JP3152478B2 - 多層ハニカムコアを有する翼形状構造体及びその製造方法 - Google Patents

多層ハニカムコアを有する翼形状構造体及びその製造方法

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JP3152478B2
JP3152478B2 JP02198592A JP2198592A JP3152478B2 JP 3152478 B2 JP3152478 B2 JP 3152478B2 JP 02198592 A JP02198592 A JP 02198592A JP 2198592 A JP2198592 A JP 2198592A JP 3152478 B2 JP3152478 B2 JP 3152478B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多層ハニカムコアを有
する翼形状構造体及びその製造方法に関し、特にエッジ
部分においても良好な強度を有する多層ハニカムコアを
有する翼形状構造体、及びこのような多層ハニカムコア
構造体を成形型を用いなくても製造することができる方
法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
車両の軽量化及び構成部品数の低減による生産性向上等
の目的で、プラスチックを主体とした複合体を車両ボデ
ィや部品等に用いることが提案されており、一部実用化
されている。
【0003】そのような複合体の一つに、一対のプラス
チック外皮層とその間にはさまれたコアとからなるサン
ドイッチ構造体が知られている。コアとしては、プラス
チック発泡体やハニカム材等を用いることができるが、
軽量化の目的にはハニカム材を用いるのが好ましく、そ
のような構造体を自動車のボディや各種の部品等に利用
することが試みられている。
【0004】このようなハニカムコアを有する構造体を
作製する場合、まずハニカム材を所望の形状に切削して
ハニカムコアを作製し、その後ハニカムコアの表面にプ
ラスチックの外皮層を形成する方法が一般に採用されて
いる。しかしながら、ハニカムコアを単一のハニカム材
で形成すると、プラスチック外皮層を成形する時の成形
圧力に耐えられず、ハニカムコアが変形してしまうと言
う問題があった。これは、ハニカム材は、厚さ方向(ハ
ニカム単位の軸線方向)には大きな強度を有するが、横
方向(ハニカム単位の軸に垂直方向)には比較的弱く、
この方向に力が加わると変形(クラッシュ)しやすいた
めである。
【0005】そこで、ハニカム材を多数積層して耐変形
強度を上げることが試みられている。しかしながら、ハ
ニカム材を多層にしただけでは強度が十分ではなく、成
形圧力に耐えられない。そのため、プラスチック外皮層
の成形には成形型を使用しなければならないという問題
があった。
【0006】従って本発明の目的は、強度に優れ、成形
型を使用しなくても製造することができる翼形状の多層
ハニカムコア構造体、及びそのような構造体を製造する
方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、複数のハニカム材と繊維強化プラ
スチック材とを交互に積層して多層ハニカム材積層体と
し、これから多層ハニカムコアを作製すれば、外皮層の
成形圧力に十分耐えられる強度を有すること、また成形
圧力が大きい部分のハニカム材を他の部分におけるもの
よりも薄めにしておけば、その部分の剛性が向上して、
外皮層の成形圧力に対する耐久力が一層向上することを
発見し、本発明に想到した。
【0008】すなわち、本発明の翼形状構造体は、複数
のハニカム材を積層してなる多層ハニカムコアを有する
ものであって、前記多層ハニカムコアは、複数のハニカ
ム材と繊維強化プラスチック材とを交互に積層してな
り、前記多層ハニカムコアの表面に繊維強化プラスチッ
クからなる外皮層が密着していることを特徴とする。
【0009】また、多層ハニカムコアを有する翼形状
造体を製造する本発明の方法は、 (a) 複数のハニカム材と繊維強化プラスチック材とを交
互に積層して多層ハニカム材積層体を作製し、 (b) 前記多層ハニカム材積層体を所望の形状に切削し
て、翼形状の多層ハニカムコアを作製し、 (c) 成形型を使用せずに前記多層ハニカムコアの表面に
外皮層を密着させることを特徴とする。
【0010】
【実施例及び作用】以下添付図面を参照して本発明を詳
細に説明する。なお、本発明はこれに限定されるもので
はない。
【0011】図1は、本発明の一実施例による多層ハニ
カムコアを有する翼形状構造体を概略的に示す断面図で
ある。翼形状の構造体1は、(a) 複数のハニカム材21、
22、23、24、25及び26と、これらのハニカム材の各層ご
