JP3156772B2 - 生体内部活動領域推定方法、装置及びその記録媒体 - Google Patents

生体内部活動領域推定方法、装置及びその記録媒体

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JP3156772B2 JP12485198A JP12485198A JP3156772B2 JP 3156772 B2 JP3156772 B2 JP 3156772B2 JP 12485198 A JP12485198 A JP 12485198A JP 12485198 A JP12485198 A JP 12485198A JP 3156772 B2 JP3156772 B2 JP 3156772B2
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  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば頭皮などの
生体体表面上で測定された電位分布または磁場分布に基
づいて、電流双極子が生体内のどの領域に存在するかの
確率分布を推定する生体内部活動領域推定方法及び装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、生体内の電流双極子の位置と
大きさを推定することが、特に人間の頭皮上で測定した
電磁場分布から脳内の活動部位を推定する手法として用
いられており、この活動部位を知ることによって脳の高
次機能や脳内疾患部位に関する知見を得ることができ
る。その一般的な方法は以下のようなものである。
【0003】脳内の神経細胞(ニューロン)が外部から
の刺激によって興奮すると、ニューロン同士を結ぶ結線
(軸索)をパルス状の電流が流れるが、その電流によっ
て頭部の周囲に微弱な電磁場が生じる。その電磁場の源
泉を電流双極子(以下、双極子と呼ぶ)と呼ばれる電流
素片でモデル化し、双極子の6個のパラメータを推定す
ることによって脳内活動部位を推定する。6個のパラメ
ータとは、位置を指定する3成分
【0004】
【外1】 、方向を指定する2成分
【0005】
【外2】 、および双極子の大きさ(q)である。双極子の方向と
大きさをまとめて
【0006】
【外3】 と書き、モーメント・ベクトルと呼ぶ場合もある。以下
では、これらの6個のパラメータをまとめて
【0007】
【外4】 で表すものとする。
【0008】双極子のパラメータを推定する従来方法
は、以下のように行われるのが一般的である。以下で
は、頭皮上で測定した磁場分布に基づいて脳内の活動部
位を推定する方法を例に取って説明するが、脳以外の生
体部位でも同様な方法で行われる。また、磁場分布の代
わりに電位分布を用いる場合でも、あるいはその両方を
用いて推定を行う場合でも、同様な方法で活動部位の推
定を行うことが可能である。
【0009】従来手法においては、以下に定義される二
乗誤差E
【0010】
【数1】 を最小にするパラメータを推定値とする。ここに、Bi 0
は磁場の測定値、
【0011】
【外5】 はi番目の測定点の座標、nは測定点の数、mは双極子
の数である。また、
【0012】
【外6】 は、パラメータ
【0013】
【外7】 で指定されるj番目の双極子によってi番目の測定点に
生じる磁場の理論値で、以下のように計算できる:
【0014】
【数2】 ここで、
【0015】
【外8】 はi番目の測定点における磁場センサの法線成分であ
り、‖・‖はベクトルのノルムを表す。電流双極子を推
定するための従来方法としては、例えば特開平6−34
3614号公報(以下、文献1とする)に開示されてい
るものがある。
【0016】図14は、文献1に開示されている電流双
極子推定方法での処理を示すフローチャートである。こ
こではまず、推定の対象となる生体の診断対象領域に格
子点群を均等に設定する(ステップ101)。次に、各
格子点上の電流源を最小ノルム法により求める(ステッ
プ102)。最小ノルム法とは、二乗誤差Eを
【0017】
【数3】 で表し、マトリクスFの一般逆行列F+を用いて、
【0018】
【数4】 によってi番目の格子点に存在する電流双極子の大きさ
(モーメントと呼ばれる)qiを求める方法である。た
だし、マトリクスFijは、j番目の格子点に存在する大
きさ1の双極子がi番目の測定点に生成する磁場の値を
表す。またn,mはそれぞれ測定点の数、格子点の数で
ある。
【0019】次に、各格子点上に電流双極子が存在する
確度を求め(ステップ103)、格子点をグループ分け
し(ステップ104)、各グループ内で格子点を移動す
る(ステップ105)。以上のステップ101からステ
ップ105までを所定の条件を満たすまで繰り返す。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の方法においては、以下に記すような問題
点がある。
【0021】例えば文献1では、二乗誤差Eを最小にす
るパラメータが最適なパラメータであるとしていた。し
かしながら統計学の教えるところによると、測定したデ
ータ(ここでは磁場分布)に対して設定したモデル(こ
こでは双極子)で用いられるパラメータの数が多くなれ
ば多くなるほど、二乗誤差が小さく出ることが知られて
いる。これは、余分なパラメータのために、真の測定デ
ータとは無関係な雑音にまでモデルが過剰適合してしま
うからである。したがってこの場合、二乗誤差を最小に
するパラメータが得られたとしても本来のデータが持つ
構造をとらえているとは限らない。すなわち、双極子数
が未知の場合に推定の評価関数として二乗誤差を用いる
と、正しい双極子数を推定することができない。脳内活
動部位推定の例で言えば、余分な双極子を用いることに
よって本来活動していない部位まで活動部位として推定
してしまう可能性がある。
【0022】また、電流双極子の位置は、推定された電
流双極子のモーメントで表現されるが、例えば入力デー
タに雑音が混入していた場合には、雑音の影響を受けて
モーメントの大きさが攪乱され、外見上小さな二乗誤差
が得られている場合でも、その結果からどこに真の電流
双極子が存在するのか判断できない場合がある。これ
は、最小ノルムに基づいた方法が、線形モデルを用いて
いるため、雑音の影響を受けやすいからである。
【0023】さらに、文献1に記した方法においては、
格子点を細かくするほど演算負荷が大きくなり、推定に
時間を要するという問題点がある。
【0024】本発明の目的は、上述した問題点を鑑み、
双極子数が未知の場合でも不必要なな双極子を用いるこ
とがなく、データに多くの雑音が混入している場合にお
いても指定された領域内に電流双極子が存在する確率を
正確かつ高速に推定が可能な生体内部活動領域推定装置
