JP3157301U - タイロッドの取付構造 - Google Patents

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功 塩見
功 塩見
靖 向高
靖 向高
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Abstract

【課題】構造物に水平方向の変位が生じても、タイロッドの破損を防止できる取付構造を提供する。【解決手段】タイロッド1は、一方の部材としての鋼矢板2に固定された固定具としてのUボルト3と、他方の部材としての控え杭4に固定された固定具としてのUボルト5とに、タイロッド本体6の両端が係合されて形成されている。タイロッド本体6の両端に形成された平坦部6a,6bの貫通孔が、Uボルト3,5の湾曲部に沿って摺動可能かつ回動可能にUボルト3,5に挿通されている。【選択図】図1A

Description

本考案は、例えば鋼矢板と控え杭の間に掛け渡されるタイロッドを、鋼矢板又は控え杭に取り付ける取付構造に関する。
従来より、仮締切や護岸等を構築する際、地盤に打設した鋼矢板の上部と控え杭の上部との間にタイロッドを掛け渡し、タイロッド側に投入する土から鋼矢板に作用する土圧に起因する力を、タイロッドを介して控え杭で支持している。
従来のタイロッドの鋼矢板及び控え杭への取付構造としては、図3Aの平面図と図3Bの側面図に示すようなものがある(例えば、特許文献1参照)。図3A及び3Bは、河川や海の水際に設置され、複数の鋼矢板で壁体を形成し、この壁体の一方の側の水と他方の側の土とを仕切って護岸を構成するものである。
図3A及び3Bに示すように、タイロッド50は、鋼矢板2に定着される端部ロッド51と、第1の中間ロッド52と、控え杭4に接続される第2の中間ロッド53とが連なって形成されている。端部ロッド51は、鋼矢板2と、溝形鋼で形成された腹起こし7と、座金8とに挿通され、鋼矢板2のウェブの法線方向を向いた状態で、一端部に螺合する定着ナット10で定着されている。端部ロッド51の他端は、ジョイントプレート54によって第1の中間ロッド52の一端に接続されている。第1の中間ロッド52の他端は、第2の中間ロッド53の一端に、ターンバックル56で連結されている。第2の中間ロッド53の他端は、ジョイントプレート57によって、H形鋼で形成された控え杭4のウェブ4aに接続されている。こうして鋼矢板2と控え杭4との間に掛け渡されたタイロッド50は、端部ロッド51の定着ナット10が締結されて張力が導入されることにより、鋼矢板2に作用する土圧に起因する力に対抗するようにしている。
上記ジョイントプレート54は、端部ロッド51の他端に形成された平坦部51bと、第1の中間ロッド52の一端に形成された平坦部52aとを両端部で挟むように2枚配置されている。上記端部ロッド51と第1の中間ロッド52の平坦部51b,52aに夫々形成された貫通孔と、ジョイントプレート54の両端部に形成された貫通孔とにボルトピン55が装着されている。これらにより、端部ロッド51と第1の中間ロッド52とが、ジョイントプレート54と平行の面内で互いに回動可能になっている。
また、ジョイントプレート57は、第2の中間ロッド53の他端に形成された平坦部53bと、控え杭4のウェブとを両端部で挟むように2枚配置されている。上記第2の中間ロッド53の平坦部53bと控え杭4のウェブ4aに夫々形成された貫通孔と、ジョイントプレート54の両端部に形成された貫通孔とにボルトピン58が装着されている。これらにより、第2の中間ロッド53が控え杭4に対して、ジョイントプレート57及びウェブ4aと平行の面内で回動可能になっている。
上記ジョイントプレート54,57の平面と控え杭4のウェブは、タイロッド50を通る鉛直面に平行に設置されている。