とに設置された複数の繊維強化プラスチック材41、42、
43、44及び45とからなる多層ハニカムコア2と、(b)こ
の多層ハニカムコア2の表面に密着して被覆する外皮層
3とからなる。本実施例においては、各ハニカム材21、
22、23、24、25、26の厚さは同一ではなく、大きな成形
圧力がかかる部分を形成するハニカム材23及び24は比較
的薄めであり、その他の部分を形成するハニカム材21、
22、25、26は比較的厚めとなっている。このように、成
形圧力が大きいハニカムコア部分ほどハニカム材が薄く
なっているので、補強したい部分に繊維強化プラスチッ
ク材が多く配置されることになり、その部分の強度(剛
性)が増すことになる。
【0012】また、この多層ハニカムコア構造体1にお
いては、その端部(翼形状のリーディングエッジ部A及
びトレーリングエッジ部B)におけるハニカム材中に補
強用樹脂5が充填されている。このように構造体1の端
部に補強用樹脂5を充填することにより、構造体1の端
部の剛性が一層増大し、成形時の変形に対する抵抗力が
向上する。
【0013】多層ハニカムコア2の外表面には、プラス
チック材からなる外皮層3が密着している。この時、多
層ハニカムコア2の表面を平滑にするために、フィルム
状接着剤を塗布してから外皮層3を密着させるのが好ま
しい。
【0014】次に、構造体1を構成する各材料について
説明する。ハニカム材21〜26としては、紙またはこれに
各種樹脂を含浸したもの、各種のプラスチックや、アル
ミニウム、鋼材等からなるハニカム材を用いることがで
きるが、比強度が大きいアラミド繊維強化熱硬化性樹脂
からなるものを用いるのが好ましい。その場合、熱硬化
性樹脂としてはフェノール樹脂等を用いるのが好まし
い。またハニカム材間に設置される繊維強化プラスチッ
ク材41〜45としては、補強繊維に熱硬化性樹脂を含浸し
たもの(プリプレグシート)を用いるのが好ましい。特
に、補強繊維としては炭素繊維、アラミド繊維等を用い
るのがよく、熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂を用い
ることができる。
【0015】更に、構造体1の外皮層3は各種プラスチ
ック等により形成することができるが、特に繊維強化プ
ラスチックを用いるのが好ましい。このとき、繊維強化
プラスチックのプリプレグシートには、UD(一方向)
材、織布、不織布、短織維を二次元にランダムに配向さ
せてなるシート状補強繊維を用いることができるが、強
度を考えると、炭素繊維の織布を用いるのが好ましい。
また、上述したシート(例えば炭素繊維の織布等)に含
浸させる樹脂としては、成形性が良好で、複雑な形状の
構造体にも成形可能であり、また、良好な剛性を得るこ
とができる熱硬化性樹脂を用いるのが好ましい。
【0016】さらに、多層ハニカムコア2の端部のハニ
カム材内に充填する補強用樹脂5としては、パテ状の熱
硬化性樹脂を用いるのがよく、具体的には、エポキシ樹
脂等を用いることができる。
【0017】次に、図1に示す翼形状の構造体1を製造
する方法について説明する。
【0018】まず図2に示すように、厚みの異なる複数
のハニカム材21〜26と、繊維強化プラスチック材41〜45
とを交互に積層し、多層ハニカム材積層体20を作製す
る。この場合、各ハニカム材21〜26の厚さは、図2に示
す形状のハニカムコア2aを切り出す時に各部が十分な
剛性を有するように、決定する。具体的には、外皮層の
成形圧力に対する強度が特に要求される多層ハニカムコ
ア部分には、ハニカム材が多く積層されるように、ハニ
カム材を薄くし、その部分に繊維強化プラスチック材を
相対的に多く配置する。これにより、その部分の強度を
向上させる。
【0019】従って、本実施例における翼形状の構造体
1用の多層ハニカムコア2としては、先ずクラッシュし
やすいリーディングエッジ部A及びトレーリングエッジ
部Bにくるハニカム材23、24を薄めにし、その部分に繊
維強化プラスチック材が相対的に多くなる構成とする。
なおその他の部分においても、繊維強化プラスチック材
41〜45は多層ハニカムコア2のほぼ全体に行き渡ってい
る。そのため、多層ハニカムコア2は全体的に補強され
ている。
【0020】このような多層ハニカム材積層体20は以下
のようにして製造することができる。 まず、図3に示
すように、複数のL型支持部材11をアルミニウム板等の
支持板10上に配置し、得られた空間部Dに所望の厚さを
有するハニカム材21〜26と繊維強化プラスチック材41〜
45とを交互に重ねる。この工程において、図4に示すよ
うに、空間部Dの底面にあらかじめアルミニウム等から
なるストッパープレート12を設置しておき、その上にハ
