JP3155626B2 - 抗β2−ミクログロブリン由来物質抗体及びそれを用いるβ2−ミクログロブリン由来物質の免疫測定方法 - Google Patents
抗β2−ミクログロブリン由来物質抗体及びそれを用いるβ2−ミクログロブリン由来物質の免疫測定方法Info
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ログロブリンに由来する物質を、通常のβ2−ミクログ
ロブリンの影響を受けずに、これとは独立に高感度に免
疫学的に測定する方法及びそれに用いられる抗体に関す
る。
による手根管症候群などの骨関節症状が高頻度に出現す
ることが知られている。最近、この骨関節障害はβ2 −
ミクログロブリンを前駆蛋白とするアミロイド沈着と密
接に関連して起こることが明らかにされた(Gejyo,F. e
t.al. Kidney Int.30.pp385-390,1986)。長期透析患者
血液中にβ2 −ミクログロブリンが蓄積し、アミロイド
化することが推測されている。しかし、臨床的には血液
中のβ2 −ミクログロブリン濃度と透析アミロイドーシ
スの発生頻度には相関関係が認められないことが知られ
ている(Gejyo,F.et.al. N.Engl.J.Med.314.pp585-586,1
986)。また、透析アミロイド−シスの患者血清とアミロ
イド組織を二次元電気泳動とイムノブロツテイングによ
り分析した結果、通常のβ2 −ミクログロブリンと比較
して、等電点が酸性側にあり、分子量が僅かに小さいβ
2 −ミクログロブリン類似物質を検出したことが報告さ
れている(Ogawa,H. et.al. Clinical Nephrology.30.p
p.158-163,1988)。このβ2 −ミクログロブリン類似物
質はN末端から17番目のアスパラギン残基がアスパラギ
ン酸にアミド分解したものであることが明らかにされた
(Odani,H. et al. Biochem.Biophys. Res. Commun. 16
8,pp1223-1229,1990)。さらに、アミロイド腎結石を分
析した結果、通常のβ2 −ミクログロブリンのみなら
ず、リジン残基で切断を受けたβ2 −ミクログロブリン
の断片の存在が報告された(Linke,R.P. et al. Kidoney
Int. 36,pp675-681,1989)。またさらには、慢性関節リ
ュウマチ、全身性エリテマトーデス、小細胞性肺癌の患
者血清中より正常のβ2-ミクログロブリンのN末端より
55番目のセリンまたは60番目のトリプトファンの間
のいずれかの位置で切断をうけたβ2-ミクログロブリン
の存在及び測定方法が報告されている。(モゲンス ホ
ルスト ニツセンら、特開昭62-246596 )。
は免疫異常、肺癌などの患者の血液中には、通常のβ2
−ミクログロブリン以外に、切断等の何らかの修飾を受
けたβ2 −ミクログロブリン類似物質が存在することが
示唆されている。
ロブリンの測定方法としては、ヒト由来のβ2 −ミクロ
グロブリンを未変性のまま宿主となる動物の体内に投与
し、この宿主より採取した抗体を用いる免疫学的測定法
によっていた。しかしながら、この方法によると、用い
る抗体が完全なβ2 −ミクログロブリンを免疫原として
作製されたものであるので、当然のことながら通常の完
全なβ2 −ミクログロブリンとも特異的に反応するた
め、β2 −ミクログロブリン由来物質、すなわちβ2 −
ミクログロブリン分解物のみを特異的に測定することは
できない。
クログロブリンとは反応せず、β2−ミクログロブリン
由来物質のみと反応する抗体を提供し、それによってβ
2 −ミクログロブリン由来物質のみを特異的に測定する
方法を提供することである。
の結果、β2 −ミクログロブリンを免疫原として作製さ
れた従来の抗体はすべて、β2 −ミクログロブリンのC
末端側領域をエピトープとするものであり、N末端領域
をエピトープとするものは上記従来方法によっては得ら
れないことを見出した。そして、β2 −ミクログロブリ
ンのN末端領域をエピトープとする抗体を初めて提供し
た。さらに、β2 −ミクログロブリンのN末端領域をエ
ピトープとする抗体は、通常のβ2 −ミクログロブリン