を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明の生体内部活動領
域推定方法は、生体体表面上で測定された電位分布及び
/または磁場分布を入力とし、電位分布及び/または磁
場分布の源泉として1個または複数個の電流双極子を生
体内部に仮定し、指定された生体内部の領域内に電流双
極子が存在する確率を推定する生体内部活動領域推定方
法において、電流双極子が存在する全領域を複数の小領
域に分割する第1の工程と、各小領域に仮定された電流
双極子のパラメータを設定し、電流双極子によって生成
される電位及び/または磁場の確率分布を算出する第2
の工程と、各小領域に電流双極子が存在する小領域存在
確率を算出する第3の工程と、パラメータに基づいて、
各小領域に電流双極子が存在する確率の事後分布を算出
する第4の工程と、事後分布とパラメータとから、推定
の良さを表わす評価関数を算出する第5の工程と、評価
関数を最大にするようにパラメータおよび小領域存在確
率を更新する第6の工程と、を有する。
【0026】本発明の生体内部活動領域推定方法では、
所定の終了条件を満足するまで第2、第3、第4、第5
及び第6の工程を繰り返すようにすることが好ましい。
また、第6の工程において更新された小領域存在確率に
基づいて小領域を削除する第7の工程を設けたり、第7
の工程において削除されずに残った小領域をさらなる小
領域に再分割する第8の工程を設けたりしてもよい。
【0027】本発明の生体内部活動領域推定装置は、生
体体表面上で測定された電位分布及び/または磁場分布
を入力とし、電位分布及び/または磁場分布の源泉とし
て1個または複数個の電流双極子を生体内部に仮定し、
指定された生体内部の領域内に電流双極子が存在する確
率を推定する生体内部活動領域推定装置において、電流
双極子が存在する全領域を複数の小領域に分割する小領
域分割手段と、各小領域に仮定された電流双極子のパラ
メータを設定し、電流双極子によって生成される電位及
び/または磁場の確率分布を算出する双極子パラメータ
推定手段と、各小領域に電流双極子が存在する小領域存
在確率を算出する領域存在確率推定手段と、パラメータ
に基づいて、各小領域に電流双極子が存在する確率の事
後分布を算出する事後確率算出手段と、事後分布とパラ
メータとから、推定の良さを表わす評価関数を算出する
評価関数算出手段と、評価関数を最大にするようにパラ
メータおよび小領域存在確率を更新する更新手段と、を
有する。
【0028】本発明の生体内部活動領域推定装置では、
小領域存在確率に基づいて小領域を削除する小領域削除
手段を設けてもよく、さらに、小領域削除手段によって
は削除されずに残った小領域をさらなる小領域に再分割
する小領域再分割手段を設けてもよい。
【0029】以下、本発明の作用について説明する。
【0030】本発明では、双極子の存在する生体内領域
を小領域に分割し、各小領域に双極子が存在する確率g
r,(r=1,...,R)を割り当て、双極子によって生じる
電位分布(あるいは磁場分布)の確率分布
【0031】
【外9】 と小領域存在確率から算出される混合分布
【0032】
【外10】 を評価関数として用いる。ここで
【0033】
【外11】 は電位分布をベクトルで表したもの、viはそのi成分
で、Tは転置記号を表す。また
【0034】
【外12】 は双極子パラメータをベクトルでまとめて表したもので
ある。m個ある電流双極子のパラメータのうち、各
【0035】
【外13】 はr番目の小領域にあるパラメータを表す。すなわち
【0036】
【外14】 と表記する。さらに、Rは分割された小領域の数、nは
測定点の数である。以下では、下付添字がついた変数は
ベクトルの成分を表すものとし、ボールド体で表記され
る変数はベクトルを表すものとする。(例えばaiはベ
クトル
【0037】
【外15】 のi成分を表す。)混合確率分布を具体的に書き下すと
以下のように書ける:
【0038】
【数5】 この混合確率分布をパラメータ
【0039】
【外16】 の関数と見なせば、統計学において尤度と呼ばれる関数
となり、このPを最大にするパラメータ
【0040】
【外17】 が最適なパラメータである、とするのが最尤法である。
あるいは同じことであるが、最尤法ではPの対数を取っ
た対数尤度
【0041】
【数6】 を最大にしてもよい。ただし、
【0042】
【外18】 はr番目の領域に存在する双極子のパラメータ、lnは
自然対数である。後述する本発明の好ましい実施の形態
では、この対数尤度を最大にする双極子パラメータを推
定する必要がある。しかしながら式(6)において、vは
測定可能な電位分布であるが、grは観測できない。こ
のため、式(6)を算出してこれを最大にするパラメータ
を推定することができなくなってしまう。
【0043】この困難を克服するために、本発明ではE
M(Expectation-Maximization)アルゴリズムと呼ばれ
る方法を用いる。EMアルゴリズムを適用するため、式
(6)に示す対数尤度に対して以下の対数尤度(完全対数
尤度と呼ばれる。)を導入する:
【0044】
【数7】 ここでzrは、測定された電位分布が小領域rに存在す
るときに1、存在しないときに0を取る指示変数であ
る。
【0045】さて、このzrもやはり観測できない量で
あるため、ここでは対数尤度
【0046】
【外19】 の期待値
【0047】
【外20】 を算出する必要がある(Eステップ、期待値の算出ステ
ップ):
【0048】
【数8】 ここで、
【0049】
【外21】 はパラメータの初期値、hrは、以下のベイズの公式を
用いて計算される事後確率分布である。
【0050】
【数9】 次に、式(9)のベイズの公式で求めた期待値を最大にす
るように、
【0051】
【外22】 を更新する(Mステップ、最大化ステップ):
【0052】
【数10】 こののち、grを事後確率分布hrで置き換え、再び、E
ステップを行う。この演算を繰り返すことにより、最終
的に期待値
【0053】
【外23】 が最大化される。このときのパラメータ
【0054】
【外24】 が求めるパラメータの値である。
【0055】ところで、上述の繰り返し演算によっても
との対数尤度は必ず増大する:
【0056】
【数11】 このことは、理論的に保証されており、したがってgr
の値が大きい領域ほど、双極子が存在する確率が高いと
いうことが分かり、このために双極子が存在するを正確
に推定することが可能となる。このEMアルゴリズムに
関しては、例えば、M. I. Jordan et al., "Hierarchic
al Mixtures of Exterts and The EM Algorithm," Proc
