JP2013104183A - 防風雪等のフェンス - Google Patents

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Abstract

【課題】 風や光の通過性を具備しながらも高い防風雪等の性能を持ち、防風雪板に対する風による負担をやわらげ、見通しや景観も損なわない防風雪等のフェンスを提供する。
【解決手段】 防風雪板10の短手断面は線対称な膨出部11と、膨出部11の両端の直線取付部12からなるよう屈曲成形し、前記膨出部11には多数の孔を設け、膨出部11のほぼ中央から一方は光や風を多く通す多孔部15とし、一方は開孔率の低い粗孔部17とした。
【選択図】図5

Description

本発明は、防風、防雪等のために設置されるフェンスにおいて、特に防風雪板に孔を開けたフェンスに関する。
降雪地域では、冬季間の降雪時に一定方向の季節風(主に北から西にかけての風)が吹き、それを防ぐための家の周りの冬囲いが行なわれる。従来の冬囲いでは、春から秋にかけては日射や風通しの妨げとなるので取り外している。
また、道路や鉄道においても冬期間の風雪害を防ぐため、その北側から西側にかけて防風雪柵を設置している。この防風雪柵でも、春から秋にかけては景観に配慮して視認性を高めるため、取り外すことや折り畳むことが行なわれている。
しかし、それらを秋の終わりに設置し、春先に取り外すことや折り畳むことは煩わしい。フェンスを設置する場所の自然条件に対応可能とする機能を盛り込むことで、年中設置したままとすることを可能とした方が望ましい。
上記のような問題を改善するために、実開昭59−92714号公報には防雪板のほぼ全面にわたって多数の小孔が穿設され、該小孔は横長となされると共に縦幅が冬期には雪、氷により目詰まりする程度の間隔となされた防雪柵が示されている。
この考案では、小孔の縦幅を冬期の雪、氷の凍結により目詰まりする程度の間隔としているので、冬期には防雪板の小孔が塞がって無孔板のように作用し、路上の積雪を防止することができる。また、防雪板の小孔を横長としているので、降雪期以外の季節では道路の見通しや沿道の景観がさほど損なわれず、走行中の自動車内の人に圧迫感や不快感を与えることが無く、また日照もさほど妨げられず、夏場に撤去しなくてもよいとされている。
また、本出願人は登実3165310号公報に示すように、防風雪板はその平面視で線対称な膨出部と膨出部の両端の直線取付部とからなり、防風雪板の直線取付部を横桟に固定し、線対称な膨出部の片面のみに多数の透孔を設けた防風雪等のフェンスを提案している。
この考案では、防風雪板の線対称な膨出部の片面のみに多数の透孔を設けたことにより、防風雪板には風や光等が遮られる方向および通過・透過する方向性ができるから、例えば透孔を南向きとして、設置する場所の方角による自然条件に対応できるとしている。
防風雪柵において風や雪を遮蔽したり、風向きを変えて道路上の雪を飛ばすといった本来求められる性能は、風の逃げを無くすために防風雪板の孔を無くしたほうが良くなるとされている。反面、孔の無い防風雪板では風によって大きな荷重を受けるため、それを支える柱や基礎を強固なものとする必要があり、設置コストも高くなってしまう。
上記のような問題を改善するために実開昭57−160314号公報には、風、砂、雪の防網を二段以上数段に分け、上段より下段に向け粗孔部及び細孔部をなし、最下段部を無孔板又は無孔板に匹敵する程に遮蔽率の大きな極細孔板とした防風防砂防雪柵が示されている。
この考案によれば、柵の上段から中段にかけて粗孔部から細孔部としたから砂等の柵の後方への通過を防止すると共に、柵上部の強風域の風をやわらげることができ、下段にいたるにしたがって遮蔽率を大きくすることにより、雪、砂等のほとんどを柵前方に堆積させることができるとしている。
実開昭59−92714号公報 登実3165310号公報 実開昭57−160314号公報
