JP3156103B2 - 起動性を向上した超音波モータ - Google Patents
起動性を向上した超音波モータInfo
- Publication number
- JP3156103B2 JP3156103B2 JP18162192A JP18162192A JP3156103B2 JP 3156103 B2 JP3156103 B2 JP 3156103B2 JP 18162192 A JP18162192 A JP 18162192A JP 18162192 A JP18162192 A JP 18162192A JP 3156103 B2 JP3156103 B2 JP 3156103B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- stator
- rotor
- ultrasonic motor
- melting point
- sliding
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)
Description
じさせてロータを回転させるようにした超音波モータに
関し、特にロータのステータ側の面に接着させる摺動材
を改良して起動性を向上したものである。
ン青銅製のステータに圧電素子を接着してそれに駆動信
号を印加することにより進行波を発生させ、ステータに
圧接したロータを回転させるようになっている。またス
テータの進行波を有効にロータに作用させるため、ロー
タとステータとの間に適切な摩擦力が生じる様に摺動材
をロータに接着している。
ータ側の面に接着する摺動材の特性により影響を受ける
ことが多い。そのため摺動材として、液体潤滑を含有す
るプラスチックよりなる摩擦材を備えることにより超音
波モータの駆動時の騒音を低減し、またトルク等の機械
出力の経時劣化を抑制したものが提案されている(特開
平2−184275号公報)。また摩擦材(スライダ
材)として、フッ素樹脂を母材とし熱可塑性樹脂または
熱硬化性樹脂を充填した複合樹脂を使用することによ
り、摩擦力を安定なものにして出力性能を安定化し、か
つ高出力にしたものも提案されている(特開平2−28
5974号公報)。さらにステータがステンレス、リン
青銅、アルミニウム等により形成されているため、ロー
タとの摩擦により、あるいは湿度、熱などによって摺動
材が劣化されて起動性が低下するという問題がある。こ
のため、摺動材として、炭素繊維を添加した樹脂から形
成したもの(特開昭62−58887号公報)、あるい
は芳香族ポリアミド繊維または炭素繊維を添加したポリ
イミド樹脂から形成したもの(特開昭63−12148
0号公報)が知られている。
は、摺動材を種々改良したものが提案されているが、ロ
ータがステータに圧接された状態で摩擦摺動しており、
湿気が介在すると金属イオンが発生しやすくなり、それ
により錆などが発生してロータがステータにはりつき、
起動性が低下するという問題があった。また本出願人は
先に、摺動材として、銅害防止材(トリアゾール系化合
物やジアミン系化合物)をフッ素樹脂に添加した材料に
より形成することを提案している。この提案に係る摺動
材を使用した超音波モータは、起動性がかなり改善でき
たが、その永続性に問題があった。本発明者が鋭意研究
した結果、摺動材成形時の焼成温度によりに銅害防止材
が分解、散逸し、そのために十分満足できる起動性が得
られないことがあることを知った。そこで本発明は、超
音波モータの摺動材をさらに改良して、摺動材が銅害防
止材を十分に含んだ状態で形成し、摩擦熱や湿気にかか
わらずロータのステータへのはりつきを防止し、超音波
モータの起動性を永続的に向上できるようにすることを
目的とする。
方の面に圧電素子を接着して進行波の発生を可能とし、
ステータの他の面に摺動材を介してロータを圧接し、ス
テータに生じる進行波によりロータを回転するようにし
た超音波モータにおいて、上記目的を達成したものであ
る。そのため摺動材は、銅害防止材を含有する融点30
0℃以下の低融点フッ素樹脂を耐熱性繊維やヘルト、ペ
ーパ等の耐摩耗材に塗布して加熱、加圧して形成された
ものにした。また摺動材は、銅害防止材と、繊維状の耐
摩耗材あるいは耐熱性樹脂からなる耐摩耗材と、融点が
300℃以下の低融点フッ素樹脂とが混合された混合物
が、加熱、加圧されて形成されたものでもよい。
00℃以下のものにしたのは、その後の加熱処理温度を
300℃以下にして添加された銅害防止材が分解散逸さ
れないようにするためである。銅害防止材としては、3
−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾ
ール、デカメチレンジカルボン酸ジサリチロイルヒドラ
ジド、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン
などを適用できる。その添加重量はフッ素樹脂100に
対して少なくとも0.1以上含むのが望ましい。耐摩耗
材としては、耐熱性のアラミド繊維、カーボン繊維、P
