JP3154511U - 椅子の背もたれ傾動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】椅子の脚に座席を昇降自在に弾装し、背もたれを傾動自在に軸支して座席と、背もたれの支持部とを連結し、座席の昇降動作と、背もたれの傾動動作とを双方向に連動変換可能とする背もたれ傾動装置を提供する。【解決手段】椅子の脚に、背もたれ腕金の基部を外嵌して支承し、座席下位に垂設した縦軸をコイル状の座受ばねに介挿して同腕金の基部上より脚内径部へ遊挿し、座席を昇降自在に弾装する。同腕金の先端部には、背もたれを装着した支桿を軸支し、同支桿を軸支位より座席下位へ曲成した槓桿の傾動端と同座席下部とを連結する。座席の昇降動作と、槓桿ないし背もたれの軸支位回りの傾動動作とを双方向に連動変換可能とし、縦軸の昇降を衝止手段により衝止して座席の昇降範囲及び背もたれの軸支位回りの傾動角を画定可能としている。【選択図】図1
Description
本考案は、椅子への正座及び横臥状座位姿勢を維持するための椅子の背もたれの傾動装置に関する。
従来の技術として、椅子への座位姿勢において、背もたれを背後への押圧力により背後へ傾動するとき、押圧力により圧縮されるスプリングの圧縮力を抗力として、急速な傾動の緩衝手段としており、過大な押圧力がスプリングの抗力をこえるときは、スプリングマウントで衝止し、背もたれの傾動を制止可能とし、背もたれ押圧力を除去するとき、スプリングの圧縮力により、背もたれの背後への傾動を解消して復元することとしており、スプリングの圧縮変位に際し、スプリングの作用を確実にすると共に、座屈を防止する機構の単純化を図る提案(特許文献1参照。)がある。
また、椅子の脚側に背もたれを持着し、シートを上下ないし前後移動自在とする移動手段を具備し、該移動手段により、シートを背後へ移動することにより、座位姿勢において腰部ないし背部を背もたれへ押圧し、座姿勢矯正に資するすることとしており、また、シートを前方へ移動操作して、腰部ないし背部を背もたれの前方へ解放することする実施例(特許文献2参照。)がある。
特許文献1の椅子の背もたれ傾動装置は、背もたれに背後へ押圧力を加えて背後へ傾動し、傾動による反力を、スプリングの圧縮力ないしスプリングマウントで受け、背もたれの傾動を復帰するには、背もたれの傾動位におけるスプリングの圧縮力を背もたれの支持力の補助により、背後への押圧力及び背もたれの後傾角を逓減して復元可能としており、要旨としてスプリングの座屈を防止し、傾動機構の単純化を図るものであり、座席位置は脚部に固定され、背もたれのみを傾動可能としており、座位姿勢の矯正手段及び傾動姿勢を快適に保持する、所謂リクライニング方式としての機能と共に、背もたれの傾動・復元機構、スプリングの調節機構ないし支持機構の更なる開発が期待される。
特許文献2の椅子用の座姿勢矯正は、背もたれは脚側に持着され、シート(座席)移動手段によりシートを後方又は前方へ移動操作して、座位姿勢の腰部ないし背部を、それぞれ、背もたれへ押圧又は解放し、座姿勢矯正に資するすることとしており、シート移動手段は、レバーによりシートを連動操作するか、又は他の連動機構による操作が必要であって、座姿勢矯正手段としては適用できるが、通常の椅子としては煩雑な操作が懸念される。
本考案は、このような従来の構成が有している課題を解決しようとするものであり、椅子の脚に座席を昇降自在に弾装し、背もたれを傾動自在に軸支して座席と、背もたれの支持部とを連結し、座席の昇降動作と、背もたれの傾動動作とを双方向に連動変換可能とする背もたれ傾動装置を提供することを目的とするものである。
