JP3155558U - 救命服 - Google Patents
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Abstract
Description
この構成によれば、救命服は、水中にいる着用者に対して、当該着用者が仰向け姿勢になるように浮力を与えることができる。これにより、着用者の気道を確保できる。
この構成によれば、救命服は、水中にいる着用者に対して、当該着用者の頭が上になるように浮力を与えることができる。したがって、請求項2記載の考案のように、前記前側浮力体および後側浮力体は、前記前側浮力体の方が前記後側浮力体よりも浮力が大きくなるように形成されている場合には、救命服は、水中にいる着用者に対して、仰向け姿勢で当該着用者の頭が上になるように浮力を与えることができる。これにより、着用者の気道を確保できる。
この構成によれば、シート材の枚数を変更することにより、前側浮力体および後側浮力体の浮力を調整することができる。したがって、浮力の調整が容易である。
この構成によれば、インナーおよびアウターの上端縁は、互いの間が密閉されるように結合されている。したがって、たとえば救命服の着用者が水中に落下したとしても、インナーおよびアウターの上部の間から直ぐには空気が排出されず、この空間に空気が保持される。そのため、浮力体からの浮力に加えて、この空気からの浮力が着用者に与えられる。これにより、大きな浮力が保たれる。
この構成によれば、アウターによって防水されるので、救命服の着用者およびインナーが濡れることを防止することができる。また、アウターとインナーとの間に水が浸入したとしても、この水は、撥水性を有するインナーによってはじかれるので、着用者が濡れることを防止できる。さらに、アウターとインナーとの間に残ったわずかな水は、着用者の体温によって温められて水蒸気になり、通気性を有するアウターを通して外側に放出される。したがって、アウターとインナーとの間に残った水の表面張力によってアウターとインナーとが密着しないため、着用者が動きにくくなることはない。このように、救命服は、撥水性を有するインナーならびに防水性および通気性を有するアウターによって二重構造に形成されているから、着用者が濡れることを確実に防止することができ、着用者の動きが救命服によって妨げられることを抑制することができる。
この構成によれば、前側連続体がインナーに結合されているから、前側連続体が、インナーに対してずれることを防止することができる。また、胸用浮力体が、インナーの胸当て部に形成された袋状の前側収容部に収容されているから、胸用浮力体が、インナーに対して大きくずれることを防止することができる。これにより、救命服から着用者に与えられる浮力のバランスを維持することができる。また、胸用浮力体の体積を変更することにより、水中にいる着用者に対して、当該着用者の頭が上になるような浮力を容易に与えることができる。
この構成によれば、後側浮力体がインナーの広い範囲に配置されている。そのため、後側浮力体の体積が十分に確保されている。したがって、一定値以上の浮力を後側浮力体に確保しつつ、後側浮力体の厚みを低減することができる。これにより、着用者の着膨れを抑制して、着用者の動きが救命服によって妨げられることを抑制することができる。さらに、後側浮力体が、インナーのズボン部の臀部に配置されているから、救命服の着用者が座った場合に後側浮力体がクッションとなる。これにより、着用者の臀部を保護することができる。
この構成によれば、後側連続体がインナーに結合されているから、後側連続体が、インナーに対してずれることを防止することができる。また、背中用浮力体が、インナーの背当て部に形成された袋状の後側収容部に収容されているから、背中用浮力体が、インナーに対して大きくずれることを防止することができる。これにより、救命服から着用者に与えられる浮力のバランスを維持することができる。また、背中用浮力体の体積を変更することにより、水中にいる着用者に対して、当該着用者の頭が上になるような浮力を容易に与えることができる。
図1は、本考案の一実施形態に係る救命服1の概略構成を説明するための図である。図1(a)は、救命服1を前から見た図であり、図1(b)は、救命服1を3つに分離した図である。
救命服1は、防寒着および防水着としても使用できる吊りズボン型の衣服である。救命服1は、たとえば、乗船者や、釣り人などに着用されるものである。救命服1は、ハイウエストのズボン部1aと、ズボン部1aに繋がる胸当て部1bおよび背当て部1cと、一対の吊りバンド2とを備えている。胸当て部1bおよび背当て部1cは、それぞれ、たとえば台形状に形成されている。各吊りバンド2は、胸当て部1bおよび背当て部1cに結合されている。各吊りバンド2は、長手方向に伸縮可能な伸縮ベルト3と、結合および分離可能な一対のジョイント部材4とを含む。各伸縮ベルト3の一端は、一対のジョイント部材4を介して胸当て部1bの上端部に結合されている。また、各伸縮ベルト3の他端は、背当て部1cの上端部に結合されている。ズボン部1aを穿いた着用者の肩に一対の吊りバンド2が掛けられることにより、ズボン部1aが吊り下げられた状態で救命服1が着用される。
