JP3153397B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、プラズマ処理装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】例えば半導体ウエハ(以下、「ウエハ」
という)にプラズマによってエッチング処理を施すよう
に構成されたプラズマエッチング装置を例にとって説明
すると、このようなプラズマエッチング装置において
は、プラズマ処理終点の検出を行うための終点検出装置
が設けられている。そして従来のこの種の終点検出装置
は、一般的に気密に構成された処理室の側壁などに処理
室内をモニターするための窓を設け、この窓を通じて処
理室内のプラズマ発光の発光強度を終点検出器などで測
定して、プラズマ処理終点を検出するように構成されて
いる。
【0003】ところが処理回数が増加すると、エッチン
グ時の反応性生物が前記窓に付着し、前記終点検出器へ
の入力光が減衰し、その結果終点検出の精度が低下する
という問題が生ずる。そのため適宜前記モニター用の窓
をクリーニングするという煩雑さが伴う。かかる点に鑑
み、従来は例えば特開平3−75389号公報において
開示されているように、前記モニター用の窓を加熱する
手段を当該窓に設け、これによって当該窓を加熱して反
応性生物の付着を抑制することが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところでプラズマエッ
チング装置などのプラズマ処理装置においては、所定の
減圧雰囲気の下で処理を行うことが必要であるため、そ
の処理室は高度の気密性が要求されている。そのためこ
の処理室の側壁などに前記モニター用の窓を設ける場合
には、例えばOリングなどのシール材を介して、これを
取り付けるように構成されている。
【0005】ところが既述の従来技術によれば、単に前
記モニター用の窓を加熱する手段を当該窓に設けてある
ため、加熱に伴って前記Oリングなどのシール材が熱変
形を起こすおそれがある。そのようにシール材が熱変形
を起こすと、前記処理室の気密性が阻害され、所定のプ
ラズマ処理が行えず、歩留まりが低下する。またヒータ
などの加熱手段を単に前記モニター用の窓に設けるだけ
では、加熱効率もさほどよくない。
【0006】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、前記したプラズマ発光をモニターするために設け
られたモニター用の窓などを直接加熱しても、前記Oリ
ングなどのシール材が熱変形を起さず、しかも従来より
モニター用の窓等に対する加熱効率が向上した新しい
プラズマ処理装置を提供して、上記問題の解決を図るこ
とを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1によれば、被処理体に対してプラズマ処理
を行うための気密な処理室と,処理室の壁の一部にシー
ル材を介して気密に設けられ,処理室内で発生するプラ
ズマ発光を透過させる光透過部材を有する窓部とを具備
したプラズマ処理装置において,前記光透過部材に設け
られてこの光透過部材を加熱する加熱装置を有し,前記
シール材と前記加熱装置との間における前記光透過部材
に、溝が設けられたことを特徴とする、プラズマ処理装
置が提供される。
【0008】また請求項2によれば、前記加熱装置が,
光透過部材における処理室とは反対側に形成された装着
用溝内に設けられており,加熱装置と装着用溝との間に
は,熱伝導性が良好な充填材が充填されているプラズマ
処理装置が提供される。
【0009】
【作用】請求項1のプラズマ処理装置によれば,シール
材と前記加熱装置との間における光透過部材に、溝が設
けられているので,光透過部材を構成する材質,例えば
瀬気液ガラスを伝ってシール材に直線的に伝導しようと
する加熱装置からの熱は,当該溝によって遮断される。
従って,加熱装置から前記シール材へと伝わる伝導熱は
従来よりも大幅に低下し,シール材が熱によって変形す
ることを防止することが可能である。またそのように伝
導熱は前記溝によって遮断されるので,その分周囲へ放
熱される熱量が低減し,光透過部材を効率よく加熱する
ことが可能になっている。
【0010】 請求項2によれば,加熱装置と装着用溝
との間には,熱伝導性が良好な充填材が充填されている
