JP3156724B2 - タイプ1インターフェロンへの細胞応答を変えるタンパク質のクローニングおよび発現 - Google Patents

タイプ1インターフェロンへの細胞応答を変えるタンパク質のクローニングおよび発現

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 発明の技術分野 本発明はタイプIインターフェロンへの細胞応答を変
えるポリペプチド、このようなポリペプチドはインター
フェロンタイプI受容体系の推定成分である、を符号化
する遺伝子の分子クローニング、および適当な宿主にお
ける遺伝子の発現に関するものである。本発明は、ポリ
ペプチドそのもの、そのアクチブアナログおよび、この
ような性質を持つポリペプチドを得るための方法に関す
るものである。
情報の開示 ヒトおよびネズミの細胞は、それらの抗原性を基礎と
して、また、それらを生産する細胞のタイプにおいて、
アルファ、ベータ、およびガンマと表される3種のイン
ターフェロン(IFN)を作るために誘導することができ
る。またこれらのIFNはヒトの細胞に多くの変化を起こ
し、その結果、抗ウイルス、抗腫瘍および/または抗細
胞の状態を確立し、また細胞膜内に主要組織適合遺伝子
複合体(MHC)抗原の増加した発現および/または誘導
を含む多数の変化を生じさせる。リンダル・ピーら(19
73)、「ネズミの白血病L1210細胞における表面抗原の
発現のインターフェロンによる促進」、Proc.Natl.Aca
d.Sci.(USA),70,pp.2785−2788,およびフェロウス・
エムら(1982)「ヒトの繊維芽細胞およびリンパ芽球細
胞内の主要組織適合遺伝子抗原に対するmRNAのインター
フェロン依存の誘導」Proc.Natl.Acad.Sci.(USA),7
0,pp.3082−3086。これらの大部分または全部はIFNの相
互作用および、それらの細胞表面受容体によって生じる
信号によってひき起こされる。
直接の配位子結合の研究および結合部位コンペティシ
ョンの研究、並びに間接の免疫学的および体細胞遺伝の
研究は、細胞表面における2種の高親和性受容体のうち
の一つに特異的に結合することによって、3種のIFNが
インターフェロン感受性細胞と相互に作用することを示
している。(ルビンスタイン・エムおよびオーチャンス
キィ・ピー(1985)、「インターフェロン受容体」、CR
C Critical Reviews in Biochemistry,,P、249に概説
されている)。全部のヒトIFN−アルファおよびヒトIFN
−β(タイプI INF)は染色体21−符号化タイプI受容
体に結合するが、ヒトIFN−ガンマ(タイプII INF)は
感受性を与えるために染色体21−符号化遺伝子を必要と
する染色体6−符号化タイプII受容体に結合する。MHC
誘導に必要なIFN受容体および抗ウィルス状態(AVS)の
誘導をひき起こすIFN受容体は、共通の抗原決定基を共
有し、ヒト染色体21上に符号化される。
ヒトタイプI IFN受容体は、125I結合IFNを結合した細
胞膜を架橋しSDS−PAGEで行う実験に基づいて、95〜140
kDaの分子量を有すると推定された(ラジウディン・エ
ーら(1984),Proc.Natl.Acad.Sci.(USA),81,pp.550
4−5508およびトンプソン・エム・アールら(1985),J.
Bioc.Chem,260,pp.563〜571)。受容体は糖タンパク質
であり、ポリペプチド自体の大きさに近い小さな値であ
ることが証明されている。
ここに引用した文献はいずれも適当な従来技術として
限定されるものではない。ここに引用した刊行物はこれ
によって参照文献として組み入れられる。
発明の概要 インターフェロン系およびアルファとベータのインタ
ーフェロン遺伝子のクローニングにおいて数年前にかな
りの関心が持たれたにもかかわらず、タイプI受容体は
天然物から単離精製されなかったばかりか、組み換えDN
A技術によっても製造されなかった。
IFN−α,β受容体は、稀少であり(細胞当たり数千
個の分子)、増幅した数の受容体を持つ細胞系がないた
めに、直接タンパク質を精製して単離することができな
かった。この問題を解決するために、本発明者らはDNA
を介する遺伝子移入によって、その解決に取りかかっ
た。マウス細胞にヒトゲノムDNAで形質転換を起こさ
せ、ヒトアルファおよびベータIFNに応答する能力が増
大した細胞クローンを選択することによって、タイプI
IFN受容体系のタンパク質成分のための遺伝子を単離
することに成功した。本発明者らは、ヒトIFN応答細胞
を単離する手段として細胞表面のH2抗原の増加を利用し
た。
本発明は、タイプIインターフェロンへの細胞応答を
変化させ、従ってヒトインターフェロンタイプI受容体
系の推定成分であるタンパク質を符号化するDNA配列か
らなるDNA配列に関するものである。好適例では、コー
ド領域899〜3253から成る第1図のcDNAに関する。
また、本発明は、本発明のDNAを含むDNAベクターに関
し、好ましくはシミアンウィルス(SV)40初期遺伝子プ
ロモーターに融合した第1図のcDNAを含むプラスミドpS
VE3−L7を主成分とする発現ベクターに関するものであ
る。
さらに本発明は宿主細胞に関し、好ましくは、宿主細
胞に前記ヒトIFNタイプI受容体関連ポリペプチドを発
現させる方法で本発明のDNAを用いて形質転換される哺