本考案は、上記目的を達成するために、椅子の脚に、背もたれ腕金の基部を支承し、座席下位に垂設した縦軸を座受ばねに介挿して同腕金の基部上より脚内径部へ遊挿して座席を昇降自在に弾装し、同腕金の先端部に、背もたれを装着した支桿を軸支し、座席下位と、同支桿の軸支位より座席下位へ曲成した槓桿の傾動端とを連結し、座席の昇降動作と、槓桿ないし背もたれの軸支位回りの傾動動作とを双方向に連動変換可能とすると共に、縦軸側の昇降衝止手段により、同軸の昇降を衝止して、同軸及び座席の昇降範囲及び背もたれの軸支位まわりの傾動角を画定可能としている。
上記の課題解決手段による作用は、つぎの通りである。 座席は、荷重を受けないとき、座受ばねの付勢により、上昇位に在り、座席下位の槓桿が上向きに傾動し、従って、背もたれ支桿ないし背もたれを後傾位へ傾動した状態に在るが、座席荷重を受けるとき、座受ばねの付勢に抗して座席及び座受支軸が降下し、背もたれ支軸回りに、槓桿を下向きに、背もたれ支桿を上向きに、また、背もたれを前傾して座位姿勢の背部へ当接し、背部支持力を生じる。
そして、座席が座席荷重により降下し、上記昇降衝止手段により、座席及び座受縦軸が下降位において衝止されるとき、座席荷重と縦軸の衝止反力とが相殺され、座位背部より背もたれへの傾動力と、背もたれより背部への支持反力との均衡状態における背もたれ位置を、正座姿勢に対応する背もたれ位置として設定することができる。 従って、座席の降下衝止位置位における正座姿勢においては、座位より背もたれへの傾動力及び背もたれよりの傾動反力は均衡状態となる。
また、背もたれへ、強制的に体位を傾倒して上記背部支持力を超える背部傾動力を加えると、背もたれ支桿ないし背もたれを後傾し、槓桿を上向きに傾動し、座受板座席への押上げ力、即ち、浮揚力を生じて体位を支持し、座席の前後移動を伴わない、快適な座位傾動保持手段、所謂、リクライニング方式が構成される。
上述のように、本考案による椅子の背もたれ傾動装置は、座席荷重がないとき、座席は座受ばねの付勢により、上昇位に在り座席下位の槓桿を上向きに傾動し、背もたれ支桿ないし背もたれを後傾位へ傾動した状態に在るが、座席荷重により、座受ばねの付勢に抗して座受板を降下し、座受板の降下に槓桿を連動して背もたれ支桿ないし背もたれを前方へ傾動して背もたれにおいて、座位の背部支持力を生じる。
さらに、座席荷重により座席を降下すると、座席降下衝止位において、座席荷重と衝止反力とが相殺され、正座姿勢の背部より背もたれへの傾動力と、背もたれより背部への支持反力とが均衡して正座姿勢の状態を保持することができる。
異常な座位姿勢で座席に就くとき、座席荷重により、座席と背もたれとを連動し、異常な座位姿勢による背もたれへの傾動力に対する、背もたれより背部への支持反力を生じ、異常な座位姿勢への矯正力となり、背部より背もたれへの傾動力と、背もたれより背部への支持反力とが均衡状態となり、正座姿勢へ矯正することができる。
従って、異常な座位姿勢に対する座位姿勢矯正手段として適用することができる。
また、座席の昇降動作と、槓桿ないし背もたれの軸支位回りの傾動動作とを双方向に連動変換可能としており、まず、背もたれに背部押圧力を加えて強制的に体位を後傾して体圧分散を図るとき、従来のリクライニング方式においては、体位の傾動に伴い前後移動があって、体位の前後への不自然な負荷の影響が懸念されるが、本考案による椅子の背もたれ傾動装置においては、体位を前後に傾動するとき、座席への昇降力、即ち、座位の快適な浮揚力又は降下支持力のみを生じ、体位の前後移動を伴わないため、身体への不自然な負荷の変動がなく、座位傾動保持手段、所謂、リクライニング方式を提供することができる。
以下、本考案の実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。
