JP3160395B2 - フッ素ゴム塗布用組成物 - Google Patents

フッ素ゴム塗布用組成物

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    • C08K5/544Silicon-containing compounds containing nitrogen
    • C08K5/5465Silicon-containing compounds containing nitrogen containing at least one C=N bond
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D127/00Coating compositions based on homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Coating compositions based on derivatives of such polymers
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フッ素ゴムを含んで成
る液体塗布用組成物に関する。この組成物は、例えば自
動車部品である金属製ガスケットの被覆等のために有用
である。
【0002】
【従来の技術】自動車部品であるガスケット、例えばシ
リンダーガスケットとして、アスベストに代り、ステン
レス等の金属にフッ素ゴム組成物を塗布して被覆したも
のが用いられるようになっている。例えば、特開平2−
248453号にはフッ素ゴムのほかにポリオール、第
四アンモニウム塩又は第四ホスホニウム塩系加硫剤、ア
ミン系加硫剤並びに酸化マグネシウム受酸剤を含有する
ケトン−アルコール混合溶媒から成るフッ素ゴム塗布用
組成物が開示されている。しかしながら、この組成物に
は、被着体に対する接着力が低いため塗布に先立って被
着体表面をプライマー処理する必要があり、このため塗
布のための作業時間が長く、作業が繁雑で生産効率が低
い、コストが高いなどの問題点がある。
【0003】接着力の向上のため、特公昭47−183
46号には、フッ素ゴムにアミン系シランカップリング
剤を添加したフッ素ゴム塗布用組成物が開示されてい
る。しかしながら、この組成物においてはアミン系シラ
ンカップリング剤がそのまま使用されているため溶液安
定性に乏しい(塗布するまでにゲル化しやすい)、自動
車のラジエーター液であるロングライフクーラント(L
LC)に対する耐久性が低い、経時接着力は向上するが
初期接着力は十分でない等の問題点を有する。特開平2
−88585にはシンナミリデンアミノプロピル基を有
するシリコーン系有機化合物がフッ素ゴム架橋剤として
挙げられているが、この架橋剤によってはフッ素ゴムと
金属表面との接着性の改善は得られない。
【0004】更に、USP2942019にはアミン系
シラン化合物とアルデヒドまたはケトン化合物からなる
シッフ塩基が開示されているが、かかる化合物がフッ素
ゴムの潜在性加硫剤として有用であることは何等開示し
ていない。同様に、アミン系シラン化合物とアルデヒド
またはケトン化合物からなるシッフ塩基とイソシアネー
トを反応させたウレタン樹脂組成物が、ドイツ特許出願
番号DE34148774に開示されているが、フッ素
ゴムの潜在性加硫剤として有用であることは何等言及さ
れていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、金属
面等に対する接着力が良好なために金属面のプライマー
処理を必要とせず、溶液状態で長期間安定な、フッ素ゴ
ム含有塗布用組成物を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく種々検討した結果、本来フッ素ゴムと金属
表面との間の接着性を改善する性質を有するアミノシラ
ン化合物をシッフ塩基として不活性化した形でフッ素ゴ
ム塗布用組成物に添加することにより、該組成物のゲル
化を防止して安定化させることができることを見出し
た。しかも塗布後に加熱してシッフ塩基から活性なアミ
ノシラン化合物を遊離させることにより、プライマー処
理されていない金属表面に強固に付着したフッ素ゴム被
覆を形成することができることが判明し、本発明を完成
した。
【0007】従って本発明は、 (1)フッ素ゴム100重量部; (2)アミノ系シラン化合物とアルデヒドまたはケトン