ニカム材21〜26と繊維強化プラスチック材41〜45とを積
層するのがよい。そして、所望の多層ハニカム材積層体
20を得たら、積層体20上にもう一つのストッパープレー
ト12を載せる。ここでL型支持部材11は、以後の成形工
程で積層体20の側面にかかる圧力からハニカムを守り、
ハニカムの変形(クラッシュ)を防ぐ役目をする。ま
た、上下二枚のストッパープレート12、12は積層体20を
所望の形状に保持する役目をする。
【0021】次に、図5に模式的に示すように、金属製
支持板10上に積層体20を載置し、その上から、樹脂流出
防止用のポーラスリリースフィルム13と、エア透過性を
有するブリーザーマット14と、バギングフィルム15とを
順にセットし、バギングフィルム15の端部でシール材16
によりシールする。このようにバギングした状態で、加
熱加圧し、多層ハニカム材積層体20の硬化を行う。
【0022】上記の硬化処理における加熱加圧条件は、
用いる樹脂により異なるが、繊維強化プラスチック材
(プリプレグ)にエポキシ樹脂を用いた場合には、加熱
の条件は例えば図6に示すようなものとし、また加圧の
条件は1〜4kg/cm2 程度とする。
【0023】以上の方法により得た多層ハニカム材積層
体20を所望の形状に切り出して、多層ハニカムコア2
とする。多層ハニカム材積層体20の切削には、数値制御
したエンドミルやカップカッター等の切削工具を用いる
ことができる。切削する場合、ベース板17上に、両面接
着テープを介して多層ハニカム材積層体20を固定す
る。このとき、あらかじめ多層ハニカム材積層体20の
下面に繊維強化プラスチック材46を配置しておくと、ベ
ース板17に多層ハニカム材積層体20を良好に固定でき
る。なお、図7はカップカッター19を用いて多層ハニ
カム材積層体20を切削加工する状態を示す。
【0024】このようにして多層ハニカム材積層体20
の上半分を切削加工し、図8の(a)に示すような中間品2
0aを得る。次いで図8の(b) に示すように、切削加工
した部分に対応する凹部を有する支持部材38に中間品20
aを載置し、反対側(下半分)を切削加工し、翼形状の
ハニカムコア2を得る。
【0025】次に、得られた翼形状のハニカムコア2の
補強が必要な部位(リーディングエッジ部A及びトレー
リングエッジ部B)において、図9に示すように、ハニ
カム材中に補強用樹脂5を充填する。
【0026】また、本実施例では、平滑化のために多層
ハニカムコア2の表面にフィルム状接着材6を密着させ
る。フィルム状接着材6としては、エポキシ樹脂からな
るものを用いることができる。
【0027】次に図10に示すように、多層ハニカムコ
ア2の平面状の端面にエンドリブ7、7を接着させる。
エンドリブ7、7としては、繊維強化プラスチック材か
らなる硬質の板を使用するのが好ましい。このようなエ
ンドリブを使用することにより、端面の平滑性と剛性が
向上する。
【0028】エンドリブ7、7を接着した多層ハニカム
コア2の表面に外皮層3をレイアップする。この場合、
図11に示すように、外皮層3(上半分だけ図示してあ
る)はエンドリブ7を巻き込む(又はエンドリブ7の上
に外皮層3の端部がかかる)ように接着するのが好まし
い。外皮層3としては、上述したような繊維強化熱硬化
性樹脂のプリプレグシートを用いることができるが、こ
れを複数枚重ねて用いるのが好ましい。プリプレグシー
トが織布に熱硬化性樹脂を含浸させたものである場合に
は、織布の繊維方向が異なるようにプリプレグを重ね合
わせ、外皮層3に等方性を付与するのが好ましい。
【0029】外皮層3をレイアップした多層ハニカムコ
ア2に対して、デバルクしたあとで、加熱加圧成形を行
う。この加熱加圧成形の際に、最終製品に表面平滑性を
付与するために、図12に示すように、外皮層3の周囲
をプレッシャープレート30で包囲する。プレッシャー
プレートとしては、鉄箔等の金属箔(厚さ0.1mm)
を用いることができる。加熱加圧成形をするには、プレ
ッシャープレート30の周囲にポーラスリリースフィル
ム31と、ブリーザーマット32と、バギングバッグ3
3とを順にセットし、バギングバッグ33内を減圧にす
る。その状態で外皮層3を加熱硬化する。加熱加圧条件
としては、図13に例示する条件とするのが好ましい。
【0030】以上の工程により得た翼形状の構造体1
は、必要に応じて端部等のトリミングを行い、完成品と
する。
【0031】本発明を以下の具体的実施例によりさらに
詳細に説明する。実施例1 厚さが3/16インチ、3/8インチ、及び1/2インチ
のアラミド繊維強化熱硬化性樹脂からなるハニカム材を
用い、これらのハニカム材間に配置する繊維強化プラス
チック材として炭素繊維強化熱硬化性樹脂プリプレグシ