eedings of 1993 International Joint Conference on
Neural Networks, pp.1339, 1993(以下文献2とする)
に詳しく記載されている。
【0057】さて、以上、EMアルゴリズムによって正
確に双極子の存在位置を推定できることを示したが、本
発明では、対数尤度
【0058】
【外25】 に代わって、以下に定義される記述長
【0059】
【数12】 を用いることも可能であり、その際は、
【0060】
【外26】 を最小にするパラメータを適切なパラメータとする。こ
こで、
【0061】
【外27】 は式(6)に示す対数尤度であり、nは測定点の数、mは
推定に用いたパラメータの総数である。式(13)の形を見
ると、
【0062】
【外28】 は(−尤度)+(パラメータ数)という形をしている。
第1項は、データとモデルとのフィッティングの良さを
表し、第2項は推定に用いたモデルの複雑さを表すと解
釈できる。統計学によれば、多数のパラメータを用いる
と(ここでは広い領域に渡って多数の双極子を用いるこ
とに相当する)、小さな二乗誤差を得ることができるこ
とが知られているが、
【0063】
【外29】 の第2項目はパラメータ数(双極子の数+小領域の数)
に比例して大きくなるため、
【0064】
【外30】 の最小化という意味では不利になる。すなわち、第2項
目は過剰なパラメータ数に対するペナルティ項の役割を
担っている。この機構によって、過剰な双極子の使用や
広い領域に渡って双極子パラメータを探索することを抑
制することができ、適切な双極子数を正しい領域で推定
することが可能となる。この
【0065】
【外31】 を最小化するために、本発明では領域を削除する手段を
備えている。すなわち、前述したEMアルゴリズムを終
えた後、双極子が存在する確率が低い領域を削除し、パ
ラメータ数を減らす手段を有している。
【0066】ここでは評価関数として対数尤度
【0067】
【外32】 と記述長
【0068】
【外33】 を用いた方法について説明したが、後述する発明の実施
の形態から明らかになるように、評価関数としてストラ
クチュラル・リスク(Structural Risk)最小化原理に
基づく評価関数や、赤池の情報量基準に基づく評価関数
を用いることも使用することが可能であり、同様の効果
が得られる。
【0069】この記述長を用いたパラメータ数の推定に
関する理論的基盤は、例えば Rissanen, "Modeling by
Shortest Data Description," Automatica, Vol. 14, p
p.465-471, 1978(文献3)に詳しい。
【0070】
【発明の実施の形態】次に、本発明の好ましい実施の形
態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下
の説明において用いる記号は、特に言及しない限り、今
まで用いてきた記号の説明に従うものとする。また、以
下の実施の形態では、生体(以下、被験者と呼ぶ)の頭
皮上で測定された電位分布から脳内の活動部位を推定す
る方法について説明するが、例えば被験者の胸部で電位
分布を測定し、心臓内の活動部位を推定する場合でも同
様な方法で測定を行うことができる。さらには本発明
は、消化器官や筋肉中での活動部位推定にも用いること
ができる。また、人間以外の他の動物に対しても活動部
位の推定を行うことができることは、言うまでもない。
【0071】《第1の実施形態》図1は本発明の第1の
実施の形態の生体内部活動領域推定装置の構成を示すブ
ロック図であり、図2は第1の実施形態における生体内
部活動領域推定の処理手順を示すフローチャートであ
る。ここでは、脳内の活動部位を推定するので、脳全体
を電流双極子が存在する全領域とし、生体内部活動領域
推定装置に脳の計算モデルを構築して、この計算モデル
を複数の小領域に分割し、各小領域ごとに電流双極子の
存在確率や大きさを推定するものとする。
【0072】この生体内部活動領域推定装置は、計算モ
デルにおいて脳の領域を複数の小領域に分割する小領域
分割装置1と、各小領域に仮定された電流双極子のパラ
メータを設定し、電流双極子によって生成される電位
(あるいは磁場)の確率分布を算出する双極子パラメー
タ推定装置2と、各小領域に電流双極子が存在する確率
を設定する領域存在確率推定装置3と、電流双極子パラ
メータに基づいて各小領域に電流双極子が存在する確率
の事後分布を算出する事後確率推定装置4と、事後確率
分布と電流双極子パラメータとから、推定の良さの指標
である評価関数を算出する評価関数算出装置5と、評価
関数を最大にするように双極子パラメータを更新する双
極子パラメータ更新装置6と、評価関数を最大にするよ
うに各小領域での双極子存在確率を更新する領域存在確
率更新装置7と、頭皮上の電位分布(あるいは磁場分
布)の測定値が入力するデータ入力装置10と、推定結
果を出力する出力装置11と、によって構成されてい
る。
【0073】次に、この生体内部活動領域推定装置を用
いた生体内部活動領域推定の処理について、図2を用い
て説明する。
【0074】まず入力装置10により、被験者の頭皮上
のn点で測定された電位分布データ、および被験者の頭
部形状に関するデータを読み込む(ステップ51)。電
位分布(すなわち脳波)データの測定には、図に示す
ような脳波計を用いることができる。図3に示す脳波計
は、被験者18の頭皮上に載置されるエレクトロキャッ
プ17と、エレクトロキャップ17からの出力を増幅す
る生体アンプ16とによって構成されている。
【0075】電位分布データの測定の際には、通常、被
験者14の頭皮上に例えば20から128個の測定点を
設定するとともに、測定点の座標や頭部の基準点(例え
ば鼻根点、左右の耳など)の座標なども同時に記録して
おく。これによって、推定された活動部位が脳のどの領
域にあるかを座標値で表現することが可能となる。頭部
形状は、例えば磁気共鳴画像(Magnetic Resonance Ima
ging, MRI)装置やX線コンピュータ断層写真(Comp
uted Tomography, CT)スキャナなどを用いて測定す
る。データ入力装置10は、読み込んだデータを小領域
分割装置1に転送する。
【0076】次に、小領域分割装置1において、ステッ
プ51で読み込んだ頭部形状データに基づき、装置内部
のデータ表現(計算モデル)として、電流双極子が存在
する領域を小領域に分割する(ステップ52)。図4
は、脳24を小領域23に分割した例を示している。分
割した小領域23は、たとえば直方体や4面体などのメ
ッシュで表現され、直方体や4面体の各頂点の座標を指
定することによって、数値的に表現される。小領域23
の大きさの初期値としては、例えば3×3×3[cm]程