化合物からなるシッフ塩基2〜50重量部;及び (3)全組成物重量に対する固形物の総量が10〜60
重量%となる量の有機溶剤; を含んでなるフッ素ゴム塗布用組成物を提供する。
【0008】また、本発明の好ましい態様においては、
組成物はさらに常用の受酸剤、加硫剤、加硫促進剤、架
橋剤を含有する。したがって、本発明は更に、 (1)フッ素ゴム100重量部; (2)アミン系シラン化合物とアルデヒドまたはケトン
化合物からなるシッフ塩基2〜50重量部; (3)受酸剤1〜30重量部; (4)以下の加硫剤、加硫促進剤、架橋剤のうち1つま
たは2つ以上 a アミン系加硫剤を0.5〜10重量部 b ポリオール0.5〜10重量部と第4アンモニウム
塩または第4ホスホニウム塩0.5〜10重量部 c ラジカル重合性オレフィン化合物1〜20重量部と
過酸化物0.1〜10重量部;並びに; (5)全組成物重量に対する固形物の総量が10〜60
重量%となる量の有機溶剤; を含んでなるフッ素ゴム塗布用組成物を提供する。
【0009】本発明は更に、上記フッ素ゴム塗布用組成
物を、無機材料表面に塗布し、次にこれを100〜30
0℃で加熱あるいは0.1〜20Mrads の電離放射線を
照射することを特徴とする、無機材料物品の製造方法あ
るいは、上記方法により製造された、金属、ガラス、セ
ラミックス等の無機材料物品を提供する。その他、用途
によっては、無機材料物品の表面をあらかじめ公知のゴ
ム材料で被覆した後、本発明のフッ素ゴム塗布用組成物
により更にその上から被覆した無機材料物品を提供する
こともできる。
【0010】
【具体的な説明】本発明の組成物に用いるアミン系シラ
ン化合物のシッフ塩基は、アミン系シラン化合物のアミ
ノ基とアルデヒド又はケトンの酸素とが次の式に示すよ
うに脱水縮合して形成されたものである。
【化1】
【0011】上記反応におけるアミン系シラン化合物は
少なくとも1個のアミノ基を有するシラン化合物であっ
て、例えば次の一般式: H2 N−R1 −Si(OR2 n (R3 3-n により表わされる。
【0012】この式中、R1 は−R4 −、または−R5
−NH−R6 −により表され、R4,R5 ,R6 はそれ
ぞれ直鎖または分子鎖のアルキレン基であり、例えばメ
チレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプロピ
レン、イソブチレン等であり、特に反応性の制御が容易
な点でプロピレンが好ましい。また、R2 ,R3 は、水
素または炭素数1〜5個の低級アルキル基であり、例え
ば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n
−ブチル、イソブチル、tert−ブチル等であり、反
応性が高い点で、メチルおよびエチルが好ましい。
【0013】ここで、nは2または3の整数である。ア
ミノシラン系化合物の好ましい例としては、例えば、3
−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、3−アミノイソブチルトリメ
トキシシラン、3−アミノイソブチルトリエトキシシラ
ン、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、N−2−アミノエチル−3−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルジメトキ
シメチルシラン、3−アミノプロピルジエトキシメチル
シラン、3−アミノプロピルジメトキシエチルシラン、
3−アミノプロピルジメトキシエチルシランなどが挙げ
られる。
【0014】シッフ塩基を形成するアルデヒド又はケト
ン化合物は次の一般式:
【化2】 により表わされる。
【0015】ここでR7 及びR8 は、相互に独立に、水
素原子、炭素原子数1〜12個の直鎖又は分枝鎖のアル
キル基、フェニル基、又はフェニル低級アルキル基例え
ばベンジル基である。前記アルキル基としては炭素原子
数1〜5個の低級アルキル基が好ましく、例えばメチ
ル、エチル、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブ
チル基、イソブチル基、tert−ブチル基、直鎖又は
分枝鎖ペンチル基が挙げられる。さらにR8 及びR9
一緒になって非置換の又は置換基を有する炭素原子数3
〜10個好ましくは6個のアルキレン基を構成すること