このような構造により、タイロッド50の張力の変化や、地盤沈下等に伴う鋼矢板2又は控え杭4の変位が生じても、第1の中間ロッド52と第2の中間ロッド53を鉛直面内で回転変位をさせ、タイロッド50に曲げ応力が生じないようにしている。
特開平07−324321号公報
しかしながら、上記従来のタイロッド50は、地盤沈下や地すべり等に起因して、鋼矢板2や控え杭4に水平方向の成分を有する変位が生じた場合、曲げ応力が生じて破損するおそれがある。
また、上記従来のタイロッド50は、平面視においてタイロッド50の直角方向の変位を防止することができない。したがって、鋼矢板2の水平成分の変位を防止するためには、勾配座金を用いて、平面視において鋼矢板2のウェブの法線と傾斜する方向にタイロッド50を定着する必要がある。1つの鋼矢板2には、傾斜方向のタイロッド50と直角方向のタイロッド50との両方を定着することはできないので、壁体を構成する複数の鋼矢板2に対して、傾斜方向のタイロッド50と直角方向のタイロッド50とを個別に定着する必要がある。したがって、壁体へのタイロッドの定着箇所が増加し、部品点数の増加と施工の手間が増大、ひいては、護岸の施工費用が増大する不都合がある。
そこで、本考案の課題は、構造物に水平方向の変位が生じても、タイロッドの破損を防止できる取付構造を提供することにある。また、構造物へのタイロッドの取り付け箇所を少なくでき、しかも、構造物の水平方向の変位を防止することができるタイロッドの取付構造を提供することにある。
上記課題を解決するため、本考案のタイロッドの取付構造は、
所定の離隔をおいて地盤に設置される少なくとも2つの部材の間に掛け渡されるタイロッドを、上記部材に取り付ける取付構造であって、
少なくとも一方の部材に固定され、U字形状を有する固定具と、
タイロッド本体に設けられ、上記固定具に挿通される貫通孔を有し、この貫通孔が固定具に挿通された状態で上記固定具に沿って摺動可能かつ回動可能な係合部と
を備えることを特徴としている。
上記構成によれば、所定の離隔をおいて地盤に設置される少なくとも2つの部材のうち、少なくとも一方の部材に固定具が固定され、この固定具に、タイロッド本体の係合部が係合される。タイロッド本体の係合部は、U字形状を有する固定具に沿って摺動可能かつ回動可能に形成されているので、2つの部材の一方に、地盤沈下や地すべりによって水平方向の変位が生じた場合、この変位に応じてタイロッド本体の係合部が固定具に沿って摺動又は回動する。これにより、タイロッド本体は、水平方向の変位に応じた方向に向くので、タイロッドに曲げ応力が生じることを防止でき、ひいては、タイロッドの破損を防止できる。
また、上記2つの部材の一方に、地盤等から水平方向の力が作用した場合、タイロッド本体の係合部がU字形状の固定具に沿って摺動又は回動することにより、水平方向の力をタイロッド本体で受けることができる。したがって、構造物の水平方向の変位を防止できる。
さらに、上記2つの部材の一方に、水平面内において回転変位が生じても、タイロッド本体の係合部がU字形状の固定具に沿って摺動又は回動することにより、水平面内において適切な方向にタイロッド本体の姿勢を保持できる。したがって、タイロッドは、回転変位に伴う力を適切に受け、この力を他方の部材に適切に伝達することができる。
一実施形態のタイロッドの取付構造は、上記固定具は、平面視においてU字形状をなすように固定されたものである。
上記実施形態によれば、U字形状の固定具に沿って、係合部が水平方向に摺動することができる。また、固定具の所定の摺動位置で、係合部が鉛直方向に回動することができる。したがって、部材に作用する鉛直方向と水平方向のいずれの力も、タイロッド本体を破損させることなくタイロッド本体に伝えることができ、また、部材の鉛直方向及び水平方向のいずれの変位も防止できる。