度の立方体などが適当であるが、その他の大きさを設定
してもよい。
【0077】次に、双極子パラメータ推定装置2におい
て、各領域内で双極子パラメータ
【0078】
【外34】 を設定し、設定した電流双極子パラメータによって頭皮
上に生じる電位分布の値が
【0079】
【外35】 となる確率
【0080】
【外36】 を算出する(ステップ53)。電流双極子パラメータを
設定する方法としては、例えば、値をランダムに設定す
る方法などがある。この場合、電流双極子の位置x,y,
zは、極座標を用いてx=ρ sin Θ cos Φ, y
=ρ sin Θsin Φ,z=ρ cos Θなどと設定
し、ρ,Θ,Φを乱数で設定する。このようにすれば、半
径ρのとる値に上限値を設けることにより、電流双極子
が脳の外に設定されるのを防ぐことができる。人間の脳
は、通常、半径約8cmの球内に収まる程度の大きさで
あるので、ρの上限値としては例えば7cm程度が適当
である。同様にして電流双極子の向きと大きさもランダ
ムに設定できる。双極子の大きさとしては、例えば1n
A・m(ナノ・アンペアメートル。nAは10-9A)程
度が適当である。電流双極子パラメータに対する先験的
知識がない場合、このようにしてランダムに設定した初
期パラメータを用いて推定を開始することが有効な場合
がある。
【0081】また、電位分布の確率分布
【0082】
【外37】 が最大となるように電流双極子パラメータを定める方法
がある(r=1,2,...,Rは領域の番号を示す)。
【0083】
【外38】 として正規分布を仮定すると、この分布の値を最大にす
るには、例えば対象となる小領域の中心に電流双極子の
位置を固定し、電流双極子のモーメント
【0084】
【外39】 を以下のように計算する:
【0085】
【数13】 ここでφは電位の測定データ、Aはn×3のマトリクス
であり、このマトリクスのij成分Aijは、大きさ1の
モーメント・ベクトルを持つ双極子のj(=x,y,z)
番目の成分によってi番目の測定点に生成される電位の
大きさを表す。nは測定点の数である。後に示すシミュ
レーション結果によると、このようにして求めた電流双
極子パラメータは雑音の影響によって乱されるため、こ
の結果から推定した活動領域は誤りであることが多い。
【0086】本発明では、この電流双極子パラメータを
推定するのではなく、領域確率分布gに基づいて活動領
域を推定するため、このような誤りが生じるのを防ぐこ
とができる。
【0087】電流双極子のパラメータが、たとえば位置
【0088】
【外40】 、方向
【0089】
【外41】 、大きさqに設定されたとき、i番目の測定点
【0090】
【外42】 に生成する電位の理論値をφiと書くと、確率
【0091】
【外43】 は以下のように与えられる:
【0092】
【数14】 ここでσは標準偏差である。φiは、たとえば人間の頭
部形状を一様導電率を持つ球で近似し、その導電率がσ
bであるとすると、
【0093】
【数15】 のように計算できる。ただし、‖...‖はベクトルのノ
ルム、qは電流双極子の大きさを表す。電流双極子が複
数存在する場合には、個々の電流双極子が生成する電位
分布の和をとればよい。
【0094】また、脳や頭蓋骨による導電率の違いを考
慮した場合、φi
【0095】
【数16】 となる。ここでYは球面調和関数、r,α,φとr',α',
φ'はそれぞれ測定点と双極子の位置を極座標表示した
ものである。∇'は双極子の位置座標に関する微分演算
子、R(ri,r')は境界条件や導電率によって定められ
る関数である。
【0096】さらに、頭部の実形状を考慮する場合に
は、境界要素法などによる数値計算でφiを求めてもよ
い。境界要素法を用いることによって頭部形状とモデル
の形状との差異に起因する誤差を小さくでき、より高精
度な推定を行うことが可能となる。
【0097】本発明の方法では、入力データとして磁場
データを用いることも可能である。この場合には、上述
した電位計算の式を式(2)に示す磁場計算の式で置き換
えれば、同様な方法で確率分布
【0098】
【外44】 を算出することが可能である。また、入力データとして
電位分布と磁場分布の両方を同時に用いることも可能で
ある。電流双極子が脳の深部にある場合、頭皮上に生じ
る磁場分布は弱くなる傾向にあり、推定が困難になる。
逆に、電流双極子が脳の表面近くにある場合には、導電
率の小さい頭蓋骨の影響を受けて電位分布から推定が困
難になる。このような電位分布、磁場分布の特性を考慮
して推定を行うことによって、正確な推定を行うことが
可能となる。
【0099】確率分布
【0100】
【外45】 を具体的に計算するには、式(15)における
【0101】
【外46】 の部分に、入力装置10を通して入力される測定電位分
布あるいは測定磁場分布を用いる。入力される電位分布
の例を図5に示す。図5においては、黒い部分ほど電位
が集中している。このような電位分布を被験者の頭皮上
で測定するには、図3に示したようなエレクトロキャッ
プと生体アンプ等からなる脳波計などを用いることがで
きる。また、磁場を被験者の頭皮上で測定するには、超
伝導量子干渉素子デバイス(superconducting quantum
interference device, SQUID)などを用いること
ができる。図6は、SQUIDの構成の一例を示すブロ
ック図である。SQUIDでは、被験者18の頭皮に近
接してピックアップコイル21を配し、ピックアップコ
イル21からの出力を測定部20によって増幅し、演算
部19によって演算処理することによって、各測定点で
の磁場を測定することができるようになっている。
【0102】さて、確率分布
【0103】
【外47】 としては、例えばマトリクスWで表される相関を持つ場
合には、
【0104】
【数17】 を用いることも可能である。ここでdet|W|は、マ
トリクスWの行列式である。
【0105】この他にも、状況に応じて多項分布など、
パラメータで表されるどのような確率分布を用いても良
い。
【0106】この計算法により、入力された電位分布あ
るいは磁場分布に近い分布を生成する電流双極子に対し
て高い確率が割り当てられるようになる。
【0107】次に、領域存在確率推定装置3において、
各小領域に電流双極子が存在する確率を設定する(ステ
ップ54)。
【0108】この場合、
【0109】
【外48】 を満たしながら、ランダムに領域存在確率を設定するこ
とができる。また、各領域を同等に扱うため、領域存在
確率を一様にgr=1/Rと設定してもよい。あるい
は、領域存在確率をあらかじめ外部から与えられた値に
設定することも可能である。例えば、特定の刺激に対し
て脳のどの部分が活動するかという知見が生理学的に知
られている場合、あらかじめその部分に対して高い確率