もできる。この場合はR7 及びR8 が結合している炭素
原子と共にシクロアルカノンを形成する。また、R7
びR8 はそれらが結合している炭素原子と共にシンナム
アルデヒドを形成してもよい。
【0016】好ましいケトン又はアルデヒド化合物の具
体例としてメチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキ
サノン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、アセトフェノン、エチルシクロヘキサノン、ホルム
アルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、プ
ロピルアルデヒド、シンナムアルデヒド等が挙げられ
る。
【0017】前記シラン系アミン化合物と前記アルデヒ
ド又はケトン化合物との縮合反応によりシッフ塩基を形
成するには、例えば、シクロヘキサン、トルエン等と水
との共沸混合物を形成するエントレーナーの存在下で、
50〜150℃の温度で10〜120分加熱し、脱水縮
合を起こさせた後、エントレーナーを蒸留除去すること
により得られる。この反応を促進するため、触媒、好ま
しくは酸触媒、例えばトルエンスルホン酸、ベンゼンス
ルホン酸等を用いるのが好ましい。
【0018】本発明において、アミン系シラン化合物か
らなるシッフ塩基の添加量は、フッ素ゴム100重量部
に対して2〜50重量部が望ましい。添加量が2重量部
未満では、架橋不十分で金属板等に対する接着力や耐熱
性が不十分となるためである。一方、添加量が50重量
部を超えると、溶液状態でのシェルフライフが短くなる
おそれがあるためである。
【0019】本発明の組成物に使用するフッ素ゴムとし
ては、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロペン共重
合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロペン−テ
トラフルオロエチレン三元重合体、テトラフルオロエチ
レンプロペン、フッ化ビニリデンテトラフルオロエチレ
ンプロペンなど、商業的に入手可能な常用の任意のフッ
素ゴムを使用することができる。
【0020】本発明には、上述のように、受酸剤並び
に、加硫効率を加速するため、アミン系加硫剤、第4ア
ンモニウム塩、第4ホスホニウム塩とポリオールの一種
以上の加硫剤を添加することが可能であり、又、パーオ
キサイトとラジカル重合性オレフィン化合物と組み合わ
せることも可能である。
【0021】受酸剤としては、フッ素ゴムの加硫に通常
用いられるものが使用可能であり、例えば、2価金属の
酸化物又は水酸化物の1種または2種以上が用いられ
る。具体的には、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、
酸化亜鉛、酸化鉛、水酸化カルシウム等が挙げられ、低
活性である点で酸化マグネシウムが特に好適である。受
酸剤の添加量としてはフッ素ゴム100重量部にたいし
て1〜30重量部が望ましい。添加量が1重量部未満で
は、受酸効果に乏しくなり、逆に30重量部を超える
と、耐水性に乏しくなるためである。
【0022】更に、加硫剤として又はポリオール加硫促
進剤としてアミン系加硫剤、第4アンモニウム塩、第4
ホスホニウム塩の少なくとも、1つ以上の加硫剤を用い
ることができる。これらの、加硫剤を用いると、加硫剤
がアミン系シラン化合物からなるシッフ塩基のみの場合
よりも、更に、加硫速度のコントロールや促進が容易に
なる。添加量として用途や欲する物性に応じて変更する
ことができるが、加硫速度のコントロールや促進性およ
びシェルフライフの観点からフッ素ゴム100重量部に
たいして0.5〜10重量部が望ましい。
【0023】前記アミン系加硫剤としては、例えばN,
N′−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミン、
ヘキサメチレンジアミンモノカーボネート、4,4′−
メチレンビス(シクロヘキシルアミン)カーバメートな
どが挙げられる。前記ホスホニウム塩としては、例えば
次の一般式:
【化3】
【0024】(ここで、R1 〜R4 はアルキル基、アラ
ルキル基、アリール基、アルケニル基、ポリオキシアル
キレン基またはフルオロアルキル基などであり、X-
ハライド、ヒドロキシレート、アルコキシレート、カル
