JP3153728B2 - レンズ付半導体光素子及びその製造方法並びに並列光伝送用モジュール - Google Patents

レンズ付半導体光素子及びその製造方法並びに並列光伝送用モジュール

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JP3153728B2 JP8925095A JP8925095A JP3153728B2 JP 3153728 B2 JP3153728 B2 JP 3153728B2 JP 8925095 A JP8925095 A JP 8925095A JP 8925095 A JP8925095 A JP 8925095A JP 3153728 B2 JP3153728 B2 JP 3153728B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバーによる光
情報伝送を行うための基本素子となる発光もしくは受光
の機能を有するレンズ付半導体光素子及びその製造方
法、並びにそのレンズ付半導体光素子を用いた並列光伝
送用モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】光インターコネクションの分野では最
近、光ファイバーを並列に複数本用いて情報の伝送を行
う並列光伝送の研究が盛んに行われている。特に電子機
器内のボード間や電子機器間の屋内での短距離の情報伝
送では、従来のフラットケーブルに置き換えることがで
きる、小形で簡易な光伝送システム(モジュール)の実
現が期待されている。光ファイバーを用いたこのような
モジュールで、高速でかつ低消費電力を実現しようとし
た場合、発光及び受光を行う光素子と光ファイバーとの
光学的な結合効率が高いことが必要となってくる。この
光学的結合効率を向上させる方法としては、光素子と光
ファイバーとの間にレンズを挿入する方法が採られてい
る。このような方法としては、”金子信一 他、信学技
法OQE93−141「光FDM用小形アレイLDモジ
ュール」”や、”結城文夫 他、信学技法OQE93−
144「高スループット密度を有する二次元アレイ光接
続構造の実装」”などに記載された方法がある。
【0003】しかし、この方法では、モジュールの小型
化のネックになるばかりでなく、光素子−レンズ間、レ
ンズ−光ファイバー間でそれぞれ光学的な位置合わせを
行わなければならず、モジュールの組立工程の複雑化を
招いている。このため光素子とレンズを、同一基板上に
集積化する試みがなされている。このような方法として
は、特開平2−222589号公報記載の方法がある。
この方法では、基板に水平方向の集光はレンズの物理的
な曲率を用い、基板に垂直方向の集光には、レンズの屈
折率に分布を持たせることによって行っている。この方
法は、光素子−レンズの光学的位置合わせを精密かつ簡
便に行うことができ、モジュールの組立工程の簡素化、
モジュールの小型化に有効である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報記載
の方法では、上記レンズの屈折率分布を正確かつ安定的
に得ることが難しく、レンズの光学的性能を安定的に得
ることが難しいという問題がある。
【0005】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
って、並列光伝送用モジュールの小型化及び製作工程の
簡略化、並びにデバイス作製プロセスの安定化を実現す
ることができる、レンズ付半導体光素子及びその製造方
法、並びにそのレンズ付半導体光素子を用いた並列光伝
送用モジュールを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るレンズ付半導体光素子は、半導体基板
の主表面上に形成され、該主表面に対して水平方向に光
の受光もしくは発光を行うことができる半導体光素子か
らなり、該光が透過することができ、かつ該半導体光素
子と異種の材料の薄膜で形成され、かつ該主表面に垂直
な面から見て曲線形状を持つレンズが、該主表面上に一
体に、該半導体光素子の光軸上に集積されている構成と
