JP3158198B2 - オフセット印刷性の優れた塗工樹脂フィルム - Google Patents

オフセット印刷性の優れた塗工樹脂フィルム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オフセット印刷を施し
ても、オフセットインキ中の溶剤により、フィルムが凹
凸になったり、カールしたりすることを防止したオフセ
ット印刷性に優れた塗工樹脂フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】オフセット印刷は、多色印刷が容易にで
きるので、アート紙、上質紙、コート紙等の紙、ポリエ
チレンテレフタレートフィルム、ポリ塩化ビニル等の印
刷に使用されている。乾燥型オフセットインキは次に示
される表1の組成より構成されている。
【0003】
【表1】
【0004】そして、このオフセットインキは、パルプ
紙、パルプ塗工紙などに用いられる表2に示すような汎
用型オフセットインキが一般に使用される。
【0005】
【表2】
【0006】この汎用型オフセットインキには乾燥時間
を速めるために、該インキのビヒクルとして乾性油に樹
脂と鉱油(高沸点石油系溶剤)を配合した速乾性インキ
が使用されている。しかしながら、これら汎用型のオフ
セットインキを用いて、ポリオレフィンフィルムやポリ
オレフィンに無機微細粉末を含有させたフィルムの延伸
物よりなる合成紙(特公昭46−40794号、特開昭
62−227933号、同61−3748号、同60−
79951号各公報参照)のインキ乾燥性を改良するた
めにこれら合成紙にピグメントコート層を施した塗工紙
上に、印刷を施すと、該汎用型オフセット印刷に用いら
れているオフセットインキの溶剤(特に鉱油等の高沸点
石油系溶剤)によってポリオレフィンが膨潤され、印刷
したフィルムに部分的に凹凸が生じたり、或いは、フィ
ルム全体がカールするなどの、いわゆる溶剤アタックが
発生するので、実際に使用するには難点があった。従っ
て、ポリオレフィンフィルム用のオフセット印刷インキ
としては、高沸点石油系溶剤の少ない、ポリオレフィン
用の特殊の非吸収性素材用のオフセット印刷インキが使
用されていた。汎用型オフセット印刷インキの溶剤(特
に高沸点溶剤)によるポリオレフィンフィルムの膨潤を
防ぐ方法の一つとして、ポリオレフィンフィルムの表裏
面に塗工剤(ピグメントコート)層を設けることが考え
られる。しかしながら、該方法は汎用型オフセット印刷
インキ中に占める溶剤の量が45〜70重量%も占めら
れているので、これら溶剤が溶剤アタックを生じさせ易
い。それ故、該溶剤を塗工剤層で十分吸収して、ポリオ
レフィン層が溶剤アタックされるのを防止するために
は、該層の表裏面に施す塗工剤層の肉厚をそれぞれ35
μm以上とすることが必要である。しかし、表裏面合せ
て塗工剤層の肉厚を70μm以上とすることは塗工後の
乾燥に長時間を必要とすると共に、塗工樹脂フィルムの
コスト上昇につながるので得策な方法ではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】かかるポリオレフィン
フィルム用の特殊なオフセットインキはオフセット印刷
を行なうとき、汎用型インキを用いる場合と比較して水
とインキの量のバランスの調整が難しく、また、印刷機
の上でインキの粘度が変化して作業性が悪くなるので、
印刷所はこの印刷インキを使用することを敬遠する。従
って、印刷所やインキ製造メーカーが限られてくるた
め、汎用型オフセットインキを使用することができるポ
リオレフィンフィルムの出現が望まれている。即ち、一
般の印刷会社では、上質紙、コート紙などのパルプ系紙
を汎用型オフセットインキを用いてオフセット印刷を施
していることが普通であることから、ポリオレフィンフ
ィルム或いは合成紙を印刷する時だけ、特殊な非吸収性
素材用オフセットインキに切り替えて印刷をしなければ
ならなかった。 それ故、このインキの切り替えに多
大な時間と人手がかかることから、一般の印刷会社では
合成紙などのポリオレフィン系フィルムの印刷を積極的
に行なおうとせず、このことがポリオレフィンフィルム
或いは合成紙のオフセット印刷用への普及を妨げる一つ
の原因になっていた。本発明は、塗工剤層の肉厚を薄く
しても汎用型オフセットインキの溶剤アタックによる変