とは反応せず、従って、この抗体を用いればβ2 −ミク
ログロブリン由来物質のみを特異的に測定することがで
きることを見出し本発明を完成した。
グロブリンとは反応せず、β2 −ミクログロブリンのN
末端側1番目より19番目のアミノ酸配列の全体または
その一部分に特異的に反応する抗体を提供する。また、
本発明は、該本発明の抗体とβ2 −ミクログロブリン由
来物質との特異的反応を利用して該β2 −ミクログロブ
リン由来物質を測定することから成るβ2 −ミクログロ
ブリン由来物質の免疫測定方法を提供する。
よる骨関節障害の原因を明らかにし、予知する方法を見
いだすため、正常なβ2 −ミクログロブリンとは異なっ
たβ2 −ミクログロブリン由来物質の検出が可能とな
る。また、この発明で得た抗体より、透析アミロイドー
シス以外の多くの疾患における血清、髄液、尿、腹水、
胸水中におけるβ2 −ミクログロブリン由来物質を検出
することが出来、各病態の解析が可能となる。
製された抗体がいずれもβ2 −ミクログロブリンのC末
端側領域をエピトープとするものであることは次のよう
にして確認した。すなわち、次に示すβ2 −ミクログロ
ブリンのアミノ酸配列に相当するペプチドを化学合成に
より調製した。 ペプチド1;N末端より1番目から6番目までのアミノ
酸配列に相当するペプチド。すなわち、Ile-Gln-Arg-Th
r-Pro-Lys ペプチド2;N末端より10番目から19番目までのア
ミノ酸配列に相当するペプチド。すなわち、Tyr-Ser-Ar
g-His-Pro-Ala-Glu-Asn-Gly-Lys ペプチド3;N末端より91番目から98番目までつま
りC末端より2番目から9番目までのアミノ酸配列に相
当するペプチド。すなわち、Lys-Ile-Val-Lys-Trp-Asp-
Arg-Asp ペプチド4;N末端より1番目から10番目までのアミ
ノ酸配列に相当するペプチド。すなわち、Ile-Gln-Arg-
Thr-Pro-Lys-Ile-Gln-Val-Tyr 上記のペプチドをそれぞれボルトン−ハンター試薬を用
いて、ヨウ素125にてラジオアイソトープ標識をし
た。これらの標識ペプチドを各々、ウサギ抗β2 −ミク
ログロブリン抗体と混合し、さらに抗ウサギ抗体を固相
化した磁性微粒子と反応させた。この後磁性粒子を磁石
にて分離し磁性粒子に結合しているヨウ素125の放射
活性を測定することで、抗β2 −ミクログロブリン抗体
と抗原ペプチドの反応性を検討した。
−ミクログロブリンの抗体反応部位をこの方法で解析し
た。その結果、全ての抗β2 −ミクログロブリン抗体は
ペプチド3すなわちN末端より91番目から98番目ま
でのC末端側のペプチドには反応するが、そのほかのペ
プチド1およびペプチド2およびペプチド4のN末端側
のペプチドに対する反応は検出されなかった。
リンを免疫原として得られた抗体は、β2 −ミクログロ
ブリンが修飾を受けて生じたβ2 −ミクログロブリン由
来物質、とくにN末端部分のみが呈示されているような
物質を抗原として認識しない可能性を示唆している。従
って、従来のβ2 −ミクログロブリン測定法では、これ
らのβ2 −ミクログロブリン由来物質は検出できない。
ノ酸配列が、通常のβ2 −ミクログロブリンを抗原とし
て得られた抗体により認識されないことは、この部分が
立体構造的にタンパクの内部領域に位置しており抗体と
接触し得ない状態にあるか、または、通常のβ2 −ミク
ログロブリンのN末端配列は免疫原になることのできな
い可能性を示している。そして、後述の実施例において
証明されるように、β2 −ミクログロブリンのN末端領
域を免疫原として作製された本発明の抗体は正常なβ2
−ミクログロブリンと反応しない。このため通常のβ2
−ミクログロブリンに対する抗体を用いてもβ2 −ミク
ログロブリンのN末端側配列の検出は不可能であり、ま
たさらに、該N末端配列検出による臨床的意義も期待で
きない。
のN末端領域1番目から19番目のアミノ酸配列、すな
わち、Ile-Gln-Arg-Thr-Pro-Lys-Ile-Gln-Val-Tyr-Ser-
Arg-His-Pro-Ala-Glu-Asn-Gly-Lys から成るペプチド又
はその一部分を免疫原として用いることにより得ること
