JP3159812U - ピストンリング、ピストン、エンジン - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンの初期使用段階においても、ピストンリングとシリンダとの摩擦を極力低く抑えることができるピストンリング、及びこれを用いたピストン、レシプロエンジンを提供する。【解決手段】ピストンリング本体31,32の外周面の一部に、外周面に一致する曲率を有する紡錘形ローラ40を配置した。ピストン本体の外周面の一部に、外周面に一致する曲率を有する紡錘形ローラ40を配置した。【選択図】図3
Description
本考案は、ピストンリング、これを用いたピストン及びエンジンに関する。
エンジン用シリンダの内壁とピストンの外周の間に潤滑油を保持しつつ、エンジンの燃焼室の機密を確保するために、ピストンの外周面には、複数のピストンリングが装着される。
複数のピストンリングのうち、ピストンヘッド側には、コンプレッションリング(トップリング、セカンドリング)が装着される。さらに、シリンダを潤滑した後の余分なエンジンオイルをかき落とすオイルリングが装着される。
複数のピストンリングのうち、ピストンヘッド側には、コンプレッションリング(トップリング、セカンドリング)が装着される。さらに、シリンダを潤滑した後の余分なエンジンオイルをかき落とすオイルリングが装着される。
ピストンリング(コンプレッションリング)には、耐摩耗性、強靱性、耐熱性、さらにオイル保持能力等が求められる。
特に、ピストンリングとシリンダとの摩擦を極力低く抑えることが要請される。その一方で、ピストンリング(コンプレッションリング)は、燃焼室の気密を保持するために、自己張力等によってシリンダに強く密着する必要がある。
特に、ピストンリングとシリンダとの摩擦を極力低く抑えることが要請される。その一方で、ピストンリング(コンプレッションリング)は、燃焼室の気密を保持するために、自己張力等によってシリンダに強く密着する必要がある。
特許文献1に開示されるように、ピストンリングとシリンダとの摩擦を極力低く抑えるために、バレルフェース形状のピストンリングが開発されている。
しかしながら、バレルフェース形状のピストンリングを用いたとしても、エンジンの初期使用段階、すなわちピストンリング(コンプレッションリング)とシリンダが「なじみ」が十分でない状態では、異常摩耗(焼き付き)が発生するという問題がある。
しかしながら、バレルフェース形状のピストンリングを用いたとしても、エンジンの初期使用段階、すなわちピストンリング(コンプレッションリング)とシリンダが「なじみ」が十分でない状態では、異常摩耗(焼き付き)が発生するという問題がある。
本考案は、上述した事情に鑑みてなされたもので、エンジンの初期使用段階においても、ピストンリングとシリンダとの摩擦を極力低く抑えることができるピストンリング、及びこれを用いたピストン、レシプロエンジンを提供することを目的とする。
本考案に係るピストンリング、ピストン、エンジンでは、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
本考案に係るピストンリングは、ピストンリング本体の外周面の一部に、前記外周面に一致する曲率を有する紡錘形ローラを配置したことを特徴とする。
本考案に係る第1のピストンは、上記ピストンリングを装着したことを特徴とする。
本考案に係る第2のピストンは、ピストン本体の外周面の一部に、前記外周面に一致する曲率を有する紡錘形ローラを配置したことを特徴とする。
本考案に係るエンジンは、上記第1のピストン又は上記第2のピストンを用いたことを特徴とする。
本考案によれば、エンジンの初期使用段階においても、ピストンリングとシリンダとの摩擦を、容易かつ確実に、極力低く抑えることができる。したがって、初期使用段階におけるシリンダ及びピストンリングの異常摩耗発生(焼き付き)を確実に防止することができる。よって、エンジンの長寿命化を図ることができる。
以下、本考案に係るピストンリング、ピストン及びエンジンの実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本考案の実施形態に係るエンジン1の概略構成を示す図である。
エンジン1は、シリンダ10、シリンダ10の内周壁11に摺動可能に挿嵌されたピストン20、ピストン20の底面に連結されたピストンロッド8、ピストンロッド8の一端に連結されたコネクティングロッド4、コネクティングロッド4に連結された回転駆動軸2等を備えている。
そして、ピストン20は、回転駆動軸2を介して回転駆動されるコネクティングロッド4により上下方向等に往復移動(摺動)するように構成されている。
エンジン1は、シリンダ10、シリンダ10の内周壁11に摺動可能に挿嵌されたピストン20、ピストン20の底面に連結されたピストンロッド8、ピストンロッド8の一端に連結されたコネクティングロッド4、コネクティングロッド4に連結された回転駆動軸2等を備えている。
そして、ピストン20は、回転駆動軸2を介して回転駆動されるコネクティングロッド4により上下方向等に往復移動(摺動)するように構成されている。
図2は、本考案の実施形態に係るピストン20を示す図である。
ピストン20の外周面には、3本のピストンリング溝21が形成されており、これらピストンリング溝21には、それぞれピストンリング31,32,33が装着される。
