JP3159640B2 - レーザ加工機 - Google Patents

レーザ加工機

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JP3159640B2 JP33880295A JP33880295A JP3159640B2 JP 3159640 B2 JP3159640 B2 JP 3159640B2 JP 33880295 A JP33880295 A JP 33880295A JP 33880295 A JP33880295 A JP 33880295A JP 3159640 B2 JP3159640 B2 JP 3159640B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ発振器から
のレーザ光を伝搬し、対象物に照射して加工を行うレー
ザ加工機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図43の斜視図に一般的なレーザ加工機
の一例として「レーザが変える加工技術」海文堂出版P
66に記載されたレーザプレス装置の構造を示す。この
うちレーザ加工機部分を簡略化し、その構成を模式的に
表したのが図44の構成図である。レーザ発振器8から
レーザ光取り出し窓3を透過して出てきたレーザ光5
は、ダクト14で覆われた伝搬光路内を、反射鏡15で
の反射を繰り返して伝搬した後、集光レンズ16で集光
され、加工対象物17に照射される。18は加工対象物
を保持し移動させる加工テーブルである。このようにし
て、レーザ光線を使って加工を行うのがレーザ加工機で
ある。2は吹き付けガス、4はガス吹き付けのためのジ
ャケット、11はガスのボンベ、12はバルブを示して
いる。
【0003】図44中のレーザ光取り出し窓3はレーザ
光5に対して透過性の高い材質が使われるが、完全な透
過は不可能で透過途中で必ず僅かながら吸収を伴う。レ
ーザ光5のパワーが上がれば、それだけ吸収される量も
増えるので、窓3の温度上昇も大きくなる。また、この
温度上昇は一般的に中心が高く周辺部が低いという温度
分布を有することになる。レーザ光取り出し窓の屈折率
の温度依存性が温度上昇に対して正の傾きを持つ場合、
レーザ光取り出し窓の屈折率も温度分布と同様の分布を
もつようになる。光線は屈折率の高い方向に曲がる性質
があるので、結果として、光線は凸レンズを通った後の
様に集光されてくる。これが熱レンズ効果である。これ
を図で示したのが図45の説明図である。Aは取り出し
窓入射前のビームパターンの断面図、即ちビーム強度の
様子を示す。Bが取り出し窓の温度分布、Cが取り出し
窓の屈折率分布、Dが取り出し窓通過後のビーム強度の
様子である。熱レンズ効果がおこると図中点線のように
ビームが絞れてきてしまう。また、レンズでレーザ光を
集光した場合の集光径dは、図46の説明図に示したよ
うに、レーザ光の波長をλ、レンズ入射前のビーム径を
D、レンズの焦点距離をfとすると、 d ∝ fλ/D (1) と表せる。レンズ入射前のビーム径Dが熱レンズ効果で
小さくなると、集光径dは大きくなってしまう。これ
は、レーザ光のエネルギーの集中の度合いが落ちること
を意味するので、切断等の加工を行う場合には、加工性
能が落ちることになる。また、熱レンズ効果がおこると
集光径だけでなく、その焦点位置を変化させてしまう。
レーザ加工機では、レンズと加工対象物であるワークの
距離を一定に保つようにして加工をおこなっていくた
め、加工途中で熱レンズ効果がおこると、焦点の位置が
動いてしまい、切断性能が著しく落ちてしまう。熱レン
ズ効果は透過型の集光レンズにおいても一般的に生じ、
同様に加工性能を劣化させる。それゆえ、レーザ加工機
ではレーザ発振器での熱レンズ効果を出来るだけ抑える
必要がある。それゆえ、従来のレーザ加工機においては
以下のような工夫がなされている。熱レンズ効果を抑制
するために、この取り出し窓3をガス吹き付けなどによ
り冷却している。ガス吹き付けのためのジャケット4部
分を拡大したものを図47(a)(b)に示す。(a)はレー
ザ光取り出し窓3を正面から見た模式図、(b)は側面か
らみた断面図である。均一に冷却する為に、図のように
複数個のガス噴出口1から対称に吹き付けている。13
はミラーホルダーである。
【0004】また、レーザ光線5を加工対象物まで導く
場合、固体レーザ等は光ファイバーを使用するが、ファ
イバーが使用できない波長のレーザにおいては、図44
のように反射鏡15を複数個組合せて伝搬させている。
安全性の問題から光路をダクト14などで覆ったり、加
工によって生じる煙やガスが光路に侵入し異常な吸収に
より加工不良などを引き起こすことを防ぐため、光路中
に空気や窒素を弱く流しておくようなことが行われてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図47のような吹き付
け冷却では、噴流同士が中心部分で衝突しあってしまう
ため、ここでガスの流速が落ちてしまい、一番温度の高
くなる中心付近が冷やせないという欠点があった。全体
の平均の温度は下がるものの、温度の分布は中心が高く
周辺に行くに従い低くなるというものであった。また、
レーザ光が伝搬途中で空気中を通過する場合、特にレー
ザ光がCO2 レーザ光の場合には、サーマルブルーミン
グと呼ばれるビームパターンのドーナツ化や三日月化、
ガス流方向にビームが曲がるといった現象が起こること
が知られている。これは伝搬途中で空気がレーザ光を吸
収して起こる温度むらによる屈折作用で生じる現象で、
図48の説明図に示すように、伝搬後のビームのパター
ンが変形してしまうものである。ここで、Aは伝搬前の
レーザ光を、Bは伝搬後のレーザ光を、Cは伝搬前のレ
ーザ光のビームパターン断面、即ち強度分布を表し、D
は伝搬後のレーザ光のビームパターン断面を表す。しか
し、この現象はレーザ光のパワーが大きくないと顕著に
は現れないので、従来の加工用レーザ装置の分野ではあ
まり問題にされなかった。つまり、光路中の空気の影響
は無視できるものと考えられていた。それゆえ、レーザ
光の伝搬光路中に特別な工夫というものは施されていな
かった。この問題はCO2 レーザに限らず、レーザ光を
空気中で伝搬させる場合は一般的に発生するものであ
る。本発明はかかる問題を解決するためになされたもの
であり、 ・熱レンズを低減する。 ・サーマルブルーミングを低減する。 ・熱レンズが生じても相殺する。 ことにより、加工性能の優れたレーザ加工機を得ること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の構成に係
わるレーザ加工機は、レーザ光を取り出すレーザ光取り
出し窓と、ガスをほぼ同一方向に噴出する実質的に単一
のガス噴出口を備え、上記のガスを上記レーザ光取り出
し窓の発熱部の中心に指向させ、上記ガス噴出口の中心
軸とレーザ光取り出し窓表面の法線のなす角度が30°
以上に設定されるとともに、上記ガス噴出口からレーザ
取り出し窓までの距離:Hとガス噴出口の直径:Dとの
比:H/Dを20以下にして、さらに上記レーザ光取り
出し窓へのガス吹き付け時の流速を音速の70%以上に
して冷却するようにしたものである。
【0007】本発明の第2の構成に係わるレーザ加工機
は、ガス流量が100l/min以上にしたものであ
る。
【0008】本発明の第3の構成に係わるレーザ加工機
