JP3158623U - 飼料用コンテナ本体、飼料用コンテナ及びこれを用いた飼料積替え装置 - Google Patents

Abstract

【課題】傾斜型コンテナであってコンテナの体積効率に優れ、収納された粉粒体の効率的な排出を行うことができ、飼料の貯蔵や輸送に好適に使用することができる飼料用コンテナ本体、飼料用コンテナ及びこれを用いた飼料積替え装置を提供する。【解決手段】本飼料用コンテナ本体１０は、本体部１１と、その下方に連接するホッパ部１３とからなり、前記本体部は直角六面体の一の隅部を頂部とする三角柱が切り落とされた形状をし、ホッパ部は前記直角六面体の切断面を受入面とする四角錐台状の形状をし、頂部に排出口を有する。【選択図】図１

Description

本考案は、粉粒体、特に飼料の貯蔵、飼料のトラック等への迅速な積替え又は輸送に好適に使用することができる飼料用コンテナ本体、飼料用コンテナ及びこれを用いた飼料積替え装置に関する。

粉粒体の貯蔵や輸送に使用されるコンテナは、これに収納された粉粒体を排出する際に、粉粒体の完全排出を行うことができるようその下方に設けられた排出口に向けて縮径する傾斜部を有している。そのようなコンテナの傾斜部は、一般には、粉粒体が傾斜部において自然落下しやすいように粉粒体の安息角を考慮した四角錐台状又は円錐台状の形状をしている。

例えば、特許文献１に、内容物である粉粒体の安息角を越える傾斜を有する錐状の錐状部を備えた容器本体を有するコンテナが開示されている。そして、その明細書に実施例が記載され、錐状部の各側板の傾斜角度について、錐状部４の前板４ａの水平面に対する傾斜角度は５７°、後板４ｂの同傾斜角度は７９°、左右の側板４ｃ、４ｄの同傾斜角度は６４°であることが記載されている。

上記特許文献１に開示されたコンテナのように、これに収納された粉粒体を、コンテナを静置した状態でその四角錐台状又は円錐台状の頂部に設けられた排出口から排出する形態のコンテナに対し、特許文献２には、粉粒体を排出するに際し、コンテナを回転し傾斜させて粉粒体を排出させるようにしたコンテナが開示されている。すなわち、粉粒体を収納する本体を筒状胴部とその両端の端壁よりなる密閉可能な横置き型の容器となすと共に、前記容器の一方の端壁をその頂点が下方に向くように前記筒状胴部に接続された錐体状壁となしてその頂点部に排出口を設けた粉粒体用コンテナが開示されている。その粉粒体用コンテナは、錐体状壁をなす端壁が四角錐体状でその底面側の端壁は筒状胴部の底面側の側壁と同一平面になるようになっている。

また、特許文献３に、起倒可能なトレーラ等に積載して粉粒体をスムーズに排出することができる可搬式バルクコンテナが開示されている。本可搬式バルクコンテナは、直方体形状をした筒状の本体と、その本体の前端面の中央下部に突設された先端を円形に絞った漏斗状の排出口とを有している。そして、排出口の下端は、排出口と本体底部が屈折して角部を形成しないように本体底部の延長上に位置するように形成されるのが好ましいと記載されている。

特開2008-18990号公報 特公平02-6711号公報 特開平11-59781号公報

特許文献１に開示されたコンテナのように、収納された粉粒体の排出がその自然落下により行われるコンテナは、コンテナの排出口部分が粉粒体の安息角を考慮した傾斜壁を有する構造になっているために、粉粒体を収納する部分が狭くなりコンテナの体積効率が悪くなるという問題がある。