ので,光透過部材はなお一層効率よく加熱される。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて説明す
れば、図1は本実施例にかかる半導体ウエハ(以下、
「ウエハ」という)のエッチング処理装置の側面断面を
模式的に示しており、気密に閉塞自在に構成された処理
室1は、例えば表面がアルマイト処理されたアルミニウ
ム等によって略円筒状に構成されている。
【0012】前記処理室1内の下部には、セラミックな
どの絶縁部材2を介して、サセプタ支持台3が設けられ
ており、このサセプタ支持台3の内部には、例えば冷却
ジャケットなどの冷却室4が形成されており、さらにこ
の冷却室4には、前記処理室1の底部に設けられた冷媒
導入管5から導入され、かつ冷媒排出管6から排出され
る冷却冷媒が循環するように構成されている。
【0013】前記サセプタ支持台3の上面には、例えば
表面がアルマイト処理されたアルミニウム等の材質から
なり下部電極を構成するサセプタ7が設けられており、
さらにこのサセプタ7の上面には、被処理体であるウエ
ハWが載置される静電チャック8が設けられている。
【0014】前記サセプタ7の内部には、ガス導入管9
と通ずるガス流路10が形成されており、別設のガス供
給装置(図示せず)によって例えばHeガスをこのガス
導入管9に供給すると、このHeガスには前出冷却冷媒
によって所定温度にされた上記サセプタ支持台3の冷熱
が熱伝導される。そしてそのようにして冷却されたHe
ガスにより、上記静電チャック8上に載置、保持された
半導体ウエハWが所定の温度に冷却されるように構成さ
れている。
【0015】前記サセプタ7は、処理室1外部にて、ブ
ロッキングコンデンサ11、マッチング回路12を介し
て高周波電源13と接続されており、この高周波電源1
3によって、前記サセプタには、例えば周波数が13.
56MHzの高周波電力が印加されるように構成されて
いる。
【0016】前出静電チャック8は、例えば電界箔銅か
らなる導電層14を上下両側からポリイミド・フィルム
等の絶縁体で挟んで接着した構成を有し、この導電層1
4はさらに供給リード線16を介して処理室1外部の高
圧直流電源17に接続されている。そしてこの高圧直流
電源17によって直流電圧が前記導電層14に印加され
ると、その際に発生するクーロン力によって前記ウエハ
Wは前記静電チャック8に吸引保持されるように構成さ
れている。
【0017】一方前記処理室1内の上部には、接地線2
1によって接地された上部電極22が設けられている。
この上部電極22は中空部23を有しており、また前記
サセプタ7との対向面24は例えばアモルファス・カー
ボンなどの材質で構成されている。そして前記中空部2
3に通ずる多数の吐出口25がこの対向面24に設けら
れ、また一方前記上部電極22の上部には、前記中空部
23に通ずるガス導入口26が設けられている。従っ
て、別設の処理ガス供給装置(図示せず)からエッチン
グ反応ガスをこのガス導入口26に供給すると、当該エ
ッチング反応ガスは、前記多数の吐出口25から、前記
サセプタ7に向けて均一に吐出される構成となってい
る。
【0018】また前記処理室1の排気系についていう
と、前記処理室1内の底部近傍には、排気管31が設け
られており、さらにこの排気管31は、例えば真空ポン
プなどの排気手段32に接続されている。そして前記排
気手段32の作動によって、前記処理室1内は、真空引
きされて所定の減圧雰囲気、例えば0.5Torrに維
持できるように構成されている。
【0019】そして前記処理室1の一側の側壁1aに
は、図2に示したような窓部41が設けられている。こ
の窓部41の構成は次のようになっている。即ち前記側
壁1aにこの側壁1aを貫通する開口部42が設けら
れ、さらにこの開口部42の外方に前記開口部42より
大きい凹部43が設けられ、この凹部43における処理
室1側壁面における前記開口部42の周囲に、嵌め込み
溝44が設けられている。そしてこの嵌め込み溝44内
に、Oリング45がはめ込まれ、その外方から前記凹部
43内に、光透過部材46が嵌め込まれ、最後にこの光
透過部材46の外方から、適宜の取付部材47を前記側
壁1aに押圧固定することにより、前記光透過部材46
が前記側壁1aに固定されて、前記窓部41が構成され
ている。
【0020】前記光透過部材46は、例えば石英ガラス
などの材質からなり全体として直方体の形状を有し、ま