は、ガス噴出口がガスをほぼ同一方向に噴出する複数個
の噴出口から成り、それぞれの噴出口からのガス流がレ
ーザ光取り出し窓に吹き付ける位置までは、上記ガス流
が衝突しないようにしたものである。
【0009】本発明の第4の構成に係わるレーザ加工機
は、上記ガス噴出口をレーザ光取り出し窓に対して相対
的に回動自在に形成したものである。
【0010】本発明の第5の構成に係わるレーザ加工機
は、上記ガス噴出口をレーザ光取り出し窓の周りに複数
個配置し、上記ガス噴出口からのガス吹き付けを自在に
切り替えられるようにしたものである。
【0011】
【0012】本発明の第の構成に係わるレーザ加工機
は、CO2レーザ光を吸収し熱レンズ効果を生じるレー
ザ光取り出し窓を備えたCO2レーザ発振器と、該CO2
レーザ光を加工対象物まで導く伝搬光路及び集光素子と
を備え、上記集光素子で集光したCO2レーザ光を加工
対象物に照射して加工を行うレーザ加工機において、上
記伝搬光路に上記CO2レーザ光を吸収し、周辺が大き
く中心が小さい屈折率分布となるガスをレーザ出力に応
じて流量を調整して流すものである。
【0013】本発明の第の構成に係わるレーザ加工機
は、CO 2 レーザ光を吸収し熱レンズ効果を生じるレー
ザ光取り出し窓を備えたCO 2 レーザ発振器と、該CO 2
レーザ光を加工対象物まで導く伝搬光路及び集光素子と
を備え、上記集光素子で集光したCO 2 レーザ光を加工
対象物に照射して加工を行うレーザ加工機において、上
記伝搬光路に上記CO 2 レーザ光を吸収し、周辺が大き
く中心が小さい屈折率分布となるガスを、ガスの濃度を
レーザ光の出力に応じて調整して流すものである。
【0014】本発明の第の構成に係わるレーザ加工機
は、CO 2 レーザ光を吸収し熱レンズ効果を生じるレー
ザ光取り出し窓を備えたCO 2 レーザ発振器と、該CO 2
レーザ光を加工対象物まで導く伝搬光路及び集光素子と
を備え、上記集光素子で集光したCO 2 レーザ光を加工
対象物に照射して加工を行うレーザ加工機において、上
記伝搬光路に上記CO 2 レーザ光を吸収し、周辺が大き
く中心が小さい屈折率分布となるガスを、ガスの濃度を
レーザ光の通過開始時から徐々に増やして流すものであ
る。
【0015】
【0016】本発明の第の構成に係わるレーザ加工機
は、CO2レーザ光を吸収し熱レンズ効果を生じるレー
ザ光取り出し窓を備えたCO2レーザ発振器と、CO2
ーザ光を加工対象物まで導く伝搬光路及び集光素子を備
え、上記集光素子で集光したレーザ光を加工対象物に照
射して加工を行うレーザ加工機において、上記伝搬光路
に上記CO2レーザ光を吸収し、周辺が大きく中心が小
さい屈折率分布となるガスとCO2レーザ光に対し非吸
収性のガスとをレーザ出力に応じて流量を調整して流す
ものである。
【0017】本発明の第10の構成に係わるレーザ加工
機は、レーザ発振器と、レーザ光を加工対象物まで導く
水平方向に延びた部分を有する伝搬光路及び集光素子と
を備え、上記集光素子で集光したレーザ光を加工対象物
に照射し加工を行うレーザ加工機において、上記伝搬光
路内の水平方向に延びた部分の上部に、気体を撹拌する
攪拌機を設け、この攪拌機の送風軸をレーザ光軸と直交
する向きに設定したものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1(a)(b)は本発明の実施の形態1の
レーザ加工機のレーザ光取り出し窓とこれを冷却するガ
ス噴出口部分を示すもので、(a)はレーザ光取り出し窓
を側面からみた断面図、(b)は正面からみた模式図あ
る。1はガスの噴出口、2は吹き付けられたガス、3は
レーザ光取り出し窓、4はガス吹き付けを行うジャケッ
ト、13はミラーホルダーである。この実施の形態では
一つの噴出口1からガス2を吹き付けており、図47の
従来の複数の噴出口による吹き付けに比べて、同じ流量
でも大きな流速を達成することができるので、冷却の効
率が向上する。しかも、従来例のように流れ同士が衝突
することがないので、レーザ光取り出し窓3の中央部で
も流速が落ちない。流れに乱れや淀みなどができず、き
れいな流路が確保できるので冷却効率が良い。しかも、
噴出口が一つなので簡単にガス流を狙ったところにあて
ることができる。一番温度を下げたい所、即ち温度の一
番高い所を狙って噴流を当て冷却できるので、全体とし
て温度分布が均一となり、最も良い冷却効率を達成させ
ることが出来る。このガス吹き付けによる冷却効果を具
体例をあげて説明する。図2のグラフにガス吹き付け冷
却で達成されるレーザ光取り出し窓3の表面温度を従来
のものと比較して示す。これは、レーザ光の出力15k
W、レーザ光取り出し窓3での吸収率 0.2%、冷却用
ガスとして乾燥空気を使用し、ガス流量が220(l/m
in )、ガスの入射角度(ガス噴出口1の中心軸とレーザ
光取り出し窓3の表面の法線がなす角度)が45度で、
H(ガス噴出口1とレーザ光取り出し窓3との距離)=
40mmの条件で測定したもので、従来のものは直径2mm
の噴出口で4穴、本発明のものは一つの穴で直径4mmの
場合である。特性曲線Aがガス吹き付け無しの場合、B
が従来の複数噴出口(4穴)によるガス吹き付け時、C
は本実施の形態の1穴噴出口によるガス吹き付け時の表
面温度を示す。従来の4穴噴出口による冷却ではレーザ
光取り出し窓3の表面温度差の分布が、ガス吹き付け無
しとあまり変わらないのに対し、1穴噴出口では平坦な
温度分布になっている。また、図中点線で示した所をビ
ーム通過端(ビーム外周)の位置とし、ビーム通過領域
内での温度の最大値と最小値の差をΔt(ΔtA,Δ
B,ΔtC はそれぞれA:ガス吹き付け無し、B:従
来の複数噴出口、C:本実施の形態の1穴噴出口の場合
の温度差)とすると、このレーザ光取り出し窓3が熱レ
ンズをおこしたときの、そのレンズとしての焦点距離f
はこのΔtに反比例する。これを示したのが図3の説明
図である。5はレーザ光を示し、A,B,C,及び
A,fB,fC はそれぞれぞれガス吹き付け無し、従来
の複数噴出口、本実施の形態の1穴噴出口の場合のレン
ズとしての集光状態及び焦点距離を示す。熱レンズ効果
がなければfは無限大であり、これはΔtが0の場合に
相当する。図2によると本実施の形態の噴出口1が一つ
の場合がこれに近く、熱レンズ効果が少ないことを示し
ている。以上のように、レーザ光取り出し窓を効率よく
良好に冷却でき、レーザ加工機での熱レンズ効果を抑制
できるので、ビーム径やビーム位置などが安定する。そ
の結果、そのレーザ光を集光して行う切断などの加工性
能が向上する。
【0019】実施の形態2.上記実施の形態1では噴出
口1は一つであったが、噴出口1は複数でも良い。この
構成を示したのが図4であり、複数噴出口によるガス吹
き付け冷却時のレーザ光取り出し窓3を正面からみた模
式図である。複数の噴出口同士に角度を付けて図のよう
にジャケット4の一側に配置し、図中点Oで示した吹き
付けで狙う位置まではガス流が衝突しないようにした。
上記実施の形態1と同様、噴流同士が対向して衝突する
ことがないので、冷却対象物のレーザ光取り出し窓3ま
でガスの流速が低下することなく吹き付けが出来、流れ
に乱れや淀みなどができず、きれいな流路が確保できる
ので冷却効率が良い。また、実施の形態1と同様に狙っ
た所にガス流を当てやすく、温度を下げたい所から冷却
することができる。
【0020】実施の形態3.上記実施の形態2では噴出