ートを用い、図3及び図4に示す支持型を用いて、図2
に示す形状の多層ハニカム材積層体を形成した。この多
層ハニカム材積層体は、図5に示す装置及び図6に示す
温度条件により硬化させた。
【0032】このようにして硬化した多層ハニカム材積
層体を、エンドミル及びカップカッターにより切削して
翼形状の多層ハニカムコアを得た。この多層ハニカムコ
アの前端部及び後端部のハニカム単位に、図9に示すよ
うに補強用樹脂(エポキシ系樹脂コンパウンド)を充填
した。また、多層ハニカムコアの表面をエポキシ樹脂か
らなるフィルム状接着材で被覆した。
【0033】得られた多層ハニカムコアの平面状側端部
に、図10に示すように炭素繊維とエポキシ樹脂とから
なるエンドリブを固着した。次に、外皮層をレイアップ
し、プレッシャープレート30で覆った。なお、外皮層
としては、内側から0.15mmの厚さのプリプレグを
1プライ、0.3mmの厚さのプリプレグシートを2プ
ライ(繊維の配向方向は45°ずれている)、及び0.1
5mmの厚さのプリプレグシートを1プライ重ねた4層
構造のものを用いた。
【0034】外皮層を密着させるためにデバルクした
後、多層ハニカムコア2をプレッシャープレートごとバ
ギングバッグ内に設置してバギングし、そのまま加熱硬
化(キュア)させた。この時の加熱硬化工程条件は図1
3に示すとおりであった。
【0035】得られた構造体の端面をトリミングし、最
終成形品を得た。この最終成形品は従来のスキン、スパ
ー、リブ構造の発泡ウレタン製翼形状構造体より遥かに
軽量であり、また剛性及び強度も良好であった。
【0036】
【発明の効果】以上詳述した通り、多層ハニカムコアを
有する本発明の翼形状構造体は強度に優れ、自動車部品
を始めとする種々の部品として使用することができる。
また、本発明の方法によれば、成形型を使用しなくても
変形なく外皮層の成形が可能であり、そのために製造コ
ストが著しく低減している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による多層ハニカムコアを有
する構造体を示す概略断面図である。
【図2】多層ハニカムコアを製造するための多層ハニカ
ム材積層体の一例を示す断面図である。
【図3】多層ハニカム材積層体を成形するのに用いる支
持型の一例を示す斜視図である。
【図4】図3に示す支持型にハニカム材と繊維強化プラ
スチック材とからなる積層体が設置された状態を示す部
分断面図である。
【図5】ハニカム材と繊維強化プラスチック材とからな
る積層体を加圧加熱硬化する装置の一例を示す概略断面
図である。
【図6】ハニカム材と繊維強化プラスチック材とからな
る積層体を加熱硬化する加熱条件の一例を示すグラフで
ある。
【図7】多層ハニカム材積層体をカップカッターにより
切削している状態を示す斜視図である。
【図8】切削された多層ハニカム成形材を示す概略断面
図であり、(a) は上半分を切削加工した多層ハニカム材
積層体を示しており、(b) は支持部材に固定して他の部
分を切削加工し、翼形状に形成した多層ハニカム材積層
体を示す。
【図9】翼形状に成形された多層ハニカム材積層体を用
いて、多層ハニカムコアを形成する状態を示す断面図で
ある。
【図10】多層ハニカムコアの平坦な端部にエンドリブを
取りつける状態を示す斜視図である。
【図11】多層ハニカムコアの表面に外皮層を設ける状態
を示す斜視図である。
【図12】外皮層を装着した多層ハニカムコアをバギング
バッグ内で加圧成形する状態を示す概略断面図である。
【図13】外皮層を装着した多層ハニカムコアを加熱硬化
する際の温度条件及び圧力条件の一例を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 多層ハニカムコア構造体 2 多層ハニカムコア 3 外皮層 5 補強用樹脂 6 フィルム状接着剤 7 エンドリブ 10 金属製支持板 11 L型支持部材 12 ストッパープレート 13、31 ポーラスリリースフィルム 14、32 ブリーザーマット 15 バギングフィルム 16 シール材 19 カップカッター 20 多層ハニカム材積層体 21〜26 ハニカム材 30 プレッシャープレート 33 バギングバッグ 38 支持部材 41〜46 繊維強化プラスチック材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小谷 耕爾 埼玉県和光市中央一丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 橘 和弘 埼玉県和光市中央一丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 実開 平2−40525(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 5/00 B21D 47/00 B32B 3/12 B32B 31/00