一実施形態のタイロッドの取付構造は、上記固定具は、側面視においてU字形状をなすように固定されたものである。
上記実施形態によれば、U字形状の固定具に沿って、係合部が鉛直方向に摺動することができる。また、固定具の所定の摺動位置で、係合部が水平方向に回動することができる。したがって、部材に作用する鉛直方向と水平方向のいずれの力も、タイロッド本体を破損させることなくタイロッド本体に伝えることができ、また、部材の鉛直方向及び水平方向のいずれの変位も防止できる。
一実施形態のタイロッドの取付構造は、上記2つの構造物の少なくとも一方は、鋼矢板又は鋼管である。
上記実施形態によれば、鋼矢板又は鋼管に固定具を固定し、この固定具にタイロッド本体の係合部を係合させることにより、タイロッドの破損を防止しながら、鋼矢板又は鋼管で形成する構造物の水平方向の変位を防止できる。
一実施形態のタイロッドの取付構造は、上記2つの部材の他方は、控え杭である。
上記実施形態によれば、一方の部材に、水平方向の成分を有する力が作用した場合、この力をタイロッド本体を介して、タイロッドが破損することなく、控え杭で受けることができる。したがって、一方の部材の鉛直方向の変位のみでなく、水平方向の変位をも防止できる。
一実施形態のタイロッドの取付構造は、1つの固定具に、複数のタイロッド本体の係合部が係合されている。
上記実施形態によれば、固定具がU字形状を有するので、例えば一方の部材に固定した1つの固定具に、異なる方向に延在する複数のタイロッド本体の係合部を係合させることができる。したがって、一方の部材で構成される構造物に、少ない固定具によって多くのタイロッドを掛けることができるので、部品点数の増加と施工の手間を削減できる。また、1つの固定具に、水平成分を有する異なる方向に延在する複数のタイロッド本体の係合部を係合させることにより、水平方向の変位を強固に防止できる。
本考案の実施形態の取付構造を適用したタイロッドを示す平面図である。 本考案の実施形態の取付構造を適用したタイロッドを示す側面図である。 他の実施形態の取付構造を適用したタイロッドを示す平面図である。 従来の取付構造を適用したタイロッドを示す平面図である。 従来の取付構造を適用したタイロッドを示す側面図である。
以下、本考案の実施形態を、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1Aは、本考案の第1実施形態の取付構造を適用したタイロッドを示す平面図であり、図1Bは、上記タイロッドを示す側面図である。本実施形態の取付構造は、鋼矢板2と控え杭4との間に掛け渡されるタイロッド1に適用されている。上記鋼矢板2は河岸に打設されて護岸を形成するものであり、幅方向の両側の縁に形成された継ぎ手で複数個が連結されて、壁体を構成している。図1A及び1Bにおいて、鋼矢板2で形成された壁体に関して、控え杭4の側(以下、内側という)が陸側であり、控え杭4と反対側(以下、外側という)が河川側である。
なお、図1Aでは、鋼矢板2が、控え杭4に対して回転角度をなす状態を示しており、また、図1Bでは、鋼矢板2が、控え杭4の長手方向に対して傾斜した状態を示しているが、これらは、後述するように、鋼矢板2に変位が生じた状態を想定して示している。通常は、鋼矢板2は、控え杭4に対して回転角度を有さず、また、控え杭4の長手方向と平行に設置される。
図1A及び1Bに示すように、タイロッド1は、一方の部材としての鋼矢板2に固定された固定具としてのUボルト3と、他方の部材としての控え杭4に固定された固定具としてのUボルト5とに、タイロッド本体6の両端が係合されて形成されている。