口同士に角度がついていたが、これを平行に配置したも
のを示したのが図5の複数噴出口(平行配置)によるガ
ス吹き付け冷却時のレーザ光取り出し窓3を正面からみ
た模式図である。この場合1点を狙うことは出来ない
が、全ての噴出口1からの吹き付け流量を等しくする必
要はないので、狙う点に一番近いところの流量を多くす
るようにすれば効果的である。上記実施の形態と同様、
噴流同士が衝突せず、冷却対象物までガスの流速が低下
することなく吹き付けが出来る。また、流れに乱れや淀
みなどができず、きれいな流路が確保できるので冷却効
率が良い。また、狙った所にガス流を当てやすく、温度
を下げたい所から冷却することができる。
【0021】なお、上記実施の形態3では複数の穴を平
行に配置したが、これを図6のレーザ光取り出し窓を正
面からみた模式図のように透過窓面に平行なスリット穴
にしても良い。
【0022】また、噴出口の形状は必ずしも丸でなくて
もよく、図7の正面図に示したように、三角でも、四角
でも、その他の多角形でも、楕円でもよく、種々の形状
のものが適用できる。
【0023】実施の形態4.図8は本発明の実施の形態
4のガス吹き付け位置を説明するための噴出口とレーザ
光取り出し窓近傍を示す模式断面図である。図中6はガ
ス噴出口1の中心軸を表し、Dは噴出口1の直径、O点
はレーザ光取り出し窓3の中央の点である。通常のレー
ザ光5が通過した場合は、この点が最も温度が高くなる
ので、図中の範囲を吹き付けで狙うようにすればよい。
この吹き付け方による冷却効果を図9のグラフに示す。
特性曲線Dが中心付近を、Eが外側付近を狙って狙って
吹き付けたものである。図9で示した熱レンズ効果によ
る焦点距離fは中心付近を狙ったほうが、それ以外に比
べて大きくなる。即ち、温度の一番高い所を狙って噴流
を当てることにより、温度の一番高い所をより効果的に
冷却でき、全体として温度分布が均一となる。また、こ
うした斜め衝突させる噴流の場合、狙った所よりも多少
手前のところが最も冷却効果がよくなると言われている
が、このずれの距離は大きくてもほぼ噴出口直径Dの3
倍程度であるので、この距離の範囲内で、吹き付けで狙
う位置を調整するのが望ましい。
【0024】実施の形態5.図10は本発明の実施の形
態5に係わる噴出口とレーザ光取り出し窓近傍を示す模
式断面図である。本実施の形態は、冷却ガスの噴出角度
と冷却効果との関係を検討し、効果的なガス噴出口角度
を決定したものである。図11の説明図、図12のグラ
フに示したように、θ=0度の垂直衝突の場合は流れの
中心付近のスピードは対象物表面で0になる。xは噴出
口からの距離で、vx はその位置での流れの中心付近の
流速を示している。θを大きくして、斜めから衝突させ
ていくと、この流れの中心付近の速度をあまり落とさず
に対象物に衝突させることができるようになる。このた
め、斜め方向から噴流を吹き付ける方が中心付近の冷却
効率が高くなり、噴流で狙った付近から冷却が可能にな
る。図13のグラフにこの斜めから吹き付けることによ
る冷却効果を示す。実験によると図13のように30度
以上で良好な冷却が行われ、その結果、温度分布が均一
となり、焦点距離fが大きくなる。そのため、本実施の
形態では、ガス噴出口1の中心軸6とレーザ光取り出し
窓3の中心での法線7とのなす角度θが30度以上にな
るように形成し、ガス2を吹き付けている。上述したよ
うに、レーザ光取り出し窓3をガス吹き付けにより冷却
する時に、吹き付け用の噴出口1の中心軸とレーザ光取
り出し窓3面の法線のなす角度:θが30度以上である
ようにすることにより、冷却対象物であるレーザ光取り
出し窓3表面上でのガスの流速を大きくでき、効果的な
冷却が可能となる。
【0025】実施の形態6.この実施の形態6は、ガス
の吹き付け時の流速と冷却効果について検討したもので
ある。吹き付けガスを冷却対象物にできるだけ速いスピ
ードで当てるほうが、同じ流量を吹き付けるにしても、
ガスの流速が速いほうが冷却の効率が向上する。図14
はガス吹き付け時の流速と熱レンズ効果で生じる焦点距
離fとの関係を示したグラフである。このように、流速
が速いほうが良好な冷却が行われ、温度分布が均一とな
り、焦点距離fも大きく、熱レンズ効果が少ない。ま
た、実験によると、図14のように、その効果は音速の
70%以上で顕著になる。
【0026】実施の形態7.この実施の形態7は、ガス
の吹き付け流量と冷却速度の関係を把握し、レーザ光照
射開始時に適切な冷却速度が得られるようにガス流量を
設定したものである。ガス流量が少なく冷却の効率が悪
いと、レーザ光取り出し窓3の温度が安定するまでに時
間がかかってしまう。レーザ光取り出し窓3に生じる熱
レンズ効果はレーザ光の通過開始時からある程度時間が
かかるが、冷却にあまり時間がかかるようでは熱レンズ
効果が一度起こってしまってから、これを低減すること
になってしまう。そこで、ある程度短時間で冷却をする
ことが必要となる。図15は吹き付け時の流量と冷却対
象のレーザ光取り出し窓3の温度が安定するまでの時間
との関係を示した一例のグラフである。条件はレーザ光
の出力を15kWとし、レーザ光取り出し窓での吸収率を
0.2%、吹き付けガスは乾燥空気で一つの噴出口1か
ら吹き付け、噴出口1の吹き出し口の形状は円で、吹き
付けガスの入射角度は45度、流速は300(m/s)
で、H=40mmである。流量が50(l/min )では安定
するまで6分近くかかっていたが、100(l/min )で
は数十秒、200(l/min )では数秒で安定している。
レーザ光取り出し窓が熱レンズ効果を起こすまでの時間
は数秒〜数十秒なので、流量を100(l/min )以上と
すれば熱レンズ効果の発生を十分に抑制できる。
【0027】実施の形態8.この実施の形態8は、良好
な冷却効果が得られる噴出口1の径と冷却対象物のレー
ザ光取り出し窓3までの距離の関係を求めたものであ
る。噴流はこの距離Hと噴出口の大きさDの比の大きさ
によってその流速や、噴流の径が変化する。このH/D
の大きさによって冷却効率も変化することが知られてい
る。H/Dがあまり大きいと噴流の流速は遅くなり、径
も大きくなってしまうので、冷却効率が悪くなってしま
う。そこで、H/Dをある値以下にする必要が生じる。
図16は本発明の実施の形態8のレーザ加工機の冷却機
構の噴出口とレーザ光取り出し窓近傍を示す模式断面図
である。ここで、Hは噴出口から冷却対象物表面までの
距離で、Dは噴出口の大きさである。図17のグラフに
H/Dとレーザ光取り出し窓表面の平均温度との関係を
示す。図のようにH/Dが20を超えたあたりから平均
温度の上昇が著しくなってしまうので、冷却効率からし
てH/Dは20以下が望ましい。
【0028】実施の形態9.この実施の形態9は、レー
ザ光出力の大きさに応じて吹き付けるガスの流量を適切
に調整するものである。図18(a)(b)は本発明の実施
の形態のレーザ加工機のレーザ光取り出し窓の冷却機構
部分を示すもので、(a)は構成図で、(b)は(a)のA部
の拡大図である。レーザ発振器8の出力制御を行う制御
装置9の信号をガス流量制御装置10が受け取り、ガス
の流量調節バルブ12を制御する。図19(a)(b)の特
性図に一つの噴出口1で、同じ流量を吹き付けた時の、
通過レーザ光出力が異なる場合のレーザ光取り出し窓3
の表面温度分布を示す。(a)がレーザ光出力が大きいと
きで、(b)がレーザ光出力が小さいときである。図よ