ピストンリング31は、トップリングと呼ばれるコンプレッションリングである。ピストンリング32は、セカンドリングと呼ばれるコンプレッションリングである。ピストンリング31,32は、いわゆるバレルフェース形状のピストンリングである。
なお、ピストンリング33は、オイルリングと呼ばれる。
ピストン20の外周面には、3本のピストンリング溝21が形成されており、これらピストンリング溝21には、それぞれピストンリング31,32,33が装着される。
ピストンリング31は、トップリングと呼ばれるコンプレッションリングである。ピストンリング32は、セカンドリングと呼ばれるコンプレッションリングである。ピストンリング31,32は、いわゆるバレルフェース形状のピストンリングである。
なお、ピストンリング33は、オイルリングと呼ばれる。
図3は、本考案の実施形態に係るピストンリング31,32を示す図である。
図4は、紡錘形ローラ40を示す図である。
図4は、紡錘形ローラ40を示す図である。
図3に示すように、ピストンリング(ピストンリング本体)31,32は、環状の鋳鉄製部材であり、その一部が切断除去されて切り口35が形成されている。切り口35が形成されることにより、ピストンリング31,32がシリンダ10に装着された際に、温度上昇により膨張して変形や損傷を受けることを防止できる。
ピストンリング31,32の外周面の複数個所には、この外周面に一致する曲率を有する紡錘形ローラ40が配置されている。
図4に示すように、紡錘形ローラ40は、紡錘形の軸部材である。つまり、長手方向(回転中心軸方向)の中央における外周面の曲率半径が最も大きく、両端側に向かうに従って、外周面の曲率半径が徐々に小さくなる形状である。
紡錘形ローラ40は、ピストンリング31,32と同一の材料、例えば、特殊鋳鉄や炭素鋼、或いはプレス鋼などを用いることができる。
図4に示すように、紡錘形ローラ40は、紡錘形の軸部材である。つまり、長手方向(回転中心軸方向)の中央における外周面の曲率半径が最も大きく、両端側に向かうに従って、外周面の曲率半径が徐々に小さくなる形状である。
紡錘形ローラ40は、ピストンリング31,32と同一の材料、例えば、特殊鋳鉄や炭素鋼、或いはプレス鋼などを用いることができる。
上述したように、ピストンリング31,32の外周面(周方向の曲率)と、紡錘形ローラ40の外周面(回転中心軸に沿う方向の曲率)とが一致している。つまり、紡錘形ローラ40は、その回転中心軸がピストンリング31,32の中心軸(ピストン20の軸に一致)に対して垂直な面に沿って配置されている。
例えば、ピストンリング31,32には、それぞれ3〜12個程度の紡錘形ローラ40が均等な間隔で配置(周上等配)される(図3は9個の例を示している)。
したがって、ピストンリング31,32を中心軸方向(ピストン20の軸方向)から見ると、ピストンリング31,32と紡錘形ローラ40により、一体的な環状の外周面が形成される(図3(a)参照)。
例えば、ピストンリング31,32には、それぞれ3〜12個程度の紡錘形ローラ40が均等な間隔で配置(周上等配)される(図3は9個の例を示している)。
したがって、ピストンリング31,32を中心軸方向(ピストン20の軸方向)から見ると、ピストンリング31,32と紡錘形ローラ40により、一体的な環状の外周面が形成される(図3(a)参照)。
ピストンリング31,32の外周面の一部には、紡錘形ローラ40を隙間なく収容するために、収容凹部36が形成される。
収容凹部36は、紡錘形ローラ40の外形形状に一致する形状となっている。そして、収容凹部36と紡錘形ローラ40との間には、潤滑油が供給される。
したがって、紡錘形ローラ40は、ピストンリング31,32の収容凹部36内で、ピストン20の摺動に応じて、滑り回転するようになっている。
収容凹部36は、紡錘形ローラ40の外形形状に一致する形状となっている。そして、収容凹部36と紡錘形ローラ40との間には、潤滑油が供給される。
したがって、紡錘形ローラ40は、ピストンリング31,32の収容凹部36内で、ピストン20の摺動に応じて、滑り回転するようになっている。
なお、紡錘形ローラ40の周方向の外周面の曲率は、ピストンリング31,32の中心軸方向の外周面曲率(バレルフェースの曲率)とは、一致する必要はない(図3(b)参照)。
もっとも、バレルフェースの曲率と紡錘形ローラ40の周方向の外周面曲率を一致させるようにしてもよい。これにより、ピストンリング31,32の外周面のうち、紡錘形ローラ40が配置されていない領域における摩擦を紡錘形ローラ40における摩擦に近づけることができるので、局所的な異常磨耗を防止できる。
もっとも、バレルフェースの曲率と紡錘形ローラ40の周方向の外周面曲率を一致させるようにしてもよい。これにより、ピストンリング31,32の外周面のうち、紡錘形ローラ40が配置されていない領域における摩擦を紡錘形ローラ40における摩擦に近づけることができるので、局所的な異常磨耗を防止できる。
上述したように、ピストンリング31,32の外周面の一部に、この外周面に一致する曲率を有する紡錘形ローラ40が配置されているので、ピストン20の摺動(往復移動)に応じて、紡錘形ローラ40がシリンダ10に対して転がり接触するので、ピストン20(ピストンリング31,32)とシリンダ10との摩擦を、容易かつ確実に、極力低く抑えることができる。