複数の鋼矢板2で形成された壁体の外側には、2つの溝形鋼7,7で形成された腹起こしが設置されている。腹起こしは、2つの溝形鋼7,7のウェブの外面を互いに向かい合わせた状態で、両方の溝形鋼7,7のフランジを鋼矢板2のウェブの外面に接して形成されている。鋼矢板2のタイロッド1の取り付け位置には、腹起こしの2つの溝形鋼7,7の隙間に対応する位置に、2つの貫通孔が設けられている。また、腹起こしの2つの溝形鋼7,7の鋼矢板2に接する側と反対側のフランジの外面に、定着板8が配置されている。定着板8には、腹起こしの2つの溝形鋼7,7の隙間に対応する位置に、2つの貫通孔が設けられている。Uボルト3の2つの直線部が、上記鋼矢板2の2つの貫通孔と、2つの溝形鋼7,7の隙間と、定着板8の2つの貫通孔を順次挿通して定着板8の外側に突出している。この定着板8の外側に突出したUボルト3の2つの直線部の端部3bに、ワッシャ9を介してナット10が螺着している。Uボルト3は、図1Aに示すように、平面視においてU字形状をなすように、鋼矢板2に固定されている。
控え杭4はH形鋼で形成され、鋼矢板2にフランジの外面を向けて設置されている。控え杭4のタイロッド1の取り付け位置には、2つのフランジに、2つの貫通孔が夫々設けられている。各フランジの内面において、2つの貫通孔が、ウェブを挟んだ両側に開口するように形成されている。控え杭4の鋼矢板2から遠い側のフランジの外面には、2つの貫通孔が設けられた定着板11が配置されている。Uボルト5の2つの直線部が、控え杭4の鋼矢板2側のフランジに形成された2つの貫通孔と、鋼矢板2の遠い側のフランジに形成された2つの貫通孔と、定着板11の2つの貫通孔とを順次挿通して定着板11の外側に突出している。この定着板11の外側に突出したUボルト5の2つの直線部の端部5bに、ワッシャ12を介してナット13が螺着している。Uボルト5は、図1Aに示すように、平面視においてU字形状をなすように、控え杭4に固定されている。
タイロッド本体6は、鋼棒の両端にプレスで形成された係合部としての平坦部6a,6bを有し、各平坦部6a,6bの中央に貫通孔が夫々形成されている。このタイロッド本体6の平坦部6a,6bの貫通孔が、鋼矢板2に固定されたUボルト3と、控え杭4に固定されたUボルト5に夫々挿通されている。これにより、タイロッド本体6の両端の平坦部6a,6bが、Uボルト3,5の湾曲部3a,5aに沿って水平方向に摺動可能、かつ、Uボルト3,5の湾曲部3a,5aの周りに回動可能な状態で、Uボルト3,5に夫々係合している。
上記鋼矢板2で形成された壁体の内側には、鋼矢板2が打設される地盤である河岸の底よりも高い標高まで土砂が投入される。これにより、壁体には、河岸側の土圧及び水圧と、陸側の土圧及び地下水圧とのつりあいにより、壁体の外側に向かう力が作用する。この壁体に作用する力をタイロッド1で受け、控え杭4で支持することにより、壁体を安定に保持している。
上記鋼矢板2は、地盤沈下や地すべり等に起因して、図1Bに示すように、鉛直面内において外側に傾斜して、鉛直面内の回転変位が生じる場合がある。ここで、鋼矢板2と控え杭4に固定されたUボルト3,5に係合するタイロッド本体6の平坦部6a,6bが、Uボルト3,5の湾曲部3a,5aの回りに回動することにより、タイロッド本体6が、鋼矢板2の回転変位に応じた姿勢をとる。したがって、タイロッド本体6に曲げ応力が生じることを防止して破損を防止できると共に、鋼矢板2の更なる傾斜を防止できる。
また、上記鋼矢板2には、地盤沈下や地すべり等に起因して水平方向の力が作用する場合がある。ここで、鋼矢板2と控え杭4に固定されたUボルト3,5に、タイロッド本体6の平坦部6a,6bが、Uボルト3,5の湾曲部3a,5aに沿って摺動可能かつ回動可能に夫々係合されている。したがって、水平方向の力に応じた方向にタイロッド本体6の平坦部6a,6bが摺動及び回動して、タイロッド本体6に実質的に張力のみが作用する。こうして、タイロッド本体6に曲げ応力が生じることが防止され、タイロッド本体6の破損が防止される。また、水平方向の力に応じた方向にタイロッド本体6の平坦部6a,6bが摺動及び回動して、タイロッド本体6が水平方向の力に応じた姿勢をとるので、タイロッド本体6は、鋼矢板2に作用した水平方向の力を控え杭4に伝えることができる。したがって、鋼矢板2の水平方向の変位を防止できる。
また、控え杭4に水平方向の力が作用した場合においても、タイロッド本体6の平坦部6a,6bが、Uボルト3,5の湾曲部3a,5aに沿って摺動及び回動して、タイロッド本体6が水平方向の力に応じた姿勢をとる。したがって、タイロッド本体6に曲げ応力が生じることを防止して破損を防止できると共に、控え杭4の水平方向の変位を防止できる。
また、図1Aに示すように、鋼矢板2が、控え杭4に対して回転角度をなすように変位した場合においても、タイロッド本体6の平坦部6a,6bが、Uボルト3,5の湾曲部3a,5aに沿って摺動及び回動して、タイロッド本体6の回転角度に応じた姿勢をとる。したがって、タイロッド本体6に曲げ応力が生じることを防止して破損を防止できると共に、鋼矢板2の変位を防止できる。
また、本実施形態のタイロッドの取付構造によれば、鋼矢板2と控え杭4にUボルト3,5を固定し、これらのUボルト3,5にタイロッド本体6の両端の平坦部6a,6bを係合させるので、鋼矢板2と控え杭4が、互いに対向する面の法線が傾斜して設置されていても、高い自由度でタイロッド1を掛け渡すことができる。また、タイロッド1の部品点数を従来よりも少なくできるので、タイロッド1の取付時間を削減でき、ひいては、護岸の施工費用を削減できる。
また、本実施形態のタイロッドの取付構造によれば、鋼矢板2に固定するUボルト3について、ナット10の締結位置を調節することにより、Uボルト3の鋼矢板2のウェブからの突出長さを容易に調節できる。また、控え杭4に固定するUボルト5について、ナット13の締結位置を調節することにより、Uボルト5の控え杭4のフランジからの突出長さを容易に調節できる。したがって、鋼矢板2及び控え杭4の任意の位置において、タイロッド1全体の長さを容易に調節することができる。
本実施形態のタイロッドの取付構造において、鋼矢板2と控え杭4との両方にUボルト3,5を固定したが、Uボルトは、鋼矢板2及び控え杭4のいずれか一方に固定してもよい。
また、本実施形態のタイロッドの取付構造は、河川に設置する護岸の鋼矢板に適用したが、海に設置する護岸の鋼矢板や、土留め等の他の用途の鋼矢板に適用してもよい。
(第2実施形態)
図2は、本考案の第2実施形態の取付構造を適用したタイロッドを示す平面図である。本実施形態の取付構造は、鋼矢板2と鋼矢板22との間に掛け渡されるタイロッド21に適用されている。各鋼矢板2,22は、河川の護岸工事のために、河岸から離れて河川の中に設置される二重締切を形成するものであり、各鋼矢板2,22が幅方向に複数連なって打設されると共に連結されて、2列の壁体を形成する。これらの2列の壁体の間にタイロッド21を掛け渡し、これらの壁体の間に土砂を投入して、二重締切が構築される。
図2において、タイロッド21に関して鋼矢板22の側が堤内側であり、鋼矢板2の側が堤外側である。本実施形態において、鋼矢板2で形成された堤外側の壁体と、鋼矢板22で形成された堤内側の壁体との間の土砂が投入される側を内側といい、両壁体の河川側および河岸側を外側という。
図2に示すように、タイロッド21は、一方の部材としての鋼矢板2に、タイロッド本体26の端部26bが定着ナット10で直接固定されている。このタイロッド本体26の他端が、他方の部材としての鋼矢板22に固定された固定具としてのUボルト25に係合されている。このUボルト25は、側面視においてU字形状をなすように固定されている。