り、出力が小さい場合は吹き付けで狙った中央付近の温
度が下がり過ぎてしまっており、かえってビーム通過領
域内での温度差Δtが大きくなってしまっていることが
わかる。これは流量が多すぎることを示している。Δt
が大きいと熱レンズ効果も大きくなってしまうので、レ
ーザ出力に応じた流量制御が望ましい。上述したよう
に、最大流量を与えれば、吹き付け点付近の冷却効率は
最もよくなる。しかし、レーザ光取り出し窓を通過する
レーザ光の出力が小さいと、吹き付け点付近の温度だけ
が周りに比べて、逆に下がり過ぎてしまうことがおこ
る。従って、レーザ光の出力に合わせて最適な流量供給
を行うことで、冷却対象物の温度分布を均一にできる。
【0029】なお、吹き付けるガスとしては、ガス自体
がレーザ光を吸収し温度上昇し冷却性能が落ちるのを防
ぐと共に、ガスによる吸収でレーザ光自身の出力が落ち
ることを防ぐために、レーザ光に対して非吸収性のガス
を使用するのが望ましい。また、出来るだけ熱伝導率の
高いガスを使用し、冷却効率を上昇させるようにすると
良い。レーザ光に対して非吸収性で熱伝導度の高いもの
としては、CO2 レーザ光の場合には窒素ガスや乾燥空
気、酸素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガスなどが用い
られる。窒素ガスや乾燥空気、酸素ガスなどは入手しや
すく安価でよい。また熱伝導度の点ではヘリウムガスが
よい。アルゴンガスも無害であるのでよい。
【0030】実施の形態10.図20は本発明の実施の
形態10のレーザ加工機のガス噴出口1とレーザ光取り
出し窓3近傍を取り出し窓正面からみた模式図である。
この実施の形態10は、冷却ガスの噴出口1をレーザ光
取り出し窓3の周囲に沿って回転させ、軸対称に均一な
冷却を行うものである。図中では噴出口1が一つである
が、上記実施の形態2や3に示した複数穴でも良いし、
スリット状の噴出口でもよい。また、回転の動力はモー
ターなどの外力を使用してもよいがガス自体の圧力を利
用してもよい。噴出口1をレーザ光取り出し窓3の周り
に回転させながらガスを吹き付けることにより、特定箇
所に汚れなどが蓄積されていくのを防止できる。また、
決まった方向から吹き付けることによる冷却の方向性を
低減、解消できる。
【0031】実施の形態11.図21は本発明の実施の
形態11のレーザ加工機のガス噴出口1とレーザ光取り
出し窓3近傍を取り出し窓正面からみた模式図である。
レーザ光取り出し窓3を正面からみた模式図であり、冷
却ガスの噴出口1を回転させるかわりに、レーザ光取り
出し窓3の周囲に複数の噴出口1を設けてガスを吹き出
す噴出口1を順次切り替えるようにしたものである。吹
き付け行う噴出口1を常に一定とせずに、順次移してい
き、その吹き付けを行う方向がレーザ光取り出し窓に対
して回転するようにすることにより、冷却の方向性を解
消させることができる。図21では1穴づつでの切り替
え方式を示しているが、図4〜図6の上記実施の形態2
や3に示したような構造が順次切り替わるようにしても
良い。
【0032】実施の形態12.図20の上記実施の形態
10ではガス吹き付けの噴出口1をレーザ光取り出し窓
3の周りに回転させたが、この実施の形態12では、噴
出口1は固定とし、レーザ光取り出し窓3を冷却表面の
中心点を通る法線7を軸として回転させている。これを
図19のレーザ光取り出し窓近傍を正面からみた模式図
に示す。これにより、冷却の方向性を解消させることが
できる。
【0033】実施の形態13.この実施の形態13は、
本発明の課題である熱レンズ作用の抑制を伝搬光路であ
るダクト内に光吸収性を有するガスを流すことによって
行ったものである。図23は本発明の実施の形態13の
レーザ加工機を示す構成図である。ダクト14内にレー
ザ光5に対して吸収性のガスを流すために、その吸収性
のガスを供給するボンベ19とその流量を調節するバル
ブ20とガスを排出する排出口21が設けられている。
これらにより、ダクト14内に吸収性ガスの流れを作
り、かつその濃度を調節することにより、レーザ光5の
ビーム径を大きくし、レーザ光取り出し窓3に熱レンズ
効果が生じてもダクト14内で相殺できるようにするも
のである。熱レンズ効果相殺作用について図24の説明
図に基づき説明する。26が吸収性ガスの流れ、Aがダ
クト内空気の温度分布、Bがその屈折率分布を表してい
る。レーザ光5を伝搬させる光路であるダクト14内に
吸収性のガスを流すと、吸収性のガスはレーザ光5を吸
収し、温度上昇する。ガスの温度分布は図24のAに示
すようにレーザ光5の中心部が最も高く、周辺に行くに
従って低くなる様な分布になり、一般にガスの屈折率の
温度依存性は温度上昇に対しては負なので、屈折率分布
としては、図24のBに示すように周辺が大きく中心が
小さくなる。光線は屈折率の大きい方に曲がる性質があ
るので、結果として、レーザ光線は凹レンズを通過した
後と同様に、その径が大きくなる。この効果は、レーザ
光取り出し窓の熱レンズによる凸レンズ作用を打ち消す
方向に作用する。また、図25の構成図のように、集光
レンズ16をはずして、ビームパターンの測定装置22
をいれ、ダンパー23でレーザ光5を吸収するようにし
て、ビーム径を測定した。その結果を図26(a)(b)の
ビームパターンの断面図に示す。(a)がガスを流さなか
った場合、(b)はガスを流した場合である。このよう
に、ガスを流すことによりビーム径が拡大する。なお、
必ずしもダクト全部にガスを流す必要はない。以上のよ
うに、吸収性ガスを流すことにより、レーザ光のビーム
径を拡大でき、レーザ加工機での熱レンズ効果を相殺で
きるので、加工性能の低下を抑制でき、良好な加工がで
きる。レーザ光に対して吸収性を有するガスとしては、
レーザ光をCO2 レーザ光に限定した場合、CO2
ス、オゾンガス、H2Oを含むガスが用いられる。
【0034】実施の形態14.図27は本発明の実施の
形態14のレーザ加工機を示す構成図である。図23に
示す実施の形態13において、図18と同様にレーザ発
振器8の出力制御を行う制御装置9の信号をガス流量制
御装置10が受け取り、ガスの流量調節バルブ20を制
御するようにしたものである。図28(a)のグラフには
ダクト14に流す吸収性ガスの流量とビーム径の大きさ
との関係を示したが、この様に、流量が増加するに従い
ビーム径は拡大する。また、図28(b)のグラフはレー
ザ光の出力とビーム径との関係を示すもので、レーザ光
5の出力が上昇すると熱レンズ効果も大きくなり、ビー
ム径が小さくなることがわかる。図28(a)(b)からビ
ーム径をレーザ出力が変わっても変化しないようにする
にはガスの流量をレーザ出力に応じて変化させればよい
ことが分かる。レーザ光取り出し窓3で生じる熱レンズ
効果はレーザ光5出力が高いほど大きくなる。それゆ
え、レーザ光5の出力が高いと、それに応じたビーム径
の拡大が必要になる。ダクト14内での吸収性ガスによ
るレーザ光の吸収はガスの濃度に依存するので、吸収量
を増やしガスの温度上昇を大きくすることにより、屈折
率の変化も大きくなる。これにより、更なるビーム径拡
大ができる。
【0035】実施の形態15.この実施の形態15は上
記実施の形態13における吸収性ガスの流量をバルブで
時間的に制御し、熱レンズ効果の時定数に合わせたビー
ム拡大を行って相殺するものである。レーザ光取り出し
窓3で生じる熱レンズ効果はある時定数を持っており、