ができる。該アミノ酸配列の一部分を免疫原として用い
る場合、アミノ酸を5個以上含むペプチドであればいか
なる部分をも用いることができる。下記の実施例では1
番目から6番目のアミノ酸を有するペプチド及び10番
目から19番目のアミノ酸を有するペプチドを免疫原と
して用いて本発明の抗体を作製したがこれに限られるも
のではなく、例えば1番目から10番目のアミノ酸を有
するペプチド等、その他の部分を免疫原として用いるこ
ともできる。なお、免疫原性を高めるために、ペプチド
をウシ血清アルブミン等の高分子物質に結合させたもの
を動物に免疫することが好ましい。抗体の作製方法自体
はこの分野において周知であり、下記の実施例にも具体
的に記載されている。
てもよいし、モノクローナル抗体であってもよい。モノ
クローナル抗体の作製方法も既に確立されており、上記
免疫原を用いて容易に作製することができる。
β2 −ミクログロブリンを測定することなくβ2 −ミク
ログロブリンの分解物のみを特異的に免疫測定すること
ができる。抗原抗体反応を利用した免疫測定方法はこの
分野において周知であり、本発明において、従来のいず
れの方法をも採用することができる。例えば、標識に基
づいて分類すれば、酵素免疫分析、放射免疫分析、蛍光
免疫分析及びビオチンを用いる方法、並びに、反応様式
で分類すればサンドイッチ法及び競合法のいずれをも採
用することができ、これらは全て周知である。
は、β2 −ミクログロブリン由来物質を測定することが
望まれるいずれのものであってもよく、例えば、長期透
析患者あるいは免疫異常、肺癌などの患者の血液、血
清、髄液、尿、腹水、胸水等を挙げることができる。
説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定される
ものではない。
s 次に、これらのペプチドをウシ血清アルブミン対し重量
比で1対2にグルタルアルデヒドを用いて結合させた。
この複合体を生理食塩水に1mg/mlの濃度で溶解した。こ
の溶液をFreund Complete Adjuvant と等量混合し、ウ
サギに1匹当り総蛋白量として0.8mg を皮内注射により
投与した。一ヶ月後に追加免疫を行いさらにその2週間
後から採血を行い、分採を繰り返して、抗血清を得た。
ヒト由来β2 −ミクログロブリン由来物質の定量 ヒト由来β2 −ミクログロブリン由来物質濃度を、ヨウ
素125標識したペプチドを用いる競合法ラジオイムノ
アツセイにより測定した。
u-Asn-Gly-Lys を1.0mg/ml の濃度でホウ酸緩衝液(p
H8.5 )に溶解し、9.25MBq のヨウ素125及びBOLTON-
HUNTER 試薬(第一化学薬品株式会社製)を混合、4
℃、1時間インキュベートしたのち、セフアデツクスG
−25(PHARMACIA 、SWEDEN)カラムで単純ゲル濾過を
行って、未反応のヨウ素を除去した後用いた。
の長期透析患者の腎より手術によって採取した腎嚢胞液
などを用いる。サンプル量は100μlを用いた。サン
プルに標識ペプチドを100μl混合した後、0.3%ウシ
血清アルブミン含有PBSで3000倍希釈した抗ペプチド
2抗体を混合し24時間インキュベートした。さらに抗ウ
サギイムノグロブリン抗体をコートした磁性粒子(商標
名アマレックス−M、ダイナボツト)を混合し12時間
放置したのち、磁石によりBOUND/FREE分離を行った。ガ
ンマカウンター(ALOKA)により磁性粒子に結合し
た標識ペプチドを定量した。標準物質としては、N末端
側10番目より19番目のアミノ酸配列に相当する合成
ペプチド2を用いて検量線を作成した(図1)。また、
この系では、C末端側のアミノ酸配列に相当する合成ペ
プチド3及び通常のβ2 −ミクログロブリンには反応を
示さない。
期透析患者の腎より手術によって採取した腎嚢胞液では
250ng/ml のβ2-ミクログロブリン由来物質が検出さ
れたが、正常人の尿中には1〜31ng/ml と腎嚢胞液に
比較して非常に低い濃度であった。さらには、本測定系
は通常のβ2-ミクログロブリンには全く反応を示さなか
った。
アツセイによるヒト由来β2 −ミクログロブリン由来物
質の定量 ヒト由来β2 −ミクログロブリン由来物質濃度を、ビオ
