JP3151308B2 - 光学鏡筒 - Google Patents

光学鏡筒

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JP3151308B2
JP3151308B2 JP25687992A JP25687992A JP3151308B2 JP 3151308 B2 JP3151308 B2 JP 3151308B2 JP 25687992 A JP25687992 A JP 25687992A JP 25687992 A JP25687992 A JP 25687992A JP 3151308 B2 JP3151308 B2 JP 3151308B2
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/30Electron-beam or ion-beam tubes for localised treatment of objects
    • H01J37/3002Details
    • H01J37/3007Electron or ion-optical systems
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21KTECHNIQUES FOR HANDLING PARTICLES OR IONISING RADIATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; IRRADIATION DEVICES; GAMMA RAY OR X-RAY MICROSCOPES
    • G21K1/00Arrangements for handling particles or ionising radiation, e.g. focusing or moderating
    • G21K1/08Deviation, concentration or focusing of the beam by electric or magnetic means
    • G21K1/093Deviation, concentration or focusing of the beam by electric or magnetic means by magnetic means

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば1keV以下の
低エネルギ領域で大電流のマイクロビーム(概ね0.5
μm以下)を得ることができる光学鏡筒に係り、とりわ
け簡単な構造で大電流のマイクロビームを得ることがで
きる光学鏡筒に関する。
【0002】
【従来の技術】大電流のマイクロビームを得るための電
子光学系として、従来から行なわれている最も一般的な
手法は、円形形状の熱陰極(点光源)を縮小レンズ系で
円形ビームに集束させるものである。このときの電子光
学系の構成は回転対称系のレンズで構成される。この方
法において、点光源のような陰極先端の狭い領域から電
子を引き出すので、得られる電流の上限は、点光源から
の電子放出電流密度と空間電荷効果によって制限され
る。
【0003】このような制限を回避するため、電子銃の
陰極の先端径を大きくしたり、あるいは陰極先端部分を
面加工して少しでも放出に寄与する面積を大きく取るこ
とが行なわれている。しかし、陰極の先端径を大きくし
ても、基本的には、回転対称系のレンズ構成を用いた電
子光学鏡筒の場合、陰極からの電子放出電流密度と陰極
先端近傍の空間電荷効果により最大電流の上限は制限さ
れてしまう。
【0004】このような問題に対して、陰極を線状にし
て電子の放出面積を広げ、空間電荷効果による放出電流
の制限を緩和し、プローブ電流を増大させる方法が考え
られている。この場合、空間電荷は基本的には電流密度
に影響することから、放出面積が大きくなればその分だ
け得られる電流量は大きくなることが期待できる。
【0005】線状陰極はBrodieとNixon(J.Vac.Sci.Tech
nol.B7(6),Nov/Dec/,p.1878,1989)により提案されてい
る。彼等は線状陰極の空間電荷効果におけるベルシェ効
果(Boersch Effect)による放出エネルギーの広がりに着
目して理論解析を行ない、従来の点(円形)陰極に比較
して27%エネルギーの広がりが緩和され、これらは線
状陰極による空間電荷効果の緩和によるものであると述
べている。但し、ここでは放出領域の拡大による最大放
出電流量そのものの増大効果については述べられていな
い。
【0006】このベルシェ効果の緩和によってエネルギ
ーの広がりが低減し、レンズ系の色収差によってビーム
径が広がることが防止される。このため結果として集束
レンズ系の性能が向上する。この場合、色収差は低エネ
ルギ領域で影響が大きくなってくるので、低エネルギで
大電流のマイクロビームを得る場合、きわめて有効とな
る。
【0007】Nixon(USP4804851) は線状陰極を線状のイ
メージに結像するアイデアを提案しているが、この場
合、線状のイメージの長さ(アスペクト比)を変えるた
め、アパーチャあるいはスリット(blocking part と呼
んでいる)でビームが切り取られる。
【0008】このNixon の提案では、線状陰極を単純に
線状の像に結像するのみであり、多極子レンズ等の非対
称な光学系の励起条件によりビーム成形を行ないながら
マイクロビームに集束するようなものではない。
【0009】Brodie(Brodie 、J.Vac.Sci.Technol.B8、
p.1691、1990) は、電子ビーム描画を目的として、線状
陰極と電界型四極子レンズをタブレット(多極子レンズ
を2段重ねてビームを成形する装置)あるいはトリプレ
ット(多極子レンズを3段重ねてビームを形成する装
置)を用いて、スティグマチック焦点条件でアスペクト
比(長方形のビームを考えたときの長さと幅の比率)が
可変である線状ビームを形成する手法を提案している。
ここでスティグマチック焦点条件とは、多極子レンズに
おけるX軌道(長軸方向軌道)とY軌道(短軸方向軌
道)の2方向の軌道が中心軸(Z軸)上の像面で一致
し、かつX方向の倍率MxとY方向の倍率Myが等しい
レンズ条件である。これに対して、擬スティグマチック
焦点条件とは、X方向軌道とY方向軌道がZ軸上の像面
で一致し、かつMxおよびMyが異なるレンズ条件であ
る。
【0010】Brodieは線状陰極光源と四極子レンズを組
み合わせて、1:1から1:100程度のアスペクト比
の線状ビームを得るための電子光学系の構成、および特
に四極子レンズの動作条件について述べている。Brodie
の電子光学系は、図6に示すように線状陰極光源11
と、放出電子を成形加工して任意のアスペクト比にする
ための2段の四極子レンズ12と、長方形に成形したビ
ームを縮小してマイクロビームにする2段の磁界型コン
デンサレンズ13と、同じく磁界型対物レンズ14から
なっている。
【0011】Brodieが提示している四極子レンズ12の
動作条件では、励起条件が小さいので縮小倍率(倍率の
逆数)は小さく、また倍率比Mx/Myも1/10程度
と小さい。このため、四極子レンズ12ではマイクロビ
ームを得ることができないので、四極子レンズ12は結
果としてプローブ成形用のレンズとして用いられ、縮小
レンズ系としてコンデンサレンズ13と対物レンズ14
を付加して全体の縮小倍率をかせいでいる。このこと
は、結果として電子光学系を複雑にし、特に図6の例で
はコンデンサレンズ13および対物レンズ14に磁界型
レンズを用いているので全体構成として大きくかつ重い
構成になっている。
【0012】多極子レンズ系によりビームを成形しかつ
集束させる技術については、岡山と鶴島(特開昭60−
233814,特公平2−49533)が点陰極を四極
子レンズ系により線状の像に結像し、その長さ(アスペ
クト比)と電流密度分布を四極子レンズの励起条件を変
えることにより制御するアイデアおよび最適条件を提示
している。多極子レンズ系の構成は実施例としては2段
の多極子レンズを提示しているが、2段以上の多極子レ
ンズの組み合わせでも同様の効果が達成できると述べて
いる。しかしながら、ここでもBrodieと同様に多極子レ
ンズ系のみでビームを集束させておらず、多極子レンズ
系はあくまでビーム成形として機能し、最終的な集束は
従来通りの磁界型対物レンズにより行なわれている。ま
た、これらはあくまで点陰極から線状ビームへの多極子
レンズ系の応用であり、線状陰極から点状ビームへの成
形と集束とはことなっていると考えられる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、円形の
点光源を円形ビームに集束させる方式は、陰極からの放
出電流密度と空間電荷制限により、得られる電子ビーム
の電流は制限される。他方、図6に示すように、線状陰
極と四極子レンズを組み合わせた構成では、陰極からの
放出電流密度と空間電荷効果の制限は大幅に緩和される
が、四極子レンズ系の縮小率が小さいので、四極子レン
ズ系単独ではマイクロビームを形成することは難しく、
さらに縮小レンズ系を付加することが必要となる。この
ため、電子光学系は複雑になり、結果として装置は大型
化してしまう。
【0014】本発明はこのような点を考慮してなされた
ものであり、多極子レンズ系のみでマイクロビームを形
成することができ、簡単な構造でマイクロビームを得る
ことができる光学鏡筒を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】ビームを出射する線状ビ
ーム源と、多段に配置された多極子レンズとを備え、ビ
ームの軌道のうち線状陰極の長軸方向軌道および線状陰
極の短軸方向軌道を像面において交差させ、ビーム長軸
方向軌道の倍率対ビームの短軸方向軌道の倍率の比を、
線状ビーム源の短軸方向長さ対長軸方向長さの比に対応
させ、多極子レンズは3段に配置され、各多極子レンズ
は各々独自の励起条件を有し、第2段目の多極子レンズ
の励起条件は高モードをとることを特徴とする光学鏡筒
である。
【0016】
【作用】線状ビーム源から出射されるビームは、3段の
多極子レンズ内を通過する。3段の多極子レンズにおい
て、ビームの長軸方向軌道と短軸方向軌道は像面におい
て交差する。長軸方向軌道の倍率対短軸方向軌道の倍率
の比を、線状ビーム源の幅対長さの比に対応させること
により、像面において略円形のマイクロビームが得られ
る。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。図1乃至図5は、本発明による電子光学鏡
筒の一実施例を示す図である。
【0018】図1において、電子光学鏡筒は、長方形の
線状陰極21からなり電子ビームを出射する電子放出源
と、3段(トリプレット)に配置された四極子レンズ2
2,23,24とを備えている。また、線状陰極21の
電子ビーム長軸方向軌道25(X方向軌道)および電子
ビームの短軸方向軌道26(Y方向軌道)が像面27に
おいて交差している。また3段の四極子レンズ22,2
3,24によって縮小される長軸方向(X方向)の倍率
と短軸方向(Y方向)の倍率との比は、線状陰極21の
幅Wと長さHの比に対応している。
【0019】ここで線状陰極21は図1に示すように、
長さHおよび幅Wを有しており、上述のように長軸方向
の倍率と短軸方向の倍率との比を線状陰極21の幅Wと
長さHの比に対応させることにより、像面27において
電子ビームをその長さ対幅が1対1となるよう、すなわ
ち円形ビームとなるよう集束させることができる。
【0020】ここで倍率は線状陰極21(物面)を結像
面27(像面)でどのくらい縮小できるかを示すもの
で、マイクロビームを得るためには倍率が小さいほうが
望ましい。倍率比は、線状陰極の長軸方向(X方向)の
X方向軌道の倍率Mxと、短軸方向(Y方向)のY方向
軌道の倍率Myとの比率である。この倍率比が小さい程
線状陰極のアスペクト比(線状陰極の長さに対応)が大
きくとれるので、より細長い線状陰極を使うことがで
き、放出面積がその分だけ大きくなり、より大きな放出
電流を得ることができる。このため、倍率が小さくまた
倍率比も小さい方が、本発明の目的に関しては高性能な
電子光学系であるといえる。また四極子レンズ22,2
3,24は、他の多極子レンズと同様、回転対称でない
レンズである。他方、線状陰極21はランタンヘキサボ
ライト(LaB6 製の)熱陰極となっている。LaB6
は加工性に優れていて、放出電流密度が大きいという特
長がある。このためLaB6 は大電流を得るためには、
最も適当な陰極材料であるといえる。ただし、陰極材料
は必ずしもLaB6 に限定されるものではなく、例え
ば、電界放出型電子銃として用いられている他の陰極材
料、例えばタングステン(W)、ジルコニウムオキタイ
ド/タングステン(ZrO/W)を線状に加工して電子
銃を構成してもよい。
【0021】次にこのような構成からなる本実施例の作
用について説明する。図1に示す電子光学鏡筒によりマ
イクロビームを形成する作用について、以下電子光学系
の解析を行なって説明する。まず解析の基礎になる四極
子レンズの一般的な電子光学的特性を簡単に説明する。
【0022】電界型四極子レンズにおける電子ビームの
近軸軌道方程式は四極子レンズの長さlが開口aに比べ
て十分大きければ、電界分布k(z)を矩形モデルで近
似することが一般に行なわれており、次のように表わす
ことができる。 X″−β2 k(z)X=0 Y″+β2 k(z)Y=0 (1) ここで、β2 =V2 /Va 2 であり、V2 は電極への
印加電圧、Va は加速電圧である。またXはX方向距
離、X″はその2回微分であり、YはY方向距離、Y″
はその2回微分である。
【0023】また四極子レンズの近軸特性は次のように
なる。四極子矩形分布フィールド内での電子ビームの軌
道は、矩形フィールド入射端面での電子ビームのX方向
距離、X方向勾配およびY方向距離、Y方向勾配を各々
(X0 ,X0 ′,Y0 ,Y0′)とすると次式で表わさ
れる。 X=X0 cos hβz+X0 ′sin hβz/β Y=Y0 cos βz+Y′0 sin βz/β (2) 従って、矩形フィールド出射端面での軌道(XL
L ′,YL ,YL ′)は次のようなマトリクスで表現
される。
【0024】
【数1】 式(3)において、θは各四極子レンズの励起条件を表
わすパラメータである。
【0025】本発明のように四極子レンズ22,23,
34を3段に(トリプレット)組み合わせたときの光学
系の最終段レンズ端面での軌道は行列表式で、
【0026】
【数2】 となる。
【0027】式(4)において、aは陰極21と第1段
の多極子レンズ22の入射端面との距離、s1 は第1段
の多極子レンズ22と第2段の多極子レンズ23間の距
離、s2 は第2段の多極子レンズ23と第3段の多極子
レンズ24間の距離である。
【0028】焦点条件は、X方向軌道およびY方向軌道
ともにZ軸上の像面27で一致し、かつX方向軌道とY
方向軌道の倍率が互いに異なる条件(擬スティグマチッ
ク条件;psudo stigmatic )となり、次式で表わされ
る。 X/X′=Y/Y′ (Mx≠My) (5) すなわち線状陰極を円形(点)ビームに集束させるた
め、X方向軌道とY方向軌道の倍率は互いに異なるの
で、スティグマチック条件ではなく、擬スティグマチッ
ク条件で結像することになる。
【0029】次に上述の解析手法に基づいて本発明によ
る電子光学鏡筒の動作を説明する。本発明の解析を行な
うためのモデルを図2に示す。図2において、第1段の
四極子レンズ22、第2段の四極子レンズ23、第3段
の四極子レンズ24は、各々レンズ実効長Lを有してい
る。この実効長Lはレンズを矩形近似したときの電界領
域である。また、物面(陰極21の配置面)と第1段の
四極子レンズ22との距離はaとなっており、第3段の
四極子レンズ24と像面27の間の距離はbとなってい
る。さらに第1段の四極子レンズ22と第2段の四極子
レンズ23との間の距離はs1 となっており、第2段の
四極子レンズ23と第3段の四極子レンズ24との間の
距離はs2 となっている。また各四極子レンズ22,2
3,24は、各々励起条件θ1 、θ2 、θ3 を有してい
る。この励起条件は各四極子レンズのレンズ強度に相当
する。
【0030】本発明は線状陰極からより多くの放出電子
を取り出し円形のマイクロビームに集束することを目的
とするので、そのためには線状陰極のアスペクト比(線
状陰極の長さに対応)は大きい方が良い。すなわち四極
子レンズ22,23,24に対する電子光学的な要求と
しては以下のことがあげられる。 (1)X方向およびY方向ともに倍率を小さくすること
ができるレンズ系の構成と動作条件が望ましい。しか
し、むやみにX方向またはY方向どちらかの倍率を小さ
くすることは無意味である。 (2)X方向およびY方向の倍率比Mx/Myを同時に
小さくすることにより、線状陰極のアスペクト比が大き
くなり望ましい。
【0031】図2に示すモデルを用いて動作解析を行な
った。その結果を図3に示す。図3は、3段に配置され
た多極子レンズのX方向軌道およびY方向軌道の各倍率
Mx,Myの計算結果を示す。また第1段四極子レンズ
の励起条件(レンズ強度)θ1 =1,レンズ間の関係を
以下のような;a/L=5,s1 /L=s2 /L=1の
条件として計算し、b/LとX方向軌道の倍率MxとY
方向軌道の倍率Myとの関係を示している。ここでb/
Lは作動距離(第3段四極子レンズと像面との間の距
離)/レンズ実効長である。
【0032】第1段四極子レンズの励起条件θ1 を固定
したとき、同一のb/Lを得る第2段四極子レンズの励
起条件θ2 が2つ以上必ず存在する。1つはθ2 が1前
後の値を示す(この解析結果ではθ2 =0.9)場合で
あり、このモードを低θ2 モードという。もう1つはθ
2 が3以上の値を示す(この解析ではθ2 =3.5)場
合であり、このモードを高θ2 モードという。図3に示
すように、b/Lを小さくしていくとMxおよびMyと
もに小さくなる。図3において、Mxの値は低θ2 モー
ドに比べて高θ2 モードが常に約1桁小さくなってい
る。
【0033】一方、Myは、高θ2 モードおよび低θ2
モードとも殆ど変わらない。なお、Y方向軌道は、後述
のように、高θ2 モードではプラス、低θ2 モードでは
マイナスをとるので、図3において低θ2 モードの場合
はMyの絶対値を求めて示す。
【0034】次に図5において、倍率比Mx/Myを示
す。図3に示す解析結果に基づけば、高θ2 モードのM
xが低θ2 モードのMxに比べて約1桁小さいので、高
θ2モードの場合、低θ2 モードに比べて約1桁小さな
倍率比を取ることができる。
【0035】次に、上述のような解析の結果求められる
電子ビームのX方向軌道とY方向軌道を図1に示す。図
1に示すように、X方向軌道は高θ2 モード(実線)に
おいて第2段の四極子レンズ23内で大きく発散し、第
3段の四極子レンズ24内に入って集束される。このた
め高θ2 モードにおいて、X方向軌道は小さな倍率をと
ることができる。他方、低θ2 モードのX方向軌道(破
線)は、第2段の四極子レンズ23内であまり大きく発
散しない。このため低θ2 モードのX方向軌道は、高θ
2 モードのX方向軌道に比べて、小さな倍率をとること
はできない。
【0036】一方、高θ2 モードのY方向軌道(実線)
は、第2段の四極子レンズ23内で集束し、第3段の四
極子レンズ24内でわずかに発散する。また低θ2 モー
ドのY方向軌道(破線)は、第2段の四極子レンズ23
を通過した以後、高θ2 モードのY方向軌道(実線)と
プラスマイナス逆の対称軌道を描く。
【0037】図1からわかるように、倍率Mx,Myを
小さく、かつ倍率比Mx/Myを小さくするためには、
X方向軌道が第2段の四極子レンズ23において大きく
発散し、第3段の四極子レンズ24において集束する高
θ2 モードであることが好ましい。
【0038】次に高θ2 モードにおける第1段の四極子
レンズ22の励起条件θ1 について考察する。図5に高
θ2 モードにおけるθ1 とMx,My,Mx/Myの関
係を示している。Myはθ1 の増加にともなって単調に
減少するが、図5においてMxはθ1 =0.932(P
1 )またはθ1 =3.4(P2 )で発散する。図5から
わかるように、Mx/Myの値を小さくとってかつ発散
点(P1 ,P2 )を避けて安定に動作させるための最適
条件はθ1 がMxの2つの発散点(P1 ,P2)に挟ま
れた領域A内に入ることであることがわかる。なお、M
xはθ1 の値によりマイナス値を取ることもあり、その
場合を考慮して絶対値|Mx|を図5に示した。
【0039】以下、本発明の具体例を述べる。
【0040】以上のように、マイクロビームを得るため
の線状陰極と3段に配置された四極子レンズによる電子
光学系の動作条件として次のことがあげられる。 (1)高い倍率比を得るためには、第2段の四極子レン
ズの動作条件は高θ2 モードであることが必要で、この
ときX方向軌道は第2段の四極子レンズにおいて発散条
件で動作している。 (2)第1段の四極子レンズの励起条件θ1 を倍率Mx
の発散点に挟まれた領域に設定することによりMxおよ
びMx/Myを小さくかつ安定化させることができる。
【0041】これらの条件を満足した線状陰極と3段の
四極子レンズとを有する電子光学鏡筒として図1のもの
が考えられる。本発明による電子光学鏡筒の具体的構成
としては、例えば、θ1 =3,θ2 =高モード(θ2
3.39)、θ3 =1.23,a/L=5,s1 /L=
3,s2 /L=1が考えられる。
【0042】このとき、Mx=1.1×10-3,My=
1.3×10-2,Mx/My=8.4×10-2となり、
この結果、長さ100μm,幅10μm(アスペクト
比;10)の線状陰極およびb/L=1の条件の下で試
料上に0.1μmのビーム径が得られた。このように四
極子レンズのみのレンズ系で、マイクロビームをえるこ
とができた。
【0043】なお上記実施例において、電子ビームが出
射される電子光学鏡筒を例にとって説明してきたが、こ
れに限らず電子ビームの代わりにイオンビームを出射す
る光学鏡筒に本発明を適用することもできる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
3段に配置された多極子レンズのみで、全体を小型化軽
量化して像面に略円形のマイクロビームを得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光学筒体の一実施例を示す概略構
成図。
【図2】本発明による光学筒体の解析に用いる光学系モ
デルを示す図。
【図3】ビームのX方向軌道の倍率およびビームのY方
向軌道の倍率の計算結果を示す図。
【図4】ビームのX方向軌道の倍率とビームのY方向軌
道の倍率の倍率比の計算結果を示す図。
【図5】高θ2 モードにおけるX方向軌道の倍率、Y方
向軌道の倍率および倍率比の計算結果を示す図。
【図6】従来の電子光学筒体を示す概略構成図。
【符号の説明】
21 線状陰極 22 第1段の四極子レンズ 23 第2段の四極子レンズ 24 第4段の四極子レンズ H 線状陰極長さ W 線状陰極幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−118954(JP,A) Journal of Vacuum Science & Technol ogy.B.,American Va cuum Society,1990年,第 8巻,第6号,p.1691−1697 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 37/06 H01J 37/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビームを出射する線状ビーム源と、多段に
    配置された多極子レンズとを備え、 ビームの軌道のうち線状陰極の長軸方向軌道および線状
    陰極の短軸方向軌道を像面において交差させ、ビーム長
    軸方向軌道の倍率対ビームの短軸方向軌道の倍率の比
    を、線状ビーム源の短軸方向長さ対長軸方向長さの比に
    対応させ、 多極子レンズは3段に配置され、各多極子レンズは各々
    独自の励起条件を有し、第2段目の多極子レンズの励起
    条件は高モードをとることを特徴とする光学鏡筒。
  2. 【請求項2】第2段目の多極子レンズの高モードの励起
    条件は、3以上の値を示すことを特徴とする請求項1記
    載の光学鏡筒。
  3. 【請求項3】第1段目の多極子レンズの励起条件は、線
    状陰極の長軸方向の倍率が発散する2つの発散点に挟ま
    れた領域に設定されることを特徴とする請求項1記載の
    光学鏡筒。
  4. 【請求項4】線状ビーム源の短軸方向長さ対長軸方向長
    さの比が約1:10であることを特徴とする請求項1記
    載の光学鏡筒。
JP25687992A 1992-09-25 1992-09-25 光学鏡筒 Expired - Fee Related JP3151308B2 (ja)

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