一方、特許文献２又は３に開示された傾斜型のコンテナは、収納された粉粒体を排出する際に、コンテナの排出口が設けられた端壁と反対側の端壁側を持ち上げる又は吊り上げてコンテナの排出口が下方に向くようにしなければならないが、体積効率が優れたコンテナである点で好ましい。しかし、粉粒体が満載された状態からコンテナを持ち上げる又は吊り上げなければならないという問題があり、コンテナの持上げ又は吊上げ装置の規模が大きくなるという問題がある。また、さらにコンテナの体積効率を向上させ、コンテナによる粉粒体の貯蔵又は輸送効率の向上を図ることが求められている。

本考案は、かかる従来の形態のコンテナが有する問題点及び近年の効率化の要請に鑑み、傾斜型コンテナであってコンテナの体積効率に優れ、収納された粉粒体の効率的な排出を行うことができ、飼料の貯蔵や輸送に好適に使用することができる飼料用コンテナ本体、飼料用コンテナ及びこれを用いた飼料用コンテナの回転・傾斜が容易な飼料積替え装置を提供することを目的とする。

本考案に係る飼料用コンテナ本体は、本体部と、その下方に連接するホッパ部とからなり、それらに外接する前後面、左右側面、天面及び底面からなる直角六面体とほぼ同一形状の前面から見て対称な形状を有する飼料用コンテナ本体であって、前記本体部は、天面側に飼料を受け入れる投入口を有し、前記前面と前記底面とでなす稜線ａ、その稜線ａに平行な前記前面上の所定高さに表れる直線ｂ、前記底面と前記後面とでなす稜線ｃとを三辺とする三角柱が切り落とされた形状をし、前記ホッパ部は、前記切り落とされた三角柱を形成する直線ｂ、稜線ｃ、前記左側面と前記右側面上に表れる傾斜した直線ｄ及び直線ｅより形成される傾斜面を受入面とし、所定の開口径の排出口であって前記底面に対して傾斜し、かつ前記稜線ａの近辺に設けられた排出口と、前記受入面からその排出口に向かって傾斜する壁面を有する形状をなしている。

上記考案において、ホッパ部の壁面は、受入面から四側壁が垂下する四角錐であって、その四側壁の一面が底面と同一平面上にある四側壁から形成され、排出口は、その方向が稜線ａの方向により一層向くように、前記四角錐の頂部をホッパ部の受入面に対し傾斜した平面で截頭された四角錐台上に設けられているのがよい。

上記飼料用コンテナ本体と、その飼料用コンテナ本体の投入口の開閉を行う上蓋及び排出口の開閉を行うダンパと、前記飼料用コンテナ本体を収納する枠体と、により容積効率に優れ、取扱い及び段積みが容易で保管効率に優れた飼料用コンテナを構成することができる。

本考案に係る飼料用コンテナにおいては、枠体は、排出口の周囲に垂直補強部材を有するのが好ましく、ダンパは、稜線ａに対して平行に移動させることにより排出口の開閉を行うシャッタを有するのがよい。

上記飼料用コンテナを用いて飼料用コンテナ内の飼料をトラック等に迅速かつ効率的に排出し、積み替え可能な飼料積替え装置を構成することができる。すなわち、上記飼料用コンテナと、その飼料用コンテナ内の飼料を配送するトラックの飼料受入口の所定位置に該飼料用コンテナを移送するコンテナ搬送手段と、前記飼料用コンテナをその幅方向軸の回りに回転させて飼料の排出を促進させる回転手段と、前記コンテナ搬送手段及び前記回転手段を載置し、それらの下方にトラック等の輸送手段を収容することができる架台とを有する飼料積替え装置を構成することができる。本飼料積替え装置において回転手段は、飼料用コンテナを回転させる回転軸が飼料用コンテナ本体の稜線ａの近辺に設けられているのがよい。

本考案に係る飼料用コンテナ本体は、ほぼ直角六面体形状をしており体積効率に優れている。この飼料用コンテナ本体を用いて容積効率に優れ、取扱い及び段積みが容易で保管効率に優れた飼料用コンテナを構成することができ、また、収納された飼料を迅速かつ効率的に排出し、移送することができる飼料積替え装置を構成することができる。

