JP3153069B2 - 熱可塑性樹脂発泡シートの製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂発泡シートの製造方法

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JP3153069B2
JP3153069B2 JP10992394A JP10992394A JP3153069B2 JP 3153069 B2 JP3153069 B2 JP 3153069B2 JP 10992394 A JP10992394 A JP 10992394A JP 10992394 A JP10992394 A JP 10992394A JP 3153069 B2 JP3153069 B2 JP 3153069B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、包装材や緩衝シートに
主に用いられる熱可塑性樹脂発泡シートの製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、熱可塑性樹脂発泡シートの製造方
法としては、PSP(ポリスチレンペーパー)の製造に
て知られているように、押出機にて、熱可塑性樹脂と添
加剤と発泡剤とを溶融混練し、環状のスリットダイから
低圧下に押し出し、その押し出された管状の発泡中間体
を、表面平滑性の良好な、例えばアルミニウムのような
材料で形成され、冷却された円筒状のマンドレル(ダイ
のスリット径より大きな径を有する)の外周面に、マン
ドレルの軸方向に沿わせることにより、上記発泡中間体
を延伸して管状の発泡体を形成し、その発泡体をカッタ
ーにより切り開いて発泡シートを得る方法が知られてい
る。
【0003】しかし、上記方法は、剛性の高いPSPを
熱可塑性樹脂として用いた発泡体を、その厚みを1〜3
mmに製造するには好適なものであるが、発泡シートの元
となる発泡体の厚みが薄い場合や発泡体の発泡倍率が高
い場合、また、熱可塑性樹脂として比較的剛性の低いポ
リオレフィン系樹脂からなる発泡体を製造する場合、管
状の発泡中間体や管状の発泡体とマンドレルの外周面と
の摺動による接触抵抗によって、得られた発泡体に傷や
凹凸を生じたり、ついには切断に到り、そのような発泡
体からは良好な発泡シートが得られないという問題を生
じている。
【0004】そこで、上記問題を回避するために、特公
昭63-49608号公報では、得られた管状の発泡体の内方に
位置する円筒状のマンドレルと、そのマンドレルの外周
面を覆うように位置し得、上記発泡体の外径を規制する
ための外径規制装置とが設けられている。
【0005】上記マンドレルは、発泡体の所望する内径
より若干小さな外径を有し、マンドレルの外周面におい
て発泡体の移動方向に沿うように圧縮流体を吐出する流
出開口をマンドレルの先端部に有している。
【0006】前記外径規制装置は、圧縮流体によって外
向きに膨張した上記発泡体が押しつけられることにより
上記発泡体の外径を規制する内周面に、起伏した輪郭を
有しており、上記輪郭によって接触する発泡体と輪郭と
の接触面積が低減されるので、上記発泡体における外径
規制装置に対する接触抵抗を軽減できるものとなってい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
方法は、ポリスチレン系樹脂を用い、かつ、低発泡倍率
の場合には有用であるが、管状の発泡体の表面温度が比
較的高い状態で前記外径規制装置に押しつけられ、上記
発泡体の表面の硬度が小さいと、部分的な接触によって
上記表面に凹凸が生じ易いという問題を生じている。
【0008】そこで、上記問題を回避するために、ダイ
スリットと外径規制装置との間にて発泡中間体に対して
冷却を実施しても、発泡中間体を内方へ収縮させる力が
生じることによって、上記発泡中間体から得られた発泡
体にシワが発生したり、3次元発泡によるコルゲーショ
ンが保持されて厚みのバラツキが大きくなったりして、
外観の美麗な発泡体が得られないという問題を生じてい
る。
【0009】このような問題を回避するために、さら
に、コルゲーションの生じる前に管状の発泡中間体の冷