OB(ポリオキシベンゾイルホモポリマー)などを適用
でき、特にそれらの不織布、ヘルト、ペーパーなどのシ
ート状のものを使用するのが望ましい。これらシート状
のものを使用すると、繊維の分散性、平坦性、伝熱性が
良く、摺動材を形成する後工程が不要になる利点もあ
る。
℃以下のフッ素樹脂が使用されるため、形成時の加熱は
300℃以下でよいために添加された銅害防止材が分解
散逸するようなことがない。よって、モータ回転による
摩擦熱や湿気により、ロータのステータへのはりつきを
防止して常に起動性を良好に保つことができる。なお前
記はりつきを防止できるのは、高温高湿時に、スライダ
材とステータとの間に金属イオンが発生するが、銅害防
止材により金属イオンが金属錯体に化学変化されるの
で、錆などが生じにくくなるためと考えられる。
音波モータは、円盤状のステータ1の一方の面に圧電素
子2が接着され、公知のようにそれが2区分されて、そ
れぞれに90度位相差の駆動信号が印加されることによ
りステータ1に進行波が生じるようになっている。ステ
ータ1の他方の面にロータ3が重ねられ、それがバネ材
4でステータ1に圧接され、ステータ1の進行波の作動
によりロータ3が回転するようになっている。バネ材4
は出力軸5の鍔部5aに固定され、ロータ3の回転に伴
いバネ材4と鍔部5aを介して出力軸5が一体に回転す
るようになっている。またステータ1に接するロータ面
に摺動材6が接着されて、ステータ1に生じた進行波が
ロータ3に有効に作用するようになっている。
社製の[CDA−1]を融点300℃以下の低融点フッ
素樹脂の液状物に添加して、耐熱性のアラミド繊維に塗
布し、乾燥後に、260〜290℃に10分保持してプ
レス油圧力100kg/cm2 で加圧してシート状に形
成し、さらにリングにカットして摺動材6とした。なお
摺動材を形成するのに使用した各材料の混合割合は、低
融点フッ素樹脂の重量を100としてそれぞれの重量割
合を下記の表1に示すものとした。このようにして得ら
れた摺動材をロータに接着して超音波モータを回転駆動
し、その起動特性をテストして結果を表1に示した。
としてPOBを添加したもの、あるいは比較例として銅
害防止材を添加しないものを使用して摺動材を作製し、
それぞれを超音波モータに取り付けて、起動特性をテス
トし、その結果も表1に示した。なお表1中の湿度テス
トの条件は、80℃、95%RH、96時間静止状態で
の放置とした。
するとともに耐久テストとして1万回回転した後、定格
回転と無負荷回転をさせてその結果を表2に示した。な
お前記の比較例1、2は回転しないのでテスト不能であ
った。
耐摩耗材に塗布した後、300℃以下に加熱するととも
に加圧して形成した本発明の摺動材を超音波モータに適
用した場合、湿度にかかわらず起動性が良く、銅害防止
材を使用しない比較例のものでは、起動性が悪いことが
わかる。また融点が300℃以下のフッ素樹脂に銅害防
止材と耐熱樹脂とを添加し、成形温度が260℃のサン
プルBでは、湿度テスト後の回転数が少し低下したが、
成形温度が290℃のサンプルCは良好な回転数であ
り、成形温度は300℃以下で高い方が望ましいことが
わかる。
部)と繊維状の耐摩耗材[アラミド繊維](30重量
部)と、融点が300℃以下の低融点フッ素樹脂(10
0重量部)とを混合し、その混合物を270℃に加熱す
るとともに加圧して摺動材を作製し、前記と同様に湿度
テスト前後の回転状態をテストしたが、回転数80〜1
00rpmとなり、起動性は良好であった。
動材が、銅害防止材を添加した融点300℃以下のフッ
素樹脂を含むように形成されているので、成形時の加熱
温度が300℃以下となり、添加された銅害防止材が分
解、散逸することがなく、高温高湿状態に置かれても金
属イオンが発生しにくくて錆の発生を防止でき、超音波
モータの起動性を長いこと良好に保つことができる。
面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 ステータの一方の面に圧電素子を接着し
て進行波の発生を可能とし、ステータの他の面に摺動材
を介してロータを圧接し、ステータに生じる進行波によ
りロータを回転するようにした超音波モータにおいて、
摺動材は、銅害防止材を含有する融点300℃以下の低
融点フッ素樹脂を耐熱性繊維やヘルト、ペーパ等の耐摩
耗材に塗布して加熱、加圧して形成されていることを特
徴とする起動性を向上した超音波モータ。 - 【請求項2】 ステータの一方の面に圧電素子を接着し
て進行波の発生を可能とし、ステータの他の面に摺動材
を介してロータを圧接し、ステータに生じる進行波によ
りロータを回転するようにした超音波モータにおいて、
摺動材は、銅害防止材と耐摩耗材と、融点が300℃以
下の低融点フッ素樹脂とを混合した材料が加熱、加圧さ
れて形成されていることを特徴とする起動性を向上した