複数の鋼矢板2で形成された堤外側の壁体の外側には、2つの溝形鋼7,7で形成された腹起こしが設置されている。鋼矢板2のタイロッド21の取り付け位置には、腹起こしの2つの溝形鋼7,7の隙間に対応する位置に、1つの貫通孔が設けられている。また、腹起こしの2つの溝形鋼7,7の外側のフランジの外面に、定着板8が配置されている。定着板8には、腹起こしの2つの溝形鋼7,7の隙間に対応する位置に、1つの貫通孔が設けられている。タイロッド本体26の一端が、上記鋼矢板2の貫通孔と、2つの溝形鋼7,7の隙間と、定着板8の貫通孔を順次挿通して定着板8の外側に突出している。この定着板8の外側に突出したタイロッド本体26の端部26bに、ナット10が螺着している。
一方、複数の鋼矢板22で形成された堤内側の壁体の外側には、2つの溝形鋼27,27で形成された腹起こしが設置されている。鋼矢板22のウェブの外面と腹起こしの間には、鋼矢板22の側から順に、板状のゴムで形成された止水パッキン31と、座金30とが挟持されている。鋼矢板2のタイロッド21の取り付け位置には、2つの貫通孔が設けられている。また、止水パッキン31と座金30に、鋼矢板22の2つの貫通孔と連なる2つの貫通孔が、夫々形成されている。また、腹起こしの2つの溝形鋼27,27には、各溝形鋼27の両方のフランジに、貫通孔が夫々1つずつ形成されている。腹起こしの2つの溝形鋼27,27の鋼矢板22に接する側と反対側のフランジの外面に、定着板28が配置されている。定着板28には、2つの溝形鋼27,27のフランジに形成された貫通孔に対応する位置に、2つの貫通孔が設けられている。Uボルト25の2つの直線部が、上記鋼矢板22の2つの貫通孔と、止水パッキン31と座金30の2つの貫通孔と、2つの溝形鋼7,7のフランジに1つずつ形成された貫通孔と、定着板28の2つの貫通孔を順次挿通して、定着板28の外側に突出している。この定着板28の外側に突出したUボルト25の2つの直線部の端部に、ナット29が螺着している。
タイロッド本体26は、鋼棒の他端にプレスで形成された係合部としての平坦部26aを有し、この平坦部26aの中央に貫通孔が形成されている。このタイロッド本体26の平坦部26aの貫通孔が、堤内側の鋼矢板22に固定されたUボルト25に挿通されている。これにより、タイロッド本体26の他端の平坦部26aが、Uボルト25の湾曲部に沿って鉛直方向に摺動可能、かつ、Uボルト25の湾曲部の周りに回動可能な状態で、Uボルト25に係合している。
上記鋼矢板2,22で形成された2つの壁体の内側には、鋼矢板2,22が打設される地盤である河川の底よりも高い標高まで土砂が投入される。これにより、各壁体には、河岸側の土圧及び水圧と、両壁体の内側の土圧及び地下水圧とのつりあいにより、二重締切の外側に向かう力が作用する。これら壁体に作用する力をタイロッド21で受け、互いの壁体が支え合うことにより、二重締切を安定に保持している。
本実施形態のタイロッドの取付構造によれば、鋼矢板22にUボルト25を固定し、このUボルト25にタイロッド本体26の平坦部26aを係合させるので、ウェブの法線が互いに傾斜する方向を向いて設置される鋼矢板2,22の間を、少ない部品点数のタイロッド26で掛け渡すことができる。また、タイロッド21の部品点数を少なくできるので、タイロッド21の取付時間を削減でき、ひいては、二重締切の施工費用を削減できる。
また、本実施形態のタイロッドの取付構造によれば、鋼矢板22に固定するUボルト25について、ナット29の締結位置を調節することにより、Uボルト25の鋼矢板22のウェブからの突出長さを容易に調節できる。したがって、タイロッド26全体の長さを容易に調節できる。