チン標識したペプチドを用いる競合法エンザイムノイム
ノアツセイにより測定した。
清アルブミン含有リン酸緩衝液(pH7.5) 試薬B :洗浄液;0.005%TWEEN-80含有リン酸緩衝液(pH
7.5) 西洋ワサビペルオキシダーゼ結合アビジンビオチン複合
体(VECTASTAIN) オルトフエニレンジアミン溶液; オルトフエニレンジア
ミン(SIGMA) 1錠を希釈緩衝液(0.1Mリン酸ナトリウム
-50mM クエン酸-0.05%フエリオックス(pH5.0)10mlに
溶解し、300 μlの0.6%過酸化水素水を混合する。使用
直前に調製する1.5 規定 硫酸
Asn-Gly-Lys を3.5mg/mlの濃度で100mM 炭酸ナトリウム
緩衝液(pH8.5) に溶解し、1/10量のビオチン化試薬(Su
lfosuccinimidyl 6-(biotinamido) Hexanoate ,PIRCE
製)を混合、室温で2時間インキュベートしたのちグリ
シン2.7mg で反応を停止させた。精製はODS120T (東ソ
−)を用いた逆相クロマトグラフイ−により行った。カ
ラムを0.1%トリフルオロ酢酸、1%アセトニトリルで平衡
化した後標識ペプチド混合物を添加した。0.1%トリフル
オロ酢酸、80% アセトニトリルの直線的濃度勾配により
溶出をおこない、220nm の吸光度を指標にして、ピーク
を分取した。
レートの作製 抗ペプチド2抗血清を硫酸アンモニウム沈澱、DEAE
−セフアロ−スによるイオン交換クロマトグラフイーに
より免疫グロブリンG分画にしたのち、抗ウシ血清アル
ブミン抗体成分を固相吸収した。炭酸ナトリウム緩衝液
(pH8.5) を用いて、3μg/mlに希釈し、96穴マイク
ロタイタ−プレ−ト(NUNC) に100μl添加し、一晩
4度でインキユベ−トした。試薬Bで洗浄後試薬Aでブ
ロッキングを行った。使用直前に試薬Bで洗浄して用い
た。
の長期透析患者の腎より手術によって採取した腎嚢胞液
などを用いた。サンプルは試薬A で希釈して用いた。抗
ペプチド2抗体固相マイクロタイタープレートに希釈し
たサンプルを100μl添加し、室温10分インキユベー
ト後、試薬A で2000倍希釈したビオチン標識ペプチドを
100μl添加、混合した。37度30分反応後、試薬
Bで洗浄した。西洋ワサビペルオキシダーゼ結合アビジ
ンビオチン複合体(VECTASTAIN)を試薬Bで1000倍希釈
し、100μl添加する。37度30分インキユベート
後、試薬Bにて洗浄した。オルトフエニレンジアミン溶
液を100μl添加後室温で30分インキユベートし、
1.5 規定硫酸にて反応を停止した。各ウエルの吸光度を
主波長492nm 、副波長630nm で測定した。検量線は非標
識のペプチド2を用いて、作成した(図2)。
腎より手術によって採取した腎嚢胞液では2000ng/ml の
β2-ミクログロブリン由来物質が検出されたが、正常人
の尿及び血清中には当該物質は非常に低い濃度でしか検
出されなかった。さらには、本測定系は通常のβ2-ミク
ログロブリンには全く反応を示さなかった。
イムノアツセイによるヒト由来β2 −ミクログロブリン
由来物質の定量 (その1) ヒト由来β2 −ミクログロブリン由来物質濃度を、抗ペ
プチド2抗体を固相化し、同じ抗体をビオチン標識して
二次抗体として用いるサンドイッチ法エンザイムノイム
ノアツセイにより測定した。
ノ酸配列のN末端より1番目から19番目までのペプチ
ド。すなわちIle-Gln-Arg-Thr-Pro-Lys-Ile-Gln-Val-Ty
r-Ser-Arg-His-Pro-Ala-Glu-Asn-Gly-Lys 抗ペプチド2抗体固相マイクロタイタープレート ビオチン標識抗ペプチド2抗体 試薬A ;反応緩衝液;0.005%TWEEN-80および0.15% ゼラ
チン含有リン酸緩衝液(pH7.5) 試薬B :洗浄液;0.005%TWEEN-80含有リン酸緩衝液(pH
7.5) 西洋ワサビペルオキシダーゼ結合アビジンビオチン複合
体(VECTASTAIN) オルトフエニレンジアミン溶液; 実施例3に同じ。 1.5 規定 硫酸
レートの作製 抗ペプチド2抗血清を硫酸アンモニウム沈澱、DEAE
