相を表す基準信号であり、
図9に示したサーチャー部122の制御部129から出
力される基準信号W(1)〜W(K)と同様なものであ
る。ただし、アンテナAからの直接拡散信号、アンテナ
Bからの直接拡散信号、それぞれについて、個別に電力
最大パスPA,PBを検出することにより、この電力最大
パスPA,PBの逆拡散信号の各ユーザチャンネルCを、
合成判定部32において合成してデータ判定を行うこと
になる。なお、図10に示したサーチャー部122に相
当するブロックは、アンテナAからの直接拡散信号を逆
拡散するRake受信部2、アンテナBからの直接拡散
信号を逆拡散するRake受信部3に含まれるものとし
て図示を省略している。
【0038】上述した構成では、各アンテナA,Bから
の直接拡散信号からあらかじめ初期受信データを得て、
この初期受信データに基づいて、電力最大パスを除いた
同じアンテナからのパスの直接拡散受信信号を仮想的に
生成して干渉レプリカとし、この干渉レプリカを差し引
いて、電力最大パスに対して再び逆拡散するという構成
により、同じアンテナからの他のパスの直接拡散受信信
号による電力最大パスの直接拡散受信信号への干渉成分
を低減している。アンテナAの送信系統が使用するPN
符号とアンテナBの送信系統が使用するPN符号とは、
図17に示したようにPN符号の相違により識別可能で
あるが、相互に相関が生じる。したがって、電力最大パ
スPAの逆拡散信号には、アンテナBからのパスの直接
拡散信号が干渉信号となることによる干渉成分も含ま
れ、一方、電力最大パスPBの逆拡散信号には、アンテ
ナAからのパスの直接拡散信号が干渉信号となることに
よる干渉成分も含まれている。しかし、上述した構成
は、これらの異なるアンテナA,Bからのパス間の干渉
成分を低減する構成にはなっていない。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した問
題点を解決するためになされたもので、レイリーフェー
ジングの影響を低減するとともに、複数系統の送信アン
テナから同時に送信される直接拡散信号のマルチパスに
よる相互の干渉成分を低減する直接拡散受信装置、およ
び、レイリーフェージングの影響を低減する直接拡散送
信装置を提供することを目的とするものである。
【0040】
【課題を解決するための手段】本発明は、請求項1に記
載の発明においては、複数系統の送信アンテナからそれ
ぞれ送信され、拡散符号により前記系統を識別可能な複
数の直接拡散信号を、同時に受信する直接拡散受信装置
であって、前記複数の直接拡散信号は、それぞれ、同じ
送信データに基づき、異なるPN符号を前記拡散符号と
して拡散されたものであり、インパルスレスポンス推定
手段、パス選択手段、初期データ出力手段、および、干
渉キャンセル手段を有し、前記インパルスレスポンス推
定手段は、直接拡散受信信号に基づいて、前記送信アン
テナから送信された前記直接拡散信号の複数のパスに対
するインパルスレスポンスを推定し、前記パス選択手段
は、推定された前記インパルスレスポンスに基づいて、
前記複数のパスの内、電力が最大となるパスを選択し、
前記初期データ出力手段は、前記直接拡散受信信号に基
づいて、前記送信アンテナ別に初期受信データを出力
し、前記干渉キャンセル手段は、前記初期受信データに
基づいて、前記電力が最大となるパスを有する前記送信
アンテナからの、前記電力が最大となるパスを除いた少
なくとも1つのパス、および、他の前記送信アンテナか
らの少なくとも1つのパスにおける干渉レプリカを少な
くとも生成し、前記直接拡散受信信号から前記干渉レプ
リカを差し引いた信号を、前記電力が最大となるパスに
ついて逆拡散し、データ判定することにより、少なくと
も当該直接拡散受信装置に設定されたユーザチャンネル
の受信データを出力するものである。したがって、複数
系統の送信アンテナによる送信アンテナダイバーシチに
より、レイリーフェージングによるビットエラーレート
の増加を防止することができる。送信アンテナダイバー
シチによるマルチパス数の増加、および、複数系統の送
信アンテナからのマルチパスの相互の干渉による干渉成
分を、干渉キャンセル手段により低減することができ
る。複数系統の送信アンテナから直接拡散信号を受信し
ているにもかかわらず、その中の1つの送信アンテナか
らの、1つの最大電力パスに限って、逆拡散およびデー
タ判定をしているため、逆拡散およびデータ判定のため
の構成が簡単になる。複数の送信アンテナの各送信系統
に用いているPN符号が異なるため、この異なるPN符
号を各基地局において共通に用いた場合でも、基地局を
識別するためのオフセット時間の設定を変更する必要が
ない。干渉キャンセル手段としては、1段の干渉キャン
セラでもよいし、複数段の干渉キャンセラでもよい。
【0041】本発明は、請求項2に記載の発明において
は、複数系統の送信アンテナからそれぞれ送信され、拡
散符号により前記系統を識別可能な複数の直接拡散信号
を、同時に受信する直接拡散受信装置であって、前記複
数の直接拡散信号は、それぞれ、同じ送信データに基づ
き、異なるPN符号を前記拡散符号として拡散されたも
のであり、インパルスレスポンス推定手段、パス選択手
段、初期データ出力手段、および、複数段の干渉キャン
セラを有し、前記インパルスレスポンス推定手段は、直
接拡散受信信号に基づいて、前記送信アンテナから送信
された前記直接拡散信号の複数のパスに対するインパル
スレスポンスを推定し、前記パス選択手段は、推定され
た前記インパルスレスポンスに基づいて、前記複数のパ
スの内、電力が最大となるパスを選択し、前記初期デー
タ出力手段は、前記直接拡散受信信号に基づいて、前記
送信アンテナ別に初期受信データを出力し、第1段の前
記干渉キャンセラは、前記初期受信データに基づいて、
前記電力が最大となるパスを有する前記送信アンテナか
らの、前記電力が最大となるパスを除いた少なくとも1
つのパス、および、他の前記送信アンテナからの少なく
とも1つのパスにおける干渉レプリカを少なくとも生成
し、前記直接拡散受信信号から前記干渉レプリカを差し
引いた信号を、前記電力が最大となるパスについて逆拡
散し、データ判定することにより、第1段の受信データ
を出力し、第2段以降の前記干渉キャンセラは、それぞ
れ、前段の前記受信データに基づいて、前記電力が最大
となるパスを有する前記送信アンテナからの、前記電力
