JP3159368U - 衣服 - Google Patents

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Abstract

【課題】通気性および柔軟性に優れた衣服であって、防護服としても良好に使用できる優れた帯電防止性も併せ持つ衣服を提供する。
【解決手段】スパンボンド不織布により構成される衣服であって、該不織布を構成する連続繊維が、ポリエチレンが鞘部1に、ポリエチレンテレフタレートが芯部2に配された芯鞘型複合繊維3であり、該不織布はアルキルトリメチルアンモニウム塩を含有している衣服。また、アルキルトリメチルアンモニウム塩がラウリルトリメチルアンモニウムクロライドであることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本考案は、帯電防止性に優れた衣服に関するものであって、一般作業衣や、メディカル向け下着やガウン、また、インフルエンザ対応などの感染防止に用いる防護服として使用できる衣服に関するものである。
近年、メディカル用の下着、ガウンや手術着、また、インフルエンザ対応などの感染防止に用いる防護服は、使い捨てされている。また、一般作業衣では、通常の保全作業は別として、定期的なオーバーホール時などにおいては、着衣の汚れが大きいため、使い捨て作業衣を着用されることが多い。このような用途に用いられる衣服においては、着用時の蒸れを防止するために、透湿性や帯電防止性が要される。帯電防止性としては、衣服が帯電することにより、空気中の粉体や塵等が吸着することなく、静電気発生に伴う引火の原因とならない帯電防止性が求められている。
現在、防護服としては、スパンボンド不織布/メルトブローン不織布/スポンボンド不織布の複合体を用いたもの、スパンボンド不織布と透湿防水性フィルムとの複合体を用いたもの、また、フラッシュ紡糸不織布を用いたものが市場で使用されている。防護服に用いられているスパンボンド不織布やフラッシュ紡糸不織布は、柔軟性に優れることから、ポリプロピレンやポリエチレン等のオレフィン系樹脂により構成されている。
本出願人は、血液や体液のバリア性、ウィルスバリア性、通気性、柔軟性を併せ持つ防護服として、複合繊維を構成繊維とする不織布と微多孔性フィルムとが積層された複合体によって構成されるものであり、複合繊維が、芯部がポリエチレンテレフタレート、鞘部がポリエチレンで構成されるものを提案している(特許文献1)
実願2009−8149号
防護服に用いられているオレフィン系樹脂により構成される不織布は、柔軟性には優れるが、ポリオレフィン系樹脂からなる繊維は公定水分率が低いことから、繊維が摩擦により静電気を発生しやすい。したがって、防護服には帯電防止性能が付与されていることが要される。
本考案では、通気性および柔軟性に優れた衣服であって、防護服としても良好に使用できる優れた帯電防止性も併せ持つ衣服を提供することを課題とする。
すなわち、本考案は、スパンボンド不織布により構成される衣服であって、該不織布を構成する連続繊維が、ポリエチレンが鞘部に、ポリエチレンテレフタレートが芯部に配された芯鞘型複合繊維であり、該不織布はアルキルトリメチルアンモニウム塩を含有していることを特徴とする衣服を要旨とするものである。
まず、本考案の衣服と材料となるスパンボンド不織布について、説明する。
本考案において、スパンボンド不織布を構成する連続繊維は、図1にその横断面形状を示したように、ポリエチレンが鞘部(1)に、ポリエチレンテレフタレートが芯部(2)に配された芯鞘型複合繊維(3)である。なお、芯部に配されるポリエチレンテレフタレートにおいては、少量であれば、他の成分が共重合したものも用いることができる。他の成分としては、例えば、酸成分としてイソフタル酸、アジピン酸等のカルボン酸等および/またはジオール成分としてテトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。芯部に配されるポリエチレンテレフタレートの役割(耐熱性や強力)を考慮すると、エチレンテレフタレート単位は、80モル%以上とする。ポリエチレンテレフタレートの極限粘度は、0.5以上、好ましくは0.6以上のものが繊維強力の点から好ましい。
鞘部に配されるポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等が挙げられる。ポリエチレンのメルトフローレイト(JIS K 6922に記載の方法に準じて測定)は、10〜40g/10分であることが好ましい。メルトフローレイトが40g/10分を超えると、溶融粘度が低過ぎるために繊維の均斉度が劣ることとなり、スパンボンド不織布に目付斑が生じ易くなり、一方、メルトフローレイトが10g/10分未満であると、溶融粘度が高過ぎるために高速製糸性に劣る傾向となる。