本実施形態のタイロッドの取付構造は、河川に設置する二重締切の鋼矢板に適用したが、海に設置する二重締切に適用してもよい。
また、上記第1及び第2実施形態のタイロッドの取付構造は、鋼矢板で形成された壁体に取り付けられるタイロッドに適用したが、本考案は、鋼管で形成される壁体に取り付けられるタイロッドに適用してもよい。また、本考案は、プレキャストコンクリートで形成された壁体に取り付けられるタイロッドに適用してもよい。
また、上記第1及び第2実施形態のタイロッドの取付構造は、1つのUボルト3,5,25につき1本のタイロッド本体6,26を係合させたが、1つのUボルトにつき複数のタイロッド本体を係合させてもよい。1つのUボルトに係合させた複数のタイロッド本体は、このUボルトに所定の離隔をおいて配置された複数の控え杭や、複数の鋼矢板に夫々取り付けられる。このように、1つのUボルトに複数のタイロッド本体を係合させることにより、壁体に固定するUボルトの数を少なくしながら、壁体に作用する水平方向の力を支持し、壁体の水平方向の変位を効果的に防止することができる。
1 タイロッド
2 鋼矢板
3,5 Uボルト
4 控え杭
6 タイロッド本体
7 溝形鋼
8,11 定着板
10,13 ナット

Claims (6)

  1. 所定の離隔をおいて地盤に設置される少なくとも2つの部材の間に掛け渡されるタイロッドを、上記部材に取り付ける取付構造であって、
    少なくとも一方の部材に固定され、U字形状を有する固定具と、
    タイロッド本体に設けられ、上記固定具に挿通される貫通孔を有し、この貫通孔が固定具に挿通された状態で上記固定具に沿って摺動可能かつ回動可能な係合部と
    を備えることを特徴とするタイロッドの取付構造。
  2. 請求項1に記載のタイロッドの取付構造において、
    上記固定具は、平面視においてU字形状をなすように固定されたことを特徴とするタイロッドの取付構造。
  3. 請求項1に記載のタイロッドの取付構造において、
    上記固定具は、側面視においてU字形状をなすように固定されたことを特徴とするタイロッドの取付構造。
  4. 請求項1に記載のタイロッドの取付構造において、
    上記2つの部材の少なくとも一方は、鋼矢板又は鋼管であることを特徴とするタイロッドの取付構造。
  5. 請求項4に記載のタイロッドの取付構造において、
    上記2つの部材の他方は、控え杭であることを特徴とするタイロッドの取付構造。
  6. 請求項1に記載のタイロッドの取付構造において、
    1つの固定具に、複数のタイロッド本体の係合部が係合されていることを特徴とするタイロッドの取付構造。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015168953A (ja) * 2014-03-06 2015-09-28 新日鐵住金株式会社 盛土補強構造
JP2015168952A (ja) * 2014-03-06 2015-09-28 新日鐵住金株式会社 盛土補強構造
JP2018119336A (ja) * 2017-01-26 2018-08-02 日本タイロッド工業株式会社 盛土の補強構造
JP2018184770A (ja) * 2017-04-26 2018-11-22 日本タイロッド工業株式会社 開き防止金具
KR102151167B1 (ko) * 2020-04-10 2020-09-02 박서진 현장타설말뚝 타설용 토목섬유거푸집 고정장치 및 그 시공방법
CN113235592A (zh) * 2021-04-21 2021-08-10 海洋石油工程股份有限公司 一种临时钢板桩地锚系统和施工方法

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