JP3154287B2 - 衛生材料用不織布及びその製造方法 - Google Patents
衛生材料用不織布及びその製造方法Info
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Description
衛生材料等に用いられる血液保持性の衛生材料用不織布
に関する。
案がなされている。その多くは吸水性ポリマーを不織布
等の間に挟み込んだ積層成形品である。特徴として、吸
水性に優れていることを記載していることが多い。しか
し、生理用衛生材料として、必要な特性は血液保持性で
ある。
吸水するものにより、その吸水能力は著しく変化するこ
とが知られている。すなわち、純水は最もよく吸水する
が、生理食塩水の場合は吸水量が著しく低下し、1桁、
吸収量が低下する。また、食塩の濃度によっても吸水量
は異なり、濃度が高くなると低下してくる。さらに、2
価の金族塩水溶液になると、食塩水よりさらに吸水能力
が低下する。従って、吸収,保持させる対象により、吸
収剤の選択が不織布に付与する能力を左右することにな
る。
水ポリマーは純水等に対しての保持能力は非常に高い
が、血液に対しては保持能力が低い。また、吸水繊維も
種々提案されているが、その種類により血液保持性は大
きく異なる。衛生材料は部分的に吸血量を分布させた方
がよいが、一般的な方法は不織布等を積層する方法であ
り、不織布1枚に吸血量の分布を持たせた物はない。
は、特開平3−269144号公報や特開平3−457
69号公報等がある。
性の高い衛生材料用不織布を提供するにある。また、吸
血量の分布が1枚の不織布の中にある衛生材料用不織布
を提供するにある。
い高吸水性繊維を探索し、また高吸水繊維を不均一に分
布させる方法を研究し、本発明の完成に至った。
が不均一に分布し、高吸水繊維を多く含有する部分と他
の部分があり、不織布の平面内で連続的に及び/又は不
連続的に高吸水繊維の含有量が変化することを特徴とす
る。
吸水繊維を含有するウエッブの一部を吸引除去するこ
と、またはエアレイ法によりウエッブを積層する際に一
部をマスクすることを特徴とし、高吸水繊維が不均一に
分布し、高吸水繊維を多く含有する部分と他の部分があ
り、連続的に及び/又は不連続的に高吸水繊維の含有量
が変化する製造方法である。
を持つモノマーと、カルボン酸基と反応してエステル架
橋結合を形成し得るヒドロキシル基及び/又はアミノ基
を持つモノマーと、カルボン酸アルカリ金属塩基を持つ
モノマーを共重合し、熱により架橋した繊維が好まし
い。
えばアクリル酸(以下「AA」と略記する。),メタク
リル酸,マレイン酸等が用いられる。カルボン酸アルカ
リ金属塩基を持つモノマーとしては、例えばAA,メタ
クリル酸,マレイン酸等のアルカリ金属塩が用いられ
る。アルカリ金属としてはナトリウム(以下「Na」と
略記する。),カリウム等が用いられる。カルボン酸基
を持つモノマーとカルボン酸アルカリ金属塩基を持つモ
ノマーとの割合は1/1から1/10が好ましい。カル
ボン酸基を持つモノマーとカルボン酸アルカリ金属塩基
を持つモノマーの合計は、通常70重量%〜99.5重
量%含まれる。好ましくは80重量%以上である。70
重量%未満では生理食塩水の吸水率が不足する。
例えばヒドロキシエチルメタクリレート(以下「HEM
A」と略記する。),ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト,ヒドロキシエチルアクリレート,ヒドロキシプロピ
ルアクリレート,グリセリルモノメタクリレート,グリ
セリルモノアクリレート等が用いられる。アミノ基を持
つモノマーは、例えばジメチルアミノエチルアクリレー
ト(以下「AEA」と略記する。),ジエチルアミノエ
チルアクリート,ジエチルアミノイソプロピルメタクリ
レート等がある。
てもよい。ヒドロキシル基及び/又はアミノ基を持つモ
ノマーはフリーのAAと当量以下で通常0.5重量%以
上含まれる。0.5重量%未満では架橋が不足する。
めに他のビニルモノマー例えば酢酸ビニル(以下「V
A」と略記する。),アクリロニトリル等を用いてもよ
い。可塑化のためのモノマーの量は30重量%以下であ
る。
いが、モノマー組成が水溶性であれば水系重合すればよ
い。重合開始剤には一般に用いる過硫酸ナトリウム等を
用いればよい。
糸が好ましい。湿式紡糸の場合は凝固剤に水を使用でき