芯部を形成するポリエチレンテレフタレートあるいは鞘部を形成するポリエチレン中には、必要に応じて、艶消し剤、顔料、結晶核剤、耐候剤、難燃剤あるいは酸化防止剤等の各種添加剤が、本考案の効果が損なわれない範囲で添加されていてもよい。
芯鞘型複合繊維において、その芯部と鞘部の複合比は、衣服の用途に応じて適宜決定すればよいが、鞘部の割合が少な過ぎると十分な不織布強力および伸度が低下する傾向となるので、通常は、芯部に対する鞘部の質量比は約0.5〜3.0の範囲のものを選択するとよい。
芯鞘型複合繊維の単糸繊度は、用途に応じて適宜決定すればよいが、通常は、10デシテックス以下がよい。単糸繊度が10デシテックスを超えると、不織布の風合いが硬く柔軟性に劣るためである。単糸繊度の下限は、1デシテックス程度がよい。
本考案におけるスパンボンド不織布は、前記した芯鞘型複合繊維が多数堆積してなり、不織布化したものである。不織布化の手段としては、構成繊維同士が機械的に交絡してなるものや、熱が部分的に付与されることにより熱接着されて構成繊維同士が一体化してなるもの等が挙げられるが、部分的に熱圧接部が形成されて不織布化してなるものが好ましく用いられる。不織布強度を有し、形態安定性に優れるためである。部分的な熱圧接は、熱エンボス処理または超音波融着処理によって、繊維が堆積してなる不織ウェブに熱圧接された点状等の熱圧接部を形成するものであり、熱圧接部では、鞘部であるポリエチレンのみを溶融させるとよい。本考案では、熱圧接部において溶融する重合体が、柔軟な性質であるポリエチレンであるため、部分的に熱圧接されることにより形態保持されているにもかかわらず、優れた柔軟性を有するものとなる。不織布の全面積に対して、部分的に熱圧接された全区域の比率(圧接面積率)は、4〜50%とするとよい。圧接面積率が4%未満であると、圧接区域が少な過ぎて不織布の強力や寸法安定性が劣り、しかも毛羽が立ち易い傾向となる。一方、圧接面積率が50%を超えると、不織布の風合いが硬く、柔軟性に劣る傾向となる。
スパンボンド不織布の目付は、衣服の目的や用途に応じて適宜選択すればよいが、例えば、防護服とする場合は、10〜70g/m2の範囲が好ましい。目付が10g/m2未満であると、強力等の機械的性能に劣ることとなり、一方、目付が70g/m2を超えると、不織布の風合いが硬く、柔軟性に劣る傾向となり、また、コストが高くなるため使い捨て用途としては不向きである。
本考案において、上記したスパンボンド不織布は良好なヒートシール性を有している。すなわち、スパンボンド不織布を構成する複合繊維の鞘部のポリエチレンを溶融または軟化させ、これを接着成分として、他の材料と熱接着して貼り合わせた複合体とすることができる。他の材料としては、メルトブロー不織布、透湿防水性能を有した多孔フィルム等が挙げられる。メルトブロー不織布や、透湿防水性を有する多孔フィルムと複合することにより、スパンボンド不織布が有する通気性や柔軟性を保持した状態で、血液や体液のバリア性、ウィルスバリア性も併せ持つ複合体を得ることができ、この複合体を材料として、衣服としたものは、メディカル向け下着やガウン、インフルエンザ対応などの感染防止に用いる防護服として、好適である。複合する他の材料は、熱接着性を考慮して、複合繊維の鞘部のポリエチレンと相溶性を有するものが好ましく、特にポリオレフィン系フィルムが好ましい。他の材料との貼り合わせ(複合化)は、熱ロールや熱風等の熱処理により行えばよく、スパンボンド不織布を構成する複合繊維の鞘部(ポリエチレン)を溶融または軟化させ、他の材料を貼り合わせ、必要に応じて、さらに熱や圧力等を付加して両者を接着一体化させて、複合体とする。また、他の複合化方法としては、本考案で用いるスパンボンド不織布の柔軟性と強力を活かして、接着剤を使用したラミネート法である、ウェットラミネート、ドライラミネート、ホットメルトラミネートによりフィルムあるいはメルトブロー不織布等との貼り合わせを行ってもよい。
