JP3155316B2 - 歯科用光重合樹脂材料 - Google Patents
歯科用光重合樹脂材料Info
- Publication number
- JP3155316B2 JP3155316B2 JP32394291A JP32394291A JP3155316B2 JP 3155316 B2 JP3155316 B2 JP 3155316B2 JP 32394291 A JP32394291 A JP 32394291A JP 32394291 A JP32394291 A JP 32394291A JP 3155316 B2 JP3155316 B2 JP 3155316B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- weight
- polymerization
- dental
- resin material
- range
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Dental Preparations (AREA)
Description
けるパターン材料、例えばクラスプパターン、クラウン
ブリッジパターン、インレーパターン等の製作過程で使
用される歯科用光重合樹脂材料に関する。
既に実用化され市販されているものもある。またこの分
野における関連技術も公知である。例えばクラスプパタ
ーン製作用光重合レジン組成物に関するもの(特開平1
−110609号)、同様のパターンを製作する材料で
ウレタンアクリレート樹脂液にポリスチロール等の粉末
を混合したもの(特開昭62−115013号)等があ
る。
この種歯科用光重合樹脂よりなるパターン材料は、本発
明者らの実験によれば、重合硬化後、変形を生じ易いも
の、焼成後灰分が残るもの、重合硬化後の強度が弱くク
ラスプのように細い形状としたとき歯模型からの離脱時
折れ易いもの、重合硬化前の状態に粘着性があり、イン
スツルメントに粘着する等操作性に劣るもの等がある。
なされたもので、重合硬化前の操作性は、従来この種材
料として使用されているワックスに等しいこと、重合後
は十分な靱性を有し、人工歯石膏模型からの着脱に際し
ても折れないこと、焼却が完全になされ残渣が残らない
こと、重合後変形を生じないことの各条件を満足する歯
科用光重合樹脂材料を実現したものである。
合樹脂材料は、下記化学構造をもつポリエチレングリコ
ールジメタクリレート液が約10重量%ないし35重量
%、 ポリメチルメタクリレートマクロモノマー及びポリエチ
ルメタクリートの混合粉末よりなる有機充填剤が65重
量%ないし90重量%、光重合開始剤が0.05重量%
ないし3重量%、重合助剤が0.05重量%ないし3重
量%の範囲で粘土状に混合されてなり、さらに上記充填
剤の成分がポリメチルメタクレートモノマーが35%な
いし65%、ポリエチルメタクリレートが35%ないし
65%の範囲で設定されてなるものである。また、上記
光重合開始剤が、2.4-ジエチルチオキサンソン、2-ヒド
ロキシ-2−メチル-1-フェニルプロパン-1- オン、ベン
ジルジメチルケタール、ベンゾフェノン又はカンファー
キノンのいずれかであるものである。また、上記重合助
剤が、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、メタクリル酸
2-ジメチルアミノエチル又は4,4'-ジエチルアミノベン
ゾフェノンのいずれかであるものである。
エチレングリコールジメタクリレート(PDE)液が2
2.8重量%使用される。
(PMMA)マクロモノマー38.1重量%とポリエチ
ルメタクリレート(PEMA)38.1重量%の混合粉
末(合計76.2重量%)、光重合開始剤として、2,
4−ジエチルチオキサンソン(DETX−S)(日本化
薬(株)製)0.5重量%、重合助剤として4−ジメチ
ルアミノ安息香酸エチル(EPA)0.5重量%を混合
して粘土状に形成した。かかる配合の光重合樹脂は、重
合前の操作性、重合後の強度及び操作性、焼却残渣、重
合性、保存性の各条件を満たす結果を得た。尚、照射光
源として、可視光及び紫外光の何れも可能である。
ある。
よる成形、築盛作業が容易で、かつこれらに粘着しない
こと。
合硬化すること及び模型から外す際、加わる変形力によ
っても破壊されない程度の強度、靱性を有すること。変
形力解除後は元の形状に戻ること。
ネスで焼却した後の残渣がゼロでなければならない。焼
却前3gの材料を焼却したとき、残渣が0.1mg精度の
天秤で表示がゼロになること。
に可視光を3分間照射したとき、完全に重合すること。
照射器は、モリタ東京製作所製「α−ライト」を使用し
た。
ないこと。
合は、10重量%ないし35重量%の範囲が適当であ
る。10重量%より少ないとその減量分だけ粉末充填剤
が増えることとなり、その結果硬くなって成形作業等操
作性が悪くなり、また60重量%を越えて増加すると逆
に軟らかすぎて操作性が悪くなるのである。
PEMA混合粉末は、65重量%ないし90重量%の範
囲が適当である。これは上記光重合化合物溶液と逆の関
係から、65重量%より低下すると、流動性が増し、軟
らかくなり過ぎ、また90重量%を越えて増えると硬く
なり過ぎるのである。PMMAマクロモノマーとPEM
Aの混合割合については、PMMAマクロモノマーが3
5%ないし65%の範囲で、PEMAが同じく35%な
いし65%の範囲で使用される。PMMAマクロモノマ
ー及びPEMAが充填剤として適しているのは、これら
が光重合材料に対し相溶性に優れ、かつ同材料の光重合
硬化に悪影響を及ぼさないことによる。またPMMAマ
クロモノマー及びPEMAの混合割合を上記範囲内で調
整するのは、この範囲が操作性に適するからである。
開始剤、アセトフェノン系重合開始剤、ベンゾイン系重
合開始剤、ベンゾフェノン系重合開始剤、カンファーキ
ノンが適している。チオキサンソン系重合開始剤として
は、DETX−S、アセトフェノン系重合開始剤として
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−
1−オン、ベンゾイン系重合開始剤としてベンジルジメ
チルケタール、ベンゾフェノン系重合開始剤としてベン
ゾフェノンが使用できる。この重合開始剤の量は0.0
5重量%ないし3重量%の範囲で設定される。0.05
重量%より少ないと、重合性が低下して重合不良或いは