た前記凹部43よりも若干小さい外形を有しており、加
熱された際に膨張しても、その膨張分が許容されてこの
光透過部材46が損傷するのが防止されている。
【0021】そしてこの光透過部材46の外方側には、
2本の装着用溝51、52が上下二段に設けられ、これ
ら各装着用溝51、52内に、加熱装置として棒状のカ
ートリッジヒータ53が夫々装着されている。かかる装
着にあたっては、図3に示したように、カートリッジヒ
ータ53の両端部に夫々シリコンラバー54、55をあ
てがって、そのまま各装着用溝51、52内に納入し、
さらに図2に示したように、納入したカートリッジヒー
タ53と各装着用溝51、52内壁との間の隙間を埋め
るようにして伝熱セメント56で充填、固定されてい
る。この伝熱セメント56は、約400゜Cの耐熱性を
有しており、しかも熱伝導性が極めて良好な材質からな
っている。
【0022】前記光透過部材46には、さらに熱電対な
どによって構成された温度検出装置57が設けられてお
り、検出した信号は図1に示したように温度制御装置5
8に入力され、それに基づいてこの温度制御装置58は
前記カートリッジヒータ53を制御して、前記光透過部
材46を、例えば+100゜C〜+300゜Cまでの間
の任意の値に設定、維持することが可能なように構成さ
れている。
【0023】そして前記光透過部材46の処理室1内側
面には、図2、図4、図5に示したように、伝熱分離溝
59が設けられている。この伝熱分離溝59は、図5に
示したように、2つのカートリッジヒータ53を囲むよ
うにして、前出Oリング45の当接位置A(図5におけ
る斜線部)とこれらカートリッジヒータ53との間に位
置するように設けられている。
【0024】以上のような構成が施された前出窓部41
の外方には、図1に示したように、前記の光透過部材4
6を介して、処理室1内のサセプタ7と上部電極22と
の間に発生するプラズマ発光を受光する受光部60を具
備した終点検出器61が配置されている。
【0025】本実施例にかかるプラズマ処理装置として
エッチング処理装置は以上のように構成されており、
次にその動作について説明すると、まず処理室1の側面
に設けられたゲートバルブ(図示せず)が開かれ、搬送
アームなどの搬送装置(図示せず)によって、ウエハW
がこの処理室1内に搬入されて静電チャック8上の所定
の位置に載置され、前記搬送装置が処理室1外へ待避し
た後、高圧直流電源17からの直流電圧の印加によっ
て、前記ウエハWはこの静電チャック8上に吸着保持さ
れる。
【0026】そして別設の処理ガス供給装置から供給さ
れる、エッチング反応ガス例えばCF4ガスが、ガス導
入口26から上部電極22の吐出口25を経て、上記ウ
エハWに向かって吐出され、それと同時に排気手段32
が作動してこの処理室1内の圧力は例えば0.5Tor
rに維持される。次いで高周波電源13によって、例え
ば周波数が13.56MHz、電力が1kwに夫々設定
された高周波電力を前出サセプタ7に印加させると、上
部電極22とサセプタ7との間にプラズマが発生し、前
記ウエハWに対して所定のエッチング処理がなされる。
【0027】このときのプラズマ発光は前記窓部41の
光透過部材46を通じて前記終点検出器61の受光部6
0で受光されて、例えばプラズマ定常状態における発光
強度を100とした場合、これが60に低下した時点で
プラズマ処理終点として判断される。その間、前記光透
過部材46の処理室1側面に反応生成物が付着しないよ
うに、前記カートリッジヒータ53によってこの光透過
部材46は例えば200゜Cまで加熱されており、その
ときの熱は伝導によって、前記光透過部材46と処理室
1の側壁1aとの間の気密性を確保しているOリング4
5にも直線的に伝わろうとする。
【0028】ところが、前記カートリッジヒータ53と
このOリング45との間には、伝熱分離溝59が設けら
れているので、かかる熱伝導はこの伝熱分離溝59の部
分で遮断される。従って、このOリング45に伝わる熱
量は大幅に低減し、その結果、このOリング45の温度
はさほど上昇することなく、熱変形も起こさない。従っ
て、光透過部材46と処理室1の側壁1aとの間の気密
性は良好に維持される。
【0029】またそのように前記伝熱分離溝59の部分
で熱伝導が大きく遮断されるので、熱伝導による放熱は
抑えられ、その結果前記伝熱分離溝59で囲まれた内側
のエリアに対する加熱効率は向上している。換言すれ
