JP3151405B2 - 高圧ナトリウムランプ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は高圧ナトリウムラン
プに関し、特に発光管の熱膨張による長さの変化を補う
ために構造の改善された高圧ナトリウムランプに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】高圧ナトリウムランプは高い効率と輝度
を有しているので室外の照明、工場及び店などの室内照
明に多く用いられている。

【０００３】従来の高圧ナトリウムランプが図３に示さ
れている。同図を参照すると、ランプの外観をなす外具
５の内部には窒素のようなガスが入っている。外具５の
中心部には酸化アルミニウムを主成分とする透光性多結
晶質アルミナよりなり、電源により発光する発光管１が
設けられている。

【０００４】また、発光管１の両端には電極1a,1b が連
結され、リード線２, ３が電極1a,1b とステム４の間に
設けられてこれらを電気的に連結させる。前記リード線
２,３は発光管１を支持する役割も果たす。

【０００５】以上のように構成された高圧ナトリウムラ
ンプにおいて、リード線２, ３を介して発光管１に電源
が供給されると、発光管１の内部で電位差が発生され、
発光管１の内部の化合物がイオン化され発光するように
なる。

【０００６】ところが、ナトリウムランプの発光の際、
発光管１の温度は約７００または８００℃以上に増加す
るので、発光管１の内部は高温及び高圧の状態となり、
したがって発光管１が次第に膨張するようになる。ま
た、ランプが消灯されると発光管１は次第に冷却されな
がら再び元どおりに収縮する。そのような発光管１の反
復的な膨張及び収縮は熱的疲労を招き、結局はリード線
２, ３と電極1a,1b または発光管１と電極1a,1b の間の
接触部の破壊をもたらす。

【０００７】従って、高圧ナトリウムランプの構造設計
においては、ランプの寿命を向上させるために発光管１
の熱的膨張による長さの変化を効果的に補い得る手段が
要求されている。

【０００８】そのような手段として、従来では発光管１
の膨張を緩和するために、電極1a,1b のうち少なくとも
一つにニオビウムよりなる管６をまず付着した後、この
ニオビウム管６にリード線２, ３を溶接した。このよう
な構成によると、発光管１の熱的膨張による影響は、ニ
オビウム管６を経てリード線２, ３に伝達されるので、
緩和される。

【０００９】しかし、このような従来の高圧ナトリウム
ランプの構造も、発光管１の熱的膨張による接触部の熱
的疲労を十分には取り除くことができないという問題が
あった。

【００１０】また、ニオビウム管６とリード線２, ３を
溶接させる工程が難しいので、生産性が低く、高コスト
になるという問題もあった。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】本発明は前記のごとき
従来の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、発
光管の熱的膨張及び収縮による熱的疲労を効果的に、か
つ低コストに取り除ける高圧ナトリウムランプを提供す
ることにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明による高圧ナトリウムランプは、両端部に
電極を有する発光管と、前記発光管側に底部が形成さ
れ、他側が開口し、前記電極に連結されるように前記発
光管の少なくとも一端に結合されたスリーブと、前記ス
リーブ内径とほぼ等しい直径を有し、前記スリーブの内
にその長手方向に摺動自在にはめ込まれるワイヤーフレ
ームと、その一端は前記ワイヤーフレームの一端に結合
されるとともにその他端は前記スリーブの中に前記底部
まで挿入されて前記発光管を弾性的に支持する緩衝コイ
ルとを含むことを特徴とする。

【００１３】望ましくは、前記スリーブはニオビウムよ
り作られて、前記発光管は透光性多結晶質アルミナであ
る。

【００１４】本発明による高圧ナトリウムランプにおい
ては、熱的膨張及び収縮による発光管の長さの変化は緩
衝コイルにより十分吸収される。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、添付した図面に基づき本発
明をその実施の形態に基づき、さらに詳細に説明する。