形のない塗工ポリオレフィンフィルムの提供を目的とす
るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
[発明の概要]本発明者らは、上記問題点に鑑みて鋭意
研究を重ねた結果、ポリオレフィンフィルム或いはポリ
オレフィン系合成紙の両面に、汎用型のオフセット印刷
インキの溶剤の浸透を防ぐための架橋カゼイン層を設
け、更にその両面に、もしくはオフセット印刷を施そう
とする面に、ピグメントコート層(塗工剤層)を設けた
ものが、汎用型オフセット印刷インキを用いてオフセッ
ト多色刷印刷を施しても、印刷されたポリオレフィンフ
ィルム或いはポリオレフィン系合成紙に凹凸が生じた
り、フィルム全体にカールが生じるといったこと(溶剤
アタック)が発生し難いものにすることができるとの知
見を得て、本発明を完成するに至ったものである。すな
わち、本発明は、ポリオレフィン樹脂フィルム基材層の
両面に、オフセット印刷インキ成分中の溶剤の浸透を防
止するための架橋カゼイン層を設け、該架橋カゼイン層
の片面または両面側に塗工剤層を設けたことを特徴とす
るオフセット印刷性の優れた塗工樹脂フィルムを提供す
るものである。
【0009】[発明の具体的説明] 〔I〕層構成 (1) ポリオレフィン樹脂フィルム基材層 本発明のオフセット印刷性の優れた塗工樹脂フィルムを
構成するポリオレフィン樹脂フィルム基材層にて用いら
れるポリオレフィンフィルムとしては、ポリオレフィン
系樹脂を各種フィルム成形方法、例えばインフレーショ
ン法、T‐ダイ法、カレンダー法によって成形して得ら
れたものである。具体的には、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、エチレン・プロピレン共重合体樹脂、ポリブテ
ン樹脂、ポリスチレンなどのポリオレフィン樹脂、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン・アクリル酸
エステル共重合体樹脂、スチレン・ポリプロピレン共重
合体、スチレン・ポリエチレン共重合体樹脂などの共重
合体などを単独で用いて、或いは2種以上混合して用い
て成形して得られたポリオレフィンフィルム、或いは無
機フィラーを混入させたポリオレフィンフィルムを延伸
して得られる、フィルム内部にミクロボイドを多数有し
た不透明或いは半透明の合成紙などを挙げることができ
る。これらポリオレフィンフィルムの中でも、特にエチ
レン、プロピレン或いは両者を主成分として50重量%
以上含有する単量体を重合もしくは共重合させて得られ
るポリオレフィン樹脂に無機微細粉末または/及び有機
フィラーを8〜65重量%含有させ、一軸延伸もしくは
二軸延伸して得た合成紙が好適である(前述の特許公報
群参照)。かかるポリオレフィン系合成紙は、王子油化
合成紙(株)よりユポFPG、ユポKPG、ユポTP
G、ユポGFG、ユポCFG、ユポSGGの商品名にて
販売されている。ポリオレフィン樹脂フィルムの肉厚
は、用途に依存するが通常40〜500μm、好ましく
は80〜160μmである。
【0010】(2) 架橋カゼイン層 本発明のオフセット印刷性の優れた塗工樹脂フィルムを
構成する架橋カゼイン層としては、オフセット印刷イン
キ中の溶剤によるポリオレフィン樹脂フィルムへの溶剤
アタック(凹凸ドットの発生、カールの発生)を防止す
るためにポリオレフィン樹脂フィルムの表裏面に設けら
れる。これによってオフセットインキ中の鉱油、高沸点
石油溶剤成分に対して耐溶剤性に優れた皮膜である溶剤
浸透防止層が形成される。この溶剤浸透防止層は、オフ
セット印刷が施される面は勿論のこと裏面側にも形成さ
せる。即ち、オフセット印刷された印刷紙は積み重ねら
れたまま貯蔵されるので、貯蔵中に印刷中の溶剤が積み
重ねられた一枚下の印刷物の表面から浸透するのを防
ぎ、凹凸、カールの発生を防ぐためである。かかる溶剤
浸透防止層を形成する架橋カゼイン層は、カゼイン10
0重量部に、アンモニア、苛性ソーダ、苛性カリ、尿素
などのカゼインを水溶性にするための水溶化剤5〜30
重量部、水600〜1,200重量部及び塩化アンモニ
ウム、塩化亜鉛などの架橋促進剤を後述する架橋剤の5
〜15重量%配合してカゼイン水溶液とし、これにメラ
ミン・ホルマリン予備縮合物、ポリエポキシ化合物など
