JP3151400B2 - 管類の内部腐食検出方法 - Google Patents
管類の内部腐食検出方法Info
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Description
管内部の腐食を検出するために使用される管類の内部腐
食検出方法に関するものである。
材や斜材に鋼管を使用した場合には、鋼管内部に雨水や
風が浸入し、長期間経過すると溶融亜鉛めっきが施され
た鋼管内面に腐食が発生することがある。従来において
は、先端にランプとCCDカメラを備えたビデオイメー
ジスコープなどを鋼管内部に挿入し、CCDカメラで捉
えた映像をビデオテープレコーダーに収録し、収録した
映像記録を人の目で長時間かけて観察し、腐食箇所の検
出を行っていた。
よる観察では、鉄塔1基の腐食箇所の検出に約15時間
も要し、時間のかかる大変な作業となっていた。また、
腐食箇所の判定には、個人差があり、判定には客観性や
統一性が見られなかった。
して画像処理手法によるものがあるが、カメラで捉えた
画像には様々な不必要情報が存在するため、腐食箇所を
誤検出する恐れがあった。
べくなされたもので、その目的は、腐食箇所の検査の自
動化・省力化を図れると共に、腐食箇所を誤検出なく確
実に検出・判定することのできる管類の内部腐食検出方
法を提供することにある。
っきされた管類(亜鉛めっき鋼管など)の内部腐食を検
出する内部腐食検出方法であり、長尺の映像伝送手段の
頭部に照明部と撮像手段を併設してなる映像検出部(ラ
ンプ,CCDカメラ,電気信号ケーブルによるビデオイ
メージスコープ方式あるいは光ファイバーによるライト
ガイド,イメージガイドからなるファイバースコープ方
式など)を被検出体内に挿入し、前記撮像手段により捉
えたカラー映像を画像処理機能を備えたコンピュータに
入力し、カラー原画像から明度と彩度と色相の3つの画
像を取得し、明度の画像における一定の明度以上の領域
について、彩度の画像における有彩色の判定と、色相の
画 像における錆色の判定を行い、腐食箇所の検出・判定
を行うことを特徴とする管類の内部腐食検出方法であ
る。
類の内部腐食検出方法において、明度と彩度と色相の3
つの画像をそれぞれ複数のブロックに分割し、明度と彩
度と色相の画像における各ブロックの代表値(最頻値)
を求め、明度の高いブロックと、彩度の高いブロック
と、色相が赤色(0°)から黄色(90°)までのブロ
ックとから、赤錆判定ブロックを求めることを特徴とす
る管類の内部腐食検出方法である。即ち、前記各ブロッ
クの代表値(最頻値)を用いて明度と彩度と色相の腐食
判定マップを作成し、明度の腐食判定マップにおいて明
度のしきい値を用いることで明度の高いブロックを求
め、彩度の腐食判定マップにおいて彩度のしきい値を用
いることで彩度の高いブロックを求め、色相の腐食判定
マップにおいて色相のしきい値を用いることで色相が0
°〜90°までのブロックを求め、この3つのブロック
から正しい腐食領域である赤錆判定ブロック(薄茶〜濃
茶色の錆色の腐食領域)を検出する。
類の内部腐食検出方法において、腐食の中期,末期にお
ける黒色領域を明度と彩度により検出し、この黒色領域
と赤錆判定ブロックとのAND処理により、腐食領域を
判定することを特徴とする管類の内部腐食検出方法であ
る。即ち、中期,末期の腐食領域には、その内部に黒色
の輝度(明度)の高くない、彩度値の低い領域が観察さ
れるため、一定値面積以上の黒色領域を明度と彩度によ
り検出し、前述の赤錆判定ブロックとのAND処理によ
り、中期,末期の腐食領域を検出できるようにする。
類の内部腐食検出方法において、腐食領域の面積あるい
は赤錆部分と黒錆部分の割合より劣化レベルを判定する
ことを特徴とする管類の内部腐食検出方法である。即
ち、請求項3で得られた中期,末期の腐食領域の面積あ
るいは赤錆部分と黒錆部分の割合より中期,末期の劣化
レベルを判定する。
撮像手段により捉えたカラー映像は、記録媒体(ビデオ
テープまたは光磁気ディスクなど)に記録し、その後、
収録した映像を再生して画像処理機能を備えたコンピュ
ータで腐食箇所の検出・判定を行う。あるいは、撮像手
段により捉えたカラー映像を、画像処理機能を備えたコ
ンピュータで直接処理し、腐食箇所の検出・判定を行
う。あるいは、撮像手段により捉えた映像を、画像処理
機能を備えたコンピュータで腐食箇所の検出・判定を行
いながら記録媒体(ビデオテープまたは光磁気ディスク
など)に腐食箇所を収録する。さらに、収録した映像に
対して詳細な解析を行うことも可能である。
ジスコープ等により管類の内面が連続的に撮像され、画
像処理機能を備えたコンピュータにより腐食箇所が自動
的に検出・判定される。管内面の溶融亜鉛めっき等の色
は灰色などの基本的に無彩色であり、腐食箇所は錆色す
なわち薄茶〜濃茶色などの有彩色であり、色を利用した
画像処理により腐食箇所を自動的に検出することができ
る。
箇所を判定することにより、腐食箇所を誤検出なく確実
に判定することができる。即ち、明度のみでは、腐食箇
所以外の明度の小さい部分があるため、腐食箇所を特定
することが難しいが、彩度を用いることにより、腐食箇
所の有彩色と管類内面の無彩色を明確に区別することが
できる。従って、一定の明度以上の領域について、有彩
色の判定を行い、さらに色相による錆色判定を行うこと
により、より正確な腐食領域の検出・判定を行うことが
できる。
例に基づいて説明する。これは、鉄塔などの鋼管内面の
腐食箇所の検出に適用した例であり、またCCDカメラ
によるビデオイメージスコープ方式で検出する例であ
る。図1は取得映像をいったんビデオテープに収録した
後、必要な画像処理を行う場合、図2は取得映像を現場
でリアルタイム処理する場合を示す。
出システム1は、CCDカラーカメラ2とキセノンラン
プ3を有する検出ヘッド4と、CCDカラーカメラ2か
らの映像信号を伝送する映像伝送ケーブル5と、映像信
号が入力されるビデオテープレコーダー(または光磁気
ディスクシステムなど)6,カラーモニター7およびコ
ンピュータ8から構成されている。コンピュータ8に
は、画像処理ボード(映像入出力機能・画像処理機能)
9が内蔵され、後に詳述するような画像処理が施され、
腐食箇所の検出および判定がなされる。
構が設けられ、ヘッド方向制御器10で方向制御するこ
とにより、カメラ2を鋼管中心位置や適当な撮像位置に
指向させることができる。また、これに限らず、検出ヘ
ッド4を常に鋼管中心位置に位置させるガイド機構を設
けるようにしてもよい。
2で捉えた映像をカラーモニター7およびコンピュータ
8に出力し、カラーモニター7に映像を表示すると共
に、コンピュータ8で腐食箇所を検出・判定し、腐食箇
所が検出された映像のみをビデオテープレコーダー6に
自動的に収録する。この場合、ビデオテープレコーダー
6には、基準値以上の映像の前後数秒間だけが収録さ
れ、問題とならない映像は通過して記録に残さないた
め、ビデオテープや光磁気ディスク等の無駄な消費が避
けられると共に、検出結果の確認作業を能率的に行え
る。また、最終的に得られた腐食箇所およびその判定結
果はビデオテープや光磁気ディスク等に鋼管番号順に保
存され、表示・プリントアウトされる。
を全てビデオテープレコーダー6に収録しておき、その
後この収録した映像を再生してコンピュータ8で腐食箇
所の検出・判定を行うようにしてもよい。
ープや光磁気ディスク等に収録する場合であるが、図2
に示すように、CCDカラーカメラ2で捉えた映像をコ
ンピュータ8に取り込み、現場でリアルタイムで処理す
ることもできる。この場合、診断対象である鉄塔の鋼管
斜材などに検出ヘッド4を挿入し、取得映像を映像伝送
ケーブル5等を介して地上のコンピュータ8に取り込
み、コンピュータ8で解析した後、光磁気ディスクシス
テム6’の光磁気ディスク等に腐食箇所の映像および判
定結果を記録し、プリンター11で帳票出力する。さら
に、センサーヘッド自体に判断する機能を持たせること
もできる。この場合、コンピュータに送って判断させる
必要がなく、システムのコンパクト化等が図られる。
拡大。
TSC準拠のビデオ信号であり、この信号は通常の伝送
系でのアナログ処理により、YuvもしくはRGB信号
へ変換される。変換された信号をデジタル化し、直交変
換(RGB→Lab、もしくはYuv→RGB→La
b)により、Labカラーに変換する。なお、このLa
bカラーによる方法の他、Yuv等の伝送信号により直
接評価することもできる。
式を用いて図3に示すLabモデルに変換され、さらに
(3)・(4)式により彩度Cおよび色相Hが得られ
る。なお、Yuvの場合は、図4に示すカラーモデルと
なる。
基準領域からの差分も合わせて、 明度:L* ,ΔL* =L* −L0 * ……(5) 彩度:C* ,ΔC* =C* −C0 * ……(6) 色相:H* ,ΔH* =H* −H0 * ……(7) の3組6種類を用いる。なお、L0 * ,C0 * ,H0 *
は基準値である。
検出判定手法 図5に示すのは、溶融亜鉛めっきが施された鋼管内面を
CCDカラーカメラで撮像した原画像であり、右下に大
きな腐食領域Eが撮像されている。この原画像のRGB
の3つの画像から式(1)〜(4)によって明度L* と
彩度C* と色相H* の画像を得ることができる。図6
は、明度L* と彩度C* と色相H* の画像であり、図6
(a)の明度の画像では腐食領域Eは周囲よりも輝度が
低く、明度L* の値は小さい。図6(b)の彩度の画像
では、腐食領域Eは薄茶〜濃茶色であるため、明るく表
示されており、鋼管母地部は灰色であるため彩度の値は
極めて小さくなっている。図6(c)の色相の画像で
は、腐食領域は赤色(0°)〜黄色(90°)の範囲に
あることが表示されている。
受けにくい腐食領域の判定を行うため、以下の処理を行
う。 図7(a)に示すように、L* ,a* ,b* の
画像をm×nのブロックに分割する。 各ブロック内
の画素の値の最頻値を求めるために、図7(b)〜
(d)に示すように、L* ,a* ,b* それぞれにおけ
る各ブロック内のヒストグラムを作成し、ヒストグラム
の頻度が最大となる値を最頻値L* p ,a* p ,b* p
とする。 この最頻値L* p ,a* p ,b* p を用い
て図8に示すL* ,C* ,H* の腐食判定マップを作成
する。この図では最頻値の最小値と最大値の間を16等
分して濃淡表示している。
は、腐食領域Eの中心部の明度が周囲よりも小さくなっ
ているが、この他にも明度の小さい箇所があるため、腐
食領域を特定することができない。これに対して、図8
(b)の彩度C* の腐食判定マップでは、腐食領域Eが
薄茶〜濃茶色(有彩色)をしているため、また他の母地
部分は明度は大きいものの灰色で彩度の値が極めて小さ
い(無彩色に近い)ため、腐食領域Eのみが明るく表現
される。従って、濃淡画像では検出の難しい腐食領域E
を彩度C* により確実に特定できる。なお、かびや水等
が付着したような疑似腐食の場合には彩度C* の変化が
少なく、適当なしきい値を用いれば腐食領域として検出
することはない。
で、明度L* が小さいにもかかわらず、彩度C *が大き
い腐食ではない領域が白ブロックとなってノイズ状に点
在することがあるため、図9(a)および次式に示すよ
うに明度にしきい値L* thを使用して腐食判定のための
関心ブロック(x,y) を明度の高いブロックに制限する。 (x,y) :{g(x,y) >L* th} (L* th=55) ……(8)
の低い領域と高い領域が混在していることから、図9
(b)の彩度C *のヒストグラムで右側裾野の累積頻度
が5%を越える時の彩度C *の値をC * p05 と定義し、
しきい値C * thを越えるブロックを腐食領域の候補と判
定する。図9(c)に示すように、腐食領域のみが白ブ
ロックにより明瞭に検出される。
(b)に示すように、ブロック毎の色相ヒストグラムを
求める。これより、腐食部には、0°〜90°の範囲の
色相H *を有する画素が存在することがわかる。そこ
で、0°〜90°の範囲の画素数がしきい値H* thを越
えるブロックを腐食部とする。図10(a)のブロック
毎の彩度ヒストグラムで各ブロックの彩度判定を行い
(図10(c)参照)、この彩度判定で腐食の候補領域
とされたブロックに対して前記の色相判定を行う(図1
0(c)参照)。
出 前記の処理では、薄茶→濃茶色の錆色の領域が腐食領域
として正しく検出される。しかし、中期,末期の腐食領
域には、その内部に黒色の輝度(明度)のあまり高くな
く、彩度値の低い領域が観察される。そこで、黒色部を
含めた腐食領域の検出に当たっては、一定値面積以上の
黒色領域を明度と彩度により検出し、ラベリングする。