却を実施することも考えられるが、高発泡倍率の発泡体
を得る場合、発泡速度が速くなるためダイスリットの直
後の発泡中間体を冷却する必要がある。
【0010】しかし、その場合、発泡完了前に冷却する
ので、高発泡倍率の発泡体を得ることが困難となり、ま
た、冷却が過多となると破断に到り良好な発泡体が得ら
れないという問題を生じている。その上、上記の場合、
ダイスリットの直後での冷却エアーは、上記ダイスリッ
トをも冷却することになるので、押し出し成形にも悪影
響を及ぼすものとなる。
【0011】さらに、管状の発泡体の内方に位置する前
記マンドレルの表面は、そのマンドレルの先端部から導
かれた圧縮流体の流出により実質的に非接触とされてい
るが、実際に圧縮流体が上記発泡体の内面に強く作用す
るのはマンドレルの先端部付近だけであり、マンドレル
の基端部側では、発泡体の収縮力によってマンドレルと
上記発泡体とが部分的に接触し、接触によって上記発泡
体に凹凸やサケを生じたり、上記発泡体を所望の径に規
制することが困難なものとなるという問題も生じてい
る。
【0012】また、外径規制装置との接触距離が長いた
めに、高発泡倍率の発泡体や厚みの薄い発泡体では非常
に切断が生じ易い。
【0013】以上に述べたように、上記従来の方法で
は、熱可塑性樹脂発泡シートの元となる、種々の規格値
や、広範囲の発泡倍率を有する管状の発泡体を安定に得
ることが困難であるという問題を生じている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
熱可塑性樹脂発泡シートの製造方法は、以上の課題を解
決するために、熱可塑性樹脂と発泡剤とを含む原料を、
溶融混練し、環状スリットダイより低圧下に押し出して
管状の発泡中間体を得た後、前部空間にて上記発泡中間
体の内周面に対して、径方向外向きとなる複数の方向に
流体をそれぞれ吹きつけながら上記発泡中間体の径を上
記流体による風圧と発泡中間体内の内部流体圧とによっ
て所定値まで拡大させて管状の発泡体を得た後、側部空
間にて上記発泡体の内周面に対して、径方向外向きとな
る複数の方向に流体をそれぞれ吹き付けながら上記発泡
体の収縮を抑制し、冷却された円筒状物の外周面に上記
円筒状物の軸方向に沿わせて、上記発泡体を冷却するこ
とにより上記発泡体の径を安定化させることを特徴とし
ている。
【0015】本発明の請求項2記載の熱可塑性樹脂発泡
シートの製造方法は、請求項1記載の構成に加えて、前
部空間の内部流体圧が側部空間の内部流体圧よりも高く
設定されていることを特徴としている。
【0016】本発明の請求項3記載の熱可塑性樹脂発泡
シートの製造方法は、請求項1又は2記載の構成に加え
て、側部空間では、後部に向かって徐々に内部流体圧が
高くなる圧力勾配が設定されていることを特徴としてい
る。
【0017】本発明の請求項記載の熱可塑性樹脂発泡
シートの製造方法は、請求項1、2又は3記載の構成に
加えて、円筒状物を、複数、互いに同軸状となるように
用いることを特徴としている。
【0018】
【作用】上記請求項1記載の方法によれば、環状スリッ
トダイより押し出された原料が発泡した管状の発泡中間
体は、前部空間にてその内面に流体が径方向外向きとな
る複数の方向に吹きつけられることにより、上記流体に
よって、冷却されながら径方向外向きに延伸され拡大さ
れて、管状の発泡体が得られる。
【0019】上記発泡体は、円筒状物の外周面に沿わせ
ることにより、さらに冷却されてその径が設定されて安
定化される。このとき、上記円筒状物は、予め冷却さ
れ、その円筒状物に達した発泡体が、側部空間にて流体
によって所定形状に延伸・拡大され、かつ、その所定形
状が保持されているため、上記円筒状物において上記発
泡体を冷却し、成形する必要が低減されるので、上記所
定値となる上記円筒状物の外径に対して上記円筒状物の
軸方向となる接触し得る距離を従来より小さくできる。
【0020】これにより、上記方法では、流体によって
延伸され、保持される発泡中間体や発泡体は、上記流体
に対する接触抵抗がほとんどゼロとなり、また、円筒状
物における上記発泡体と接触し得る外周面の軸方向長さ
を従来より小さくできるから、発泡中間体や発泡体に対
する接触抵抗を軽減しながら、所定形状の上記発泡体を
安定に得ることが可能となる。
【0021】上記請求項2記載の方法によれば、前部空
間の内部流体圧が、側部空間の内部流体圧より高く設定
されていることから、上記円筒状部の外周面上に前部空
間から側部空間に向かう流体の流れが発生する。そのた
め、発泡体は、冷却された円筒状部の外周面上を、接触
圧の極めて小さな微接触または非接触にて通過する。そ
の結果、発泡中間体や発泡体に対する接触抵抗を軽減し
ながら、所定形状の上記発泡体を安定に得ることができ
る。
【0022】上記請求項3記載の方法によれば、側部空
間では、後部に向かって徐々に圧力が高くなる圧力勾配
が生じているので、冷却によって順次硬化して後部に向
かって徐々に収縮力の大きくなる発泡体の形状である径
をほぼ均一に維持することができる。
【0023】上記請求項4記載の方法によれば、さら
に、ダイスリットと、それと対面する円筒状物との間に
おいて上記発泡中間体の内周面に対して、径方向外向き
となる複数の方向に流体をそれぞれ吹きつけながら上記
発泡中間体の径を上記流体による風圧と発泡中間体内の
内部流体圧とによって所定値まで拡大させて管状の発泡
体を得た後、各円筒状物間において上記発泡体の内周面
に対して、径方向外向きとなる複数の方向に流体をそれ
ぞれ吹きつけながら上記発泡体の径を上記流体による風
圧と発泡体内の内部流体圧とによって維持しながら、上
記発泡体を冷却することができる。
【0024】これにより、上記方法では、各円筒状物間
において、発泡体は流体によって径を維持しながら、冷
却されるので、上記各円筒状物における冷却や成形に係
わる割合を軽減できるので、上記各円筒状物における発
泡体に対する接触距離となる外周面の軸方向長さを、従
来より減少させることが可能となる。
【0025】したがって、上記方法では、上記各円筒状
物間での接触抵抗を殆どゼロとなり、かつ、上記各円筒
状物の外周面の軸方向長さを従来より減少させることが
できるので、発泡中間体や発泡体に対する接触抵抗を軽
減しながら、所定形状の上記発泡体を安定に得ることが
可能となる。
【0026】
【実施例】〔実施例1〕 本発明の一実施例を実施例1として図1に基づいて説明
すれば、以下の通りである。熱可塑性樹脂発泡シートの
製造方法では、熱可塑性樹脂および発泡剤を含む原料を
混練し、押し出すための押出機(図示せず)と、上記押
出機の押出口に取り付けられた環状のダイスリット1、
上記ダイスリット1から押し出されて発泡した管状の発
泡中間体2を、その径を拡大し、冷却して所望の径の管
状の発泡体3に成形するマンドレル4と、上記発泡体3
を、その移動方向に沿って裁断するカッター5と、上記
発泡体3が裁断されて発泡シート(図示せず)を巻き取
る巻取りロール(図示せず)とが用いられる。
【0027】上記マンドレル4は、上記ダイスリット1
の径より大径な略円筒状に形成されており、上記ダイス
リット1における押出方向に離間した位置に、上記ダイ
スリット1と同軸状となるように配置されている。
【0028】そして、上記マンドレル4は、冷却用の圧
縮空気を、マンドレル4の径方向外向きに放射状に複数
方向にそれぞれ吹き出すことにより、上記圧縮空気の風
圧とマンドレル4と発泡中間体2との間における空気圧
とによって、前記発泡中間体2を延伸し、冷却して上記
発泡中間体2から所望する径を有する発泡体3を形成す
るようになっている。
【0029】その上、上記マンドレル4は、上記発泡体
3を上記圧縮空気の風圧とマンドレル4と発泡体3との
間に形成される空気圧とによって保持することにより、
上記発泡体3を所定形状に維持して冷却しながら、上記
マンドレル4と発泡体3との接触抵抗を極めて軽減でき
るものとなっている。
【0030】つまり、マンドレル4は、その軸方向の先
端部に、得られた発泡体3の内径を、所定値に規制する
ための外径を有し、上記外径に対して厚さが小さい円筒
状部6と、マンドレル4の軸方向の基端部に、得られた
発泡体3の内径を規制するための外径を有し、上記外径
に対して厚さが小さい円筒状部7とを同軸状となるよう
に備えている。
【0031】なお、上記各円筒状部6・7は、各円筒状