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のハニカム材を積層してなる多層ハ
    ニカムコアを有する翼形状構造体であって、前記多層ハ
    ニカムコアは複数のハニカム材と繊維強化プラスチック
    材とを交互に積層してなり、前記多層ハニカムコアの表
    面に繊維強化プラスチックからなる外皮層が密着してい
    ることを特徴とする翼形状構造体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の翼形状構造体におい
    て、積層された複数のハニカム材は、前記翼形状構造体
    の各部分に要求される強度にあわせて厚さを変えながら
    積層されており、前記翼形状構造体中で比較的高い強度
    が要求される部分では薄めのハニカム材を多く積層し、
    もってこの部分での繊維強化プラスチック材の相対量を
    増加させていることを特徴とする翼形状構造体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の翼形状構造体に
    おいて、前記翼形状のリーディングエッジ部及びトレー
    リングエッジ部に相当する部分のハニカム材内には、補
    強用樹脂が充填されていることを特徴とする翼形状構造
    体。
  4. 【請求項4】 多層ハニカムコアを有する翼形状構造体
    を製造する方法であって、(a) 複数のハニカム材と繊維
    強化プラスチック材とを交互に積層して多層ハニカム材
    積層体を作製し、 (b) 前記多層ハニカム材積層体を所望の形状に切削し
    て、翼形状の多層ハニカムコアを作製し、 (c) 成形型を使用せずに前記多層ハニカムコアの表面に
    外皮層を密着させることを特徴とする多層ハニカムコア
    を有する翼形状構造体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の方法において、前記外
    皮層の成形時に大きな成形圧力がかかる部分のハニカム
    材を、他の部分のハニカム材より薄めにし、もって大き
    な成形圧力がかかる部分の強度を向上することを特徴と
    する方法。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5に記載の方法において、
    前記外皮層を前記多層ハニカムコアに密着させる前に、
    前記翼形状の多層ハニカムコアのリーディングエッジ部
    及びトレーリングエッジ部に相当する部分のハニカム材
    中に補強用樹脂を充填することを特徴とする方法。
  7. 【請求項7】 請求項4〜6のいずれかに記載の方法に
    おいて、前記翼形状の多層ハニカムコアの端面にエンド
    リブを接着した後、外皮層を形成したことを 特徴とする
    方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の方法において、前記エ
    ンドリブの上に、前記外皮層の端部が被るように接着し
    たことを特徴とする方法。
  9. 【請求項9】 多層ハニカムコアを有する構造体を製造
    する方法であって、 (a) 複数のハニカム材と繊維強化プラスチック材とを交
    互に積層して多層ハニカム材積層体を作製し、 (b) 前記多層ハニカム材積層体を所望の形状に切削し
    て、多層ハニカムコアを作製し、 (c) 前記多層ハニカムコアの表面に平滑化用のフィルム
    状接着剤を密着させた後、外皮層を密着させ、プレッシ
    ャープレートにより実質的に隙間なく被覆した状態で加
    熱加圧することを特徴とする多層ハニカムコアを有する
    構造体の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の方法において、前記
    外皮層の成形時に大きな成形圧力がかかる部分のハニカ
    ム材を、他の部分のハニカム材より薄めにし、もって大
    きな成形圧力がかかる部分の強度を向上することを特徴
    とする方法。
  11. 【請求項11】 請求項9又は10に記載の方法におい
    て、前記外皮層を前記多層ハニカムコアに密着させる前
    に、前記多層ハニカムコアの端部のハニカム材中に補強
    用樹脂を充填することを特徴とする方法。
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