JP3153881B2 - ゲルコート付きsmcの成形方法 - Google Patents

ゲルコート付きsmcの成形方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、熱硬化性樹脂を
主成分とする表面被膜材(ゲルコート)を用いた小量生産
に適した成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の製造方法は、例えば金属型にクロ
ムメッキ表面加工した上、下開閉可能な型に、不飽和ポ
リエステルを主成分とするガラス繊維強化プラスチック
スを投入して、硬化温度120℃〜150℃、成形圧力
50kg/cm2〜100kg/cm2の成形条件をもって製造す
る。
【0003】また、SMC材料硬化中に金型外部から表
面被膜材を射出する方法(インモールドコート法)が知ら
れている。例えば、特公平3−47719号公報には、
上、下開閉可能な金型を用いて下型へ圧力センサーを設
けてガラス繊維強化プラスチックの硬化度合を確認し、
上型へ取付けてある射出装置より表面被膜材を注入し成
形品面へコーティングする方法が開示されている。
【0004】また、例えば特公昭63−288720公
報には、上下開閉可能な型の上型面へ熱硬化性樹脂を主
成分とするゲルコートを吹き付け、成形温度120℃〜
160℃、成形圧力30〜100kg/cm2の成形条件に
おいて、不飽和ポリエステルが主成分であるガラス繊維
強化プラスチックス(BMC,SMC)を投入して製造す
る方法が開示されている。(以下ゲルコート法と呼ぶ)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の製造方法では、
成形条件(成形圧力30〜100kg/cm2、型温度120
℃〜160℃)に使用可能な型の材質として金型の選択
が必要である。金型構造上材料流動関止め機構(シャー
エッジ構造)を有している。成形圧力が高いとこれのク
リアランス精度は0.1以下で成形品端末の外周全部に
必要である。シャーエッジ構造をもった型を成形時にス
ムーズに上、下させためには、精度の良い油圧プレスも
必要となってくる。このため、金型、プレス機に高額な
費用を掛ける必要が有り、経済性(設備償却)から考え
て、大量生産向けの製造方法と位置ずけられる。
【0006】またSMC成形は高温で成形するため、生
産性が優れる特徴がある一方で、これらの成形材料で
は、表面状態の良い成形品が出来にくく、樹脂、ガラス
繊維、充填材の複合材料のため耐汚染性が悪く、また、
光沢等の質感が悪いという欠点があった。
【0007】また、熱硬化性樹脂を主成分とするゲルコ
ート剤を型に塗布して、常温で硬化させ、次いで、本体
部分を形成する樹脂層を常温でハンドレイアップ又は、
注型工法(例えばRTM法)にて、不飽和ポリエステル樹
脂成形品を成形する工法がある。この成形法は常温硬化
のため生産性が悪いし、プレス成形の様な製品寸法安定
性が得られない。生産性を上げるため、硬化温度を上げ
る事が考えられるが、クラック、外観不良という問題が
発生する。しかし、ゲルコートと、プレス成形とを併用
すれば、表面平滑性、光沢に優れる等の表面品質の優れ
た生産性の良い成形法となる。
【0008】この様に、プレス成形は、生産性、寸法
性、加工性が優れるが、高強度の型や、高価なプレス機
を必要とするため、大量生産しなければ、経済性が悪
い、ハンドレイアップとゲルコート法は、表面性に優れ
るが生産性、寸法性、加工性が劣る、という具合にそれ
ぞれ一長一短が有る。
【0009】そこで、本発明は、熱硬化性樹脂を主成分
とした表面被膜材(ゲルコート)を使用し、ゲルコート法
の持つ表面性と、プレス成形法の持つ生産性、寸法安定
性を両立させたプラスチック成形方法を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、不
飽和ポリエステル樹脂と、強化用ガラス繊維と、無機充
填材と、諸物性調整用の添加剤とを含むシート・モール
ディング・コンパウンドを、顔料を含むゲルコート剤が
塗布された型内で、型温80℃〜100℃にて、5〜1
5kg/cm2の加圧力で成形して、外観平滑な成形品を得
る成形方法である。また、本発明においては、型温80
℃〜90℃にてゲルコート剤を塗布し、シート・モール
ディング・コンパウンド投入後に90℃〜100℃に昇
