JP3153834U - 部分的に異なった開口率の防雪柵

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【課題】積雪の高さが変化していってもそれぞれの高さに応じた反応をし、交通障害に対して効果を発揮する防雪柵を提供する。【解決手段】防雪柵の高さ方向に対し下部半分ほどは開口率の小さな網にし、上部は開口率の大きな網にする。【選択図】図１

降雪地帯で道路脇に設置する防雪柵に関する。

降雪地帯に於いて降雪期には雪による交通障害が発生することがしばしば起こる。道路に雪を積もらせないように、道路脇の風上に防雪柵を設置するが、その折いくつかの異なった原理による方法がとられてきた。

一つは防雪柵に整風板を備え道路面に風を吹き付けて雪を吹き払う吹き払い式であり、もう一つは防雪板を壁のように見立て、風を通さないで雪をその陰に溜めておく吹き止め式がある。

また更に改良された防雪柵としては吹き止め式でありながら、一定の高さの鉛直部の上に忍び返し部を設けさらにその上に風雪越流誘導部を設けた「忍び返し、誘導板付き吹止式防雪柵（特許第３７１１４７０号）」で、風の力で道路を越えて雪を遠くへ飛ばすことができ、一定の成果を収めている。

この防雪柵は下部が吹き止め式ということで、防雪板には風を通さない板を使用し、忍び返し部と誘導部には小さな穴の無数に開いた開口率２０〜４０％の有孔板を使用して風下に生じる乱流を防ぎ防雪柵の裏側に吹きだまりが生ずるのを防ぐようにしてあった。

しかしこれら各部の機能は積雪の量によって異なってき、積雪量が鉛直部の高さより低い時は鉛直部でも若干風が抜けた方が良いことが分かってきた。

積雪の高さが変化していってもそれぞれの高さに応じた反応をし、交通障害に対して効果を発揮する防雪柵を提供する。

防雪柵の高さ方向に対し下部半分ほどは開口率の小さな網にし、上部は開口率の大きな網にする。

積雪高さが低い時は下部の網からも風が通過するので、忍び返し部を通過あるいは誘導部を飛び越した風雪との間に乱流が起こりにくくなる。

高さ４ｍ程の忍び返し、誘導板付き吹止式防雪柵の下からほぼ６０％までの鉛直部を開口率２０％のパンチングメタルで作った防雪板にし、その上の忍び返し部と誘導板部の防雪板を開口率４０％のパンチングメタルで作る。

図面に基づいて説明すると、第１図は忍び返し、誘導板付き吹止式防雪柵を横から見た概念図で、全体の高さは約４ｍ、下部２．４ｍ程の鉛直部１は網目穴の直径が約１．５ｍｍで開口率２０％のパンチングメタルでできている。

上部の風上に向かって４５度程傾斜した長さ６０ｃｍ程の忍び返し部２は網目穴の直径が約３ｍｍで開口率４０％のパンチングメタルで、さらにその上の反対方向の風下に向かって６０度程傾斜した長さ１ｍ程の誘導部３も開口率４０％のパンチングメタルで作ってある。

図示はしないが、防雪柵の防雪板として使用する網の開口率を順次連続的にあるいは不連続的に２０％から４０％まで変化させたものを使用しても良い。

本考案の部分的に異なった開口率の防雪柵によれば積雪高さの変化に応じて機能し、道路積雪による交通障害を緩和することができる。

忍び返し、誘導板付き吹止式防雪柵を横から見た概念図

１鉛直部
２忍び返し部
３誘導部

高さ約３〜５ｍ、支柱間の幅約４ｍのものが横に続く防雪柵に於いて、それに取り付けてある防雪板は網目状になっており、網の目の粗さ、つまり開口率が連続的あるいは不連続的に下部では小さく上部では大きくなっていることを特徴とする部分的に異なった開口率の防雪柵。
ほぼ下半分の網目穴の直径が約１．５ｍｍで開口率が約２０％、残りの上半分の網目穴の直径が約３ｍｍで開口率が約４０％であるような防雪板であることを特徴とする請求項１記載の部分的に異なった開口率の防雪柵。
網が針金を織ったものであることを特徴とする請求項１及び２記載の部分的に異なった開口率の防雪柵。
網がパンチングメタルのように穴を打ち抜いた金属板であることを特徴とする請求項１及び２記載の部分的に異なった開口率の防雪柵。
網がプラスチック成型によって作られたことを特徴とする請求項１及び２記載の部分的に異なった開口率の防雪柵。