レーザ光5が通過しだしてすぐ起こる訳ではない。図2
9(a)はレーザ光が出射直後のビームのパターンで、図
29(b)は数秒間ビームを出し続けた後のビームパター
ンである。このように熱レンズ効果はある時間をかけて
成長する。即ち、ビーム径の時間変化は図30のグラフ
のようになる。この遅れ分はレーザ光取り出し窓3の吸
収率と熱容量で決まってくるが、吸収率が同程度ならば
熱容量が小さいほうが温度上昇が速く、レンズとしての
作用は速く起こる。熱容量は質量×比熱であるから、吸
収性ガスの方が明らかに小さい。即ち、凹レンズとして
の作用が速くおこるので、最初から一定流量にしてしま
うと、熱レンズ効果がおこる前にビーム径を拡大し過ぎ
てしてしまい、熱レンズが起こって初めてビーム径がも
との大きさに戻るという不安定な現象を引き起こす。一
方、吸収性ガスの流量とビーム径の拡大効果は図28
(a)に示した関係にあるので、ビームが通過しだしてす
ぐは、その拡大率を小さくして、レーザ光取り出し窓3
での熱レンズ効果即ち凸レンズとしての作用が成長して
くるに従い、徐々に大きくしていけば、レーザ光出射直
後からビーム径が変わらないようにできる。ガス流量を
時間的に制御してビーム径を少しずつ拡大することによ
り、ビーム出射直後から安定したビーム径が得られ、安
定した良好な加工が行える。
【0036】実施の形態16.この実施の形態16は、
ダクト内の温度分布によるレーザビームパターンの歪、
サーマルブルーミングを、ダクト内に非吸収性のガス流
を作ることによって解消するものである。本発明の実施
の形態16の構成は図23に示す上記実施の形態13と
同じであるが、上記実施の形態13と違うのはダクト1
4内に流すガスをレーザ光5に対して非吸収性のガスと
した点である。図31の説明図に示すように、ダクト1
4内に滞留している空気27はレーザ光に対して非吸収
性のガスであるが、わずかながらレーザ光5を吸収して
加熱され、対流によって上部に運ばれるので、ダクト1
4内の上部の温度が高くなる。図31のAの空気27の
ダクト内温度分布、Bのその屈折率分布に示すように、
空気の温度が高いほど屈折率が小さくなるので、上下方
向にプリズム作用が生じてレーザ光5が下方に曲がる。
更に、レーザ光経路が特に高温になることによる凹レン
ズ作用が重なるため、図31のようにレーザ光ビームが
下に曲がるだけでなく、図48のようにドーナツ型や三
日月状のパターンとなる。上記実施の形態13で示した
ように、図25の構成でビーム形状を測定した結果を図
32(a)(b)のビームパターンの断面図に示す。(a)は
ガスを流さない場合、(b)はガスを流した場合である。
ガスを流さない場合は、ビームの形がゆがんでいるが、
非吸収性のガスを流すことにより、きれいで安定したビ
ームの形になっている。これらの滞留空気の影響は非吸
収性ガスをダクト内などに流して押し出すことにより解
消できる。即ち、たとえレーザ光を吸収して温度上昇し
ても、非吸収性ガスが押し出してしまうので温かい空気
がダクト上方に溜まることを防ぐことができる。これを
図33の説明図に示す。28は非吸収性ガスの流れ、A
はダクト内温度分布、Bはその屈折率分布を示す な
お、非吸収性ガスの場合には熱レンズに対する作用はな
いので、図32(b)ではビームが絞れてしまうが、上下
の非対称性の改善が行われ、ビームパターンの歪が取り
除かれている。また、滞留している空気の影響がでるの
はダクトの地面に対して平行な部分だけであるので、こ
の平行ダクトの部分だけガスを流してやればよく、光路
全体に流す必要はない。
【0037】例えば、レーザ光としてCO2 レーザ光を
使用する場合には、非吸収性のガスとして乾燥空気を流
す。乾燥空気は完全な非吸収ガスとはいえないが、滞留
している空気よりはレーザ光の吸収が少なく、レーザ光
に与える影響は非常に小さい。むしろ光軸に平行に流す
ことにより滞留している空気を押しながす効果のほうが
圧倒的に大きいので、レーザ光の位置やパターンの安定
性をあげることができる。なお、レーザ光をCO2 レー
ザ光とし場合、非吸収性のガスとして、他に窒素ガス、
酸素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどが用いられ
る。
【0038】実施の形態17.図34はこの実施の形態
のレーザ加工機を示す構成図である。この実施の形態で
は、上記実施の形態13〜16ではそのまま排気してい
たガスを循環させ利用するようにしている。このため、
ガスを循環させるためのブロア24が必要になるが、ガ
スは最初に供給するだけで良く、ランニングコストは安
くなる。また、図中に矢印が点線と実線で描かれている
が、これはガスの流れる向きを表しており、上記点線の
ように逆流させてもよい。
【0039】なお、上記実施の形態13〜16において
は、ガスを流す方向がレーザ光と同じであったが、図3
5の構成図に示すように逆流させてもよい。
【0040】実施の形態18.図36は本発明の実施の
形態18のレーザ加工機を示す構成図であり、この実施
の形態では上記実施の形態13〜16と異なり、レーザ
光に対して吸収性を有するガスと、非吸収性のガスを一
緒に流している。19A、19Bはそれぞれ吸収性ガ
ス、非吸収性ガスのボンベであり、20A、20Bはそ
れぞれに対する流量調節用のバルブである。上述したよ
うに、吸収性のガスを流すとビーム径拡大、熱レンズ作
用相殺効果がある。ところが、吸収性ガスのビーム径拡
大作用は非常に大きく、極く僅かな量を流しただけでも
ビーム径はかなり大きくなってしまう。時には伝搬途中
でダクトの内面にあたってしまう。このため、吸収性ガ
スの流量は少なくせざるを得ず、少なくした場合ダクト
内の滞留空気の温度分布の影響を取り除ききれなかっ
た。これは図26(b)に示したように、吸収性のガスを
流した場合でもビームの形がくずれていることからわか
る。この実施の形態は、そのため非吸収性のガスも一緒
に流してやり、安定したビームをとりだし、かつビーム
径の拡大も行おうとするものである。その効果を図37
(a)(b)のビームパターンの断面図に示す。(a)はガス
を流さない場合、(b)は吸収性のガスと非吸収性のガス
をともに流した場合である。両方のガスを流すことによ
り、図26(b)のビーム拡大効果と図32(b)のパター
ン安定化効果を合わせた、安定したきれいな形とビーム
径の拡大が達成されていることがわかる。レーザ光5を
伝搬するダクト14内に、レーザ光5に対して吸収性の
ガスと非吸収性のガスの混合ガスを流すことにより、熱
レンズ効果を相殺するビーム径拡大作用と、滞留空気を
押し出してビームの安定性を向上させる作用をあわせて
発揮する。
【0041】実施の形態19.上記実施の形態18では
ボンベを吸収性ガスと非吸収性ガス供給用の2個使った
が、吸収性ガスと非吸収性ガスを混ぜた1本の混合ガス
が封入されたガスボンベでガスを供給するようにしても
よい。
【0042】また、この場合に、混合ガスの流量をバル
ブで調節することにより、上記実施の形態14と同様に
レーザ光出力に応じた熱レンズ効果相殺を行い、かつ安
定したビームパターンを得ることができる。この場合の
装置構成は図27と同様であり、混合ガスのボンベを用
いている点が異なっている。さらに、レーザ光を伝搬す
る光路、ダクト14内に、レーザ光5に対して吸収性の
ガスと非吸収性のガスの混合ガスを流し、かつその混合
ガスの流量を制御することにより、レーザ光の出力変化