超音波モータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18162192A JP3156103B2 (ja) | 1992-06-17 | 1992-06-17 | 起動性を向上した超音波モータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18162192A JP3156103B2 (ja) | 1992-06-17 | 1992-06-17 | 起動性を向上した超音波モータ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH066988A JPH066988A (ja) | 1994-01-14 |
JP3156103B2 true JP3156103B2 (ja) | 2001-04-16 |
Family
ID=16103998
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18162192A Expired - Fee Related JP3156103B2 (ja) | 1992-06-17 | 1992-06-17 | 起動性を向上した超音波モータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3156103B2 (ja) |
-
1992
- 1992-06-17 JP JP18162192A patent/JP3156103B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH066988A (ja) | 1994-01-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2568564B2 (ja) | ライニング材及びそのライニング材を用いた超音波駆動モ−タ | |
EP0209865B1 (en) | Ultrasonic motor | |
JPH02285974A (ja) | 振動波モータ | |
EP0612115B1 (en) | Ultrasonic motor | |
WO2019124072A1 (ja) | 潤滑性液晶化合物を用いた騒音低減方法、摩擦クラッチ装置および摩擦ブレーキ装置 | |
US4939404A (en) | Vibration wave motor | |
JP3156103B2 (ja) | 起動性を向上した超音波モータ | |
JPH05239442A (ja) | 摩擦材組成物及びその製造方法 | |
JP3450733B2 (ja) | 摺動部材、それを用いた振動波駆動装置及び機器 | |
US5059849A (en) | Ultrasonic motor | |
US6643906B2 (en) | Friction member, and vibration wave device and apparatus using friction member | |
JPH05219762A (ja) | 振動波モータ | |
JP3292991B2 (ja) | 起動性を向上した超音波モータ | |
JP3215790B2 (ja) | 超音波モ−タ及びその製造方法 | |
JPS62147978A (ja) | 超音波モ−タ | |
JPH01238473A (ja) | ライニング材及びそのライニング材を用いた超音波駆動モータ | |
JPS63136986A (ja) | 超音波モ−タ | |
JPS62114480A (ja) | 超音波モ−タ | |
JP2690101B2 (ja) | ライニング材及びそのライニング材を用いた超音波駆動モータ | |
JPH11172123A (ja) | 振動波モータ用摩擦材、それを用いた振動波モータおよび機器 | |
JP2000278973A (ja) | 振動モータ用摩擦材、その製造方法、それを用いた振動モータおよび機器 | |
JPS63265574A (ja) | 超音波モ−タ | |
JPH01270777A (ja) | 超音波モータの動体 | |
JPH10331856A (ja) | 摺動装置 | |
US672029A (en) | Electric generator. |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090209 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090209 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100209 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110209 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120209 Year of fee payment: 11 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |