JP3152036B2 - インク噴射装置 - Google Patents

インク噴射装置

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JP3152036B2
JP3152036B2 JP28470493A JP28470493A JP3152036B2 JP 3152036 B2 JP3152036 B2 JP 3152036B2 JP 28470493 A JP28470493 A JP 28470493A JP 28470493 A JP28470493 A JP 28470493A JP 3152036 B2 JP3152036 B2 JP 3152036B2
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
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    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/10Finger type piezoelectric elements

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  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク噴射装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェットプリンタ等に利用
されるオンデマンド方式のインク噴射装置として電気−
熱変換素子である発熱素子を利用した、いわゆるバブル
ジェット方式のインク噴射装置や、電気−機械変換素子
である圧電素子を利用したピエゾ方式のインク噴射装置
が実用化されている。圧電素子を利用したインク噴射装
置は、発熱素子を利用したインク噴射装置に比べて、熱
の発生を伴わないことから被噴射物としての液体の制限
が少なく、またインク噴射装置の耐久性に優れる等の利
点を有している。反面、半導体製造技術を適応できる発
熱素子を利用したインク噴射装置に比べて、その集積度
・小型化の面で劣っていると言う問題があった。しかし
ながら近年、特開平2−150355号公報で開示され
ているように、圧電材料の変形モードの内、せん断モー
ド(厚み滑りモード)を圧力の発生に利用することで、
従来の圧電素子を利用したインク噴射装置に比べて、高
集積化及び小型化を達成したインク噴射装置の構成が提
案されており、以下、その概略構成を図面を参照して説
明する。
【0003】図7に示すように、インク噴射装置1は、
圧電セラミックスプレート2とカバープレート3とノズ
ルプレート31と基板41とから構成されている。
【0004】圧電セラミックスプレート2は、強誘電性
を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミッ
クス材料によって形成されている。そして、その圧電セ
ラミックスプレート2は矢印5の方向に分極処理されて
いる。次に、圧電セラミックスプレート2は、図8に示
すように、ダイヤモンドブレード30の回転によって溝
28が切削加工される。この切削加工時には、ダイヤモ
ンドブレード30の切削方向が、30A,30B,30
Cと変化され、チャンネル溝部17,R形状溝部19,
浅溝部16からなる溝28が形成される。
【0005】ダイヤモンドブレード30の切削方向30
Aによりチャンネル溝部17が形成される。続いて切削
方向が30Aから30Bに変化されて切削加工の深さが
変化される。このとき、ダイヤモンドブレード30の径
の曲率を有する曲面であるR形状溝部19が形成され
る。そして、切削方向が30Bから30Cに変化されて
浅溝部16が形成される。
【0006】図7に示すように、このように切削加工さ
れた圧電セラミックスプレート2には、複数の溝28が
形成されている。それらの溝28は同じ深さであり、か
つ平行である。また浅溝部16は圧電セラミックスプレ
ート2の一端面15付近に形成されている。チャンネル
溝部17及び浅溝部16の寸法は用いるダイアモンドカ
ッターブレード30の厚み及び設定切込み量で決定さ
れ、溝28のピッチ及び本数は溝28加工時の加工テー
ブルの送りピッチ及び溝加工回数を制御することで決定
され、R形状溝部19の曲面の曲率は、ダイヤモンドブ
レード30の径で決定される。この手法は半導体製造プ
ロセスに用いられている手法であり、厚み0.02mm
程度の非常に薄いダイアモンドブレード30が市販され
ているためインク噴射装置に要求される高集積化等に十
分対応できる技術であると言える。また、その溝28の
側面となる隔壁11は前記分極処理により矢印5の方向
に分極されている。
【0007】また、チャンネル溝部17とR形状溝部1
9の側面及び浅溝部16の内面には、金属電極13,1