乳類細胞のような真核細胞に関し、また、このように発
現されたポリペプチドに関するものである。
図面の簡単な説明 第1図は推定タイプIインターフェロン受容体成分cD
NAクローンL7のヌクレオチド配列である。コードする配
列を同定しアミノ酸への予測された翻訳が与えられる。
第2図はタイプIインターフェロンへの細胞応答を変
化させるタンパク質をクローニングするための好ましい
実験記録の概略図であり、このようなタンパク質はヒト
タイプI IFN受容体系の推定成分である。
第3図は抗体を上げるために使用される3個の分子間
の構造関係を示すL7cDNAおよびL7タンパク質の制限図で
ある。
第4図はヒトIFNへの細胞の応答として発現されるメ
トトレキセート(MTX)によってCHO細胞中のL7cDNA発現
の増幅(即ち、(2′−5′)Aシンテターゼの増加倍
数)を示す棒グラフである。各MTX濃度で選択されたCHO
−pSVL7クローンに対する増加倍数は、同じ処理を行っ
たコントロールCHO−DHFRクローンと比較して計算し
た。非増幅クローン(0MTX)における(2′−5′)A
シンテターゼ増加はCHO−DHFRに対し2倍であり、縦座
標において、この値は増幅クローンと比較するため1と
する。
第5A図はCHO−pSVL7形質転換細胞(300nM MTXでの)
における(2′−5′)Aシンテターゼ活性を、ヒトIF
N−β(□)またはハムスターIFN(+)によって生じる
細胞に対するCHO−DHFRコントロールにおける活性に対
してプロットしたグラフである。第5B図は第5A図のデー
タの拡大図である。
第6図はウサギ抗−L7(PSN)抗体の存在でローダミ
ン抱合タンパク質Aで着色したダウジ細胞のFACS分析で
ある。横座標は蛍光の任意単位であり、縦座標は細胞数
である。左図は抗−L7を有する。または有しない細胞の
大きさに差がないことを示す光散乱であり、右図はロー
ダミン蛍光を示す。60でピークになる2つの曲線はウサ
ギ抗血清をもたない、または通常の(非免疫)ウサギ血
清をもつ細胞である。110でピークになる曲線は抗−L7
抗血清をもつ細胞からのものである。この置換はダウジ
細胞全部がその表面にL7をもつことを示している。
第7図はヒトIFN−αのダウジ細胞への結合およびこ
の結合における異なる追加の効果を示す棒グラフであ
る。低温IFN−βは拮抗し、染色体21をもつ細胞に対す
る抗体(<Chr.21)も拮抗するが、抗−L7抗体(<L7)
は阻害しない。NRSおよびNMSはそれぞれ通常のウサギお
よびマウスの血清である。
発明の詳細な説明 シトキンまたは他のタンパク質ホルモンに対する受容
体は、細胞外環境に存在する配位子(すなわちシトキン
またはホルモン)と特異性をもって相互に作用し配位子
の生物学的作用を行うために、細胞外区画に信号を移す
細胞表面上のタンパク質分子である。シトキン(例え
ば、インターロイキン−2(IL−2)、インターフェロ
ン−γ(IFN−γ))に対する既知の受容体は共に受容
体系を構成する数種のタンパク質鎖から成る。これらの
タンパク質鎖の機能は、1)高い親和性で特異的に配位
子を結合すること、2)多くの場合コンホメーション変
化を生じる配位子の活性部位と相互に作用すること、お
よび3)信号を細胞内区画に形質導入することである。
受容体系を形成する異なるタンパク質間の協同作用は、
これらの機能のために必要であると考えられている。例
えばIL−2の高い親和性結合は2つの成分を必要とする
(ハタケヤマ・エムら(1989)、「インターロイキン−
2受容体β鎖遺伝子:クローニングしたヒトαおよびβ
鎖cDNAによる三つの受容体形態の発生」、サイエンス、
244,551−556)。タイプIIインターフェロン受容体系
は、少なくとも2成分から成る:結合単位と形質導入単
位(ランガー・ジェイ・エイおよびペツカ・エス、(19
88)「インターフェロン受容体」、イムノロジー・トゥ
ディ、9,393−400)。恐らくは、タイプI IFN受容体系
は同様にIFNの種に共通の結合、IFN活性部位との相互作
用および特定遺伝子の転写を活性化する信号の形質導入
に伴う数種のタンパク質から成るらしい。
細胞表面の受容体にインターフェロンを架橋する技術
では知られているが、この方法は実際には、細胞当たり
の受容体の数が低い(代表的には、5000以下)ので、タ
イプI受容体を持つ形質転換された細胞を同定するため
に、または、それを精製し確認するのに十分な受容体を
得るために用いることが出来ない。さらに、この方法
は、高い親和性にてIFNを結合するように現れないのでL
7タンパク質を同定しなかった。
一面では、本発明はシトキン、特にインターフェロ
ン、およびさらに特にタイプIインターフェロンのため
の受容体成分を符号化する遺伝子を同定する方法に関
し、これは形質転換された細胞によって発現された表面
受容体に標識を付けたシトキンを架橋し、次いで結合し
た標識の検出によって、このような受容体を発現する細
胞を、発現しなかったものから区別する必要性を回避す
る。その代わりに、本発明は細胞表面特性において検出
できる変化を生じるシトキンの能力に依存している。好
適例において、この変化は抗原変化である。この変化は
1個以上の抗原における増加または減少である。例え
ば、インターフェロンを用いると、このような変化はMH
C抗原において増加する。H2抗原の増加した発現を検出
することが好ましいが、同様に、例えば、β2ミクログ
ロブリンまたはクラスII MHC抗原のような他のMHC抗原