ボキシレート、フェノキサイド、スルホネート、サルフ
ェート、サルファイト、カーボネートまたはナイトレー
トなどの陰イオンである)で表わされ、例えばテトラフ
ェニルホスホニウムクロリド、テトラフェニルホスホニ
ウムブロミド、テトラオクチルホスホニウムクロリド、
テトラ−n−ブチルホスホニウムクロリド、テトラエチ
ルホスホニウムクロリド、テトラメチルホスホニウムク
ロリド、
【0025】テトラメチルホスホニウムブロミド、トリ
フェニルベンジルホスホニウムクロリド、トリフェニル
ベンジルホスホニウムブロミド、トリフェニルベンジル
ホスホニウムステアレート、トリフェニルベンジルホス
ホニウムベンゾエート、トリフェニルイソブチルホスホ
ニウムブロミド、トリオクチル−n−ブチルホスホニウ
ムクロリド、トリオクチルベンジルホスホニウムクロリ
ド、トリオクチルベンジルホスホニウムアセテート、ト
リフェニル−2,4−ジクロルベンジルホスホニウムク
ロリド、トリオクチルメトキシエトキシエチルホスホニ
ウムクロリド、トリフェニルエトキシカルボニルメチル
ホスホニウムクロリド、トリフェニルアリルホスホニウ
ムクロリドなどが用いられる。
【0026】本発明に用いられるポリオールは、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)パーフロオロプロパ
ン、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシン、4,4−
ジヒドロキシフェニル、4,4−ジヒドロキシジフェニ
ルメタン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、
4,4−ジヒドロキシジフェニルメプタンなどが用いら
れ、また、これらのアルカリ金属塩あるいはアルカリ土
類金属塩であってもよい。
【0027】また、前記第四アンモニウム塩としては、
次の式:
【化4】
【0028】(ここで、R1 〜R4 はアルキル基、アラ
ルキル基、アリール基、アルケニル基、ポリオキシアル
キレン基またはフルオロアルキル基などであり、X-
ハライド、ヒドロキシレート、アルコキシレート、カル
ボキシレート、フェノキサイド、スルホネート、サルフ
ェート、サルファイト、カーボネートまたはナイトレー
トなどの陰イオンである)で表わされ、例えばテトラフ
ェニルアンモニウムクロリド、テトラフェニルアンモニ
ウムブロミド、テトラオクチルアンモニウムクロリド、
テトラ−n−ブチルアンモニウムクロリド、テトラエチ
ルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムク
ロリド、
【0029】テトラメチルアンモニウムブロミド、トリ
フェニルベンジルアンモニウムクロリド、トリフェニル
ベンジルアンモニウムブロミド、トリフェニルベンジル
アンモニウムステアレート、トリフェニルベンジルアン
モニウムベンゾエート、トリフェニルイソブチルアンモ
ニウムブロミド、トリオクチル−n−ブチルアンモニウ
ムクロリド、トリオクチルベンジルアンモニウムクロリ
ド、トリオクチルベンジルアンモニウムアセテート、ト
リフェニル−2,4−ジクロルベンジルアンモニウムク
ロリド、トリオクチルメトキシエトキシエチルアンモニ
ウムクロリド、トリフェニルエトキシカルボニルメチル
アンモニウムクロリド、トリフェニルアリルアンモニウ
ムクロリドなどが用いられる。
【0030】さらに、1−アルキルピリジニウム塩、5
−アラルキル−1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕
−5−ノネニウム塩、8−アラルキル−1,8−ジアザ
ビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセニウム塩などが
用いられる。本発明のフッ素ゴム塗料組成物は、前記の
種々の成分を有機溶剤と混合することにより得られる。
有機溶剤としては、メチルイソブチルケトン、メチルエ
チルケトン、酢酸エチル、セルソルブアセテート、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール等の一つまたは
二種以上を用いることができる。有機溶剤は組成物全重
量に対して固形物含量が10〜60重量%となる量で用
いられる。
【0031】10%未満では、溶液粘度が低く、金属板
等への塗布が困難になり、また、有機溶剤の乾燥に時間
