JP3153133B2 - アルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯のナトリウム濃度測定方法 - Google Patents
アルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯のナトリウム濃度測定方法Info
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- JP3153133B2 JP3153133B2 JP26828496A JP26828496A JP3153133B2 JP 3153133 B2 JP3153133 B2 JP 3153133B2 JP 26828496 A JP26828496 A JP 26828496A JP 26828496 A JP26828496 A JP 26828496A JP 3153133 B2 JP3153133 B2 JP 3153133B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム又は
アルミニウム合金の溶湯中に含まれるナトリウムの濃度
を測定方法に関する。
アルミニウム合金の溶湯中に含まれるナトリウムの濃度
を測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム又はアルミニウム合金の溶
湯中にナトリウムを添加したり、当該溶湯中から不純物
ナトリウムを除去したりする際に、当該溶湯中に含まれ
るナトリウムの濃度を測定するためのセンサが、本願出
願人により提案されている(特願平8−255972
号)。
湯中にナトリウムを添加したり、当該溶湯中から不純物
ナトリウムを除去したりする際に、当該溶湯中に含まれ
るナトリウムの濃度を測定するためのセンサが、本願出
願人により提案されている(特願平8−255972
号)。
【0003】図1は、このナトリウム濃度センサを、溶
湯を満たした容器にセットした状態を示す断面説明図で
ある。ナトリウム濃度センサ10は、2つの電極11、
12を有する。一方の電極11は、ナトリウム濃度を測
定しようとするアルミニウム又はアルミニウム合金の溶
湯1中に差し込まれる。他方の電極12は、ナトリウム
イオン導電性の固体電解質からなる固体電解質管13内
に収容された既知量のナトリウムを含む溶融塩14中に
差し込まれる。
湯を満たした容器にセットした状態を示す断面説明図で
ある。ナトリウム濃度センサ10は、2つの電極11、
12を有する。一方の電極11は、ナトリウム濃度を測
定しようとするアルミニウム又はアルミニウム合金の溶
湯1中に差し込まれる。他方の電極12は、ナトリウム
イオン導電性の固体電解質からなる固体電解質管13内
に収容された既知量のナトリウムを含む溶融塩14中に
差し込まれる。
【0004】これら2つの電極11、12は、電流計1
5及び抵抗16が接続された電線18を介して互いに電
気的に接続されている。また、電線18には、電圧計1
7が抵抗16と並列に接続されている。既知量のナトリ
ウムを含む溶融塩14と電極12とが収容された固体電
解質管13は、容器2に満たされた前記ナトリウム濃度
を測定しようとする溶湯1中に、その大部分が沈んだ状
態とされる。
5及び抵抗16が接続された電線18を介して互いに電
気的に接続されている。また、電線18には、電圧計1
7が抵抗16と並列に接続されている。既知量のナトリ
ウムを含む溶融塩14と電極12とが収容された固体電
解質管13は、容器2に満たされた前記ナトリウム濃度
を測定しようとする溶湯1中に、その大部分が沈んだ状
態とされる。
【0005】このような状態とすると、ナトリウム濃度
を測定しようとする溶湯1と、固体電解質管13内の溶
融塩14とのナトリウム濃度の差に基づいて両電極1
1、12間に電位差が生じる。予めその電位差の値に対
応したナトリウム濃度を求めておけば、生じた電位差を
検出することにより、当該電位差の値に対応した溶湯1
のナトリウム濃度を測定することができる。
を測定しようとする溶湯1と、固体電解質管13内の溶
融塩14とのナトリウム濃度の差に基づいて両電極1
1、12間に電位差が生じる。予めその電位差の値に対
応したナトリウム濃度を求めておけば、生じた電位差を
検出することにより、当該電位差の値に対応した溶湯1
のナトリウム濃度を測定することができる。
【0006】具体的には、固体電解質管13に収容され
た既知量のナトリウムを含む溶融塩14のナトリウム濃