上記の特許文献1の第2図に記載されるように、防雪板をほぼ塞ぐように設けた場合は、冬期に雪、氷の凍結により目詰まりして無孔板のように作用するので、防雪板に対する風の負担も大きく、柱や基礎を強固なものにしておく必要性から設置コストが高くなる。
また、特許文献2に示した技術では、防風雪板の多数の透孔によって、風や光等を通過させることができるが、方向性のために膨出部の片面のみに孔を設けたため、防風雪板全体としては開孔率は高くなく、風による負担も大きいし、見通しや景観も良いとは言えない。
また、特許文献3に示した技術では、防風防砂防雪柵の性能を高めるために柵の下段にいたるにしたがって遮蔽率を大きくしているので、風や光の通過性が悪く、見通しや景観も良くない。
そこで、本発明は風や光の通過性を具備しながらも高い防風雪等の性能を持ち、防風雪板に対する風による負担をやわらげ、見通しや景観も損なわない防風雪等のフェンスを提供することを目的とする。
請求項1の発明の防風雪等のフェンス1は、孔開きの短冊状鋼板で構成した防風雪板10を水平又は鉛直方向に並べてほぼ塞ぐように立設する防風雪等のフェンスにおいて、防風雪板10の短手断面は線対称な膨出部11と、膨出部11の両端の直線取付部12からなるよう屈曲成形し、前記膨出部11には多数の孔を設け、膨出部11のほぼ中央から一方は光や風を多く通す多孔部15とし、一方は開孔率の低い粗孔部17としたものである。
請求項2の発明の防風雪等のフェンスは、多孔部15の面積を粗孔部17の面積より小としたことにより風向きを変えられるようにしたものである。
請求項1の発明によれば、防風雪板10の短手断面は線対称な膨出部11と、膨出部の両端の直線取付部12からなるよう屈曲成形し、前記膨出部11には多数の孔を設け、膨出部11のほぼ中央から一方は光や風を多く通す多孔部15とし、一方は開孔率の低い粗孔部17としたから、多孔部15によって風や光の通過性を具備することができると共に、開孔率が低くても粗孔部17に孔を設けているから風による負担をやわらげることができ、見通しや景観も良くすることができる。
請求項2の発明によれば、多孔部15の面積を粗孔部17の面積より小としたことにより風向きを変えられるようにしたから、防風雪板10に方向性ができ、建物への風の向きを変えたり、道路への風を上方へ向きを変えることで積雪を防止したりといった自然条件への対応が可能となる。
図1は本発明の実施例1に係る防風雪等のフェンスの正面図である。 図2は図1の右側面である。 図3は図1の平面図である。 図4は図1の背面図である。 図5は図1の部分拡大図である。 図6は図5のA−A線で切断した端面図である。 図7は本発明の実施例2に係る防風雪等のフェンスの正面図である。 図8は図7の右側面図である。 図9は図7の平面図である。 図10は図7の背面図である。 図11は図7の部分拡大図である。 図12は本発明に係る防風雪板の他の実施形態を示す図である。
風や光の通過性を具備しながらも高い防風雪等の性能を持ち、防風雪板に対する風による負担をやわらげ、道路の見通しや景観も損なわない防風雪等のフェンスを提供するという目的を、防風雪板10の膨出部11には多数の孔を設け、膨出部11のほぼ中央から両側で異なる開孔率とすることで実現した。
以下に、図面を参照しながら本発明の実施例1について説明する。図1は、本発明の実施例1に係る防風雪等のフェンス1である。
このフェンス1は、家屋や庭木、道路や鉄道などを自然条件(風、雪、砂、波、日射など)に対応して保護するように設置するものである。
フェンス1は地面G下に等間隔に埋設されるコンクリート基礎F上に柱5が垂直に固定される。所要の複数の柱5が列設され、一対の柱5の間に水平方向に長い短冊状の防風雪板10をほぼ塞ぐように上下に並べて取り付ける。
防風雪板10は長方形の短冊状鋼板で、その短手断面を線対称な半円弧状に凸の膨出部11と、膨出部11の両端の直線取付部12からなるよう屈曲成形させる。両直線取付部12には防風雪板10の長手方向に沿って長孔13を列設し、防風雪板10は四隅に位置するその長孔13を利用して柱10に固定される。