本考案に係る飼料用コンテナ本体の斜視図（図１（ａ））、本飼料用コンテナに外接する直角六面体を示す図（図１（ｂ））である。 図１の中心断面AAの端面図である。 本考案に係る飼料用コンテナの三面図を示し、図３（ａ）は正面図、図３（ｂ）は平面図、図３（ｃ）は側面図である。 図３に示す飼料用コンテナの排出口部の断面図である。 本考案に係る飼料積替え装置の概要を示す正面図である。

以下、考案を実施するための形態について図面を基に説明する。本考案に係る飼料用コンテナ本体の例を、図１及び図２に示す。図１（ａ）は本飼料用コンテナ本体の斜視図、図１（ｂ）は、本飼料用コンテナ本体に外接する直角六面体を示す図である。図２は、図１に示す本飼料用コンテナ本体の中央断面AAの端面図である。

本飼料用コンテナ本体10は、図１（ａ）に示すように、本体部11と、その下方に連接するホッパ部13とからなる。そして、飼料用コンテナ本体10は、その外接する直角六面体（図１（ｂ））とほぼ同一な形状をしており、中央断面AAに対して対称な形状をしている。すなわち、飼料用コンテナ本体10は、前面11a、後面11b、左側面11c、右側面11d、天面11e及び底面11fからなる直角六面体とほぼ同一な形状をしており、この直角六面体は、また、以下に説明する飼料用コンテナを構成する枠体とほぼ同一な形状になっている。

本体部11は、天面11e側に飼料を受け入れる投入口12を有し、前面11aと底面11fとでなす稜線ａ、その稜線ａに平行な前面11a上の所定高さに表れる直線ｂ、底面11fと後面11bとでなす稜線ｃとを三辺とする三角柱が切り落とされた形状をしている。このように、本考案に係る飼料用コンテナ本体10は、従来の傾斜型コンテナと異なり、その外接する直角六面体から切り落とされる体積を小さくすることができるのでコンテナの体積効率をさらに向上させることができる。

ホッパ部13は、上述の三角柱の切断面、すなわち、直線ｂ、稜線ｃ、左側面11cと右側面11d上に表れる傾斜した直線ｄ及び直線ｅにより形成される傾斜面を受入面14とし、この受入面14から垂下する四側壁が形成する四角錐台状の形状をしており、頂部に排出口15を有している。そして、このホッパ部13の傾斜した四側壁のうち底面11f側の側壁は、底面11fと同一平面上にあるようになっている。これにより、飼料用コンテナ本体10は、その外接する直角六面体から切り落とされる体積を少なくすることができるので、コンテナの体積効率をさらに向上させることができる。

また、本ホッパ部13の排出口15が設けられている四角錐台状の頂部は、受入面14に対し傾斜した平面で截頭された形状をしており、排出口15の方向が稜線ａの方向により一層向くようになっている。これにより、飼料用コンテナ本体10は、その外接する直角六面体から切り落とされる体積をできるだけ少なくすることができ、かつ、所要の開口径を有する排出口15を設けることができる。このため、体積効率に優れ、飼料の排出を効率的に行うことができる飼料用コンテナ本体10を構成することができる。また、以下に説明するように、飼料用コンテナ本体10は、これを回転し傾斜させて飼料を排出する際に、排出口15の方向変化を少なくすることができるので飼料のトラック等への移送を効率的に行うことができる。

以上、飼料用コンテナ本体10について説明した。本飼料用コンテナ本体10は、上述のように、ホッパ部13を構成する四側壁が四角錐台状になっているが、本考案に係る飼料用コンテナ本体のホッパ部は、受入面14から排出口15に向かって縮径する傾斜面が形成されたものとすることができる。なお、排出口15は、円形状であるものが飼料の排出を円滑に行うことができる。また、本飼料用コンテナ本体は、強化樹脂製とすることができる。