重合に長時間かかるという問題があり、3重量%を越え
ると保存性即ち経時的安定性が悪くなり、光を照射しな
い状態でも長時間経過すると重合反応が進行することが
ある。
チルアミノ安息香酸エチル(EPA)、メタクリル酸2
−ジメチルアミノエチル、4,4’−ジエチルアミノベ
ンゾフェノン(EAB)が適している。これらの助剤
は、重合開始剤と同量即ち0.05重量%ないし3重量
%の範囲で使用される。
較例1ないし24の各成分の名称及び割合を示す。また
表2は、パターン材料としての性能、操作性等に関する
評価を示す。
き説明を加える。実施例1ないし3に関しては、前述し
た通り重合前の操作性(作業性、成形性)、重合後の操
作性(靱性、強度)、焼却残渣、重合性、保存性の全て
の点で優れている。これら実施例は光重合材料PDEの
量を変えて実験した例である。実施例4ないし7は異な
る重合開始剤を使用した例であり、実施例4は、ダロキ
ュア1173(登録商標、メルク社製)であり、化学名
は2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン
−1−オンである。実施例5は、ベンゾフェノン、実施
例6はベンジル、実施例7はカンファキノンである。こ
れらの量は何れも0.5重量%である。比較例1ないし
13は、充填剤として各種有機材料を使用した例であ
る。即ち、PEMA単体(比較例1、以下単に番号のみ
付す)、PMMAマクロモノマー単体(2)、PMMA
(3)、ポリブチルメタクリレート(PBMA)
(4)、ポリスチレンマクロモノマー(5)、ポリスチ
レン(6)、PMMA−PEMA共重合体(7)、ポリ
エチレン(PE)(8)、パラフィンワックス(9)、
ポリスチレンとPMMAマクロモノマーの混合体(1
0)、PEMA、PMMAマクロモノマー及びα−オレ
フィンの混合体(11)、PEMAとα−オレフィンの
混合体(12)、PEMA、PMMAマクロモノマーと
ポリブテン−1の混合体(13)である。かかる充填剤
を使用した場合、表2に示す如く、必要条件の少なくと
も1つに問題がある。例えば重合前の材料にゴム性があ
れば、所定の形状に成形しても成形の際生じた応力によ
り重合硬化時変形することがある。また重合前の材料が
さくい状態であれば、スパチュラ、彫刻刀による成形が
困難であり、重合後の材料が脆ければ簡単に折れてしま
うこととなる。また収縮を生じると、所望の成形体が得
られず、実用に供することはできないのである。
の配合割合を変えた場合を示す。即ちPMMAマクロモ
ノマーを25.4重量%、PEMAを50.8重量%
(14)、前者を50.8重量%、後者を25.4重量
%(15)混合したものである。これらは何れも重合後
の操作性に問題があり、実用を適さなかった。PMMA
マクロモノマー及びPEMAの量は、25.4重量%
(百分率にして33.3%)より多く、かつ50.8重
量%(66.7%)より少なくしなければならず、実験
によれば、これら充填剤成分は35%ないし65%の範
囲で設定される必要があり、各々50%の配合割合が最
適であった。
を増量した場合(16)と減少させた場合(17)を示
す。前者は遮光保存状態にあっても、長時間たつと徐々
に重合が進むという欠点が生じ、また後者は、光を照射
しても重合不良を生じるという欠点が生じる。
て、n=4なる材料を使用した場合を示し、重合前後の
操作性に難点があることが確認された。
ンアクリレート即ちトリメチルヘキサメチレンジイソシ
アナート及び2ヒドロキシエチルメタクリレートの1対
2付加物を使用した場合を示す。この場合、重合前後の
操作性に難点があるほか、焼却残渣の存在が確認され、
この種パターン材料としては適さないことが確認され
た。
禁止剤を微量添加すれば、材料を長期間未重合状態で安
定させることができる。重合禁止剤としてキノン類例え
ばパラベンゾキノン、ハイドロキノンメチルエーテルが
使用でき、添加量は約0.005%程度である。
パターン、クラウンブリッジパターン、インレーパター
ン、アンレーパターン等に広く使用できる。
用光重合樹脂材料は、光重合化合物溶液として なる化学構造をもつポリエチレングリコールジメタクリ
レート液を、充填剤としてPMMAマクロモノマーとP
EMAの混合液を使用し、これに光重合開始剤及び光重
合助剤を添加混練して構成されるものであり、重合前の
操作性即ち作業性、成形性、取扱い易さ、重合後の操作
性即ち強度、模型等から外す際に弾性をもって拡がって
も折れることなくかつ元の形状に戻る靱性、秤量によっ
ては勿論、目視によっても確認できないほどの皆無にひ
としい焼却残滓、迅速、正確な重合性、長期間品質を保
証する保存性が確保できる。
Claims (3)
- 【請求項1】 下記化学構造をもつポリエチレングリコ
ールジメタクリレート液が約10重量%ないし35重量
%、 ポリメチルメタクリレートマクロモノマー及びポリエチ
ルメタクリートの混合粉末よりなる有機充填剤が65重
量%ないし90重量%、光重合開始剤が0.05重量%
ないし3重量%、重合助剤が0.05重量%ないし3重
量%の範囲で粘土状に混合されてなり、さらに上記充填
剤の成分がポリメチルメタクリレートモノマーが35%
ないし65%、ポリエチルメタクリレートが35%ない
し65%の範囲で設定されてなることを特徴とする歯科
用光重合樹脂材料。 - 【請求項2】 上記光重合開始剤が、2.4-ジエチルチオ
キサンソン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパ
ン-1- オン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノ
ン又はカンファーキノンのいずれかである請求項1記載
の歯科用光重合樹脂材料。 - 【請求項3】 上記重合助剤が、4-ジメチルアミノ安息
香酸エチル、メタクリル酸2-ジメチルアミノエチル又は
4,4'-ジエチルアミノベンゾフェノンのいずれかである
請求項1又は2記載の歯科用光重合樹脂材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32394291A JP3155316B2 (ja) | 1991-11-11 | 1991-11-11 | 歯科用光重合樹脂材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32394291A JP3155316B2 (ja) | 1991-11-11 | 1991-11-11 | 歯科用光重合樹脂材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05132408A JPH05132408A (ja) | 1993-05-28 |