一方、線対称な膨出部11のほぼ中央から上方には多数の円形孔14を密に設け多孔部15とする。
膨出部11のほぼ中央から下方には、上方と比べて上下方向に粗い間隔でほぼ同径な円形孔16を設けて粗孔部17とする。本実施例では孔配列を均等にするために粗孔部17の上端は膨出部11の中央よりもやや上に達するようにした。
本実施例で示す防風雪板10は縦(短手)約300mm、横(長手)約3000mm、膨出部11には直径14mmの孔を設け、膨出部11の中央から上方は開孔率約36%とし、下方は開孔率約25%とした。
上記のように膨出部11を構成することで、そのほぼ中央から上方は密な多孔によって日光や風を多く通過させ、下方は粗い間隔の孔を設けたから風等への遮蔽性が向上する。
また、膨出部11は無孔板とは異なり、全体的に孔が無い部分を少なくしているから、防風雪板10の孔を通して景観を見ることができ、道路に設置した場合は見通しや圧迫感が改善される。また、防風雪板10が受ける風荷重も同じく軽減されることになるから、柱10や基礎Fに対する負担を少なくすることができる。
さらに、膨出部10の多孔部15と粗孔部17で開孔率や面積を変えることで防風雪板10にあたった風はより通過しやすい多孔部15へと流れるようになる。このような効果によって防風雪板10に方向性を具備させることができる。本実施例で示すフェンスを道路脇に設置した場合、防風雪板の上方に多孔部を設けているので防風雪板を抜ける風はフェンスの上方へと向きが変わり、道路への積雪を防止することができる。
次に、本発明の実施例2について説明する。図7に示すのは本発明の実施例2に係る防風雪等のフェンスである。
フェンス2を設けるために、実施例1と同様に地面G下のコンクリート基礎F上に柱6を垂直に固定する。柱6間には水平な細長い横桟7、8、9を上方、中間、下方の3か所に掛け渡すように設ける。
この3本の横桟7、8、9の間に鉛直方向を長手とした防風雪板20をほぼ塞ぐように水平方向に並べて設ける。防風雪板20は実施例1で示したものとほぼ同様であり、本実施例では縦張としたものである。
縦張とすることで防風雪板20は、膨出部21のほぼ中央から左右で異なる開孔率となる。つまり、図11では右側に多孔部25、左側に粗孔部27としているが、天地を返すことで左右反対の構成にすることも可能である。そうすることで、例えば日当たりを考慮したり、季節風のような特定の向きの風に対応することが可能となるし、風による負担をやわらげることができる、見通しや景観も良くすることができるという効果は実施例1と同様である。
本発明は以上の実施例に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、以上の実施例では防風雪板の短手断面の膨出部を半円弧状に凸の例を示したが、台形状に凸にしても良い。
また、防風雪板の膨出部に設けた孔を円形孔である場合を示したが、図12の(B)、(C)に示すように楕円形にしても良いし、多角形の孔としても良い。
また、防風雪板の膨出部はほぼ中央から両側で開孔率が異なればよいから、粗孔部の孔配列の一部が中央を越えて多孔部側に位置しても良いし、設置する場所に対応して、図12の(A)、(B)、(C)に示すように孔の配列パターンや数、多孔から粗孔に変化する位置のバランスは適宜調整すると良い。
1 フェンス
10 防風雪板
11 膨出部
12 直線取付部
15 多孔部
17 粗孔部

Claims (2)

  1. 孔開きの短冊状鋼板で構成した防風雪板を水平又は鉛直方向に並べてほぼ塞ぐように立設する防風雪等のフェンスにおいて、防風雪板の短手断面は線対称な膨出部と、膨出部の両端の直線取付部からなるよう屈曲成形し、前記膨出部には多数の孔を設け、膨出部のほぼ中央から一方は光や風を多く通す多孔部とし、一方は開孔率の低い粗孔部とした防風雪等のフェンス。
  2. 多孔部の面積を粗孔部の面積より小としたことにより風向きを変えられる請求項1記載の防風雪等のフェンス。
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