8,9が蒸着法により形成されている。図9に示すよう
に、金属電極13,18(図7),9の形成時には、圧
電セラミックスプレート2は図示しない蒸着源からの蒸
気放出方向に対して傾斜される。そして、蒸気が放出さ
れると隔壁11のシャドー効果により、チャンネル溝部
17の側面の上半分,R形状溝部19の側面の上からチ
ャンネル溝部17の側面の半分の位置まで,浅溝部16
の内面及び隔壁11の上面に金属電極13,18,9,
10が形成される。次に、圧電セラミックスプレート2
が180度回転されて、同様にして金属電極13,1
8,9,10が形成される。この後、隔壁11の上面に
形成された不要な金属電極10がラッピング等により除
去される。こうして、チャンネル溝部17の両側面に形
成された金属電極13は、R形状溝部19の側面に形成
された金属電極18を介して浅溝部16の内面に形成さ
れた金属電極9により電気的に接続される。
【0008】次に、図7に示すカバープレート3は、セ
ラミックス材料または樹脂材料等から形成されている。
そして、カバープレート3には、研削または切削加工等
によって、インク導入口21及びマニホールド22が形
成されている。そして、圧電セラミックスプレート2の
溝28加工側の面とカバープレート3のマニホールド2
2加工側の面とがエポキシ系等の接着剤4(図11)に
よって接着される。従って、インク噴射装置1には、溝
28の上面が覆われて、横方向に互いに間隔を有する複
数のインク室12(図11)が構成される。そして、全
てのインク室12内には、インクが充填される。
【0009】圧電セラミックスプレート2及びカバープ
レート3の端面に、各インク室の位置に対応した位置に
ノズル32が設けられたノズルプレート31が接着され
ている。このノズルプレート31は、ポリアルキレン
(例えばエチレン)テレフタレート、ポリイミド、ポリ
エーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルス
ルホン、ポリカーボネイト、酢酸セルロース等のプラス
チックによって形成されている。
【0010】そして、圧電セラミックスプレート2の溝
28の加工側に対して反対側の面には、基板41が、エ
ポキシ系接着剤等によって接着されている。その基板4
1には各インク室12の位置に対応した位置に導電層の
パターン42が形成されている。その導電層のパターン
42と浅溝部16の底面の金属電極9とは、周知のワイ
ヤボンディング等によって導線43で接続されている。
【0011】次に、制御部のブロック図を示す図10に
よって、制御部の構成を説明する。基板41に形成され
た導電層のパターン42は各々個々にLSIチップ51
に接続されている。また、クロックライン52、データ
ライン53、電圧ライン54及びアースライン55もL
SIチップ51に接続されている。LSIチップ51
は、クロックライン52から供給される連続したクロッ
クパルスに基づいて、データライン53上に現れるデー
タに応じて、どのノズル32からインク液滴の噴射を行
うべきかを判断する。そして、LSIチップ51は、駆
動するインク室12の金属電極13に電気的に接続され
た導電層のパターン42に、電圧ライン54の電圧Vを
印加し、駆動するインク室12以外の金属電極13に接
続された導電層のパターン42にはアースライン55を
接続する。
【0012】次に、図11,図12によって、インク噴
射装置1の動作を説明する。
【0013】LSIチップ51が、所要のデータに従っ
て、インク噴射装置1のインク室12bからインクの噴
出を行なうと判断する。すると、そのインク室12bに
対応する導電層パターン42、金属電極9及び金属電極
18を介して金属電極13eと13fとに正の駆動電圧
Vが印加され、金属電極13dと13gとが接地され
る。図12に示すように、隔壁11bには矢印14bの
方向の駆動電界が発生し、隔壁11cには矢印14cの
方向の駆動電界が発生する。すると、駆動電界方向14
b及び14cは分極方向5とが直交しているため、隔壁
11b及び11cは、圧電厚みすべり効果により、この
場合、インク室12bの内部方向に急速に変形する。こ
の変形によってインク室12bの容積が減少してインク
圧力が急速に増大し、圧力波が発生して、インク室12
bに連通するノズル32(図7)からインク滴が噴射さ
れる。
【0014】また、駆動電圧Vの印加が停止されると、
隔壁11b及び11cが変形前の位置(図11参照)に
戻るためインク室12b内のインク圧力が低下する。す
ると、インク導入口21(図7)からマニホールド22
(図7)を通してインク流路12b内にインクが供給さ
れる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たインク噴射装置1では、上記のように圧電セラミック
スプレート2には、基板41が接着され、その基板41