【００１６】図１は本発明の実施の形態に係る高圧ナト
リウムランプの概略断面図であり、図２は図１のＡ部の
詳細図である。図１及び図２を参照すると、本実施形態
の高圧ナトリウムランプの発光管１１の両端には一対の
電極10a,10b がある。前記発光管１１の少なくとも一端
にはカップ状のスリーブ１４が結合される。前記スリー
ブ１４の一端には電極10a が連結され、他端にはワイヤ
ーフレーム１２がスリーブ１４内に摺動自在にはめ込ま
れて電気的に接続される。

【００１７】ワイヤーフレーム１２の一端には緩衝コイ
ル１３が結合されているとともに他端にはリード線２２
に結合される。緩衝コイル１３はスリーブ１４の中に挿
入され、発光管１１を弾性的に支持する。

【００１８】前記構造は、まず緩衝コイル１３をワイヤ
ーフレーム１２に溶接し、次いで緩衝コイル１３の弾性
力を用いてスリーブ１４の中に緩衝コイル１３及びワイ
ヤーフレーム１２の組立体を挿入させることにより簡単
に得られる。

【００１９】前記スリーブ１４は導電性ニオビウムより
なることが望ましい。また、緩衝コイル１３は高温及び
高電流に耐えられる金属材質よりなることが望ましい。
望ましくは、緩衝コイル１３の弾性係数は発光管１１の
微細な熱的膨張に十分対応できる程度のものが適する。

【００２０】なお、ワイヤーフレーム１２、緩衝コイル
１３及びスリーブ１４の組立体は発光管１１の両端に設
けることも可能であり、この場合は、発光管１１の膨張
を両端で均一に吸収することができ、かつ吸収効率も向
上する。

【００２１】本実施形態による高圧ナトリウムランプの
作動において、リード線２２を通して供給される電流は
ワイヤーフレーム１２及び緩衝コイル１３を経て電極10
a に伝達される。スリーブ１４が導電性である場合に
は、電流はワイヤーフレーム１２からスリーブ１４を経
て電極10a に到達することができる。次いで、ステム２
４より伸びてきたリード線２２, ２３により支持される
発光管１１が発光しながら徐々に膨張されると、膨張力
により緩衝コイル１３は収縮される。

【００２２】反対に、発光管１１が消灯されると、発光
管１１は冷却されながら徐々に元どおりに収縮され、し
たがって緩衝コイル１３も再び伸びるようになる。

【００２３】なお、前記発光管１１は酸化アルミニウム
を主成分とする透光性の多結晶質アルミナで構成するこ
とができる。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明では、以下
の効果を奏する。

【００２５】（１）緩衝コイルで発光管を弾性的に支持
するようにしたので、発光管の熱的膨張及び収縮による
発光管の長さの変化は緩衝コイルにより十分吸収され、
発光管の熱的疲労を効果的に防止し、ランプの寿命を延
長させる。

【００２６】（２）また、発光管とワイヤーフレームを
別途の工程で溶接せずにスリーブの内に緩衝コイルを簡
単に挿入させることにより発光管を弾性的に支持するこ
とができるので、低コストにランプを製作できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態に係る高圧ナトリウムラン
プの概略断面図。

【図２】図１のＡ部の詳細図。

【図３】従来の高圧ナトリウムランプを示した概略断面
図。

【符号の説明】

10a,10b 電極 １１ 発光管 １２ ワイヤーフレーム １３ 緩衝コイル １４ スリーブ ２２、２３ リード線 ２４ ステム

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 両端部に電極を有する発光管と、前記発光管側に底部が形成され、他側が開口し 、前記電
   極に連結されるように前記発光管の少なくとも一端に結
   合されたスリーブと、前記スリーブ内径とほぼ等しい直径を有し、 前記スリー
   ブの内にその長手方向に摺動自在にはめ込まれるワイヤ
   ーフレームと、 その一端は前記ワイヤーフレームの一端に結合されると
   ともにその他端は前記スリーブの中に前記底部まで挿入
   されて前記発光管を弾性的に支持する緩衝コイルと、 を含むことを特徴とする高圧ナトリウムランプ。