アウター6は、防水性および通気性を有する複数枚の生地によって形成されている。この実施形態では、アウター6は、たとえば、ポリウレタンによって内面がコーティングされたナイロン製の複数枚の生地によって形成されている。アウター6は、背当て部6cに設けられたアウタースリット7と、ズボン部6aに設けられた2つのポケット8とを含む。アウタースリット7は、背当て部6cを左右に等分割する位置に配置されており、上下に延びている。アウタースリット7は、背当て部6cを貫通している。
インナー5は、撥水性を有する複数枚の生地によって形成されている。この実施形態では、インナー5は、たとえば、ナイロン製の複数枚の生地によって形成されている。インナー5は、インナー5の前側部分を形成する前側分割体17と、インナー5の後側部分を形成する後側分割体18とを含む。前側分割体17および後側分割体18は、それぞれ、輪郭形状が概ね等しいシート状に形成されている。前側分割体17および後側分割体18は、互いの縁部が重なり合うように配置されている。前側分割体17および後側分割体18の縁部は、上端縁および下端縁を除き、互いに縫合されている。これにより、筒状のインナー5が形成されている。
救命服1は、インナー5に収容された浮力体21を備えている。浮力体21は、インナー5の前側部分である前側分割体17に収容された前側浮力体22と、インナー5の後側部分である後側分割体18に収容された後側浮力体23とを含む。前側浮力体22は、胸当て部5bからズボン部5aの膝部5dの下までの範囲に配置されている。また、後側浮力体23は、背当て部5cからズボン部5aの臀部5eまでの範囲に配置されている。
インナー5の前側分割体17は、前側分割体17と同じ輪郭形状に形成された2枚の前側ベース生地29を有している。2枚の前側ベース生地29は、互いの縁部が重なり合うように配置されている。2枚の前側ベース生地29は、縁部同士が縫合されて袋状に形成されている。前側浮力体22に設けられた2つの前側連続体24は、2枚の前側ベース生地29の間に配置されている。さらに、2つの前側連続体24は、上下に間隔を空けた複数箇所で、糸30によって2枚の前側ベース生地29に縫合されている(図3および図5を併せて参照)。したがって、2つの前側連続体24は、袋状に結合された2つの前側ベース生地29内に収容された状態で、2枚の前側ベース生地29に結合されている。
2 吊りバンド
5 インナー
5a ズボン部
5b 胸当て部
5c 背当て部
5d インナーの膝部
5e インナーの臀部
5f インナーの上端縁
5g インナーの裾
6 アウター
6f アウターの上端縁
6g アウターの裾
17 前側分割体(インナーの前側部分)
18 後側分割体(インナーの後側部分)
21 浮力体
22 前側浮力体
23 後側浮力体
24 前側連続体
25 胸用浮力体
26 後側連続体
27 背中用浮力体
28 シート材
34 前側収容部
36 後側収容部
Claims (9)
- ズボン部、ならびに前記ズボン部に繋がる胸当て部および背当て部を有するインナーと、
前記インナーの外側全体を覆うように前記インナーに結合されたアウターと、
前記インナーおよびアウターに結合された吊りバンドと、
前記インナーの前側部分に収容され、少なくとも前記胸当て部から前記ズボン部の膝部の下までの範囲に配置された前側浮力体、および前記インナーの後側部分に収容され、少なくとも前記背当て部に配置された後側浮力体を有する浮力体とを含む、吊りズボン型の救命服。 - 前記前側浮力体および後側浮力体は、前記前側浮力体の方が前記後側浮力体よりも浮力が大きくなるように形成されている、請求項1記載の吊りズボン型の救命服。
- 前記浮力体は、前記胸当て部および背当て部に収容された部分の方が、前記ズボン部に収容された部分よりも浮力が大きくなるように形成されている、請求項1または2記載の吊りズボン型の救命服。
- 前記前側浮力体および後側浮力体は、それぞれ、複数枚のシート材により形成されている、請求項1〜3の何れか一項に記載の吊りズボン型の救命服。
- 前記インナーおよびアウターの上端縁は、互いの間が密閉されるように結合されており、
前記インナーおよびアウターの裾は、互いの間を流体が流通できるように結合されている、請求項1〜4の何れか一項に記載の吊りズボン型の救命服。 - 前記インナーは、撥水性を有する生地によって形成されており、
前記アウターは、防水性および通気性を有する生地によって形成されている、請求項1〜5の何れか一項に記載の吊りズボン型の救命服。 - 前記前側浮力体は、前記胸当て部から前記ズボン部の膝部の下まで連続し、前記インナーに結合された前側連続体と、前記胸当て部に形成された袋状の前側収容部に収容された胸用浮力体とを含む、請求項1〜6の何れか一項に記載の吊りズボン型の救命服。
- 前記後側浮力体は、少なくとも前記背当て部から前記ズボン部の臀部までの範囲に配置されている、請求項1〜7の何れか一項に記載の吊りズボン型の救命服。
- 前記後側浮力体は、前記背当て部から前記ズボン部の臀部まで連続し、前記インナーに結合された後側連続体と、前記背当て部に形成された袋状の後側収容部に収容された背中用浮力体とを含む、請求項8記載の吊りズボン型の救命服。
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2009
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