次いで、前述の赤錆判定ブロックとのAND処理を行
い、ラベリング領域と前述の赤錆ブロックと接する、あ
るいは重なるところを腐食領域と判定する。
ち、2-7)で得られた腐食領域の面積を求め、この大きさ
から劣化レベルを判定する。さらに、赤錆部分と黒色部
分の割合からも劣化レベルを判定する。この判定結果に
基づいて診断記録簿を作成する。
保存 補修のための画像を記録する。即ち、腐食面積が極大と
なる画像を検出してその検出位置と共に保存する。腐食
面積と時間の関係も記録しておく。なお、前後画像を画
像圧縮によって保存しておく。
説明したが、これに限らず、輸送管や圧力容器などの腐
食検出にも本発明を適用できることはいうまでもない。
また、CCDカメラ方式に限らず、ファイバースコープ
方式なども採用できる。
で、次のような効果を奏する。
定することができる。従来の目視検査では例えば鉄塔1
基当たりVTRの収録時間が約15時間となるが、本発
明では検査員が最終的に1時間程度の処理結果確認作業
を行うのみでよく、作業の大幅な省力化,能率化を図る
ことができる。また、腐食箇所の検出・判定が客観的で
確実となる。
いることにより、腐食箇所を誤検出なく確実に検出・判
定することができる。
像をいったんビデオテープに収録した後、必要な画像処
理を行う場合であり、(a)は装置の構成図、(b)は
フローチャートである。
像を現場でリアルタイム処理する場合であり、(a)は
装置の構成図、(b)はフローチャートである。
モデルの説明図である。
る。
示す図、(ii) 〜(iv)は各解析画像を示す図である。
度C* の画像を示す図、(c)は色相H* の画像を示す
図である。
図、(b)〜(d)は腐食判定マップの作成方法に用い
るグラフである。
L* 、(b)は彩度C* とΔC* 、(c)は色相H* と
ΔH* の場合を示す。
度C* のヒストグラム、(c)は彩度C* の腐食判定マ
ップである。
(b)はブロック毎の色相ヒストグラム、(c)は原画
像・腐食判定マップである。
Claims (4)
- 【請求項1】 めっきされた管類の内部腐食を検出する
内部腐食検出方法であり、長尺の映像伝送手段の頭部に
照明部と撮像手段を併設してなる映像検出部を被検出体
内に挿入し、前記撮像手段により捉えたカラー映像を画
像処理機能を備えたコンピュータに入力し、カラー原画
像から明度と彩度と色相の3つの画像を取得し、明度の
画像における一定の明度以上の領域について、彩度の画
像における有彩色の判定と、色相の画像における錆色の
判定を行い、腐食箇所の検出・判定を行うことを特徴と
する管類の内部腐食検出方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の管類の内部腐食検出方
法において、明度と彩度と色相の3つの画像をそれぞれ
複数のブロックに分割し、明度と彩度と色相の画像にお
ける各ブロックの代表値を求め、明度の高いブロック
と、彩度の高いブロックと、色相が赤色から黄色までの
ブロックとから、赤錆判定ブロックを求めることを特徴
とする管類の内部腐食検出方法。 - 【請求項3】 請求項2に記載の管類の内部腐食検出方
法において、腐食の中期,末期における黒色領域を明度
と彩度により検出し、この黒色領域と赤錆判定ブロック
とのAND処理により、腐食領域を判定することを特徴
とする管類の内部腐食検出方法。 - 【請求項4】 請求項3に記載の管類の内部腐食検出方
法において、腐食領域の面積あるいは赤錆部分と黒錆部
分の割合より劣化レベルを判定することを特徴とする管
類の内部腐食検出方法。
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Family Applications (1)
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JP04100596A Expired - Fee Related JP3151400B2 (ja) | 1996-02-28 | 1996-02-28 | 管類の内部腐食検出方法 |
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