が最大となるパスを除いた少なくとも1つのパス、およ
び、前記他の送信アンテナからの少なくとも1つのパス
における干渉レプリカを少なくとも生成し、前記直接拡
散受信信号から前記干渉レプリカを差し引いた信号を、
前記電力が最大となるパスについて逆拡散し、データ判
定することにより、当該段の受信データを出力し、最終
段の前記受信データは、少なくとも当該直接拡散受信装
置に設定されたユーザチャンネルの受信データを含むも
のである。したがって、マルチステージ構成により、請
求項1に記載の発明の作用効果に加えて、より確かな干
渉キャンセルを行うことができる。
【0042】本発明は、請求項3に記載の発明において
は、複数系統の送信アンテナからそれぞれ送信され、拡
散符号により前記系統を識別可能な複数の直接拡散信号
を、同時に受信する直接拡散受信装置であって、前記複
数の直接拡散信号は、それぞれ、同じ送信データに基づ
き、異なるPN符号を前記拡散符号として拡散されたも
のであり、複数系列のインパルスレスポンス推定手段、
複数系列のパス選択手段、初期データ出力手段、複数系
列の干渉キャンセル手段、および、系列合成判定手段を
有し、前記複数系列のインパルスレスポンス推定手段
は、前記複数系列に対応した受信アンテナで前記直接拡
散信号を受信し、それぞれの系列における直接拡散受信
信号に基づいて、前記それぞれの系列における、前記送
信アンテナから送信された前記直接拡散信号の複数のパ
スに対するインパルスレスポンスを推定し、前記複数系
列の前記パス選択手段は、前記それぞれの系列における
推定された前記インパルスレスポンスに基づいて、前記
それぞれの系列における前記複数のパスの内、電力が最
大となるパスを選択し、前記初期データ出力手段は、前
記それぞれの系列における前記直接拡散受信信号に基づ
いて、前記送信アンテナ別に、前記それぞれの系列ごと
の、あるいは、前記それぞれの系列に共通の初期受信デ
ータを出力し、前記複数系列の干渉キャンセル手段は、
それぞれ、前記初期受信データに基づいて、前記それぞ
れの系列における、前記電力が最大となるパスを有する
前記送信アンテナからの、前記電力が最大となるパスを
除いた少なくとも1つのパス、および、他の前記送信ア
ンテナからの少なくとも1つのパスにおける干渉レプリ
カを少なくとも生成し、前記それぞれの系列における前
記直接拡散受信信号から前記干渉レプリカを差し引いた
信号を、前記それぞれの系列における前記電力が最大と
なるパスについて逆拡散することにより、逆拡散信号を
出力し、前記系列合成判定手段は、前記それぞれの系列
における前記逆拡散信号を系列合成した後、データ判定
することにより、少なくとも当該直接拡散受信装置に設
定されたユーザチャンネルの受信データを出力するもの
である。したがって、受信側のダイバーシチ構成によ
り、請求項1に記載の発明の作用効果に加えて、フェー
ジング変動の影響を受けにくい。干渉キャンセル手段と
しては、1段の干渉キャンセラでもよいし、複数段の干
渉キャンセラでもよい。
【0043】本発明は、請求項4に記載の発明において
は、複数系統の送信アンテナからそれぞれ送信され、拡
散符号により前記系統を識別可能な複数の直接拡散信号
を、同時に受信する直接拡散受信装置であって、前記複
数の直接拡散信号は、それぞれ、同じ送信データに基づ
き、異なるPN符号を前記拡散符号として拡散されたも
のであり、複数系列のインパルスレスポンス推定手段、
複数系列のパス選択手段、初期データ出力手段、複数段
で複数系列の干渉キャンセラ、および、複数段の系列合
成判定手段を有し、前記複数系列のインパルスレスポン
ス推定手段は、前記複数系列に対応した受信アンテナで
前記直接拡散信号を受信し、それぞれの系列における直
接拡散受信信号に基づいて、前記それぞれの系列におけ
る、前記送信アンテナから送信された前記直接拡散信号
の複数のパスに対するインパルスレスポンスを推定し、
前記複数系列の前記パス選択手段は、前記それぞれの系
列における推定された前記インパルスレスポンスに基づ
いて、前記それぞれの系列における前記複数のパスの
内、電力が最大となるパスを選択し、前記初期データ出
力手段は、前記それぞれの系列における前記直接拡散受
信信号に基づいて、前記送信アンテナ別に、前記それぞ
れの系列ごとの、あるいは、前記それぞれの系列に共通
の初期受信データを出力し、第1段の前記複数系列の干
渉キャンセラは、それぞれ、前記初期受信データに基づ
いて、前記それぞれの系列における、前記電力が最大と
なるパスを有する前記送信アンテナからの、前記電力が
最大となるパスを除いた少なくとも1つのパス、およ
び、他の前記送信アンテナからの少なくとも1つのパス
における干渉レプリカを少なくとも生成し、前記それぞ
れの系列における前記直接拡散受信信号から前記干渉レ
プリカを差し引いた信号を、前記それぞれの系列におけ
る前記電力が最大となるパスについて逆拡散することに
より、第1段の逆拡散信号を出力し、第1段の前記系列
合成判定手段は、前記それぞれの系列における前記第1
段の逆拡散信号を系列合成した後、データ判定すること
により、第1段の受信データを出力し、第2段以降の前
記複数系列の干渉キャンセラは、それぞれ、前段の系列
合成判定手段が出力する前段の前記受信データに基づい
て、前記それぞれの系列における、前記電力が最大とな
るパスを有する前記送信アンテナからの、前記電力が最
大となるパスを除いた少なくとも1つのパス、および、
前記他の送信アンテナからの少なくとも1つのパスにお
ける干渉レプリカを少なくとも生成し、前記それぞれの
系列における前記直接拡散受信信号から前記干渉レプリ
カを差し引いた信号を、前記それぞれの系列における電
力が最大となるパスについて逆拡散することにより、当
該段の逆拡散信号を出力し、第2段以降の前記系列合成
判定手段は、前記それぞれの系列における前記当該段の
逆拡散信号を系列合成した後、データ判定することによ
り、当該段の受信データを出力し、最終段の前記受信デ
ータは、少なくとも当該直接拡散受信装置に設定された
ユーザチャンネルの受信データを含むものである。した
がって、マルチステージ構成により、請求項3に記載の
発明の作用効果に加えて、より確かな干渉キャンセルを
行うことができる。
【0044】本発明は、請求項5に記載の発明において
は、複数系統の送信アンテナの少なくとも1つを用い