ないので有機溶剤系で用いなければならない。
ったまま乾熱で1.3倍以上延伸し、次に乾熱で架橋処
理を行なう。クリンプ付与,カットを適宜行なう。水分
が10重量%以上残ったまま乾熱で1.3倍以上延伸す
ると繊維の強度が向上する。分子量の大きい繊維は吸水
量も大きいが、一方、分子量が大きいために延伸しにく
く、分子量が過大であると逆に繊維強度が低くなる。
重合吸水性繊維(以下「共重合繊維」と略する。)は、
500重量%以上吸血する。好ましくは1000重量%
以上である。高吸水繊維の綿の吸血量の測定には馬血の
脱繊血を用い、遠心脱水し測定した。
にも用いることが出来る。例えばアクリル繊維を加水分
解した吸水繊維もある(以下「分解繊維」と略する。)
が、吸血量が上記の繊維より劣る。従って、同程度の吸
血性を得るためには分解繊維は共重合繊維の調合量より
多くする必要がある。
表面積が小さい上に馬血を吸収させると、すぐに凝集
し、表面積が小さくなり、遠心脱水後の吸血量は約25
0重量%止まりであった。従って、不織布の吸血量を増
大させるためには吸水ポリマーの調合量、または積層量
を多くする必要があった。すなわち、吸水ポリマー量
(x)は吸血量(y)に対し、y<3x程度に過ぎなか
った。本発明は、y>10xであり、吸血性に大変優れ
ている。
の平均直径が50μm以下が好ましい。吸水繊維は繊維
径が小さく表面積が大きい上に不織布に絡まっているた
め、吸血時にも移動し、凝集することはない。従って、
多量に吸血し保持することができる。
砕し、ゾル状態で塗布又はスプレー又は含浸等の方法で
不織布に付与され、乾燥されるときに繊維と接着する。
従って、吸水繊維と同様、径が小さく表面積が大きい上
に不織布と接着しているため、吸血時にも移動し、凝集
することはない。従って、調合量と比較すると、多量に
吸血し保持することができる。
な方法でよい。例えばニードルパンチ法,エアレイ法,
その併用等でよい。また、熱融着繊維を用いてもよい。
せる方法は、例えばニードルパンチ法であればウエッブ
をニードルパンチング機に供給する際、基布に高吸水繊
維を含有するウエッブを積層し、型抜きしたスクリーン
を乗せ、不要なウエッブを吸引除去することにより達成
される。この場合、高吸水繊維の含有量は不連続に出来
る。
り、吸血量を実質的に増大させることが出来、高吸水繊
維の使用量を減少し、コストダウンできる。
たスクリーンを乗せ、開口部のみ吸引する事により達成
される。この場合、高吸水繊維の含有量は不連続に出来
る。一方、開口部を点状にし、その密度を分布させれば
通気量により連続的に吸引量を変化させ、高吸水繊維の
分布を変化することもできる。
易に行うことが出来る。例えばスクリーンプリント,ジ
ェットスプレー等で出来る。
用いることが出来る。本発明の不織布は高吸水繊維及び
/又は吸水ポリマーを合計で平均30重量%以上含有す
ることが好ましい。用途により異なるが、さらに好まし
くは40重量%以上である。30重量%未満では吸血能
力が不足する。
り、例えば衛生材料の場合に横洩れ等の防止効果が向上
する。また、逆に部分的に多く含有させることにより、
部分的に吸収量を増大することが出来る。従来の方法で
は吸収量の異なる層を部分的に積層し、組み合わせるこ
とにより同様の効果を得ているが、工程が多くなりコス
トアップの原因となっていた。
ば、パルプ,コットン等を用いることが出来る。ただ
し、血液保持に対しては余り役に立たない。他にも、水
洗トイレで流さない場合にはポリエステル,ポリエチレ
ン等の合成繊維,再生繊維等を用いることもできる。ま
た、バインダーとして熱融着繊維等も用いることが出来
る。
性を示す。また、加圧後も血液を保持する。さらに、不
織布に部分的な吸血量の増減を容易に付与することが出
来る。
特に断わらない限り「%」は「重量%」とする。高吸水
繊維の綿及び吸水ポリマーのみの吸血率はDIN 53
814に準じて測定した。また、不織布の加圧下の吸血
量は不織布を2cm角の正方形に切り出し、馬血に30
分間浸漬後、2psi.相当の荷重を掛け、3分後に秤
量し、重量差より求めた。
アルカリ金属塩の含有量を測定し、モノマー組成は真空
乾燥した試料をIRで測定した。重合率はイヤトロスキ
ャンMK5(TLC/FID)で測定した。繊維強度等
はJIS L 1015に準じて測定した。高吸水繊維
及び吸水ポリマーの直径はSEM写真を画像解析して平
均を求めた。
