JP3155517U - 枕 - Google Patents
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Abstract
【課題】睡眠時無呼吸症に対応すると共に、快適な頭部支持がなされる枕を提供する。【解決手段】発泡樹脂で所定形状に形成する枕本体1を備えたものであって、頸部支持箇所に該当する基部11と、後頭部支持個所となる先部12との各々の変形性を異ならせ、基部を相対的硬質に形成し、先部を相対的軟質に形成して、使用時に先部が基部より沈下するようにしたことで、各人の頭部形状がやや異なったとしても、後頭部が包み込まれるように全体で支持され、仰臥睡眠時の気道確保(睡眠時無呼吸症対策)ができる。【選択図】図1
Description
本考案は、特に睡眠時無呼吸症に対応する枕に関するものである。
快適な睡眠を得るために従前より種々の構造の枕が提案されている。特に睡眠時の気道確保(睡眠時無呼吸症対策)手段として、頸部がある程度の高さで、且つ後頭部が少し低くなる位置で首部全体(頸部から上の部分全体)が安定するようにしている。
例えば粘性ウレタン(軟質ポリウレタンフォーム)で頸部支持用の膨出部と頭頂部に近い後頭部支持用の膨出部を、凹部を介して形成して、前記凹部に後頭部全体が収まる形状に形成した枕が知られている(特許文献1:登録実用新案第3049694号公報)。特に特許文献1記載の枕においては、肩部の支持となるひれ片部が設けられている。
また特に頸部の支持個所の使用時における沈み込みを少なくさせて、頸部の高さを保持するために、頸部の当接部分を相対的に硬く詰め物を充填して、後頭部の当接支持箇所は、個人差に対応させると共に、沈み込みを大きくさせて当たりを柔らかくし、使用感を良好にするために相対的に柔らかく詰め物を行った枕も提案されている(特許文献2:実用新案登録2544955号公報)。
また前記特許文献1記載の枕において、硬質部分が直接頸部と当接する場合の使用感を改善するために、特許文献3(登録実用新案第3131886号公報)には、軟質部を硬質部の表面の一面側を覆うように形成する枕が開示されている。
前記の特許文献1に開示されているように予め所定の形状に形成されている枕の場合には、後頭部当接箇所(凹部)の形状及び硬さは一定であり、特許文献2,3に開示されているように個人差に対応することが困難であり、使用感に問題がある。
他方特許文献2,3に開示されている枕のように頸部当接個所(頚部支持個所)が硬質で、後頭部当接箇所が軟質に形成すると、睡眠時の気道確保に適する枕を提供することができ、且つ後頭部当接箇所の軟質程度を選択できる利点はあるが、詰め物で硬軟調整する場合に、所望形状の枕とするには困難がある。
即ち硬室部と軟質部を形成する袋の形状に工夫が必要であり、而も詰め物が枕袋内で移動するので、硬軟の調整が煩雑である。
また特許文献1の記載されている枕のように、ひれ片部を備えている場合には当然のことであり、またのひれ片部を備えていない一般的な形状の枕の場合で、仰臥使用に適する形状であったとしても、寝返りをして横臥になった際には、肩峰部分が枕と接触してしまい、枕が邪魔になってしまう。
前記の対策として予め枕の形状を特異な形状とする場合には、詰め物を使用したで枕では、対応することができ難い。
そこで本考案は、前記課題を鑑み、新規な枕を提案したものである。
本考案に係る枕は、発泡樹脂で所定形状に形成する枕本体を備えたものであって、頸部支持箇所に該当する基部と、後頭部支持個所となる先部との各々の変形性を異ならせ、基部を相対的硬質に形成し、先部を相対的軟質に形成して、使用時に先部が基部より沈下することを特徴とするものである。
而して前記の枕を使用した場合には、先部が基部より柔らかく頭部が沈下して、頭部を包み込むようにして全体を支持するので、各人の頭部形状がやや異なったとしても柔軟に対応でき、特に基部によって頸部がある程度の高さでしっかり支持されるので、仰臥に際しては、後頭部が少し低くなる位置で支持されて、必然的に顎が持ち上げられて、仰臥睡眠時の気道確保(睡眠時無呼吸症対策)が確実になされるし、更に横臥に際しても、側頭部が人体の中心線位置に支持され、同様に気道確保が確実になされるものである。
また本考案(請求項2)は、前記の枕において、特に基部の基端面を下方部分が凹んでなる抉り面に形成してなるもので、横臥した際に、基部で頸部をしっかりと支持し、側頭部は柔らかく支持され、且つ抉り個所に肩峰部分が入り込むので、安定した横臥を実現できる。
本考案の構成は上記のとおりで、頸部支持の基部と頭部支持の先部を、硬軟(変形性)を相違させて形成したもので、仰臥睡眠時の気道確保が適切に実現でき、且つ枕形状の設定を容易に選択できたものである。更に横臥に際しても枕が肩峰部の邪魔にならない利点も有するものである。
次に本考案の実施形態について説明する。図1,2は第一実施形態を示したもので、この実施形態の枕は、枕本体1と、前記枕本体1を被覆するカバー体2とで構成されている。
枕本体1は、例えばウレタンフォームで形成されるもので、頸部Aの支持箇所に該当する基部11と、後頭部Bの支持個所となる先部12と、各別に形成したもので、基部11と先部12とは、その変形性(弾性反発性や粘性)を異ならせてなるものである。
即ち基部11の発泡率を小さくしたり、気泡構造の選択で相対的(先部12に比較して)に硬質に形成し、先部12は発泡率を大きくする等で相対的に軟質に形成してなるものである。
また基部11の基端面は、下方部分が凹んでなる抉り面13に形成して、基端抉り空間aを備えるように形成する。
前記の各別に形成された基部11と先部12とは、組み合わせて一体の枕形状となるようにし、カバー体2内に収納されるものであるが、特に図示するように、基部11と先部12の境界面は、基部11の下方が先部12側に進出する傾斜面に形成すると頸部Aから後頭部Bに至る個所の支持が的確になされる。
そして前記の枕は、図2(イ)に示すとおり、仰臥時には、基部11の基端側が基端抉り空間aの影響で僅かに沈み込み、頸部Aの下方部分が密着して頸部A全体を基部11で支持することになり、後頭部Bは先部12上に位置し、相対的に軟質であるために基部11より沈み込んで後頭部Bを支持することになり、睡眠時の気道確保が的確になされるものである。
また横臥時には、図2(ロ)に示すとおり、基部11の基端側の基端抉り空間aに肩峰部Cが入り込み、頸部Aを基部11で支持し、側頭部Dを先部12で支持すると共に、相応に沈下状態となるので、横臥時においても睡眠時の気道確保が的確になされるものである。
前記のとおり基部11と先部12とを、反発弾性・粘性の異なる材質で、各々別体に形成して、これらを組み合わせて枕に形成する場合には、それぞれの反発弾性・粘性の選択や、変形率の相違の程度の選択が自由に設定することができるし、また種々の組み合わせの枕を提供することで、使用者は、自己の好み(枕の硬さ)に対応して枕を選択できる利点がある。
図3,4は第二実施形態を示したもので、この実施形態の枕も、枕本体1aと、前記枕本体1aを被覆するカバー体2とで構成されている。
枕本体1aは、第一実施形態と同様に例えばウレタンフォームで形成されるもので、頸部Aの支持箇所に該当する基部11aと、後頭部Bの支持個所となる先部12aの変形性を相違させる手段として、先部12aの下方部分を抉り、先部抉り空間bを形成し、先部12aを上方突出形状に形成したものである。
尚基部11aの基端面に下方部分が凹んでなる抉り面13aに形成して、基端抉り空間aを形成することは第一実施形態と同様である。
而して前記の枕は、図4(イ)に示すとおり、仰臥時には、基部11の基端側が基端抉り空間aの影響で僅かに沈み込み、頸部Aの下方部分が密着して頸部A全体を基部11aで支持することになり、後頭部Bは先部12a上に位置し、下方の先部抉り空間bが存在することになって、基部11aの頂部より傾斜状態で沈み込んで後頭部Bを支持することになり、睡眠時の気道確保が的確になされるものである。
また横臥時には、図4(ロ)に示すとおり、基部11aの基端側の基端抉り空間aに肩峰部Cが入り込み、頸部Aを基部11aで支持し、側頭部Dを先部12bで支持すると共に、相応に沈下状態となるので、横臥時においても睡眠時の気道確保が的確になされるものである。
前記の第二実施形態は、基部11aと先部12aとを、同一材質で形成することで、その製造が容易になる利点がある。
尚前記の形状を採用すると共に、製造に際して、成形型への樹脂材の発泡充填に際して、基部11aが先部12aより発泡密度が少なく、先部12aの発泡密度を大きくなるように発泡剤の混入量を相違させて充填して製造すると、基部11aが硬く、先部12aが柔らかく、沈み込み機能がより高められる。また前記の発泡密度を異ならせる製造手段を採用する場合には、成形型への樹脂材噴出ノズルを各区画に細分して、それぞれ所定の発泡密度となるようにすると、特に前記形状を採用せずに、一般的な形状において、基部と先部の相対的な硬軟性を備えさせることもできる。