上記飼料用コンテナ本体10により、以下のような飼料用コンテナを構成することができる。すなわち、本飼料用コンテナ100は、図３に示すように、飼料用コンテナ本体10と、その飼料用コンテナ本体10の投入口12の開閉を行う上蓋20、飼料用コンテナ本体10の排出口15の開閉を行うダンパ30と、飼料用コンテナ本体10を収納する枠体40と、を有している。なお、本例の飼料用コンテナ100の飼料用コンテナ本体10は、ホッパ部13の受入面14の傾斜角度が水平面に対して16°傾斜しており、ホッパ部13の四側壁のうち前面側が68°、側面側が排出口15の中心を通る垂直面において46°、排出口15の法線方向が55°傾斜している。

上蓋20は、投入口12を密閉状態に覆うことができ、容易に開閉できるものであればよい。ダンパ30は、排出口15を密閉状態に覆うことができ、容易に開閉できるものであればよい。また、ダンパ30は、以下に説明する枠体40の隅部、すなわち、図２に示す稜線ａの近辺にあるので、排出口15の開閉が稜線ａに沿って移動するシャッタにより行うことができるようなものがよい。例えば、ダンパ30は、図４に示すように、排出口15の縁部に設けられたダンパ枠31に、ベアリング34を介してスライド可能なシャッタ35を設けたものを使用することができる。なお、図４は、飼料用コンテナ本体10のAA断面の排出口部を示す断面図であり、シャッタ35は、紙面と垂直方向にスライドするようになっている。ダンパ枠31は、ダンパ30の下端側に雨だれ流出用のフランジ31aを設けたものがよい。

枠体40は、飼料用コンテナ本体10を収容するとともに飼料用コンテナ本体10の強度を補強する機能を有しており、飼料用コンテナ本体10が外接する直角六面体とほぼ同形になっている。そして、枠体40の横リブ43は、巻き付けられた緩衝部材を介して飼料用コンテナ本体10と接触し、収納された飼料からの押圧力に抗することができるようになっている。また、飼料用コンテナ100を回転し傾斜させたときに排出口15の周囲に下方向の大きな荷重がかかるので、排出口15の周囲の前面11a側、左側面11c側及び右側面側11dに縦リブ45（45A、45B）を設けるのがよい。また、飼料用コンテナ100を運搬、移動させるためにフォークリフト用の爪挿入口48を設けるのがよい。

上記飼料用コンテナ100を用いて、飼料用コンテナ100から輸送手段に飼料を迅速かつ効率的に排出し、積み替えることができる飼料積替え装置を構成することができる。例えば、図５に示す飼料積替え装置を構成することができる。この飼料積替え装置500は、上述の飼料用コンテナ100と、その飼料用コンテナ内の飼料を配送するトラックの飼料受入口の所定位置に該飼料用コンテナを移送するコンテナ搬送手段200と、飼料用コンテナ100をその幅方向軸の回りに回転させて飼料の排出を促進させる回転手段300と、コンテナ搬送手段200及び回転手段300を載置し、それらの下方にトラック等の輸送手段（図示せず）を収容することができる架台400とを有している。なお、本飼料積替え装置は、二台の飼料用コンテナ100を同時に又は順次に操作することができるようになっている。

上記飼料積替え装置500において、回転手段300は、飼料用コンテナ100を30〜45°傾斜させることができるものがよい。また、回転手段300の回転軸350は、飼料用コンテナ本体の稜線ａの近辺に設け、排出口15の位置及び方向変動が少なくなるようにするのがよい。