したものである。
【0007】そして、本発明に係るレンズ付半導体光素
子においては、上記半導体光素子の部分を、半導体基板
の主表面に対して水平方向に光を出射できる端面発光型
の発光ダイオードとする構成としたものである。
【0008】また、本発明に係るレンズ付半導体光素子
においては、上記半導体光素子部分を、半導体基板の主
表面に対して水平方向から入射する光を検出できる端面
受光型のフォトダイオードとする構成としたものであ
る。
【0009】そして、本発明に係るレンズ付半導体光素
子では、上記レンズ部分において、下地層として、Si
X(X≧1)を用い、かつ該下地層の上部にレンズ層と
してSiO2を用い、エッチングによりSiO 2 層が基板
面に対して水平並びに垂直な方向に曲線形状を持つよう
に形成した構成としたものである。
【0010】本発明に係るレンズ付半導体光素子の製造
方法では、上記の構成のレンズ付半導体光素子のレンズ
部を作製する場合において、まずSiNX (X≧1)を下
層にSiO2 を上層に成膜し、該2層をSiNXの方が
SiO2 層よりも面積が小さく成るようにSiO2/S
iNX層をエッチングし、その後にHFの含有するエッ
チング液によってエッチングして、SiO2 層が基板面
に対して水平並びに垂直な方向に曲線形状を持つように
形成することを特徴とするものである。
【0011】さらに本発明では、複数本の光ファイバー
に対して光の入力もしくは出力を行う並列光伝送用モジ
ュールにおいて、少なくとも2つ以上の、請求項1もし
くは請求項2あるいは請求項3のレンズ付半導体光素子
を、同一基板上に直線上に形成したアレイを用い、該レ
ンズ付半導体光素子アレイの光の入射もしくは出射方向
に光ファイバーを配置した構成としたものである。
【0012】
【作用】本発明に係るレンズ付半導体光素子において
、半導体基板の主表面上に形成され、該主表面に対し
て水平方向に光の受光もしくは発光を行うことができる
半導体光素子からなり、該光が透過することができ、か
つ該半導体光素子と異種の材料の薄膜で形成され、かつ
該主表面に垂直な面から見て曲線形状を持つレンズが、
該主表面上に一体に、該半導体光素子の光軸上に集積さ
れていることによって構成され、前記レンズ部分が、下
地層としてSiN X (X≧1)を用い、かつ該下地層の上
部にレンズ層としてSiO 2 を用い、エッチングにより
SiO 2 層が基板面に対して水平並びに垂直な方向に曲
線形状を持つように形成したことを特徴とする。このた
め、上記レンズ付半導体発光素子の該光軸上の該半導体
光素子から見てレンズ側に光ファイバーを、該主表面に
対して水平に配置した場合、光ファイバーと半導体光素
子の光結合効率を向上させることができる。また、レン
ズ及び半導体光素子が同一基板上にモノリシックに集積
化されていることから、ハイブリッドに実装したものに
比べて小型であり、また、半導体光素子−レンズ間の位
置合わせは、半導体プレーナ技術によって行うことがで
きることから、正確かつ容易に行うことができる。ま
た、光ファイバーと本発明によるレンズ付半導体発光素
子を光学的に結合させる場合、光ファイバー及びレンズ
を同一直線上に配置することができる。また、レンズに
よる光の集光は、該主表面に対して水平及び垂直な方向
共にレンズの物理的な曲率形状によって行われることか
ら、屈折率分布を用いる場合に比べて作製を安定的に行
うことができる。
【0013】本発明に係るレンズ付半導体光素子におい
ては、半導体光素子部分が、半導体基板の主表面に対し
て水平方向に光を出射できる端面発光型の発光ダイオー
ドとすることによって構成されている。発光ダイオード
はレーザダイオードに比べて光の放射角が広いことか
ら、レンズを用いずに光ファイバーと結合させた場合、
光結合率は著しく低い値となるが、本発明のように、レ
ンズをモノリシックに集積化した場合、この光ファイバ
ーとの結合効率を改善することができる。
【0014】また、本発明に係るレンズ付半導体光素子
においては、半導体光素子の部分を、半導体基板の主表
面に対して水平方向から入射する光を検出できる端面受
光型のフォトダイオードとすることによって構成されて