に対応して熱レンズ効果を相殺することができる。同時
に滞留空気を押し出すこともでき、ビームの安定性を向
上させることができる。
【0043】さらにまた、混合ガスの流量をバルブで時
間的に制御することにより、上記実施の形態15と同様
に熱レンズ効果の時定数に合わせたビーム拡大を行って
相殺し、かつ安定したビームパターンを得ることができ
る。
【0044】実施の形態20.図38はこの実施の形態
20のレーザ加工機を示す構成図であり、上記実施の形
態18において、ビーム径に大きく影響を与えるのは吸
収性ガスの流量なので、この実施の形態19では吸収性
ガスの流量のみを制御している。上記実施の形態14と
同様にレーザ光出力に応じた熱レンズ効果相殺を行い、
かつ同時に滞留空気を押し出し、安定したビームパター
ンを得ることができる。
【0045】また、上記実施の形態18において、ビー
ム径に大きく影響を与える吸収性ガスの流量のみを時間
的に制御することにより、上記実施の形態15と同様に
熱レンズ効果の時定数に合わせたビーム拡大を行って相
殺し、かつ安定したビームパターンを得ることができ
る。
【0046】実施の形態21.図39は本発明の実施の
形態21のレーザ加工機を示す構成図である。この実施
の形態は、レーザ光取り出し窓3の冷却による熱レンズ
効果相殺を行うとともに、その吹き付け冷却に使ったガ
スを利用してビームの安定化を同時に図るものである。
即ち、レーザ光5を伝搬するダクト14内に、レーザ光
取り出し窓3を冷却するのに使用した吹き付け冷却用の
ガスをそのまま流し、ビームの安定性を向上させてい
る。図40の構成図のように集光レンズ16にもガス吹
き付け冷却を行うと更によい。この場合、ガスの排気口
21は図のようにダクトが地面に対して垂直となってい
る所に設けるのが良い。これは、ダクトの地面に平行な
所にガスだまりを作らないようにするためである。
【0047】実施の形態22.図41は本発明の実施の
形態のレーザ加工機を示す構成図である。25はガス供
給用のダクト14の覆いである。上記実施の形態13〜
20までのガスの供給方法では、ガス供給口は1個か2
個であったが、この実施の形態では、これをもっと増や
して図のように沢山の穴からガスを出させるようにして
いる。レーザ光5を伝搬する光路途中のダクト14に複
数個のガス供給口を設けてガスを流すことにより、光路
全体に均一なガス流をつくることができ、ビーム径拡大
作用や、滞留空気を押し出す作用が安定して行わせるこ
とができる、なお、図41のこの構成においても、ガス
を循環させてもよいし、逆流にしても良い。また、1穴
ごとに流量を変えるようなことをしても良い。ただし、
その場合は各穴に対してバルブを用意する必要がある。
【0048】実施の形態23.この実施の形態は、ダク
ト内の温度分布によるレーザビームパターンの歪、サー
マルブルーミングを解消するものである。前述のよう
に、レーザ光のビームは加工レンズまでダクト内を通す
ことが多い。このダクト内には気体、一般には空気が存
在し、空気はわずかではあるがレーザ光を吸収する。特
に、水蒸気や二酸化炭素は炭酸ガスレーザの光を多く吸
収する。レーザ光を吸収した気体は温度が上昇し、その
ためその部分の屈折率が変化する。これがサーマルブル
ーミングを生じさせる原因である。また、気体は対流に
よって移動しやすいため、水平に設けられたダクト内で
は、ダクト上方と下方とで、気体の温度が顕著に異なっ
てしまい、結果としてビームが下方に曲がったり、三日
月型になる。従って、このサーマルブルーミングを低減
させるためには、ダクト内部の気体の温度分布を少なく
してやればよい。図42は本発明の実施の形態23のレ
ーザ加工機、レーザ光伝搬光路を示す構成図である。レ
ーザ光伝搬光路のダクト14部分に、気体を撹拌する攪
拌機構としてファン30を設けている。ファン30によ
って、ダクト14内の気体を撹拌することができ、ダク
ト14内部の気体の温度分布の偏り、不均一を低減する
ことができる。その結果、サーマルブルーミングが低減
ないしは解消される他、温度分布の不均一によって生じ
る様々な悪影響を低減ないしは解消することができ、良
好なレーザ加工が行える。
【0049】ところで、気体中の温度分布の偏り、不均
一が生じる最も大きな要因は気体の対流である。気体は
対流によって温度の高い部分が上方に、低い部分が下方
に集まる。このため温度分布の不均一が生じ易いという
特徴がある。図48にも示したように、サーマルブルー
ミングによって通過後のビームが下方に曲がったり、三
日月型になるのはこのためである。この気体の対流は、
気体が上方と下方とに分かれることが問題なのであるか
ら、この現象は水平に設けられたダクトで特に顕著であ
り、垂直に設けられたダクトではあまり起こらないと考
えられる。そのため、ファン30は特に水平部分に設け
るのが効果的であるということができる。
【0050】さらに、気体の温度分布の不均一は、気体
がレーザ光のエネルギーを吸収して、その部分の気体が
温度上昇を起こし、熱くなってダクト上方に移動するた
めと考えられる。そのため、ダクト水平部分でも、特に
水平部分の上側に撹拌機構のファン30を設けた方が、
上方に移動してきた気体を効率的に撹拌することができ
効果的である。
【0051】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、以下に示すような効果を奏する。
【0052】本発明の第1の構成に係わるレーザ加工機
においては、レーザ光を取り出すレーザ光取り出し窓
と、ガスをほぼ同一方向に噴出する実質的に単一のガス
噴出口を備え、上記のガスを上記レーザ光取り出し窓の
発熱部の中心に指向させ、上記ガス噴出口の中心軸とレ
ーザ光取り出し窓表面の法線のなす角度が30°以上に
設定されるとともに、上記ガス噴出口からレーザ取り出
し窓までの距離:Hとガス噴出口の直径:Dとの比:H
/Dを20以下にしして、さらに上記レーザ光取り出し
窓へのガス吹き付け時の流速を音速の70%以上にして
冷却するようにしたので、レーザ光取り出し窓を効果的
に冷却でき、温度分布が均一となるので、熱レンズ効果
を低減でき、良好なレーザ加工が行える。
【0053】本発明の第2の構成に係わるレーザ加工機
においては、ガス流量が100l/min以上にしたの
で、レーザ光取り出し窓の冷却効率を向上できる。
【0054】本発明の第3の構成に係わるレーザ加工機
においては、ガス噴出口がガスをほぼ同一方向に噴出す
る複数個の噴出口から成り、それぞれの噴出口からのガ
ス流がレーザ光取り出し窓に吹き付ける位置までは、上
記ガス流が衝突しないようにしたので、レーザ光取り出
し窓の冷却効率を向上できる。
【0055】本発明の第4の構成に係わるレーザ加工機
においては、上記ガス噴出口をレーザ光取り出し窓に対
して相対的に回動自在に形成したので、冷却の方向性を
低減、解消でき、温度分布がより均一になる。
【0056】本発明の第5の構成に係わるレーザ加工機
においては、上記ガス噴出口をレーザ光取り出し窓の周
りに複数個配置し、上記ガス噴出口からのガス吹き付け
が自在に切り替えられるようにしたので、冷却の方向性
を低減、解消でき、温度分布がより均一になる。
【0057】
【0058】本発明の第の構成は、CO2レーザ光を
吸収し熱レンズ効果を生じるレーザ光取り出し窓を備え
たCO2レーザ発振器と、該CO2レーザ光を加工対象物