本積み替え装置500において、飼料用コンテナ100からトラック等の輸送手段への飼料の積替えは以下のように行われる。先ず、輸送手段を架台400の所定の位置に停め、その飼料受入口が所定位置に来るようにする。次に、飼料用コンテナ100の排出口15が、輸送手段の飼料受入口に対向する所定位置にあるように、飼料用コンテナ100を搬送し停止させる。そして、飼料用コンテナ100のダンパ30を開いて収納された飼料を排出させる。本飼料用コンテナ100において、飼料はその重量により迅速に排出されるが、飼料がある程度排出された後、すなわち、稜線ｃを頂部とする隅部R（図５）に残留するようになると、飼料の排出速度が遅くなるか又は排出できなくなる。このため、飼料の排出速度が一定以下になったときに回転手段200を作動させ、飼料用コンテナ100を傾斜させて飼料の排出を促進させる。このため、本積み替え装置500においては、飼料がある程度排出された後に飼料用コンテナ100を傾斜させるので、回転手段200の負荷を小さくすることができる。

10 飼料用コンテナ本体
11 本体部
12 投入口
13 ホッパ部
14 受入面
15 排出口
20 上蓋
30 ダンパ
31 ダンパ枠
34 ベアリング
35 シャッタ
40 枠体
43 横リブ
45、45A、45B 縦リブ
48 爪挿入口
100 飼料用コンテナ
200 コンテナ搬送手段
300 回転手段
350 回転軸
400 架台
500 積み替え装置

Claims (7)

1. 本体部と、その下方に連接するホッパ部とからなり、それらに外接する前後面、左右側面、天面及び底面からなる直角六面体とほぼ同一形状の前面から見て対称な形状を有する飼料用コンテナ本体であって、
   前記本体部は、天面側に飼料を受け入れる投入口を有し、前記前面と前記底面とでなす稜線ａ、その稜線ａに平行な前記前面上の所定高さに表れる直線ｂ、前記底面と前記後面とでなす稜線ｃとを三辺とする三角柱が切り落とされた形状をし、
   前記ホッパ部は、前記切り落とされた三角柱を形成する直線ｂ、稜線ｃ、前記左側面と前記右側面上に表れる傾斜した直線ｄ及び直線ｅより形成される傾斜面を受入面とし、
   所定の開口径の排出口であって前記底面に対して傾斜し、かつ前記稜線ａの近辺に設けられた排出口と、
   前記受入面からその排出口に向かって傾斜する壁面を有する形状をした飼料用コンテナ本体。
2. ホッパ部の壁面は、受入面から四側壁が垂下する四角錐であって、その四側壁の一面が底面と同一平面上にある四側壁から形成され、
   排出口は、その方向が稜線ａの方向により一層向くように、前記四角錐の頂部をホッパ部の受入面に対し傾斜した平面で截頭された四角錐台上に設けられていることを特徴とする請求項１に記載の飼料用コンテナ本体。
3. 請求項１又は２に記載の飼料用コンテナ本体と、その飼料用コンテナ本体の投入口の開閉を行う上蓋及び排出口の開閉を行うダンパと、前記飼料用コンテナ本体を収納する枠体と、を有する飼料用コンテナ。
4. 枠体は、排出口の周囲に垂直補強部材を有することを特徴とする請求項３に記載の飼料用コンテナ。
5. ダンパは、稜線ａに対して平行に移動させることにより排出口の開閉を行うシャッタを有することを特徴とする請求項３又は４に記載の飼料用コンテナ。
6. 請求項３〜５のいずれか一項に記載の飼料用コンテナと、その飼料用コンテナ内の飼料を配送するトラックの飼料受入口の所定位置に該飼料用コンテナを移送するコンテナ搬送手段と、
   前記飼料用コンテナをその幅方向軸の回りに回転させて飼料の排出を促進させる回転手段と、
   前記コンテナ搬送手段及び前記回転手段を載置し、それらの下方にトラック等の輸送手段を収容することができる架台と、を有する飼料積替え装置。
7. 回転手段は、飼料用コンテナを回転させる回転軸が飼料用コンテナ本体の稜線ａの近辺に設けられていることを特徴とする請求項６に記載の飼料積替え装置。

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