5℃、重合開始剤に過硫酸ナトリウムを用い、重合時間
4時間で水溶液重合を行った。重合率をTLCで測定し
た結果、モノマーのピークはなかったので重合率は実用
上100%であった。従って得られたポリマーの重合組
成は重合仕込組成と一致した。
0℃で90ポイズ近くに粘度調整した。一般に用いられ
る乾式紡糸と同様にして乾熱窒素気流中に紡出、乾燥
し、水分が20%残った糸を乾熱100℃で1.5倍延
伸した。ギアクリンパーでクリンプを付与した後、12
0℃で5分間乾熱架橋処理を行い、カットし、10デニ
ール、51mmの共重合繊維を得た。得られた共重合繊
維の綿の馬血の吸血率を表1に示した。
ール以上あり、通常のカードに仕掛けることができた。
組成No.4は吸血率は高いが架橋が不足し、水に部分
的に溶解した。組成No.5は吸血率が不足した。
ポリエステル綿セミダル3デニール51mmを表2に示
す割合で調合し、一般に用いられるニードルパンチング
法で不織布を製造した。即ち、混綿後、カーディング,
クロスレイ,ニードルパンチングし、目付け200gr
/m2の不織布を製造した。得られた不織布の馬血の吸
血率を表2に示した。
る100gr/m2の不織布Aを製造し、更にその不織
布の上にパターンをマスクし、エアレイ法で共重合繊維
を50%含有する100gr/m2の部分的に積層され
た不織布を一体化し、本発明の不織布Bを製造した。
長方形を基準とし、その中央部に長径4cm、短径2c
mの楕円と長さ方向に両端に幅1cmのスリットが開口
し、その部分だけ不織布が積層一体化されている。この
不織布Bの楕円の中央部に馬血を滴下し、馬血が不織布
の1端に達する馬血の量を測定した結果、13grであ
った。不織布Aは3grであった。
Claims (2)
- 【請求項1】 高吸水繊維が不均一に分布し、高吸水繊
維を多く含有する部分と他の部分があり、不織布の平面
内で連続的に及び/又は不連続的に高吸水繊維の含有量
が変化することを特徴とする衛生材料用不織布。 - 【請求項2】 高吸水繊維を含有するウエッブの一部を
吸引除去すること、またはエアレイ法によりウエッブを
積層する際に一部をマスクすることを特徴とし、高吸水
繊維が不均一に分布し、高吸水繊維を多く含有する部分
と他の部分があり、連続的に及び/又は不連続的に高吸
水繊維の含有量が変化する衛生材料用不織布の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01804493A JP3154287B2 (ja) | 1993-01-09 | 1993-01-09 | 衛生材料用不織布及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01804493A JP3154287B2 (ja) | 1993-01-09 | 1993-01-09 | 衛生材料用不織布及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06207358A JPH06207358A (ja) | 1994-07-26 |
JP3154287B2 true JP3154287B2 (ja) | 2001-04-09 |
Family
ID=11960694
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01804493A Expired - Fee Related JP3154287B2 (ja) | 1993-01-09 | 1993-01-09 | 衛生材料用不織布及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3154287B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3375136B2 (ja) * | 1995-03-09 | 2003-02-10 | 株式会社日本触媒 | 吸血液性樹脂組成物および吸収性物品 |
-
1993
- 1993-01-09 JP JP01804493A patent/JP3154287B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06207358A (ja) | 1994-07-26 |
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