を要し、一方、60%を超えると、溶液粘度が高くな
り、塗布物の均一性が損なわれるおそれがあるためであ
る。その他、本発明には、各種充填剤を添加することが
可能であり、具体的には、シリカ、クレー、珪藻上、タ
ルク、カーボンブラック、炭素繊維、アルミナ繊維、ガ
ラス繊維、アスベスト繊維等が挙げられる。これらの充
填剤の添加量としては、用途等を考慮して決められる
が、具体的には、フッ素ゴム100重量部あたり5〜2
00重量部、特に10〜100重量部が好ましい。
【0032】本発明の塗布用組成物は、常法に従って例
えば、スプレー塗装法、ディップコート塗装法、フロー
コート法、ロールコート法等により金属表面等に塗布す
ることができる。次に組成物が塗布された組成物を10
0℃〜300℃、好ましくは120℃〜250℃、特に
120℃〜200℃の温度において、15分〜2時間、
好ましくは30〜60分間加熱する。この加熱によりシ
ッフ塩基が分解して活性なアミノ系シラン化合物が遊離
し、組成物が急速に化硫されて金属表面にフッ素ゴムの
被膜が形成される。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、フッ素ゴム用の加硫剤
として、アミン系シランカップリング剤をシッフ塩基の
形で不活性化して塗布用組成物中に使用するため、塗布
用組成物の輸送、又は塗布中貯蔵中にゲル化することが
なく長時間安定である。また、塗布後加熱することによ
りシッフ塩基が分解して活性なアミノ系シラン化合物が
遊離するため急速に加硫することができ、さらにこのア
ミノ系シランカップリング剤はフッ素ゴムを金属表面等
に接着する作用を有するため、塗布に先立って金属表面
等をプライマーにより処理する必要がない。
【0034】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。アミン系シランカップリング剤からなるシッフ塩基の合
アミン系シランカップリング剤として、3−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン221.14g(1.0モル)
及びトルエン500gを3つ口フラスコに仕込み、乾燥
窒素で置換した。これに、アルデヒドとして、シンナム
アルデヒド132.16g(1.0モル)を室温で30
分で滴下しながら攪拌した。滴下後、100〜120℃
でさらに2時間トルエンを除きながら攪拌を続けた。反
応後、減圧下揮発物質を除くことにより、N−シンナミ
リデン−3−アミノプロピルトリエトキシシラン(CA
DS)を得た。
【0035】実施例1〜7及び比較例1〜3 フッ素ゴム(FC−2145,3M社製)100重量
部、カーボンブラック(サーマックスN−900、カン
カーブ社製)30重量部、酸化マグネシウム(受酸剤)
(キョウワマグ#30、協和化学社製)0〜20重量部
(表1に示す量)及びN,N′−シンナミリデン−1,
6−ヘキサンジアミン加硫剤(Diak#3)(Dup
ont社製)0〜3重量部(表1に示す量)を2本ロー
ルで配合してフッ素ゴム配合物を調整した。
【0036】次に、上記調整物に、上で合成したN−シ
ンナミリデン−3−アミノプロピルトリエトキシシラン
(CAPS)を0.1〜40重量部又は3−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン(APS)10重量部を加え、
さらにメチルイソブチルケトン(MIBK)(溶剤30
0重量部)塗布用フッ素ゴム組成物を調整した。こうし
て得られたフッ素ゴム塗布用組成物をトリクレンで脱脂
処理したステンレス板(SUS−301)に塗布し室温
で乾燥後、120℃で10分乾燥、20℃で30分加硫
処理を行なった。
【0037】このようにして調整したフッ素ゴム塗布用
組成物を塗布した金属板の接着性をテストするために加
硫処理を行なった初期の塗布膜とLLCに120℃、5
00時間浸せきした後の塗布膜について、碁盤目試験と
鉛筆引っかき試験(ともにJIS K−5400)を行
なった。結果を表1(実施例および比較例)に示す。碁
盤目試験における間隔は1.0mmで行なった。フッ素ゴ
ム配合物溶液の安定性テストは室温で行ない溶液がゲル
化するまでの日数を測定した。結果(実施例および比較
例)を表1に示す。