ば、前記伝熱分離溝59で囲まれた領域はいわば加熱領
域となり、前記カートリッジヒータ53はこの加熱領域
のみを主として加熱しているのである。従って、従来よ
りも加熱効率が大きく向上しているものである。
【0030】さらにまたこのカートリッジヒータ53と
光透過部材46の装着用溝51、52との間には、熱伝
導性が良好な伝熱セメント56が充填されているので、
このカートリッジヒータ53が直接発生する熱は、効率
よく光透過部材46に熱伝導され、このカートリッジヒ
ータ53による前記加熱領域に対する加熱効率はなお一
層向上しているものである。
【0031】また前記カートリッジヒータ53の両端部
には、シリコンラバー54、55が設けられているの
で、前記した伝熱セメント56の充填と相俟って、各カ
ートリッジヒータ53は前記装着用溝51、52内でぐ
らつくことはなく、安定して装着されている。
【0032】しかもそのように前記カートリッジヒータ
53の両端部にシリコンラバー54、55が設けられて
いるから、加熱作動時のカートリッジヒータ53自体の
膨張は、これらシリコンラバー54、55によって吸収
されるので、カートリッジヒータ53の膨張によって、
装着用溝51、52内壁に過大な圧力がかかって、光透
過部材46が損傷することもない。
【0033】以上のように、本実施例によれば光透過部
材46に簡易な構成を施すことにより、光透過部材46
と処理室1の側壁1aとの間の気密性を確保しているO
リング45に対する熱変形が防止され、しかもカートリ
ッジヒータ53による加熱効率も大きく向上しているも
のである。
【0034】なお上記実施例は、エッチング処理装置に
適用した例であったが、これに限らず例えばアッシング
装置やCVD装置など、本発明は処理室内にプラズマを
発生させる他のプラズマ処理装置に対して適用すること
が可能である。
【0035】
【発明の効果】請求項1〜のプラズマ処理装置によれ
ば、プラズマ発光を測定するための光透過部材を加熱
で加熱しても、この光透過部材と処理室の側壁との間
に介在して気密性を確保しているシール材が、熱変形す
ることが防止される。従って、前記処理室内の気密性を
良好に維持できる。しかも従来よりも効率よく光透過部
材を加熱することが可能である。
【0036】請求項のプラズマ処理装置では,溝がい
わば熱遮蔽手段であり,その形成が容易である。さらに
請求項のプラズマ処理装置によれば、前記したシール
材の熱変形が防止されるとともに、請求項よりもさら
に効率よく、光透過部材を加熱することが可能になって
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を使用したエッチング処理装置
の断面を模式的に示した説明図である。
【図2】本発明の実施例の構成を示すための、前記エッ
チング処理装置の要部拡大断面図である。
【図3】本発明の実施例における光透過部材の斜視図で
ある。
【図4】本発明の実施例における光透過部材の正面図で
ある。
【図5】本発明の実施例における光透過部材の背面図で
ある。
【符号の説明】
1 処理室 7 サセプタ 13 高周波電源 22 上部電極 41 窓部 45 Oリング 46 光透過部材 53 カートリッジヒータ 56 伝熱セメント 59 伝熱分離溝 60 受光部 61 終点検出器 W ウエハ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理体に対してプラズマ処理を行うた
    めの気密な処理室と,処理室の壁の一部にシール材を介
    して気密に設けられ,処理室内で発生するプラズマ発光
    を透過させる光透過部材を有する窓部とを具備したプラ
    ズマ処理装置において,前記光透過部材に設けられてこの光透過部材を加熱する
    加熱装置を有し, 前記シール材と前記加熱装置との間における前記光透過
    部材に、溝が設けられた ことを特徴とする、プラズマ処
    理装置。
  2. 【請求項2】 加熱手段は,光透過部材における処理室
    とは反対側に形成された装着用溝内に設けられており,
    加熱装置と装着用溝との間には,熱伝導性が良好な充填
    材が充填されていることを特徴とする、請求項1に記載
    のプラズマ処理装置。
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