を割り当てておき、計算の負荷を大幅に軽減することが
可能となる。例えば被験者が手や足を動かそうと意図し
た場合、前頭部や頭頂部が活動することが生理学的に知
られている。この知見を利用して、図4において小領域
23を設定してあるように、前頭部から頭頂部にかけて
の領域にあらかじめ高い確率を設定し、その他の領域に
おける領域確率分布を低く設定しておくようにすれば、
運動の意図に関連した活動部位を効率よく求めることが
可能となる。
【0110】次に、事後確率算出装置4において、「課
題を解決するための手段」の項で説明したように、ベイ
ズの公式[式(11)]を用いて各小領域の事後確率分布h
rを算出する(ステップ55)。この事後確率分布hr
対して、領域存在確率grを事前確率と呼ぶ。ここで事
前確率と呼ぶのは、測定された電位データあるいは磁場
データを参照することなしに、grが決定されているか
らである。これに対して事後分布は、式(11)に示すよう
に、
【0111】
【外49】 を用いて計算されており、したがって入力された電位分
布データあるいは磁場分布データを反映して計算されて
いる。
【0112】次に、評価関数算出装置5において、すで
に算出されているgr
【0113】
【外50】 の値を用いて混合確率分布
【0114】
【外51】 を算出し、これを用いて推定の良さを評価する(ステッ
プ56)。
【0115】評価関数としては、例えば混合分布Pその
ものを用いることが可能である。このPをパラメータ
【0116】
【外52】 の関数と見なせば、統計学で尤度と呼ばれる関数とな
る。ここでは、これを最大にするパラメータが最適なパ
ラメータであるとする。または、同じことであるが、P
の対数を取って対数尤度
【0117】
【数18】 を最大にするパラメータを推定しても良い。この最尤法
は、現在観測しているデータの出現する確率が最も高く
なるようにパラメータを設定することに相当する。また
評価関数としては、尤度の代わりに以下に示すストラク
チュラル・リスク(Structural Risk)を用いることが
できる:
【0118】
【数19】 ここで、dVC(m)は、パラメータ数m個のモデルの“表
現力”の指標となる量であって、Vapnik-Che
rvonenkis(VC)次元と呼ばれるものであ
る。ηは、P0を観測データに依らない真の尤度とし
て、不等式
【0119】
【数20】 が確率1−ηで成立することを表し、[x]+=Max
(x,0)である。定数c=a(p)τは、以下の量から
計算される:
【0120】
【数21】 ここで、
【0121】
【外53】 はデータ
【0122】
【外54】 の発生する確率分布である。ストラクチュラル・リスク
を評価関数とした推定では、評価関数
【0123】
【外55】 を最小にするパラメータが最適であるとする。評価関数
【0124】
【外56】 が個数推定に有効であることの理論的基盤は、例えば、
V. N. Vapnik, The Nature of Statistical Learning T
heory, Springer, NY, 1995(文献4)に詳しい。
【0125】また、評価関数として、尤度の代わりに、
式(13)で定義される記述長を用いることも可能である。
記述長を評価関数とした推定では、
【0126】
【外57】 を最小にするパラメータが最適であるとする。さらに、
評価関数として、尤度の代わりに赤池の情報量基準(Ak
aike Information Criterion, AIC)
【0127】
【数22】 などを用いることができる。赤池の情報量を評価関数と
した推定では、
【0128】
【外58】 を最小にするパラメータが最適であるとする。この赤池
の情報量基準を用いたパラメータ数の推定に関する理論
的基盤は、例えば文献、石黒ほか、情報量統計学、共立
出版、1983(文献5)に詳しい。
【0129】以上に述べた3種類の評価関数、
【0130】
【外59】 は、いずれも尤度とパラメータ数の関数になっており、
尤度が大きければ大きいほど、またパラメータの数が少
なければ少ないほど評価値がよくなるようになってい
る。このことにより、大きな尤度を与えてかつパラメー
タの少ないモデルが最適なものとして選ばれやすくな
り、その結果として雑音に強い推定を行うことが可能と
なる。なぜならば、パラメータの数の少ないモデルほど
雑音の影響が受けにくいからである。
【0131】評価関数算出装置5ではさらに、評価関数
の値が終了条件を満たしているかどうかを調べ(ステッ
プ57)、条件が満たされていれば、ステップ58にお
いてその時点での推定結果(パラメータ)を出力して処
理を終了し、終了条件が満たされていなければステップ
59へ進む。終了条件としては、例えば値自体が所与の
値よりも小さいかどうか、あるいは現在のステップで得
られた評価関数値
【0132】
【外60】 と前回のステップで得られた評価関数
【0133】
【外61】 との差
【0134】
【外62】 が所与の値よりも小さいかどうか、などを調べる。
【0135】ステップ59では、双極子パラメータ更新
装置6により、双極子パラメータ
【0136】
【外63】 を下記式にしたがって更新する:
【0137】
【数23】 ステップ59の終了後、ステップ60において、領域存
在確率更新装置7により、下記式にしたがって領域存在
確率gを更新し、ステップ53に戻る:
【0138】
【数24】 ここで、
【0139】
【外64】 は、それぞれ、t回目の繰り返しでの計算で得られてい
【0140】
【外65】 の値であり、argmaxxA(x)は、例えば関数A
(x)を最大にするパラメータθを表す。
【0141】以上の処理を具体的に行うためには、例え
ば以下のような処理を行う。
【0142】いま、式(25)の右辺に現われる関数が
【0143】
【外66】 であるとすると、
【0144】
【外67】 は以下のように更新すればよい:
【0145】
【数25】 ただし、
【0146】
【外68】 は関数
【0147】
【外69】 をパラメータで2階微分したヘッセ行列であって、
E{...}はその期待値を表す。また、grに対しても同
様な方法で更新することが可能である。このパラメータ
の更新法は逐次再重みづけ最小二乗法と呼ばれるもので
あり、これによって尤度関数の最大化が可能となる。以
上に述べた方法の理論的基盤に関しては、例えば、P. M
cCullagh, et al., Generalized Linear Models, Londo
n, Chapman and Hall, 1983(文献6)に詳しい。
【0148】以上、第1の実施形態の生体内部活動領域
推定装置について説明したが、この生体内部活動領域推
定装置のうち、小領域分割装置1、双極子パラメータ推
定装置2、領域存在確率推定装置3、評価関数算出装置
5、双極子パラメータ更新装置6及び領域存在確率更新
装置7の部分は、パーソナル・コンピュータやワーク・
ステーション、スーパー・コンピュータなどの計算機を
用いて、ソフトウェアにより実現することができる。
【0149】図7は、生体内部活動領域推定装置のうち
データ入力装置と出力装置を除く部分をソフトウェアに
より実現するための計算機の構成を示すブロック図であ
る。
【0150】この計算機は、中央処理装置(CPU)3
1と、プログラムやデータを格納するためのハードディ
スク装置32と、主メモリ33と、キーボードやマウス
などの入力装置34と、CRTなどの表示装置35と、
磁気テープやCD−ROM等の記録媒体37を読み取る
読み取り装置36と、データ入力装置10及び出力装置
11との接続インタフェースとなる入出力インタフェー
ス部38と、から構成されている。ハードディスク装置
32、主メモリ33、入力装置34、表示装置35、読
み取り装置36及び入出力インタフェース部38は、い
ずれも中央処理装置31に接続している。この計算機で
は、生体内部活動領域推定装置としてこの計算機を機能
させるためのプログラムを格納した記録媒体37を読み
取り装置36に装着し、記録媒体37からプログラムを
読み出してハードディスク装置32に格納し、ハードデ
ィスク装置32に格納されたプログラムを中央処理装置
31が実行することにより、生体内部活動領域推定の処
理が実行される。
【0151】また、データ入力装置10としては、脳波
計やSQUIDで測定され、電圧に変換されたデータを
入力することが可能な電圧計などを用いることができ
る。脳波や磁束がどの場所で測定されたかを示す位置デ
ータを入力するためには、3次元デジタイザなどを用い
る。さらに、脳波計やSQUIDと併用してMRIをデ
ータ入力装置10として用いれば、被験者の形状情報を
利用することが可能となり、より高精度な生体内部活動
領域推定装置を構築することができる。
【0152】さらに、出力装置11としては、例えばモ
ニタ装置やプリンタ、XYプロッタなどを用いることが
できる。
【0153】《第2の実施形態》次に、本発明の第2の
実施形態について説明する。なお、第1の実施形態での
処理と共通する処理については、説明を割愛する。図8
は、この第2の実施形態での生体内部活動領域推定装置
装置の構成を示すブロック図であり、図9は、第2の実
施形態での処理手順を示すフローチャートである。
【0154】図8に示す生体内部活動領域推定装置は、
図1の生体内部活動領域推定装置に対し、領域存在確率
更新装置7で更新された各小領域での存在確率に基づい
て、存在確率が小さかった小領域を計算モデルから削除
する小領域削除装置8を追加した構成のものである。プ
ログラムを計算機に読み込ませることによって生体内部
活動領域推定装置を実現する場合、小領域削除装置8に
ついてもソフトウェアによって実現することができる。
【0155】次に、この生体内部活動領域推定装置での
処理について、図9を用いて説明する。
【0156】第1の実施形態のステップ51からステッ
プ60までを実行した後、ステップ53に戻る前に、小
領域削除装置8において、ステップ60までの処理によ
って推定された小領域確率分布grのうち、所定の値に
満たない領域を削除する(ステップ61)。この所定の
値としては、例えば、0.01などの値を用いることが
できるが、その他の正の小さな値を用いても実行可能で
ある。
【0157】この小領域の削除は、例えば、該当する小
領域のgrの値を強制的に0とおくことによって実行で
きる。この操作を行った後は、確率分布
【0158】
【外70】 を算出するステップ53において、gr=0となった小
領域内での双極子パラメータの推定を省略することがで
きるため、計算時間を著しく軽減できる効果が生じる。
【0159】小領域を削除する条件としては、上記のほ
か、パラメータの変化δgrが、ある正の数
【0160】
【外71】 よりも小さくなるという条件
【0161】
【数26】 などの条件を用いることができる。
【0162】
【外72】 の値としては、例えば10-5などを用いることができる
が、それ以外の正の小さな値を用いても、同様な方法で
実行可能である。
【0163】《第3の実施形態》次に、本発明の第3の
実施形態について説明する。なお、第1及び第2の実施
形態での処理と共通する処理については、説明を割愛す
る。図10は、この第3の実施形態での生体内部活動領
域推定装置装置の構成を示すブロック図であり、図11
は、第3の実施形態での処理手順を示すフローチャート
である。
【0164】図10に示す生体内部活動領域推定装置
は、図8の生体内部活動領域推定装置に対し、小領域削
除装置8によっては削除されなかった小領域をさらなる
小領域に再分割する小領域再分割装置9を追加した構成
のものである。プログラムを計算機に読み込ませること
によって生体内部活動領域推定装置を実現する場合、小
領域再分割装置9についてもソフトウェアによって実現
することができる。
【0165】次に、この生体内部活動領域推定装置での
処理について、図11を用いて説明する。
【0166】第1及び第2の実施形態のステップ51か
らステップ61までを実行した後、ステップ53に戻る
前に、削除されずに残っている小領域について、小領域
再分割装置9において、ステップ61までの処理によっ
て得られた小領域確率分布g rに基づいて、各小領域が
分割可能であるかどうかを調べ(ステップ62)、分割
可能であるならばステップ63へ進み、小領域再分割装
置9によってさらなる領域分割を行ってからステップ5
3に戻る。分割するかしないかの判断基準は、例えば、
その小領域の小領域確率分布grがある値以上であるか
どうかとすることができる。この場合、小領域確率分布
rがある値以上であれば、分割可能とする。分割が不
可能であるならば、ステップ53へ直接進み、ステップ
54以降の処理を繰り返し、双極子パラメータと領域存
在確率の更新を続行する。
【0167】この小領域の再分割は、例えば図12に示
すように、小領域の境界を構成する各辺を等分割するこ
とによって行うことができる。この再分割を行って、再
分割された小領域25に対して上述の処理を繰り替える
ことにより、電流双極子が存在する領域をより精密に特
定することが可能となる。なお、図12では、ステップ
61で削除された小領域26を黒色部で示している。
【0168】《シミュレーション》次に、シミュレーシ
ョン・データを用いて本発明の有効性を評価した結果に
ついて説明する。ここでは、大きさ1[nA・m]の電流
双極子を領域番号20の小領域の配置し(これを真の電
流双極子と呼ぶ)、真の電流双極子によって生成された