【0038】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08K 3/22 C08K 3/22 5/06 5/06 5/14 5/14 5/17 5/17 5/49 5/49 5/541 C08L 27/12 C08L 27/12 C08K 5/54 (56)参考文献 特開 平2−88585(JP,A) 特開 昭55−75469(JP,A) 特開 昭63−175077(JP,A) 特開 昭60−72950(JP,A) 特開 昭56−139548(JP,A) 特公 昭47−18346(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 127/12 - 127/20 B05D 3/02 B05D 3/06 B05D 7/00 - 7/26 B32B 25/04 - 25/08 C08K 3/22 C08K 5/06 C08K 5/14 C08K 5/17 - 5/19 C08K 5/49 - 5/5399 C08K 5/541 - 5/5435 C08L 27/12 - 27/20 CA(STN)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素ゴム100重量部;アミン系シラ
    ン化合物とアルデヒドまたはケトン化合物からなるシッ
    フ塩基2〜50重量部;及び全組成物重量に対する固形
    物の総量が10〜60重量%となる量の有機溶剤;を含
    んでなるフッ素ゴム塗布用組成物。
  2. 【請求項2】 フッ素ゴム100重量部;アミン系シラ
    ン化合物とアルデヒドまたはケトン化合物からなるシッ
    フ塩基2〜50重量部;受酸剤1〜30重量部;並びに
    全組成物重量に対する固形物の総量が10〜60重量%
    となる量の有機溶剤;を含んでなる塗布用組成物。
  3. 【請求項3】 フッ素ゴム100重量部;アミン系シラ
    ン化合物とアルデヒドまたはケトン化合物からなるシッ
    フ塩基2〜50重量部;受酸剤1〜30重量部;アミン
    系加硫剤を0.5〜10重量部;並びに全組成物重量に
    対する固形物の総量が10〜60重量%となる量の有機
    溶剤;を含んでなるフッ素ゴム塗布用組成物。
  4. 【請求項4】 フッ素ゴム100重量部;アミン系シラ
    ン化合物とアルデヒドまたはケトン化合物からなるシッ
    フ塩基2〜50重量部;受酸剤1〜30重量部;ポリオ
    ール0.5〜10重量部;第4アンモニウム塩または第
    4ホスホニウム塩0.5〜10重量部;並びに全組成物
    重量に対する固形物の総量が10〜60重量%となる量
    の有機溶剤;を含んでなるフッ素ゴム塗布用組成物。
  5. 【請求項5】 フッ素ゴム100重量部;アミン系シラ
    ン化合物とアルデヒドまたはケトン化合物からなるシッ
    フ塩基2〜50重量部;受酸剤1〜30重量部;ラジカ
    ル重合性オレフィン化合物1〜20重量部;過酸化物
    0.1〜10重量部;並びに全組成物重量に対する固形
    物の総量が10〜60重量%となる量の有機溶剤;を含
    んでなるフッ素ゴム塗布用組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載のフ
    ッ素ゴム塗布用組成物から形成された被膜を表面に有す
    る無機材料物品。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか1項に記載のフ
    ッ素ゴム塗布用組成物から形成された被膜を、ゴム材料
    が被覆された無機材料物品の表面に更に形成したことを
    特徴とする無機材料物品。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5のいずれか1項に記載のフ
    ッ素ゴム塗布用組成物を、無機材料表面に塗布した後、
    100〜300℃に加熱することを特徴とするフッ素ゴ
    ム組成物により被覆された無機材料物品の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜5のいずれか1項に記載のフ
    ッ素ゴム塗布用組成物を、無機材料表面に塗布した後、
    放射線を照射することを特徴とするフッ素ゴム組成物に
    より被覆された無機材料物品の製造方法。
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