の架橋剤を25〜100重量部配合して架橋性カゼイン
水溶液を製造し、これをポリオレフィン樹脂フィルムの
表面に塗布して乾燥させることにより得られたものであ
る。この架橋カゼイン層(オフセットインキ中の溶剤浸
透防止層)の肉厚は、0.5〜15μm、好ましくは3
〜10μmである。
【0011】(3) 塗工剤層 オフセット印刷インキの乾燥性を良好にするための塗工
剤層としては、通常、塗工紙の塗工剤として使用される
ピグメントコート剤が使用できる。かかる塗工剤は、一
般に無機微細粉末50〜90重量%とエマルジョン型も
しくは水溶型樹脂バインダー50〜10重量%(固型分
量)よりなる成分を主成分とするものである。必要によ
り帯電防止剤を0.05〜5重量%加えてもよい。かか
る無機微細粉末としては、炭酸カルシウム、サチンホワ
イト、シリカ、酸化チタン、アルミナ、クレー、タル
ク、水酸化アルミニウム等及び亜鉛華、酸化鉄等、顔料
類等が挙げられる。この無機微細粉末の粒径は15μm
以下、特に、0.1〜10μmが好ましい。その他有機
着色剤やプラスチック・ピグメントと呼ばれるポリスチ
レン等の微粒子も加えても良い。樹脂バインダーとして
は、エチレン・酢酸ビニル共重合体エマルジョン、エチ
レン・酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体エマルジョン、
酢酸ビニル・アクリル酸エステル共重合体エマルジョ
ン、スチレン・ブタジエンラバーエマルジョン、常温架
橋型アクリル系樹脂水性エマルジョン、ウレタン樹脂水
性エマルジョン等の樹脂エマルジョン;澱粉、カルボキ
シメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性
高分子の水溶物を単独で、又は二種以上混合したものを
挙げることができる。これら無機微細粉末、樹脂バイン
ダーの他に塗工し易くする目的で、若干の溶剤等を用い
ることができる。更に、着色剤、防腐剤、流動改良剤、
湿潤剤、造膜助剤、消泡剤、可塑剤等を配合してもよ
い。塗工剤の塗工方式は通常の塗工方式でよい。塗工さ
れたポリオレフィンフィルムは乾燥され、フィルム基材
の表面に、または表裏面に塗工層が形成される。塗工剤
層の肉厚は3〜30μmが一般である。
【0012】〔II〕オフセット印刷 このようにして得られた本発明のオフセット印刷性に優
れた塗工タイプのポリオレフィンフィルムは、オフセッ
トインキをその表面に付着させてオフセット印刷が施さ
れる。 (1) オフセットインキ このようなオフセットインキとしては、一般に表1及び
表2に示すように顔料とビヒクルとからなる主剤と、粘
度調整剤、乾燥調整剤及びその他などからなる助剤とか
ら基本的に構成されており、この塗工樹脂フィルムは汎
用型オフセットインキは勿論、非吸収性素材用オフセッ
トインキも使用できる。前記顔料としては、リソールレ
ッド、ベンジジンイエローなどのアゾ顔料、パーマネン
ト・グリン、パーマネント・ローダミン、パーマネント
・ブルー、レーキレッドCなどのレーキ顔料、ブリリア
ントカーミン6B、フタロシアニンブルーなどの有機顔
料、アルミナ、硫酸バリウム、ベンガラ、黄鉛、紺青、
チタンホワイト、カーボンブラックなどの無機顔料など
を挙げることができる。また、ビヒクルとしては、合成
樹脂、植物油(乾性油)、溶剤などを挙げることができ
る。これらビヒクルの具体例としては、 アマニ油、スタンド油などのアマニ油型や、乾性油
変性アルキッド樹脂などのアルキッド型、 ロジン変性フェノール樹脂を、アマニ油、キリ油の
混合液、または低粘度のアマニ油ワニスなどに溶解し、
沸点範囲の狭い石油留分を加えて粘度を調整した樹脂ワ
ニスを主とした速乾性樹脂型、などを挙げることができ
る。前記粘度調整剤としては、溶剤、希釈ワニス、コン
パウンドなどを挙げることができる。また、乾燥調整剤
としては、乾燥剤(ドライヤ)乾燥抑制剤などを挙げる
ことができる。その他成分としては、ワックス、被膜増
強剤、裏付防止剤などを挙げることができる。
【0013】(2) オフセット印刷方法 本発明のオフセット印刷性に優れたポリオレフィンフィ
ルムに前記オフセットインキを用いてオフセット印刷す
るためには、市販のオフセット印刷機を用いて通常のオ
フセット印刷と同様にして行なうことができる。