いる。端面受光型のフォトダイオードは、光の入射窓が
他の形式のフォトダイオードに比べて極端に小さいこと
から、レンズ−フォトダイオード間の位置合わせには、
他の場合に比べて非常に高い精度が要求される。本発明
では、レンズ−フォトダイオード間の位置合わせは、半
導体プレーナ技術によって行うことができることから、
高い位置合わせ精度を容易に得ることができる。
【0015】また、本発明に係るレンズ付半導体光素子
のレンズ部を製造する場合において、本発明では、ま
ず、図4(a)に示すように、SiNX を下層にSiO
2 を上層に成膜し、該2層をSiNX 層2の方がSiO
2 層1よりも面積が小さく成るようにSiO2/SiNX
層のエッチングを行う。次に該2層をHFの含有するエ
ッチング液に浸してエッチングを行う。このときSiO
2 層1のエッチングレートはSiNX 層2に比べて大き
いこと、また、SiO2 層1に対してHFは等方性のエ
ッチャントであることから、SiO2 層1の空間周波数
の高い部分は、低くなるように、すなわち角が丸まるよ
うにエッチングが行われ、図4(b)に示すようにSi
2 層1が基板面に対して水平並びに垂直な方向に曲線
形状を持つように形成することができる。
【0016】さらに本発明では、複数本の光ファイバー
に対して光の入力もしくは出力を行う並列光伝送用モジ
ュールにおいて、少なくとも2つ以上の、請求項1もし
くは請求項2あるいは請求項3のレンズ付半導体光素子
を、半導体基板の主表面上に直線上に配置したアレイを
用い、該レンズ付半導体光素子アレイの光の入射もしく
は出射方向に光ファイバーを配置することによって並列
伝送用モジュールを構成している。この並列伝送用モジ
ュールでは、集光用のレンズが半導体光素子にモノリシ
ックに集積化されていることから、モジュール組立時
に、半導体光素子−レンズ間の位置合わせを行う必要が
なく、また、レンズをハイブリッドに実装する場合に比
べてモジュールを小型化できる。また、光ファイバー及
びレンズを同一直線上に配置することができることか
ら、上記主表面に対して垂直に光ファイバーを配置する
モジュールに比べて、実装が容易であるという特徴を有
するものである。
【0017】
【実施例】以下、本発明を図示の具体的な実施例に即し
て詳細に説明する。図1は請求項1,記載のレンズ付
半導体光素子を請求項の製造方法で作製した場合の一
実施例を示すレンズ付半導体光素子の断面図である。図
1に示す構成のレンズ付半導体光素子では、n−GaA
s基板21上に発光ダイオード3及びレンズ部4が形成
されている。この発光ダイオード3からレンズ部4に引
いた線の延長線上に光ファイバー(図示せず)を基板2
1の主表面に対して水平に配置することにより、発光ダ
イオード3からの光を効率良く光ファイバーに結合する
ことができる。
【0018】次に図1に示すレンズ付半導体光素子の作
製プロセスについて説明する。まず、n−GaAs基板
21上に、n−Al0.4Ga0.6Asクラッド層41(キ
ャリア濃度3×1017/cm3 、膜厚1μm)、n−G
aAs活性層42(キャリア濃度5×1017/cm3
膜厚0.05μm)、p−Al0.4Ga0.6Asクラッド
層43(キャリア濃度3×1018/cm3、膜厚1μ
m)、p−GaAsコンタクト層44(キャリア濃度1
×1020/cm3 、膜厚0.2μm)を有機金属気相成
長法(MOCVD)でエピタキシャル成長を行い、次に
フォトリソグラフィー技術とECR−RIBE(Electo
ron Cyclotron Resonance−ReactiveIon Beam Etchin
g)装置を用いて、少なくとも基板21に達するまでエ
ッチングを行い、発光ダイオード部3の素子分離を行
う。次に絶縁層としてポリイミド層26を形成し、p−
GaAsコンタクト層44上のポリイミド層26にフォ
トリソグラフィー技術を用いてコンタクトホール31を
形成する。次にウェハー全体にRFマグネトロンスパッ
タ法を用いてAl膜を成膜し、RIE(Reactive IonEt
ching)を用いてエッチングを行い、配線電極27を形