部6・7における厚さと外径との比が1/2〜1/10程
度に設定され、本実施例では、上記比が約1/7に設定
されている。また、上記各円筒状部6・7は、それらの
外周面を冷却するために、図示しないが、内蔵された水
冷用配管を有している。
【0032】上記各円筒状部6・7の外周面には、表面
処理としてローレット加工がそれぞれ施されている。ロ
ーレット加工により細かい凹凸が上記各外周面に形成さ
れており、凹凸の凹部に後述するように圧縮空気が流れ
ることにより、上記各外周面上を通る発泡体3に対する
接触抵抗が低減される。
【0033】その上、円筒状部6の外径は円筒状部7の
外径より若干大きくなるように設定されている。これに
より、上記円筒状部6の外周面を通って延伸された発泡
体3は、その収縮力により若干収縮することにより、発
泡体3の収縮力を低減できるから、後述する空気圧や風
圧によって所望する発泡体3の径を上記各円筒状部6・
7間にて容易に保持でき、かつ、円筒状部7を通過する
ときの円筒状部7に対する接触抵抗も軽減できるものと
なっている。
【0034】上記各円筒状部6・7より外径の小さく設
定された小径円筒部8が、上記各円筒状部6・7間を連
結して、上記両者に対して同軸状となるように設けられ
ていて、上記小径円筒部8の外周部に、径方向外向きに
圧縮空気(流体)を供給する供給口8aが多数設けられ
ている。
【0035】上記各供給口8a…は、小径円筒部8の軸
方向に沿って所定間隔にて並ぶように、かつ、小径円筒
部8の周方向に対してほぼ等間隔となるようにそれぞれ
設定されている。上記圧縮空気としては、ろ過され、ゲ
ージ圧にて2〜4kg/cm2、かつ、常温のものが用いられ
る。
【0036】さらに、上記小径円筒部8の外周部に、小
径円筒部8の外部と内部とを連通して、上記外周部上の
圧縮空気を小径円筒部8の内部に排気する排気孔8b
が、小径円筒部8における軸方向および周方向に隣合う
各供給口8a…間に穿設されている。
【0037】このような各円筒状部6・7および小径円
筒部8には、それらを同軸状に挿通する中空芯軸9が設
けられ、上記中空芯軸9は、さらに円筒状部7の右方に
延びてL字状に折れ曲がって、上記中空芯軸9の先端部
が図示しないスタンドに連結されることにより、図示し
ない基台上に固定されている。
【0038】前記円筒状部6におけるダイスリット1に
対面する端面上には、中空円盤状の前部エアーリング1
0が、円筒状部6に対して同軸状となるように取り付け
られている。上記前部エアーリング10は、その外径を
前記小径円筒部8の外径より若干小さくなるように設定
されている。
【0039】また、上記前部エアーリング10は、円筒
状部6に対して近接して取り付けられており、上記両者
間を通して後述する各前部排気孔13…に排気される圧
縮空気に対して上記各前部排気孔13…と同程度の移動
抵抗が生じるように設定されている。
【0040】上記前部エアーリング10の外周部には、
径方向外向きの放射状となる複数の方向に圧縮空気を吹
き出す吹き出し口10aが、多数、前部エアーリング1
0の中心軸に対して対称となるように形成されている。
このような各吹き出し口10a…は、直径1〜2mm程度
に設定されている。
【0041】したがって、上記各吹き出し口10a…か
ら噴出する圧縮空気は、主に、円筒状部6の端面に沿
い、径方向外向きの放射状にほぼ均一にそれぞれ移動す
ることになる。
【0042】上記前部エアーリング10内に、前記圧縮
空気を供給するための中央部エアー配管11が、前記中
空芯軸9より小径で、かつ、上記中空芯軸9内を同軸状
となるように設けられている。これによって、上記中央
部エアー配管11内を通過する圧縮空気が、中空芯軸9
内の空気層の断熱効果によって、加温されることが抑制
されるので、上記前部エアーリング10に対してより常
温に近い圧縮空気を送ることができる。
【0043】また、小径円筒部8の各供給口8a…に前
記圧縮空気を供給するためのエアー配管12が、小径円
筒部8の内部および円筒状部7を通して外部に至るよう
に配管されている。
【0044】先端部となる円筒状部6には、前部エアー
リング10が設けられている端面と、小径円筒部8の内