ーセフアロースによるイオン交換クロマトグラフイーに
より免疫グロブリンG分画にしたのち、抗ウシ血清アル
ブミン抗体成分を固相吸収した。炭酸ナトリウム緩衝液
(pH8.5) を用いて、3μg/mlに希釈し、96穴マイク
ロタイタ−プレ−ト(NUNC) に100μg添加し、一晩4
度でインキユベ−トした。試薬Bで洗浄後試薬Aでブロ
ッキングを行った。使用直前に試薬Bで洗浄して用い
た。
−セフアロ−スによるイオン交換クロマトグラフイーに
より免疫グロブリンG分画にしたのち、抗ウシ血清アル
ブミン抗体成分を固相吸収した。炭酸緩衝液(pH8.5) に
透析した後、Sulfosuccinimidyl 6-(biotinamido) Hexa
noate を5分の1量を添加し室温で2時間インキュベー
トする。17倍量のグリシン10mgで反応を停止した後20
mMトリスー塩酸、150mM 塩化ナトリウムー0.1%アジ化ナ
トリウム(pH7.5 )に対して透析した。
の長期透析患者の腎より手術によって採取した腎嚢胞液
などを用いた。サンプルは試薬A で希釈して用いた。抗
ペプチド2抗体固相マイクロタイタープレートに試薬A
で希釈したサンプルまたは標準液を100μl添加し、
4℃で一晩インキユベート後、試薬B で洗浄する。試薬
A で1000倍希釈したビオチン標識抗ペプチド2抗体を1
00μl添加、混合する。37℃30分反応後、試薬B
で洗浄した。西洋ワサビペルオキシダーゼ結合アビジン
ビオチン複合体(VECTASTAIN)を試薬Bで1000倍希釈
し、100μl添加した。37度30分インキユベート
後、試薬Bにて洗浄する。オルトフエニレンジアミン溶
液を100μl添加後室温で10分インキユベートし、
1.5 規定硫酸にて反応を停止する。各ウエルの吸光度を
主波長492nm 、副波長630nm で測定した。
2 −ミクログロブリンのアミノ酸配列のN末端より1番
目から19番目までのペプチドを用いて作成した(図
3)。また、この測定系はペプチド2(β2 −ミクログ
ロブリンのアミノ酸配列のN末端より10番目から19
番目)に対して反応したが、通常のβ2 −ミクログロブ
リンに対しての反応は検出されなかった。
発性腎嚢胞症の長期透析患者の腎より手術によって採取
した腎嚢胞液及び透析アミロイドーシス患者血清などを
測定した結果は表3に示した。
腎より手術によって採取した腎嚢胞液では 10000ng/ml
のβ2-ミクログロブリン由来物質が検出された。また、
透析アミロイドーシス患者血清中には130ng/mlのβ2 −
ミクログロブリン由来物質が検出された。しかし、正常
人の尿及び血清中には当該物質は非常に低い濃度でしか
検出されなかった。
イムノアツセイによるヒト由来β2 −ミクログロブリン
由来物質の定量(その2) ヒト由来β2 −ミクログロブリン由来物質濃度を、抗ペ
プチド1抗体を固相化し、ビオチン標識抗ペプチド2抗
体を二次抗体として用いるサンドイッチ法エンザイムノ
イムノアツセイにより測定した。
ノ酸配列のN末端より1番目から19番目までのペプチ
ド。 抗ペプチド1抗体固相マイクロタイタープレート ビオチン標識抗ペプチド2抗体 試薬A ;反応緩衝液;0.005%TWEEN-80および0.15% ゼラ
チン含有リン酸緩衝液(pH7.5) 試薬B :洗浄液;0.005%TWEEN-80含有リン酸緩衝液(pH
7.5) 西洋ワサビペルオキシダーゼ結合アビジンビオチン複合
体(VECTASTAIN) オルトフエニレンジアミン溶液; 実施例3に同じ。1.5
規定硫酸
レートの作製 抗ペプチド1抗血清を硫酸アンモニウム沈澱、DEAE
−セフアロ−スによるイオン交換クロマトグラフイーに
より免疫グロブリンG分画にしたのち、抗ウシ血清アル
ブミン抗体成分を固相吸収した。炭酸ナトリウム緩衝液
(pH8.5) を用いて、5μg/mlに希釈し、96穴マイク
ロタイタ−プレ−ト(NUNC) に100μl添加し、一晩
4度でインキユベ−トした。試薬Bで洗浄後試薬Aでブ
ロッキングを行った。使用直前に試薬Bで洗浄して用い
た。
の長期透析患者の腎より手術によって採取した腎嚢胞液
などを用いた。サンプルは試薬A で希釈して用いた。抗
ペプチド1抗体固相マイクロタイタープレートに試薬A