を検出することができる。
この方法は、上記方法よりも幾つかの利点がある。第
1に、単に細胞表面の受容体だけでなく、細胞質受容体
を同定することができる。第2に、直接配位子を結合す
るものだけでなく、対応する配位子と間接的にのみ相互
作用する受容体を同定することができる。最後に、選択
されたクローンを配位子に応答する能力があることを確
証する。この極度に単純化された方法は、インターフェ
ロンを結合するが、その相互作用の結果として、も早ど
んな細胞活性も誘発しない分子を発現するクローンを選
択することができる。
好ましくは、細胞表面抗原は、抗体、特にモノクロー
ナル抗体によって認められる。しかし、ある場合には、
レクチンまたは酵素のような異なる種類の結合分子も適
当である。1実施例において、結合分子に標識を付さな
ければならない。アッセイ分野において知られている任
意の標識、例えばラジオラベル、酵素標識または蛍光標
識を使用でき、蛍光標識が好適である。標識を直接また
は間接に、共有結合でまたは非共有結合で付けることが
できる。また、結合分子をアフィニティクロマトグラフ
ィー支持体に付けることができ、次に受容体を持つ細胞
を持つ細胞を持たない細胞から親和性により分離するこ
とができる。
他の形質転換した細胞から所望のクローンを分離する
には、蛍光活性化細胞選別(FACS)によって行うことが
好ましい。検出された表面構造の発現水準に勿論、FACS
の感度限界内になければならないが、代表的には20000
分子/細胞以上である。
受容体成分遺伝子は、関連のない遺伝子並びにコーデ
ィング機能のない配列を含むDNAから単離しなければな
らない。スクリーニングすべきDNAはゲノムDNAまたはcD
NAである。供与体の全ゲノムから、または選択された染
色体から誘導することができる。特定の大きさのDNAを
強化する事もできる。このDNAはDNAフラグメントの簡単
なトランスフェクションによって、宿主細胞に導入する
ことができ、あるいはDNAフラグメントを、次に宿主細
胞を形質転換するために使用される適用なウイルスまた
はプラスミドベクターにサブクローニングしてもよい。
スクリーニングのために使用される宿主細胞は、機能
受容体遺伝子を用いて形質転換する前に、インターフェ
ロン(または他の関心のあるシトキン)に応答できるも
のが好ましい。しかし、遺伝子改変が実質的に、検出さ
れる応答を高める場合には、応答レベルの低い宿主細胞
を使用できる。インターフェロンは、種特異的であり、
ヒトIFN受容体成分遺伝子のための探究では、非ヒト宿
主採用の使用が好ましい。
受容体成分遺伝子を一旦、単離すると、受容体成分の
自然には発生しない類似体が遺伝子の部位に特異的な突
然変異生成によって、または化学的処理によって(例え
ばタンパク質分解酵素を用いて)、容易に分離される。
機能的であると思われる類似体を、配列を注意深く調べ
ることによって、同定することができる。例えば、ポテ
ンシャルリン酸化およびトランスメンブラン領域は活量
に対し、一層不可欠であるらしい。アミノ酸は、全く異
なるアミノ酸と置換するよりは、似た大きさのチャージ
を持つものと置換した方がよい。活量に必要なN−およ
びC−末端は、切り捨てて測定することができる。
受容体成分遺伝子を自然のままではなく、会合したプ
ロモーターに結合することができ、これは構造性があ
り、また誘導できる。好ましいプロモーターはSV40初期
プロモーターである。遺伝子のコドン選択を、宿主のコ
ドン優先に適合し、望ましくない二次構造の形成を排除
し、あるいは制限部位を作りまたは除去して遺伝子をさ
らに容易に改変するように、変えることができる。遺伝
子は任意適当な宿主細胞に導くことができる。
特に好ましい例において、せん断したヒトDNAをヘル
ペスウイルスTK遺伝子と共にマウスLTK-細胞に導入し、
ヒトタイプI IFNに応答するLTK+トランスフェクション
マウス細胞を蛍光活性化細胞選別(FACS)によって選択
した。タイプI IFN受容体/細胞の数がFACS分析によっ
て検出できる数よりも低いために、直接的よりはむしろ
間接的な受容体成分のためのFACS選択を使用した。細胞
表面のMHC抗原におけるIFN誘導増加は応答細胞を分離す
るマーカーとして使用するために選ばれた。
特に、生物学的に活性な受容体成分を発現する細胞
は、HAT耐性細胞をヒトタイプI IFNを用いて処理した後
にH2発現が増加することによって証明されるので、スク
リーニングした。これは、ヒトIFN受容体を発現するヒ
ト×マウス体細胞ハイブリッドにおけるマウスH2発現を
ヒトIFNが制御することを示すことによって支持された
解決法である。細胞を計算し、FACS選択を繰り返した。
マウス細胞中のヒトDNAの量は、一次トランスフェクシ
ョン由来のヒトIFN感受性クローン細胞からのDNAを用い
る二次トランスフェクションを作ることによって減少し
た。受容体成分を発現する二次トランスフェクタント
は、上述のFACSスクリーニングによって得られた。
ゲノムDNAライブラリーは、バクテリオファージEMBL3
を用いる二次トランスフェクタントから抽出されたDNA
から調製した。これらのファージからのヒトDNA制限酵
素フラグメントをサザンブロット分析によって分析し、
ヒト染色体21を含む細胞に発現したユニーク配列を得
た。一個のファージ単離体はユニーク2.1kb EcoR1制限
フラグメントを含んでおり、これはマウス細胞対ヒト胎