そして、ピストンリング31,32は、内周壁11に給油されている潤滑油をピストン20の上下運動により掻き上げ、掻き下げを行い、ピストンリング31,32の外周とシリンダ10の内周壁11との摺動面の潤滑を行う。
つまり、ピストンリング31,32と紡錘形ローラ40により、一体的な環状の外周面が形成され、この外周面がピストン20の内壁に接触するので、シリンダ10ピストン20の間に潤滑油を保持しつつ、エンジンの燃焼室の機密を確保することができる。
つまり、ピストンリング31,32と紡錘形ローラ40により、一体的な環状の外周面が形成され、この外周面がピストン20の内壁に接触するので、シリンダ10ピストン20の間に潤滑油を保持しつつ、エンジンの燃焼室の機密を確保することができる。
このように、本実施形態に係るピストンリング31,32によれば、エンジン1の初期使用段階においても、シリンダ10との摩擦を、容易かつ確実に、極力低く抑えることができるので、シリンダ10等の異常摩耗発生(焼き付き)を確実に防止することができる。よって、エンジン1の長寿命化を図ることができる。
前述した実施の形態で示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本考案の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、ピストンリング31,32の両者に紡錘形ローラ40をそれぞれ配置する場合には、ピストンリング31に配置される紡錘形ローラ40とピストンリング32に配置される紡錘形ローラ40とが、周方向において異なる位置(互い違い)となるように配置してもよい。
また、ピストンリング31,32の両者に紡錘形ローラ40をそれぞれ配置する場合に限らない。ピストンリング31,32のいずれか一方にのみ、紡錘形ローラ40を配置してもよい。
コンプレッションリング(ピストンリング31,32)に紡錘形ローラ40を配置する場合について説明したが、これに限らない。コンプレッションリングとは別個に、紡錘形ローラ40を配置したピストンリングをピストン20に装着してもよい。
更に、ピストン20の外周面に、直接、紡錘形ローラ40を配置してもよい。つまり、ピストン20の外周面の一部に、この外周面に一致する曲率を有する紡錘形ローラ40を配置する。
このように、ピストン20の外周面に、直接、紡錘形ローラ40を配置することで、コンプレッションリングの機能の一部(円滑な摺動の実現)を、ピストン20自体(紡錘形ローラ40)に担わせることができる。
このように、ピストン20の外周面に、直接、紡錘形ローラ40を配置することで、コンプレッションリングの機能の一部(円滑な摺動の実現)を、ピストン20自体(紡錘形ローラ40)に担わせることができる。
また、ピストンリング31,32としては、バレルフェース形状に限らない。プレーン形、テーパフェース形、アンダカット形等であってもよい。
1…エンジン
10…シリンダ
20…ピストン(ピストン本体)
31,32…ピストンリング(ピストンリング本体)
40…紡錘形ローラ
10…シリンダ
20…ピストン(ピストン本体)
31,32…ピストンリング(ピストンリング本体)
40…紡錘形ローラ
Claims (4)
- ピストンリング本体の外周面の一部に、前記外周面に一致する曲率を有する紡錘形ローラを配置したことを特徴とするピストンリング。
- 請求項1に記載のピストンリングを装着したことを特徴とするピストン。
- ピストン本体の外周面の一部に、前記外周面に一致する曲率を有する紡錘形ローラを配置したことを特徴とするピストン。
- 請求項2又は請求項3に記載のピストンを用いたことを特徴とするエンジン。
Priority Applications (1)
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JP2010001693U JP3159812U (ja) | 2010-03-16 | 2010-03-16 | ピストンリング、ピストン、エンジン |
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JP2010001693U JP3159812U (ja) | 2010-03-16 | 2010-03-16 | ピストンリング、ピストン、エンジン |
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JP2010001693U Expired - Fee Related JP3159812U (ja) | 2010-03-16 | 2010-03-16 | ピストンリング、ピストン、エンジン |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN106763757A (zh) * | 2016-12-07 | 2017-05-31 | 常州中车柴油机零部件有限公司 | 一种耐冲击磨损活塞环及其制造工艺 |
-
2010
- 2010-03-16 JP JP2010001693U patent/JP3159812U/ja not_active Expired - Fee Related
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