図1及び図2において、椅子の脚(1)頂部に、背もたれ腕金(21)の腕金基部(22)を外嵌して支承すると共に、座席(3)を載設する座受板(31)に垂設した縦軸(33)を、コイル状の座受ばね(35)に挿通し、腕金基部(22)上位より脚(1)の内径部へ遊挿して同縦軸及び座席を昇降自在に弾装し、同縦軸の下部には、同軸の昇降衝止手段として、凹欠部(34)を削成すると共に脚(1)側部より、同凹欠部内側へ螺挿したストッパー(36)により、同凹欠部の上下両端部において同縦軸の昇降を衝止して座席(3)の昇降範囲(δ)を画定可能とし、また、背もたれ腕金(21)の先端部に横設した背もたれ支軸(23)に、背もたれ(2)を装着した支桿(24)を傾動自在に軸支すると共に、座受板(31)下位に横設した座受支軸(32)と、同支桿を軸支位より同座受支軸側へ曲成した槓桿(25)の傾動端とを連結し、座席側の昇降動作と、槓桿ないし背もたれの軸支位回り傾動動作とを双方向に連動変換可能とすると共に、上記縦軸側の昇降衝止手段により、同軸の昇降を衝止して、同軸及び座席(3)の昇降範囲(δ)及び背もたれ(2)の軸支位まわりの傾動角(θ)を画定可能としている。
上記の実施形態による作用は、以下の通りである。 図1において、座席(3)は、座席荷重(W)を受けないとき、座受ばね(35)の付勢により、図上実線で示す上昇位に在り、座席下位の槓捍(25)が上向きに傾動し、背もたれ(3)及び支桿(24)を後傾位へ傾動し、図上実線で示す背もたれ(3)の後傾位置が保持される。
そして、座席側の昇降動作と、背もたれ側の傾動動作とを双方向に連動変換可能としており、まず、座席側の下降動作より、背もたれ側の前傾動作への変換として、図1において、座席荷重(W)により、座受ばね(35)の付勢に抗して座席(3)及び座受支軸(32)が降下するとき、背もたれ支軸(23)回りに、槓桿(25)を下向きに、支桿(24)と背もたれ(2)とを前傾側へ作動し、同背もたれに前傾力(F)を生じ、背もたれ支軸(23)より座受支軸(32)への槓桿長さ(L)及び背もたれ(2)の前傾力(F)作用点への傾動半径(R)を設定するとき、前傾力(F)の値は下記の数式1により求められる。
図3において、座席荷重(W)により座席(3)が降下し、ストッパー(36)により、縦軸(33)の凹欠部(34)の上端部において同縦軸の降下を衝止して座席(3)を降下位置に保持するとき、縦軸の衝止位において、座席荷重(W)は、衝止反力(−W)に相殺され、座席(3)並びに背もたれ(2)は停止し、図4において、同背もたれの停止位置を、背もたれの前傾力(F)と、背部より背もたれへの反力(−F)とが均衡する状態に対応する正座姿勢(m)を保持することとしている。
つぎに、図5において、座席の下降衝止位置より、背もたれ側の後傾動作により、座席側の上昇動作への変換として、上記背もたれ(2)の前傾力(F)の逆向きに後傾力(F’)を強制的に加えて背もたれ(2)及び支桿(24)は背もたれ支軸(23)回りに後傾し、座受支軸(34)へ係合した槓桿(25)を上向きに傾動すると、同槓桿へ係合する座受支軸(32)を介して座席(3)への座席上昇力(W’)を生じ、このとき、後傾力(F’)と座席上昇力(W’)との関係は下記の数式2により求められ、座席の昇降変位(δ’)は座席の下降衝止位置より、上昇衝止位置、即ち図中の仮想線位置へ画定され、背もたれは後傾状態となる。
従って、前傾力(F)に対して、後傾力(F’)を懸けて、数1における前傾力Fと、数2における後傾力F’とを互いに相殺状態とするとき、座席(3)及び背もたれ(2)それぞれの位置は静止状態となり、任意の座位を保持することができる。
また、上記後傾状態より前傾側へ移行するとき、背もたれ(2)への後傾力(F’)を逓減すると、図1ないし数1に示すように、座席荷重(W)により、前傾力(F)を生じて背もたれ(2)を前傾側へ作動し、さらに前傾を続けるときは、前述の通り、図3及び図4において、座席(3)の降下衝止位置に達して正座姿勢(m)を保持することが可能である。