盤細胞DNAからのゲノムDNA、およびヒト染色体21が得ら
れた唯一の染色体であるヒト×マウス体細胞からのDNA
に対して特異的ハイブリッド形成を基礎として、ヒト染
色体21から明らかとなった。のものらしいユニーク2.1k
b EcoR1制限フラグメントを得た。これは実際に、ヒト
染色体21を用いてまた用いずにヒト×マウスおよびヒト
×ハムスター体細胞ハイブリッドからのDNAを用いるパ
ルスフィールドゲルプロットのハイブリッド形成パター
ンによって一片のヒト染色体21であることを確認した。
受容体成分を符合化するために十分な大きさのヒトポリ
−A+RNAとこのユニークフラグメントがハイブリッドす
ることは、ノザンブロットハイブリッド化を用いて示さ
れた。この一片はプラスミドベクターpGEM4にサブクロ
ーニングされ、クロネテック・ラボラトリー(パロアル
ト、カリホルニア)から入手したヒト胎盤λgt11cDNAラ
イブラリーをスクリーニングするために用いられた。7
個のcDNAクローンを単離した。ヒトDNAをストラタジー
ン・クローニング・システム(サンジアゴ、カリホルニ
ア)のブルースクリプトプラスミドベクターにサブクロ
ーニングした。
実施例1:推定タイプI IFN受容体成分遺伝子の単離 マウスLMTK-細胞(酵素チミジレートキナーゼ、TKが
不足している)をヒポキサンチン−アミノプテリン−チ
ミジン(HAT)選択培地で、選択性マーカーとしてヘル
ペスシンプレックスウイルスTK-cDNAを収容するプラス
ミドpAGOを用いるT細胞白血病モルトー4細胞からの全
ヒトDNAによってトランスフェクションさせた。LMTK+
胞を200U/mlヒトIFN−β1に曝し、モノクローナル抗体
抗−H2Kk12−41(参照ローザら、(1986)、インターフ
ェロン、7、47−87、アカデミック・プレス、参考文献
として組み入れられている)およびFITC−(Fab′)ウ
サギ抗マウスIgGを用いて染色した。シトフルオログラ
フ50HH(オルトジアグノスティック)を用いて、10%最
大蛍光細胞を無菌状態で区分し、再生長させ、二回目の
選択を行った。二度区分された集団は、(2′−5′)
オリゴAシンテターゼの誘導、水泡性口内炎ウイルスに
対する耐性、および125I−IFN−アルファ結合のような
複合試験で、ヒトIFN−アルファまたはベータ(しかし
ガンマはない)に対し応答する細胞が豊富であること
が、予備実験で確証された。この表現型をもつクローン
は希釈によって誘導された。
ヒト染色体21のみを含むマウス−ヒトハイブリッドに
対するポリクローナルおよびモノクローナル抗体は、ヒ
ト(しかしマウスではない)IFNへの結合および応答を
阻害し(参照ラジウジンら、上記に引用)、ヒトIFN表
面受容体の存在を示す正のクローン中のヒトIFNによっ
てH2増加をブロックした。このような一次形質転換細胞
のDNAを新しいLMTK-細胞にトランスフェクションさせ、
選択のためにpAGOを用いて二次形質転換細胞を得た。二
次形質転換細胞は再び上記のようなFACS選択を行い、三
サイクルの後、クローンを希釈によって導き、ヒトIFN
応答体を上述の試験によって同定した。DNAは、ヒトIFN
によって(2′−5′)オリゴAシンテターゼ誘導のた
め同時に試験したサブクローン培地から調製した。サブ
クローニングまたは反復FACS選択には、一貫したレベル
の表現型応答を維持する必要があることを見出した。β
II−19−26と名付けた一個のクローンを、さらに分析す
るために選択した。
全ヒトDNAプローブを用いたサザンプロット分析は、
若干のクローンに含まれるヒトDNAの含量が、形質転換
するDNAの分子クローニングでの試みを保証するために
十分な程低かった。ゲノムライブラリーは、EMBL−3ベ
クターを用いるクローンβII−19−26から調製し、プロ
ーブとして全ヒトDNAを用いてスクリーニングした。ヒ
ト反復DNAを含有する約20個のEMBL−3ファージを精製
した。最大の信号(15〜4および6〜40)を与える二個
のファージから、反復DNAを含まない2.1および1kbのBam
H I制限フラグメントを単離した。ゲノムDNAのサザンブ
ロット分析では、これらのフラグメントがヒトDNAとハ
イブリッドしているが、マウスDNAとはハイブリッドし
ていないことを確認した。βII−19−26ライブラリーか
らのヒトDNAをもつ大部分のファージは、BamH I 2.1kb
フラグメント(プローブ6−40−3)とハイブリッドし
ており、これはβII−19−26細胞中のヒトDNAの主成分
であることを示す。6−40−3プローブの染色体源は、
マウス−ヒトおよびハムスター−ヒトハイブリッドから
サザンDNAブロットへのハイブリッド形成によって決定
し、これは6−40−3プローブが染色体21に由来する30
0kbNot Iフラグメントを同定することを確認して行われ
た。2.1kbの6−40−3BamH Iフラグメントは2および4k
bの二個のEcoR Iフラグメントに重なり、ファージ6〜4
0に挿入された全長は16kbであった。ヒトIFNに応答する
かまたは表現型が欠けている形質転換体サブクローンか
らのDNAは、6−40−3でプローブした。応答体のみが
プローブに対して特異的ハイブリッド形成を示した。
6−40−3プローブが転写ユニットの一部であるかど
うかを決定するために、このプローブを用いてヒト胎盤
からのラムダgt11cDNAライブラリーをスクリーニングし