電位に基づいて電流双極子の存在領域を逆推定した。小
領域の数は40個である。また、推定手法の耐雑音性を
評価するために、電位には10%の正規雑音を付加して
ある。
【0169】図13(a)〜(f)は、シミュレーション結果
を示す図である。図13(a)は真の電流双極子(すなわ
ち、シミュレーションデータを生成するのに用いた電流
双極子)の位置と大きさを示す図、図13(b)は本発明に
基づく方法で推定した電流双極子の存在確率を示す図
(更新回数20回)、図13(c)は従来手法を用いて推
定した結果を示す図、図13(d),(e),(f)は本発明に基
づく方法での中間結果を示す図であって、それぞれ更新
回数0回、2回、10回での結果を示す図である。図1
3(a),(c)においては、縦軸は双極子の大きさを表し、
横軸は双極子の存在する小領域の番号を表す。また、図
13(b),(d),(e),(f) においては、縦軸は双極子の領域
存在確率を表し、横軸は双極子の存在する小領域の番号
を表す。
【0170】図13(a)は、電位を生成するために用い
られた真の電流双極子が小領域番号20の位置に存在す
ることを示している。本発明の方法を用いてこの双極子
の存在領域を推定した結果が図13(b)である。図13
(b)において、20番目の小領域において領域存在確率
が最大となっており、真の双極子が存在する領域を正し
く推定できている。
【0171】図13(d),(e),(f)は、本発明の方法を用
いて領域存在確率grを逐次更新していく過程を示して
おり、図13(d)においては、grの初期状態では双極子
がどこに存在するかは未知であるから、全ての領域に一
様な確率gr=1/40,(r=1,...,40)を与えて
いる。図13(e),(f)は、それぞれ、grの値を2回、1
0回更新したあとの確率分布であって、更新を進めるご
とに真の双極子が存在する領域の確率が大きくなってい
くのが分かる。なお、最終結果である図13(b)は、2
0回の更新を行って得られた結果を示している。
【0172】これに対し、従来方法を用いた結果では、
図13(c)に示すように、雑音の影響を受けて双極子の
大きさが乱れており、この結果を見ただけではどこに双
極子が存在するかを判断することはできなくなってい
る。
【0173】
【発明の効果】以上に説明したように本発明は、双極子
数が未知の場合でも不必要な双極子を用いることがな
く、データに多くの雑音が混入している場合においても
指定された領域内に電流双極子が存在する確率を正確か
つ高速に推定できるという効果がある。また、電流双極
子パラメータの値から実際の電流双極子が存在する位置
が明確に判別できない場合においても、領域確率分布に
よって電流双極子の存在位置が明確に判別できるように
なるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の生体内部活動領域
推定装置の構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態での処理手順を示すフローチャ
ートである。
【図3】脳波計を用いた電位測定(脳波測定)の一形態
を示す図である。
【図4】領域分割の形態の一例を示す図である。
【図5】被験者の頭皮上で観測される電位の一例を示す
図である。
【図6】SQUIDを用いた脳磁場測定の一形態を示す
図である。
【図7】生体内部活動領域推定装置を構築するために使
用する計算機の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態の生体内部活動領域
推定装置の構成を示すブロック図である。
【図9】第2の実施形態での処理手順を示すフローチャ
ートである。
【図10】本発明の第3の実施の形態の生体内部活動領
域推定装置の構成を示すブロック図である。
【図11】第3の実施形態での処理手順を示すフローチ
ャートである。
【図12】小領域再分割および小領域削除の実施の一形
態を示す図である。
【図13】本発明の方法を用いて電流双極子の存在する
存在確率を推定することをシミュレーションした結果を
示す図であって、(a)は真の電流双極子(すなわち、シミ
ュレーションデータを生成するのに用いた電流双極子)
の位置と大きさを示した図、(b)は本発明に基づく方法
で推定した電流双極子の存在確率を示す図であって、更
新回数20回の段階を示した図、(c)は従来手法を用い
て推定した結果を示した図、(d)は本発明に基づく方法
で推定した電流双極子の存在確率であって、更新回数0
回の段階における値を示した図、(e)は本発明に基づく
方法で推定した電流双極子の存在確率であって、更新回
数2回の段階における値を示した図、(f)は本発明に基
づく方法で推定した電流双極子の存在確率であって、更
新回数10回の段階における値を示した図である。
【図14】特開平6−343614号公報に開示されて
いる双極子推定方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 小領域分割装置 2 双極子パラメータ推定装置 3 領域存在確率推定装置 4 事後確率算出装置 5 評価関数算出装置 6 双極子パラメータ更新装置 7 領域存在確率更新装置 8 小領域削除装置 9 小領域再分割装置 10 データ入力装置 11 出力装置 16 生体アンプ 17 エレクトロキャップ 18 被験者 19 演算部 20 測定部 21 ピックアップコイル 23 小領域 24 脳 25 再分割された小領域 26 削除された小領域 31 中央処理装置 32 ハードディスク装置 33 主メモリ 34 入力装置 35 表示装置 36 読み取り装置 37 記録媒体 38 入出力インタフェース部 51〜63 ステップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/05

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体体表面上で測定された電位分布及び
    /または磁場分布を入力とし、前記電位分布及び/また
    は磁場分布の源泉として1個または複数個の電流双極子
    を生体内部に仮定し、指定された生体内部の領域内に電
    流双極子が存在する確率を推定する生体内部活動領域推
    定方法において、 前記電流双極子が存在する全領域を複数の小領域に分割
    する第1の工程と、 前記各小領域に仮定された電流双極子のパラメータを設
    定し、前記電流双極子によって生成される電位及び/ま
    たは磁場の確率分布を算出する第2の工程と、 前記各小領域に電流双極子が存在する小領域存在確率を
    算出する第3の工程と、 前記パラメータに基づいて、前記各小領域に電流双極子