には各インク室12の位置に対応した位置に導電層のパ
ターン42が形成され、その導電層のパターン42と浅
溝部16の底面の金属電極9とは、周知のワイヤボンデ
ィング等によって導線43で接続されている。
【0016】また、インク室12b内からインクを噴射
するために、両側の隔壁11b及び11cを変形させる
が、R形状溝部19側面の隔壁11の部分は、ほとんど
変形しないため、インク噴射のためのインクへの圧力発
生には、チャンネル溝部17の側面である隔壁11の部
分の変形が寄与している。すなわち、チャンネル溝部1
7に充填されたインクが圧力を受け、ノズル32から所
定の体積のインク滴が所定の噴射速度で噴射される。つ
まり、前記噴射に寄与する圧力発生はチャンネル溝部1
7で行われており、浅溝部16及びR形状溝部19は圧
力発生には寄与していない。
【0017】従って、基板41のパターン42と電気的
に接続するための浅溝部16及びその浅溝部16を加工
するために形成されるR形状溝部19の部分の圧電材料
分、圧電セラミックスプレートの材料費が高いといった
問題があった。
【0018】ここで、電気的には隔壁11を構成する圧
電材料は一種のコンデンサーとして作用することとな
る。このため、実質的に圧力発生に寄与しない浅溝部1
6及びR形状溝部19までもが圧電材料にて構成されて
いるので、前記コンデンサーとしての静電容量が大きく
なって電気的入力エネルギーに対する圧力発生に消費さ
れるエネルギーの効率が悪いという問題点があった。
【0019】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、隔壁の電極と制御部との接続を
容易にし、また圧電セラミックス材料が少なく、エネル
ギー効率のよいインク噴射装置を提供することを目的と
する。
【0020】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の請求項1のインク噴射装置では、圧電セラミ
ックスで少なくとも一部が形成された隔壁によって隔て
られた複数の溝を一方の面に有するプレートと、前記隔
壁に形成された第一電極と、一端を前記溝とは反対側の
前記プレートの外面上に開口し、他端を前記溝側に延び
前記第一電極の近傍に連続して前記プレートに形成され
た連通部と、その連通部の前記第一電極と連続する位置
から前記外面上の前記開口部近傍にわたって形成され、
前記第一電極と電気的に接続した第二電極とを備えてい
る。
【0021】請求項2では、請求項1記載のインク噴射
装置において、前記プレートに前記溝を覆って固着され
たカバープレートをさらに備え、そのカバープレートに
よって覆われた前記溝は、インクを充填しそのインクを
噴射するインク室、または両側に前記隔壁によって隔て
られて設けられた非噴射領域、もしくはその双方を構成
ることを特徴とする。
【0022】請求項3では、請求項1または2記載のイ
ンク噴射装置において、前記プレートの外面上には、制
御部に接続可能な導電性のパターンが形成され、そのパ
ターンと前記第二電極とが電気的に接続されていること
を特徴とする。
【0023】請求項4では、請求項1から3のいずれか
に記載のインク噴射装置において、前記連通部は、前記
プレートの前記溝の長手方向端部に直交して位置するス
リットであることを特徴とする。
【0024】請求項5では、請求項1から4のいずれか
に記載のインク噴射装置において、前記溝は、一様の深
さであることを特徴とする。
【0025】
【作用】上記の構成を有する本発明のインク噴射装置で
は、隔壁に沿った第一の電極は、連通部内の電極によっ
て、プレートの溝とは反対側の外面に導き出され、その
面において、制御部と接続可能になる。
【0026】この構成は、溝をカバープレートで覆い、
その溝で、インクを充填したインク室、またはインクを
噴射しない非噴射領域、もしくはその双方を構成するこ
とによって実現される。
【0027】また、プレートの外面上に、第二電極と接
続した導電性のパターンを形成することで、そのパター
ンをとおして制御部と接続可能になる。
【0028】また連通部を、プレートの溝の長手方向端
部に直交して位置するスリットとして形成することがで
きる。
【0029】また、上記構成は、溝を一様の深さとする
ことで、従来の溝のR形状および浅溝部がなくても溝内
の電極を制御部に接続することが可能になるとともに、
静電容量を低減できる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。
【0031】図1、図2及び図3に示すように、インク
噴射装置300は、圧電セラミックスプレート302と
カバープレート320とノズルプレート(図示せず)と
マニホールド部材301から構成されている。
【0032】その圧電セラミックスプレート302は、
チタン酸ジルコン酸鉛系(PZT)のセラミックス材料