JP3155316B2 true JP3155316B2 (ja) | 2001-04-09 |
Family
ID=18160353
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32394291A Expired - Lifetime JP3155316B2 (ja) | 1991-11-11 | 1991-11-11 | 歯科用光重合樹脂材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3155316B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3155389B2 (ja) * | 1993-03-05 | 2001-04-09 | 株式会社モルテン | 歯科用光重合樹脂材料 |
DE19626356A1 (de) * | 1996-06-18 | 1998-01-02 | Ivoclar Ag | Dentalmaterialien auf der Basis von polymerisierbaren Wachsen |
JPWO2015115590A1 (ja) * | 2014-01-30 | 2017-03-23 | 株式会社ジーシー | 歯科パターンレジン用ペースト組成物 |
-
1991
- 1991-11-11 JP JP32394291A patent/JP3155316B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05132408A (ja) | 1993-05-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA1127591A (en) | Manufacture of denture base | |
Eick et al. | In vitro biocompatibility of oxirane/polyol dental composites with promising physical properties | |
US5147903A (en) | Dental materials | |
DE102005036637B4 (de) | Härtbare Acrylat-Polymer-Zusammmensetzung mit verbesserten Biegungseigenschaften sowie deren Verwendung | |
JPH02178205A (ja) | 可視光硬化性歯科用組成物 | |
JPH075680B2 (ja) | 硬化性組成物 | |
JP2002519465A (ja) | 光硬化性ポリマー組成物および光硬化性ポリマー組成物を含有するフレキソ印刷版 | |
EP0393617B1 (en) | Dental adhesive composition | |
JPH08245329A (ja) | 義歯床用裏装材 | |
US20230392041A1 (en) | Polymerizable composition for dental tooth and material 3d printing | |
KR950013820B1 (ko) | 광경화성 수지 조성물 | |
EP0136186B1 (en) | Photocurable resin composition | |
US5968998A (en) | Dental compositions comprising bifunctional or polyfunctional acrylic-acid esters or methacrylic-acid esters | |
JP3155316B2 (ja) | 歯科用光重合樹脂材料 | |
US5364890A (en) | Dental adhesive composition | |
WO2020235628A1 (ja) | 光学的立体造形用樹脂組成物 | |
US5583164A (en) | Dental compositions comprising bifunctional or polyfunctional acrylic-acid esters or methacrylic-acid esters | |
USRE35135E (en) | Photocurable resin composition | |
JP3155389B2 (ja) | 歯科用光重合樹脂材料 | |
JP3155315B2 (ja) | 歯科用光重合樹脂材料 | |
JPS6136204A (ja) | 歯牙用硬化性樹脂組成物 | |
JPH0662688B2 (ja) | 光硬化性組成物 | |
JPS62120307A (ja) | 歯科用硬化性樹脂組成物 | |
JPS6071602A (ja) | 光硬化性組成物 | |
JPH0329082B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
R371 | Transfer withdrawn |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090202 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110202 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120202 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120202 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120202 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120202 Year of fee payment: 11 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |