JP3154349B2 - スカトール分解能を有する微生物およびスカトールの微生物的分解法 - Google Patents

スカトール分解能を有する微生物およびスカトールの微生物的分解法

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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の背景〕
【産業上の利用分野】本発明は新規な微生物と、その微
生物を用いたスカトールの分解法に関し、更に詳しく
は、バチルス属に属する微生物を使って、高濃度のスカ
トールを速やかに分解し、脱臭する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スカトール(3‐メチルインドール)は
人や動物などの糞便の持つ特有な臭気の中などに含ま
れ、悪臭の原因物質の一つである。
【0003】従来、スカトールの脱臭には、例えば、バ
チルス・エスピー(Bacillus sp.)を利用した脱臭方法
(特開平2−53481)やアシネトバクター・カルコ
アセテカス(Acinetobacter calcoaceticus )を利用
した脱臭方法(特開平2−53482)などが知られて
いる。
【0004】しかしながら、上記の微生物が分解できる
基質濃度は低く、実際の悪臭レベルに比べ未だ満足すべ
きものでない。従って、更に優れたスカトール分解能を
有した微生物が望まれているといえる。
【0005】〔発明の概要〕
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、優れ
たスカトール分解能を有した新規微生物を提供すること
を目的としている。また本発明は、高濃度のスカトール
を速やかに分解し、脱臭する方法を提供することを目的
としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、既存のス
カトール分解能を有した微生物を凌駕する微生物を求め
探索を行った。その結果、バチルス属に属する微生物が
優れたスカトール分解能を有することを見出し、本発明
を完成した。
【0007】即ち、本発明による微生物は、菌体のDN
AのGC含量が70%であり、かつ、スカトール分解能
を有する、バチルス属に属する微生物である。
【0008】また、本発明によるスカトールの微生物的
分解法は、前記微生物の菌体またはその破砕物もしくは
それらの固定化物を、スカトールと接触させることから
なるものである。
【0009】更に、本発明による微生物的脱臭法は、前
記微生物の菌体またはその破砕物もしくはそれらの固定
化物を、悪臭と接触させることからなるものである。
【0010】本発明による前記菌株は、優れたスカトー
ル分解能を有する。従って、本発明の微生物を利用する
ことによって、高濃度の悪臭物質スカトールを速やかに
分解し、脱臭することが可能になり、例えば、人や動物
の糞便やスカトールを発生する悪臭物を脱臭するなど、
家庭用や産業用の脱臭剤や、微生物脱臭装置を構成する
ことができる。
【0011】〔発明の具体的説明〕微生物の寄託 本発明による微生物の具体例であるTOI41株は、北
九州市の土壌から分離、採取されたものである。この菌
株は後述する菌学的性質をもとに、Bergey's Manual of
Systematic Bacteriologyを参考にして同定したとこ
ろ、バチルス属に属する新種株と判断された。この菌株
は受託番号「微工研菌寄第12914号(FERM P
−12914)のもとに、工業技術院微生物工業技術研
究所に寄託されている。
【0012】菌学的性質 本発明によるTOI41株の菌学的性質を列挙すれば次
の通りである。 I.形態的性質 1.細胞の大きさ 1.2〜1.4μm×2.
2〜3.1μm 2.細胞の形 桿菌 3.細胞の多角性の有無 なし 4.運動性 なし 5.胞子 あり 6.グラム染色 陽性 7.抗酸性 なし
【0013】II.各培地における生育状態 肉汁寒天平板培地 生育良好、円形、半レンズ状、全縁、光沢、白色 肉汁寒天斜面培地 生育良好、広がる 肉汁液体培地 生育良好、白濁、菌環 肉汁ゼラチン穿刺培地 全面に生育、液化 リトマスミルク培地 弱アルカリ性
【0014】III.生理学的性質 硝酸塩の還元 なし 脱窒反応 なし MRテスト 陰性 VP反応 陰性 インドールの生成 なし 硫化水素の生成 なし 澱粉の加水分解 あり クエン酸の利用 Koser の培地 − Christensen の培地 − 無機窒素源の利用 あり 色素の生成 なし ウレアーゼ 陰性 オキシダーゼ 陰性 カタラーゼ 陽性 生育至適pH 4.5〜10.0 生育至適温度 10〜45℃ 酸素に対する態度 好気的 O−Fテスト − 食塩存在下での生育 7% + 10% − ポリベータヒドロキシ酪酸の蓄積 +
【0015】糖からの酸(ガス)の生成 フラクトース −(−) マンノース −(−) グルコース −(−) キシロース −(−) アラビノース −(−) トレハロース −(−) シュークロース −(−) ラクトース −(−) マルトース −(−) ガラクトース −(−) 澱 粉 −(−) グリセリン −(−) イノシトール −(−) マンニトール −(−) ソルビトール −(−) IV. 化学的分類 DNAのGC含量 70%
【0016】菌株の同定 以上の菌学的性質から、Bergey's Manual of Systemati
c Bacteriologyに基づき検索したところ、本菌株はバチ
ルス・ブレビス、バチルス・ファーマスの菌学的性質と
多くの点で一致したが、DNAのGC含量の点で従来の
菌とは大きく異なっていた。そこで、本菌をバチルス属
の新種に属する菌株と判断し、バチルス・エスピー・T
OI41と命名した。
【0017】培 養 本発明によるTOI41株の培養は、培地の種類および
培養条件を含めて合目的的な任意のものでありうる(培
地および培養条件の好ましい具体例については後記実験
例参照)。また、その培養によって増殖させて、所望の
菌体量を得ることができる。
【0018】培地の炭素源としては、本発明による菌株
が同化しうるあらゆるものが利用可能である。具体的に
はグルコース、糖蜜、麦芽エキス、澱粉加水分解物など
の糖の外に、該菌株が利用し得る各種の合成または天然
炭素源がある。
【0019】窒素源としても同様に、ペプトン、肉エキ
ス、酵母エキスなどの有機窒素含有物をはじめ、該菌株
が利用し得る各種の合成又は天然物が利用可能である。
【0020】微生物培養の常法に従って、食塩、リン酸
塩などの無機塩類、カルシウム、マグネシウム、鉄など
の金属の塩類、ビタミン、アミノ酸などの微量栄養源も
必要に応じて添加することができる。
【0021】培養は通気攪拌、振盪などの好気的条件下
で行ない、培養温度は10〜45℃、好ましくは20〜
40℃、培養途中のpHは4.5〜10、好ましくは6
〜8付近にて行なう。培養期間は8〜72時間、最適期
間は12〜36時間である。
【0022】スカトールの分解 本発明による微生物は優れたスカトール分解能を有す
る。従って、スカトールと本発明による微生物とを接触
させることによって、スカトールを分解することができ
る。
【0023】本発明による微生物とスカトールの接触の
態様は、スカトールが分解される限り特に限定されな
い。また場合によって、菌体を破砕し、その破砕物中に
存在する酵素成分とスカトールとを接触させてもよい。
更に、本発明による微生物またはその破砕物を担体に固
定化して、スカトールを接触させてもよい。
【0024】菌体を固定化する方法としては、既知の方
法を採用することができ、例えば、アクリルアミドなど
の重合性モノマーを用いる方法、アルギン酸やカラギー
ナンなどの適当な担体を用いて不溶化させる方法などを
挙げることができる。
【0025】菌体の使用量は、特に制限されるものでは
ないが、1×105 〜5×109 細胞/mlの濃度で使用
するのが好ましい。
【0026】本発明において、スカトールとの接触は、
約10〜45℃、好ましくは20〜40℃の温度で、p
Hは、4.5〜10、好ましくは6〜8の間で、好気的
条件下で行なわれる。
【0027】
【実施例】実施例1 菌株の取得 本発明によるTOI41菌株は北九州市の土壌から、下
記に示したスカトールを唯一の炭素源としたスカトール
培地で選択して分離した。
【0028】 スカトール 0.131g NHCl 0.4g NaHPO・2HO 2g KHPO 2g CaCl・2HO 0.2g MgSO・2HO 0.2g 水 1 Liter (pH
7.5)
【0029】すなわち、土壌を懸濁し、その少量をスカ
トール培地に加え、室温で7日間振盪培養した。次に、
この培養液を別に用意したスカトール培地に1/10量
加え、さらに室温で7日間振盪培養し、TOI41菌株
を得た。
【0030】実施例2 スカトールの分解 トリプチック・ソイ培地(日水製薬社製)1mlにTOI
41菌株を接種し、30℃で16時間振盪培養した。培
養液を遠心分離(12,000rpm ,3分間)し、沈澱
を10mMりん酸緩衝液(pH7.0)で1回洗浄し、
菌体を調製した。得られた菌体を、10mMりん酸緩衝
液(pH7.0)に溶解した1mMスカトール溶液0.
5mlに懸濁し、30℃で48時間反応させた。反応終了
後、遠心分離(15,000rpm ,5分間)により除菌
し、上澄をフィルター濾過した後、GC/MSを用いて
分析した。
【0031】スカトールの分析条件を以下に示す。 分析条件:カラム DB−1(J&W製) 0.25mm
(膜厚0.25μm)×30m 昇 温 100℃、2分→20℃/分→250℃、5分 (合計12.5分) 検 出 SIM(イオン 130m/z) その結果、反応液中からスカトールは検出されず、無臭
であった。
【0032】実施例3 スカトールの分解 40μMスカトールを含むトリプチック・ソイ培地(日
水製薬社製)1mlにTOI41菌を接種し、30℃で1
6時間振盪培養した。培養液を遠心分離(12,000
rpm ,3分間)し、沈澱を10mMりん酸緩衝液(pH
7.0)で1回洗浄し、菌体を調製した。得られた菌体
を、10mMりん酸緩衝液(pH7.0)に溶解した1
mMスカトール溶液0.5mlに懸濁し、30℃で48時
間反応させた。反応終了後、遠心分離(15,000rp
m ,5分間)により除菌し、上澄をフィルター濾過した
後、実施例2と同じ方法で分析した。その結果、反応液
中からスカトールは検出されず、無臭であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 廣 瀬 徹 福岡県北九州市小倉北区中島二丁目1番 1号 東陶機器株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−53481(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 1/20 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】菌体のDNAのGC含量が70%であり、
    かつ、スカトール分解能を有する、バチルス・エスピー
    ・TOI41株(FERM P−12914)。
  2. 【請求項2】請求項1記載の微生物の菌体またはその破
    砕物もしくはそれらの固定化物を、スカトールと接触さ
    せることからなる、スカトールの微生物的分解法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の微生物の菌体またはその破
    砕物もしくはそれらの固定化物を悪臭と接触させること
    からなる、微生物的脱臭法。
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