JP3159633U - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ベース部の加工について平易かつ工数が少なくする事を可能とし、安価かつ樹脂充填部の剥離を防止した半導体装置を提供する。【解決手段】ベースと、ベースに充填された樹脂と、ベースに固着された半導体チップと、半導体チップに固着されたリードを有する。べースの側壁部又はチップ搭載部に、複数の突起部が間欠的に形成され、樹脂が突起部を被覆している。【選択図】図1

Description

本考案は半導体装置にかかり、低コストな加工で製造する事が可能で、高温の雰囲気下においても信頼性を維持する事の出来る半導体装置に関する。
半導体チップを固着したベースが放熱体の嵌合フィンに圧入して装着される半導体装置は、例えば下記特許文献1により公知の技術である。このような構造の半導体装置は、凹状のベースと、ベースの一方の主面に導電性接着材によって固着された半導体チップと、半導体チップの上面に半田によって固着された棒状のリードと、ベースの開口部内に充填され半導体チップおよびリードの一部とを被覆して保護膜として機能する樹脂充填部を有する半導体装置である。
この半導体装置は、半導体チップの固着されたベースが放熱体のフィンに圧入されて使用される。すなわち、ベース底板を冶具により押圧して、半導体装置をリード側から放熱体のフィンに圧入する。このとき、半導体チップに対し応力が印加され、半導体チップが破壊される事が本技術分野における大きな課題となっている。
実登3107527号公報 実登3098823号公報 特許4033904号公報
しかし前記特許文献1においては樹脂とベース部の食いつきを重視してベース部に複数の微少な凹凸を設けているが、これら微少な凹凸は複数回の加工を必要とし、工数の増大ひいてはコストアップに繋がってしまうという問題があった。また前記特許文献2、3においても樹脂とベース部の食いつきを目的とした爪部をベースの内径に沿って設けているが、全週に渡ってこのような加工を設ける事は機械加工状困難であり、高価で高機能な加工機を必要とした。また、爪部を全周に渡って設けることで爪部の下側に空気が溜り、ボイドが発生する虞があった。
そこで本考案はベース部の加工について平易かつ工数が少なくする事を実現し、安価で信頼性の高い半導体装置を実現する事を目的とする。
本考案の半導体装置は、図1に示すように板状の底板と、一方の端部が前記底板の主面又は側面に形成され且つ当該底板の縁部に沿って環状に設けられた側壁部と、前記底板から台状に隆起したチップ搭載部を有するベースと、前記ベースの内部空間に充填された樹脂と、当該チップ搭載部の主面に固着された半導体チップと、前記半導体チップに導電性接着材を介し固着されたリードを有し、前記ベースがフィンに圧入により装着される半導体装置において、前記チップ搭載部には、前記チップ搭載部の側面に沿って複数個の突起部が間欠的に形成されており、前記樹脂が前記突起部を被覆している事を特徴とする。
ベース1、つまりチップ搭載部10と突起部3、ベース底部8は、銅を主成分とする金属により一体に形成され、チップ搭載面2とベース部1の側壁部11が形成する凹状の空間には樹脂が充填され、樹脂充填部9を形成する半導体装置である。
また本考案の属する技術範囲において、半導体装置はオルタネータのフィンに形成された穴(図示しない)に嵌合される。
ベース部1の底であるベース底部8には凹部14が設けられても良い。凹部14をベース底部8に設けることにより、また本考案の属する技術範囲において、半導体装置はオルタネータのフィンに形成された穴に嵌合される際の治具が半導体チップ5の直下に接触しないため、嵌合時の半導体チップ5の破損を防止する事が出来る。
図5は図1に示した半導体装置の突起部3の部位を示すものであり、本考案の半導体装置の製造工程において、樹脂充填部9が形成される前の工程の状態を示すものである。
図5において突起部3はチップ搭載面2の近隣に、90度間隔に4か所設けられているが、本考案はこれに限ったものではない。個数、角度は適時変更を加えられる性格のものである。
本考案によれば、ベース部の加工について平易かつ工数が少なくする事が可能であり、安価かつ樹脂充填部の剥離を防止した半導体装置を実現する事が出来る。また、突起部を間欠的に設けることでボイドの原因となる空気溜りを防止する事が出来る。
本考案の半導体装置の第一の実施例は、図1に示すようにチップ搭載部10のチップ搭載面2及びチップ搭載面2の周囲に部分的に設けられた突起部3を有するベース1と、第1の導電性接着剤4を介してチップ搭載部10のチップ搭載面2に固定された一方の主面を有する半導体チップ5と、第2の導電性接着剤6を介して半導体チップ1の他方の主面に固着されたリード7とを有する。ベース1は円柱状の銅、若しくは銅を主成分とした銅合金インゴット (図示しない)をプレス加工し凹部を成型する方法等で形成される。この際に同時に突起部3は形成される。
底板13はベース部1において、樹脂が充填されている部位の底である。半導体装置の第一の実施例においてチップ搭載部10は底部13が隆起した台形状である。そのため突起部3はチップ搭載面2と底部13の間の領域に形成されている。
外壁部12には高さ方向にスリットが設けられていても良い。突起部にスリットが設けられる事でフィンに対する半導体装置の嵌合の際に指向性を持って装着されるため比較的少量の力で圧入する事が出来、作業者の負担が軽減される。
また、よりフィンとの強固な固着を求める場合には外壁部12にローレット加工を施しても良い。ローレット文様は菱、四角、丸など形状が限定される性格のものではないが、何れの形状にせよフィンへの嵌合時により良好にフィンを切除できるため、強固な固着を実現する事が出来る。