度に基づいて、予め、図2のような、電位差と溶湯のナ
トリウム濃度との関係を示す検量線を作成しておき、ナ
トリウム濃度センサ10で検出された電位差から、即座
にその電位差の値に対応した溶湯1のナトリウム濃度を
求める。
た既知量のナトリウムを含む溶融塩14のナトリウム濃
度に基づいて、予め、図2のような、電位差と溶湯のナ
トリウム濃度との関係を示す検量線を作成しておき、ナ
トリウム濃度センサ10で検出された電位差から、即座
にその電位差の値に対応した溶湯1のナトリウム濃度を
求める。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
検量線を用いて溶湯のナトリウム濃度を求めようとする
場合、基準となる固体電解質管13内に収容された溶融
塩14のナトリウム濃度が既知である必要がある。この
ため、上記センサでは、溶融塩14中に既知量のナトリ
ウムが含まれるようにしている。
検量線を用いて溶湯のナトリウム濃度を求めようとする
場合、基準となる固体電解質管13内に収容された溶融
塩14のナトリウム濃度が既知である必要がある。この
ため、上記センサでは、溶融塩14中に既知量のナトリ
ウムが含まれるようにしている。
【0008】しかしながら、溶融塩14のナトリウム濃
度は、一度溶湯1のナトリウム濃度の測定を行うと当初
の既知の濃度からズレが生じる。すなわち、溶湯1のナ
トリウム濃度が、固体電解質管13内に収容された溶融
塩14のナトリウム濃度より高い場合は、測定中に、溶
湯1中から固体電解質管13内にナトリウムイオンが入
り込んで溶融塩14のナトリウム濃度が徐々に高くなっ
て行き、逆に、溶湯1のナトリウム濃度が、固体電解質
管13内に収容された溶融塩14のナトリウム濃度より
低い場合は、測定中に、固体電解質管13内の溶融塩1
4中から溶湯1中にナトリウムイオンが出ていくので溶
融塩14のナトリウム濃度が徐々に低くなって行く。
度は、一度溶湯1のナトリウム濃度の測定を行うと当初
の既知の濃度からズレが生じる。すなわち、溶湯1のナ
トリウム濃度が、固体電解質管13内に収容された溶融
塩14のナトリウム濃度より高い場合は、測定中に、溶
湯1中から固体電解質管13内にナトリウムイオンが入
り込んで溶融塩14のナトリウム濃度が徐々に高くなっ
て行き、逆に、溶湯1のナトリウム濃度が、固体電解質
管13内に収容された溶融塩14のナトリウム濃度より
低い場合は、測定中に、固体電解質管13内の溶融塩1
4中から溶湯1中にナトリウムイオンが出ていくので溶
融塩14のナトリウム濃度が徐々に低くなって行く。
【0009】そして、このように固体電解質管13内に
収容された溶融塩14のナトリウム濃度が変化し、当該
ナトリウム濃度が不明になると、そのままでは、次の測
定時において、溶湯1のナトリウム濃度を正確に求める
ことができない。
収容された溶融塩14のナトリウム濃度が変化し、当該
ナトリウム濃度が不明になると、そのままでは、次の測
定時において、溶湯1のナトリウム濃度を正確に求める
ことができない。
【0010】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、上述のようなナトリウム濃度センサを用
いて、アルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯のナト
リウム濃度を複数回にわたって測定する場合において、
前回の測定により固体電解質管内に収容された溶融塩の
ナトリウム濃度が変化しても、それ以降の測定を正確に
行い得るナトリウム濃度の測定方法を提供することを目
的とする。
たものであり、上述のようなナトリウム濃度センサを用
いて、アルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯のナト
リウム濃度を複数回にわたって測定する場合において、
前回の測定により固体電解質管内に収容された溶融塩の
ナトリウム濃度が変化しても、それ以降の測定を正確に
行い得るナトリウム濃度の測定方法を提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、互いに
電気的に接続された2つの電極を有し、一方の電極を、
ナトリウム濃度を測定しようとするアルミニウム又はア
ルミニウム合金の溶湯中に差し込み、他方の電極を、固
体電解質管内に収容された既知量のナトリウムを含む溶
融塩中に差し込み、前記固体電解質管をその大部分が前