【0014】
【実施例】以下に実施例および比較例を示して本発明を
更に詳細に説明する。なお、例中の部および%は、特に
例記しない限り重量基準である。 (A) ポリオレフィン樹脂フィルム基材層の製造例例 1 三菱油化(株)製、ポリプロピレン“ノーブレンMA−
6”(融点164℃)45部、ポリエチレン“ユカロン
ハードEY−40”32部、無水マレイン酸グラフトポ
リプロピレン5部および重質炭酸カルシウム粉末18部
よりなる組成物を押出機を用いて溶融混練し、ダイより
200℃の温度でシート状に押し出し、次いで、縦方向
に133℃で5倍、横方向に155℃で8倍延伸し、コ
ロナ放電処理して微多孔性の単層2軸延伸フィルムより
なる合成紙(肉厚100μm)を得た。例 2 三菱油化(株)製、高密度ポリエチレン“ユカロンハー
ドEY−40”95部、エチレン・アクリル酸共重合体
5部および珪藻土を25部よりなる組成物を縦横5倍に
延伸して肉厚90μmの微多孔高密度ポリエチレン系延
伸フィルムを成形し、これをコロナ放電処理した。
【0015】例 3 三菱油化製ポリプロピレン“三菱ノーブレンMA−6”
80部、高密度ポリエチレン“ユカロンハードEY−4
0”(商品名、融点130℃)10部および丸尾カルシ
ウム製重質炭酸カルシウム粉末“丸尾スーパー5S”
(商品名)10部よりなる組成物を押出機を用いて溶融
混練した後、ダイより200℃の温度でシート状に押し
出し、該シートを約50℃の温度にまで冷却した。次い
で、このシートを約135℃に加熱した後、ロール群の
周速差を利用して縦方向に5倍に延伸した。一方、三菱
油化製ポリプロピレン“三菱ノーブレンMA−3”(商
品名、融点164℃)55部、無水マレイン酸グラフト
ポリプロピレン5部および平均粒径が1.3μmの重質
炭酸カルシウム粉末40部よりなる組成物を、別の2台
の押出機を用いて溶融混練し、ダイより200℃の温度
でシート状に成形して、前記縦軸延伸されたシートの両
面にラミネートした。これを、一旦、室温より20℃高
い温度にまで冷却した後、再び約150℃の温度にまで
加熱し、テンターを用いて横方向に8倍延伸し、次いで
160℃の温度に設定されたオーブン中を通過させて熱
セットし、更にコロナ放電処理して、中間層の2軸延伸
フィルムの肉厚が50μm、表裏層の1軸延伸フィルム
の肉厚が25μmの三層構造の合成紙(厚さ100μ
m)を得た。
【0016】(B) 架橋性カゼイン水溶液(溶剤浸透防止
層形成剤)の製法例 1 カゼイン10重量部を濃度1.2重量%のアンモニア水
85重量部で溶解し、これに塩化アンモニウム0.5重
量部を配合した。次いで、攪拌しながらメラミン・ホル
ムアルデヒド予備縮合物5重量部を加えて架橋性カゼイ
ンの水溶液を得た。例 2 カゼイン10重量部、尿素2重量部、水83重量部、ト
リメチレンテトラミン1重量部を混合してカゼイン水溶
液とした。これに油化シェルエポキシ社製のビスフェノ
ールAのグリシジルエーテル「エピコート828(商品
名)」10重量部を加えて、架橋性カゼインの水溶液を
得た。
【0017】実施例1 前記(A)の例1で得た微多孔性の二軸延伸フィルムよ
りなる合成紙の両面に、前記(B)の例1の架橋性カゼ
イン水溶液を皮膜の肉厚がそれぞれ3μmとなるように
塗布し、常温乾燥させた後、このアンカーコート層の両
面に次の塗工剤をそれぞれ8μmの皮膜が得られるよう
に塗布し、70℃で1分間乾燥させて塗工紙を得た。 (C) 塗工剤 スチレン・ブタジエンラバーラテックス 35 部 澱粉 10 部 滞電防止剤(10%水溶液) 10 部 炭酸カルシウム 30 部 チタン白(酸化チタン) 10 部 クレイ 60 部 分散剤(トリポリリン酸Na) 0.5部 消泡剤(サンノプコSN-DF-113) 0.1部
【0018】(D) 評 価 この塗工タイプの合成紙をオフセット印刷機で市販のパ
ルプ紙用の汎用型オフセットインキ(アマニ油、鉱油、
顔料、樹脂を主成分とする)大日本インキ工業(株)の
グラフG型紅、藍、墨、黄の四色のインキを用い多色刷
オフセット印刷を施した。この印刷部を1,000枚重
ねたまま60分間放置した後、この印刷物(A2版)に
ついて、凹凸の発生の有無を調べた。また、この塗工タ
イプの合成紙に東華色素(株)製の速乾型オフセットイ
ンキ“ニューベストワンプロセス墨M”を用いて転移量