温して加圧保持することが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、例
えば、図1に示すような建設機械の車体外板部品の製造
に適用した場合を例にとって、添付図面を参照しながら
詳細に説明する。これらの車体外板部品は、それぞれ成
形方向で長さ800〜1000mm、幅400〜700m
m、深さ約500mm、板厚約4mmの3つの部品で構成さ
れ、互に締結され、車両本体に取り付けられて用いられ
る。本発明による上記部品の成形手順を図2〜図4に沿
って説明する。プレス機に取り付けられた上型は、図2
に示すように、型開き状態で約90°回転して、型面へ
のゲルコート剤塗布を容易にしている。そして、不要部
分をマスキング具で覆い、ゲルコート剤をスプレー塗布
した後、上型を正規の位置まで回転し、所定時間セッテ
ィングの後、図3に示すように、SMCチャージ材を投
入し、図4に示すように、型締めして所定時間キープす
る。本実施の形態で使用する、表面被膜を形成するゲル
コート層は表1に示す組成より成り、熱硬化性樹脂を主
成分とし、成分中には、外観色を出すための色素顔料
(無機顔料−例えば酸化チタン、鉄黒etc有機顔料−例え
ばピロールレッド、銅フタロシアニングリーン)と、充
填材(炭酸カルシウム粉、クレー、アルミナ粉、珪石
粉、タルク、硫酸バリウム、シリカパウダー、ガラス
粉、ガラスビーズ、マイカ、水酸化アルミニウム、エア
ロジル、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化
マグネシウム、ミルドファイバー、セルロース系の充填
材などの公知のもの)と、硬化剤や促進剤などの添加剤
とを含み、これらを外部混合によって型へ吹き付け使用
する。硬化剤としては、アゾイソブチルロニトリルのよ
うなアゾ化合物、ターシャリブチルパーベンゾエート、
ターシャリブチルパーオクトエート、ベンゾイルパーオ
キサイト、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミ
ルパーオキサイト、ラウロイルパーオキサイド、ジータ
ーシャリーブチルパーオキシン等の有機過酸化物等を挙
げることができる。ゲルコート塗料100重量部に対し
て好ましくは1〜4重量部の範囲で用いるとよい。
【0012】本実施の形態で使用するベース材料用不飽
和ポリエステル樹脂系成形材料の組成を表2に示す。本
実施の形態では、適当な添加剤を選定することにより低
温度硬化及び低圧の成形が可能なSMCとすることが好
ましい。充填材としては、炭酸カルシウム、水酸化アル
ミニウム、ガラスフリット等があるが、経済性より、炭
酸カルシウムを使用することが好ましい。原材料構成と
しては、不飽和ポリエステル樹脂(不飽和二塩基酸−無
水マレイン酸、飽和酸−フタル酸etc)低収縮剤、充填
材、増粘剤、硬化剤、内部離型剤、補強繊維、添加剤で
構成される。
【0013】
【表1】
【表2】
【0014】本実施の形態で使用する型の断面図を図5
に示す。図5は電鋳型の例である。電鋳層1において
は、厚みを5〜10mmに設定する。このときに製品面側
の電鋳層を製作する時は、表面のピンホールに注意しな
がら、後の表面ミガキを考慮して、メッキ時間を十分取
り電鋳層を作って行く。レジンコンクリート層2は、型
強度、剛性、断熱を考慮して材質の選定をする。下型3
については、総生産ショット数、成形圧力によって材質
の選定をする。例えばFC30、SC37〜SC49の
ように、高強度の材料を使用する必要はなく、AC1A
〜AC8C、エポキシ樹脂等のように出来る限り安価で
加工性の良い材質の選定が必要である。
【0015】次に、型各部位の説明をする。図6及び図
7に型食切り部を示す。図6には、従来のプレス用金型
のシャーエッジを示し、図7には、ゲルコート付き低温
低圧SMC成形の場合を示す。図7においては、成形品
端末の商品性を確保するために、ゲルコート膜厚逃し7
を設けている。これを設けることによって、上型、下型
が合わさる時にゲルコート膜を損傷させることなく、外
観の良好な端末成形品が得られる。ゲルコート膜逃し長
さ8については製品の端末形状よりゲルコート膜厚が確
保出来る様に長さを決める。
【0016】次に、図8を参照して、本実施の形態にお
ける加温用配管について説明する。本実施の形態では、
従来の金型母体へ直接穴加工をする方法ではなく、低温
領域(80℃〜100℃)を考慮して型表面肉厚を薄くし