記ナトリウム濃度を測定しようとする溶湯中に沈んだ状
態として、ナトリウム濃度を測定しようとする溶湯と、
固体電解質管内の溶融塩とのナトリウム濃度の差に基づ
いて両電極間に生じた電位差を検出することにより、当
該電位差の値に対応した溶湯のナトリウム濃度を測定す
るようにしたナトリウム濃度センサを用い、複数回にわ
たって溶湯のナトリウム濃度を測定する場合において、
両電極間に直流電源を接続し、前回の測定時に両電極間
に流れた電気量と同等の電気量の電流を両電極間に逆方
向に流すことにより、前回の測定により変化した、前記
固体電解質管内に収容された溶融塩のナトリウム濃度
を、前回の測定前の濃度に回復させ、しかるのち次の測
定を行うことを特徴とする溶湯のナトリウム濃度測定方
法(第一発明)、が提供される。
電気的に接続された2つの電極を有し、一方の電極を、
ナトリウム濃度を測定しようとするアルミニウム又はア
ルミニウム合金の溶湯中に差し込み、他方の電極を、固
体電解質管内に収容された既知量のナトリウムを含む溶
融塩中に差し込み、前記固体電解質管をその大部分が前
記ナトリウム濃度を測定しようとする溶湯中に沈んだ状
態として、ナトリウム濃度を測定しようとする溶湯と、
固体電解質管内の溶融塩とのナトリウム濃度の差に基づ
いて両電極間に生じた電位差を検出することにより、当
該電位差の値に対応した溶湯のナトリウム濃度を測定す
るようにしたナトリウム濃度センサを用い、複数回にわ
たって溶湯のナトリウム濃度を測定する場合において、
両電極間に直流電源を接続し、前回の測定時に両電極間
に流れた電気量と同等の電気量の電流を両電極間に逆方
向に流すことにより、前回の測定により変化した、前記
固体電解質管内に収容された溶融塩のナトリウム濃度
を、前回の測定前の濃度に回復させ、しかるのち次の測
定を行うことを特徴とする溶湯のナトリウム濃度測定方
法(第一発明)、が提供される。
【0012】また、本発明によれば、互いに電気的に接
続された2つの電極を有し、一方の電極を、ナトリウム
濃度を測定しようとするアルミニウム又はアルミニウム
合金の溶湯中に差し込み、他方の電極を、固体電解質管
内に収容された既知量のナトリウムを含む溶融塩中に差
し込み、前記固体電解質管をその大部分が前記ナトリウ
ム濃度を測定しようとする溶湯中に沈んだ状態として、
ナトリウム濃度を測定しようとする溶湯と、固体電解質
管内の溶融塩とのナトリウム濃度の差に基づいて両電極
間に生じた電位差を検出することにより、当該電位差の
値に対応した溶湯のナトリウム濃度を測定するようにし
たナトリウム濃度センサを用い、複数回にわたって溶湯
のナトリウム濃度を測定する場合において、前回の測定
時に両電極間に流れた電気量より、前記固体電解質管を
透過して、前記溶融塩中から前記溶湯中へ又は前記溶湯
中から前記溶融塩中へ移動したナトリウムの量を算出す
ることにより、前回の測定後に前記溶融塩中に含まれて
いるナトリウム量を求め、当該ナトリウム量を、固体電
解質管内に収容された溶融塩中に含まれるナトリウムの
既知量として新たに設定し直して、次の測定を行うこと
を特徴とする溶湯のナトリウム濃度測定方法(第二発
明)、が提供される。
続された2つの電極を有し、一方の電極を、ナトリウム
濃度を測定しようとするアルミニウム又はアルミニウム
合金の溶湯中に差し込み、他方の電極を、固体電解質管
内に収容された既知量のナトリウムを含む溶融塩中に差
し込み、前記固体電解質管をその大部分が前記ナトリウ
ム濃度を測定しようとする溶湯中に沈んだ状態として、
ナトリウム濃度を測定しようとする溶湯と、固体電解質
管内の溶融塩とのナトリウム濃度の差に基づいて両電極
間に生じた電位差を検出することにより、当該電位差の
値に対応した溶湯のナトリウム濃度を測定するようにし
たナトリウム濃度センサを用い、複数回にわたって溶湯
のナトリウム濃度を測定する場合において、前回の測定
時に両電極間に流れた電気量より、前記固体電解質管を
透過して、前記溶融塩中から前記溶湯中へ又は前記溶湯
中から前記溶融塩中へ移動したナトリウムの量を算出す
ることにより、前回の測定後に前記溶融塩中に含まれて
いるナトリウム量を求め、当該ナトリウム量を、固体電
解質管内に収容された溶融塩中に含まれるナトリウムの
既知量として新たに設定し直して、次の測定を行うこと
を特徴とする溶湯のナトリウム濃度測定方法(第二発
明)、が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】まず、第一発明に係る測定方法に
ついて説明する。第一発明の測定方法は、上述の図1に
示すナトリウム濃度センサ10を用いて、複数回にわた
って溶湯1のナトリウム濃度を測定する場合において、
前回の測定により変化した、固体電解質管13内に収容
された溶融塩14のナトリウム濃度を、前回の測定前の
既知の濃度に回復させ、その後に次の測定を行うもので
ある。
ついて説明する。第一発明の測定方法は、上述の図1に
示すナトリウム濃度センサ10を用いて、複数回にわた
って溶湯1のナトリウム濃度を測定する場合において、
前回の測定により変化した、固体電解質管13内に収容
された溶融塩14のナトリウム濃度を、前回の測定前の
既知の濃度に回復させ、その後に次の測定を行うもので
ある。
【0014】このように、溶融塩14のナトリウム濃度
を、当初の既知の濃度に回復させてから、溶湯1のナト
リウム濃度の測定を行うことにより、複数回にわたって
測定を行う場合においても、常に正確な測定を行うこと
ができる。
を、当初の既知の濃度に回復させてから、溶湯1のナト
リウム濃度の測定を行うことにより、複数回にわたって
測定を行う場合においても、常に正確な測定を行うこと
ができる。
【0015】すなわち、この測定方法では、いずれの測
定時においても、当初の既知量のナトリウムを含む溶融
塩14のナトリウム濃度に基づいて作成された、同一の
検量線を用いて、溶湯1のナトリウム濃度を求めること
ができる。
定時においても、当初の既知量のナトリウムを含む溶融
塩14のナトリウム濃度に基づいて作成された、同一の
検量線を用いて、溶湯1のナトリウム濃度を求めること
ができる。
【0016】前回の測定により変化した溶融塩14のナ
トリウム濃度を、前回の測定前の当初の既知濃度に回復
させる手段としては、両電極11、12間に直流電源を
接続し、前回の測定時に両電極11、12間に流れた電
気量と同等の電気量の電流を、前回の測定時に流れた電
流の方向と逆方向になるように、両電極11、12間に
流せばよい。
トリウム濃度を、前回の測定前の当初の既知濃度に回復
させる手段としては、両電極11、12間に直流電源を
接続し、前回の測定時に両電極11、12間に流れた電
気量と同等の電気量の電流を、前回の測定時に流れた電
流の方向と逆方向になるように、両電極11、12間に
流せばよい。
【0017】具体的には、前回の測定において、当初の
溶融塩14のナトリウム濃度が溶湯1のナトリウム濃度
より低く、溶湯1中から溶融塩14中へとナトリウムイ
オンが移動した場合は、溶融塩14中に差し込まれた電
極12を直流電源の正極側に接続し、溶湯1中差し込ま
れた電極11を負極側に接続して、直流電流を流すよう
にする。これにより、前回の測定時に、溶湯1中から溶
融塩14中へ移動したナトリウムイオンと同量のナトリ
ウムイオンが、溶融塩14中から溶湯1中へと移動し、
溶融塩14のナトリウム濃度が前回の測定前の既知の濃
度に戻る。
溶融塩14のナトリウム濃度が溶湯1のナトリウム濃度
より低く、溶湯1中から溶融塩14中へとナトリウムイ
オンが移動した場合は、溶融塩14中に差し込まれた電
極12を直流電源の正極側に接続し、溶湯1中差し込ま
れた電極11を負極側に接続して、直流電流を流すよう
にする。これにより、前回の測定時に、溶湯1中から溶
融塩14中へ移動したナトリウムイオンと同量のナトリ
ウムイオンが、溶融塩14中から溶湯1中へと移動し、
溶融塩14のナトリウム濃度が前回の測定前の既知の濃
度に戻る。
【0018】また、前回の測定において、当初の溶融塩
14のナトリウム濃度が溶湯1のナトリウム濃度より高
く、溶融塩14中から溶湯1中へとナトリウムイオンが
移動した場合は、溶融塩14中に差し込まれた電極12
を直流電源の負極側に接続し、溶湯1中差し込まれた電
極11を正極側に接続して、直流電流を流すようにす
る。これにより、前回の測定時に、溶融塩14中から溶
湯1中へ移動したナトリウムイオンと同量のナトリウム
イオンが、溶湯1中から溶融塩14中へと移動し、溶融
塩14のナトリウム濃度が前回の測定前の既知の濃度に
戻る。
14のナトリウム濃度が溶湯1のナトリウム濃度より高
く、溶融塩14中から溶湯1中へとナトリウムイオンが
移動した場合は、溶融塩14中に差し込まれた電極12
を直流電源の負極側に接続し、溶湯1中差し込まれた電
極11を正極側に接続して、直流電流を流すようにす
る。これにより、前回の測定時に、溶融塩14中から溶
湯1中へ移動したナトリウムイオンと同量のナトリウム
イオンが、溶湯1中から溶融塩14中へと移動し、溶融
塩14のナトリウム濃度が前回の測定前の既知の濃度に
戻る。
【0019】次に、第二発明に係る測定方法について説
明する。第二発明の測定方法は、上述の図1に示すナト
リウム濃度センサ10を用いて、複数回にわたって溶湯
1のナトリウム濃度を測定する場合において、前回の測
定後に溶融塩14中に含まれているナトリウム量を求
め、当該ナトリウム量を、固体電解質管13内に収容さ
れた溶融塩14中に含まれるナトリウムの既知量として
新たに設定し直して、次の測定を行うものである。
明する。第二発明の測定方法は、上述の図1に示すナト
リウム濃度センサ10を用いて、複数回にわたって溶湯
1のナトリウム濃度を測定する場合において、前回の測
定後に溶融塩14中に含まれているナトリウム量を求
め、当該ナトリウム量を、固体電解質管13内に収容さ
れた溶融塩14中に含まれるナトリウムの既知量として
新たに設定し直して、次の測定を行うものである。
【0020】このように、前回の測定により変化した溶
融塩14中に含まれるナトリウム量を改めて求め、これ
を新たな既知量に設定し直して次の測定を行うことによ
り、複数回にわたって測定を行う場合においても、常に
正確な測定を行うことができる。
融塩14中に含まれるナトリウム量を改めて求め、これ
を新たな既知量に設定し直して次の測定を行うことによ
り、複数回にわたって測定を行う場合においても、常に
正確な測定を行うことができる。
【0021】すなわち、この方法では、前回の測定後に
溶融塩14中に含まれているナトリウム量から、当該溶
融塩14のナトリウム濃度が分かるので、次の測定時に
は、そのナトリウム濃度に基づいて作成された検量線を
用いて、溶湯1のナトリウム濃度を求めることができ
る。
溶融塩14中に含まれているナトリウム量から、当該溶
融塩14のナトリウム濃度が分かるので、次の測定時に
は、そのナトリウム濃度に基づいて作成された検量線を
用いて、溶湯1のナトリウム濃度を求めることができ
る。
【0022】なお、検量線については、予め溶融塩14
のナトリウム濃度を様々に変えて作成した多数の検量線
を用意しておき、その中から、前回の測定後の溶融塩1
4のナトリウム濃度に合致するものを選んで、次の測定
に用いるようにするのが好ましい。
のナトリウム濃度を様々に変えて作成した多数の検量線
を用意しておき、その中から、前回の測定後の溶融塩1
4のナトリウム濃度に合致するものを選んで、次の測定
に用いるようにするのが好ましい。
【0023】例えば、図3が、溶融塩14のナトリウム
濃度1ppmの時の検量線20、3ppmの時の検量線
22、及び5ppmの時の検量線24を示しているとし
た場合において、前回の測定により、溶融塩14のナト
リウム濃度が当初の既知の濃度3ppmから1ppmに
低下したときは検量線20を、また5ppmに上昇した
ときは検量線24を、それぞれ次の測定に用いる。
濃度1ppmの時の検量線20、3ppmの時の検量線
22、及び5ppmの時の検量線24を示しているとし
た場合において、前回の測定により、溶融塩14のナト
リウム濃度が当初の既知の濃度3ppmから1ppmに
低下したときは検量線20を、また5ppmに上昇した
ときは検量線24を、それぞれ次の測定に用いる。
【0024】前回の測定後に溶融塩14中に含まれてい
るナトリウム量は、次のように求めることができる。ま
ず、前回の測定時に両電極11、12間に流れた電気量
より、固体電解質管13を透過して、溶融塩14中から
溶湯1中へ又は溶湯1中から溶融塩14中へ移動したナ
トリウムの量を算出する。ナトリウムが1モル(23
g)移動すると、必ず1ファラデー(9.65×104
クーロン(A・sec))の電流が流れるので、前回の測
定時に両電極11、12間に流れた電気量より、移動し
たナトリウム量を容易に算出することができる。
るナトリウム量は、次のように求めることができる。ま
ず、前回の測定時に両電極11、12間に流れた電気量
より、固体電解質管13を透過して、溶融塩14中から
溶湯1中へ又は溶湯1中から溶融塩14中へ移動したナ
トリウムの量を算出する。ナトリウムが1モル(23
g)移動すると、必ず1ファラデー(9.65×104
クーロン(A・sec))の電流が流れるので、前回の測
定時に両電極11、12間に流れた電気量より、移動し
たナトリウム量を容易に算出することができる。
【0025】こうして算出された移動ナトリウム量を、
前回の測定前の溶融塩14中に含まれていた既知のナト
リウム量に加え、あるいは既知のナトリウム量から差し
引くことにより、前回の測定後において溶融塩14中に
含まれているナトリウム量が求められる。また、このナ
トリウム量から溶融塩14のナトリウム濃度が求めら
れ、次回の測定時に用いる検量線が決定される。
前回の測定前の溶融塩14中に含まれていた既知のナト
リウム量に加え、あるいは既知のナトリウム量から差し
引くことにより、前回の測定後において溶融塩14中に
含まれているナトリウム量が求められる。また、このナ
トリウム量から溶融塩14のナトリウム濃度が求めら
れ、次回の測定時に用いる検量線が決定される。
【0026】なお、第一発明と第二発明とを比較した場
合、第一発明に係る測定方法では、一度測定する毎に固
体電解質管13内に収容された溶融塩14のナトリウム
濃度を当初の既知濃度に回復する操作が必要となるが、
常に同一の検量線を用いることができる点で有利であ
る。一方、第二発明に係る測定方法では、測定の度に異
なる検量線を用いる必要があるが、上記のような溶融塩
14のナトリウム濃度を回復する操作が不要な点で有利
である。
合、第一発明に係る測定方法では、一度測定する毎に固
体電解質管13内に収容された溶融塩14のナトリウム
濃度を当初の既知濃度に回復する操作が必要となるが、
常に同一の検量線を用いることができる点で有利であ
る。一方、第二発明に係る測定方法では、測定の度に異
なる検量線を用いる必要があるが、上記のような溶融塩
14のナトリウム濃度を回復する操作が不要な点で有利
である。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
アルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯に含まれるナ
トリウムの濃度を、複数回にわたって測定する場合にお
いて、常に正確な測定を行うことができる。
アルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯に含まれるナ
トリウムの濃度を、複数回にわたって測定する場合にお
いて、常に正確な測定を行うことができる。
【図1】ナトリウム濃度センサを、溶湯を満たした容器
にセットした状態を示す断面説明図である。
にセットした状態を示す断面説明図である。
【図2】固体電解質管内に収容された既知量のナトリウ
ムを含む溶融塩のナトリウム濃度に基づいて作成され
た、電位差と溶湯のナトリウム濃度との関係を示す検量
線である。
ムを含む溶融塩のナトリウム濃度に基づいて作成され
た、電位差と溶湯のナトリウム濃度との関係を示す検量
線である。
【図3】固体電解質管内に収容された溶融塩のナトリウ
ム濃度を様々に変えて作成した検量線である。
ム濃度を様々に変えて作成した検量線である。
1…アルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯、2…容
器、10…ナトリウム濃度センサ、11…電極、12…
電極、13…固体電解質管、14…既知量のナトリウム
を含む溶融塩、15…電流計、16…抵抗、17…電圧
計、18…電線
器、10…ナトリウム濃度センサ、11…電極、12…
電極、13…固体電解質管、14…既知量のナトリウム
を含む溶融塩、15…電流計、16…抵抗、17…電圧
計、18…電線
フロントページの続き (72)発明者 市川 周一 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日本碍子株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−104196(JP,A) 特開 昭61−260155(JP,A) 特開 昭61−260156(JP,A) 特開 昭61−260157(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/411 G01N 33/20 C22C 1/02 503 JICSTファイル(JOIS)
Claims (2)
- 【請求項1】 互いに電気的に接続された2つの電極を
有し、一方の電極を、ナトリウム濃度を測定しようとす
るアルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯中に差し込
み、他方の電極を、固体電解質管内に収容された既知量
のナトリウムを含む溶融塩中に差し込み、前記固体電解
質管をその大部分が前記ナトリウム濃度を測定しようと
する溶湯中に沈んだ状態として、ナトリウム濃度を測定
しようとする溶湯と、固体電解質管内の溶融塩とのナト
リウム濃度の差に基づいて両電極間に生じた電位差を検
出することにより、当該電位差の値に対応した溶湯のナ
トリウム濃度を測定するようにしたナトリウム濃度セン
サを用い、複数回にわたって溶湯のナトリウム濃度を測
定する場合において、 両電極間に直流電源を接続し、前回の測定時に両電極間
に流れた電気量と同等の電気量の電流を両電極間に逆方
向に流すことにより、前回の測定により変化した、前記
固体電解質管内に収容された溶融塩のナトリウム濃度
を、前回の測定前の濃度に回復させ、しかるのち次の測
定を行うことを特徴とする溶湯のナトリウム濃度測定方
法。 - 【請求項2】 互いに電気的に接続された2つの電極を
有し、一方の電極を、ナトリウム濃度を測定しようとす
るアルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯中に差し込
み、他方の電極を、固体電解質管内に収容された既知量
のナトリウムを含む溶融塩中に差し込み、前記固体電解
質管をその大部分が前記ナトリウム濃度を測定しようと
する溶湯中に沈んだ状態として、ナトリウム濃度を測定
しようとする溶湯と、固体電解質管内の溶融塩とのナト
リウム濃度の差に基づいて両電極間に生じた電位差を検
出することにより、当該電位差の値に対応した溶湯のナ
トリウム濃度を測定するようにしたナトリウム濃度セン
サを用い、複数回にわたって溶湯のナトリウム濃度を測
定する場合において、 前回の測定時に両電極間に流れた電気量より、前記固体
電解質管を透過して、前記溶融塩中から前記溶湯中へ又
は前記溶湯中から前記溶融塩中へ移動したナトリウムの
量を算出することにより、前回の測定後に前記溶融塩中
に含まれているナトリウム量を求め、当該ナトリウム量
を、固体電解質管内に収容された溶融塩中に含まれるナ
トリウムの既知量として新たに設定し直して、次の測定
を行うことを特徴とする溶湯のナトリウム濃度測定方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26828496A JP3153133B2 (ja) | 1996-10-09 | 1996-10-09 | アルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯のナトリウム濃度測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26828496A JP3153133B2 (ja) | 1996-10-09 | 1996-10-09 | アルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯のナトリウム濃度測定方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10111273A JPH10111273A (ja) | 1998-04-28 |
JP3153133B2 true JP3153133B2 (ja) | 2001-04-03 |
Family
ID=17456406
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26828496A Expired - Fee Related JP3153133B2 (ja) | 1996-10-09 | 1996-10-09 | アルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯のナトリウム濃度測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3153133B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8766642B2 (en) * | 2009-08-28 | 2014-07-01 | General Electric Company | Electrochemical cell |
-
1996
- 1996-10-09 JP JP26828496A patent/JP3153133B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10111273A (ja) | 1998-04-28 |
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