で形成され、圧電セラミックスプレート302には、ダ
イヤモンドブレード等により切削加工され、複数の溝3
03が形成されている。また、その溝303の側面とな
る隔壁306は矢印305の方向に分極されている。そ
れらの溝303は同じ深さであり、かつ平行であり、圧
電セラミックスプレート302の対向する端面302
a、302bに開口して加工されている。この溝303
の長さは、従来のチャンネル溝部17の長さとほぼ同じ
である。
【0033】また、圧電セラミックスプレート302の
端面302aには、スリット311aが溝303に連通
するように1つ置きに形成されている。圧電セラミック
スプレート302の端面302bには、スリット311
bが溝303に連通するように1つ置きに形成されてい
る。そして、スリット311a、311bは交互に形成
されており、スリット311aとスリット311bと
は、隣合う溝303に形成されている。尚、スリット3
11aは、両外側の溝303に設けられている。また、
圧電セラミックプレート302の溝303加工側に対し
て反対側の面302cには、パターン324、325が
形成されている。
【0034】そして、圧電セラミックスプレート302
の溝加工面、且つ端面302aに対して斜め上方の位置
に配置された蒸着源(図示せず)から金属電極308、
309、310が形成される(矢印330a、330b
の方向から蒸着される)。尚、圧電セラミックスプレー
ト302の端面302a及び隔壁306の天頂部に金属
電極が形成されないようにマスクしておく。すると、図
1に示すように、金属電極308は溝303の両側面の
上半分の領域に形成され、金属電極309は、スリット
311aが形成されていない溝303の端面302a側
の側面の一部及び底面の一部に形成され、金属電極31
0はスリット311aの側面のうち端面302a側に形
成される。尚、金属電極308と金属電極309とは電
気的に接続され、金属電極308と金属電極310とは
電気的に接続されている。
【0035】次に、圧電セラミックスプレート302の
面302c、且つ端面302bに対して斜め上方の位置
に配置された蒸着源(図示せず)から金属電極316、
317が形成される(矢印331a、331bの方向か
ら蒸着される)。尚、圧電セラミックスプレート302
の端面302b及び面302cのパターン324、32
5が形成された領域に金属電極が形成されないようにマ
スクしておく。すると、図3に示すように、その金属電
極316は、圧電セラミックスプレート302の面30
2cにおいてスリット311aの底面より端面302a
側の領域及びスリット311a内面の側面の一部に形成
される。このとき、スリット311aに形成された金属
電極310上にも金属電極316が形成されて、スリッ
ト311aの側面に形成された金属電極316が金属電
極310を介して金属電極308と電気的に接続され
る。このため、スリット311aが形成された溝303
aの片側の隔壁306に形成された金属電極308が、
その隔壁306によって構成される溝303bを挟む他
の溝303aにおける該溝303bを構成するもう一つ
の隔壁306に形成された金属電極308と電気的に接
続される。また、金属電極316はパターン324に電
気的に接続される。
【0036】そして、図2及び図3に示すように、金属
電極317は、圧電セラミックスプレート302の面3
02cにおいてスリット311bの底面より圧電セラミ
ックスプレート302の中央側から端面302b側の領
域、スリット311b内面の側面の全部及びスリット3
11bの端面302b側に形成される。このとき、スリ
ット311bと連通する溝303bの金属電極308上
にも金属電極317が形成されて、スリット311bの
側面に形成された金属電極317と電気的に接続され
る。このため、スリット311bが形成された溝303
bの全ての金属電極308が金属電極317によって電
気的に接続される。また、金属電極317はパターン3
25に電気的に接続される。
【0037】次に、カバープレート320はアルミナで
形成されており、圧電セラミックスプレート302の溝
303加工側の面と、カバープレート320とをエポキ
シ系接着剤321(図5)によって接着する。従って、
インク噴射装置300には、溝303の上面が覆われ
て、スリット311bと連通するインク室304及びス
リット311aと連通する非噴射領域としての空気室3
27が構成される。尚、インク室304は溝303aに
対応しており、空気室327は溝303bに対応してい
る。インク室304及び空気室327は長方形断面の細
長い形状であり、全てのインク室304はインクが充填
され、空気室327は空気が充填される領域である。
【0038】圧電セラミックスプレート302の端面3
02a及びカバープレート320のの端面に、各インク
室304の位置に対応した位置にノズル(図示せず)が