部とを連通して、上記端面上の加圧空気を小径円筒部8
の内部に排気するための前部排気孔13が複数穿設され
ている。
【0045】ただし、上記各前部排気孔13…は、前記
の各排気孔8b…より小径に設定されている。これによ
り、ダイスリット1と発泡中間体2と円筒状部6とによ
り囲まれる前部空間2a内の加圧空気圧が、発泡体3と
各円筒状部6・7と小径円筒部8とにより囲まれる側部
空間3a内の加圧空気圧より若干大きくなるように設定
される。
【0046】一方、基端部となる円筒状部7には、小径
円筒部8の内部と外部とを連通して、上記小径円筒部8
内部の加圧空気を排気する後部排気管14が複数設置さ
れており、上記各後部排気管14…には、それぞれ排出
エアー量を調整する調整バルブ14aが取り付けられて
いる。
【0047】次に、上記マンドレル4を用いた、熱可塑
性樹脂発泡シートの製造方法について説明する。まず、
ダイスリット1から管状に押し出された原料は、発泡し
て発泡中間体2となり、上記発泡中間体2が矢印A方向
に引き出されると、前部エアーリング10の各吹き出し
口10a…から吹き出される圧縮空気の風圧および前部
空間2a内の加圧された空気圧によって、上記発泡中間
体2は、径方向外向きに均一に延伸・拡大され冷却され
て、所望する径を有する発泡体3が得られる。
【0048】その後、上記発泡体3は、前部空間2aの
空気圧が、側部空間3aの空気圧より若干高く設定され
ていることから、上記円筒状部6の外周面上に前部空間
2aから側部空間3aに向かう空気流が発生するので、
冷却された円筒状部6の外周面上を、接触圧の極めて小
さな微接触または非接触にて通過する。
【0049】続いて、小径円筒部8の外周面上となる側
部空間3aに面した発泡体3では、各供給口8a…から
の圧縮空気の噴出によって、内方への収縮が抑制されて
所定形状が維持され、順次、さらに冷却される。このと
き、上記側部空間3aでは、円筒状部6から円筒状部7
に向かって徐々に圧力が高くなる圧力勾配が生じている
ので、冷却によって順次硬化して円筒状部6から円筒状
部7に向かって徐々に収縮力の大きくなる発泡体3の形
状である径をほぼ均一に維持できるものとなっている。
【0050】次いで、上記発泡体3は、発泡体3を所望
する径に規制し、外周面をローレット加工により表面処
理され、冷却された円筒状部7の外周面上に達すると、
上記外周面と摺接しながら、常温時における形状と同程
度の形状を維持できる程度まで冷却されて、その径が正
確に設定される。その後、上記発泡体3はカッター5に
より発泡体3の移動方向であるA方向に沿って裁断さ
れ、巻き取られてシート状の発泡シートが得られる。
【0051】このとき、発泡中間体2や発泡体3とマン
ドレル4との間に介在する圧縮空気の圧力は、各排気孔
8b…および各前部排気孔13…を通して各後部排気管
14…の調整バルブ14aによって調整されることによ
り、発泡体3の形状を圧縮空気によって一定としなが
ら、上記発泡体3におけるマンドレル4に対する接触抵
抗を軽減することが可能となる。
【0052】したがって、上記方法では、上記接触抵抗
の軽減によって、得られた発泡シートの破断や破損や損
傷により外観の低下を回避しながら、より均一な厚さを
有する発泡シートを安定に得ることが可能となる。これ
により、上記方法は、接触抵抗によって、破断等を生じ
易い高発泡倍率の発泡シートや厚さの薄い発泡シートの
製造に好適に用いることができる。
【0053】また、上記実施例1の方法では、前部エア
ーリング10の各吹き出し口10a…を径方向外向きの
放射状に設けたため、上記各吹き出し口10a…からの
圧縮空気が、円筒状部6の端面に沿って放射状に移動す
るので、上記圧縮空気が、直接、ダイスリット1に達す
ることが回避され、加熱状態である発泡中間体2の内面
に沿って加温された加圧空気がダイスリット1に達する
ことになる。
【0054】これにより、上記方法では、上記各吹き出
し口10a…からの圧縮空気によるダイスリット1の冷
却を回避しながら、発泡中間体2を上記圧縮空気による
風圧および前部空間2a内の加圧空気圧によって径方向
外向きに均一に延伸・拡大できる。したがって、上記方