第1の導電性接着材4及び第2の導電性接着材6について本考案の属する技術分野においては、半導体装置は主に自動車用オルタネータ用ダイオードとして使用されるため、該半導体装置は高温下、例えば220℃の雰囲気下で使用される。そのため本考案においては高温の雰囲気下においても品質の劣化が進みにくい導電性接着材を選択する事が望ましい。
また、本考案の属する技術分野においては鉛を含有した半田が用いられるがそれ限定される性格のものではなく鉛を含有しない半田、いわゆる鉛フリー半田を用いても良い。その場合は鉛を含まないという点で環境に配慮した半導体装置という商品価値を創出する事が出来る。
半導体チップ5は例えばSi(シリコン)により形成されたダイオードであるが種類が限定されるのもではない。トランジスタ装置、サイリスタ装置、集積回路等種々の半導体装置にも本考案を同様に適用できることは明らかであり、Siに限らずSiC(シリコンカーバイト)やGaN(窒化ガリウム)などのいわゆるワイドギャップ半導体により構成されても良い。
リード7は銅などの導電性金属材料によって形成されており、樹脂充填部9は例えばエポキシ樹脂により形成されている。本考案の属する技術分野においては、半導体装置は主に自動車用オルタネータ用ダイオードとして使用されるため、該半導体装置は高温下で使用される。そのため樹脂充填部9は高温に耐える事が必要であり、本考案においても樹脂充填部9は高温の雰囲気下においても品質の劣化が進みにくい樹脂を選択する事が望ましい。
また、本考案の属する技術分野において、半導体装置は激しい高温と冷却の繰り返し(ヒートサイクル)に曝される。また、近年の高耐圧化の要求によりTj(ジャンクション温度)は上昇の一途を辿っている。そのため、図6に示すようにリード7、第1の導電性接着材4、半導体チップ5、第2の導電性接着材6、チップ搭載面2の領域に渡りJCR樹脂15を塗布する事が望ましい。また、JCR樹脂15は前述のヒートサイクルの観点からもボイドを含まない事が望ましい。
当該技術分野において、フィンは放熱性の高いアルミニウムや銅の板材から形成される場合や、異形状が容易に形成できるアルミダイキャストを使われる場合が多い。またベース底板8は図1において平面状に形成されているが、これに限定されるものではない。例えば凹凸を設けることで放熱性を向上することも可能である。
本考案の半導体装置の第2の実施例は、図2に示すように板板状の底板と、一方の端部が前記底板の主面又は側面に形成され且つ当該底板の縁部に沿って環状に設けられた側壁部とを有するベースと、前記ベースの内部空間に充填された樹脂と、当該ベースの前記底板の主面に固着された半導体チップと、前記半導体チップに導電性接着材を介し固着されたリードを有し、前記ベースがフィンに圧入により装着される半導体装置において、
前記側壁部には、その内壁面に沿って複数個の突起部が間欠的に形成されており、前記樹脂が前記突起部を被覆している事を特徴とする。
第2の実施例の形状の特徴は外壁部12の径が箇所によって異なる点が挙げられる。これは嵌合対象であるフィンの高さが比較的低い場合に選択される形状である。
また、第2の実施例においてはチップ搭載面2と底板13は同一の高さであり第一の実施例とは異なりチップ搭載部10が設けられていない。
第2の実施例においては突起部3はベース部1の側壁部11に設けられており、同様に樹脂充填部9の食いつきを最小限の個数で強めるという効果を及ぼす。また、突起部3をベース部1の側壁部11に設けることは、チップ搭載面2及びチップ搭載面2の周囲に部分的に設ける場合よりも容易に加工を行う事ができるため作業工数の面で好ましい構成である。
は本考案の第一の実施例を示す断面図である。 は本考案の第二の実施例を示す断面図である。 は本考案の第三の実施例を示す断面図である。 は本考案の第四の実施例を示す断面図である。 は本考案の第一の実施例における製造工程内の俯瞰図である。 は本考案の第一の実施例において、JCR樹脂15を塗布した状態を示す断面図である。
1、ベース
2、チップ搭載面
3、突起部
4、第1の導電性接着材
5、半導体チップ
6、第2の導電性接着材
7、リード
8、ベース底部
9、樹脂充填部
10、搭載部
11、側壁部
12、外壁部
13、底板
14、凹部
15、JCR樹脂

Claims (2)

  1. 板状の底板と、一方の端部が前記底板の主面又は側面に形成され且つ当該底板の縁部に沿って環状に設けられた側壁部と、前記底板から台状に隆起したチップ搭載部を有するベースと、前記ベースの内部空間に充填された樹脂と、当該チップ搭載部の主面に固着された半導体チップと、前記半導体チップに導電性接着材を介し固着されたリードを有し、前記ベースがフィンに圧入により装着される半導体装置において、前記チップ搭載部には、前記チップ搭載部の側面に沿って複数個の突起部が間欠的に形成されており、前記樹脂が前記突起部を被覆している事を特徴とした半導体装置。
  2. 板状の底板と、一方の端部が前記底板の主面又は側面に形成され且つ当該底板の縁部に沿って環状に設けられた側壁部とを有するベースと、前記ベースの内部空間に充填された樹脂と、当該ベースの前記底板の主面に固着された半導体チップと、前記半導体チップに導電性接着材を介し固着されたリードを有し、前記ベースがフィンに圧入により装着される半導体装置において、
    前記側壁部には、その内壁面に沿って複数個の突起部が間欠的に形成されており、前記樹脂が前記突起部を被覆している事を特徴とした半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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