設けられたノズルプレート(図示せず)が接着される。
このノズルプレートは、ポリアルキレン(例えばエチレ
ン)テレフタレート、ポリイミド、ポリエーテルイミ
ド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリ
カーボネイト、酢酸セルロース等のプラスチックによっ
て形成される。
【0039】そして、マニホールド部材301が、圧電
セラミックスプレート302の端面302b及び圧電セ
ラミックスプレート302の面302cにおけるスリッ
ト311b側に接着される。マニホールド部材301に
はマニホールド322が形成されており、そのマニホー
ルド322はスリット311bを包囲している。
【0040】圧電セラミックスプレート302の面30
2cに形成されたパターン324、325が図示しない
フレキシブルプリント基板(図示せず)の配線パターン
と接続される。そのフレキシブルプリント基板の配線パ
ターンは、後述する制御部に接続されたリジット基板
(図示せず)に接続されている。
【0041】次に、制御部のブロック図を示す図4によ
って、制御部の構成を説明する。パターン324、32
5は、前記フレキシブルプリント基板、前記リジット基
板を介して各々個々にLSIチップ351に接続され、
クロックライン352、データライン353、電圧ライ
ン354及びアースライン355もLSIチップ351
に接続されている。LSIチップ351は、クロックラ
イン352から供給された連続するクロックパルスに基
づいて、データライン353上に現れるデータから、ど
のノズルからインク滴の噴射を行うべきかを判断し、噴
射するインク室304の両側の空気室327の金属電極
308に導通するパターン324に、電圧ライン354
の電圧Vを印加する。また、他のパターン324及びイ
ンク室304の金属電極308に導通するパターン32
5をアースライン355に接続する。
【0042】次に、本実施例のインク噴射装置300の
動作を説明する。図5(b)のインク室304bからイ
ンク滴を噴射するために、当該インク室304bの両側
の空気室327b、327cのインク室304b側の金
属電極308c、308fに対し電圧パルスをパターン
324を介して与え、他の金属電極308には、他のパ
ターン324、パターン325を介して接地する。する
と、隔壁306bには矢印313b方向の電界が発生
し、隔壁306cには矢印313c方向の電界が発生し
て、隔壁306bと306cとが互いに離れるように動
く。インク室304bの容積が増えて、ノズル付近を含
むインク室304b内の圧力が減少する。この状態をL
/aで示される時間だけ維持する。すると、その間スリ
ット311bを介してマニホールド322からインクが
供給される。なお、上記L/aは、インク室304内の
圧力波が、インク室304の長手方向(スリット311
bからノズルプレートまで、またはその逆)に対して、
片道伝播するに必要な時間であり、インク室304の長
さLとインク中での音速aによって決まる。
【0043】圧力波の伝播理論によると、前記の立ち上
げからちょうどL/aの時間経つとインク室304b内
の圧力が逆転し、正の圧力に転じるが、このタイミング
に合わせて電極308c、308fに印加されている電
圧を0Vに戻す。すると、隔壁306bと306cは変
形前の状態(図5(a))に戻り、インクに圧力が加え
られる。その時、前記正に転じた圧力と、隔壁306
b、306cが変形前の状態に戻って発生した圧力とが
たし合わされ、比較的高い圧力がインク室304b内の
インクに与えられて、インク滴がノズルから噴出され
る。
【0044】また、前記実施例においては、まず駆動電
圧をインク室304bの容積が増加する方向に印加し、
次に駆動電圧の印加を停止しインク室304bの容積を
自然状態に減少してインク室304bからインク滴を噴
射していたが、まず駆動電圧をインク室304bの容積
が減少するように印加してインク室304bからインク
滴を噴射し、次に駆動電圧の印加を停止してインク室3
04bの容積を前記減少状態から自然状態へと増加させ
てインク室304b内にインクを供給してもよい。
【0045】上述したように、本実施例のインク噴射装
置300では、インクを噴射するインク室304bに対
して両側の空気室327b、327cのインク室304
b側の金属電極308c、308fに対して電圧パルス
をパターン324を介して与え、他の金属電極308に
は、他のパターン324、パターン325を介して接地
して、インク室304のノズルからインク滴を噴射させ
ているので、インクが充填されたインク室304の金属
電極308には電圧が印加されないため、金属電極30
8の劣化がしにくい。従って、インクと金属電極308
とを絶縁するための前記絶縁層が必要がなく、そのため
の設備、工程が必要なく、生産性を向上することがで
き、コストを低減することができる。また、インクが充
填されたインク室304の金属電極308には電圧が印
加されないので、金属電極308の耐食性がよい。この
ため、金属電極308の耐久が長く、インク噴射装置3
00の寿命が長い。
【0046】また、空気室327には、空気が充填され
ているので、隔壁306の変形がしやすく、電圧が低く
てよい。
【0047】また、本実施例では、圧電セラミックスプ
レート302の端面302bにスリット311bが形成
されているので、インク室304のみがスリット311
bを介してマニホールド322に連通し、空気室327
がマニホールド322に連通しない。このため、空気室
327にインクが供給されることがなく、インク室30
4bからインク滴を噴射するための隔壁306b、30
6cの変形が、他のインク室304a、304c等に影
響を及ぼすことがない。従って、各インク室304から
良好にインク滴が噴射され、印字品質がよい。
【0048】また、本実施例のインク噴射装置300で
は、圧電セラミックスプレート302の面302cにお
けるスリット311aの底面より圧電セラミックスプレ
ート302の端面302a側の領域及びスリット311
a内面の側面の一部に金属電極316が形成されている
ので、空気室327の片側の金属電極308が、インク
室304を挟む他の空気室327の該インク室304側
の金属電極308と電気的に接続される。また、圧電セ
ラミックスプレート302の面302cにおけるスリッ
ト311bの底面より圧電セラミックスプレート302
の中央側から端面302b側の領域及びスリット311
a内面の側面の全部に金属電極317が形成されるの
で、全てのインク室304の金属電極308が電気的に
接続される。
【0049】このため、従来のようにR形状溝部19
(図8)及び浅溝部16(図8)を設けなくても、イン
ク室304の金属電極308の全てを接続し、インク室
304を構成する隔壁306に形成された両側の空気室
327の金属電極308を電気的に接続することができ
る。従って、圧電セラミックスプレート302の材料が
従来の圧電セラミックスプレート2より少なくてよく、
コストが下がる。また、金属電極316、317は、圧
電セラミックスプレート302の平面である面302c
に形成されたパターン324、325に電気的に接続さ
れるので、パターン324、325と、フレキシブルプ
リント基板の配線パターンとを良好に且つ容易に電気的
に接続することができる。また、パターン324、32
5の形状や大きさを適切にして、確実に電気的接続をす
ることができる。
【0050】更に、上記の様なインク噴射装置300の
駆動を考えると、インク滴噴射の為には、溝303の側
面となる圧電材料で形成された隔壁306部分への入力
信号に伴って、ドライバーから所定の電圧を印加する必
要がある。電気的には隔壁306を構成する圧電材料は
一種のコンデンサーとして作用することとなる。ここ
で、コンデンサーとしての静電容量(C)は圧電材料の
隔壁306の幅寸法(t)、側面に形成された金属電極
308の電極面積(s)及び圧電材料のもつ比誘電率
(ε11 T)で決まり、C=ε11 T・ε0・s/tとなる
(ここでε0:真空の比誘電率)となる。本実施例のイ
ンク噴射装置300では、圧電材料で形成されている隔
壁306の長さが、従来のチャンネル溝部17(図8)
にほぼ対応する長さであり、従来のR形状溝部19及び
浅溝部6が形成されていないので、従来のインク噴射装
置1より、前記電極面積sが小さくなって前記静電容量
Cが従来より小さくなる。このため、従来よりエネルギ
ーの効率が優れている。
【0051】また、フレキシブルプリント基板を用いず
に、圧電セラミックスプレート302のパターン32
4、325を、前記制御部に接続された前記リジット基
板に直接接続することも可能である。
【0052】尚、空気室327の幅をインク室304の
幅より小さくすることによって、圧電セラミックスプレ
ート302の幅を小さくすることができる。
【0053】また、本実施例では、チタン酸ジルコン酸
鉛系(PZT)のセラミックス材料で圧電セラミックス
プレート302が形成されて、隔壁306を圧電すべり
変形させていたが、圧電セラミックスプレートをチタン
酸鉛系(PT)のセラミックス材料で形成し、隔壁を圧
電縦変形させてインクを噴射させてもよい。
【0054】また、本実施例では、複数の溝303が形
成された圧電セラミックスプレート302の溝加工側の
面に、カバープレート320を接着していたが、前記圧
電セラミックスプレート302の溝加工側の面に、複数
の溝が形成され、且つ溝の内面に電極が形成された圧電
セラミックスプレートを接着してもよい。
【0055】更に、本実施例では、インク室304及び
空気室327を備えたインク噴射装置300であった
が、図6に示すように、前記空気室327が設けられて
