JP3154795B2 - 可塑化装置の加熱シリンダ温度調節方法 - Google Patents

可塑化装置の加熱シリンダ温度調節方法

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  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形機等に用いら
れる可塑化装置の加熱シリンダ温度調節方に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、射出成形機等に用いられる可塑化
装置は、図6に示すように、先端側にノズル部103、
後方部位に材料投入口102を有し、内部に図示しない
スクリュが配設された加熱シリンダ101と、ノズル部
103を含め加熱シリンダ101の軸方向に互に間隔を
おいて配設された複数のバンド形のヒータ104A〜1
04Eとを備え、各ヒータ104A〜104Eの中央部
位にそれぞれ形成された孔(図8に、一つのヒータ10
4Aの孔106Aを示す。)を介して各熱電対105A
〜105Eの先端部を加熱シリンダ101の壁内へ埋設
しておき、各熱電対105A〜105Eの直下の加熱シ
リンダの温度を検出し、これに基づいて各ヒータ104
A〜104Eの温度を制御するものである。この場合、
各孔の直径は熱電対に熱的影響を与えない十分な大きさ
に設定している。なお、図7は温度制御回路の一系列を
示し、熱電対105Aで検出した加熱シリンダ温度に基
いて温度調節計107Aによりヒータ104Aの温度を
制御するように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術では、
各ヒータの直下の加熱シリンダの内部温度を検出してい
るため次に記載するような問題点があった。
【0004】(イ)各ヒータにそれぞれ孔を設ける必要
があるため、各ヒータの加工費が高価になるとともに、
各ヒータの有効発熱面積がその分だけ減少して各ヒータ
の発熱量が低下し、その結果、高精度の温度制御が実現
し難い。
【0005】(ロ)ノズル部のヒータをこれと隣接する
加熱シリンダ先端側ヒータのように、発熱量の異なるヒ
ータを隣接させる必要がある場合、すなわち、熱容量の
異なる部分が隣接している場合、熱容量が大である加熱
シリンダ先端側の熱的影響を熱容量が小であるノズル部
が強く受けることになる。その結果、図9に示すように
熱容量が大の加熱シリンダ側から熱容量が小のノズル部
側へ矢印方向へ熱流が生じ、前記ノズル部はこの熱流に
よる熱的影響を受けてその温度制御が困難になる。
【0006】本発明は、上記従来の技術の有する問題点
に鑑みてなされたものであって、加熱手段の有効発熱面
積を増大させるとともに、互に隣接する熱容量大の部分
から熱容量小の部分への熱的影響を抑制して高精度の温
度制御ができる可塑化装置の加熱シリンダの温度制御方
を実現することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の可塑化装置の加熱シリンダの温度調節方法
は、可塑化装置の加熱シリンダに、その軸方向に複数の
ヒータを互に間隔をおいて配設し、各ヒータ毎に、その
両側の近接する部位における加熱シリンダの温度をそれ
ぞれ検出し、この検出された各ヒータの両側の近接する
部位の加熱シリンダの温度の平均値をそれぞれ算出し、
算出された各平均値と各ヒータ毎に予め設定された各設
定温度との差に基いて各ヒータの温度をそれぞれ制御す
ることを特徴とするものである。
【0008】
【作用】各ヒータに温度センサを挿通するための孔を設
ける必要がないため、各ヒータの発熱面積が増大して各
ヒータの発熱量を最大限加熱シリンダに伝熱することが
できる。
【0009】また、各ヒータ毎に、各ヒータの両側の近
接する部位の加熱シリンダの温度をそれぞれ検出し、
の検出された各ヒータの両側の近接する部位の加熱シリ
ンダの温度の平均値をそれぞれ算出し、算出された各平
均値と各ヒータ毎に予め設定された各設定温度との差に
基いて各ヒータの温度制御を行うので、熱容量が異なる
部位間に生じる熱流による熱的影響が修正された状態と
なり、熱容量小の部位の高精度の温度制御が行える。
【0010】
【実施例】本発明の一実施例を図面に基いて説明する。
【0011】図1は本発明に係る可塑化装置の加熱シリ
ンダ温度調節方法を適用した可塑化装置を示す模式側面
図である。
【0012】図1に示す可塑化装置は、先端側にノズル
部3、後方部位に材料投入口2を有し、内部に図示しな
いスクリュが配設された加熱シリンダ1と、加熱シリン
ダ1およびノズル部3の軸方向に複数の加熱手段である
5個のバンド形のヒータ4A〜4Eが互に間隔をおいて
配設され、ノズル部3を含む加熱シリンダ1の壁には、
各ヒータ4A〜4E間、および、最先端側のヒータ4E
の先端側の近接部位および最後方部位のヒータ4Aの後
方側の近接部位にそれぞれ熱電対等の温度センサ5A〜
5Fが取付けられたものである。
【0013】また、図2は本実施例の温度制御回路の全
系列を単線法で示すブロック図であって、各ヒータ4A
〜4Eは、それぞれ各温度調節計12A〜12Eおよび
各演算器11A〜11Eに順次接続され、各演算器11
A〜11Eには各ヒータ4A〜4E毎にその両側の温度
センサの出力がそれぞれ入力されるように接続されてい
る。
【0014】各系列はそれぞれ同様の構成のものなの
で、その一系列を図3に基いて説明する。
【0015】ヒータ4Bの両側の近接部位に配設された
温度センサ5B,5Cは、それぞれ演算器11Bの一対
の入力端N1 ,N2 に接続されており、演算器11B
は、前記温度センサ5B,5Cの検出温度を表す信号を
一対の前記入力端N1 ,N2 より受けて、平均値演算あ
るいは加重平均値演算を行って平均値を算出し、該平均
値を表す信号をその出力端Mから温度調節計12Bに出
力する。温度調節計12Bは前記平均値をその入力端P
より受ける予め設定された設定温度と比較して両者の
差に基いてヒータ4Bの温度を制御するように構成され
ている。
【0016】演算器11Bは、図4に示すように、2個
の増幅回路A1 ,A2 および加重平均回路Bとから
なるオペアンプである。
【0017】一方、温度調節計12Bは、通常PID式
温度調節計と呼ばれるもので、図3に示すように、予め
設定された設定温度と入力端Pの入力値の大小関係によ
って出力端Qからヒータ4Bへの出力信号(通常は平均
電力値)Wが変動するように構成されたものである。
【0018】ここで、本実施例の動作について説明す
る。
【0019】加熱シリンダ1がある設定温度に加熱され
た状態から、温度が低下した場合を、1つのヒータ4B
を例にあげて説明する。この場合、加熱シリンダ1の温
度が低下すると、ヒータ4Bの両側の温度センサ5B,
5Cの少くともいずれか一方の検出温度が低下する。そ
の結果、演算器11Bの加重平均値が低下するので温度
調節計12Bからの出力Wが増加してヒータ4Bの温度
を上昇させる。この逆に加熱シリンダ1の温度が上昇し
たときには、上記とは逆に動作する。
【0020】上記の動作は各ヒータ毎に行われるが、各
ヒータには孔がないので各ヒータの発熱面積はその分増
大し、加熱シリンダ1の温度変動に対し、きわめて高い
応答性を示し、高精度の温度制御を行うことができる。
【0021】次に、ノズル部3のヒータ4Eとこれと隣
接する加熱シリンダ1のヒータ4Dの如く熱容量の異な
る部分が隣接している場合について説明する。
【0022】この場合、図5に示すように、加熱シリン
ダ1からノズル部3へ向う矢印方向の熱流はノズル部3
に達する前に両者の間に配設された温度センサ5Eによ
って検出されてその検出温度が演算部11Eの一方の入
力端N1 に入力され、他方の入力端N2 に入力される他
方の温度センサ5Fの検出温度との平均値が演算される
(図4参照)。そして、この平均値に基いてヒータ4E
の発熱量が制御される。加えて、加熱シリンダ1の先端
寄りのヒータ4Dは前記温度センサ5Eの検出温度と前
記ヒータ4Dの後方側の温度センサ5Dの検出温度との
平均値により、その温度が制御される。すなわち、ノズ
ル部3の温度によって加熱シリンダ先端側のヒータ4D
の温度も制御される。このため、熱容量の異なる部位間
の熱流による熱的影響を受けないで熱容量小の部分の温
度制御を高精度で行うことができる。
【0023】
【発明の効果】本発明は、上述のとおり構成されている
ので、次に記載するような効果を奏する。
【0024】各ヒータに孔を設ける必要性がないため、
各ヒータの加工費が低減できる上、各ヒータの発熱面積
を最大限に活用できるため、加熱シリンダの温度変動に
対し、きわめて高い応答性を有し、高精度の温度制御を
行うことができる。
【0025】また、熱容量が異なる部分が隣接していて
も、両者間の熱流の熱的影響を抑制しているので、加熱
シリンダを安定した温度に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る可塑化装置の加熱シリンダ温度調
節方法の実施に用いる可塑化装置の模式側面図である。
【図2】本発明に係る可塑化装置の加熱シリンダ温度調
節方法の実施に用いる温度制御回路全系列を示すブロ
ック図である。
【図3】図2に示す温度制御回路の一系列の詳細を示す
ブロック図である。
【図4】図2に示す温度制御回路の演算器を示す回路図
である。
【図5】図1に示す可塑化装置のノズル部の熱流を示す
説明図である。
【図6】従来の可塑化装置の模式側面図である。
【図7】図6に示す従来の可塑化装置の温度制御回路の
一系列を示すブロック図である。
【図8】図6に示す従来の可塑化装置のヒータの斜視図
である。
【図9】図6に示す従来の可塑化装置のノズル部の熱流
を示す説明図である。
【符号の説明】
1 加熱シリンダ 2 材料投入口 3 ノズル部 4A〜4E ヒータ 5A〜5F 温度センサ 11A〜11E 演算器 12A〜12E 温度調節計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/72 - 45/78 B29C 47/80 - 47/92 G05D 23/00,23/19

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可塑化装置の加熱シリンダに、その軸方
    向に複数のヒータを互に間隔をおいて配設し、各ヒータ
    毎に、その両側の近接する部位における加熱シリンダの
    温度をそれぞれ検出し、この検出された各ヒータの両側
    の近接する部位の加熱シリンダの温度の平均値をそれぞ
    れ算出し、算出された各平均値と各ヒータ毎に予め設定
    された各設定温度との差に基いて各ヒータの温度をそれ
    ぞれ制御することを特徴とする可塑化装置の加熱シリン
    ダ温度調節方法。
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