法は、ダイスリット1を用いた押し出し成形に対する悪
影響を回避できるものとなっている。
【0055】また、上記実施例1の方法では、円筒状部
6の外径を、所望する発泡体3の内径とほぼ同一に設定
したので、前部空間2aの内部空気圧を、側部空間3a
の内部空気圧より若干大きく設定でき、かつ、前部エア
ーリング10の各吹き出し口10a…から吹き出される
圧縮空気のガイドとなって、発泡中間体2をより迅速
に、確実に延伸・拡大して発泡体3を得ることができる
ものとなっている。
【0056】〔実施例2〕 本発明の他の実施例を実施例2として図2に基づいて説
明すれば、以下の通りである。なお、上記実施例1と同
様の機能を有する部材については、同一の部材番号を付
与し、それらの説明を省いた。
【0057】熱可塑性樹脂発泡シートの製造方法では、
上記実施例1におけるマンドレル4に代えて、図2に示
すように、マンドレル4’を用いている。上記マンドレ
ル4’では、円筒状部6に代えて、外径が小径円筒部8
とほぼ等しい円筒状部15が設けられている。
【0058】このような円筒状部15によって、軟化状
態である発泡中間体2と円筒状部15との接触が全く回
避されるので、接触抵抗による破断や損傷をさらに軽減
できるものとなっている。よって、上記方法では、上記
接触抵抗のさらなる軽減によって、得られた発泡シート
の破断や破損や損傷により外観の低下を回避しながら、
より厚さの薄いものや高発泡倍率の発泡シートの製造に
おいて、均一な厚さを有する発泡シートをさらに安定に
得ることが可能となる。
【0059】なお、上記実施例1および2における熱可
塑性樹脂としては、ポリスチレンや、ポリエチレンやポ
リプロピレン等のポリオレフィン系樹脂を挙げることが
できる。上記方法は、接触抵抗によって損傷し易い上記
ポリオレフィン系樹脂からなる発泡シートの製造に特に
好適に用いられる。上記ポリオレフィン系樹脂からなる
発泡シートは、剛性が低く柔軟性が高いために、包装材
や緩衝シートとして用いられている。
【0060】また、上記実施例1および2では、各円筒
状部6・7は一体であるものを用いた例を挙げたが、特
に上記に限定されることはなく、例えば、各円筒状部6
・7は、径方向断面が半円状のものを一対ずつ組み合わ
せたものであってもよい。
【0061】これにより、半円状のものをスペーサーを
挟んで離間させることによって、得られる発泡体3の径
を変更できるものとなる。したがって、上記各円筒状部
6・7の取り替えを省いて、得られる発泡シートの厚さ
等を容易に変更できるものとなる。
【0062】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の熱可塑性樹脂発
泡シートの製造方法は、以上のように、前部空間にて
状の発泡中間体の内周面に対して、径方向外向きとなる
複数の方向に流体をそれぞれ吹きつけながら上記発泡中
間体の径を上記流体による風圧と発泡中間体内の内部流
体圧とによって所定値まで拡大させて管状の発泡体を得
た後、側部空間にて上記発泡体の内周面に対して、径方
向外向きとなる複数の方向に流体をそれぞれ吹き付けな
がら上記発泡体の収縮を抑制し、冷却された円筒状物の
外周面に上記円筒状物の軸方向に沿わせて、上記発泡体
を冷却することにより上記発泡体の径を安定化させる方
法である。
【0063】それゆえ、上記方法では、流体によって延
伸され、保持される発泡中間体や発泡体における上記流
体に対する接触抵抗をほとんどゼロとすることができ、
また、円筒状物における上記発泡体と接触し得る外周面
の軸方向長さを従来より小さくできるから、発泡中間体
や発泡体に対する接触抵抗を軽減しながら、所定形状の
上記発泡体を安定に得ることが可能となる。
【0064】この結果、上記方法は、接触抵抗を従来よ
り軽減できるものなので、大きな接触抵抗によって破断
や、損傷を生じ易い高発泡倍率や厚さの薄い熱可塑性樹
脂発泡シートに対しても、熱可塑性樹脂発泡シートを安
定に得ることができるという効果を奏する。
【0065】本発明の請求項2記載の熱可塑性樹脂発泡
シートの製造方法は、以上のように、請求項1記載の構
成に加えて、前部空間の内部流体圧が側部空間の内部流