成する。次にウェハーの裏面に抵抗加熱蒸着を用いてA
u/Au−Zn裏面電極28を形成する。
【0019】次にプラズマCVD法でウェハー全体にS
iNX 膜、その上層にSiO2 膜を成膜し、RIEを用
いてSiO2/SiNX層のエッチングを行い、さらにサ
イドエッチングを利用して、SiNX 膜の面積をSiO
2 膜の面積よりも小さくなるようにしSiNX 層29を
形成する。次にHFの含有するエッチング液にウェハー
を浸し、SiO2 膜の上面及び側面を曲面状にエッチン
グしてSiO2 レンズ部30を形成する。これによっ
て、端面発光型の発光ダイオードからなる半導体光素子
3とレンズ4とをモノリシックに一体化したレンズ付半
導体光素子が得られた。
【0020】本実施例では、上記レンズ付半導体光素子
の該光軸上の該半導体光素子3から見てレンズ4側に光
ファイバーを、半導体基板の主表面に対して水平に配置
するので、半導体光素子の上方に光ファイバーを、半導
体基板に対して垂直に配置した場合に比べて、光ファイ
バーと半導体光素子の光結合効率を向上させることがで
きる。また、レンズ及び半導体光素子が同一基板上にモ
ノリシックに集積化されていることから、ハイブリット
に実装したものに比べて小型であり、また、半導体光素
子−レンズ間の位置合わせは、半導体プレーナ技術によ
って行うことができることから、正確かつ容易に行うこ
とができる。また、光ファイバーと本発明によるレンズ
付半導体光素子を光学的に結合させる場合、光ファイバ
ー及びレンズを同一直線上に配置することができる。ま
た、レンズによる光の集光は、該主表面に対して水平及
び垂直な方向ともにレンズの物理的な曲率形状によって
行われることから、屈折率分布を用いる場合に比べて作
製を安定的に行うことができる。
【0021】次に、図2は請求項1,記載のレンズ付
半導体光素子を請求項の製造方法で作製した場合の一
実施例を示すレンズ付半導体光素子の断面図である。図
2に示す構成のレンズ付半導体光素子では、n−GaA
s基板21上にフォトダイオード5及びレンズ部4が形
成されている。このフォトダイオード5からレンズ部4
に引いた線の延長線上に光ファイバー(図示せず)を基
板21の主表面に対して水平に配置することにより、フ
ォトダイオード5に対して光ファイバーからの光を効率
良く結合することができる。
【0022】次に図2に示すレンズ付半導体光素子の作
製プロセスについて説明する。まず、n−GaAs基板
21上に、n−Al0.4Ga0.6Asクラッド層51(キ
ャリア濃度3×1017/cm3 、膜厚1μm)、n−G
aAs活性層52(キャリア濃度5×1016/cm3
膜厚0.15μm)、p−Al0.4Ga0.6Asクラッド
層53(キャリア濃度3×1017/cm3、膜厚1μ
m)、p−GaAsコンタクト層54(キャリア濃度1
×1020/cm3 、膜厚0.2μm)を有機金属気相成
長法(MOCVD)でエピタキシャル成長を行い、次に
フォトリソグラフィー技術とECR−RIBE装置を用
いて、少なくとも基板21に達するまでエッチングを行
い、フォトダイオード部の素子分離を行う。次に絶縁層
としてポリイミド層26を形成し、p−GaAsコンタ
クト層54上のポリイミド層26にフォトリソグラフィ
ー技術を用いてコンタクトホール31を形成する。次に
ウェハー全体にRFマグネトロンスパッタ法を用いてA
l膜を成膜し、RIEを用いてエッチングを行い、配線
電極27を形成する。次にウェハーの裏面に抵抗加熱蒸
着を用いてAu/Au−Zn裏面電極28を形成する。
【0023】次にプラズマCVD法でウェハー全体にS
iNX 膜、その上層にSiO2 膜を成膜し、RIEを用
いてSiO2/SiNX層のエッチングを行い、さらにサ
イドエッチングを利用して、SiNX 膜の面積をSiO
2 膜の面積よりも小さくなるようにしSiNX 層29を
形成する。次にHFの含有するエッチング液にウェハー
を浸し、SiO2 膜の上面及び側面を曲面状にエッチン
グしてSiO2 レンズ部30を形成する。これによっ
て、端面受光型のフォトダイオードからなる半導体光素
子5とレンズ4とをモノリシックに一体化したレンズ付
半導体光素子が得られた。
【0024】本実施例では、上記レンズ付半導体光素子
の該光軸上の該半導体光素子5から見てレンズ4側に光
ファイバーを、半導体基板の主表面に対して水平に配置
するので、半導体光素子の上方に光ファイバーを、半導
体基板に対して垂直に配置した場合に比べて、光ファイ
バーと半導体光素子の光結合効率を向上させることがで
きる。また、レンズ及び半導体光素子が同一基板上にモ
ノリシックに集積化されていることから、ハイブリット
に実装したものに比べて小型であり、また、半導体光素
子−レンズ間の位置合わせは、半導体プレーナ技術によ
って行うことができることから、正確かつ容易に行うこ
とができる。また、光ファイバーと本発明によるレンズ
付半導体光素子を光学的に結合させる場合、光ファイバ
ー及びレンズを同一直線上に配置することができる。ま
た、レンズによる光の集光は、該主表面に対して水平及
び垂直な方向ともにレンズの物理的な曲率形状によって
行われることから、屈折率分布を用いる場合に比べて作
製を安定的に行うことができる。
【0025】次に図3は本発明に係る並列光伝送モジュ
ールの一実施例を示す図である。この並列光伝送モジュ
ールでは、光出力用の、請求項2のレンズ付半導体光素
子(図1)を半導体基板の主表面上に直線上配置したレ
ンズ付半導体光素子アレイ71と、光入力用の、請求項
3のレンズ付半導体光素子(図2)を半導体基板の主表
面上に直線上配置したレンズ付半導体光素子アレイ72
とを隣接して配置し、各々のレンズ付半導体光素子は光
ファイバー65と光学的に結合されている。レンズ付半
導体光素子アレイ71及び72の各半導体光素子3,5
は駆動IC66と電気的に配線されており、信号線67
の電気信号は、この駆動IC66を介して、各々の半導
体光素子3,5に分配される。
【0026】この並列光伝送用モジュールでは、集光用
のレンズ4が半導体光素子3,5にモノリシックに集積
されていることから、モジュール組立時に、半導体光素
子−レンズ間の位置合わせを行う必要がなく、また、レ
ンズをハイブリットに実装する場合に比べてモジュール
を小型化できる。また、光ファイバー65及びレンズ4
を同一直線上に配置することができることから、半導体
基板の主表面に対して垂直に光ファイバーを配置するモ
ジュールに比べて実装が容易であるという特徴を有す
る。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜の発
明によれば、レンズ及び半導体光素子(端面発光型発光
ダイオードまたは端面受光型フォトダイオード)が同一
基板上にモノリシックに集積化されていることから、ハ
イブリットに実装したものに比べて小型であり、また、
半導体光素子−レンズ間の位置合わせは、半導体プレー
ナ技術によって行うことができることから、正確かつ容
易に行うことができる。また、レンズによる光の集光
は、半導体基板の主表面に対して水平及び垂直な方向と
もにレンズの物理的な曲率形状によって行われることか
ら、屈折率分布を用いる場合に比べて作製を安定的に行
うことができる。また、光ファイバーと本発明によるレ
ンズ付半導体光素子を光学的に結合させる場合、光ファ
イバー及びレンズを同一直線上に配置することができ、
半導体基板の主表面に対して垂直に光ファイバーを配置
するモジュールに比べて、モジュール作製時の実装がよ
り容易になる。
【0028】本発明による並列伝送用モジュールでは、
集光用のレンズが半導体光素子にモノリシックに集積化
されていることから、モジュール組立時に、半導体光素
子−レンズ間の位置合わせを行う必要がなく、また、レ
ンズをハイブリッドに実装する場合に比べてモジュール
を小型化できる。また、光ファイバー及びレンズを同一
直線上に配置することができることから、半導体基板の
主表面に対して垂直に光ファイバーを配置するモジュー
ルに比べて、実装が容易であるという特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すレンズ付半導体光素子
の断面図である。
【図2】本発明の別の実施例を示すレンズ付半導体光素
子の断面図である。