た。7個の正のcDNAクローンを2×166ファージで同定
した。一個のクローン(L7)は長い転写ユニットを示
す。3.9kbのEcoR Iの挿入体を有していた。これはノザ
ンブロットで確認され、同じプローブが4.5kb RNA、こ
れより大きい5.1kbのバンドを検出した。3.9kbのcDNAク
ローンL7のEcoR I挿入体を、ブルースクリプトベクター
(ストラタゲン社)でサブクローニングし、E.coli TC1
コンピテントバクテリアを、このL7−BS2ベクターを用
いて形質転換した。この形質転換されたバクテリアを、
ブタペスト条約に従って受理番号C.N.C.M.I−816で1988
年11月14日にフランスのパリにあるコレクシオン・ナシ
オナル・ド・クルチュール・ド・ミクロオーガニスム
(C.N.C.M.)に寄託した。継代培養物は、条約によって
要求される場合に公に入手できるであろうが、この寄託
からその使用の許可を意味しない。
サブクローニングをふたつのオリエンテーションで行
った。網状赤血球溶解物内に翻訳されたT7RNAポリメラ
ーゼ転写体は一のオリエンテーションで100kdのタンパ
ク質を生成したが、もう一方ではない。62kDタンパク質
を100kDタンパク質を生成する同じ転写体によって作っ
たが、内部ATGコドンから翻訳することができる。
実施例2:複製された推定IFNタイプI受容体成分の性質
決定 L7cDNAのヌクレオチド配列は、ブルースクリプトベク
ター内の両方の鎖から重なっている欠失部を配列するこ
とによって確立した。第1図に示した配列は、ポリA末
端が続いている3870ヌクレオチドのRNAを示す。開いた
読み取り枠はヌクレオチド899から始まり785アミノ酸の
タンパク質を符合化する3253で終わる。コード領域899
〜3253の位置は、網状赤血球溶解物内の欠失転写体の翻
訳によって確認した。
タンパク質の長さは、ゲル電気泳動によって計算され
た低い値に近い86,000の分子量を予言した。網状赤血球
溶解物内のL7cDNAの翻訳生成物の電気泳動から、タンパ
ク質は、みかけの分子量10,000をもち、理論的に期待さ
れたものよりもゆっくりと移動していることが明らかで
ある。これは、配列内に酸性アミノ酸がないことによっ
て説明できる。
L7タンパク質の興味ある面は、6個のグルタミン酸に
よって側面を固めた12個の隣接セリンの領域である(第
1図の1710〜1760を基礎とする)。この領域はリン酸化
される。15個の非荷電アミノ酸をもつポテンシャルトラ
ンスメンブラン領域が第1図のヌクレオチド3056〜3100
に存在する。疎水性信号ペプチドはタンパク質のN−末
端に見られる。これらの特徴はIFNタイプI受容体に対
して期待されるように細胞膜内のこのタンパク質の位置
と調和している。L7タンパク質配列とIFN−γ受容体ま
たは任意の他の既知の遺伝子との間では特に相同関係は
ない。
最後の同定の証明はこのcDNAクローンを用いてトラン
スフェクションされた非ヒト細胞内のヒトIFNに対し獲
得された感度の証明を必要とするので、SV40初期プロモ
ーターに融合したcDNA遺伝子の一時的で安定なトランス
フェクションは種々の非ヒト細胞ラインにおいて分析し
た。
L7cDNAによって符合化されたタンパク質の生体活性を
試験するために、表現ベクターpSVE3−L7をシミアンウ
イルス40初期遺伝子プロモーターに融合した全L7cDNAを
含め構築した。一時的表現のために、このプラスミドを
マウス細胞にトランスフェクションし、24時間後に細胞
を500U/mlヒトIFN−β1によって処理し、あるいは未処
理で放置した(ベネク.ピーら(1987)、Mol.Cell.Bio
l.,,pp.4498−4504)。さらに24時間後に細胞抽出物
を調製し、(2′−5′)オリゴAシンテアーゼを記載
されているように測定した(レベル・エムら、(198
1)、Meth.Enzymol.,79,p.143)。ヒトIFNによって処理
されたトランスフェクションした細胞における(2′−
5′)オリゴAシンテターゼ活性マイナス非処理細胞の
活性を計算した。第1表に示したように、この増加は、
空の表現ベクターを受け入れた細胞に対してL7cDNAウイ
ルスを含む表現ベクターを受け入れた細胞が平均4.5倍
高かった。後者は全くDNAを受け入れなかった細胞に関
して有意な増加がなかったことを示した(第1表)。
チャイニイズハムスター卵巣細胞(CHO)の安定な形
質転換体を、SV40初期プロモーターに融合したcDNAとDH
FR遺伝子を含むベクターのコトランスフェクションによ
って調製した。クローナル細胞集団を、適当な選択の後
にトランスフェクションから単離し、(2′−5′)A
シンテターゼの誘導によって示したように、これらのク
ローンの系統をcDNAの存在に対し及びヒトIFN−βへの
応答に対してスクリーニングした。サザンブロット分析
によってL7DNAを含み、CHO−DHFR+細胞よりも高い
(2′−5′)Aシンテターゼ誘導による100U/mlヒトI
FN−βに応答するクローンを単離し、メトトレキセー
ト(MTX)を用いた逐次選択によって増幅を行った。50n
Mまたは、より良く、300nM MTXに耐性のクローンにおい
て、L7RNA発現は、全RNAのノザンブロットによって検出
できた。100U/mlヒトIFN−βに対する応答は、同じよ
うに増幅させたpSVDHFRのみを含むCHO細胞におけるより