    が存在する確率の事後分布を算出する第4の工程と、 前記事後分布と前記パラメータとから、推定の良さを表
    わす評価関数を算出する第5の工程と、 前記評価関数を最大にするように前記パラメータおよび
    前記小領域存在確率を更新する第6の工程と、を有する
    ことを特徴とする生体内部活動領域推定方法。
  2. 【請求項2】 所定の終了条件を満足するまで前記第
    2、第3、第4、第5及び第6の工程を繰り返す、請求
    項1に記載の生体内部活動領域推定方法。
  3. 【請求項3】 前記第6の工程において更新された前記
    小領域存在確率に基づいて前記小領域を削除する第7の
    工程を有する請求項2に記載の生体内部活動領域推定方
    法。
  4. 【請求項4】 前記第7の工程において削除されずに残
    った小領域をさらなる小領域に再分割する第8の工程を
    有する請求項3に記載の生体内部活動領域推定方法。
  5. 【請求項5】 前記評価関数として、混合確率分布を使
    用する請求項1乃至4いずれか1項に記載の生体内部活
    動領域推定方法。
  6. 【請求項6】 前記評価関数として、混合確率分布及び
    推定に用いたパラメータの数から算出されるストラクチ
    ュラル・リスク(Structural Risk)を使用する請求項
    1乃至4いずれか1項に記載の生体内部活動領域推定方
    法。
  7. 【請求項7】 前記評価関数として、混合確率分布及び
    推定に用いたパラメータの数から算出される記述長を使
    用する請求項1乃至4いずれか1項に記載の生体内部活
    動領域推定方法。
  8. 【請求項8】 前記評価関数として、混合確率分布及び
    推定に用いたパラメータの数から算出される赤池の情報
    量基準を使用する請求項1乃至4いずれか1項に記載の
    生体内部活動領域推定方法。
  9. 【請求項9】 最初に前記第2の工程を実行する際に、
    前記パラメータをランダムに設定する請求項1乃至4い
    ずれか1項に記載の生体内部活動領域推定方法。
  10. 【請求項10】 最初に前記第2の工程を実行する際
    に、前記電位及び/または磁場の確率分布が最大になる
    ように前記パラメータを設定する請求項1乃至3いずれ
    か4項に記載の生体内部活動領域推定方法。
  11. 【請求項11】 最初に前記第2の工程を実行する際
    に、各小領域の存在確率が同じになるように前記小領域
    存在確率を設定する請求項1乃至4いずれか1項に記載
    の生体内部活動領域推定方法。
  12. 【請求項12】 最初に前記第2の工程を実行する際
    に、前記小領域存在確率をあらかじめ与えられた値に設
    定する請求項1乃至4いずれか1項に記載の生体内部活
    動領域推定方法。
  13. 【請求項13】 生体体表面上で測定された電位分布及
    び/または磁場分布を入力とし、前記電位分布及び/ま
    たは磁場分布の源泉として1個または複数個の電流双極
    子を生体内部に仮定し、指定された生体内部の領域内に
    電流双極子が存在する確率を推定する生体内部活動領域
    推定装置において、 前記電流双極子が存在する全領域を複数の小領域に分割
    する小領域分割手段と、 前記各小領域に仮定された電流双極子のパラメータを設
    定し、前記電流双極子によって生成される電位及び/ま
    たは磁場の確率分布を算出する双極子パラメータ推定手
    段と、 前記各小領域に電流双極子が存在する小領域存在確率を
    算出する領域存在確率推定手段と、 前記パラメータに基づいて、前記各小領域に電流双極子
    が存在する確率の事後分布を算出する事後確率算出手段
    と、 前記事後分布と前記パラメータとから、推定の良さを表
    わす評価関数を算出する評価関数算出手段と、 前記評価関数を最大にするように前記パラメータおよび
    前記小領域存在確率を更新する更新手段と、を有するこ
    とを特徴とする生体内部活動領域推定装置。
  14. 【請求項14】 前記小領域存在確率に基づいて前記小
    領域を削除する小領域削除手段を有する請求項13に記
    載の生体内部活動領域推定装置。
  15. 【請求項15】 前記小領域削除手段によっては削除さ
    れずに残った小領域をさらなる小領域に再分割する小領
    域再分割手段をさらに有する請求項14に記載の生体内
    部活動領域推定装置。
  16. 【請求項16】 生体体表面上で測定される電位分布及
    び/または磁場分布の源泉として1個または複数個の電
    流双極子を生体内部に仮定し、指定された生体内部の領
    域内に電流双極子が存在する確率を推定するために、前
    記電位分布及び/または磁場分布を入力とするコンピュ
    ータで用いられるプログラムを格納した記録媒体であっ
    て、 前記電流双極子が存在する全領域を複数の小領域に分割
    する機能と、 前記各小領域に仮定された電流双極子のパラメータを設
    定し、前記電流双極子によって生成される電位及び/ま
    たは磁場の確率分布を算出する機能と、 前記各小領域に電流双極子が存在する小領域存在確率を
    算出する機能と、 前記パラメータに基づいて、前記各小領域に電流双極子
    が存在する確率の事後分布を算出する機能と、 前記事後分布と前記パラメータとから、推定の良さを表
    わす評価関数を算出する機能と、 前記評価関数を最大にするように前記パラメータおよび
    前記小領域存在確率を更新する機能と、を実現するため
    のプログラムを格納した、コンピュータで読み取り可能
    な記録媒体。
  17. 【請求項17】 更新された前記小領域存在確率に基づ
    いて前記小領域を削除する機能を前記コンピュータで実
    現するためのプログラムを格納した請求項16に記載の
    記録媒体。
  18. 【請求項18】 削除されずに残った小領域をさらなる
    小領域に再分割する機能を前記コンピュータで実現する
    ためのプログラムを格納した請求項17に記載の記録媒
    体。
  19. 【請求項19】 最初に前記小領域存在確率を設定する
    際に、当該小領域存在確率をランダムに設定する請求項
    16乃至18のいずれか1項に記載の記録媒体。
  20. 【請求項20】 最初に前記小領域存在確率を設定する
    際に、小領域ごとの存在確率が同じになるように設定す
    る請求項16乃至18のいずれか1項に記載の記録媒
    体。
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