まで導く伝搬光路及び集光素子とを備え、上記集光素子
で集光したCO2レーザ光を加工対象物に照射して加工
を行うレーザ加工機において、上記伝搬光路に上記CO
2レーザ光を吸収し、周辺が大きく中心が小さい屈折率
分布となるガスをレーザ出力に応じて流量を調整して
すので、ビーム取り出し窓などに熱レンズが生じてビー
ム径が小さくなったとしても、伝搬途中の光路内でビー
ム径を拡大でき、熱レンズ効果を相殺できる。
【0059】本発明の第の構成に係わるレーザ加工機
においては、CO 2 レーザ光を吸収し熱レンズ効果を生
じるレーザ光取り出し窓を備えたCO 2 レーザ発振器
と、該CO 2 レーザ光を加工対象物まで導く伝搬光路及
び集光素子とを備え、上記集光素子で集光したCO 2
ーザ光を加工対象物に照射して加工を行うレーザ加工機
において、上記伝搬光路に上記CO 2 レーザ光を吸収
し、周辺が大きく中心が小さい屈折率分布となるガス
を、ガスの濃度をレーザ光の出力に応じて調整して流す
ので、レーザ光の出力変化があっても安定したビーム径
が得られる。
【0060】本発明の第の構成に係わるレーザ加工機
においては、CO 2 レーザ光を吸収し熱レンズ効果を生
じるレーザ光取り出し窓を備えたCO 2 レーザ発振器
と、該CO 2 レーザ光を加工対象物まで導く伝搬光路及
び集光素子とを備え、上記集光素子で集光したCO 2
ーザ光を加工対象物に照射して加工を行うレーザ加工機
において、上記伝搬光路に上記CO 2 レーザ光を吸収
し、周辺が大きく中心が小さい屈折率分布となるガス
を、ガスの濃度をレーザ光の通過開始時から徐々に増や
して流すので、レーザ光の出力変化があっても安定した
ビーム径が得られる。
【0061】
【0062】本発明の第の構成は、CO2レーザ光を
吸収し熱レンズ効果を生じるレーザ光取り出し窓を備え
たCO2レーザ発振器と、CO2レーザ光を加工対象物ま
で導く伝搬光路及び集光素子を備え、上記集光素子で集
光したレーザ光を加工対象物に照射して加工を行うレー
ザ加工機において、上記伝搬光路に上記CO2レーザ光
を吸収し、周辺が大きく中心が小さい屈折率分布となる
ガスとCO2レーザ光に対し非吸収性のガスとをレーザ
出力に応じて流量を調整して流すので、レーザ発振器で
熱レンズ効果がおこったとしても、レーザ光を伝搬する
途中でその効果を相殺することができ、かつ安定したビ
ームを得ることができる。
【0063】本発明の第10の構成は、レーザ発振器
と、レーザ光を加工対象物まで導く水平方向に延びた部
分を有する伝搬光路及び集光素子とを備え、上記集光素
子で集光したレーザ光を加工対象物に照射し加工を行う
レーザ加工機において、上記伝搬光路内の水平方向に延
びた部分の上部に、気体を撹拌する攪拌機を設け、この
攪拌機の送風軸をレーザ光軸と直交する向きに設定した
ので、伝搬光路内の気体の温度分布の不均一を低減し、
レーザ光の伝搬への悪影響を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1のレーザ加工機のレー
ザ光取り出し窓と冷却ガス噴出口部分を示す断面図であ
る。
【図2】 本発明の実施の形態1に係わるレーザ光取り
出し窓のガス吹き付けによる冷却の効果を示すグラフで
ある。
【図3】 図2のΔtに対応するレーザ光取り出し窓で
の熱レンズ効果による集光の様子を示す説明図である。
【図4】 本発明の実施の形態2のレーザ加工機のガス
噴出口とレーザ光取り出し窓を正面からみた模式図であ
る。
【図5】 本発明の実施の形態3のレーザ加工機のガス
噴出口とレーザ光取り出し窓を正面からみた模式図であ
る。
【図6】 本発明の実施の形態3の変形例のレーザ加工
機のガス噴出口とレーザ光取り出し窓を正面からみた模
式図である。
【図7】 本発明に係わるガス噴出口の形状例を示す正
面図である。
【図8】 本発明の実施の形態4のレーザ加工機のガス
噴出口とレーザ光取り出し窓近傍を示す模式断面図であ
る。
【図9】 本発明の実施の形態4に係わるレーザ光取り
出し窓のガス吹き付けによる冷却効果を示すグラフであ
る。
【図10】 本発明の実施の形態5のレーザ加工機のガ
ス噴出口とレーザ光取り出し窓近傍を示す模式断面図で
ある。
【図11】 本発明の実施の形態5に係わる垂直吹き付
け冷却の場合を説明する模式断面図である。
【図12】 図11におけるガス流中心付近のガス流速
と噴出口からの距離との関係を示すグラフである。
【図13】 本発明の実施の形態5に係わるレーザ光取
り出し窓へのガス吹き付け角度と冷却効果との関係を示
すグラフである。
【図14】 本発明の実施の形態6に係わるレーザ光取
り出し窓へのガス吹き付け流速と冷却効果との関係を示
すグラフである。
【図15】 本発明の実施の形態7に係わるレーザ光取
り出し窓へのガス吹き付け流量と冷却効果との関係を示
すグラフである。
【図16】 本発明の実施の形態8のレーザ加工機のガ
ス噴出口とレーザ光取り出し窓近傍を示す模式断面図で
ある。
【図17】 本発明の実施の形態8に係わるガス噴出口
とレーザ光取り出し窓との距離と、噴出口の大きさの比
による冷却効果を示すグラフである。
【図18】 本発明の実施の形態9のレーザ加工機のレ
ーザ光取り出し窓冷却機構部分を示す構成図である。
【図19】 本発明の実施の形態9に係わるガス吹き付
け流量が一定でのレーザ光出力が大きい場合と小さい場
合のレーザ光取り出し窓の温度分布を示す特性図であ
る。
【図20】 本発明の実施の形態10のレーザ加工機の
ガス噴出口とレーザ光取り出し窓を正面からみた模式図
である。
【図21】 本発明の実施の形態11のレーザ加工機の
ガス噴出口とレーザ光取り出し窓を正面からみた模式図
である。
【図22】 本発明の実施の形態12のレーザ加工機の
ガス噴出口とレーザ光取り出し窓を正面からみた模式図
である。
【図23】 本発明の実施の形態13の熱レンズ効果を
相殺するレーザ加工機を示す構成図である。
【図24】 本発明の実施の形態13に係わる伝搬光路
内に吸収性ガスを流した場合のビーム径拡大の様子を示
す説明図である。
【図25】 本発明の実施の形態13に係わるビーム径
測定時の構成を示すレーザ加工機の構成図である。
【図26】 本発明の実施の形態13に係わるビーム径
拡大の様子を示すビームパターンの断面図である。
【図27】 本発明の実施の形態14のレーザ加工機を
示す構成図である。
【図28】 本発明の実施の形態14に係わるビーム径
とダクト内に流す吸収性ガスの流量との関係、及びビー
ム径とレーザ光出力との関係を表すグラフである。
【図29】 本発明の実施の形態15に係わるレーザ光
出射直後とレーザ光出射数秒経過後のビームパターンの
断面図である。
【図30】 本発明の実施の形態15に係わるレーザ光
出射後のビーム径の経時変化を示すグラフである。
【図31】 本発明の実施の形態16に係わる伝搬光路
内でのレーザ光が曲がる現象を示す説明図である。
【図32】 本発明の実施の形態16に係わる非吸収性
ガスを流した場合と流さない場合のビームパターンを示
す断面図である。
【図33】 本発明の実施の形態16に係わる伝搬光路
内に非吸収性ガスを流した場合のビーム径の様子を示す
説明図である。
【図34】 本発明の実施の形態17のレーザ加工機を
示す構成図である。
【図35】 本発明の実施の形態17のレーザ加工機を
示す構成図である。
【図36】 本発明の実施の形態18のレーザ加工機を
示す構成図である。
【図37】 本発明の実施の形態18に係わる吸収性の
ガスと非吸収性ガスを流した場合と流さない場合のビー
ムパターンを示す断面図である。
【図38】 本発明の実施の形態20のレーザ加工機を
示す構成図である。
【図39】 本発明の実施の形態21のレーザ加工機を
示す構成図である。
【図40】 本発明の実施の形態21のレーザ加工機を
示す構成図である。
【図41】 本発明の実施の形態22のレーザ加工機を
示す構成図である。
【図42】 本発明の実施の形態23のレーザ加工機を
示す構成図である。
【図43】 従来のレーザ加工機のレーザプレス装置を
示す斜視図である。
【図44】 従来のレーザ加工機を示す構成図である。
【図45】 従来のレーザ加工機のレーザ光取り出し窓
での熱レンズ効果を示す説明図である。
【図46】 集光レンズでの集光の様子を示す説明図で
ある。
【図47】 従来のレーザ加工機のレーザ光取り出し窓
のガス吹き付け冷却機構を示す断面図である。
【図48】 レーザ光の伝搬光路の伝搬前と後でのビー
ムパターンの変化を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ガス噴出口、2 吹き付けガス、3 レーザ光取り
出し窓、4 ガス吹き付け用ジャケット、5 レーザ
光、6 ガス噴出口の中心軸、8 レーザ発振器、9
制御装置、10 ガス流制御装置、11 冷却用ガスボ
ンベ、14 ダクト、15 反射鏡、16 集光レン
ズ、17 加工対象物、19 吸収性ガスボンベ、19
A 吸収性ガスボンベ、19B 非吸収性ガスボンベ、
27 空気、30 ファン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 民田 太一郎 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (72)発明者 田中 正明 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (72)発明者 加賀 邦彦 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−162586(JP,A) 特開 平9−70683(JP,A) 特開 平6−17120(JP,A) 特開 昭58−128781(JP,A) 特開 平4−123890(JP,A) 実開 昭61−133282(JP,U) 実開 昭59−77583(JP,U) 実開 平4−26687(JP,U) 実公 昭60−16881(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 26/14 B23K 26/06 B23K 26/08

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光を取り出すレーザ光取り出し窓
    と、ガスをほぼ同一方向に噴出する実質的に単一のガス
    噴出口を備え、上記のガスを上記レーザ光取り出し窓の
    発熱部の中心に指向させ、上記ガス噴出口の中心軸とレ
    ーザ光取り出し窓表面の法線のなす角度が30°以上に
    設定されるとともに、上記ガス噴出口からレーザ取り出
    し窓までの距離:Hとガス噴出口の直径:Dとの比:H
    /Dを20以下にして、さらに上記レーザ光取り出し窓
    へのガス吹き付け時の流速を音速の70%以上にして冷
    却することを特徴とするレーザ加工機。
  2. 【請求項2】 ガス流量が100l/min以上である
    ことを特徴とする請求項1記載のレーザ加工機。
  3. 【請求項3】 上記ガス噴出口がガスをほぼ同一方向に
    噴出する複数個の噴出口から成り、それぞれの噴出口か
    らのガス流がレーザ光取り出し窓に吹き付ける位置まで
    は、上記ガス流が衝突しないようにしたことを特徴とす
    る請求項1または2に記載のレーザ加工機。
  4. 【請求項4】 上記ガス噴出口をレーザ光取り出し窓に
    対して相対的に回動自在に形成したことを特徴とする請
    求項1または2に記載のレーザ加工機。
  5. 【請求項5】 上記ガス噴出口はレーザ光取り出し窓の
    周りに複数個配置され、上記ガス噴出口からのガス吹き
    付けが自在に切り替えられることを特徴とする請求項1
    または2に記載のレーザ加工機。
  6. 【請求項6】 CO2レーザ光を吸収し熱レンズ効果を
    生じるレーザ光取り出し窓を備えたCO2レーザ発振器
    と、該CO2レーザ光を加工対象物まで導く伝搬光路及
    び集光素子とを備え、上記集光素子で集光したCO2
    ーザ光を加工対象物に照射して加工を行うレーザ加工機
    において、上記伝搬光路に上記CO2レーザ光を吸収
    し、周辺が大きく中心が小さい屈折率分布となるガスを
    レーザ出力に応じて流量を調整して流すことを特徴とす
    るレーザ加工機。
  7. 【請求項7】 CO 2 レーザ光を吸収し熱レンズ効果を
    生じるレーザ光取り出し窓を備えたCO 2 レーザ発振器
    と、該CO 2 レーザ光を加工対象物まで導く伝搬光路及
    び集光素子とを備え、上記集光素子で集光したCO 2
    ーザ光を加工対象物に照射して加工を行うレーザ加工機
    において、上記伝搬光路に上記CO 2 レーザ光を吸収
    し、周辺が大きく中心が小さい屈折率分布となるガス
    を、ガスの濃度をレーザ光の出力に応じて調整して流す
    ことを特徴とするレーザ加工機。
  8. 【請求項8】 CO 2 レーザ光を吸収し熱レンズ効果を
    生じるレーザ光取り出し窓を備えたCO 2 レーザ発振器
    と、該CO 2 レーザ光を加工対象物まで導く伝搬光路及
    び集光素子とを備え、上記集光素子で集光したCO 2
    ーザ光を加工対象物に照射して加工を行うレーザ加工機
    において、上記伝搬光路に上記CO 2 レーザ光を吸収
    し、周辺が大きく中心が小さい屈折率分布となるガス
    を、ガスの濃度をレーザ光の通過開始時から徐々に増や
    して流すことを特徴とするレーザ加工機。
  9. 【請求項9】 CO2レーザ光を吸収し熱レンズ効果を
    生じるレーザ光取り出し窓を備えたCO2レーザ発振器
    と、CO2レーザ光を加工対象物まで導く伝搬光路及び
    集光素子を備え、上記集光素子で集光したレーザ光を加
    工対象物に照射して加工を行うレーザ加工機において、
    上記伝搬光路に上記CO2レーザ光を吸収し、周辺が大
    きく中心が小さい屈折率分布となるガスとCO2レーザ
    光に対し非吸収性のガスとをレーザ出力に応じて流量を
    調整して流すことを特徴とするレーザ加工機。
  10. 【請求項10】 レーザ発振器と、レーザ光を加工対象
    物まで導く水平方向に延びた部分を有する伝搬光路及び
    集光素子とを備え、上記集光素子で集光したレーザ光を
    加工対象物に照射し加工を行うレーザ加工機において、
    上記伝搬光路内の水平方向に延びた部分の上部に、気体
    を撹拌する攪拌機を設け、この攪拌機の送風軸をレーザ
    光軸と直交する向きに設定したことを特徴とするレーザ
    加工機。
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