も、50nM MTXクローンにおいて4〜5倍高い(第2
表)。300、750および1000nM MTXでは、CHO−DHFR+L7ク
ローンは、同様にMTXによって処理したCHO−DHFRコント
ロールクローンにおける最大の応答に比較されるよう
に、ヒトIFN−βへの応答において増加を示した(第4
図)。ヒトIFN−βへの応答の振幅は、従って、8倍の
因子による遺伝子増幅で増加する。このような増幅され
たクローンの100U/mlヒトIFNへの応答は、20U/mlハムス
ターIFNへの応答の約15%であった。
本発明者らは、SV40プロモーターコントロールのもと
にL7cDNAの表現はヒトIFNへの細胞の応答の増加を導く
が、応答の振幅は低いままであると結論した。これは、
タンパク質の発現における問題、あるいはL7タンパク質
がIFN受容体系の唯一の部分である事実によるのかも知
れない。後者はCHO形質転換体にヒト125I−IFN−αのか
なら高い親和性結合を示すことができなかったので一層
可能性があるようだ。受容体が一本以上の鎖から成る場
合、結合親和性は一本だけのタンパク質鎖の存在で非常
に低くなる。
L7タンパク質がヒトIFNの種特異結合に対し直接応答
できないIFN受容体の成分であることは、さらに、増幅
されたCHO−pSVL7クローンにおいて、ハムスターIFNへ
の応答も増加するという事実によって示される。第5図
は、低濃度のハムスターまたはヒトIFNにて、これはコ
ントロールCHO−DHFRクローンにおける(2′−5′)
Aシンテターゼ活性の低い刺激を生じさせるが(横座
標)、COH−pSVL7クローン(300nM MTX)は2つのIFN種
のいずれかで5倍高い応答を与えたことを示す(第5図
の直線は両クローンが等しく応答する場合の期待される
線である)。(2′−5′)Aシンテターゼの一層高い
誘導を生じるさらに高いIFN濃度では、COH−pSVL7とCHO
−DHFRクローンとの間の差は小さかった。本発明者ら
は、表面にさらにL7タンパク質をもつと細胞が低濃度の
IFNに良く応答できると結論した。この結果は、L7が、
細胞内の信号を変換する際に働くタイプI IFN受容体系
の鎖の一本であるという仮定と一致する。
実施例3:L7タンパク質に対する抗体は細胞表面にタンパ
ク質を示す L7タンパク質のアミノ末端に近い27アミノ酸長ペプチ
ド(第3図)を合成し、KLHに共役させ、ウサギ抗血清
産生に使用した。抗体を固定化ペプチドのカラムで精製
し、ウェスタンブロットで使用した。ダウジおよびU937
細胞において、130kDaのタンパク質をトリトンX−100
−デオキシコレート溶解物および膜調製物において検出
する。これは多分、N−末端領域近くのN−グリコシル
化部位を有するL7のグリコシル化形態であろう。しか
し、ペプチド抗体を用いた免疫沈降は不可能であった。
L7cDNAをコドン113を介してベクターpRIT−2(ファ
ーマシア・ファイン・ケミカルス)内のタンパク質A遺
伝子に融合させてE.coli内に発現させた。免疫グロブリ
ンカラムで精製した融合タンパク質PSNおよびPN2(第3
図)を免疫感作に用い、L7タンパク質に対するウサギポ
リクローナル抗体を得た。これらの抗体は7時間35−メ
チオニンを用いて標識したヒトダウジ細胞から免疫沈降
した、主バンド80〜85kDaおよび少数バンド約130kDa。8
0〜85kDaバンドはタンパク質の形で、上記抗ペプチド抗
体によって認められるN−末端領域の部分が失われてい
た。
L7に対してウサギ抗血清(抗PSNおよびPN2)を用いる
と、L7タンパク質がヒトリンパ芽球細胞(ダウジ)の表
面にあることを示すことが可能となる。第6図はダウジ
細胞の表面にL7が存在することを示す蛍光活性化細胞ソ
ーター(FACS)分析を示す。右図はローダミンイソチオ
シアネート標識タンパク質A単独を用い、または通常の
ウサギ血清を用いると、蛍光のピークが60任意単位で得
られる。しかし、追加した抗血清を用いると、蛍光のピ
ークがさらに高い値(平均110)に置き代わり、抗L7抗
体が細胞に結合し、従ってさらにローダミン標識タンパ
ク質Aが付いたことを示す。曲線の形はダウジ細胞のす
べてがその表面のL7タンパク質を示していることを示
す。
抗L7抗体は、ヒトリンパ芽球ダウジ細胞への125I−IF
の結合を阻害しなかった。第7図はその結合が低
温IFN−βによって、染色体21(<chr.21)のみを含む
マウス−ヒトハイブリッド細胞に対して抗体によって阻
害されたが、抗−L7(<L7)によっても、通常のウサギ
血清(NRS)または通常のマウス血清(NMS)によっても
阻害されなかったことを示す。従って、L7タンパク質
は、これらのヒト細胞に対してIFN−αの結合の中に直
接含まれないように思われる。これはヒト細胞上のIFN
−αに架橋したタンパク質からL7タンパク質を区別する
(ラジウデンら、引用場所)。IFN−αを結合するタン
パク質はIFN−βを結合するタンパク質とは異なるとい
うことは否定されない。L7タンパク質はIFN−βに対す
る細胞の応答におけるその作用によって同定されるの
で、L7をIFN−βに架橋することができるかどうか試み
た。活性IFN−βの放射性ヨウ素化には成功しなかった
ので、低温IFN−βをスベルイミデート処理によってダ
ウジ細胞に架橋し、L7タンパク質の電気泳動移動(抗ペ
プチドを用いて免疫ブロットによって決定した)を分析
し、この処理によって減少したかどうかを決定した。ひ