裏面へパイプをロウ付けする方法を用いた。ここで、パ
イプ径13及びピッチ14は、型表面層9を構成する材
質の種類に応じて決定する。例えば、材質がFC30で
あり、型表面層9が30〜50mmの場合においては、パ
イプ径13をφ10mmに設定し、ピッチ14を50mmに
設定することにより、良好な型温度分布を示した。
【0017】本実施の形態におけるプレス装置(図2〜
4)について説明する。このプレス装置では、最大押え
圧力、型締スピード調整及び引上げ出力等の設定が重要
である。例えば、以下のように設定する。 押え圧力(最大出力) 100t 型締スピード 0.5〜5mm/s 引上げ出力 25t 本実施の形態では、図2に示すように、さらにゲルコー
ト塗布作業を簡単にするため上型を90°回転する反転
装置を設けた。これにより、ゲルコート塗布を容易にで
き、ゲルコート塗布時間を短縮することができる。
【0018】ゲルコート塗布装置について説明する。本
実施の形態では、市販されている外部混合型の塗布装置
を使用した。本発明では、カップガン式でもよいが、カ
ップガン式では、各成形ごとに塗布機の洗浄を要するの
で、本発明では、生産性を考慮すると外部混合型を使用
することが好ましい。これによりゲルコート塗料、洗浄
液のロスを著しく減少させることができる。
【0019】また、本実施の形態では、加温装置とし
て、加圧温水装置を用いた。型温度の設定温度が80℃
〜100℃であることより、従来プレス成形で使用され
ている蒸気圧式では温度を安定させにくい。また、減圧
蒸気装置も考えられるが設備費用の面から、加圧温水装
置が最善である。型の大きさにもよるが熱媒体としてオ
イルを用いてもよい。
【0020】以上説明した、上記ゲルコート塗料、SM
C材料、成形型、プレス装置、ゲルコート塗布装置、加
温装置を使用して、ゲルコート付き低温低圧SMC工法
を実施した。実施した内容を、図9に示す成形工程のフ
ローチャートを参照して説明する。まず、ステップS1
の型処理では、成形品の離型を良くするために、外部離
型剤を塗布する。ここで、離型剤を塗布する前にエアー
ブローを実施する。成形工程において外観面が製造され
るため、チリ、ホコリ等は少量のエア圧で除去するため
である。その後に外部離型剤を塗布する。このときに、
離型剤の塗布量は最小限度薄く塗布する。例えば、1〜
5μm程度が好ましい。厚く塗り過ぎるとゲルコートが
リフティング(表面層のふくれ)現象を早期に発生し、成
形外観の不良としては、ヘコミ、ゲルコートクラックが
発生しやすくなる。薄い状態で成形を実施すると、離型
時の引上げ力がかなり必要となり、プレス機の費用増に
なる。
【0021】次に、ステップS2のゲルコート塗布につ
いて説明する。本工程における条件としては、ゲルコー
トの塗布量、硬化剤(過酸化物)の配合比、吹付け時間が
挙げられる。ゲルコートの成形不良項目として、ゲル
コートクラック、アリゲーター(鰐皮状の荒れた表
面)、リフティング、ピンホール、ヘコミ等が有
るが、本実施の形態において、ゲルコートの塗布量(条
件)とピンホール(不具合)との相関図を図10に示
す。この図10に示した結果から、ゲルコート塗布量
は、200g/分に設定し、ゲルコート膜厚が、0.5
mmになるようにした。
【0022】上記ゲルコートに関する不具合について
は、成形条件と各不具合項目に相反する傾向を示すため
適切な条件設計が必要である。例えば、ピンホール不具
合に対してはゲルコートの硬化スピードを遅くするよう
に条件設定(硬化剤重量部数を少なく、ゲルコート塗布
量を少なく)すれば良いが必然的に硬化時間が長くな
り、また適性な塗膜を求めると塗布時間も長くなってし
まうために、生産性が著しく低下してしまう。さらに、
アリゲーター不具合については、マイナスの条件とな
る。図12に、硬化剤の配合比に対するピンホールの大
小を示すグラフである。図12から、本実施の形態で
は、硬化剤配合比は、3重量部に設定した。
【0023】また、ゲルコート膜厚の均一化についても
考慮する必要が有る。塗布ガンの移動スピード、型面と
塗布ガンの距離等である。製品形状が、3次元的である
ため、吹付け角度に制約が出てくる。すなわち、前述し
た条件内で出来るだけゲルコート膜厚の生産上のバラツ
キとして許容できる範囲を大きく設定してやることが重
要である。さらにピンホール不具合について付け加える
と、本実施の形態に当って2色のゲルコートを使用した