て、直接拡散信号を送信する直接拡散送信装置であっ
て、拡散手段、出力手段、および、通信モード制御手段
を有し、前記通信モード制御手段は、通常モードおよび
ソフトハンドオフモードを有し、前記拡散手段は、前記
通信モード制御手段により制御され、前記通常モードに
おいては、同じ送信データに基づき、異なるPN符号を
拡散符号として拡散することにより複数の直接拡散信号
を生成し、前記ソフトハンドオフモードにおいては、前
記送信データに基づき、所定のPN符号を前記拡散符号
として用いて拡散することにより1つの前記直接拡散信
号を生成し、前記出力手段は、前記通信モード制御手段
により制御され、前記通常モードにおいては、前記複数
の直接拡散信号を、それぞれ、前記複数系統の送信アン
テナに出力し、前記ソフトハンドオフモードにおいて
は、前記1つの直接拡散信号を、前記複数系統の送信ア
ンテナの1つに出力するものである。したがって、通常
動作モード時には、複数系統の送信アンテナによる送信
アンテナダイバーシチにより、直接拡散受信装置側にお
いて、レイリーフェージングによるビットエラーレート
の増加を防止することができる。一方、マルチパス数が
増加するソフトハンドオフ動作時においては、送信アン
テナダイバーシチを行わないことにより、マルチパス数
の増加を抑制することにより、直接拡散受信装置側にお
いて、干渉成分の増加によりビットエラーレートがかえ
って増加するおそれをなくすることができる。複数の送
信アンテナの各送信系統に用いているPN符号が異なる
ため、この異なるPN符号を各基地局において共通に用
いた場合でも、基地局を識別するためのオフセット時間
の設定を変更する必要がない。
【0045】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の直接拡散受信装
置の第1の実施の形態を説明するための、ソフトハンド
オフ時におけるブロック構成図である。図中、図19と
同様な部分には同じ符号を付して説明を省略する。1は
初期データ出力部、5はアンテナXに対応した干渉キャ
ンセラ、14は電力最大パス検出器である。図2は、図
1の直接拡散受信装置における干渉キャンセル動作の模
式的説明図である。
【0046】この実施の形態において、初期データ出力
部1の内部構成は、図19に示した構成と同様である。
しかし、アンテナAからの直接拡散信号を逆拡散するR
ake受信部2の出力、および、アンテナBからの直接
拡散信号を逆拡散するRake受信部3の出力は、アン
テナXの系統の拡散符号に対応した1つの干渉キャンセ
ラ5に出力される。ここで、アンテナXとは、アンテナ
Aからの受信信号のインパルスレスポンスとアンテナB
からの受信信号のインパルスレスポンスの集合の中で、
電力が最大となるパスPxを有するアンテナである。パ
スPxは、後述する電力最大パス検出器14において選
定される。
【0047】アンテナAからの直接拡散信号を逆拡散す
るRake受信部2内においては、図2において、アン
テナAからの受信信号のインパルスレスポンスとして示
したように、電力最大パスPAをはじめとする複数のパ
スが分離されて検出される。このとき相互相関による干
渉成分も含まれており、この干渉成分は、データ判定時
に誤りが発生する要因となる。この干渉成分には、アン
テナAからのパス同士の相互相関による干渉だけではな
く、アンテナBからのパスとの相互相関による干渉が含
まれている。同様に、アンテナBからの直接拡散信号を
逆拡散するRake受信部3内においては、図2におい
て、アンテナBからの受信信号のインパルスレスポンス
として示したように、電力最大パスPBをはじめとする
複数のパスが分離され検出されるが、アンテナAからの
パスとの相互相関による干渉と、アンテナBからのパス
同士の相互相関による干渉とが含まれている。
【0048】いま、アンテナXがアンテナAであるとす
ると、干渉キャンセラ5は、アンテナAに対応する干渉
キャンセラとなる。アンテナAからの電力最大パスPA
を除くその他のパスの直接拡散受信信号、および、アン
テナBからの全てのパスの直接拡散受信信号を干渉レプ
リカとして、初期受信データに基づいて仮想的に生成
し、これを、直接拡散受信信号から除去する。より具体
的に説明すると、アンテナAからの電力最大パスPA
除くその他のパスの干渉レプリカは、干渉レプリカ生成
部6,7,8において、アンテナAからの直接拡散受信
信号に対応した、図10〜図12,図14に示されたW
1(k),PN1(k),WS1(n,k),WS1(p,
k)の信号を用いて生成される。また、アンテナBから
の直接拡散受信信号の全てのパスの干渉レプリカは、干
渉レプリカ生成部9,10,11において、アンテナB
からの直接拡散受信信号に対応したW1(k),PN
1(k),WS1(n,k),WS1(p,k)の信号を
用いて生成される。このとき、電力最大パスPBも除く
ことなく、干渉レプリカを生成する。
【0049】一方、アンテナXがアンテナBであるとき
に、干渉キャンセラ5は、アンテナB対応の干渉キャン
セラとなり、アンテナBからの電力最大パスPBを除く
その他のパスの直接拡散受信信号、および、アンテナA
からの全てのパスの直接拡散受信信号を干渉レプリカと
して、初期受信データに基づいて仮想的に生成し、これ
を、直接拡散受信信号から除去する。その上で、アンテ
ナBからの電力最大パスPBの、C子局102に割り当
てられたユーザチャンネルCの逆拡散信号を出力する。
すなわち、アンテナAからの直接拡散受信信号の全ての
パスの干渉レプリカは、各干渉レプリカ生成部6,7,
8において、アンテナAからの直接拡散受信信号に対応
したW1(k),PN1(k),WS1(n,k),WS1
(p,k)の信号を用いて生成される。一方、アンテナ
Bからの直接拡散受信信号の電力最大パスPBを除くそ
の他のパスの干渉レプリカは、各干渉レプリカ生成部
9,10,11においてアンテナBからの直接拡散受信
信号に対応したW1(k),PN1(k),WS1(n,
k),WS1(p,k)の信号を用いて生成される。
【0050】加算器12において、ベースバンドの直接
拡散受信信号を遅延部4により遅延したものから、これ
らの干渉レプリカを差し引くことにより、アンテナA,
アンテナBからのパスのいずれの干渉信号も除去された
直接拡散受信信号を得る。この直接拡散受信信号の電力
最大パスPxにおけるユーザチャンネルCについて、ア