とつの実験では、130kDa L7タンパク質の他にゆっくり
した150kDaバンドを観察したが、他の二つの実験ではこ
の現象が示されなかった。
結論: タイプIインターフェロンおよびタイプI IFN受容体
系の成分への細胞の応答を変化させるタンパク質として
L7タンパク質を同定するのは、次のことを根拠とする。
1.L7cDNAの一時的発現はマウス細胞にヒトIFN−βへの
高い応答を獲得させる。
2.L7cDNAを用いたハムスターCHO細胞の安定な形質転換
体はIFNへの応答増加を示す。この増加は組み込まれたL
7DNAの増幅と関連する。増幅した応答はヒトハムスター
IFNで見られ、低濃度のIFNで一層顕著になり、L7がIFN
に対する細胞の親和性を増すことを示す。
3.L7タンパク質はヒト細胞の表面にある。
4.L7タンパク質を符合化する遺伝子は体細胞遺伝学によ
ってタイプI受容体遺伝子に割り当てられた領域(q2
2)において染色体21上にある。
他のシトシンの場合におけるように(例えばIL−2、
IFN−γ)、タイプI IFN受容体は数種のタンパク質鎖に
よって形成されるらしい。L7タンパク質は、タイプI IF
N受容体系の一成分でありIFNに対する細胞応答において
含まれるらしい。多分、種特異的方法でヒトIFNを結合
する受容体系の鎖ではないらしい。さらにIFNの結合に
よって生じた信号を増加する受容体鎖であるようだ。
L7タンパク質の同定は、その構造と機能の関係を研究
することになり、αまたはβタイプのインターフェロン
への細胞、組織および全器官の応答を増加または減少さ
せるために修飾L7タンパク質を生成し、そして組み換え
DNA技術によってIFNに対して競争者として作用すること
ができる溶解性またはリピド結合L7タンパク質を生成す
ることになる。これらの発明はこれらのタイプのインタ
ーフェロンへの応答を増加または減少させようとする際
の病理学的状況に応用できる(例えば、自己免疫仮定、
慢性または急性の感染症、腫瘍および白血病等)。
例えば、L7タンパク質フラグメントまたはIFNと相互
に作用する類似物、または抗体に対しL7タンパク質まで
高められたアンチヂオタイプ抗体を、患者に注射するこ
とができ、存在するインターフェロン分子の何れかに対
して「デコイ」として作用する。機能性受容体遺伝子を
用いる遺伝子療法は、さらに受容体を提供するために用
い、これによってIFNへの応答を増加させることができ
る。
単一の特定のタンパク質、およびそのための遺伝学物
質をここに記述したが、本発明はこれに限定するもので
はないことを理解する必要がある。インターフェロンに
対する細胞応答を変えるタンパク質に対してコードする
遺伝物質を抽出するための実験記録は、ここに記述した
実験結果によって有効であることが示された。当業者で
あれば、この実験記録を繰り返す場合、タイプI受容体
系の他の鎖から成るらしいタンパク質をもつインターフ
ェロンへの細胞応答を変える異なるタンパク質も得られ
ることを理解するであろう。実験記録は、H2抗原の生成
を増加させるタンパク質に対して特異的であるが、ここ
に述べた特異的なものとは別の他のタンパク質もまた、
このような性質を持つことが予想されので、本発明は一
般にこれら全てを包括的に含むものである。
さらに、本発明の方法は、インターフェロン受容体系
成分の検出のために、インターフェロン活性の他のマー
カー、インターフェロンによって生じる細胞表面特性の
他の変化を用いることもできる。このような特徴は、増
加したβ2ミクログロブリンまたはクラスII MHC抗原を
含むことができる。これらの技術を用いるとき、インタ
ーフェロンへの応答を変えるタンパク質も得られ、この
ような精製タンパク質およびこれを符合化する遺伝物質
も、本発明の一部である。
本発明によって得られたタンパク質は何れもインター
フェロンに対する細胞応答を変えることが知られてい
る。これは遺伝物質の選択を案内する性質であると定義
することによって真実となる。このようなタンパク質は
全てインターフェロン受容体系の一部であると考えられ
るので、このような理論に制限されることを望まない。
しかし、このようなタンパク質は、インターフェロンを
つくるよりは、それに応答する際のそれらの活性を考慮
すると、単なるインターフェロン誘導物質ではない。
前記特定例は、完全に本発明の一般的性質を示すの
で、現在の知識を利用して、包括的な概念から離れずに
このような特定例を容易に変更し、あるいは種々の応用
を行うことができ、従って、このような応用や変更は開
示した実施例と同格の意義と範囲の中に包括されると考
えられる。本明細書の述語または用語は記述を目的とし
たものであって制限的なものではないことを理解された
い。
フロントページの続き (73)特許権者 999999999 フェロウ・マーク フランス国 パリ,エフ‐75015 ル グラシオス 3 (72)発明者 レベル・ミカエル イスラエル国 レホボト 76100,ベト ブラジル 5 (72)発明者 シュールマン・レスター イスラエル国 レホボト 76100,スデ ロト チェン 45 (72)発明者 フェロウ・マーク フランス国 パリ,エフ‐75015 ル グラシオス 3 (56)参考文献 特開 昭62−230799(JP,A) J.Biol.Chem.,259(22) 1984 p.13872−13877 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 C07R 14/555