で希釈したサンプルまたは標準液を100μl添加し、
4℃で一晩インキユベート後、試薬B で洗浄した。試薬
A で1000倍希釈したビオチン標識抗ペプチド2抗体を10
0ul 添加、混合した。37℃、30分反応後、試薬Bで
洗浄した。西洋ワサビペルオキシダーゼ結合アビジンビ
オチン複合体(VECTASTAIN)を試薬Bで1000倍希釈し、
100μl添加する。37℃、30分インキユベート
後、試薬Bにて洗浄した。オルトフエニレンジアミン溶
液を100μl添加後室温で30分インキユベートし、
1.5 規定硫酸にて反応を停止した。各ウエルの吸光度を
主波長492nm 、副波長630nm で測定した。
2 −ミクログロブリンのアミノ酸配列のN末端より1番
目から19番目までのペプチドを用いて作成した。(図
4)また、この測定系では通常のβ2 −ミクログロブリ
ンに対しての反応は検出されなかった。
発性腎嚢胞症の長期透析患者の腎より手術によって採取
した腎嚢胞液などを測定した結果は表4に示した。
腎より手術によって採取した腎嚢胞液では5200ng/ml の
β2-ミクログロブリン由来物質が検出された。また、透
析アミロイドーシス患者血清中には 20ng/mlのβ
2 −ミクログロブリン由来物質が検出された。しかし、
正常人の尿中には当該物質はほとんど検出されなかっ
た。また、正常人の血清から検出されたβ2-ミクログロ
ブリン由来物質濃度は7ng/mlと低い濃度を示した。
ログロブリン由来物質を通常のβ2-ミクログロブリンの
影響を受けることなく迅速かつ定量的に測定することを
可能とするものである。特に長期透析患者の体液成分を
測定することにより、アミロイドーシスによる手根管症
候群などの骨関節症状の発症のマーカーとして、また、
他の疾患の病態把握をする為に従来行われているβ2-ミ
クログロブリンの測定と比較してより正確に行うことが
可能となる
イムノアツセイ法の検量線を示した図である。
イムノイムノアツセイ法の検量線を示した図である。
た標識抗体として同じ抗ペプチド2抗体を用いたサンド
イッチ法によるエンザイムノイムノアツセイ法の検量線
を示した図である。
体として抗ペプチド2抗体を用いたサンドイッチ法によ
るエンザイムノイムノアツセイ法の検量線を示した図で
ある。
Claims (4)
- 【請求項1】 通常のβ2 −ミクログロブリンとは反応
せず、β2 −ミクログロブリンのN末端側1番目より1
9番目のアミノ酸配列の全体またはその一部分に特異的
に反応する抗体。 - 【請求項2】 β2 −ミクログロブリンのN末端側1番
目より10番目のアミノ酸配列の全体またはその一部分
に特異的に反応する請求項1記載の抗体。 - 【請求項3】 β2 −ミクログロブリンのN末端側10
番目より19番目のアミノ酸配列の全体またはその一部
分に特異的に反応する請求項1記載の抗体。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
の抗体とβ2 −ミクログロブリン由来物質との特異的反
応を利用して該β2 −ミクログロブリン由来物質を測定
することから成るβ2 −ミクログロブリン由来物質の免
疫測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25071192A JP3155626B2 (ja) | 1992-08-26 | 1992-08-26 | 抗β2−ミクログロブリン由来物質抗体及びそれを用いるβ2−ミクログロブリン由来物質の免疫測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25071192A JP3155626B2 (ja) | 1992-08-26 | 1992-08-26 | 抗β2−ミクログロブリン由来物質抗体及びそれを用いるβ2−ミクログロブリン由来物質の免疫測定方法 |
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Biochem.Biophys.Res.Commun.,Vol.168,No.3,P.1223−1229(1990) |
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