ンテナXからの直接拡散受信信号として逆拡散し、デー
タ判定することにより、干渉成分を生じることなく電力
最大パスPXのユーザチャンネルCの逆拡散信号が得ら
れ、図11に示したパスPに対する逆拡散部137と同
様に、内部の判定部によりデータ判定されて受信データ
が出力される。
【0051】図3は、本発明の直接拡散受信装置の第2
の実施の形態を説明するための、ソフトハンドオフ時に
おけるブロック構成図である。図中、図19,図1と同
様な部分には同じ符号を付して説明を省略する。21は
受信アンテナ、22は乗算器、23は基準周波数発振
器、24は合成判定部である。この実施の形態において
は、2系統の受信機を有する。第1,第2の受信機を区
別するために、参照数字および参照符号にはaまたはb
の添字を付している。
【0052】受信アンテナも、ダイバーシチ用に2系統
設けられる。例えば、2本の受信アンテナが距離を隔て
て設けられる(スペースダイバーシチ)。あるいは、2
本の同一の指向性アンテナが、アンテナの向きを異なら
せて設けられる(角度ダイバーシチ)。あるいは、異な
る指向性のアンテナが用いられる(角度ダイバーシ
チ)。これらのアンテナの指向特性および設置条件は、
単独または、適宜組み合わされて2系統のアンテナとさ
れる。
【0053】このように異なる受信アンテナ21a,2
1bにより受信された信号は、乗算器22a,22bに
おいて基準周波数発振器23a,23bの正弦波基準周
波数信号と乗算されて、ベースバンドの直接拡散受信信
号に変換される。基準周波数発振器23a,23bは、
同一周波数の正弦波基準周波数信号を出力する。基準周
波数発振器23a,23bは、1つの基準周波数発振器
を共用してもよい。このベースバンドの直接拡散受信信
号は、アンテナAからの直接拡散信号を逆拡散するRa
ke受信部2a,2b内において逆拡散され、データ判
定されて、アンテナAから送信されたユーザチャンネル
C,Dの受信データを初期受信データとして、出力す
る。一方、ベースバンドの直接拡散受信信号は、アンテ
ナBからの直接拡散信号を逆拡散するRake受信部3
a,3b内において逆拡散され、データ判定されて、ア
ンテナBから送信されたユーザチャンネルC,Dの受信
データを初期受信データとして出力する。
【0054】2系列の干渉キャンセラ5a,5bは、上
述した初期受信データに基づき、遅延部4a,4bを通
して遅延された直接拡散信号に含まれる干渉信号のレプ
リカを生成し、直接拡散信号からこのレプリカを差し引
いて、電力最大パスPXa,P Xbにおけるユーザーチャン
ネルCについて逆拡散をし、干渉成分が低減された逆拡
散信号を出力する。各干渉キャンセラ5a,5bとして
は、図1に示した干渉キャンセラ5を系列ごとに使用す
る。ただし、図1に示した干渉キャンセラとは異なり、
データ判定をする直前の逆拡散信号を出力する。なお、
系列aにおける電力最大パスPXaを有するアンテナXa
と、系列bにおける電力最大パスPXbを有するアンテナ
Xbとが異なる場合があり得る。干渉キャンセラ5a,
5bの出力は、合成判定部24に入力される。合成判定
部24は、各系列ごとの逆拡散信号を系列合成した後に
データ判定を行うことにより受信データを出力する。
【0055】2系統それそれのアンテナ21a,21b
から受信される直接拡散信号は、独立である。すなわ
ち、それそれ異なるマルチパスフェージングを受けてい
る。そのため、いずれか一方からフェージング変動によ
る出力低下のない直接拡散信号を受信できる可能性が高
くなるため、フェージング変動に強くなる。また、2系
統の受信機のノイズに影響を与えるのは、アンテナ21
a,21bからベースバンドの直接拡散信号に変換する
乗算器22a,22b等である。2系統の受信機であれ
ば、ノイズは各系統で独立である。したがって、ノイズ
の影響が1系統の場合に比べて平均化される。それぞれ
独立なマルチパスフェージングを受けた受信信号に、そ
れぞれ独立なノイズが付加されたベースバンド信号に基
づいて、干渉キャンセラを使用し、さらにその2系統の
出力信号を合成・判定することにより、1系統の干渉キ
ャンセラ単独の性能よりも優れた受信装置となる。
【0056】図4は、図3に示した合成判定部24にお
いて2系列を合成する動作の説明図である。図4(a)
は合成機能の説明図、図4(b)は判定機能の説明図で
ある。第1の受信機(系統a)の干渉キャンセラ5aか
ら出力される逆拡散信号の同相成分(I相)および直交
成分(Q相)を(V1i,V1q)とし、第2の受信機(系
統b)の干渉キャンセラ14bから出力される逆拡散信
号の同相および直交成分を(V2i,V2q)とし、系列合
成信号の同相および直交成分を(V0i,V0q)とする。
【0057】系列合成信号は、各パス合成信号に対し、
それぞれ、重みWt1,Wt2を加えて作成される。すなわ
ち、 V0i=1i*Wt1+V2i*Wt20q=1q*Wt1+V2q*Wt2 とする。ここで、重みWt1,Wt2としては、例えば、 Wt1=(V1i 2 +1q 2)/{(V1i+2i2+(V1q+
2q) 21/2t2=(V2i 2 +2q 2)/{(V1i+2i2+(V1q+
2q) 21/2 とする。
【0058】あるいは、重みWt1,Wt2として、 Wt1=(V1i 2 +1q 21/2/{(V1i+2i2+(V
1q+2q) 21/2t2=(V2i 2 +2q 21/2/{(V1i+2i2+(V
1q+2q) 21/2 とする。なお、各分母の値は、それぞれのパス合成信号
を加算したベクトルの長さである。図4(b)に示すよ
うに、4相位相変調の場合には、上述した系列合成信号
(V0i,V0q)がIQ位相平面上のどの象限にあるかに
よってデータ判定され受信データが出力される。上述し
た説明では、2系統の受信機出力の合成における重み付
けについて説明したが、図19の合成判定部32におけ
るパス合成時においても、同様な重み付けを用いて合成
がなされる。
【0059】図5は、本発明の直接拡散受信装置におけ
る第3の実施の形態のブロック構成図である。図中、図
19,図1,図3と同様な部分には同じ符号を付して説
明を省略する。31は遅延部であり、初期データ出力部
1、合成判定部32、および、干渉キャンセラ5内にお
ける処理時間の遅れを補償するものである。32Aはア
ンテナAに対応したパスの合成判定部、32Bはアンテ
ナBに対応したパスの合成判定部である。
【0060】この実施の形態においては、アンテナAか
らの直接拡散信号を逆拡散するRake受信部2a,2
b、アンテナBからの直接拡散信号を逆拡散するRak
e受信部3a,3bは、初期受信データを得る直前の段
階の、この初期受信データのインパルスレスポンスに対
応する逆拡散信号を出力する。アンテナAに対応したパ
スの合成判定部32Aは、それぞれの系列における、ア
ンテナAに対応したパスの逆拡散信号の系列合成を行
い、次に、データ判定をすることにより、アンテナAか
らの初期受信データを出力する。一方、アンテナBに対
応したパスの合成判定部32Bは、それぞれの系列にお
ける、アンテナBに対応したパスの逆拡散信号の系列合
成を行い、次に、データ判定をすることにより、アンテ
ナBからの初期受信データを出力する。このように、2
系列の合成判定をする方が、個々に自系列の初期データ
出力部1a,1bの出力を用いるよりも、初期受信デー
タはより確からしくなる。この初期受信データが干渉キ
ャンセラ5a、5bに入力されることによって、合成判
定部24の出力データは、より確からしくなる。
【0061】上述した各実施の形態においては、1段の
干渉キャンセラを用いた。図示は省略するが、図14に
示したように、干渉キャンセラは多段構成(マルチステ
ージ)として、縦続動作させることができる。2段目以
降の干渉キャンセラは、初期受信データとして前段の出
力を用いる。さらに、2系統の受信機構成においても、
多段構成を取ることができる。
【0062】図6は、本発明の直接拡散受信機の第4の
実施の形態のブロック構成図である。図中、図19,図
1,図3と同様な部分には同じ符号を付して説明を省略
する。ただし、図3に示した1段構成の干渉キャンセラ
5a,5bは、C子局のユーザチャンネルCのみの逆拡
散信号を出力し、合成判定部124は、C子局のユーザ
チャンネルCの受信データのみを出力すればよかった。
しかし、この実施の形態の多段構成においては、干渉キ
ャンセラ5a,5bは、全てのユーザチャンネルの逆拡
散信号を出力し、合成判定部24は、全てのユーザチャ
ンネルの受信データを、次段の初期受信データとするこ
とにより、次段において全てのユーザチャンネルの干渉
レプリカを生成して干渉成分を低減できるようにしてい
る。
【0063】41a、41bは、遅延部であり、第1段
の干渉キャンセラ5a,5b、合成判定部24、第2段
の干渉キャンセラ42a,42b内部での処理遅延を補
償するものである。42a,42bは、第2段の干渉キ
ャンセラであって、第1段の合成判定部24から出力さ
れた受信データを初期受信データとするが、構成自体
は、干渉キャンセラ24a,24bと同様である。43
は、第2段の合成判定部であって、第1段の合成判定部
24と同様の構成である。なお、パイロットチャンネル
の干渉キャンセルは、図14と同様に、パイロットチャ
ンネルの既知のデータDpを入力して干渉レプリカを生
成することにより実行される。44a,44bは、遅延
部であって、第2段の干渉キャンセラ42a,42b、
合成判定部43、最終段の干渉キャンセラ45a,45
b内部での処理遅延を補償するものである。最終段の干
渉キャンセラ45a,45bは、図3に示した干渉キャ
ンセラ5a,5bと同様に、C子局のユーザチャンネル
Cのみの逆拡散信号を出力すればよい。46は最終段の
合成判定部であって、図3に示した合成判定部24と同
様に、C子局のユーザチャンネルCの受信データのみを
出力すればよい。なお、図示の例では、初期データ出力
部1a,1bおよび第1段の干渉キャンセラ5a,5b
までの構成として、図3に示した1段の干渉キャンセラ
の構成を用いたが、これに代えて、図5に示した構成を
用いてもよい。
【0064】干渉キャンセラの各段が縦続動作して行く
につれ、後段の干渉キャンセラは前段の受信データに基
づいて干渉キャンセルを行うため、より確からしい受信
データが出力可能となる。動作段数を適宜変更し、最終
動作段から、C子局のユーザチャンネルCの受信データ
を出力することもできる。動作段数を少なくすることに
より、処理時間および消費電力を低減することができ
る。図示しないビットエラーレート検出手段を用いて誤
り状態を検出し、この誤り状態を検出することにより、
一定の受信品質が得られるように動作段数を適応制御し
てもよい。
【0065】上述した説明で、干渉キャンセラは、電力
最大パスPXを有するアンテナXからの直接拡散信号に
おける検出されたマルチパスについて、電力最大パスP
Xを除く全ての検出されたパスの干渉レプリカを生成し
て、これをキャンセルし、アンテナX以外のアンテナか
らの直接拡散信号における検出されたマルチパスについ
て、全ての検出されたパスの干渉レプリカを生成して、
これをキャンセルした。しかし、アンテナXからの直接
拡散信号における検出されたマルチパスについて、電力
最大パスPXを除く少なくとも1つのパスの干渉レプリ
カだけを生成してこれをキャンセルし、かつ、アンテナ
X以外のアンテナからの直接拡散信号における検出され
たマルチパスについて、少なくとも1つのパスの干渉レ
プリカを生成してこれをキャンセルしても、キャンセル
量に応じて干渉成分が低減する。
【0066】また、ある1つのパスの干渉レプリカを、
全てのユーザチャンネルの初期受信データおよびパイロ
ットチャンネルの既知のデータに基づいて生成すれば、
すなわち、全通信チャンネルの干渉レプリカを生成すれ
ば、このパスの直接拡散受信信号が、ほほ完全にキャン
セルされることになり、直接拡散受信信号を電力最大パ
スPXについて逆拡散した時の干渉成分が大きく低減さ
れることになる。しかし、一部のユーザチャンネルの初
期受信データ、例えば、自局のユーザチャンネルの初期
受信データのみに基づいて干渉レプリカを生成してキャ
ンセルしても、キャンセル量に応じて干渉成分が低減す
る。なお、上述したように、一部の干渉信号のみの干渉
キャンセルを、多段構成の干渉キャンセラで実現する際
には、干渉レプリカを生成するパスとその通信チャンネ
ルとを、各段ごとに任意に決めることも可能である。
【0067】上述した説明では、2系統の受信機構成と
したが、さらに多数の受信機構成とし、系列合成を行っ
てデータ判定してもよい。また、複数系統の受信アンテ
ナの出力を、選択スイッチ手段により順次切り替えるな
どして、少なくとも受信アンテナだけは実際に複数系統
を設けるが、後続の処理ブロックは、実際の処理ブロッ
クは1つにして、複数系列の信号を多重処理するように
してもよい。上述した説明では、Rake合成により初
期受信データを出力したが、これに代えて、ベースバン
ドの直接拡散受信信号を逆拡散し、そのうち、電力が最
大となるパスPの逆拡散信号をデータ判定して、これを
初期受信データとして出力するような逆拡散部を用いて
もよい。
【0068】上述した直接拡散受信装置は、フレーム内
にパイロットシンボル区間を有するW−CDMA(広帯
域CDMA)にも適用できる。W−CDMAシステム
は、複数のユーザチャンネルが符号多重されているとと
もに、ある時間的な区間に、複数のユーザチャンネルに
共通のパイロットシンボルが挿入され、このパイロット
シンボルに基づいてインパルスレスポンスを推定するこ
とによって基準信号W(k)を出力するものである。
【0069】W−CDMAにおいては、ユーザチャンネ
ルの区間とパイロットチャンネルの区間とが時間的に異
なっているが、パイロットチャンネルのマルチパスがユ
ーザチャンネルの区間に入り込むような場合には、パイ
ロットチャンネルが、ユーザチャンネルに対するマルチ
パスの相互相関による干渉を与えることになる。したが
って、図11に示したパイロットチャンネルの干渉レプ
リカ生成部135pを用いることによって、パイロット
チャンネルによる干渉も除去することができる。
【0070】ただし、本来、ユーザチャンネルの受信信
号が存在しないパイロットチャンネルの区間にもパイロ
ットチャンネルの干渉レプリカが生成される。このパイ
ロットチャンネルの区間の干渉レプリカ成分が大きい
と、これが、かえってノイズ成分となり伝送品質が低下
してしまうおそれがある。したがって、図11に示した
パイロットチャンネルの干渉レプリカ生成部135pの
出力を、図示しないスイッチ部を介して加算器136へ
出力する。このスイッチ部は、制御部129により制御
されて、ユーザチャンネルの区間においてのみパイロッ
トチャンネルの干渉レプリカを加算器136に供給す
る。
【0071】上述したレイリーフェージングの影響を低
減する送信アンテナダイバーシチシステムにおいては、
マルチパス数が複数倍になってしまうため、もともとマ
ルチパス数が多数存在しているような環境では、干渉キ
ャンセルの能力を高めなければならない。したがって、
例えば、もともと電波の反射物が少ないためにマルチパ
スが皆無か、せいぜい2〜3波といった環境において好
適である。あるいは、送信データの伝送レートが小さい
ために、拡散符号のチップレートを小さくした場合にも
好適である。この場合、マルチパス相互の遅延時間差が
1チップの周期に比べてわずかとなり、1チップ時間内
に含まれてしまう。したがって、近接したパスの集合と
してのパスのマルチパス数は低下する。
【0072】また、基地局101が、C子局102を含
むいずれかの子局のソフトハンドオフ動作を行うときに
は、他の基地局からも直接拡散受信信号を同時に送信す
る。このとき、C子局102においては、マルチパス数
が通常時の2倍になる。したがって、基地局101で
は、上述した送信アンテナダイバーシチを停止して、1
つのアンテナからの送信とすることが好ましい。また、
ソフトハンドオフ動作時に限らず、一つの基地局との間
にユーザチャンネルが設定されているが、ユーザチャン
ネルが設定されていない他の基地局から同時に直接拡散
信号が送信されている状況にあるときも、送信アンテナ
ダイバーシチを停止することが好ましい。このような場
合、直接拡散受信装置においては、図1のブロック構成
のままでも動作可能である。しかし、送信しない系統を
アンテナBとすると、アンテナBからの直接拡散受信信
号を処理するブロック3,9,10,11の動作を停止
してもよい。あるいは、ソフトハンドオフ時などに、こ
れらのブロックを他の基地局からのパスの処理に用いる
ようにしてもよい。なお、他の実施の形態でも、ソフト
ハンドオフ時などにおいては、同様の構成をとることが
できる。
【0073】
【発明の効果】上述した説明から明らかなように、本発
明の直接拡散受信装置は、レイリーフェージングの影響
を低減することができるとともに、複数系統の送信アン
テナから同時に送信される直接拡散信号のマルチパスに
よる相互の干渉成分が低減するという効果がある。本発
明の直接拡散送信装置は、通常動作モード時には、レイ
リーフェージングによるビットエラーレートの増加を防
止することができるという効果がある。一方、ソフトハ
ンドオフ動作時においては、マルチパス数の増加を抑制
することにより、干渉成分の増加によりビットエラーレ
ートがかえって増加するおそれをなくすることができる
という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の直接拡散受信装置の第1の実施の形態
を説明するための、ソフトハンドオフ時におけるブロッ
ク構成図である。
【図2】図1の直接拡散受信装置における干渉キャンセ
ル動作の模式的説明図である。
【図3】本発明の直接拡散受信装置の第2の実施の形態
を説明するための、ソフトハンドオフ時におけるブロッ
ク構成図である。
【図4】図3に示した合成判定部において2系列を合成
する動作の説明図である。
【図5】本発明の直接拡散受信装置における第3の実施
の形態のブロック構成図である。
【図6】本発明の直接拡散受信機の第4の実施の形態の
ブロック構成図である。
【図7】DS−CDMAシステムにおける下りリンクの
構成を示す図である。
【図8】DS−CDMAシステムにおける基地局の送信
装置の概要構成図である。
【図9】DS−CDMAシステムにおける子局の受信装
置の概要構成図である。
【図10】先行技術の基本ブロック構成図である。
【図11】図10に示した干渉キャンセラの内部構成図
である。
【図12】図11に示した干渉レプリカ生成部の内部構
成図である。
【図13】図10に示した干渉キャンセラの動作説明図
である。
【図14】1つのPN符号を共有する符号多重されたチ
ャンネルが、N個のユーザチャンネルおよび1つのパイ
ロットチャンネルからなる先行技術のブロック構成図で
ある。
【図15】レイリーフェージングを説明するための模式
的説明図である。
【図16】レイリーフェージングの影響を低減する送信
アンテナダイバーシチシステムの概要構成図である。
【図17】2系統のアンテナから送信される直接拡散信
号の説明図である。
【図18】図16に示したシステムにおける基地局の一
例を示すブロック構成図である。
【図19】図16に示したシステムに用いる子局の直接
拡散受信装置のブロック構成図である。
【符号の説明】
1 初期データ出力部、2 アンテナAからの直接拡散
信号を逆拡散するRake受信部、3 アンテナBから
の直接拡散信号を逆拡散するRake受信部、4遅延
部、5 アンテナXに対応した干渉キャンセラ、14
電力最大パス検出器
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−8566(JP,A) 特開 平10−117180(JP,A) 特開 平10−28082(JP,A) 特開 平8−65201(JP,A) 特開 平10−247894(JP,A) 特開 平10−51353(JP,A) 特開 平10−28083(JP,A) 特開2000−68979(JP,A) 1998年電子情報通信学会通信ソサイエ ティ大会講演論文集1,p.390 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 1/69 - 1/713 H04J 13/00 - 13/06 H04B 7/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数系統の送信アンテナからそれぞれ送
    信され、拡散符号により前記系統を識別可能な複数の直
    接拡散信号を、同時に受信する直接拡散受信装置であっ
    て、 前記複数の直接拡散信号は、それぞれ、同じ送信データ
    に基づき、異なるPN符号を前記拡散符号として拡散さ
    れたものであり、 インパルスレスポンス推定手段、パス選択手段、初期デ
    ータ出力手段、および、干渉キャンセル手段を有し、 前記インパルスレスポンス推定手段は、直接拡散受信信
    号に基づいて、前記送信アンテナから送信された前記直
    接拡散信号の複数のパスに対するインパルスレスポンス
    を推定し、 前記パス選択手段は、推定された前記インパルスレスポ
    ンスに基づいて、前記複数のパスの内、電力が最大とな
    るパスを選択し、 前記初期データ出力手段は、前記直接拡散受信信号に基
    づいて、前記送信アンテナ別に初期受信データを出力
    し、 前記干渉キャンセル手段は、前記初期受信データに基づ
    いて、前記電力が最大となるパスを有する前記送信アン
    テナからの、前記電力が最大となるパスを除いた少なく
    とも1つのパス、および、他の前記送信アンテナからの
    少なくとも1つのパスにおける干渉レプリカを少なくと
    も生成し、前記直接拡散受信信号から前記干渉レプリカ
    を差し引いた信号を、前記電力が最大となるパスについ
    て逆拡散し、データ判定することにより、少なくとも当
    該直接拡散受信装置に設定されたユーザチャンネルの受
    信データを出力する、 ことを特徴とする直接拡散受信装置。
  2. 【請求項2】 複数系統の送信アンテナからそれぞれ送
    信され、拡散符号により前記系統を識別可能な複数の直
    接拡散信号を、同時に受信する直接拡散受信装置であっ
    て、 前記複数の直接拡散信号は、それぞれ、同じ送信データ
    に基づき、異なるPN符号を前記拡散符号として拡散さ
    れたものであり、 インパルスレスポンス推定手段、パス選択手段、初期デ
    ータ出力手段、および、複数段の干渉キャンセラを有
    し、 前記インパルスレスポンス推定手段は、直接拡散受信信
    号に基づいて、前記送信アンテナから送信された前記直
    接拡散信号の複数のパスに対するインパルスレスポンス
    を推定し、 前記パス選択手段は、推定された前記インパルスレスポ
    ンスに基づいて、前記複数のパスの内、電力が最大とな
    るパスを選択し、 前記初期データ出力手段は、前記直接拡散受信信号に基
    づいて、前記送信アンテナ別に初期受信データを出力
    し、 第1段の前記干渉キャンセラは、前記初期受信データに
    基づいて、前記電力が最大となるパスを有する前記送信
    アンテナからの、前記電力が最大となるパスを除いた少
    なくとも1つのパス、および、他の前記送信アンテナか
    らの少なくとも1つのパスにおける干渉レプリカを少な
    くとも生成し、前記直接拡散受信信号から前記干渉レプ
    リカを差し引いた信号を、前記電力が最大となるパスに
    ついて逆拡散し、データ判定することにより、第1段の
    受信データを出力し、 第2段以降の前記干渉キャンセラは、それぞれ、前段の
    前記受信データに基づいて、前記電力が最大となるパス
    を有する前記送信アンテナからの、前記電力が最大とな
    るパスを除いた少なくとも1つのパス、および、前記他
    の送信アンテナからの少なくとも1つのパスにおける干
    渉レプリカを少なくとも生成し、前記直接拡散受信信号
    から前記干渉レプリカを差し引いた信号を、前記電力が
    最大となるパスについて逆拡散し、データ判定すること
    により、当該段の受信データを出力し、 最終段の前記受信データは、少なくとも当該直接拡散受
    信装置に設定されたユーザチャンネルの受信データを含
    むものである、 ことを特徴とする直接拡散受信装置。
  3. 【請求項3】 複数系統の送信アンテナからそれぞれ送
    信され、拡散符号により前記系統を識別可能な複数の直
    接拡散信号を、同時に受信する直接拡散受信装置であっ
    て、 前記複数の直接拡散信号は、それぞれ、同じ送信データ
    に基づき、異なるPN符号を前記拡散符号として拡散さ
    れたものであり、 複数系列のインパルスレスポンス推定手段、複数系列の
    パス選択手段、初期データ出力手段、複数系列の干渉キ
    ャンセル手段、および、系列合成判定手段を有し、 前記複数系列のインパルスレスポンス推定手段は、前記
    複数系列に対応した受信アンテナで前記直接拡散信号を
    受信し、それぞれの系列における直接拡散受信信号に基
    づいて、前記それぞれの系列における、前記送信アンテ