が1g/m2 となるように全面ベタ印刷を行った。この
印刷物を1000枚重ねたまま、60分放置後、そのう
ちの3枚を取り出し、この印刷物を12×5cmの大き
さに切断して机上にて1日放置した後、その印刷物のカ
ールの有無を図1に示すようにして測定した。カールの
発生の有無の結果を表3に示す。
【0019】比較例1 前記(A)の例1の二軸延伸フィルム合成紙に直接、実
施例1と同様の多色刷オフセット印刷を行ない、カール
の有無と、図2に示す凹凸の有無を調べた。結果を表3
に示す。
【0020】比較例2 実施例1において、架橋カゼイン層を設けない他は実施
例1と同様にして合成紙に直接と塗工剤層を設けた塗工
紙を得た。これについて同様に汎用型のオフセット印刷
インキによる印刷性を評価した。結果を表3に示す。
【0021】実施例2 前記(A)の例2で得た高密度ポリエチレンフィルムの
表裏面に、前記(B)の例2の架橋型カゼイン水溶液を
それぞれ5μmの皮膜が得られるように塗布し、乾燥さ
せた後、下記に示す塗工剤を架橋型カゼインの皮膜の両
面に塗布し、乾燥させて塗工剤層の肉厚がそれぞれ8ミ
クロンの塗工紙を得た。 塗工剤組成 SBRラテックス(固型分50%) 32部 アクリル酸エステル系樹脂ラテックス(固型分50%) 11部 ク レ イ 70部 粒径1.5μmの炭酸カルシウム 25部 酸化チタン 5部 ST−1100水溶液(固型分4%)* 12部 分 散 剤 1部 * 三菱油化(株)製水溶性のアクリル系樹脂帯電防止剤
【0022】実施例3 前記(A)の例3で得た三層構造の合成紙の表裏面に、
前記(B)の例2で得た架橋カゼイン水溶液をそれぞれ
4μmの皮膜が得られるように塗布し、乾燥させた。次
いで、実施例1で用いた塗工剤を表裏面にそれぞれ肉厚
8μmの塗工剤皮膜が得られるように塗布し、乾燥させ
て塗工紙を得た。
【0023】実施例4および比較例3〜4 ポリオレフィン系樹脂フィルム、プライマー、塗工剤の
種類および厚みを第3表のように変更して塗工紙を得、
これを実施例1と同様にして汎用型オフセット印刷イン
キによる多色刷り性を評価した。結果を表3に示す。な
お、表3中のオフセット印刷インキの乾燥性は、オフセ
ット印刷後、次の工程(例えば製本、折畳み等)に移れ
るインキの乾燥時間を示す。
【0024】
【表3】
【0025】
【発明の効果】このような本発明のオフセット印刷性に
優れた塗工樹脂フィルムは、オフセットインキ中の溶剤
の浸透を防止するため架橋カゼイン層を設け、該架橋カ
ゼイン層に塗工剤層を設けて溶剤(高沸点石油系溶剤)
の浸透を防止しているので、塗工剤層の肉厚を薄くする
ことができ、且つ、汎用型のオフセット印刷インキをそ
の表面の塗工剤層面に印刷しても、印刷された塗工タイ
プのポリオレフィンフィルム或いはポリオレフィン系合
成紙に凹凸が生じたり、フィルム全体にカールが生じる
といったことが発生し難い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明実施例の印刷物のカール高さの測
定方法を表す斜視図である。
【図2】第2図はオフセット印刷インキの中のビヒクル
により凹凸が生じたオフセット多色刷印刷物の斜視図を
示す。
【符号の説明】
1 印刷物 2 平板 3 凹部または凸部 h カール高さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−159051(JP,A) 特開 平2−130184(JP,A) 特開 平2−70478(JP,A) 特開 平1−178486(JP,A) 実開 昭49−88003(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 7/04 - 7/06 B32B 1/00 - 35/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン樹脂フィルム基材層の両面
    に、オフセット印刷インキ成分中の溶剤の浸透を防止す
    るための架橋カゼイン層を設け、該架橋カゼイン層の片
    面または両面側に塗工剤層を設けたことを特徴とするオ
    フセット印刷性の優れた塗工樹脂フィルム。
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