【図3】本発明のさらに別の実施例を示す並列光伝送モ
ジュールの要部斜視図である。
【図4】本発明によるレンズ付半導体光素子のレンズ部
の製造方法の説明図である。
【符号の説明】
1:SiO2層 2:SiNX層 3:発光ダイオード部(半導体光素子) 4:レンズ部 5:フォトダイオード部(半導体光素子) 21:n−GaAs基板 26:ポリイミド層(絶縁層) 27:Al配線電極 28:Au/Au−Zn裏面電極 29:SiNX層 30:SiO2レンズ 31:コンタクトホール 41:n−Al0.4Ga0.6Asクラッド層 42:n−GaAs活性層 43:p−Al0.4Ga0.6Asクラッド層 44:p−GaAsコンタクト層 51:n−Al0.4Ga0.6Asクラッド層 52:n−GaAs活性層 53:p−Al0.4Ga0.6Asクラッド層 54:p−GaAsコンタクト層 62:入力光 63:出力光 65:光ファイバー 66:駆動IC 67:信号線 71,72:半導体光素子アレイ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 31/00 - 31/12 H01L 33/00 H01S 5/00 - 5/50

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板の主表面上に形成され、該主表
    面に対して水平方向に光の受光もしくは発光を行うこと
    ができる半導体光素子からなり、該光が透過することが
    でき、かつ該半導体光素子と異種の材料の薄膜で形成さ
    れ、かつ該主表面に垂直な面から見て曲線形状を持つレ
    ンズが、該主表面上に一体に、該半導体光素子の光軸上
    に集積されているレンズ付半導体光素子であって、前記
    レンズ部分は、下地層としてSiN X (X≧1)を用い、
    かつ該下地層の上部にレンズ層としてSiO 2 を用い、
    エッチングによりSiO 2 層が基板面に対して水平並び
    に垂直な方向に曲線形状を持つように形成したことを特
    徴とするレンズ付半導体光素子。
  2. 【請求項2】請求項1記載のレンズ付半導体光素子にお
    いて、半導体光素子部分が半導体基板の主表面に対して
    水平方向に光を出射できる端面発光型の発光ダイオード
    であることを特徴とするレンズ付半導体光素子。
  3. 【請求項3】請求項1記載のレンズ付半導体光素子にお
    いて、半導体光素子部分が半導体基板の主表面に対して
    水平方向から入射する光を検出できる端面受光型のフォ
    トダイオードであることを特徴とするレンズ付半導体光
    素子。
  4. 【請求項4】請求項1または2または3記載のレンズ付
    半導体光素子の製造方法であって、 前記レンズ部分を作製する場合において、まずSiN X
    (X≧1)を下層にSiO 2 を上層に成膜し、該2層をS
    iN X の方がSiO 2 層よりも面積が小さく成るように
    SiO 2 /SiN X 層をエッチングし、その後にHFの含
    有するエッチング液によってエッチングして、SiO 2
    層が基板面に対して水平並びに垂直な方向に曲線形状を
    持つように形成することを特徴とするレンズ付半導体光
    素子の製造方法。
  5. 【請求項5】複数本の光ファイバーに対して光の入力も
    しくは出力を行う並列光伝送用モジュールにおいて、少
    なくとも2つ以上の、請求項1もしくは請求項2あるい
    は請 求項3のレンズ付半導体光素子を、同一基板上に直
    線上に形成したアレイを用い、該レンズ付半導体光素子
    アレイの光の入射もしくは出射方向に光ファイバーを配
    置したことを特徴とする並列光伝送用モジュール。
JP8925095A 1995-04-14 1995-04-14 レンズ付半導体光素子及びその製造方法並びに並列光伝送用モジュール Expired - Fee Related JP3153728B2 (ja)

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