いないインク室204のみが構成されたインク噴射装置
200にも本発明を用いることができる。この場合、複
数の溝が形成された圧電セラミックスプレート202に
カバープレート220が接着されてインク室204が構
成され、圧電セラミックスプレート204に、インク室
204に連通するスリット211が設けられ、圧電セラ
ミックスプレート202の溝加工側と反対側の面及びス
リット211の内面の一部に金属電極209が形成され
る。この金属電極209は、インク室204内の両側の
金属電極208に電気的に接続する。尚、金属電極20
9は、各インク室204に対応して形成されている。
【0056】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明のインク噴射装置によれば、隔壁に沿った第一の電
極を、連通部内の電極によって、プレートの外に導き
出しているので、その外面において、制御部と容易に接
続することが可能になる。
【0057】また、これにより溝を一様の深さにする
とが可能になり、その結果、従来のような圧電セラミッ
クスで形成されたR形状部および浅溝部が必要なくな
り、このため、圧電セラミックス材料が少なくなり、コ
ストを低減することができる。また、インク噴射装置全
体での静電容量が従来より低くなり、従来よりエネルギ
ー効率が優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のインク噴射装置を示す斜視
図である。
【図2】前記実施例の圧電セラミックスプレートを示す
斜視図である。
【図3】前記実施例のインク噴射装置を示す説明図であ
る。
【図4】前記実施例のインク噴射装置の制御部を示すブ
ロック図である。
【図5】前記実施例のインク噴射装置の動作を示す説明
図である。
【図6】本発明の他のインク噴射装置を示す説明図であ
る。
【図7】従来技術のインク噴射装置を示す斜視図であ
る。
【図8】従来技術の溝加工を示す説明図である。
【図9】従来技術の圧電セラミックスプレートの電極形
成工程を示す説明図である。
【図10】従来技術のインク噴射装置の制御部を示す説
明図である。
【図11】従来技術のインク噴射装置の断面図である。
【図12】従来技術のインク噴射装置の作動状態を示す
説明図である。
【符号の説明】
300 インク噴射装置 302 圧電セラミックスプレート 303 溝 304 インク室 305 分極方向 306 隔壁 308 金属電極 310 金属電極 316 金属電極 317 金属電極 311a スリット 311b スリット 320 カバープレート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/01 B41J 2/045 B41J 2/055 B41J 2/16

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電セラミックスで少なくとも一部が形
    成された隔壁によって隔てられた複数の溝を一方の面に
    有するプレートと、 前記隔壁に沿って形成され、電圧の印加によりその隔壁
    を変形させる第一電極と、 一端を前記溝とは反対側の前記プレートの外面上に開口
    し、他端を前記溝側に延び前記第一電極の近傍に連続し
    て前記プレートに形成された連通部と、 その連通部内の前記第一電極と連続する位置から前記外
    面上の前記開口部 近傍にわたって形成され、前記第一電
    極と電気的に接続した第二電極とを備えたことを特徴と
    するインク噴射装置。
  2. 【請求項2】 前記プレートに前記溝を覆って固着され
    たカバープレートをさらに備え、 そのカバープレートによって覆われた前記溝は、インク
    を充填し前記隔壁の変形によりそのインクを前記溝の端
    部に連通するノズルから噴射するインク室、または両側
    に前記隔壁によって隔てられて設けられた非噴射領域、
    もしくはその双方を構成する ことを特徴とする請求項1
    記載のインク噴射装置。
  3. 【請求項3】 前記プレートの外面上には、制御部に接
    続可能な導電性のパターンが形成され、そのパターンと
    前記第二電極とが電気的に接続されていることを特徴と
    する請求項1または2記載のインク噴射装置。
  4. 【請求項4】 前記連通部は、前記プレートの前記溝の
    長手方向端部に直交して位置するスリットであることを
    特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のインク噴
    射装置。
  5. 【請求項5】 前記溝は、一様の深さであることを特徴
    とする請求項1から4のいずれかに記載のインク噴射装
    置。
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