図5,6は第三実施形態を示したもので、この実施形態の枕も、枕本体1bと、前記枕本体1bを被覆するカバー体2とで構成されている。
枕本体1bは、前記の各実施形態と同様に例えばウレタンフォームで形成されるもので、頸部Aの支持箇所に該当する基部11bと、後頭部Bの支持個所となる先部12bの変形性を相違させる手段として、先部12bを、上面部分に多数の左右方向の切り込み溝14を設けて、先方傾斜の薄板が積層隣接する形状に形成したものである。勿論基部11bの基端面に下方部分が凹んでなる抉り面13bに形成して、基端抉り空間aを形成することは第一、二実施形態と同様である。
而して前記の枕は、図6(イ)に示すとおり、仰臥時には、基部11bの基端側が基端抉り空間aの影響で僅かに沈み込み、頸部Aの下方部分が密着して頸部A全体を基部11で支持することになり、後頭部Bは先部12b上に位置し、薄板を押し倒すことになるので、基部11bの頂部より傾斜状態で沈み込んで後頭部Bを支持することになり、睡眠時の気道確保が的確になされるものである。
また横臥時には、図6(ロ)に示すとおり、基部11bの基端側の基端抉り空間aに肩峰部Cが入り込み、頸部Aを基部11bで支持し、側頭部Dで押し倒されて沈下する先部12bで支持するので、横臥時においても睡眠時の気道確保が的確になされるものである。
この実施形態も、前記第二実施形態と同様に、枕本体1b全体を同一材質で形成することができ、その製造が容易になる利点がある。
尚前記の実施形態は、枕本体の使用材質として、一般的に多用されているウレタンフォームを使用する例を示したが、適宜な反発弾性(クッション性)を備えるものであれば、他の材質のものを採用することもできる。
1,1a,1b 枕本体
11,11a,11b 基部
12,12a,12b 先部
13,13a,13b 抉り面
14 切り込み溝
2 カバー体
a 基端抉り空間
b 先部抉り空間
A 頸部
B 後頭部
C 肩峰部
D 側頭部
11,11a,11b 基部
12,12a,12b 先部
13,13a,13b 抉り面
14 切り込み溝
2 カバー体
a 基端抉り空間
b 先部抉り空間
A 頸部
B 後頭部
C 肩峰部
D 側頭部
Claims (6)
- 発泡樹脂で所定形状に形成する枕本体を備えたものであって、頸部当支持箇所に該当する基部と、後頭部支持個所となる先部との変形性を異ならせ、基部を相対的硬質に形成し、先部を相対的軟質に形成して、使用時に先部が基部より沈下することを特徴とする枕。
- 基部の基端面を下方部分が凹んでなる抉り面に形成してなる請求項1記載の枕。
- 基部と先部とを、反発弾性の異なる材質で、各々別体に形成して、組み合わせてなる請求項1又は2記載の枕。
- 基部と先部の発泡密度を変えて相対的な硬軟性を備えさせてなる請求項1又は2記載の枕。
- 先部の下方部分を抉り上方突出形状に形成して、変形性を大きくしてなる請求項1又は2記載の枕。
- 先部を、上面部分に多数の左右方向の切り込み溝を設けて、先方傾斜の薄板が積層隣接した形状に形成して変形性を大きくしてなる請求項1又は2記載の枕。
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JP2009006416U JP3155517U (ja) | 2009-09-08 | 2009-09-08 | 枕 |
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JP2017529945A (ja) * | 2014-09-30 | 2017-10-12 | テンピュール−ペディック・マネジメント・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー | 二つの密度の成型されたフォーム枕 |
JP7087057B1 (ja) | 2020-12-25 | 2022-06-20 | 株式会社オークローンマーケティング | 枕 |
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