    ナから送信された前記直接拡散信号の複数のパスに対す
    るインパルスレスポンスを推定し、 前記複数系列の前記パス選択手段は、前記それぞれの系
    列における推定された前記インパルスレスポンスに基づ
    いて、前記それぞれの系列における前記複数のパスの
    内、電力が最大となるパスを選択し、 前記初期データ出力手段は、前記それぞれの系列におけ
    る前記直接拡散受信信号に基づいて、前記送信アンテナ
    別に、前記それぞれの系列ごとの、あるいは、前記それ
    ぞれの系列に共通の初期受信データを出力し、 前記複数系列の干渉キャンセル手段は、それぞれ、前記
    初期受信データに基づいて、前記それぞれの系列におけ
    る、前記電力が最大となるパスを有する前記送信アンテ
    ナからの、前記電力が最大となるパスを除いた少なくと
    も1つのパス、および、他の前記送信アンテナからの少
    なくとも1つのパスにおける干渉レプリカを少なくとも
    生成し、前記それぞれの系列における前記直接拡散受信
    信号から前記干渉レプリカを差し引いた信号を、前記そ
    れぞれの系列における前記電力が最大となるパスについ
    て逆拡散することにより、逆拡散信号を出力し、 前記系列合成判定手段は、前記それぞれの系列における
    前記逆拡散信号を系列合成した後、データ判定すること
    により、少なくとも当該直接拡散受信装置に設定された
    ユーザチャンネルの受信データを出力する、 ことを特徴とする直接拡散受信装置。
  4. 【請求項4】 複数系統の送信アンテナからそれぞれ送
    信され、拡散符号により前記系統を識別可能な複数の直
    接拡散信号を、同時に受信する直接拡散受信装置であっ
    て、 前記複数の直接拡散信号は、それぞれ、同じ送信データ
    に基づき、異なるPN符号を前記拡散符号として拡散さ
    れたものであり、 複数系列のインパルスレスポンス推定手段、複数系列の
    パス選択手段、初期データ出力手段、複数段で複数系列
    の干渉キャンセラ、および、複数段の系列合成判定手段
    を有し、 前記複数系列のインパルスレスポンス推定手段は、前記
    複数系列に対応した受信アンテナで前記直接拡散信号を
    受信し、それぞれの系列における直接拡散受信信号に基
    づいて、前記それぞれの系列における、前記送信アンテ
    ナから送信された前記直接拡散信号の複数のパスに対す
    るインパルスレスポンスを推定し、 前記複数系列の前記パス選択手段は、前記それぞれの系
    列における推定された前記インパルスレスポンスに基づ
    いて、前記それぞれの系列における前記複数のパスの
    内、電力が最大となるパスを選択し、 前記初期データ出力手段は、前記それぞれの系列におけ
    る前記直接拡散受信信号に基づいて、前記送信アンテナ
    別に、前記それぞれの系列ごとの、あるいは、前記それ
    ぞれの系列に共通の初期受信データを出力し、 第1段の前記複数系列の干渉キャンセラは、それぞれ、
    前記初期受信データに基づいて、前記それぞれの系列に
    おける、前記電力が最大となるパスを有する前記送信ア
    ンテナからの、前記電力が最大となるパスを除いた少な
    くとも1つのパス、および、他の前記送信アンテナから
    の少なくとも1つのパスにおける干渉レプリカを少なく
    とも生成し、前記それぞれの系列における前記直接拡散
    受信信号から前記干渉レプリカを差し引いた信号を、前
    記それぞれの系列における前記電力が最大となるパスに
    ついて逆拡散することにより、第1段の逆拡散信号を出
    力し、 第1段の前記系列合成判定手段は、前記それぞれの系列
    における前記第1段の逆拡散信号を系列合成した後、デ
    ータ判定することにより、第1段の受信データを出力
    し、 第2段以降の前記複数系列の干渉キャンセラは、それぞ
    れ、前段の系列合成判定手段が出力する前段の前記受信
    データに基づいて、前記それぞれの系列における、前記
    電力が最大となるパスを有する前記送信アンテナから
    の、前記電力が最大となるパスを除いた少なくとも1つ
    のパス、および、前記他の送信アンテナからの少なくと
    も1つのパスにおける干渉レプリカを少なくとも生成
    し、前記それぞれの系列における前記直接拡散受信信号
    から前記干渉レプリカを差し引いた信号を、前記それぞ
    れの系列における電力が最大となるパスについて逆拡散
    することにより、当該段の逆拡散信号を出力し、 第2段以降の前記系列合成判定手段は、前記それぞれの
    系列における前記当該段の逆拡散信号を系列合成した
    後、データ判定することにより、当該段の受信データを
    出力し、 最終段の前記受信データは、少なくとも当該直接拡散受
    信装置に設定されたユーザチャンネルの受信データを含
    むものである、 ことを特徴とする直接拡散受信装置。
  5. 【請求項5】 複数系統の送信アンテナの少なくとも1
    つを用いて、直接拡散信号を送信する直接拡散送信装置
    であって、 拡散手段、出力手段、および、通信モード制御手段を有
    し、 前記通信モード制御手段は、通常モードおよびソフトハ
    ンドオフモードを有し、 前記拡散手段は、前記通信モード制御手段により制御さ
    れ、 前記通常モードにおいては、同じ送信データに基づき、
    異なるPN符号を拡散符号として拡散することにより複
    数の直接拡散信号を生成し、 前記ソフトハンドオフモードにおいては、前記送信デー
    タに基づき、所定のPN符号を前記拡散符号として用い
    て拡散することにより1つの前記直接拡散信号を生成
    し、 前記出力手段は、前記通信モード制御手段により制御さ
    れ、 前記通常モードにおいては、前記複数の直接拡散信号
    を、それぞれ、前記複数系統の送信アンテナに出力し、 前記ソフトハンドオフモードにおいては、前記1つの直
    接拡散信号を、前記複数系統の送信アンテナの1つに出
    力する、ことを特徴とする直接拡散送信装置。
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