上記のように、座席側の昇降動作と、背もたれ側の傾動動作とを双方向に連動変換するとき、座席の変位は、昇降範囲(δ)に相当する昇降変位(δ’)のみで、座席の前後変位がないため、座位姿勢を強制的に前後に傾動しても、身体の前後移動に伴う不自然な負荷変動がなく、座席(3)の快適な昇降変位のみが得られ、任意に傾動横臥姿勢を保持する座位傾動保持手段、所謂、リクライニング方式が提供される。
なお、背もたれ(2)の傾動範囲、即ち、傾動角(θ)は、座席の昇降範囲(δ)と、背もたれ支軸(23)まわりの槓桿長さ(L)とを所与の条件として、下記の数式4により画定される。
なお、図6は、上記の実施形態の実施例における構成要部の分解斜視図を示す。
1 脚
2 背もたれ
21 背もたれ腕金
22 腕金基部
23 背もたれ支軸
24 支桿(背もたれの)
25 槓桿
3 座席
31 座受板
32 座受支軸
33 縦軸
34 凹欠部
35 座受ばね
36 ストッパー
W 座席荷重
F 前傾力(背もたれの)
W’ 座席上昇力
F’ 後傾力(背もたれの)
δ 昇降範囲(座席の)
δ’ 昇降変位(座席の)
R 傾動半径(背もたれの前傾力・後傾力の)
L 槓桿長さ
θ 傾動角(槓桿及び背もたれの)
m 正座姿勢
2 背もたれ
21 背もたれ腕金
22 腕金基部
23 背もたれ支軸
24 支桿(背もたれの)
25 槓桿
3 座席
31 座受板
32 座受支軸
33 縦軸
34 凹欠部
35 座受ばね
36 ストッパー
W 座席荷重
F 前傾力(背もたれの)
W’ 座席上昇力
F’ 後傾力(背もたれの)
δ 昇降範囲(座席の)
δ’ 昇降変位(座席の)
R 傾動半径(背もたれの前傾力・後傾力の)
L 槓桿長さ
θ 傾動角(槓桿及び背もたれの)
m 正座姿勢
Claims (1)
- 椅子の脚に、背もたれ腕金の基部を支承し、座席下位に垂設した縦軸を座受ばねに介挿して同腕金の基部上より脚内径部へ遊挿して座席を昇降自在に弾装し、同腕金の先端部に、背もたれを装着した支桿を軸支し、座席下位と、同支桿の軸支位より座席下位へ曲成した槓桿の傾動端とを連結し、座席の昇降動作と、槓桿ないし背もたれの軸支位回りの傾動動作とを双方向に連動変換可能とすると共に、縦軸側の昇降衝止手段により、同軸の昇降を衝止して、同軸及び座席の昇降範囲及び背もたれの軸支位まわりの傾動角を画定可能として成る椅子の背もたれ傾動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009005749U JP3154511U (ja) | 2009-07-21 | 2009-07-21 | 椅子の背もたれ傾動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009005749U JP3154511U (ja) | 2009-07-21 | 2009-07-21 | 椅子の背もたれ傾動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3154511U true JP3154511U (ja) | 2009-10-22 |
Family
ID=54858648
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009005749U Expired - Fee Related JP3154511U (ja) | 2009-07-21 | 2009-07-21 | 椅子の背もたれ傾動装置 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3154511U (ja) |
-
2009
- 2009-07-21 JP JP2009005749U patent/JP3154511U/ja not_active Expired - Fee Related
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