が、色によってピンホールの発生率が異なる(図10)。
そのため本実施の形態においてはゲルコート硬化特性を
変更した。この変更に伴って、2色の同時成形をするこ
とが生産性を低下させることなく可能となった。
【0024】次に、ゲルコート塗布後のステップS3の
セッティングについて説明する。ゲルコート不具合との
相関を図11に示す。ゲルコート不具合に起因する項目
としては、ウェルド、リフティング、アリゲーター等が
ある。例えば、ウェルドについて言えば、その対策とし
てゲルコート膜厚強度を高くすることが必要であり、S
MC材料を押し流すときに掛る力に対して耐えなければ
ならない。これが少ないと未硬化部分のSMC材料が流
れようとするときに同時にゲルコート塗膜の一部が流れ
る。SMC材料が流れるときに支流を作りそれが合流し
て成形品となるが、合流部のSMCとSMCの間にゲル
コート塗料が入りこんでしまい、合流部分の肉厚方向の
他部との硬化収縮率の違いよりゲルコート塗料の入った
所だけ硬化収縮率が大きいため外観のヒケが拡大されて
しまう。図11に示した結果から、本実施の形態では、
吹き付け時間を2.4分に設定した。
【0025】アリゲーターについても上記と同様でSM
C材料が流れるときの力にゲルコート塗料が負けて結果
ゲルコート膜厚は薄くなりさらなるSMC材料の流れが
進展すると不具合となる。この現象は特にSMC材料を
セットする部分によく発生する。リフティングは前述不
具合と逆でゲルコート塗料が硬まり過ぎることにある。
ゲルコート塗料は、ベース樹脂として熱硬化性樹脂を使
用しているため、硬化収縮をする。硬化すればするほど
型表面から離れようとするためである。
【0026】次にステップS4のSMC材料チャージに
ついて説明する。使用するSMC材料の硬さ(大協社内
測定方法)とチャージ面積率が重要な条件となる。成形
不具合との相関を図18に示す。成形不具合のフクレ、
ショートについては、成形条件に対して相反する傾向を
示す。これについては、従来のプレス成形法においての
公知である。フクレ不具合においては低圧SMC材料特
有の条件が存在する。従来プレス成形法であれば、フク
レ(従来法において巣穴不具合のこと)は、チャージ面積
の縮小化とピラミッドチャージが対応策となるが本発明
に使用する低温低圧SMC材料においてはかならずしも
すべてがあてはまらない。低温低圧SMC材料使用に当
っては、材料流動の違いを考慮する必要がある。従来の
プレス成形法においては、プレス圧力により力づくで無
理矢理流す様な所があるが、低温低圧SMC工法の場合
は、成形圧力が低くしなければならないため、材料流動
性を得るために型温を利用して温度をSMC材料に掛け
ながらある程度軟化(液化)させた状態で押し流してい
る。
【0027】SMC材料は下型へセットされるため成形
品裏面側のSMC材料の方が温度を上昇させやすく軟化
するのが速い、この状態で型を締めて行くと初期のSM
C材料の流動は裏面側に近い方がよく流れることにな
る。逆に言うなら製品表面側へ接着してくるSMC材料
は流動性を示さないという事である。SMC材料の表面
は凹凸が有り、これが上型の面に接着し流動性を示さな
いとしたら図16の様に空気が残されるこれが低温低圧
SMC法におけるフクレ不具合の要因である。本実施の
形態においては、SMC材料の下型セッティング時間を
短く条件設定した。また、本実施の形態に使用したSM
C材料の諸特性を表3に示し、硬化特性を図22と、表
4に示す。
【0028】
【表3】
【表4】
【0029】ステップS5の型締め〜ステップS9の型
処理までの工程は、従来と同様の方法で行われる。次
に、本実施の形態に用いたプレス装置について説明す
る。本発明において使用するSMC材料の硬化特性を図
13に示す。生産性からすれば型温度を100℃にすれ
ばよいが、上記に述べたゲルコートの表面品質を成立さ
せる条件範囲が著しく狭くなる。そこで、本実施の形態
においては、ゲルコート塗料セッティングの際の型温度
と、SMC材料を硬化させる温度を2段階で変えること
を考案した。実施値としてゲルコート塗料セッティング
温度85〜90℃、SMC材料を硬化させる際の型温度
を90〜100℃で行うことにより、生産性と、ゲルコ
ート塗膜品質の両立が出来た。
【0030】また、ステップS5における型締スピード
については、上記に述べたSMC材料の温度に対する流
動挙動の変化より、速く型締する様に設定した。しかし