従来の防護服用の材料として使用されていたスパンボンド不織布は、柔軟性に優れているポリプロピレンのみからなる不織布、あるいはヒートシール性を考慮して鞘部にポリエチレン、芯部にポリプロピレンの複合繊維からなるスパンボンド不織布である。これらのポリオレフィンからなる繊維は、ポリエステルが用いられた繊維に比べて、繊維強度が劣る。本考案では、鞘部にポリエチレン、芯部にポリエチレンテレフタレートを配した芯鞘型複合繊維によって不織布が構成されているため、上記したポリオレフィンによって構成される不織布よりも強力が高く、ヒートシール性が良好となる。また、スパンボンド不織布とメルトブロー不織布や微多孔フィルム等との貼り合わせの際、不織布の構成繊維の鞘部のポリエチレンを溶融させた場合も、鞘部と芯部の重合体同士の融点差が大きいため、芯部のポリエチレンテレフタレートが熱の損傷を受けないので、不織布の強度保持は高く、たとえ不織布の目付が15〜20g/mと薄いものであったとしても、芯部にポリエチレンテレフタレートを配していることから、不織布は熱に対する寸法安定性に優れ、著しく熱収縮したり、他の材料との接合面が歪んだりするという問題が生じない。また、他の材料と貼り合わせした複合体は、熱収縮等が生じ難いため、外観の変化がなく、良好な外観を保つことができる。また、メルトブロー不織布や微多孔フィルムがポリプロピレンにて構成される場合は、スパンボンド不織布のポリエチレンを溶かす温度(130〜150℃)で熱ラミネーションが可能であるため、メルトブロー不織布や微多孔フィルムが有する開孔や微多孔を熱により損傷(熱溶融)させることなく、メルトブロー不織布の通気性が保持され、また、微多孔フィルムの透湿性を保持させることができ、他の材料についても収縮等により外観変化させることなく、良好に貼り合わせることができる。
本考案においては、スパンボンド不織布は、アルキルトリメチルアンモニウム塩を含有している。アルキルトリメチルアンモニウム塩を含有していることにより、不織布には、帯電防止性が付与される。すなわち、粉塵等の微粒子が浮遊する作業現場や、揮発性溶剤を取り扱う現場において、本考案の不織布により構成される衣服を着用することにより、粉塵等が衣服に付着することを防止し、また、静電気発生に伴う爆発を防止するためである。
アルキルトリメチルアンモニウム塩を不織布に含有させる方法としては、溶剤に溶解したアルキルトリメチルアンモニウム塩を不織布に塗布等により付与する方法や、不織布を構成する繊維内にアルキルトリメチルアンモニウム塩を練り込む方法などによって行うことができる。アルキルトリメチルアンモニウム塩が帯電防止性を発現するためには、不織布表面にアルキルトリメチルアンモニウム塩による連続層が形成されることを要する。アルキルトリメチルアンモニウム塩を水または有機溶媒で希釈した溶液を不織布に塗布等した後、乾燥させることによって、アルキルトリメチルアンモニウム塩を含む被膜が形成される。この被膜が連続層となって、帯電防止性を発揮する。また連続層を形成する方法として、アルキルトリメチルアンモニウム塩を鞘部に配するポリエチレンに練り込み、これを用いて製糸することにより得られる繊維にはアルキルトリメチルアンモニウム塩の連続層が形成されて、帯電防止性を発揮する。本考案においては、アルキルトリメチルアンモニウム塩をポリエチレンに練り込む方法よりも、不織布に塗布等により付着させる方法が、優れた帯電防止性能が発揮しやすく好ましい。すなわち、アルキルトリメチルアンモニウム塩が練り込まれたポリエチレンは、紡糸工程において、芯部であるポリエチレンテレフタレートの溶融温度以上の高温下で滞留するため、アルキルトリメチルアンモニウム塩が熱劣化する恐れがあり、良好に帯電防止性能を発現しない恐れがあるためである。
アルキルトリメチルアンモニウム塩を付着させる方法としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩を水あるいは有機溶媒(揮発性アルコール等)の溶媒中に混合させた混合溶液に、不織布を浸漬して、分散溶液を含浸させた後、乾燥させる方法、あるいは不織布の片面あるいは両面に、アルキルトリメチルアンモニウム塩を水あるいは有機溶媒(揮発性アルコール等)の溶媒中に混合させた混合溶液を噴霧、塗布もしくは滴下させた後、乾燥する方法等が挙げられる。
なお、アルキルトリメチルアンモニウム塩を混合させた混合溶液において、発砲現象が生じる場合、作業環境の悪化や溶液の付着斑が生じ難くするために、混合溶液に消泡剤を添加するとよい。消泡剤としては、シリコーン系消泡剤、界面活性剤、ポリエーテル、高級アルコールなどの有機系消泡剤が挙げられるが、シリコーン系消泡剤は速効性に優れるため好ましい。また、有機系消泡剤は、水性の発泡液の消泡において優れた持続性を示すため好ましい。また、界面活性剤の中でもアセチレングリコール系消泡剤は、混合溶液の発泡抑制だけでなく、不織布表面に付与した際に不織布表面ではじかれることなく良好に馴染むため、効率よく良好な表面抵抗率を維持できる。消泡剤の添加方法としては、水であらかじめ希釈した後に、混合溶液と混合するとよい。添加量としては、有効成分換算で10〜500ppm程度であり、消泡効果によって増減さるとよい。ただ、10ppm以下であると、消泡効果としては乏しく、500ppm以上であると帯電防止性能の低下を招く恐れがある。
本考案では、不織布にはアルキルトリメチルアンモニウム塩を含有しているが、具体的には、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩、ベヘントリメチルアンモニウム塩が挙げられる。中でも、アルキル基が短いラウリルトリメチルアンモニウム塩は帯電防止性能が高く好ましく用いることができ、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドが好ましい。
不織布が含有するアルキルトリメチルアンモニウム塩の含有量は、帯電防止性を考慮すると、不織布の質量に対して0.8質量%以上がよい。含有量が多いと、帯電防止性は向上する傾向となるが、含有量が多くなると、不織布表面にベタツキ等が生じる傾向となるため、上限は2質量%程度がよい。
本考案では、アルキルトリメチルアンモニウム塩を含有している不織布は、表面抵抗率が2.5×10Ω未満がよい。表面抵抗率が2.5×10Ω未満であると、帯電防止性を有するといえる。本考案で表面抵抗率は、BS EN1149−1(2006)に準拠して測定したものであり、条件は、表面電極の内円の外径:5cm、表面の環状電極の内径:7cm、印加電圧:100V、印加時間:15秒、試験室の温湿度:23℃×25%RH、洗濯処理:未処理である。また、5回測定を行い、その平均値を表面抵抗率とした。
本考案においては、前述の不織布あるいは不織布と他の材料とを複合した複合体を用いて、適宜の大きさに裁断し、縫製あるいはヒートシールにより、適宜の衣服とする。
本考案によれば、通気性および柔軟性に優れた衣服であって、防護服としても良好に使用できる優れた帯電防止性も併せ持つ衣服を提供することができる。そして、有害ガスや有害ダストから人体を良好に保護することが可能である。また、使用後の衣服は、そのまま焼却あるいは埋設などの廃棄処分を行うことができる。
本考案に用いられる芯鞘型複合繊維の横断面形状の概略図である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例における各特性値は、以下のようにして求めた。
(1)ポリエステルの極限粘度[η];フェノールと四塩化エタンとの等質量比の混合溶媒100ccに試料0.5gを溶解し、測定した。
(2)融点(℃);パーキンエルマー社製の示差走査熱量計DSC−7型を用い、昇温速度20℃/分で測定した。
(3)ポリエチレンのメルトフローレート(g/10分);JIS K 6922に記載の方法により測定した(温度190℃、荷重21.18N)。
(4)スパンボンド不織布の表面抵抗率;
英国規格BS EN1149−1:2006記載の表面抵抗率に準拠して測定した。測定条件は前述のとおりである。
実施例1
芯部にポリエチレンテレフタレート(融点260℃、極限粘度0.70)、鞘部に高密度ポリエチレン(メルトフローレート20g/10分、密度0.957g/m3、融点130℃)の高密度ポリエチレンを用いて、下記スパンボンド法にて芯鞘型複合繊維からなるスパンボンド不織布を製造した。すなわち、前記重合体チップを原料とし、公知の溶融紡糸装置を用い、紡糸温度290℃にて芯鞘型複合断面となる紡糸口金より、繊維質量に占める鞘部の質量比率が50質量%となるよう溶融紡糸し、吸引装置により繊度3.3dTexとなるように引き取り細化させ、吸引装置から排出された糸条群を開繊させた後、移動する捕集面上に捕集・堆積させて、複合繊維が堆積してなる不織ウェブとした。この不織ウエブを、エンボスロール(エンボス突起部の面積率21%)とフラットロールとからなる熱エンボス装置に導き、両ロールの表面温度120℃、線圧294N/cm の条件下で部分的に熱圧接処理を施し、目付20g/m2のスパンボンド不織布を得た。
帯電防止剤として、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドを主成分とする商品名「カチオーゲンTML(第一工業製薬製)」を用い、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドが1%濃度となるように水で希釈した溶液に、得られたスパンボンド不織布を浸漬させて溶液を含浸させ、有効成分の最終付着量を考慮して絞りロールを用いて絞り、オーブンに入れて乾燥させ、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドが不織布質量に対して1質量%を付着させた。得られた不織布の表面抵抗率は、2.9×10Ωであった。
実施例2、3
実施例1において、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドの付着量が、2質量%(実施例2)、0.8質量%(実施例3)となるように、絞りロールによる絞り率を変更したこと以外は、実施例1と同様に実施した。得られた不織布の表面抵抗率は、1.0×10Ω以下(実施例2)、1.4×10Ω(実施例3)であった。
実施例4
実施例1において、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドが1%濃度となるように水で希釈した溶液に、消泡剤として商品名「オルフィンAF−103(日信化学製)」を、溶液量中に100ppm添加したこと以外は、実施例1と同様に実施した。得られた不織布の表面抵抗率は、4.3×10Ωであった。
実施例5
実施例2において、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドが1%濃度となるように水で希釈した溶液に、消泡剤として商品名「オルフィンAF−103(日信化学製)」を、溶液量中に100ppm添加したこと以外は、実施例2と同様に実施した。得られた不織布の表面抵抗率は、2.1×10Ωであった。
実施例6
実施例3において、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドが1%濃度となるように水で希釈した溶液に、消泡剤として商品名「オルフィンAF−103(日信化学製)」を、溶液量中に100ppm添加したこと以外は、実施例3と同様に実施した。得られた不織布の表面抵抗率は、1.9×10Ωであった。
実施例7
実施例1において、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドが1%濃度となるように水で希釈した溶液にスパンボンド不織布を含浸するのではなく、不織布両面に、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドが不織布質量に対して1質量%付着するようにスプレーで均一に塗布したこと以外は、実施例1と同様に実施した。得られた不織布の表面抵抗率は、6.1×10Ωであった。
比較例1
実施例1において、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドが1%濃度となるように水で希釈した溶液を付与しないスパンボンド不織布を比較例1とした。ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドを付与しなかった不織布の表面抵抗率は、3.2×1016Ωであった。
本考案の不織布は、前記実施例にて示したような表面抵抗率の値を有するものであり、帯電防止性能として良好である。また、実施例1〜3では、溶液に消泡剤を混合していないため、含浸後の絞りロールを通した後、溶液は泡立ちが発生したが、実施例4〜6では、溶液の泡立ちの発生はなく生産性も良好であった。
本考案では、実施例で得られた不織布を材料として、適宜の大きさに裁断し、縫製等によって、衣服とする。
1:鞘部
2:芯部
3:芯鞘型複合繊維

Claims (6)

  1. スパンボンド不織布により構成される衣服であって、該不織布を構成する連続繊維が、ポリエチレンが鞘部に、ポリエチレンテレフタレートが芯部に配された芯鞘型複合繊維であり、該不織布はアルキルトリメチルアンモニウム塩を含有していることを特徴とする衣服。
  2. アルキルトリメチルアンモニウム塩がラウリルトリメチルアンモニウムクロライドであることを特徴とする衣服。
  3. アルキルトリメチルアンモニウム塩が0.8〜2質量%含有していることを特徴とする請求項1または2記載の衣服。
  4. アルキルトリメチルアンモニウム塩を含有してなるスパンボンド不織布の表面抵抗値が、2.5×10Ω以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の衣服。
  5. アルキルトリメチルアンモニウム塩がスパンボンド不織布に付着していることを特徴とする請求項1〜4記載の衣服。
  6. 請求項1〜5のいずれか記載の衣服からなることを特徴とする防護服。
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