体圧 よりも高く設定されている方法である。
【0066】それゆえ、上記方法では、上記円筒状部の
外周面上に前部空間から側部空間に向かう流体の流れが
発生する。そのため、発泡体は、冷却された円筒状部の
外周面上を、接触圧の極めて小さな微接触または非接触
にて通過する。その結果、発泡中間体や発泡体に対する
接触抵抗を軽減しながら、所定形状の上記発泡体を安定
に得ることができるという効果を奏する。
【0067】本発明の請求項3記載の熱可塑性樹脂発泡
シートの製造方法は、以上のように、請求項1又は2記
載の構成に加えて、側部空間では、後部に向かって徐々
に内部流体圧が高くなる圧力勾配が設定されている方法
である。
【0068】それゆえ、上記方法では、側部空間では、
後部に向かって徐々に圧力が高くなる圧力勾配が生じる
ため、冷却によって順次硬化して後部に向かって徐々に
収縮力の大きくなる発泡体の形状である径をほぼ均一に
維持することができるという効果を奏する。
【0069】本発明の請求項4記載の熱可塑性樹脂発泡
シートの製造方法は、以上のように、請求項1、2又は
3記載の構成に加えて、さらに、円筒状物を、複数、互
いに同軸状となるように用いる方法である。
【0070】それゆえ、上記方法では、各円筒状物間に
おいて、発泡体は流体によって径を維持しながら冷却さ
れるので、上記各円筒状物における冷却や成形に係わる
割合を軽減できて、上記各円筒状物における発泡体に対
する接触距離となる外周面の軸方向長さを従来より減少
させることが可能となる。
【0071】したがって、上記方法では、上記各円筒状
物間での接触抵抗が殆どゼロとなり、かつ、上記各円筒
状物の外周面の軸方向長さを従来より減少させることが
できるので、発泡中間体や発泡体に対する接触抵抗を軽
減しながら、所定形状の上記発泡体を安定に得ることが
可能となる。
【0072】この結果、上記方法は、接触抵抗を従来よ
り軽減できるので、大きな接触抵抗によって破断や、損
傷を生じ易い高発泡倍率や厚さの薄い熱可塑性樹脂発泡
シートに対しても、熱可塑性樹脂発泡シートを安定に得
ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱可塑性樹脂発泡シートの製造方法に
おける実施例1に示した冷却装置の断面図である。
【図2】本発明の熱可塑性樹脂発泡シートの製造方法に
おける実施例2に示した冷却装置の断面図である。
【符号の説明】
1 ダイスリット(環状スリットダイ) 2 発泡中間体 3 発泡体 7 円筒状部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂と発泡剤とを含む原料を、溶
    融混練し、環状スリットダイより低圧下に押し出して管
    状の発泡中間体を得た後、前部空間にて上記発泡中間体
    の内周面に対して、径方向外向きとなる複数の方向に流
    体をそれぞれ吹きつけながら上記発泡中間体の径を上記
    流体による風圧と発泡中間体内の内部流体圧とによって
    所定値まで拡大させて管状の発泡体を得た後、側部空間
    にて上記発泡体の内周面に対して、径方向外向きとなる
    複数の方向に流体をそれぞれ吹き付けながら上記発泡体
    の収縮を抑制し、冷却された円筒状物の外周面に上記円
    筒状物の軸方向に沿わせて、上記発泡体を冷却すること
    により上記発泡体の径を安定化させることを特徴とする
    熱可塑性樹脂発泡シートの製造方法。
  2. 【請求項2】前部空間の内部流体圧が側部空間の内部流
    体圧よりも高く設定されていることを特徴とする請求項
    1記載の熱可塑性樹脂発泡シートの製造方法。
  3. 【請求項3】側部空間では、後部に向かって徐々に内部
    流体圧が高くなる圧力勾配が設定されていることを特徴
    とする請求項1又は2記載の熱可塑性樹脂発泡シートの
    製造方法。
  4. 【請求項4】円筒状物を、複数、互いに同軸状となるよ
    うに用いることを特徴とする請求項1、2又は3記載の
    熱可塑性樹脂発泡シートの製造方法。
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