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】DNA配列が、 (a)第一図のDNAのコード領域899〜3253によりコード
    化されたタンパク質、 (b)(a)のタンパク質のアミノ酸配列において、ア
    ミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列か
    らなり、かつ2′,5′−オリゴシンセターゼ活性の増加
    により測定されるタイプIインターフェロンに対する細
    胞応答を変える能力を持つタンパク質、 をコード化するDNA配列である組み替えDNA分子。
  2. 【請求項2】前記(a)のタンパク質をコード化するDN
    A配列からなる請求項1記載の組み替えDNA分子。
  3. 【請求項3】第一図のDNAのコード領域899〜3253である
    請求項2記載の組み替えDNA分子。
  4. 【請求項4】前記DNA配列がさらに、前記DNA配列を本来
    的に会合しないプロモーターからなり、これによって前
    記DNAによって符号化されるタンパク質を発現する請求
    項2または3記載の分子。
  5. 【請求項5】前記プロモーターがSV40初期プロモーター
    である請求項4記載の分子。
  6. 【請求項6】請求項4記載の組み換えDNA分子からな
    り、細胞が前記タンパク質を発現できる形質転換細胞。
  7. 【請求項7】請求項6記載の形質転換細胞をタンパク質
    の発現に対し適当な条件下に適当な培地で培養し、前記
    細胞または培地からタンパク質を回収することからな
    る、タイプIインターフェロンへの細胞応答を変えるタ
    イプIインターフェロン受容体系の系分であるタンパク
    質の製造方法。
  8. 【請求項8】タンパク質の発現をメトトレキセート選択
    によって増幅し、前記細胞がDHFR+である請求項7記載
    の方法。
  9. 【請求項9】タンパク質によるタイプIインターフェロ
    ンへの細胞応答の変化が非種特異的である請求項7また
    は8記載の方法。
  10. 【請求項10】細胞がCHO細胞である請求項7ないし9
    のいずれか1項に記載の方法。
  11. 【請求項11】少なくとも部分的に精製した形で、第1
    図のDNAのコード領域899〜3253によって符号化されるL7
    タンパク質。
  12. 【請求項12】請求項1記載のタイプIインターフェロ
    ン受容体タンパク質またはその成分ポリペプチド鎖を符
    合化する遺伝子を単離する方法において、前記インター
    フェロンが、応答細胞の細胞受容体への作用によって、
    細胞表面の特性の検出可能な変化を誘導でき、 (a)このような遺伝子からなると思われるDNAと非応
    答宿主細胞を形質転換またはトランスフェクションし
    て、これによって機能的および発現可能な形でこのよう
    な遺伝子を受け入れる細胞が応答細胞になり、 (b)前記タイプIインターフェロンと細胞を接触さ
    せ、これによって応答細胞の細胞表面特性に検出可能な
    変化を生じさせ、 (c)検出可能な変化に基づき非応答細胞から応答細胞
    を区別し、 (d)前記応答細胞から応答できる遺伝子を単離する、
    ことからなる方法。
  13. 【請求項13】請求項1記載のタイプIインターフェロ
    ン受容体タンパク質またはその成分ポリペプチド鎖を符
    合化する遺伝子を同定する方法において、前記インター
    フェロンが、応答細胞の細胞受容体への作用によって、
    細胞表面の特性の検出可能な変化を誘導でき、 (a)このような遺伝子からなると思われるDNAと、前
    記インターフェロンに実質的に応答しない宿主細胞を形
    質転換またはトランスフェクションして、前記遺伝子が
    形質転換またはトランスフェクション宿主細胞によって
    発現されるようにし、 (b)形質転換またはトランスフェクション宿主細胞と
    前記タイプIインターフェロンとを接触させ、そして (c)応答細胞の特性である細胞表面特性に検出可能な
    変化が生じるかどうかを決定し、 肯定的な決定工程は、タイプIインターフェロン受容体
    タンパク質またはその成分ポリペプチド鎖を符合化する
    遺伝子として前記宿主細胞に形質転換またはトランスフ
    ェクションしたDNAを同定する、方法。
  14. 【請求項14】肯定的に同定された細胞から応答可能な
    遺伝子を単離する工程をさらに含む請求項13記載の方
    法。
  15. 【請求項15】細胞表面特性が抗原特性である請求項12
    ないし14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 【請求項16】抗原特性がMHC抗原発現の増加である請
    求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】抗原特性がH2抗原発現の増加である請求
    項15記載の方法。
  18. 【請求項18】第1図のコード領域899〜3253を含むヒ
    ト遺伝子を含有する非ヒト細胞。
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