ながら、速くさせすぎるとゲルコート塗膜へSMC材料
の流動時の力が大きく加わってくるためゲルコートクラ
ック等の成形不具合を発生する。本実施の形態において
は、1〜2mm/sで実施した。型締スピードと成形不具
合との相関を図21に示す。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、低温低圧SMC材料を
使用して安価な型、プレス装置の選定が可能となった。
またゲルコート塗料を成形時に入れることより従来のS
MCプレス成形品の表面に比べて良好な製品が得られ
た。従来のプレス成形法の特徴であった寸法安定性、金
具インサート、リブ、ボスの一体成形とゲルコート塗料
製品の外観性を小量生産製品において両立出来る。ま
た、従来の小量生産工法のハンドレイアップ等のオープ
ン成形では、不飽和ポリエステル樹脂の成分であるスチ
レンの飛散により、作業環境が悪化するが、SMC工法
はクローズド成形法なので改善が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施に適する車体外板部品を組付け
た建設機械の斜視図。
【図2】 本発明の成形方法において、型開きし、上型
を回転してゲルコート剤を塗布している状態を示す略
図。
【図3】 本発明に係る実施の形態の成形方法におい
て、上型を正規の位置に戻し、SMCチャージを投入し
たところを示す略図。
【図4】 本発明に係る実施の形態の成形方法におい
て、型締、加圧、キープ状態を示す略図。
【図5】 本発明に係る実施の形態の概略断面図。
【図6】 従来型でのシャーエッジ部を示す概略図。
【図7】 本発明に係る実施の形態の型のシャーエッジ
部を示す概略図。
【図8】 本発明に係る実施の形態の下型の断面図。
【図9】 本発明に係る成形方法のフローチャート図。
【図10】 本発明に係る実施の形態における、ゲルコ
ート塗布量に対するピンホール及びアリゲータを示す相
関図。
【図11】 本発明に係る実施の形態における、ゲルコ
ート吹付け時間に対するアリゲータ及びケルコートクラ
ックの相関図。
【図12】 本発明に係る実施の形態における、ゲルコ
ート硬化剤配合に対するピンホールの相関図。
【図13】 本発明に係る実施の形態における、ゲルコ
ート塗料の硬化特性図。
【図14】 本発明に係る実施の形態における、型表面
温度とピンホール発生の相関図。
【図15】 本発明に係る実施の形態における、ゲルコ
ートのセッティング時間に対するウエルド及びリフティ
ングの相関図。
【図16】 本発明に係る実施の形態における、ゲルコ
ートのセッティング時間に対するアリゲータの相関図。
【図17】 本発明に係る実施の形態における、SMC
材料の硬さに対するショート及びフクレの相関図。
【図18】 本発明に係る実施の形態における、チャー
ジ面積に対するショート及びフクレの相関図。
【図19】 SMC材料を型にセットした時の略図。
【図20】 SMC材料を型に押し流す時の略図。
【図21】 本発明に係る実施の形態における、型締め
スピードに対するフクレ及びショートの相関図。
【図22】 本発明に係る実施の形態における、SMC
材料の型温度別の硬化特性図。
【符号の説明】
1…電鋳層、2…レジコン層、3…下型表面層、4…鉄
枠、5…加温用配管、6…取付け板、7…ゲルコート膜
厚逃し厚み、8…ゲルコート膜厚逃し長さ、9…上型、
10…下型、11…シャーエッジスキ間、12…シャー
エッジ角度、13…加温用配管径、14…加温用配管ピ
ッチ、15…下型表面厚み、16…空気、17…上型、
18…下型、19…SMC材料。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和ポリエステル樹脂と、強化用ガラ
    ス繊維と、無機充填材と、諸物性調整用の添加剤とを含
    むシート・モールディング・コンパウンドを、型温が8
    0℃〜100℃に設定され、かつ顔料を含むゲルコート
    剤が塗布された型内で、5〜15kg/cm2の加圧力で成
    形する成形方法。
  2. 【請求項2】 型温80℃〜90℃にてゲルコート剤を
    塗布し、シート・モールディング・コンパウンド投入後
    に90℃〜100℃に昇温して加圧保持して成る請求項
    1記載の成形方法。
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